JPH075675B2 - 4−メチル−1−ペンテン系ランダム共重合体 - Google Patents

4−メチル−1−ペンテン系ランダム共重合体

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JPH075675B2
JPH075675B2 JP60216258A JP21625885A JPH075675B2 JP H075675 B2 JPH075675 B2 JP H075675B2 JP 60216258 A JP60216258 A JP 60216258A JP 21625885 A JP21625885 A JP 21625885A JP H075675 B2 JPH075675 B2 JP H075675B2
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猛 村中
邦輔 福井
順一 吉武
典夫 柏
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三井石油化学工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、優れた有用性を有する従来知られていない新
規な4−メチル−1−ペンテン系ランダム共重合体に関
する。さらに詳細には透明性、耐熱性及び表面非粘着性
に優れ、かつ引張特性及びその他の性質に優れた4−メ
チル−1−ペンテン系ランダム共重合体、たとえば透明
性、耐熱性に優れたフイルム、シート、容器、その他の
溶融成形物の形成に適した4−メチル−1−ペンテン系
ランダム共重合体の提供に関する。
〔従来の技術〕
従来、軟質あるいは半硬質樹脂の成形応用分野において
は塩化ビニル樹脂の使用が優位にあつたが、廃棄物焼却
時における腐食性ガスの発生、残留モノマーや可塑剤に
対する安全性への懸念などの問題からオレフイン系の軟
質あるいは半硬質樹脂への転換が望まれるようになつて
きた。
最近、このような軟質あるいは半硬質樹脂の成形応用分
野において利用されているオレフイン系樹脂としては、
エチレン系共重合体、プロピレン系共重合体、1−ブテ
ン系共重合体などのオレフイン系共重合体がある。これ
らのオレフイン系の軟質あるいは半硬質樹脂のうちで、
1−ブテンを主成分とする1−ブテンとプロピレンから
なる軟質の1−ブテン系ランダム共重合体に関しては、
多数の提案がある。それらの中で米国特許第3,278,504
号明細書、米国特許第3,332,921号明細書、米国特許第
4,168,361号明細書、英国特許第1,018,341号明細書及び
特開昭50-38787号公報には、三塩化チタンや四塩化チタ
ン系触媒を用いて製造した。1−ブテン系ランダム共重
合体が開示されている。しかし、これらの1−ブテン系
ランダム共重合体に共通していることは、透明性及び耐
熱性に劣つていることの他に、沸騰酢酸メチル可溶分及
びアセトン・n−デカン混合溶媒(容量比1/1)可溶分
などの低分子重合体成分の含有率が多く、また組成分布
や分子量分布が広いので、これらの1−ブテン系ランダ
ム共重合体から形成した成形体、特にフイルム、シート
などは透明性及び耐熱性に劣り、しかも表面粘着性が大
きく、ブロツキング性が著しい。また、そのほとんどの
ものはランダム性が低く、n−ヘキサン不溶分が多く透
明性にも劣つており、商品価値の高い成形品を得ること
ができなかつた。
また、本出願人は、特開昭54-85293号公報において組成
分布が狭く、沸騰酢酸メチル可溶分が少なく、表面粘着
性の小さい1−ブテンを主成分とする1−ブテン・プロ
ピレンランダム共重合体を提案した。しかしながら、こ
の提案により提供される1−ブテン・プロピレン共重合
体は融点、軟化点及び透明性に劣る軟質樹脂であり、透
明性及び耐熱性が共に要求される用途には利用すること
ができなかつた。
一方、従来4−メチル−1−ペンテン成分と1−ブテ
ン、1−ペンテン、1−ヘキセンなどのα−オレフイン
成分からなる4−メチル−1−ペンテン系ランダム共重
合体は、特公昭37-17691号公報、英国特許第1014886号
明細書、同第1026437号明細書、同第1038115号明細書、
米国特許第3489735号明細書に提案されている。これら
の共重合体はいずれも三塩化チタン系触媒の存在下に共
重合を行うことによつて製造されたものであり、本発明
者らが追試した結果によればアセトン・n−デカン混合
溶媒(容量比1/1)への可溶分量が多く、低分子量重合
体ないしは低結晶性重合体の含有率が多いので、かかる
共重合体から得られた成形品は表面粘着性が大きく、耐
熱性及び力学物性にも劣るので、これらの性能の要求さ
れる用途には利用し難いという欠点があつた。
また、本出願人は立体規則性に優れた高活性チタン複合
体を含む触媒の存在下に共重合を行い、4−メチル−1
−ペンテン系ランダム共重合体を製造する方法を特開昭
56-76416号公報に提案しているが、この方法で得られた
4−メチル−1−ペンテン共重合体もまたアセトン・n
−デカン混合溶媒(容量比1/1)への可溶分量が多く、
同様に低分子量ないしは低結晶性重合体の含有率が多
く、表面非粘着性、耐熱性及び力学物性に対する性能が
要求される用途に利用するには不充分である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明者らは、従来のα−オレフイン系ランダム共重合
体からなる軟質樹脂は透明性、耐熱性に劣り、該α−オ
レフイン系ランダム共重合体軟質樹脂から得た成形体は
透明性、耐熱性、表面非粘着性及び力学的物性に劣つて
いることを認識し、従来のα−オレフイン系ランダム共
重合体に比してこれらの物性の改善されたα−オレフイ
ン系ランダム共重合体からなる軟質樹脂を提供すること
を目的に開発研究を行つてきた。その結果、本発明者ら
は、4−メチル−1−ペンテン成分及び炭素原子数が4
ないし7の範囲にありかつ4−メチル−1−ペンテン以
外のα−オレフイン成分からなる4−メチル−1−ペン
テン系ランダム共重合体であつて、かつ後記(A)ない
し(J)で定義された特性値を兼備した従来公知文献未
記載の4−メチル−1−ペンテン系ランダム共重合体が
存在できることを発見しかつその合成に成功した。
さらに、新規4−メチル−1−ペンテン系ランダム共重
合体は、従来公知の1−ブテン系ランダム共重合体にく
らべて透明性及び耐熱性に優れた軟質樹脂でありかつ低
分子量成分の含有率、たとえばアセトン・n−デカン混
合溶媒(容量比1/1)への可溶分で表わされる低分子量
重合体成分の含有率が少なく、該4−メチル−1−ペン
テン系ランダム共重合体から得た成形体は透明性、耐熱
性、表面非粘着性などの物性にとくに優れていることを
発見した。
従つて、本発明の目的は主成分量の4−メチル−1−ペ
ンテン成分と炭素原子数が4ないし7の範囲にあるα−
オレフイン成分からなる新規4−メチル−1−ペンテン
系ランダム共重合体を提供することにある。
本発明の上記目的ならびにさらに多くの他の目的ならび
に利点は以下の記載により一層明らかになるであろう。
〔問題点を解決するための手段及び作用〕
本発明によれば、4−メチル−1−ペンテン成分及び炭
素原子数が4ないし7の範囲にあつて4−メチル−1−
ペンテン以外のα−オレフイン成分からなる4−メチル
−1−ペンテン系ランダム共重合体であつて、 (A)その組成が、4−メチル−1−ペンテン成分が40
ないし80モル%及び該α−オレフイン成分が20ないし60
モル%の範囲にあること、 (B)デカリン中で135℃で測定した極限粘度〔η〕が
0.5ないし6dl/gの範囲にあること、 (C)示差走査熱量計によつて測定した融点〔Tm〕が14
0ないし220℃の範囲にあること、 (D)サーマル・メカニカル・アナライザー(TMA)で
測定した軟化点が90ないし190℃の範囲にあること、 (E)X線回折法で測定した結晶化度が15ないし35%の
範囲にあること、 (F)10℃におけるアセトン・n−デカン混合溶媒(容
量比1/1)への可溶分量が4×〔η〕-0.8重量%以下の
範囲にあること、 (G)厚さ1mmのシートの雲り度(Haze)が35%以下の
範囲にあること、 によつて特徴づけられる4−メチル−1−ペンテン系ラ
ンダム共重合体、が提供される。
本発明の4−メチル−1−ペンテン系ランダム共重合体
において、該共重合体の組成(A)は、4−メチル−1
−ペンテン成分の含有率が40ないし80モル%、好ましく
は50ないし80モル%の範囲にあり、炭素原子数が4ない
し7の範囲にあつて4−メチル−1−ペンテン以外のα
−オレフイン成分の含有率が20ないし60モル%、好まし
くは20ないし50モル%を範囲にある。該共重合体中の4
−メチル−1−ペンテン成分の含有率が40モル%よりも
小さくなり、該α−オレフイン成分の含有率が60モル%
よりも大きくなると、該共重合体の耐熱性及び力学物性
が低下するようになり、4−メチル−1−ペンテン成分
の含有率が80モル%より大きくなり、該α−オレフイン
成分の含有率が20モル%より小さくなると、該共重合体
の柔軟性が低下するようになる。該α−オレフイン成分
として具体的には1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキ
セン、1−ヘプテンなどを例示することができ、これら
のα−オレフイン成分のうちでは1−ブテン又は1−ヘ
キセンが好ましく、1−ヘキセンがとくに好ましい。
本発明の4−メチル−1−ペンテン系ランダム共重合体
において135℃のデカリン中で測定した極限粘度〔η〕
(B)は、0.5ないし6、好ましくは1ないし5の範囲
にある。この特性値は本発明の4−メチル−1−ペンテ
ン系ランダム共重合体の分子量を示す尺度であり、他の
特性値と結合することにより、前述の優れた性質のラン
ダム共重合体の提供に役立つている。
本発明の4−メチル−1−ペンテン系ランダム共重合体
の示差走査型熱量計によつて測定した融点〔以下、DSC
融点と略記することがある〕(C)は、140ないし220
℃、好ましくは160ないし210℃の範囲にある。該DSC融
点が存在することは、従来の非晶質の1−ブテン系ラン
ダム共重合体と区別される結晶性を有する共重合体であ
ることを示す尺度であつて、他の特性値と結合すること
によつて前述の優れた性質の共重合体の提供に役立つて
いる。ここで、DSC融点は成形20時間経過後の厚さ0.1mm
のプレスシートを10℃/minの昇温温度で0〜200℃まで
測定し、最大吸熱ピークをTmとした。
本発明の4−メチル−1−ペンテン系共重合体のサーマ
ル・メカニカル・アナライザー(TMA)によつて測定し
た軟化点(D)は90ないし190℃、好ましくは110ないし
180℃の範囲である。該軟化点(D)は前記DSC融点
(C)と共に本発明の共重合体の耐熱性を示す指標とな
つており、その他の物性値と結合することにより、前述
の優れた4−メチル−1−ペンテン系ランダム共重合体
の提供に役立つている。ここで、該TMA軟化点は、成形2
0時間経過後の厚さ1mmのプレスシートを1cm角に切り、
直径0.025インチの針を試験片面に当て、49gの荷重をか
けて10℃/minの速度で昇温し、針が0.1mmの深さだけ侵
入した時の温度を読みとつた。
本発明の4−メチル−1−ペンテン系ランダム共重合体
のX線回折法によつて測定した結晶化度(E)は、15な
いし35%、好ましくは20ないし30%の範囲にある。この
特性値は、本発明の4−メチル−1−ペンテン系ランダ
ム共重合体が引張特性に優れることを示す尺度であり、
他の特性値と結合することにより前述の優れた性質のラ
ンダム共重合体の提供に役立つている。結晶化度は成形
後20時間経過後の厚さ1.5cmのプレスシートのX線回折
測定により求めた。
本発明の4−メチル−1−ペンテン系ランダム共重合体
において、10℃におけるアセトン・n−デカン混合溶媒
(容量比1/1)への可溶分量〔W重量%)(F)は、該
共重合体の重量に基づいて、4×〔η〕-0.8重量%未
満、たとえば0.1×〔η〕-0.8〜4×〔η〕-0.8重量
%、好ましくは0.2×〔η〕-0.8〜3.8×〔η〕-0.8重量
%、とくに好ましくは0.3×〔η〕-0.8〜3.5×〔η〕
-0.8の範囲にある(ここで、〔η〕は該共重合体の極限
粘度の数値であつて、デイメンジヨンを除いた値を示
す。)。この特性値は、本発明の4−メチル−1−ペン
テン系ランダム共重合体における低分子量重合体成分の
含有率を示しかつ該共重合体の組成分布及び分子量の広
狭を示す尺度であり、従来から知られている4−メチル
−1−ペンテン系ランダム共重合体は該可溶分が多く、
表面非粘着性に劣り、ブロツキング性が大きい原因にな
つている。本発明の4−メチル−1−ペンテン系ランダ
ム共重合体におけるこの特性値は、他の特性値と結合す
ることにより、前述の優れた性質の共重合体の提供に役
立つている。本発明において、該混合溶媒中への共重合
体の可溶分量は次の方法によつて測定決定される。すな
わち、攪拌羽根付150mlのフラスコに、1gの共重合体試
料、0.05gの2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフエノ
ール、50mlのn−デカンを入れ、120℃の油浴上で溶解
させる。溶解後30分間室温下で自然放冷し、次いで50ml
のアセトンを30秒で添加し、10℃の水浴上で60分間放冷
する。析出した共重合体と低分子量重合体成分の溶解し
た溶液をグラスフイルターで過分離し、溶液を10mmHg
で150℃で恒量になるまで乾燥し、その重量を測定し、
前記混合溶媒中への共重合体の可溶分量を試料共重合体
の重量に対する百分率として算出決定した。なお、前記
測定法において攪拌は溶解時から過の直前まで連続し
て行つた。
本発明の4−メチル−1−ペンテン系ランダム共重合体
の曇り度(Haze)(G)は35%以下、好ましくは15%以
下である。該曇り度(Haze)は本発明の共重合体の透明
性を示す尺度であり、他の特性値と結合することにより
前述の優れた性質の4−メチル−1−ペンテン系ランダ
ム共重合体の提供に役立つている。ここで、該曇り度
(Haze)はJIS K 6758によつて成形した厚さ1mmのプレ
スシートを用い、成形後20時間後にJIS K 7105の方法に
従つて測定した。
本発明の4−メチル−1−ペンテン系共重合体は、以上
述べた(A)ないし(G)の特性値によつて表わされる
結合因子を満足し、さらに好ましい本発明の1−ブテン
系ランダム共重合体は次の(H)ないし(M)の特性値
をも充足する。
また、本発明の4−メチル−1−ペンテン系ランダム共
重合体のJIS K 7113の方法によつて測定したヤング率
(H)はたとえば400ないし8000kg/cm2、好ましくは800
ないし6000kg/cm2の範囲にある。また、本発明の4−メ
チル−1−ペンテン系ランダム共重合体のヤング率
(H)は、該α−オレフイン成分の含有率bモル%との
関係において好ましくは一般式 4.1−0.026b<logH<4.5−0.026b によつて表わされる。
本発明の4−メチル−1−ペンテン系ランダム共重合体
において、JIS K 7113の方法によつて測定した降伏点応
力(I)は10ないし200kg/cm2、好ましくは30ないし180
kg/cm2の範囲にあり、JIS K 7113の方法によつて測定し
た破断点応力(J)は100ないし300kg/cm2、好ましくは
120ないし280kg/cm2の範囲にあり、JIS K 7113の方法に
よつて測定した破断点伸び(K)は通常200%以上、好
ましくは400ないし1300%の範囲にある。本発明の4−
メチル−1−ペンテン系ランダム共重合体のヤング率
(H)、降伏点応力(I)、破断点応力(J)、破断点
伸び(K)の特性値はJIS K 7113の引張試験の方法に従
つて測定した。すなわち、試料はJIS K 6758によつて成
形した厚さ1mmのプレスシートから成形19時間後に打ち
抜いたJIS K 7113の2号形試験片を用い、25℃の雰囲気
下で引張速度50mm/minで上記プレスシート成形20時間後
に測定する。
本発明の4−メチル−1−ペンテン系ランダム共重合体
のJIS K 6745の方法によつて測定したねじり剛性率
(L)はたとえば120ないし4500kg/cm2、好ましくは350
ないし3500kg/cm2の範囲にある。ねじり剛性率の測定方
法としては、JIS K 6758によつて成形した厚さ1mmのプ
レスシートから成形9日後に打ち抜いた縦64mm、横6.35
mmの短冊状試験片を用い、プレスシート成形10日後、25
℃の雰囲気下、50ないし60度のねじり角で加算後5秒の
のちの値を測定した。
本発明の4−メチル−1−ペンテン系ランダム共重合体
の1−ブテン含有率の標準偏差値σ(M)はたとえば0.
4aモル%以下、好ましくは0.3aモル%以下である(式
中、aは該4−メチル−1−ペンテン系ランダム共重合
体中の該α−オレフイン成分の含有率モル%を示
す。)。該標準偏差値σは該4−メチル−1−ペンテン
系ランダム共重合体のランダム性を示す尺度であつて、
前記特性値(A)ないし(L)に加えてさらに特性値
(M)を満足する共重合体はより優れた物性を示す。本
発明の4−メチル−1−ペンテン系ランダム共重合体の
標準偏差値σは、該共重合体の組成分布に基づいて次式
によつて算出決定した。なお、該共重合体の組成分布
は、p−キシレン溶媒で抽出温度を0ないし130℃まで
5℃毎の段階的に変化させる抽出型カラム分別法によつ
て測定し、この際一定温度での抽出には共重合体試料10
gに対してp−キシレン2lを用い、4時間の抽出を行つ
た。
ここでは共重合体の4−メチル−1−ペンテンの平均
含有率(モル%)を示し、xは4−メチル−1−ペンテ
ン含有率(モル%)、f(x)は4−メチル−1−ペン
テン含有率x(モル%)を持つ成分の微分重量分率を示
す。
本発明の4−メチル−1−ペンテン系ランダム共重合体
には、前述の諸物性を損なうことがない限り、微量の他
のα−オレフイン、たとえばエチレン、プロピレンなど
が共重合体されていてもよい。
本発明の4−メチル−1−ペンテン系ランダム共重合体
は、たとえば、 (a)マグネシウム化合物、チタン化合物、ジエステル
及び必要に応じてハロゲン化合物(マグネシウム化合物
又はチタン化合物がハロゲン原子を含む場合には必らず
しも必要としない)を相互に反応させることによつて形
成されるマグネシウム、チタン、ハロゲン及びジエステ
ルを必須成分とする高活性チタン触媒成分、 (b)有機アルミニウム化合物触媒成分、及び (c)Si−o−c結合を有する有機硅素化合物触媒成
分、 から形成される触媒の存在下に、約20ないし約200℃の
温度で4−メチル−1−ペンテン及び1−ブテン又は1
−ヘキセンからなるα−オレフインを共重合させること
によつて得ることができる。触媒成分、共重合条件、そ
の他の共重合体製造条件は以下に詳しく述べるように、
本発明の共重合体に前記特性(A)ないし(J)を目安
として、実験的に容易に選択設定することができる。本
発明において従来の文献未記載の特性値を有する本発明
の4−ブチル−1−ペンテン系ランダム共重合体の存在
ならびにその共重合体の存在ならびにその共重合体の優
れた性質が明らかにされたのであるから、本発明の共重
合体に特定された特性値(A)ないし(J)、さらに補
助的な特性値(K)ないし(M)を目安として、本発明
の4−メチル−1−ペンテン系ランダム共重合体の製造
条件を実験的に容易にかつ適宜に選択設定することがで
きる。
高活性チタン触媒成分(a)は、マグネシウム、チタ
ン、ハロゲンおよびジエステルを必須成分として含有す
る。このようなチタン触媒成分(a)としては、マグネ
シウム/チタン(原子比)が好ましくは約2ないし約10
0、一層好ましくは約4ないし約70、ハロゲン/チタン
(原子比)が好ましくは約4ないし約100、一層好まし
くは約6ないし約40、ジエステル/チタン(モル比)が
好ましくは約0.2ないし約10、一層好ましくは約0.4ない
し約6の範囲にあるのが好ましい。また、その比表面積
は、好ましくは約3m2/g以上、一層好ましくは約40m2/g
以上、さらに好ましくは約100m2/gないし約800m2/gであ
る。
このようなチタン触媒成分(a)は、室温におけるヘキ
サン洗浄のような簡単な手段によつて実質的にチタン化
合物を脱離しないのが普通である。そのX線スペクトル
が触媒調製に用いた原料マグネシウム化合物の如何にか
かわらず、マグネシウム化合物に関して非晶性を示す
か、またはマグネシウムジハライドの通常の市販品のそ
れに比べ、好ましくは非常に非晶化された状態にある。
チタン触媒成分(a)は、前記必須成分以外に、触媒性
能を大きく悪化させない限度において、他の元素、金
属、官能基、電子供与体などを含有していてもよい。さ
らに有機や無機の希釈剤で希釈されていてもよい。他の
元素、金属、希釈剤などを含有する場合には、比表面積
や非晶性に影響を及ぼすことがあり、その場合には、そ
のような他成分を除去したときに前述したような比表面
積の値を示しかつ非晶性を示すものであることが好まし
い。
チタン触媒成分(a)を製造するには、マグネシウム化
合物(またはマグネシウム金属)、チタン化合物および
ジエステルまたはジエステル形成性化合物(ジエステル
を形成する化合物)を、他の反応試剤を用いまたは用い
ずして相互に接触させる方法を採用するのがよい。その
調製は、マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供
与体を必須成分とする従来公知の高活性チタン触媒成分
の調製法と同様に行うことができる。例えば、特開昭50
-108385号、同50-126590号、同51-20297号、同51-28189
号、同51-64586号、同51-92885号、同51-136625号、同5
2-87489号、同52-100596号、同52-147688号、同52-1045
93号、同53-2580号、同53-40093号、同53-43094号、同5
5-135102号、同55-135103号、同56-811号、同56-11908
号、同56-18606号などに開示された方法に準じて製造す
ることができる。
これらチタン触媒成分(a)の製造方法の数例につい
て、以下に例示する。
(1)マグネシウム化合物あるいはマグネシウム化合物
と電子供与体の錯化合物を、電子供与体、粉砕助剤等の
存在下または不存在下に、粉砕しまたは粉砕することな
く、電子供与体および/または有機アルミニウム化合物
やハロゲン含有ケイ素化合物のような反応助剤で予備処
理し、または予備処理せずに得た固体と、反応条件下に
液相をなすチタン化合物とを反応させる。但し、上記電
子供与体を少なくとも一回は使用する。
(2)還元能を有しないマグネシウム化合物の液状物
と、液状チタン化合物を電子供与体の存在下で反応させ
て固体状のチタン複合体を析出させる。
(3)(2)で得られるものに、チタン化合物をさらに
反応させる。
(4)(1)や(2)で得られるものに電子供与体およ
びチタン化合物をさらに反応させる。
(5)マグネシウム化合物あるいはマグネシウム化合物
と電子供与体の錯化合物を、電子供与体、粉砕助剤等の
存在下または不存在下に、およびチタン化合物の存在下
に粉砕し、電子供与体および/または有機アルミニウム
化合物やハロゲン含有ケイ素化合物のような反応助剤で
予備処理し、または予備処理せずに得た固体を、ハロゲ
ンまたはハロゲン化合物または芳香族炭化水素で処理す
る。但し、上記電子供与体を少なくとも一回は使用す
る。
これらの調製法の中では、触媒調製において、液状のハ
ロゲン化チタンを使用したものあるいはチタン化合物使
用後、あるいは使用の際にハロゲン化炭化水素を使用し
たものが好ましい。
上記調製において用いられる電子供与体は、ジエステル
またはジエステル形成性化合物のみである必要はなく、
たとえばアルコール、フエノール、アルデヒド、ケト
ン、エーテル、カルボン酸、カルボン酸無水物、炭酸エ
ステル、モノエステル、アミンなどジエステル以外の電
子供与体も使用することができる。
高活性チタン触媒成分(a)中の必須成分であるジエス
テルとしては、1個の炭素原子に2個のカルボキシル基
が結合しているジカルボン酸のエステルもしくは相隣る
2個の炭素原子にそれぞれカルボキシル基が結合してい
るジカルボン酸のエステルであることが好ましい。この
ようなジカルボン酸のエステルにおけるジカルボン酸の
例としては、マロン酸、置換マロン酸、コハク酸、置換
コハク酸、マレイン酸、置換マレイン酸、フマル酸、置
換フマル酸、脂環を形成する1個の炭素原子に2個のカ
ルボキシル基が結合した脂環ジカルボン酸、脂環を形成
する相隣る2個の炭素原子にそれぞれカルボキシル基が
結合した脂環ジカルボン酸、オルソ位にカルボキシル基
を有する芳香族ジカルボン酸、複素環を形成する相隣る
2個の炭素原子にカルボキシル基を有する複素環ジカル
ボン酸などのジカルボン酸のエステルを挙げることがで
きる。
上記のジカルボン酸のより具体的な例としては、マロン
酸;メチルマロン酸、エチルマロン酸、イソプロピルマ
ロン酸、アリル(allyl)マロン酸、フエニルマロン
酸、などの置換マロン酸;コハク酸;メチルコハク酸、
ジメチルコハク酸、エチルコハク酸、メチルエチルコハ
ク酸、イタコン酸などの置換コハク酸;マレイン酸;シ
トラコン酸、ジメチルマレイン酸などの置換マレイン
酸;シクロペンタン−1,1−ジカルボン酸、シクロペン
タン−1,2−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,2−ジカ
ルボン酸、シクロヘキセン−1,6−ジカルボン酸、シク
ロヘキセン−3,4−ジカルボン酸、シクロヘキセン−4,5
−ジカルボン酸、ナジツク酸、メチルナジツク酸、1−
アリルシクロヘキサン−3,4−ジカルボン酸などの脂環
族ジカルボン酸;フタル酸、ナフタリン−1,2−ジカル
ボン酸、ナフタリン−2,3−ジカルボン酸などの芳香族
ジカルボン酸;フラン−3,4−ジカルボン酸、4,5−ジヒ
ドロフラン−2,3−ジカルボン酸、ベンゾピラン−3,4−
ジカルボン酸、ピロール−2,3−ジカルボン酸、ピリジ
ン−2,3−ジカルボン酸、チオフエン−3,4−ジカルボン
酸、インドール−2,3−ジカルボン酸などの複素環ジカ
ルボン酸;の如きジカルボン酸を例示することができ
る。
上記ジカルボン酸のエステルのアルコール成分のうち少
なくとも一方が炭素数2以上、とくには炭素数3以上の
ものが好ましく、とりわけ両アルコール成分ともに炭素
数2以上、とくには炭素数3以上のものが好ましい。例
えば上記ジカルボン酸のジエチルエステル、ジイソプロ
ピルエステル、ジn−プロピルエステル、ジn−ブチル
エステル、ジイソブチルエステル、ジ−tert−ブチルエ
ステル、ジイソアミルエステル、ジn−ヘキシルエステ
ル、ジ−2−エチルヘキシルエステル、ジn−オクチル
エステル、ジイソデシルエステル、エチルn−ブチルエ
ステルなどを例示することができる。
前記高活性チタン触媒成分(a)の調製に用いられるマ
グネシウム化合物は還元能を有するまたは有しないマグ
ネシウム化合物である。前記の例としてはマグネシウム
・炭素結合やマグネシウム・水素結合を有するマグネシ
ウム化合物、例えばジメチルマグネシウム、ジエチルマ
グネシウム、ジプロピルマグネシウム、ジブチルマグネ
シウム、ジアミルマグネシウム、ジヘキシルマグネシウ
ム、ジデシルマグネシウム、エチル塩化マグネシウム、
プロピル塩化マグネシウム、ブチル塩化マグネシウム、
ヘキシル塩化マグネシウム、アミル塩化マグネシウム、
ブチルエトキシマグネシウム、エチルブチルマグネシウ
ム、ブチルマグネシウムハイドライドなどが挙げられ
る。これらマグネシウム化合物は、例えば有機アルミニ
ウム等との錯化合物の形で用いる事もでき、また、液状
状態であつても固体状態であつてもよい。後者の還元能
を有しないマグネシウム化合物の例としては、塩化マグ
ネシウム、臭化マグネシウム、沃化マグネシウム、弗化
マグネシウムのようなハロゲン化マグネシウム;メトキ
シ塩化マグネシウム、エトキシ塩化マグネシウム、イソ
プロポキシ塩化マグネシウム、ブトキシ塩化マグネシウ
ム、オクトキシ塩化マグネシウムのようなアルコキシマ
グネシウムハライド;フエノキシ塩化マグネシウム、メ
チルフエノキシ塩化マグネシウムのようなアリロキシマ
グネシウムハライド;エトキシマグネシウム、イソプロ
ポキシマグネシウム、ブトキシマグネシウム、n−オク
トキシマグネシウム、2−エチルヘキソキシマグネシウ
ムのようなアルコキシマグネシウム;フエノキシマグネ
シウム、ジメチルフエノキシマグネシウムのようなアリ
ロキシマグネシウム;ラウリン酸マグネシウム、ステア
リン酸マグネシウムのようなマグネシウムのカルボン酸
塩などを例示することができる。また、これら還元能を
有しないマグネシウム化合物は、上述した還元能を有す
るマグネシウム化合物から誘導したものあるいは、触媒
成分の調製時に誘導したものあつてもよい。また、該マ
グネシウム化合物は他の金属との錯化合物、複化合物あ
るいは他の金属化合物との混合物であつてもよい。さら
にこれらの化合物の2種以上の混合物であつてもよい。
これらの中で好ましいマグネシウム化合物は還元能を有
しない化合物であり、特に好ましくはハロゲン含有マグ
ネシウム化合物、とりわけ塩化マグネシウム、アルコキ
シ塩化マグネシウム、アリロキシ塩化マグネシウムであ
る。
チタン触媒成分(a)の調製に用いられるチタン化合物
として例えばTi(OR)qX4-q(Rは炭化水素基、Xはハロ
ゲン、0≦q≦4)で示される4価のチタン化合物が好
適である。より具体的には、TiCl4、TiBr4、TiI4などの
テトラハロゲン化チタン;Ti(OCH3)Cl3、Ti(OC2H5)C
l3、Ti(On-C4H9)Cl3、Ti(OC2H5)Br3、Ti(OisoC4H9)Br3
などのトリハロゲン化アルコキシチタン;Ti(OCH3)2C
l2、Ti(OC2H5)2Cl2、Ti(On-C4H9)2Cl2、Ti(OC2H5)2Br2
などのジハロゲン化アルコキシチタン;Ti(OCH3)3Cl、T
i(OC2H5)3Cl、Ti(On-C4H9)3Cl、Ti(OC2H5)3Brなどのモ
ノハロゲン化トリアルコキシチタン;Ti(OCH3)4、Ti(OC
2H5)4、Ti(On-C4H9)4などのテトラアルコキシチタンな
どを例示することができる。これらの中で好ましいもの
はハロゲン含有チタン化合物、とくにはテトラハロゲン
化チタンであり、とくに好ましいものは四塩化チタンで
ある。これらチタン化合物は単味で用いてもよいし、混
合物の形で用いてもよい。あるいは炭化水素やハロゲン
炭化水素などに希釈して用いてもよい。
チタン触媒成分(a)の調製において、チタン化合物、
マグネシウム化合物および担持すべき電子供与体、さら
に必要に応じて使用されることのある他の電子供与体、
例えばアルコール、フエノール、モノカルボン酸エステ
ルなど、ケイ素化合物、アルミニウム化合物などの使用
量は、調製方法によつて異なる一概に規定できないが、
例えば、マグネシウム化合物1モル当り、担持すべき電
子供与体約0.1ないし約10モル、チタン化合物約0.05な
いし約1000モル程度の割合を例示することができる。
以上のようにして得られる高活性チタン触媒成分(a)
と、有機アルミニウム化合物触媒成分(b)およびSi−
O−C結合を有する有機ケイ素化合物触媒成分(c)の
組合せ触媒を用いる。
上記(b)成分としては、(i)少なくとも分子内に1
個のAl−炭素結合を有する有機アルミニウム化合物、例
えば一般式 R1mAl(OR2)nHpXq (ここで、R1およびR2は炭素原子、通常1ないし15個、
好ましくは1ないし4個を含む炭化水素基で互いに同一
でも異なつていてもよい。Xはハロゲン、mは0<m≦
3、0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数
であつて、しかもm+n+p+q=3である)で表わさ
れる有機アルミニウム化合物、(ii)一般式 M1AlR1 (ここでM1はLi、Na、Kであり、R1は前記と同じ)で表
わされる第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物
などを挙げることができる。
前記(i)に属する有機アルミニウム化合物としては、
次のものを例示できる。一般式 R1mAl(OR2)3-m (ここでR1は前記と同じ。Xはハロゲン、mは好ましく
は0<m<3である。)、一般式 R1mAlH3-m (ここでR1は前記と同じ。mは好ましくは2≦m<3で
ある。)、一般式 R1mAl(OR2)nXq (ここでR1およびR2は前記と同じ。Xはハロゲン、0<
m<3、0<n<3、0<q<3で、m+n+q=3で
ある)で表わされるものなどを例示できる。
(i)に属するアルミニウム化合物の例としては、以下
の如き化合物を例示できる。トリエチルアルミニウム、
トリブチルアルミニウムなどをトリアルキルアルミニウ
ム;トリイソプレニルアルミニウムのようなトリアルケ
ニルアルミニウム;ジエチルアルミニウムブトキシド、
ジブチルアルミニウムブトキシドなどの如きジアルキル
アルミニウムアルコキシド;エチルアルミニウムセスキ
エトキシド、ブチルアルミニウムセスキブトキシドなど
の如きアルキルアルミニウムセスキアルコキシドのほか
に、R1 2.5Al(OR2)0.5などで表わされる平均組成を有す
る部分的にアルコキシ化されたアルキルアルミニウム;
ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチルアルミニウム
クロリド、ジエチルアルミニウムブロミドのようなジア
ルキルアルミニウムハライド;エチルアルミニウムセス
キクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチ
ルアルミニウムセスキブロミドのようなアルキルアルミ
ニウムセスキハライド;エチルアルミニウムジクロリ
ド、プロピルアルミニウムジクロリド、ブチルアルミニ
ウムジブロミドなどのようなアルキルアルミニウムジハ
ライドなどの部分的にハロゲン化されたアルキルアルミ
ニウム;ジエチルアルミニウムヒドリド、ジブチルアル
ミニウムヒドリドなどの如きジアルキルアルミニウムヒ
ドリド;エチルアルミニウムジヒドリド、プロピルアル
ミニウムジヒドリドなどの如きアルキルアルミニウムジ
ヒドリドなど、その他の部分的に水素化されたアルキル
アルミニウム;エチルアルミニウムエトキシクロリド、
ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチルアルミニ
ウムエトキシブロミドなどの部分的にアルコキシ化およ
びハロゲン化されたアルキルアルミニウム。
前記(ii)に属する化合物としては、LiAl(C2H5)4、LiA
l(C7H15)4などを例示できる。
また(i)に類似する化合物として酸素原子や窒素原子
を介して2以上のアルミニウムが結合した有機アルミニ
ウム化合物であつてもよい。このような化合物として、
例えば(C2H5)2AlOAl(C2H5)2、(C4H9)2AlOAl(C4H9)2などを例示できる。
これらの中では、とくにトリアルキルアルミニウムや上
記した2以上のアルミニウムが結合したアルキルアルミ
ニウムの使用が好ましい。
Si−O−C結合を有する有機ケイ素化合物触媒成分
(c)は、例えばアルコキシシラン、アリーロキシシラ
ン(aryloxysilane)などである。このような化合物の
例としては、式RnSi(OR1)4-n〔式中、0≦n≦3、Rは
炭化水素基、例えばアルキル基、シクロアルキル基、ア
リール基、アルケニル基、ハロアルキル基、アミノアル
キル基など、またはハロゲン;R1は炭化水素基、例えば
アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルケニ
ル基、アルコキシアルキル基など;但し、n個のR、
(4−n)個のOR1基は同一でも異つていてもよい〕で
表わされるケイ素化合物を挙げることができる。また、
他の例としては、OR1基を有するシロキサン類、カルボ
ン酸のシリルエステルなどを挙げることができる。ま
た、さらに他の例として2個以上のケイ素原子が、酸素
または窒素原子を介して互いに結合されているような化
合物を挙げることができる。以上の有機ケイ素化合物は
Si−O−C結合を有しない化合物とO−C結合を有する
化合物を予め反応させておき、あるいは重合の場で反応
させ、Si−O−C結合を有する化合物に変換させて用い
てもよい。このような例として、例えばSi−O−C結合
を有しないハロゲン含有シラン化合物またはシリコンハ
イドライドと、アルコキシ基含有アルミニウム化合物、
アルコキシ基含有マグネシウム化合物、その他金属アル
コラート、アルコール、ギ酸エステル、エチレンオキシ
ドとの併用を例示することができる。有機ケイ素化合物
は、また他の金属(例えばアルミニウム、スズなど)を
含有するものであつてもよい。より具体的には、トリメ
チルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメ
チルジメトキシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフ
エニルジメトキシシラン、メチルフエニルジメトキシシ
ラン、ジフエニルジエトキシシラン、エチルトリメトキ
シシラン、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメト
キシシラン、フエニルトリメトキシシラン、γ−クロル
プロピルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラ
ン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、ブチルトリエトキシシラン、フエニルトリエトキ
シシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ク
ロルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシ
ラン、ビニルトリブトキシシラン、ケイ酸エチル、ケイ
酸ブチル、トリメチルフエノキシシラン、メチルトリア
リロキシ(allyloxy)シラン、ビニルトリス(β−メト
キシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、
ジエチルテトラエトキシジシロキサン、フエニルジエト
キシジエチルアミノシランなどを例示することができ
る。これらの中でとくに好ましいのは、前記式Rn(OR1)
4-nで示されるものであり、中でもこの式においてnが
2または3のものである。
4−メチル−1−ペンテンと炭素原子数が4ないし7の
α−オレフインの共重合は、液相、気相の何れの相にお
いても行うことができるが、とくに液相において共重合
体が溶解する条件で行うのが好ましい。液相で共重合を
行う場合は、ヘキサン、ヘプタン、灯油のような不活性
溶媒を反応媒体としてもよいが、オレフインそれ自身を
反応媒体とすることもできる。触媒の使用量は、反応容
積1当り、(a)成分をチタン原子に換算して約0.00
01ないし約1.0ミリモル、(b)成分を(a)成分中の
チタン原子1モルに対し、(b)成分中の金属原子が約
1ないし約2000モル、好ましくは約5ないし約500モル
となるように、また(c)成分を、(b)成分中の金属
原子1モル当り、(c)成分中のSi原子が約0.001ない
し約10モル、好ましくは約0.01ないし約2モル、とくに
好ましくは約0.05ないし約1モルとなるようにするのが
好ましい。
これらの各触媒成分(a)(b)(c)は共重合時に三
者を接触させても良いし、また共重合前に接触させても
良い。この共重合前の接触に当つては、任意の二者のみ
を自由に選択して接触させても良いし、また各成分の一
部を二者ないしは三者接触させてもよい。またさらに共
重合前の各成分の接触は、不活性ガス雰囲気下であつて
も良いし、オレフイン雰囲気下であつても良い。
共重合温度は適宜に選択でき、好ましくは約20ないし約
200℃、一層好ましくは約50ないし約180℃程度、圧力も
適宜に選択でき、大気圧ないし約100kg/cm3、好ましく
は約2ないし約50kg/cm2程度の加圧条件下で行うのが好
ましい。
該α−オレフイン成分の含有量が20ないし60モル%の範
囲の4−メチル−1−ペンテン系ランダム共重合体を製
造するための4−メチル−1−ペンテン/該α−オレフ
インの供給割合は、重合圧力などによつて適宜に選択で
きる。たとえば、通常4−メチル−1−ペンテン/該α
−オレフイン(モル比)が0.01ないし100程度の供給割
合を例示できる。
分子量の調節は、重合温度、触媒成分の使用割合などの
重合条件を変えることによつてある程度調節できるが、
重合系中に水素を添加するのが最も効果的である。
本発明の4−メチル−1−ペンテン系ランダム共重合体
は、べた付きがなく、既知の如く他に種々の特性を備え
ている点において従来提案のものとは異なつている。こ
の4−メチル−1−ペンテン系ランダム共重合体は、押
出成形、中空成形、射出成形、プレス成形、真空成形な
どの任意の成形方法により、パイプ、フイルム、シー
ト、中空容器、その他各種製品に成形でき、各種用途に
供することができる。とくに耐熱性が良好であるところ
から、滅菌用容器として好適である。
成形に際し、各種安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、
帯電防止剤、滑剤、可塑剤、顔料、無機または有機の充
填剤を配合することができる。これらの例として、2,6
−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、テトラキス〔メ
チレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキ
シフエニル)プロピオネート〕メタン、4,4′−ブチリ
デンビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、トコ
フエロール類、アスコルビン酸、ジラウリルチオジプロ
ピオネート、リン酸系安定剤、脂肪酸モノグリセライ
ド、N,N−〔ビス−2−ヒドロキシエチル)アルキルア
ミン、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−
ブチルフエニル)−5−クロルベンゾトリアゾール、ス
テアリン酸カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグ
ネシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、シリカ、ハ
イドロタルサイト、タルク、クレイ、石こう、ガラス繊
維、チタニア、炭素カルシウム、カーボンブラツク、石
油樹脂、ポリブデン、ワツクス、合成または天然ゴムな
どであつてもよい。
本発明の共重合体は、また、他の熱可塑性樹脂と混合し
て用いることもできる。これらの例として高密度、中密
度または低密度のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、エチ
レン・酢酸ビニル共重合体、サーリンA、エチレン・ビ
ニルアルコール共重合体、ポリスチレン、これらの無水
マレイン酸グラフト物などを例示することができる。
〔実施例〕
次に、本発明の4−メチル−1−ペンテン系ランダム共
重合体を実施例によつて具体的に説明する。
実施例1 〈チタン触媒成分(a)の調製〉 無水塩化マグネシウム4.76g(50mmol)、デカン25mlお
よび2−エチルヘキシルアルコール23.4ml(150mmol)
を130℃で2時間加熱反応を行い均一溶液とした後、こ
の溶液中に無水フタル酸1.11g(7.5mmol)を添加し、13
0℃にて更に1時間攪拌混合を行い、無水フタル酸を該
均一溶液に溶解させる。この様にして得られた均一溶液
を室温に冷却した後、−20℃に保持された四塩化チタン
200ml(1.8mmol)中に1時間に渡つて全量滴下装入す
る。装入終了後、この混合液の温度を4時間かけて110
℃に昇温し、110℃に達したところでジイソブチルフタ
レート2.68ml(12.5mmol)を添加しこれより2時間同温
度にて攪拌下保持する。2時間の反応終了後熱過にて
固体部を採取し、この固体部を200mlのTiCl4にて再懸濁
させた後、再び110℃で2時間、加熱反応を行う。反応
終了後、再び熱過にて固体部を採取し、110℃デカン
及びヘキサンにて、洗液中に遊離のチタン化合物が検出
されなくなる迄充分洗浄する。以上の製造方法にて調製
されたチタン触媒成分(a)はヘキサンスラリーとして
保存するが、このうち一部を触媒組成を調べる目的で乾
燥する。この様にして得られたチタン触媒成分(a)の
組成はチタン3.1重量%、塩素56.0重量%、マグネシウ
ム17.0wt%およびジイソブチルフタレート20.9重量%で
あつた。
〈重合〉 200lのSUS製反応釜へ、1時間当り10lの1−ヘキサン、
90lの4−メチル−1−ペンテン(以下4MPと略す)、10
0mmolのトリエチルアルミニウム、10mmolのトリメチル
メトキシシランチタン原子に換算して0.5mmolのチタン
触媒成分(a)を連続的に装入し、気相中の水素分圧を
1.5kg/cm2に保ち、重合温度を70℃に保つた。
反応釜の液量が100lになる様、重合液を連続的に抜き出
し、小量のメタノールで重合を停止し、未反応のモノマ
ーを除去した。1時間当り7.5kgの共重合体が得られ
た。結果を表1に示した。
実施例2〜4 1−ヘキサンと4MPの装入量を表1に記載した量に変更
し、水素分圧を適宜変更して、実施例1と同様に重合し
た。結果を表1に示した。
実施例5〜6 1−ブテンと4MPの装入量を表1に記載した量に変更
し、水素分圧を適宜変更して実施例1と同様に重合し
た。結果を表1に示した。
比較例1〜2 1−ヘキサンと4MPの装入量を表1に記載した量に変更
し、水素分圧を適宜変更して実施例1と同様に重合し
た。結果を表1に示した。
比較例3 200lの反応釜へ、1時間当り12lの1−ヘキセン、88lの
4MP、200mmolのジエチルアルミニウムクロリド、100mmo
lの三塩化チタン(東邦チタニウム社、TAC−131)を連
続的に装入し、水素の気相分圧を2.5kg/cm2に保ち、重
合温度を70℃に保つた。反応釜の液量が100lになる様に
連続的に抜き出し、1時間当り10lのタノールを添加
し、次いで水洗し、未反応モノマーを除去した。1時間
当り6.8kgの共重合体が得られた。結果を表1に示し
た。
比較例4 〈Ti触媒成分の調製〉 無水塩化マグネシウム47.6kg、n−デカン250l、2−エ
チル−ヘキサノール183lを130℃で2時間加熱処理を行
い、均一溶液とした後、安息香酸エチル11.4lを添加す
る。
この均一溶液を−20℃に冷却した2000lの四塩化チタン
中で20分で攪拌滴下する。徐々に昇温後80℃で安息香酸
エチル24.3lを添加、さらに80℃で2時間攪拌した。固
体部分を過によつて採取しこれを1000lの四塩化チタ
ンに再び懸濁させ、90℃で2時間の加熱反応を行つた。
その後、過により固体物質を採取し、洗液中に遊離の
チタン化合物が検出されなくなるまで精製ヘキサンで充
分洗浄した。該チタン触媒成分(b)はチタン4.0重量
%、マグネシウム20.0重量%、塩素59.0重量%、安息香
酸エチル15.2重量%を含有し、その比表面積は225m2/g
であつた。
〈重合〉 200lのSUS製反応釜へ、1時間当り8lの1−ヘキセン、9
2lの4MP、200mmolのトリエチルアルミニウム、67mmolの
p−トルイル酸メチル、チタン原子に換算して1.0mmol
のチタン触媒成分(b)を連続的に装入し、気相中の水
素分圧を1.5kg/cm2に保ち、重合温度を70℃に保つた。
反応釜の液量が100lになる様、重合液を連続的に抜き出
し、小量のメタノールで重合を停止し、未反応モノマー
を除去した。1時間当り1.2kgの共重合体が得られた。
結果を表1に示した。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】4−メチル−1−ペンテン成分及び炭素原
    子数が4ないし7の範囲にあつて、4−メチル−1−ペ
    ンテン以外のα−オレフイン成分からなる4−メチル−
    1−ペンテン系ランダム共重合体であつて、 (A)その組成が、4−メチル−1−ペンテン成分が40
    ないし80モル%及び該α−オレフイン成分が20ないし60
    モル%の範囲にあること、 (B)デカリン中で135℃で測定した極限粘度〔η〕が
    0.5ないし6dl/gの範囲にあること、 (C)示差走査型熱量計によつて測定した融点〔Tm〕が
    140ないし220℃の範囲にあること、 (D)サーマル・メカニカル・アナライザー(TMA)で
    測定した軟化点が90ないし190℃の範囲にあること、 (E)X線回折法で測定した結晶化度が15ないし35%の
    範囲にあること、 (F)10℃におけるアセトン・n−デカン混合溶媒(容
    量比1/1)への可溶分量が4×〔η〕-0.8重量%以下の
    範囲にあること、 (G)厚さ1mmのシートの曇り度(Haze)が35%以下の
    範囲にあること、 によつて特徴づけられる4−メチル−1−ペンテン系ラ
    ンダム共重合体。
JP60216258A 1985-10-01 1985-10-01 4−メチル−1−ペンテン系ランダム共重合体 Expired - Lifetime JPH075675B2 (ja)

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