JPH0756564Y2 - ケ−ブル引上げ工具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案はＣＣＰ−ＳＳ（Ｇ形）ケ
−ブルの電柱引留め時に使用するケ−ブル引上げ工具に
関する。

【０００２】

【従来の技術】ＣＣＰ−ＳＳ（Ｇ形）ケ−ブル等の架空
ケ−ブルの架渉は、従来は、一定間隔おきに設けられた
電柱にそれぞれ吊り金車（２号金車，４号金車，カ−ブ
金車など）を取付けた後、これら吊り金車に引き通した
パイロットワイヤの後端に、ＣＣＰ−ＳＳ（Ｇ形）ケ−
ブルの牽引端を接続し、動力ウインチ（車両ウインチ）
によってパイロットワイヤを牽引して行われる。特に電
柱に対するＣＣＰ−ＳＳ（Ｇ形）ケ−ブルの引留は、図
５，図６に示されている如く、電柱２上部に取付けられ
たＳＳ（Ｇ形）ちょうか金物１に、ＣＣＰ−ＳＳ（Ｇ
形）ケ−ブル３の支持線４を挟持させることによって行
われているが、支持線４の引留前には、ケ−ブルねん回
挿入工具（図示せず）を使用してＣＣＰ−ＳＳ（Ｇ形）
ケ−ブル３にねん回を挿入する作業、支持線４の一部
を、ＳＳ（Ｇ形）ちょうか金物１に挟持させることがで
きるようにするために、ＣＣＰ−ＳＳ（Ｇ形）ケ−ブル
３の支持線４とケ−ブルとの境にナイフで切れ目を作り
その支持線４の一部（以下、「支持線挟持部５ａ」とい
う）をケ−ブルに対して引き離せるようにする作業、ち
ょうか金物１に対して支持線挟持部５ａを耐久性のよい
状態でＳＳ（Ｇ形）ちょうか金物１に挟持させておくこ
とができるようにするために、支持線挟持部５ａ外周の
ＰＥ被覆に直接ラインガ−ド６を巻き付ける作業がなさ
れる。

【０００３】

【考案が解決しようする課題】しかし、ＳＳ（Ｇ形）ち
ょうか金物の挟持部に支持線挟持部を挟持させて固定す
るまでの間は、作業者は重いＣＣＰ−ＳＳ（Ｇ形）ケ−
ブルを肩で持ち上げこれを支え続けなければならず多く
の労力を費やさざるを得ないため、この重労働から作業
者を解放できるような工具の開発が望まれていた。

【０００４】本考案の目的は、電柱に簡単に取付け可能
で、ＣＣＰ−ＳＳ（Ｇ形）ケ−ブルの電柱引留時におい
てＣＣＰ−ＳＳ（Ｇ形）ケ−ブルの支持線挟持部をＳＳ
（Ｇ形）ちょうか金物の挟持位置に、引き上げておくこ
のできるケ−ブル引上げ用の工具を提供することにあ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案は上記目的を達成
するために、電柱外周面に着座させて取付けられるベ−
ス部材と、このベ−ス部材を電柱に着脱自在に取付ける
ための電柱取付け手段と、上記ベ−ス部材に昇降自在に
螺合されたねじ部材と、このねじ部材の下端に一体的に
取付けられたケ−ブル吊り腕と、このケ−ブル吊り腕の
両端に吊り下げられたケ−ブル吊下げ部材と、上記ねじ
部材の上端側を回転自在に螺合させると共に上記ベ−ス
板に対してはこれに回転自在にかつ軸方向への移動を規
制させて設けられた回転入力部材とを備えたものであ
る。

【０００６】

【作用】ＣＣＰ−ＳＳ（Ｇ形）ケ−ブルの支持線挟持部
にライン−ガ−ドを巻き付けた後、ＳＳ（Ｇ形）ちょう
か金物に支持線挟持部を引留めるときは、電柱のちょう
か金物より適宜上部に、電柱取付け手段によりベ−ス板
を電柱外周面に取付け、次に、ケ−ブル吊り腕両端の吊
り下げ部材にＣＣＰ−ＳＳ（Ｇ形）ケ−ブルを支持さ
せ、その後、回転入力部材をロッド部材の引上げ側に回
転させて、ＣＣＰ−ＳＳ（Ｇ形）ケ−ブルの支持線挟持
部をＣＣＰ−ＳＳ（Ｇ形）ちょうか金物の挟持部位置ま
で昇降させる。

【０００７】

【実施例】以下に本考案の好適一実施例を添付図面に基
づいて説明する。

【０００８】図１は本考案に係るケ−ブル引上げ工具を
側方からみた一部断面図、図２はその平面図、図３は、
本考案に係るケ−ブル引上げ工具の要部詳細断面図、図
４は本考案に係るケ−ブル引上げ工具の電柱取付け手段
を示す斜視図である。

【０００９】図１乃至図３に示すように、本考案に係る
ケ−ブル引上げ工具は、バンド金物又はリンクチェンな
どの電柱取付け手段７（図４参照）によって電柱２の外
周面に着座させて取付けられるベ−ス板（ベ−ス部材）
８と、このベ−ス板８の先端中央部に設けられた穴９に
垂直軸回りに回転自在に、かつ軸方向への移動を規制し
た状態で取付けられたナット部材（回転入力部材）１０
と、このナット部材１０に螺合させて設けられたねじ部
材１１と、そのねじ部材１１の下端に一体的に取付けら
れたケ−ブル吊り腕１２と、このケ−ブル吊り腕１２の
両端にそれぞれ吊り下げられ、ＣＣＰ−ＳＳ（Ｇ形）ケ
−ブル３を、両持ちで吊り下げておくための吊り金車１
３（ケ−ブル吊り部材）と、上記ベ−ス板８の両端に垂
下状に取付けられ下端が上記ケ−ブル吊り腕１２に貫通
させて取付けられて、上記ナット部材１０の回転時にケ
−ブル吊り腕１２の回転を拘束してケ−ブル吊り腕１２
の昇降を補助するためのガイドロッド１４とから主に構
成されている。

【００１０】ベ−ス板８は、電柱２の外周面に対して座
りのよいく字状又は台形状に形成され、リンクチェン式
の電柱取付け手段７は、図４に詳細に示されているよう
に、そのベ−ス板８の一端に取付けられたねじ式のチェ
ン張力調節装置１５と、そのベ−ス板８の他端に取付け
られたチェン係脱金具としてのチェンホルダ１６と、そ
のチェン張力調節装置１５とチェンホルダ１６とに掛け
渡されて張力を発生させる１本のリンクチェン１７とに
よって構成されている。チェンホルダ１６は、通常、鋳
造又は鍛造などによって形成され、リンクチェン１７の
１つのリンクを水平な姿勢のまま係脱自在に収容させる
凹部１８、そのリンクと直角に交わった隣のリンクをそ
の垂直姿勢のまま係合させておくためのスリット部１９
を有している。チェン張力調節装置１５は、上記ベ−ス
板８に水平方向に回転自在に枢支させて設けられたクレ
ビスボルト２０、そのクレビスボルト２０に嵌装状に取
付けられたチェン接続金具２１、チェン接続金具２１の
軸方向の位置を調節すべくクレビスボルト２０に螺合さ
せて設けられたクレビスナット２２により構成されてい
る。ナット部材１０は、図３に詳細に示されているよう
に、ベ−ス板８の下面から上方に挿入されてそのベ−ス
板８の下面に着座される鍔付きブッシュ状の第１ナット
２３と、その第１ナット２３の外周面に形成された雄ね
じ２４に螺合させて設けられたハンドル状の第２ナット
２５とによって構成されている。第１ナット２３と第２
ナット２５との固定にはスプリングピン２６ａが用いら
れている。

【００１１】ケ−ブル吊り腕１２は、図１，図２に示さ
れているように、中央の腕取付けベ−ス２６と、その腕
取付けベ−ス２６の両端に同軸的にかつ一体的に取付け
られ軽量化のために丸又は矩形断面のパイプから形成さ
れた金車取付けア−ム２７とによって構成されている。
腕取付けベ−ス２６は、図１に示されているようにその
両端部に金車取付けア−ム２７の一端部を嵌合させて取
付けるためのア−ム係合部２８を有し、そしてその係合
部２８より内方の位置に上記ガイドロッド１４を上下方
向に摺動自在に案内するためのブッシュ２９を一体的に
有している。そして各金車取付けア−ム２７は、その先
端部に、吊り金車１３を吊り下げるための金車取付け金
具３０が取付けられ、また支持線４とケ−ブルとの間に
一定の隙間をつくるための楔部材３１（図５参照）が吊
り紐（図示せず）により取付けられる。なお、腕取付け
ベ−ス２６とア−ム係合部２７との一体化は、これらの
内外周面に形成された雄・雌のねじ又は、腕取付けベ−
ス２６及び金車取付けア−ム２７を半径方向に貫通する
長さのボルト及びこれに螺合するナット又は溶接によっ
てなされる。

【００１２】次に本考案に係るケ−ブル引上げ工具の取
扱いについて簡単に説明する。

【００１３】ＣＣＰ−ＳＳ（Ｇ形）ケ−ブル３の支持線
挟持部５ａにラインガ−ド６（図６参照）を巻き付けた
後、ＳＳ（Ｇ形）ちょうか金物１より適宜上部位置に、
図４に示すようにベ−ス板８を電柱２の外周面に着座さ
せた状態にして、リンクチェン１７の先端側の２つのリ
ンクを、チェンホルダ１６の凹部１８及びスリット部１
９（図４参照）に係合させ、その後クレビスナット２２
を締め側に回し、電柱２にベ−ス板８を取付ける。次に
図１のように上記第２ナット２５を緩めてねじ部材１１
を適宜下降させ、吊り金車１３（又は金車吊り金具を用
い取り付けられた２号金車）のロ−ラ上にＣＣＰ−ＳＳ
（Ｇ形）ケ−ブル３を支持させる。

【００１４】この後、図５に示すように楔部材３１をケ
−ブル部３ａと支持線挟持部５ａとの間に差し込み、そ
の状態のままで今度は第２ナット２５を締め方向に回転
させてねじ部材１１を上昇させ、ＣＣＰ−ＳＳ（Ｇ形）
ケ−ブル３の支持線挟持部５ａの位置を、ＳＳ（Ｇ形）
ちょうか金物１の挟持部に容易に移せる位置に設定す
る。次に支持線挟持部５ａをＳＳ（Ｇ形）ちょうか金物
１の挟持部内に係合させ、そのちょうか金物１をボルト
によって締め込み支持線４の引留めを完了する。

【００１５】なお、本考案に係るケ−ブル引上げ工具は
ケ−ブル架渉にも使用できることは勿論であり、また第
２ナット２５をハンドル状に形成せずに、ナット部材１
０の上部に、周知のラチェット式のナット回し工具を取
付けるように形成することも当然可能である。また、チ
ェン式の電柱取付け手段７に代えて使用するバンド金物
は、通常、電柱２の支線引留めに使用されているバンド
金具を用いこれに上記ベ−ス板８を一体的に取付けるこ
とも当然可能である。

【００１６】

【考案の効果】以上説明したことから明らかなように本
考案によれば、引留め前のケ−ブルを簡単にかつ非常に
小さな力で上下させることができ、支持線挟持部をちょ
うか金物に簡単に取付けることができる、という優れた
効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るケ−ブル引上げ工具を側方からみ
た一部断面図である。

【図２】本考案に係るケ−ブル引上げ工具の平面図であ
る。

【図３】本考案に係るケ−ブル引上げ工具の要部詳細断
面図である。

【図４】本考案に係るケ−ブル引上げ工具の電柱取付け
手段を示す斜視図である。

【図５】ＣＣＰ−ＳＳ（Ｇ形）ケ−ブルの引留前の段階
を示す図である。

【図６】ＣＣＰ−ＳＳ（Ｇ形）ケ−ブルを引留めるため
のＣＣＰ−ＳＳ（Ｇ形）ちょうか金物と支持線挟持部の
固定状態を示す図である。

【符号の説明】

２ 電柱 ７ 電柱取付け手段 ８ ベ−ス部材 １０ 回転入力部材（ナット部材） １１ ねじ部材 １３ ケ−ブル吊り下げ部材（吊り金車）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 電柱外周面に着座させて取付けられるベ
   −ス部材と、該ベ−ス部材を電柱に着脱自在に取付ける
   ための電柱取付け手段と、上記ベ−ス部材に昇降自在に
   螺合されたねじ部材と、該ねじ部材の下端に一体的に取
   付けられたケ−ブル吊り腕と、該ケ−ブル吊り腕の両端
   に吊り下げられたケ−ブル吊下げ部材と、上記ねじ部材
   の上端側を回転自在に螺合させると共に上記ベ−ス板に
   対してはこれに回転自在にかつ軸方向への移動を規制さ
   せて設けられた回転入力部材とを備えたことを特徴とす
   るケ−ブル引上げ工具。