JPH0756200A - 安定化高調波発生装置 - Google Patents

安定化高調波発生装置

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JPH0756200A
JPH0756200A JP19843893A JP19843893A JPH0756200A JP H0756200 A JPH0756200 A JP H0756200A JP 19843893 A JP19843893 A JP 19843893A JP 19843893 A JP19843893 A JP 19843893A JP H0756200 A JPH0756200 A JP H0756200A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 入射する基本波長の変動や周囲温度変化に対
して第2高調波の出力の低下を防ぐ。 【構成】 非線型光学結晶から成る基板1上に光導波路
2aが設けられ、途中から分岐する形で光導波路2b,
2cが設けられている。光導波路2a近くの基板中に周
期的分極反転層3aが設けられ、同様に他の光導波路2
b,2cにも周期的分極反転層3b,3cが設けられ
る。光源からの基本波となる出射光は、集光レンズによ
り光導波路2a入射端面に集光され、光導波路2a〜2
cに分岐されて導波していく。周期的分極反転層3a〜
3cにより高調波の導波モード光が各光導波路2a〜2
c中に発生する。光導波路2a〜2cの他端から出射し
た基本波及び高調波は、フィルタ7a〜7cにより高調
波のみが透過し、光検知器8a〜8cに各々入射する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、安定化高調波発生装置に関し、
より詳細には、非線形光学素子、高調波発生素子、短波
長光源における安定化高調波発生装置に関する。例え
ば、光ディスクメモリ、光プリンタ、光計測等に適用さ
れるものである。
【0002】
【従来技術】本発明に係る従来技術を記載した公知文献
としては、例えば、特開平2−242236号公報に
「光波処理のための光学装置及びその製造方法と周波数
二倍器」がある。図9(a),(b)は、上記公報に記
載された光学装置を示す図で、図中、21は基板、22
は基板表面、23は導波路、24−1〜24−nはドー
ピングゾーンである。符号XYZで表される画面に方向
が合わせられた基板21は、該基板表面22に軸Xに沿
って配向された光導波路23を有する。該光導波路23
に沿って長さ方向にドーピングゾーン24−1,24−
2,…,24−nが配設されている。このゾーンの配設
ピッチPは、入射光波の第2の調波の生成に対するコヒ
ーレンス長Lの2倍に等しい。方向Xに沿ったドーピン
グゾーンの長さは光波の1コヒーレンス長に等しい。
【0003】図(b)の平面図からわかるように、ドー
ピングゾーン24−1,24−2,…,24−nは、光
導波路23の方向Xに垂直なストリップの形態に作製さ
れている。LiNbO3,LiTaO3等の誘電体基板2に、
ドービングにより周期的分極反転層が形成され、さら
に、その上に光導波路23が形成されている。周期的分
極反転層の周期は、基本波に対する光導波路の等価屈折
率と、第2高調波に対する等価屈折率及び基本波長から
求まるコヒーレント長の偶数倍となっている。この構造
の素子の一端に基本波となるコヒーレント光を入射する
と、第2高調波が基本波とともに他端より出射する。
【0004】このように、従来技術においては、高調波
発生素子中の光導波路端に基本波を入射すると他端から
第2高調波と基本波が出射するようになっている。しか
し、Kazuhisa Yamamoto、他2名「Milliwatt-order blu
e-light generation in a periodically domain-invert
ed LiTaO3 waveguide」(Optics LETTERS,Vol 16,No1
5,August 1,1991)に示すように、従来技術の素子にお
いては、入射する基本波の波長が少し変動したり、素子
の温度が周囲温度の変動により少し変化した場合、基本
波と第2高調波の位相整合条件からずれが生じ、基本波
が第2高調波へ効率よく変換しなくなり、第2高調波の
出力が低下してしまう。
【0005】
【目的】本発明は、上述のごとき実情に鑑みなされたも
ので、入射する基本波長が変動したり、周囲温度の変化
により素子の温度が低下した場合に第2高調波の出力が
低下しないような安定化高調波発生装置を提供すること
を目的としてなされたものである。
【0006】
【構成】本発明は、上記目的を達成するために、(1)
光源と、周期的屈折率分散手段を有する第1の光導波路
と、該第1の光導波路より大きい周期及び小さい周期の
周期的屈折率分散手段を有する2つ以上の第2,及び第
3の光導波路と、該第2,及び第3の光導波路からの高
調波出力を受光する2つの光検知器とからなり、前記各
光導波路は、その全部あるいは一部が非線形光学材料で
構成されるとともに基板上あるいは基板中に一体的に形
成され、かつ該基板の付近に温度制御手段を有し、前記
光検知器の出力の差動を検出するようにしたこと、或い
は、(2)光源として波長可変光源を用い、周期的屈折
率分散手段を有する第1の光導波路と、該第1の光導波
路より大きな周期及び小さい周期の周期的屈折率分散手
段を有する2つ以上の第2,及び第3の光導波路と、該
第2,及び第3の光導波路からの高調波出力を受光する
2つの光検知器とからなり、前記各光導波路は、その全
部あるいは一部が非線形光学材料で構成されるとともに
基板上あるいは基板中に一体的に形成され、前記光検知
器の出力の差動を検出して光源波長を可変するようにし
たこと、更には、(3)前記(1)又は(2)におい
て、1つの光導波路が3つ以上の光導波路に分岐して配
置され、分岐後の光導波路にそれぞれ周期の異なる周期
的屈折率分散手段を有していること、更には、(4)前
記(1)又は(2)において、3つ以上の光導波路のう
ち最後の1つを除いてその一部で曲率を有し、該部分か
ら基本波のみを他の光導波路に結合させるようにしたこ
と、更には、(5)前記(1)〜(4)のいずれかにお
いて、中間の周期の周期的分極反転層を有する光導波路
の高調波出力を受光する光検知器と該光検知器の出力を
もとに光源の出力を一定にさせる制御手段を設けたこ
と、更には、(6)前記(1)〜(5)のいずれかにお
いて、非線形光学材料として強誘電体を用い、周期的屈
折率分散手段として周期的分極反転層を用いたことを特
徴としたものである。以下、本発明の実施例に基づいて
説明する。
【0007】図1は、本発明による高調波発生素子の一
実施例を説明するための構成図で、図中、1は基板、
2,2a〜2cは光導波路、3a〜3cは周期的分極反
転層である。非線型光学結晶からなる基板1上あるいは
表面近くの基板中に光導波路2aが設けられ、さらに光
導波路2aの途中から分岐する形で光導波路2b及び2
cが設けられている。さらに光導波路2a近くの基板1
中に周期Λaの周期的分極反転層3aが設けられ、さら
に光導波路2bの付近の基板1中に同期Λbの同期的分
極反転層3bが、同様に光導波路2cの付近の基板1中
には同期Λcの周期的分極反転層3cが設けられてい
る。
【0008】基板1については、LiTaO3,LiNb
3,KTP等の誘電体非線形光学結晶やMNA(2−m
etyl−4−nitroaniline)等の有機非線型光学材料が考
えられる。基板方法は、X,Y,Z板どのようなものでも
よい。実施例1では、LiTaO3のZ板の例を示してい
る。さらに光導波路3a,3b,3cについては、本実
施例ではプロトン交換光導波路の場合を示しているが、
これにかぎらず、Ti,Rb,K,Ba,Cn,Ag,Tl,
Cs等の金属イオンのイオン交換や、イオン注入により
基板中の屈折率を増加させる方法や、基板より高屈折率
の材料をコア層としたリッジ型光導波路等が考えられ
る。また、有機材料をコア層に用いた場合は、基板1は
光学的に透明な材料であればよい。さらに周期的分極反
転層3a,3b,3cについては、本実施例ではLiTa
3+Z板の分極方向を反転させることにより形成され
ており、作製法としては、周期的プロトン交換と熱処理
による方法や周期的な電界印加法,周期的電子ビームに
よる方法等が知られている。
【0009】LiNbO3基板の場合は、周期的Ti拡散と
熱処理の組合せや、周期的SiO2層の装荷と熱処理によ
る方法や周期的電子ビーム照射,イオン注入による方法
等が知られている。また、KTPでは、Rb/Baイオン
の交換による方法が知られている。この周期的分極反転
層3a,3b,3cの他に有機材料の場合は、周期的に
極性分子の配向方向を変化させることもでき、コロナ放
電等による選択的な配向法が考えられる。このほか、周
期的分極反転層3a,3b,3cに替えて、周期的構造
による屈折率分散手段3a,3b,3cを用いることも
できる。この場合、イオン交換等により周期的に基板中
に高屈折率領域あるいは低屈折領域を設けたり、周期的
な層を装荷する等の方法や、逆に周期的に光導波層2
a,2b,2cの膜厚を変化させる等の方法が考えられ
る。
【0010】作製法としては、イオン交換,イオン注
入,フォトクロミック,イオンミーリング,選択的エッ
チング及び他の材料の装荷等を組み合せることで可能で
ある。ここで、周期的分極反転層あるいは周期的構造3
a,3b,3cの周期Λa,Λb,Λcの間では、Λ
c〉Λa〉Λbの関係を満たしている必要がある。ま
た、光導波路3a,3b,3cの構造は同じである必要
がある。また、光導波路3aからの光導波路3b,3c
の分岐のしかたは、同一の場所からそれぞれ反対方向に
ほぼ対称に分岐しているが、必ずしも同一箇所から分岐
する必要はなく、また、同一方向でも異なる方向でもよ
く、対称である必要もない。
【0011】図2は、図1に示す高調波発生素子を用い
た安定化高調波発生装置の一実施例を説明するための構
成図で、図中、4は光源、5,6は集光レンズ、7a〜
7cはフィルタ、8a〜8cは光検知器、9はミラー
で、その他、図1と同じ作用をする部分は同一の符号を
付してある。
【0012】光源4からの基本波となる出射光は、集光
レンズ5により光導波路2の入射端面に集光され、光導
波路2中に基本波の導波モードが励起される。このと
き、基本波は光導波路2a,2b,2cに分岐され、そ
れぞれ導波していく。このとき、周期的分極反転層3
a,3b,3c及び光導波路中あるいは基板のもつ非線
形性の効果により、疑似的に位相整合のとれた高調波の
導波モード光が各光導波路2a,2b,2c中に発生
し、基本波の導波モードとともに導波していく。光導波
路2a,2b,2c他端から出射した基本波及び高調波
は、基本波をカットするフィルタ7a,7b,7cによ
り、高調波のみが透過し、光検知器8a,8b,8cに
それぞれ入射する。ただし、光導波路2aからの出射光
の高調波は、その一部がミラー9によって反射されて光
検知器8aで検出される。ここで、光源4としては、本
実施例では半導体レーザを用いているが、この他に空間
及び時間的コヒーレンスのより光源であればよく、各種
気体,固体レーザやその第2,第3高調波及びLED等
の光源と狭帯域フィルタの組合せ等でもよい。
【0013】さらに、集光レンズ5及び6は、1枚の通
常レンズの他に組み合わせレンズ,フレミルレンズ,グ
レーティングレンズ,GRINロッドレンズ、平板マイ
クロレンズ等の各種のレンズが適用可能である。しか
し、光源4の種類によっては、出射ビームを直接光導波
路に結合させることができるため、集光レンズ5は必要
とは限らない。また、集光レンズ6についても、出射す
る高調波のコリメーションを必要としなければ必要でな
い。次に、フィルタ7a,7b,7cとしては、誘電体
多層膜フィルタやカラーフィルタ等が考えられる。ま
た、フィルタのかわりにプリズムやダイクロイックミラ
ー等基本波を他方へ屈折や反射させるものも用いること
ができる。光検知器8a,8b,8cについては、S
i,Ge,GaAs,InP,α−Si等の半導体材料による
接合型やショトキーバリア等のフォトダイオードが適用
可能である。
【0014】次に、本発明による安定化高調波発生装置
の動作について説明する前に、光源4からの基本波の出
射光が高調波に光導波路2a中で変換される時の高調波
の光パワーPHと光導波路2aの温度Tや光源4の基本
波の波長λとの関係を説明する。一般に、光導波路2
a,2b,2cが無機の誘電体材料からなる場合は、屈
折率は温度とともに増加し、高調波の出力PHと光導波
路2aの温度Tとの間に、図3(a)に示したような関
係がある。ここで、実線は周期的分極反転層3aの周期
Λaの時に基本波の波長λ=λ0の場合における光導波
路2aの中の温度Tに対する高調波の出力PHを示して
いる。
【0015】また、2つの破線のグラフは、基本波の波
長λがλ<λ0及びλ>λ0のそれぞれの場合における光
導波路2aの温度Tと発生する高調波の出力PHを示し
ている。ここで、周期的分極反転層3aの周期Λaは一
定であるとする。この時、図3(a)からわかるよう
に、温度Tを変化させた時、たとえば高調波の出力は点
A,C,Bのようにグラフ上を変化し、点Cにおいて最
高出力が得られる。この状態が擬似的に位相整合が完全
にとれた状態である。しかし、基本波の波長λがλ<λ
0となった場合、実線のグラフは左側の破線のグラフに
ように左側へシフトする。このため、同じ温度では点C
の高調波出力は点Dのように低下してしまう。これを再
び増加させるには、光導波路2aの温度Tを低下させて
いけば、再び位相整合を完全にとることにより、最高出
力を得ることができる。また、同様に基本波の波長λ>
λ0になった場合は、実線のグラフが右側にシフトして
破線のグラフのようになり、高調波の出力が低下する。
このため、光導波路3aの温度Tを上昇させれば、再び
最高出力を得ることができる。
【0016】このように、一般に誘電体材料から光導波
路2aが成る時は、基本波の波長λ<λ0となった場
合、光導波路2aの温度Tを低下させる。あるいは、λ
>λ0となったときは、Tを上昇させれば最大の高調波
出力を得ることができる。ただし、有機材料や樹脂等か
ら光導波路2aが成る場合は、これが反対となり、基本
波の波長λ<λ0となった場合、光導波路2aの温度T
を上昇させ、あるいはλ>λ0となった時は、Tを低下
させれば高調波の最高出力を得ることができる。
【0017】次に、光導波路2a,2b,2cに同期が
それぞれΛa,Λb,Λcの周期的分極反転層あるいは
周期的屈折率分散手段3a,3b,3cが形成され、各
周期の間にΛc>Λa>Λbなる関係がある場合、各光
導波路2a,2b,2cの出射端から得られる高調波の
出力PHと基本波の波長λとの関係を図4に示す。ここ
で、各光導波路2a,2b,2cの温度Tは同じで、か
つある一定の値の場合を示している。また、光導波路2
aの出力が最高値のときの基本波の波長をλ=λ0
し、このときの光導波路2a,2b,2cの温度をTと
する。また、光検知器8a,8b,8cの出力はPa,
Pb,Pcとすると、Pa,Pb,Pcは光導波路2
a,2b,2cからの高調波の光出力にそれぞれ比例す
る。ここで、λ=λ0のとき、光検知器8b,8cの出
力Pb,Pcを等しくなるように、周期的分極反転層ある
いは周期的屈折率分散手段3b,3cの周期Λb,Λc
をそれぞれ設定するか、あるいは光検知器8b,8cの
ゲインを調節しておく。
【0018】すなわち、λ=λ0のときにPb=PCとな
っている。この時に、光源4からの基本波の波長λが周
囲の温度変化等でλ>λ0と長波長側にシフトしたとす
る。このとき、図4に示すようにPb<Pcとなる。この
ため、出力差ΔP=Pb−Pcを定義すると、ΔP<0と
なる。反対に、光源4からの基本波の波長λがλ<λ0
と短波長側にシフトした場合、図4に示すようにPb>
Pcとなる。このため、出力差ΔP>0となる。すなわ
ち、ΔPの符号により基本波の波長λがλ0から長波長
側あるいは短波長側のどちら側へシフトしたかを判定す
ることができる。このため、半導体レーザや波長可変レ
ーザ等の波長変化可能な光源4を用いている場合は、そ
れぞれシフトした方向と反対方向に基本波長λを変化さ
せ、ΔP=0すなわちPb=Pcとなった所で波長を固定
すればλ=λ0となり、光導波路9からの出力を最大と
することができる。
【0019】また、反対に周囲の温度変化等により、光
導波路2a,2b,2cの温度Tが上昇した場合を考え
る。このとき、基本波の波長λ=λ0で一定であるとす
る。また、周期的分極反転層あるいは周期屈折率分散手
段の周期ΛがΛ=Λ0を中心として、Λ>Λ0あるいはΛ
<Λ0に変化した場合の温度Tに対する各周期Λを持つ
光導波路からの出力PHを図3(b)に示す。ここで、
各光導波路の構造は周期Λ以外は同様で、温度も同時に
変化するとする。また、周期Λ=Λ0の光導波路におい
て、温度T=T0で高調波の出力PHが最大であったとす
る。ここから光導波路の温度TがT0より大きくなった
場合、図3(b)に示すように、同期ΛがΛ>Λ0であ
る光導波路の光出力PHは上昇し、同期Λ<Λ0の光導波
路の出力PHは低下することがわかる(ただし、この図
3(b)は、前述したように光導波路が無機の誘電体材
料から成る場合で、有機材料等から成る場合は、温度の
変化方向に対してグラフは反対とする)。
【0020】また、光導波路2a,2b,2cの場合
は、周期的分極反転層あるいは同期的屈折率分散手段3
a,3b,3cの各周期の間にΛc>Λa>Λbなる関
係があるので、各光導波路T=T0のときに光検知器
A,8B,8Cからの光出力Pa,Pb,PcのうちPaが
最大になり、このときにPb=PcとなるようにPbとPc
の各出力を調整してあるとすると、温度Tが上昇し、T
>T0となった場合、出力差ΔP=Pb−PcはPb<Pc
となるので、ΔP<0となる。反対に、温度Tが低下
し、T<T0となった場合には、Pb>Pcとなるため、
出力差ΔP>0となる。すなわち、出力差の符号によ
り、光導波路2a,2b,2cの温度変化の方向を判定
することができる。
【0021】図5は、図2に示す本発明の安定化高調波
発生装置に温度可変手段を設けた実施例を示す図で、図
中、10は波長ビームスプリッタ、11は温度可変手
段、12は基板温度可変手段で、その他、図2と同じ作
用をする部分は同一の符号を付してある。ヒータあるい
はペルチエ素子等あるいは赤外線ランプや高周波加熱等
の基板温度可変手段12を用いて、光導波路2a,2
b,2cの温度TをΔP=0となるように、反対方向に
変化させることによりT0に戻し、光検知器8aの出力
Paを最大にすることができる。
【0022】以上のことを整理すると、波長差Δλ=λ
−λ0,温度差ΔT=T−T0を定義するとき、出力差Δ
Pと波長差Δλ及び温度差ΔTとの関係は両方とも図6
のような形になる(光導波路が無機材料からなる場
合)。このため、ΔP>0の時はΔλ<0あるいはΔT
<0の場合であり、ΔP<0の時はΔλ>0あるいはΔ
T>0の場合である。このためΔP>0のときは、波長
λを大きくするか、あるいは温度Tを上昇させ、ΔP≒
0となるようにすれば、出力Paを最大かそれに近い状
態にすることができる。この反対にΔP<0の場合も波
長λを小さくするか、温度Tを低下させることによりΔ
P≒0となるようにすれば、出力Paを最大かそれに近
い状態にすることができる。
【0023】ここで、ΔPとΔT及びΔPとΔλのグラ
フは、厳密には必ずしも重ならず、少しずれており、ま
た、それぞれΔλ,ΔTの値により多少変化するが、ほ
ぼ同様の傾向を持ち、ΔP=0にするように、温度Tあ
るいは波長λを変化させればほぼ出力Paを最大付近に
合わせることができる(ただし、光導波路が有機材料か
ら成る場合は、ΔPとΔTの関係のグラフのみ符号が反
対となる。このため、温度Tの補正方向が反対とな
る)。光源波長が可変できない光源4の場合は、温度T
のみで調整する。また、実施例では光源4として半導体
レーザ4を用いているので、温度可変手段11を用いて
光源4の温度を変化させ、基本波の波長λを可変するこ
とができる。この構成は、基板温度可変手段12と同様
のものが適用可能である。さらに、集光レンズ6は必ず
しも必要でない。また、ミラー9についてもフィルタ7
aと光検知器8aにより出射光束の一部を直接受光する
ようにすれば必要ない。
【0024】図7は、本発明による安定化高調波発生装
置の他の実施例を示す図で、図中、13a〜13cは集
光レンズ、14b,14cは光ビームスプリッタ、15
b,15cはミラーで、その他、図2と同じ作用をする
部分は同一の符号を付してある。
【0025】本実施例は、図1,図2,図5で示した実
施例のうち、光導波路2b及び2cが光導波路2aから
分岐する形でなく、基板1中あるいは表面上に独立して
存在する点が異なる。しかし、各光導波路の断面形状は
同様とする必要がある。また、本実施例では、集光レン
ズ5に加えて、3組の集光レンズ13a,13b,13
cを用いて、各光導波路2a,2b,2cに基本波を結
合するようになっている。また、基本波光の分割には、
光ビームスプリッタ14b,14cを用い、光路の変換
のためにミラー15b,15cを用いている。
【0026】ここで、光ビームスプリッタ14b,14
cは、半透明ミラーやグレーティング等でも代用でき、
また、ミラー15b,15cも同様にプリズムやグレー
ティング等が適用可能である。また本実施例の場合、同
等な光源4を3個用いれば、集光レンズ5,光ビームス
プリッタ14b,14c及び、ミラー14b,14cは
不要となり、集光レンズ13a,13b,13cのみで
よい。また、この場合、必ずしも集光レンズ13a,1
3b,13cは必要でなく、複数の光源4が3の出射光
を2a,2b,2cの入射端面に直接照射させてもよ
い。その他の構成は前実施例と同様であり、動作原理、
作製法も同様である。
【0027】図8は、本発明による安定化高調波発生装
置の更に他の実施例を示す図で、図中の参照番号は図2
及び図5と同様である。本実施例は最初の実施例と異な
る所として、光導波路2a,2b,2cに関して、光導
波路2cの入射端に光源4からの基本波の導波モードを
励起する。光導波路2c中の基本波の導波モードが伝搬
してゆくうちに高調波の導波モードが生じる。図8に示
すように、光導波路2cの途中で光導波路2cに曲率を
もたせると、一般に高調波の導波モードの等価屈折率
は、基本波の導波モードの等価屈折率より高いため、高
調波の導波モードは光導波路2cに沿って伝搬して行く
が、基本波の導波モードは曲率のある部分で放射モード
となり、基板中に放射するような曲率を持たせた構造を
とることができる。
【0028】さらに、光導波路2bの入射端をこの光導
波路2cの曲率のある部分の付近に設けることにより、
放射させた基本波を再び光導波路2bに結合させること
ができる。同様なことを光導波路2bと2aとの間で繰
り返すことにより、光検出器8a,8b,8cより高調
波に比例した出力Pa,Pb,Pcを得ることができ
る。この実施例では、フィルタ7b,7cは不要であ
る。また、フィルタ7aのかわりに波長ビームスプリッ
タ10を用いて高調波出力のみ取り出している。この構
成においても、出力差ΔPを得ることができ、前出の各
実施例と同様にΔP=0とするように、温度Tあるいは
基本波の波長λを変化させ、光検出器8aからの出力を
ほぼ最高に近くすることが可能である。その他、動作原
理や作製法等は前出の各実施例の場合と同様である。
【0029】さらに、周期的屈折率分散手段の周期Λに
関しては、光導波路の基本波及び高調波の導波モードの
等価屈折率をnF,nHとし、基本波の波長をλとすると
き、
【0030】
【数1】
【0031】の関係を満たす必要がある。さらに、この
周期Λ=Λaに対してΛc,ΛbはΛc>Λa>Λbな
る関係を満たす必要があるが、この範囲でΛaになるべ
く近くして、図3,図4,図6のような関係が満たされ
るようにしておく必要がある。なお、周期Λa,Λb,
Λcとも一定の周期である必要がなく、平均値がこの関
係を満たすようにして周期が可変であってもよい。
【0032】さらにつけ加えると、図2,図7,図8の
各実施例について、光検知器8aについては、最初に光
導波路3aの高調波出力が最大のとき、光検知器8b及
び8cの出力Pb及びPcのバランスをとっておけば、必
ずしも必要ではない。また、光検知器8bにより、高調
波の出力Paをモニタすることにより、光源4の出力を
変化させ、出力を安定化させる機能をつけ加えることも
可能である。この場合、たとえば高調波出力が光源の効
率低下やアライメントの変化等で低下した場合、光源の
基本波出力を増加させて高調波出力を増加させて出力を
安定化させることができる。
【0033】
【効果】以上の説明から明らかなように、本発明による
と、以下のような効果がある。 (1)請求項1に対応する効果:光源に加えて周期の異
なる周期的屈折率分散手段を付近に有する少くとも3つ
以上の光導波路と、光導波路から出射する高調波を受光
する3つ以上の光検知器とからなり、光導波路は全部あ
るいはその一部が非線形光学材料からなり、かつ基板上
あるいは基板中に一体的に形成されており、かつ基板の
付近に温度制御手段を有する。このため、光源の波長変
動あるいは光導波路の温度変動等により、高調波出力が
低下した場合、周期的屈折率分散手段の周期の、より大
きい光導波路と、より小さい光導波路の高調波出力の差
動を検出することにより、その符号の違いを用いて、光
源の波長の補正あるいは温度制御手段により光導波路の
温度を変化させ、高調波出力が低下しないようにしてい
るので、高調波出力の安定化が図れる。 (2)請求項2に対応する効果:光源として波長可変光
源を用いており、また光導波路の温度制御手段がないた
め、請求項1と同様に高調波出力が低下した場合、周期
的屈折率分散手段の周期のより大きい光導波路と、より
小さい光導波路の高調波出力の差動を検出し、その符号
を用いて光源の波長を変化させ、高調波出力が低下しな
いようにしているため、高調波出力の安定化が図れる。 (3)請求項3に対応する効果:1つの光導波路が3つ
以上の光導波路に分岐して配置され、分岐後の各光導波
路にそれぞれ周期の異なる周期的屈折率分散手段を有し
ている。このため、請求項1,2の装置に比べ、各光導
波路への基本波の励起が容易になる。 (4)請求項4に対応する効果:3つ以上の光導波路の
うち最後の1つを除いて、その一部に曲率を持ち、基本
波をこの部分から次の光導波路に結合させているため、
請求項1,2の装置に比べ各光導波路への基本波の励起
が容易になり、基本波を分岐しないため、高調波の発生
効率も高くなる。 (5)請求項5に対応する効果:請求項1〜4の装置に
加えて、中間の周期の周期的分極反転層を持つ光導波路
の高調波出力を受光する光検知器及び光源の出力を一定
にさせる制御手段を設けているため、高調波出力が請求
項1〜4の装置に比べて、より安定にすることができ
る。 (6)請求項6に対応する効果:非線形光学材料として
強誘電体を用いており、周期的屈折率分散手段として、
周期的分極反転層を用いているため、前記請求項1〜5
の装置に比べ、良好な光導波路を作製でき、かつ高調波
出力をより大きく、効率よく発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による高調波発生素子の一実施例を説
明するための構成図である。
【図2】 本発明による安定化高調波発生装置の一実施
例を説明するための構成図である。
【図3】 本発明における光導波路中の温度に対する高
調波の出力を示す図である。
【図4】 本発明における高調波の出力と基本波の波長
との関係を示す図である。
【図5】 本発明による安定化高調波発生装置に温度可
変手段を設けた実施例を示す図である。
【図6】 図5における出力差と波長差と温度差との関
係を示す図である。
【図7】 本発明による安定化高調波発生装置の他の実
施例を示す図である。
【図8】 本発明による安定化高調波発生装置の更に他
の実施例を示す図である。
【図9】 従来の高調波発生装置の構成図である。
【符号の説明】
1…基板、2,2a〜2c…光導波路、3a〜3c…周
期的分極反転層。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と、周期的屈折率分散手段を有する
    第1の光導波路と、該第1の光導波路より大きい周期及
    び小さい周期の周期的屈折率分散手段を有する2つ以上
    の第2,及び第3の光導波路と、該第2,及び第3の光
    導波路からの高調波出力を受光する2つの光検知器とか
    らなり、前記各光導波路は、その全部あるいは一部が非
    線形光学材料で構成されるとともに、基板上あるいは基
    板中に一体的に形成され、かつ該基板の付近に温度制御
    手段を有し、前記光検知器の出力の差動を検出するよう
    にしたことを特徴とする安定化高調波発生装置。
  2. 【請求項2】 光源として波長可変光源を用い、周期的
    屈折率分散手段を有する第1の光導波路と、該第1の光
    導波路より大きな周期及び小さい周期の周期的屈折率分
    散手段を有する2つ以上の第2,及び第3の光導波路
    と、該第2,及び第3の光導波路からの高調波出力を受
    光する2つの光検知器とからなり、前記各光導波路は、
    その全部あるいは一部が非線形光学材料で構成されると
    ともに、基板上あるいは基板中に一体的に形成され、前
    記光検知器の出力の差動を検出して光源波長を可変する
    ようにしたことを特徴とする安定化高調波発生装置。
  3. 【請求項3】 1つの光導波路が3つ以上の光導波路に
    分岐して配置され、分岐後の光導波路にそれぞれ周期の
    異なる周期的屈折率分散手段を有していることを特徴と
    する請求項1又は2記載の安定化高調波発生装置。
  4. 【請求項4】 3つ以上の光導波路のうち最後の1つを
    除いてその一部で曲率を有し、該部分から基本波のみを
    他の光導波路に結合させるようにしたことを特徴とする
    請求項1又は2記載の安定化高調波発生装置。
  5. 【請求項5】 中間の周期の周期的分極反転層を有する
    光導波路の高調波出力を受光する光検知器と、該光検知
    器の出力をもとに光源の出力を一定にさせる制御手段を
    設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に
    記載の安定化高調波発生装置。
  6. 【請求項6】 非線形光学材料として強誘電体を用い、
    周期的屈折率分散手段として周期的分極反転層を用いた
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の
    安定化高調波発生装置。
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