JPH06338650A - 短波長レーザ光源 - Google Patents
短波長レーザ光源Info
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- JPH06338650A JPH06338650A JP12692593A JP12692593A JPH06338650A JP H06338650 A JPH06338650 A JP H06338650A JP 12692593 A JP12692593 A JP 12692593A JP 12692593 A JP12692593 A JP 12692593A JP H06338650 A JPH06338650 A JP H06338650A
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Abstract
光源を提供する。 【構成】 Siサブマウント20上に半導体レーザ21と
光導波路2および分極反転層3が形成されたLiTaO3基板
による光波長変換素子22が設置されている。光導波路
2に半導体レーザ21からの光が入射し、光導波路2中
の波長変換部26で高調波P2へと変換が生じる。この
際、波長変換部26はサブマウントとは熱的に遮断され
ている。 【効果】 半導体レーザの発熱は遮断されており光波長
変換素子に伝わることがないため、短波長光源の出力は
変わることなく安定な高出力動作が行える。
Description
する光情報処理分野または光計測分野に使用する短波長
レーザ光源に関するものである。
示す。ここに示される短波長レーザ光源は半導体レーザ
21、光波長変換素子22、コリメータレンズ37a、
フォーカスレンズ37bおよび半波長板33を基本構成
要素としていた(T. Taniuchiand K. Yamamoto, "Minia
turized light source of coherent blue radiation",C
LEO'87, WP6, 1987年、参照)。
路2の入射面10に半導体レーザ21からの基本波P1
をレンズ37a、37bを介して入射させる。この際、
レンズ37a、37bの間に挟まれている半波長板33
は偏光方向を90度回転させる働きがあり、これにより
光導波路2を基本波P1が導波するように偏光方向を一
致させることができる。光波長変換素子22は素子マウ
ント38に固定されている。基板中に放射された高調波
P2は整形レンズ36により平行光にされビームスプリ
ッタ39で分岐され一部をディテクター27で受光され
る。ここで用いられている光波長変換素子22はチェレ
ンコフ放射型と呼ばれておりこの動作について詳しく述
べる。以下0.84μmの波長の基本波に対する高調波発生
(波長0.42μm)について詳しく述べる(T. Taniuchi
and K. Yamamoto, "Second harmonic generation by Ch
erenkov radiation in proton-exchanged LiNbO3 optic
alwaveguide", CLEO'86, WR3, 1986年、参照)。
2に形成された埋め込み型の光導波路2の入射面10に
半導体レーザ21からの基本波P1の光を入射すると、
基本波の導波モードの実効屈折率N1と高調波の実効屈
折率N2が等しくなるような条件が満足されるとき、光
導波路2からLiNbO3基板22内に高調波P2の光が効率
良く放射され、光波長変換素子として動作する。このチ
ェレンコフ放射型の光波長変換素子は温度特性に優れて
いるが(半値幅25℃)、反面変換効率はあまり高くな
い。
短波長レーザ光源について図12を用いて説明する(山
本、谷内、特開昭63−128914、青色レーザ光源
および光情報記録装置、参照)。短波長レーザ光源は波
長0.84μmの半導体レーザ21と光波長変換素子22を
Siサブマウントに固定し直接結合を行っていた。半導
体レーザ21の出力P1を100mWにしたとき、2m
Wの高調波P2(青色レーザ光)が得られていた。この
場合の光波長変換素子3での変換効率P1/P2は2%
である。しかしながら実用的な5mWを得るにはチェレ
ンコフ放射型では困難であった。又、高調波が基板中に
放射されるため集光も困難であった。
光波長変換素子がLiTaO3のZ板を用いて試作されている
が、これによれば10mWの青色光が発生できる。そのた
め分極反転構造を用いた光波長変換素子を半導体レーザ
と直接結合すればコンパクトで量産性に富む短波長光源
が製造できる。
る。図13にこの光波長変換素子の構成を示す。図13
に示されるように光波長変換素子22となるLiTaO3基板
に光導波路2が形成され、さらに光導波路2には周期的
に分極の反転した層3(分極反転層)が形成されてい
る。基本波と発生する高調波の伝搬定数の不整合を分極
反転層3と非分極反転層4の周期構造で補償することに
より高効率に高調波を出すことができる。まず、図14
を用いて高調波増幅の原理を説明する。分極反転してい
ない非分極反転素子31では分極反転層は形成されてお
らずに分極反転方向は一方向となっている。この非分極
反転素子31では光導波路の進行方向に対して高調波出
力31aは増減を繰り返しているだけである。これに対
して周期的に分極が反転している分極反転波長変換素子
(1次周期)32では出力32aは図14に示されるよ
うに光導波路の長さLの2乗に比例して高調波出力は増
大する。ただし分極反転において基本波P1に対して高
調波P2の出力が得られるのは擬似位相整合するときだ
けである。この擬似位相整合が成立するのは分極反転層
の周期Λ1がλ/(2(N2ω−Nω))に一致すると
きに限られる。ここでNωは基本波(波長λ)の実効屈
折率、N2ωは高調波(波長λ/2)の実効屈折率であ
る。このように高出力化が可能な光波長変換素子は分極
反転構造を基本構成要素としていた。また、この光波長
変換素子は高調波が光導波路から出射されるため集光が
容易という特徴もある。
して小型、軽量化した短波長レーザ光源に分極反転構造
を有する高効率光波長変換素子を使用して光情報処理等
で必要な5mW以上の出力を得ようとすると光波長変換
素子の温度許容幅の狭さのために高調波を最大に、また
は安定に取り出すことは困難である。この理由を以下に
詳しく説明する。図15に短波長レーザ光源モジュール
各点(図12に示される)における温度分布を示す。半
導体レーザ21は電力の70%程度を光ではなく熱に変
えている。そのため半導体レーザ21自体発熱源となり
図15に示すような温度分布が光波長変換素子の長さ方
向に対して生じる。光波長変換素子の温度許容幅が3℃
しかないために一部分でしか位相整合せず高調波パワー
が大幅に低くなる。また半導体レーザ21を点灯してか
ら温度が一定の安定状態になるまで30分という長い時
間がかかっていた。そのため短波長レーザ光源の実用レ
ベルである5mW以上の高調波を再現性良くしかも安定
に得ることが困難であるという問題点があった。
を基本とした短波長レーザ光源の構造に新たな工夫を加
えることにより高調波出射パワーの高出力化および安定
化を可能とするものである。つまり、本発明は半導体レ
ーザと光波長変換素子を直接結合し高出力でなおかつ安
定に動作する短波長レーザ光源を得ることを目的とす
る。
レーザ光源はサブマウント上に半導体レーザおよび光波
長変換素子を備え、前記半導体レーザの基本波が前記光
導波路に直接結合する短波長レーザ光源において、前記
半導体レーザの活性層の形成面および光波長変換素子の
光導波路形成面がサブマウントに向き合い、なおかつ光
波長変換素子の波長変換部が熱的に半導体レーザの発熱
から遮断されるという手段となる。
ウント上に半導体レーザおよび光波長変換素子を備え、
前記半導体レーザの基本波が前記光導波路に直接結合す
る短波長レーザ光源において、前記半導体レーザの活性
層の形成面および光波長変換素子の光導波路形成面がサ
ブマウントに向き合いなおかつ前記光波長変換素子の波
長変換部直下のサブマウントには溝またはテーパ部が形
成されておりサブマウントと波長変換部が非接触となる
手段を有する。
ウント上に半導体レーザおよび光波長変換素子を備え、
前記半導体レーザの基本波が前記光導波路に直接結合す
る短波長レーザ光源において、前記半導体レーザの活性
層が形成されている面および光波長変換素子の光導波路
形成面が第1のサブマウントに向き合う構成となり、な
おかつ前記半導体レーザの活性層が形成されている面と
反対面に前記半導体レーザからの熱の放射を行うための
第2のサブマウントを有している。
マウント上に半導体レーザおよび光波長変換素子を備
え、前記半導体レーザの基本波が前記光導波路に直接結
合する短波長レーザ光源において、前記半導体レーザの
活性層の形成面および光波長変換素子の光導波路形成面
がサブマウントに向き合いなおかつ前記光波長変換素子
の波長変換部が長さ方向にわたって前記半導体レーザか
ら等距離となる手段を有する。
マウント上に半導体レーザおよび光波長変換素子を備
え、前記半導体レーザの基本波が前記光導波路に直接結
合する短波長レーザ光源において、前記半導体レーザに
対して光波長変換素子が直角に配置されており、なおか
つ前記半導体レーザの活性層の形成面がサブマウントに
向き合う構成となる。
マウント上に半導体レーザおよび光波長変換素子を備
え、前記半導体レーザの基本波が前記光導波路に直接結
合する短波長レーザ光源において、前記半導体レーザの
活性層の形成面および光波長変換素子の光導波路形成面
がサブマウントに向き合い、なおかつサブマウントが窒
素でパージされたパッケージ内に固定されており、前記
光波長変換素子で発生する高調波は前記パッケージに形
成された窓を通して外部に放射されるという手段を有す
るものである。
り発生する熱を光波長変換素子に伝えることなく、光波
長変換素子から出射される高調波パワーを安定かつ高効
率にできる。以下これを詳しく説明する。半導体レーザ
は電流を流すと、発振と同時に発熱を始める。この熱は
サブマウントに伝わるが光波長変換素子の波長変換部は
サブマウントから遮断されているため熱は伝わらず、ほ
ぼ一定温度で動作する。これにより3℃以下の温度許容
幅を持つ分極反転構造を持つ光波長変換素子であっても
高調波パワーの劣化はない。また、半導体レーザ点灯に
よるサブマウントの温度上昇の影響を受けず高調波の立
ち上がりも速い。
構造図を図1に示す。この実施例では短波長レーザ光源
として0.8μm帯の半導体レーザ、光波長変換素子と
してLiTaO3基板を用いたもので、図1は短波長レーザ光
源の断面図である。図1で20はSiのサブマウント、
21は半導体レーザ、22は光波長変換素子である。こ
こで用いた半導体レーザ21は波長0.86μm、出力
100mWのものである。また、光波長変換素子22は
LiTaO3基板に燐酸中でのプロトン交換により周期
状分極反転層3および光導波路2を形成したものであ
る。ここで用いたプロトン交換光導波路2は屈折率変化
が大きく光の閉じ込めが良く高調波への変換効率が高い
という特徴がある。
活性層23の形成面24および光波長変換素子22の光
導波路2の形成面25はサブマウント20に向き合って
いる。活性層23の形成面24とは活性層23が半導体
レーザ21の基板にエピ成長された面であり、また光導
波路2の形成面25とは光波長変換素子22にプロトン
交換により光導波路2が形成された面のことである。
又、半導体レーザ21の活性層23と光導波路2は同軸
上にあり半導体レーザ21の基本波P1が光導波路2へ
直接結合する構成となっている。
26はサブマウント21には接触していないため熱的に
遮断されている。そのため半導体レーザ21からの熱の
影響はない。図1で半導体レーザ21を駆動し基本波P
1として活性層23から出射された半導体レーザ光(波
長0.86μm)を光波長変換素子22の入射面10よ
り光導波路2に直接結合させると基本波P1はシングル
モード伝搬し、光導波路2内の波長変換部26で波長
0.43μmの高調波P2に変換され青色レーザ光が出
射面12より基板外部に取り出される。
いて説明する。半導体レーザ21を活性層23の形成面
24をサブマウント20側に向けてボンディングを行っ
た。半導体レーザ21に電流を流し基本波P1を出射さ
せた後、光導波路2の形成面25をサブマウント20側
に向けて光波長変換素子22を半導体レーザ21に押し
当て固定を行った。この際、光波長変換素子22の入射
面10は光導波路2の形成面25に対して90度以下の
角度となっており、半導体レーザ21の出射面と接触し
て半導体レーザを破壊することはない。また、入射面1
0での反射による活性層23への戻り光も少なくでき
る。
るように光波長変換素子22を動かしてX方向のアライ
メントを行った。従来のレンズ系を用いる短波長レーザ
光源ではX,Y,Zの3軸のアライメントが必要である
が、この構成によればX方向のみのアライメントで良
い。これは、Z方向は半導体レーザにおしあてられてお
り、またY方向は半導体レーザ21の活性層23と光波
長変換素子22の光導波路2の高さが一致しているため
アライメントが必要ないことによる。Y方向に対しては
光導波路2にSiO2保護膜17を付加しこれにより高
さを活性層23と合わせた。サブマウント20の表面か
らの光導波路2の高さは4μmとなっている。
おいて半導体レーザ21を100mWで駆動し7mWの
高調波P2(波長0.43μm)を得た。この場合の変
換効率は7%である。図2に温度分布を示す。光波長変
換素子22の波長変換部26の長さ方向に対する温度差
は1℃以内であり効率を劣化させることはない。また立
ち上がりも1分以内であり装置として使用する際問題は
ない。ここで結合効率は76%で基本波が光波長変換素
子22に入射した。図1において10は光波長変換素子
22の入射面でありSiO2が反射防止膜として入射面
10上に形成されている。これにより基本波P1の光導
波路2への結合効率は15%上昇する。また、この反射
防止膜により半導体レーザへの戻り光による半導体レー
ザの不安定動作が防止できる。
×4×10mmと小型になっている。また、光軸ずれを
起こす部分がなく極めて温度変化および振動に強い構造
となっている。
光源について説明する。図3に実施例2の短波長レーザ
光源の構成を示す。この実施例では実施例1の短波長レ
ーザ光源をパッケージ50に封入した。パッケージ50
には窒素ガスを入れ外気と遮断した。また高調波P2は
コーティングされたガラスによる窓51より外部に取り
出される。51は赤外光カットでかつ青色光透過のフィ
ルターの役目も兼ねている。52は石英による光波長変
換素子22のささえであり、これにより振動ぶれを防止
している。この短波長レーザ光源全体をペルチエによる
±1℃の温度制御を行い安定化を図った。これにより周
囲の温度変化に対して高調波P2の出力変化はほとんど
生じなかった。図4に環境温度に対する高調波出力の関
係を示す。また窒素ガスにて封入することで空気中での
酸化による反射防止膜等の劣化が防止できる。
の構造図を図5に示す。この実施例では短波長レーザ光
源として0.8μm帯の半導体レーザ、光波長変換素子
としてLiTaO3基板を用いたもので、図5は短波長レーザ
光源の断面図である。図5で20はSiのサブマウン
ト、21は半導体レーザ、22は光波長変換素子であ
る。ここで用いた半導体レーザ21は波長0.84μ
m、出力150mWのものである。また、光波長変換素
子22はLiTaO3基板に燐酸中でのプロトン交換に
より周期状分極反転層3および光導波路2を形成したも
のである。本実施例の構成では、半導体レーザ21の活
性層23の形成面24および光波長変換素子22の光導
波路2の形成面25はサブマウント20に向き合ってい
る。又、半導体レーザ21の活性層23と光導波路2は
同軸上にあり半導体レーザ21の基本波P1が直接結合
する構成となっている。またサブマウントにはエッチン
グにより溝が形成されている。基本波を高調波へ変換す
る波長変換部26は溝8によりサブマウント21には接
触していないため熱的に遮断されている。図5で半導体
レーザ21を駆動し基本波P1として活性層23から出
射された半導体レーザ光(波長0.84μm)を光波長
変換素子22の入射面10より光導波路2に直接結合さ
せると基本波P1はシングルモード伝搬し、光導波路2
内の波長変換部26で波長0.42μmの高調波P2に
変換され青色レーザ光が出射面12より基板外部に取り
出される。
いて説明する。まず、Siのサブマウント20を通常の
フォトプロセスおよびドライエッチングプロセスにより
幅6mm,深さ100μmの溝8を形成した。次に、半
導体レーザ21を活性層23の形成面24をサブマウン
ト20側に向けてボンディングを行った。半導体レーザ
21に電流を流し基本波P1を出射させた後、光導波路
2の形成面25をサブマウント20側に向けて光波長変
換素子22を半導体レーザ21に押し当て固定を行っ
た。この際、光波長変換素子22の入射面10は光導波
路2の形成面25に対して90度以下の角度となってお
り、半導体レーザ21の出射面と接触して半導体レーザ
を破壊することはない。また、入射面10での反射によ
る活性層23への戻り光も少なくできる。また光導波路
2上には厚み300nmのTi膜蒸着による薄膜ヒータ
ー15aが形成されており電流を流すことで波長変換部
26の温度を一定にしている。この温度が一定になるの
は溝によりSiサブマウント20から熱的に遮断されて
いるからである。なお固定の時には、高調波出力P2が
最大になるようにX方向のアライメントを行った。Y方
向に対しては光導波路2にSiO2保護膜17を付加し
これにより高さを活性層23と合わせた。
おいて半導体レーザ21を150mWで駆動し10mW
の高調波P2(波長0.42μm)を得た。この場合の
変換効率は7%である。立ち上がりも10秒以内であり
高調波出力も安定していた。薄膜ヒーターが付加されて
いるので立ち上がりがこのように早くなったと考えられ
る。
×3×12mmと小型になっている。また、光軸ずれを
起こす部分がなく極めて温度変化および振動に強い構造
となっている。これにより周囲の温度変化に対して高調
波P2の出力変化が最小に抑えられる。
伝導に優れたSiを用いたがこれに限ることはない。
光源について図6を用いて説明する。本発明の第4の実
施例の短波長レーザ光源の構造図を図6に示す。この実
施例では短波長レーザ光源として0.8μm帯の半導体
レーザ、光波長変換素子としてLiNbO3基板を用いたもの
で、図6は短波長レーザ光源の断面図である。図6で2
0は石英ガラスによるサブマウント、21は半導体レー
ザ、22は光波長変換素子である。ここで用いた半導体
レーザ21は波長0.84μm,のものである。また、
光波長変換素子22はLiNbO3基板に燐酸中でのプ
ロトン交換を行い分極反転層3および光導波路2を形成
したものである。本実施例の構成では、半導体レーザ2
の活性層23の形成面24および光波長変換素子22の
光導波路2の形成面25はサブマウント20に向き合っ
ている。又、半導体レーザ21の活性層23と光導波路
2は同軸上にあり半導体レーザ21の基本波P1が直接
結合する構成となっている。この実施例では半導体レー
ザ21の放熱用に第2のサブマウント28として銅ブロ
ックが用いられている。このため半導体レーザ21の熱
は第2のサブマウント28に逃げ、放熱の悪い石英のサ
ブマウント20側には伝わらない。組立は先に半導体レ
ーザ21の裏面29a(活性層23が形成されている面
24の反対面)を第2のサブマウント28にボンディン
グを行った。次にサブマウント20に固定し、光波長変
換素子22を押しあてた。作製されたこの素子の長さは
8mmである。基本波P1として半導体レーザ光(波長
0.84μm)を入射面10より導波させたところシン
グルモード伝搬し、波長0.42μmの高調波P2が出
射面12より基板外部に取り出された。出射面が基本波
および高調波に対してARコートされていることにより
高調波の出力が有効に取り出せ15%のアップが図れ
た。基本波70mWで5mWの高調波(波長0.42μ
m)を得た。また反射光を大幅に減らすことができたた
め半導体レーザは安定に動作し高調波出力の変動は±3
%以下であった。
高調波の出力が不安定で実用的ではない。又、半導体レ
ーザと光波長変換素子の距離が30μm以上となると結
合効率が小さくなり実用的ではない。
光源について図を用いて説明する。本発明の第5の実施
例の短波長レーザ光源の構造図を図7に示す。この実施
例では短波長レーザ光源として波長0.79μmの半導
体レーザ、光波長変換素子としてKTP(KTiOPO4)基
板を用いたもので、図7は短波長レーザ光源の断面図で
ある。KTPは光損傷に強いという特徴がある。図7で
20はSiのサブマウント、21は半導体レーザ、22
は光波長変換素子である。光波長変換素子22の入射面
10は研磨により45度の角度が付けられている。また
光波長変換素子22は半導体レーザ21に対し垂直に配
置されている。また、光波長変換素子22はKTP基板
にイオン交換を行い分極反転層3および光導波路2を形
成したものである。半導体レーザ21から出射された基
本波P1は入射面10で全反射されて光導波路2に入射
する。基本波を高調波へ変換する波長変換部26はサブ
マウント21には接触していないため熱的に遮断されて
いる。半導体レーザ21を駆動し基本波P1として活性
層23から出射された半導体レーザ光(波長0.79μ
m)を光波長変換素子22の入射面10より光導波路2
に直接結合させると基本波P1はシングルモード伝搬
し、光導波路2内の波長変換部26で波長0.395μ
mの紫外の高調波P2に変換され出射面12より基板外
部に取り出される。
源の構成を図8を用いて説明する。図8に本発明の短波
長レーザ光源の構成図を示す。レーザ光源は基本的には
Siサブマウント20と半導体レーザ21と光導波路が
形成された光波長変換素子22により構成される。ま
た、光波長変換素子22の光導波路2上にはTa2O5によ
るグレーティング7が形成されている。サブマウント2
0に固定された半導体レーザ21から出射された光P1
は直接光導波路2に導入される。入力部にはテーパ光導
波路9が形成されておりアライメントの尤度を向上させ
ている。放熱対策としてSiサブマウントは斜めに削ら
れている。これにより波長変換部26に熱が伝わること
はない。
ィング7により一部が反射され半導体レーザに帰還され
る。そのため半導体レーザはグレーティング7の周期と
基板の屈折率で決まる波長に固定され発振する。
により作製した。以下基板への分極反転層、光導波路お
よびグレーティング作製方法について説明する。最初に
分極反転層3を形成する。LiTaO3基板にTaを厚み20nm、
スパッタ蒸着した後、通常のフォトプロセスとドライエ
ッチングを用いてTaを周期状にパターニングする。Taに
よるパターンが形成されたLiTaO3基板をピロ燐酸中で26
0℃、20分間浸し、プロトン交換を行いプロトン交換層
を形成する。その後、540℃の温度で20秒間熱処理す
る。これにより厚み2μmの周期状の分極反転層が形成
される。次にテーパ光導波路9を形成する。LiTaO3基板
にTaを厚み20nm、スパッタ蒸着した後、通常のフォトプ
ロセスとドライエッチングを用いてTaをパターニングす
る。テーパ光導波路を形成するため、Taによるパターン
が形成されたLiTaO3基板の一部をピロ燐酸中で260℃、5
0分間浸し、プロトン交換を行い、スリット直下に厚み
1.2μmのテーパ光導波路となるプロトン交換層を形成
する。その後、420℃の温度で20分間熱処理する。これ
により厚み5μmのテーパ光導波路が形成される。さら
に光導波路2を形成するために、ピロ燐酸中で260℃、1
2分間プロトン交換を行い、スリット直下に厚み0.5μm
のプロトン交換層を形成した後、420℃の温度で1分間熱
処理する。次にTa2O5を膜として30nmの厚みで形成す
る。次にフォトリソとドライエッチングを用いてTa2O5
の周期的パターンを形成する。これがグレーティング7
となる。グレーティングの周期は0.8μmであり、1次
周期0.2μmの4倍を用いている。このように周期は1
次周期の整数倍であれば用いることができる。最後に研
磨により入出射面を形成する。光導波路2は厚みは1.9
μm、長さは5mmである。また、グレーティングの反射
率は10%である。この程度の反射量で充分波長安定化が
図れる。
ト20上に半導体レーザ21の活性層23側を下にして
ボンディングする。サブマウント20は研磨により一部
テーパ状に加工されている。リード線を付けて半導体レ
ーザを光らせながら、光導波路が形成された光波長変換
素子22を光導波路から出射する基本波P1が最大にな
るところで接着する。以上の工程により、コンパクトな
短波長レーザ光源が作製できた。基本波50mWで5m
Wの高調波(波長0.42μm)を得た。またグレーテ
ィングで半導体レーザの波長はロックされているので安
定に動作し高調波出力の変動は±1%以下であった。
もレンズを介した構成でも良い。また、Siをサブマウ
ントとして用いたがCuやC等他の熱電導の良い材料で
あれば良い。また、実施例では結晶としてLiNbO3および
LiTaO3を用いたがKNbO3等の強誘電体、MNA等の有機
非線形材料にも適用可能である。
ーザ光源を光情報記録装置に組み込み光ディスクの読み
取りに応用した例について説明する。図9にその構成を
示す。本実施例では光情報記録装置は短波長レーザ光
源、レンズ、偏光ビームスプリッタおよび受光器により
構成されている。短波長レーザ光源60内で半導体レー
ザ21から出た基本波P1は光波長変換素子22で高調
波P2に変換され高調波P2である青色レーザ光として
外部に放射される。この青色レーザ光P2をレンズ40
により平行光とする。この平行光にされた高調波P2は
偏光ビームスプリッタ41を通過後、フォーカシングレ
ンズ42で集光され光ディスク43上に0.6μmのス
ポットを結ぶ。この反射信号は再び偏光ビームスプリッ
タ41を通過後、受光器45に入射する。短波長レーザ
光源60にて2mWの青色レーザ光P2が放射され、こ
れが光ディスクの読み取りに使用された。また駆動電流
を増加し10mWの青色レーザ光で書き込みが行われ
た。ここで短波長レーザ光源は振動、温度変化に強く安
定に動作した。
光源について図10を用いて説明する。本発明の第8の
実施例の短波長レーザ光源の構造図を図10に示す。こ
の実施例では短波長レーザ光源として0.8μm帯の半
導体レーザ、光波長変換素子としてLiTaO3基板を用いた
もので、図10は短波長レーザ光源の光導波路の中心で
光導波路形成面に平行に切った断面図である。21は半
導体レーザ、22は光波長変換素子、2は光導波路、2
6は波長変換部である。波長変換部26は曲がり光導波
路で構成されており、発熱源である半導体レーザ21か
ら同心円上にあり温度は一定となっている。そのため高
調波への変換は安定に行うことができる。
たような高効率、高出力の短波長光が発生できる。欠点
である温度許容幅の狭さに対しては本発明のように半導
体レーザと熱的に遮断することで解決できる。
いることで従来使用していた0.8μm帯の半導体レー
ザを用いた光情報記録装置の読み取り系に比べて半分の
スポットに絞ることができ光情報記録装置の記録密度を
従来の4倍に向上することができる。
ザ光源によれば半導体レーザと高効率光波長変換素子を
レンズを介さず直接結合させることで大幅な結合効率の
向上が図れ、その際半導体レーザからの発熱が光波長変
換素子の波長変換部に伝わるのを防ぎ、短波長レーザ光
源の出力および安定度が大幅に向上する。さらに、立ち
上がり特性も優れたものとなりその工業的価値は極めて
大きい。
造図である。
る。
造図である。
出力の特性図である。
造図である。
造図である。
造図である。
造図である。
図である。
構造図である。
る。
Claims (12)
- 【請求項1】サブマウント上に半導体レーザおよび光波
長変換素子を備え、前記半導体レーザの基本波が前記光
導波路に直接結合する短波長レーザ光源において、前記
半導体レーザの活性層の形成面および光波長変換素子の
光導波路形成面がサブマウントに向き合い、なおかつ光
波長変換素子の波長変換部が熱的に半導体レーザの発熱
から遮断された構成となることを特徴とする短波長レー
ザ光源。 - 【請求項2】サブマウント上に半導体レーザおよび光波
長変換素子を備え、前記半導体レーザの基本波が前記光
導波路に直接結合する短波長レーザ光源において、前記
半導体レーザの活性層の形成面および光波長変換素子の
光導波路形成面がサブマウントに向き合いなおかつ前記
光波長変換素子の波長変換部直下のサブマウントには溝
またはテーパ部が形成されておりサブマウントと波長変
換部が非接触となることを特徴とする短波長レーザ光
源。 - 【請求項3】サブマウント上に半導体レーザおよび光波
長変換素子を備え、前記半導体レーザの基本波が前記光
導波路に直接結合する短波長レーザ光源において、前記
半導体レーザの活性層が形成されている面および光波長
変換素子の光導波路形成面が第1のサブマウントに向き
合う構成となり、なおかつ前記半導体レーザの活性層が
形成されている面と反対面に前記半導体レーザからの熱
の放射を行うための第2のサブマウントを有しているこ
とを特徴とする短波長レーザ光源。 - 【請求項4】サブマウント上に半導体レーザおよび光波
長変換素子を備え、前記半導体レーザの基本波が前記光
導波路に直接結合する短波長レーザ光源において、前記
半導体レーザの活性層の形成面および光波長変換素子の
光導波路形成面がサブマウントに向き合いなおかつ前記
光波長変換素子の波長変換部が長さ方向にわたって前記
半導体レーザから等距離となることを特徴とする短波長
レーザ光源。 - 【請求項5】サブマウント上に半導体レーザおよび光波
長変換素子を備え、前記半導体レーザの基本波が前記光
導波路に直接結合する短波長レーザ光源において、前記
半導体レーザに対して光波長変換素子が直角に配置され
ており、なおかつ前記半導体レーザの活性層の形成面が
サブマウントに向き合う構成となることを特徴とする短
波長レーザ光源。 - 【請求項6】サブマウント上に半導体レーザおよび光波
長変換素子を備え、前記半導体レーザの基本波が前記光
導波路に直接結合する短波長レーザ光源において、前記
半導体レーザの活性層の形成面および光波長変換素子の
光導波路形成面がサブマウントに向き合い、なおかつサ
ブマウントが窒素でパージされたパッケージ内に固定さ
れており、前記光波長変換素子で発生する高調波は前記
パッケージに形成された窓を通して外部に放射されるこ
とを特徴とする短波長レーザ光源。 - 【請求項7】光波長変換素子として分極反転構造を有す
ることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載
の短波長レーザ光源。 - 【請求項8】サブマウントがSiであることを特徴とす
る請求項1〜6のいずれか1項に記載の短波長レーザ光
源。 - 【請求項9】非線形光学効果を有する基板としてLiN
bxTa1-xO3(0≦X≦1)基板を使用したことを特
徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の短波長レ
ーザ光源。 - 【請求項10】光波長変換素子の光導波路上に電極また
は薄膜ヒーターが形成されていることを特徴とする請求
項1〜6のいずれか1項に記載の短波長レーザ光源。 - 【請求項11】光波長変換素子の入射部にテーパ光導波
路が形成されていることを特徴とする請求項1〜6のい
ずれか1項に記載の短波長レーザ光源。 - 【請求項12】光波長変換素子の基本波の入射面に基本
波に対する反射防止膜が、出射面には基本波および高調
波に対する反射防止膜が形成されていることを特徴とす
る請求項1〜6のいずれか1項に記載の短波長レーザ光
源。
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