JP2002303904A - 光波長変換装置およびその調整方法 - Google Patents

光波長変換装置およびその調整方法

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JP2002303904A
JP2002303904A JP2001107976A JP2001107976A JP2002303904A JP 2002303904 A JP2002303904 A JP 2002303904A JP 2001107976 A JP2001107976 A JP 2001107976A JP 2001107976 A JP2001107976 A JP 2001107976A JP 2002303904 A JP2002303904 A JP 2002303904A
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optical
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light
optical wavelength
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JP2001107976A
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Yuichi Teramura
友一 寺村
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Fuji Photo Film Co Ltd
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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)
  • Semiconductor Lasers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体発光素子と、この半導体発光素子から
発せられた光の波長を選択する導波路型の波長選択素子
と、選択された波長の光を波長変換する光波長変換素子
とからなる光波長変換装置において、低コストの簡単な
構成によって波長選択素子の選択波長および光波長変換
素子の位相整合波長を一致させる。 【解決手段】 半導体発光素子10と、この半導体発光素
子10から発せられた光11の波長を選択する導波路型の波
長選択素子20と、選択された波長の光11を波長変換する
光波長変換素子30とからなる光波長変換装置において、
波長選択素子20および光波長変換素子30として、前者の
選択波長および後者の位相整合波長の各温度依存変化率
が相異なるものを用い、それらの波長選択素子20および
光波長変換素子30を共通の温度制御手段50,52,53によっ
て互いに同一温度に制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光波長変換装置に関
し、特に詳細には、半導体発光素子から発せられた光を
波長選択素子によって波長選択し、その選択された波長
の光を光波長変換素子によって波長変換する光波長変換
装置に関するものである。
【0002】また本発明は、上述のような光波長変換装
置を、波長選択素子の選択波長および光波長変換素子の
位相整合波長を一致させるように調整する方法に関する
ものである。
【0003】
【従来の技術】従来、例えば特開平10−254001
号公報に示されるように、半導体レーザー等の半導体発
光素子に狭帯域バンドパスフィルター等の波長選択素子
を備えた外部共振器を組み合わせた構成を有し、この外
部共振器の作用によって発振するレーザービームの波長
を所望波長にロックする半導体発光装置が公知となって
いる。ここで、上記の外部共振器としては、通常のミラ
ーからなるものや、その他、光導波路に形成したDBR
(分布ブラッグ反射型)グレーティングにより導波光を
波長選択しつつ反射回折させるもの等を用いることがで
きる。
【0004】また同公報には、上述のような半導体発光
素子に光波長変換素子を結合し、発振したレーザービー
ムをこの光波長変換素子によって第2高調波等に波長変
換する技術も示されている。この光波長変換素子として
は、例えば、非線形光学効果を有する強誘電体結晶基板
に一方向に延びる光導波路が形成されるとともに、この
光導波路に基板の自発分極の向きを反転させたドメイン
反転部が周期的に形成されてなり、該光導波路において
ドメイン反転部の並び方向に導波する基本波を波長変換
するものが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の光導
波路に形成したグレーティングによって導波光を波長選
択する場合、その選択波長は、光導波路の温度によって
変動する。一方、光波長変換素子の位相整合波長も、そ
の温度によって変動する。そこで、この種の導波路型の
波長選択素子と光波長変換素子とを組み合わせてなる光
波長変換装置において、高い波長変換効率を確保するた
めには、波長選択素子の選択波長と光波長変換素子の位
相整合波長とが一致するように、各素子の温度を設定す
る必要がある。
【0006】しかしここで、上記導波路型の波長選択素
子や光波長変換素子においては、基板の屈折率のバラツ
キや素子作製プロセスのバラツキ等を抑えるのが難しい
ことから、波長選択素子の選択波長と光波長変換素子の
位相整合波長とがある所定の温度で一致するように両素
子を作製するのは非常に困難である。そこで従来は、波
長選択素子と光波長変換素子とをそれぞれ別個の温度調
節手段を用いて独立に温度制御し、前者の選択波長と後
者の位相整合波長とを一致させるようにしていた。
【0007】しかし、そのように波長選択素子および光
波長変換素子に対してそれぞれ専用の温度調節手段を設
けると、装置構成が複雑になる上、光波長変換装置のコ
ストも高くついてしまう。
【0008】本発明は上記の事情に鑑みて、低コストの
簡単な構成によって波長選択素子の選択波長および光波
長変換素子の位相整合波長を一致させることができる光
波長変換装置および、その調整方法を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による光波長変換
装置は、前述したように、半導体発光素子と、この半導
体発光素子から発せられた光の波長を選択する導波路型
の波長選択素子と、選択された波長の光を波長変換する
光波長変換素子とからなる光波長変換装置において、波
長選択素子および光波長変換素子として、前者の選択波
長および後者の位相整合波長の各温度依存変化率が相異
なるものが用いられ、それらの波長選択素子および光波
長変換素子を互いに同一温度に制御する共通の温度制御
手段が設けられたことを特徴とするものである。
【0010】なお、上記の構成において波長選択素子と
しては、導波光に作用する反射型のグレーティングによ
り波長選択する波長選択素子を好適に用いることができ
る。その種の波長選択素子としてさらに具体的には、S
iO基板にGe:SiOからなるクラッドおよびS
iNからなるコアが形成されてなるものを用いるのが望
ましい。
【0011】また上記の光波長変換素子としては、前記
光を導波させる光導波路を有し、該光導波路に周期ドメ
イン反転構造が形成されてなる導波路型の光波長変換素
子を好適に用いることができる。その種の光波長変換素
子としてさらに具体的には、MgOがドープされたLi
NbO結晶からなる基板にプロトン交換光導波路が
形成されてなるものを用いるのが望ましい。
【0012】また本発明の光波長変換装置において、半
導体発光素子、波長選択素子および光波長変換素子は直
接結合されていることが望ましい。
【0013】他方、本発明による光波長変換装置の調整
方法は、半導体発光素子と、この半導体発光素子から発
せられた光の波長を選択する導波路型の波長選択素子
と、前記光を波長変換する光波長変換素子とからなる光
波長変換装置において、波長選択素子および光波長変換
素子として、前者の選択波長および後者の位相整合波長
の各温度依存変化率が相異なるものを用い、それらの波
長選択素子および光波長変換素子を共通の温度制御手段
により温度調節して、前者の選択波長および後者の位相
整合波長を一致させることを特徴とするものである。
【0014】
【発明の効果】本発明による光波長変換装置において
は、波長選択素子および光波長変換素子として、前者の
選択波長および後者の位相整合波長の各温度依存変化率
が相異なるものが用いられているので、それらの温度を
共通の温度制御手段によって変化させると、ある温度に
おいて、上記選択波長および位相整合波長が一致するよ
うになる。したがって、その温度下で光波長変換装置を
駆動させれば、高い波長変換効率を実現できる。
【0015】そして、波長選択素子および光波長変換素
子を共通の手段によって温度制御するのであれば、それ
ら両素子にそれぞれ専用の温度制御手段を設ける場合と
比較して光波長変換装置の構成は簡素化され、またその
コストも低く抑えられるようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一つの実
施形態による光波長変換装置の側面形状を示すものであ
り、また図2は、この光波長変換装置を構成する光波長
変換モジュールの平面形状を示すものである。
【0017】まず図2に示す光波長変換モジュールにつ
いて説明する。図示されるようにこの光波長変換モジュ
ールは、レーザービーム11を発する半導体発光素子であ
る半導体レーザーチップ10と、この半導体レーザーチッ
プ10の一端側に直接結合された導波路型の波長選択素子
20と、半導体レーザーチップ10の他端側に直接結合され
た光波長変換素子30とから構成されている。
【0018】半導体レーザーチップ10は活性領域を含む
光導波路12を有し、波長選択素子20に直接結合される端
面10aには、発振波長λ(本例では後述するようにλ=
1060nm)に対して反射率0.5%以下となるAR(無反
射)コートが施され、それと反対側の端面10bには、発
振波長λに対するLR(低反射)コートが施されてい
る。この半導体レーザーチップ10の素子長は、一例とし
て1mmである。
【0019】一方波長選択素子20は、例えばSiO
板21(図1参照)にSiNからなるコアとしてのチャン
ネル光導波路22および、該チャンネル光導波路22を覆う
Ge:SiOからなるクラッド24が形成され、そして
クラッド24に光伝搬方向に沿ってDBRグレーティング
23が形成されてなるものである。
【0020】ここでDBRグレーティング23のピッチΛ
g は、導波光の波長をλ、チャンネル光導波路22の実効
屈折率をNeff とすると Λg =qλ/2Neff (q=1,2,3,……) に設定される。また、グレーティング長は1〜3mm程
度とし、チップ長も1〜3mm程度として、発振波長λ
に対して90%以上の反射率が得られるようにされてい
る。
【0021】そして、チャンネル光導波路22の端面を含
む波長選択素子20の両端面20a、20bは切断、光学研磨
され、その研磨面上には発振波長λに対するAR(無反
射)コートが施されている。なお波長選択素子20は、そ
のモードフィールド径が、半導体レーザーチップ10の発
光のモードフィールド径とほぼ同等となる構成とされて
いる。
【0022】この波長選択素子20と半導体レーザーチッ
プ10とは、それぞれの光導波路22、12の端面どうしが対
面して、端面20aと端面10aとが互いに近接する状態に
配設されている。このときの端面20aと端面10aとの間
の距離は1.5μm以下とされる。なお、波長選択素子
20と半導体レーザーチップ10とは、端面20aと端面10a
とが密接する状態に配設されてもよい。このように波長
選択素子20と半導体レーザーチップ10とを配設すること
により両者は、各々における導波光が結合する直接結合
(butt coupling)状態となる。
【0023】光波長変換素子30は、非線形光学効果を有
する強誘電体であるLiNbOにMgOが例えば5 m
ol%ドープされたものの結晶からなる基板(以下、Mg
O−LN基板と称する)31に、そのZ軸と平行な自発分
極の向きを反転させたドメイン反転部32が周期的に形成
されてなる周期ドメイン反転構造と、この周期ドメイン
反転構造に沿って延びるチャンネル光導波路33が形成さ
れてなるものである。
【0024】このチャンネル光導波路33の両端面を含む
素子端面30a、30bは光学研磨され、端面30aには基本
波であるレーザービーム11に対するARコートが施さ
れ、端面30bには後述する第2高調波15およびレーザー
ビーム11に対するARコートが施されている。
【0025】この光波長変換素子30と半導体レーザーチ
ップ10とは、それぞれの光導波路33、12の端面どうしが
対面して、端面30aと端面10bとが互いに近接する状態
に配設されている。このときの端面30aと端面10bとの
間の距離は2μm以下とされる。なお、光波長変換素子
30と半導体レーザーチップ10とは、端面30aと端面10b
が密接する状態に配設されてもよい。このように光波長
変換素子30と半導体レーザーチップ10とを配設すること
により両者は、それぞれにおける導波光が結合する直接
結合(butt coupling)状態となる。
【0026】以下、この光波長変換モジュールの作用に
ついて説明する。半導体レーザーチップ10の端面10b
(前方端面)からは、中心波長1060nmのレーザービー
ム11が発せられる。このレーザービーム11は光波長変換
素子30に基本波として入射し、そこで波長が1/2の第
2高調波15に変換される。なおその際、前述した周期ド
メイン反転構造によって位相整合(いわゆる疑似位相整
合)が取られる。この第2高調波15は、レーザービーム
11とともに光波長変換素子30の端面30bから出射する。
なお、光波長変換素子30の端面30bにレーザービーム11
をカットする適宜のコートを施しておくことにより、こ
の端面30bからほぼ第2高調波15のみを出射させること
も可能である。
【0027】半導体レーザーチップ10の端面10a(後方
端面)からも中心波長1060nmの光が発せられ、この光
は波長選択素子20の光導波路22内に入射してそこを導波
し、DBRグレーティング23で反射回折して半導体レー
ザーチップ10に戻る。このとき、DBRグレーティング
23の波長選択作用により、反射回折する光の波長が選択
される。このように波長選択された光が半導体レーザー
チップ10に戻ることにより、該半導体レーザーチップ10
の発振波長が選択、ロックされ、波長λ=1060nmのレ
ーザービーム11が得られる。
【0028】特に本装置においては、半導体レーザーチ
ップ10の端面10aおよび波長選択素子20の端面20aに前
述のARコートが施されているので、実質的に、半導体
レーザーチップ10の両端面10a、10b間でファブリペロ
ーモードが立つことも、また半導体レーザーチップ10の
端面10bと波長選択素子20の端面20aとの間でファブリ
ペローモードが立つこともなくなる。つまり本装置にお
いては、レーザービーム11を反射回折させるDBRグレ
ーティング23と半導体レーザーチップ10の端面10bとの
間でファブリペロー型の外部共振器が構成され、実質的
にこの共振器のみによってレーザービーム11が発振し、
その発振波長はこの共振器による選択波長となる。
【0029】そこでこの光波長変換装置においては、半
導体レーザーチップ10に注入される駆動電流が変化して
その光学長が変化しても、それによって発振波長が変動
することがない。したがって、駆動電流変化によってモ
ードホップが生じることがなくなり、このモードホップ
によるノイズの発生が防止される。
【0030】レーザービーム11を第2高調波15に変換し
て出力する場合は、第2高調波出力が基本波出力の2乗
に比例するという事情があるため、半導体レーザーチッ
プ10の発振波長変化に起因するモードホップによって第
2高調波出力が特に大きく変動したり、駆動電流対第2
高調波出力特性の再現性が著しく不良となりやすいが、
本実施形態ではこの発振波長の変化やモードホップを抑
制できるから、第2高調波15の出力変動等を防止できる
効果が特に高いものとなる。
【0031】またこの光波長変換モジュールにおいて
は、波長選択素子20の端面20bが、その光導波路22の延
びる方向に対して斜めにカットされているので、この端
面20bで反射した光が波長選択素子20の光導波路22に再
入射することがなくなる。そうであれば、この再入射し
た光が半導体レーザーチップ10にいわゆる戻り光となっ
て入射することがなくなるので、この戻り光によるノイ
ズの発生や出力変動の問題を防止することができる。
【0032】また本実施形態では、光波長変換素子30の
光出射側の端面30bが、その光導波路33の延びる方向に
対して斜めにカットされているので、この端面30bで反
射した光が光波長変換素子30の光導波路33に再入射する
こともなくなる。そうであれば、この再入射した光が半
導体レーザーチップ10にいわゆる戻り光となって入射す
ることがなくなるので、この戻り光によるノイズの発生
や出力変動の問題も防止することができる。
【0033】次に図1を参照して、上記光波長変換モジ
ュールを用いた光波長変換装置について説明する。図示
の通りこの光波長変換装置の半導体レーザーチップ10お
よび波長選択素子20は、それぞれ銅等の熱伝導性の高い
金属からなるブロック41、42に保持されている。また光
波長変換素子30も、銅等の熱伝導性の高い金属からなる
ブロック43に保持されている。そして金属ブロック41、
42および43は互いに固定された上で、共通の1つのペル
チェ素子50の上面(温度制御面)上に固定されている。
【0034】また、光波長変換素子30の端面30bから発
散光状態で出射したレーザービーム11および第2高調波
15を平行光化するコリメーターレンズ45と、レーザービ
ーム11をカットする基本波カットフィルタ47と、平行光
化された第2高調波15の一部を分岐させるビームスプリ
ッタ46と、分岐された第2高調波15の強度を検出するフ
ォトダイオード等からなる光検出器51とが設けられてい
る。
【0035】以上説明した各要素は、パッケージベース
60およびそれに被着されたパッケージカバー61からなる
パッケージ内に収納されている。ビームスプリッタ46を
透過した第2高調波15は、パッケージカバー61に設けら
れた窓ガラス62を透過してパッケージ外に出射し、所定
の用途に用いられる。
【0036】上記光検出器51が出力する光強度検出信号
S3は、半導体レーザー駆動制御回路54にフィードバッ
ク(帰還)される。半導体レーザー駆動制御回路54はこ
の光強度検出信号S3に基づいて、半導体レーザーチッ
プ10に供給する駆動電流S4の値を変化させ、それによ
り第2高調波15の光出力を所定の値に制御する。
【0037】また、DBRグレーティング23と半導体レ
ーザーチップ10の端面10bとで構成される外部共振器の
近傍の温度を検出するサーミスタ52が設けられ、このサ
ーミスタ52の温度検出信号S1は温度制御回路53に入力
される。温度制御回路53はこの温度検出信号S1に対応
したペルチェ素子駆動制御信号S2をペルチェ素子50に
入力して、該ペルチェ素子50の駆動を制御する。それに
より、上記外部共振器の近傍の温度が所定の目標値に保
たれ、温度変化に起因する発振波長の変動が防止され
る。
【0038】ここで、上述の温度調節を行なうことによ
り、波長選択素子20および光波長変換素子30は互いに共
通の温度に制御される。なお以上の説明から明らかな通
り、本実施形態ではペルチェ素子50、サーミスタ52およ
び温度制御回路53によって、波長選択素子20および光波
長変換素子30を共通に温度制御する1つの温度制御手段
が構成されている。
【0039】前述した通りの材料から形成されている波
長選択素子20の選択波長は、図3に直線aで示すように
温度に応じて変化し、その温度依存変化率は0.0256nm
/℃である。また、前述した通りの材料から形成されて
いる光波長変換素子30の位相整合波長は、図3に直線b
で示すように温度に応じて変化し、その温度依存変化率
は0.06nm/℃である。
【0040】このように、波長選択素子20の選択波長の
温度依存変化率と、光波長変換素子30の位相整合波長の
温度依存変化率が互いに異なっているため、波長選択素
子20および光波長変換素子30の共通の制御温度を変化さ
せると、ある温度においてこれらの選択波長と位相整合
波長とが一致するようになる。本実施形態の場合その温
度は40℃であり、そのとき波長選択素子20の選択波長お
よび光波長変換素子30の位相整合波長はともに1060nm
である。したがって、両素子20および30を40℃に温度調
節して駆動すれば、高い波長変換効率を実現できる。
【0041】そして、波長選択素子20および光波長変換
素子30を共通の手段によって温度制御しているから、そ
れら両素子20および30にそれぞれ専用の温度制御手段を
設ける場合と比較して光波長変換装置の構成は簡素化さ
れ、またそのコストも低く抑えられるようになる。
【0042】なお本実施形態では、波長選択素子20およ
び光波長変換素子30から若干離れた位置にサーミスタ52
を配置しており、また両素子20および30の熱伝導率も互
いに異なるので、これら両素子20および30の温度が厳密
には一致しないこともある。しかし、本発明の本質はあ
くまでも図3に示した特性に基づいて両素子20および30
の温度を共通の温度制御手段を用いて一致させ、共通の
温度下で選択波長と位相整合波長とを一致させる点にあ
るので、制御で共通化を図っている温度が上述のように
多少ずれている場合も、本発明の技術思想に含まれるも
のとする。
【0043】また、本実施形態で示した波長選択素子20
および光波長変換素子30の導波路構成であれば、厳密に
作製することで、それら双方に関して±0.1nmの波長
精度を実現できる。そこで、半導体レーザーの一般的な
動作温度範囲である−10〜80℃の範囲で温度調節するこ
とを前提とすれば、波長選択素子20および光波長変換素
子30を各々構成する材料としては、前者の選択波長の温
度依存変化率と後者の位相整合波長の温度依存変化率と
の差が0.004nm/℃以上となるものであれば、本発明
に好適に用いることができる。すなわち、−10〜80℃の
中間温度35℃での設計波長に対して、両素子20および30
の間での設計波長からのずれは最大0.2(=0.1+0.1)
nmであり、−10〜80℃の温度範囲ならば0.004nm×4
5=0.18nm≒0.2nmとなり、−10〜80℃の温度範囲内
に選択波長と位相整合波長とが一致する温度が必ず存在
するようになる。
【0044】また、上記実施形態では温度制御手段がペ
ルチェ素子50を用いて構成されているが、温度制御手段
はそれに限らず、ヒータを用いて構成することも可能で
ある。ペルチェ素子は冷却機能があるので、30℃以下の
制御温度を設定可能であるが、結露を防ぐために気密封
止して使用するのが望ましい。一方ヒータは、室温より
も高い例えば40℃程度の高い制御温度を設定する場合に
使用するのが望ましい。
【0045】また本発明は、以上説明した実施形態にお
けるものとは異なる構成の波長選択素子および光波長変
換素子を用いる場合にも同様に適用可能であり、そして
同様の効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による光波長変換装置を示
す側面図
【図2】図1の光波長変換装置に用いられた光波長変換
モジュールを示す平面図
【図3】上記光波長変換装置における波長選択素子の選
択波長および光波長変換素子の位相整合波長の温度変化
特性を示すグラフ
【符号の説明】
10 半導体レーザーチップ 10a、10b 半導体レーザーチップの端面 11 レーザービーム 12 半導体レーザーチップの光導波路 15 第2高調波 20 波長選択素子 20a、20b 波長選択素子の端面 21 SiO基板 22 波長選択素子の光導波路 23 DBRグレーティング 24 波長選択素子のクラッド 30 光波長変換素子 30a、30b 光波長変換素子の端面 31 MgO−LN基板 32 ドメイン反転部 33 光波長変換素子の光導波路 41、42、43 金属ブロック 45 コリメーターレンズ 46 ビームスプリッタ 47 基本波カットフィルタ 50 ペルチェ素子 51 光検出器 52 サーミスタ 53 温度制御回路 54 半導体レーザー駆動制御回路 60 パッケージベース 61 パッケージカバー 62 窓ガラス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2K002 AB12 CA03 DA06 EB15 FA26 GA04 HA20 5F073 AB23 AB25 EA03 EA29 FA02 FA25 GA23

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体発光素子と、この半導体発光素子
    から発せられた光の波長を選択する導波路型の波長選択
    素子と、選択された波長の光を波長変換する光波長変換
    素子とからなる光波長変換装置において、 前記波長選択素子および光波長変換素子として、前者の
    選択波長および後者の位相整合波長の各温度依存変化率
    が相異なるものが用いられ、 それらの波長選択素子および光波長変換素子を互いに同
    一温度に制御する共通の温度制御手段が設けられたこと
    を特徴とする光波長変換装置。
  2. 【請求項2】 前記波長選択素子として、導波光に作用
    する反射型のグレーティングにより波長選択する波長選
    択素子が用いられていることを特徴とする請求項1記載
    の光波長変換装置。
  3. 【請求項3】 前記波長選択素子が、SiO基板にG
    e:SiOからなるクラッドおよびSiNからなるコ
    アが形成されてなるものであることを特徴とする請求項
    2記載の光波長変換装置。
  4. 【請求項4】 前記光波長変換素子として、前記光を導
    波させる光導波路を有し、該光導波路に周期ドメイン反
    転構造が形成されてなる導波路型の光波長変換素子が用
    いられていることを特徴とする請求項1から3いずれか
    1項記載の光波長変換装置。
  5. 【請求項5】 前記光波長変換素子が、MgOがドープ
    されたLiNbO 結晶からなる基板にプロトン交換光
    導波路が形成されてなるものであることを特徴とする請
    求項4記載の光波長変換装置。
  6. 【請求項6】 前記半導体発光素子、波長選択素子およ
    び光波長変換素子が直接結合されていることを特徴とす
    る請求項1から5いずれか1項記載の光波長変換装置。
  7. 【請求項7】 半導体発光素子と、この半導体発光素子
    から発せられた光の波長を選択する導波路型の波長選択
    素子と、前記光を波長変換する光波長変換素子とからな
    る光波長変換装置において、 前記波長選択素子および光波長変換素子として、前者の
    選択波長および後者の位相整合波長の各温度依存変化率
    が相異なるものを用い、 それらの波長選択素子および光波長変換素子を共通の温
    度制御手段により温度調節して、前者の選択波長および
    後者の位相整合波長を一致させることを特徴とする光波
    長変換装置の調整方法。
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