JP2016171219A - 外部共振器型発光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光源とグレーティング素子とを光学的に結合した外部共振器型発光装置において、グレーティング素子内において伝搬光の光路を変更するとともに、出射光の出力の経時的な変動を抑制する構造を提供する。【解決手段】グレーティング素子1が、ブラッググレーティング4、ブラッググレーティング4が形成されたチャネル型光導波路3、チャネル型光導波路3の端部に連続するスラブ型光導波路60、およびスラブ型光導波路60に設けられた光反射部材5A、5Bを備える。スラブ型光導波路60を伝搬するスラブモード光6A、6Bを光反射部材5A、5Bによって反射させることで光路を変更する。【選択図】図1
Description
本発明は、外部共振器型発光装置に関するものである。
DBRレーザは、活性層の導波路の延長上の導波路面に凹凸を形成しブラッグ反射によるミラーを構成し、共振器を実現している。このレーザは、光導波層の両端に回折格子が設けられているので、活性層で発光した光は光導波層を伝搬し、この回折格子で一部が反射され、電流注入部に戻り、増幅される。回折格子から決められた方向に反射するのは、一つの波長の光だけであるので、レーザ光の波長は一定になる。
また、この応用として、回折格子を、半導体とは異なる部品とし、外部で共振器を形成する、外部共振器型半導体レーザが開発されている。このタイプのレーザは、波長安定性、温度安定性、制御性がよいレーザとなる。外部共振器は、ファイバ・ブラッグ・グレーティング(FBG)や、ボリューム・ホログラム・グレーティング(VHG)がある。回折格子を、半導体レーザとは別部材で構成するので、反射率、共振器長を個別に設計できるという特徴があり、電流注入による発熱による温度上昇の影響を受けないので、波長安定性をさらに良くすることができる。また、半導体の屈折率の温度変化が異なるので共振器長と合わせて設計することにより、温度安定性を高めることができる。
特許文献1(特開2002-134833)には、石英ガラス導波路に形成したグレーティングを利用した外部共振器型レーザが開示されている。これは温度コントローラなしで室温が大きく(例えば30℃以上)変化する環境で使える、周波数安定化レーザを提供しようとするものである。また、モードホッピングが抑圧され、かつ発振周波数の温度依存性がない温度無依存レーザを提供することが記載されている。
特許文献2(特開2010-171252)には、SiO2、SiO1−xNx(xは0.55乃至0.65)、あるいはSiとSiNをコア層とする光導波路、およびこの光導波路にグレーティングを形成した外部共振器型レーザが開示されている。これは精密な温度制御なしで発振波長を一定に保つ外部共振器レーザで、このために回折格子の反射波長の温度変化率(ブラッグ反射波長の温度係数)を小さくすることを前提条件としている。その上でレーザ発振を縦モードマルチモードとすることでパワー安定性を実現できることが記載されている。
特許文献3(特許第3667209)には、石英、InP、GaAs、LiNbO3、LiTaO3、ポリイミド樹脂とする光導波路に形成したグレーティングを利用した外部共振器がレーザが開示されている。これは、光源である半導体レーザの光射出面における反射率が実効反射率Re(実質的に0.1〜38.4%)であり、その上でレーザ発振を縦モードマルチモードとすることでパワー安定性を実現できることが記載されている。
本出願人は、特許文献4(WO 2014−196553)および特許文献5(特許第5641631)において、温度変化に伴うモードホップを抑制するような外部共振器型発光装置の構造を提案した。
また、本出願人は、特許文献6(特願2015−021044)において、温度変化に伴う外部共振器型発光装置のモードホップを抑制しつつ、グレーティング素子内で光路変更する構造を提案した。
本発明者は、特許文献6記載のように、外部共振器型発光装置のグレーティング素子で光路を曲げる構造を更に検討してきた。その過程で、温度変動に伴う出力変動を一層低減することが必要になってきた。
本発明の課題は、光源とグレーティング素子とを光学的に結合した外部共振器型発光装置において、グレーティング素子内において伝搬光の光路を変更するとともに、温度変動に伴う出射光の出力の変動を抑制する構造を提供することである。
本発明は、半導体レーザ光を発振する光源、およびこの光源と外部共振器を構成するグレーティング素子を備える外部共振器型発光装置であって、
グレーティング素子が、ブラッググレーティング、ブラッググレーティングが形成されたチャネル型光導波路、チャネル型光導波路の端部に連続するスラブ型光導波路、およびスラブ型光導波路に設けられた光反射部材を備えており、前記スラブ型光導波路を伝搬するスラブモード光を光反射部材によって反射させることで光路を変更することを特徴とする。
グレーティング素子が、ブラッググレーティング、ブラッググレーティングが形成されたチャネル型光導波路、チャネル型光導波路の端部に連続するスラブ型光導波路、およびスラブ型光導波路に設けられた光反射部材を備えており、前記スラブ型光導波路を伝搬するスラブモード光を光反射部材によって反射させることで光路を変更することを特徴とする。
本発明者は、外部共振器型発光装置のグレーティング素子内で光路を変更した場合に経時的な出力変動が見られる原因を検討した。本グレーティング素子では、チャネル型光導波路内にブラッググレーティングを形成し、光源と外部共振器を構成する。この構造では、チャネル型光導波路を伝搬する光をミラーによって反射させて光路を変更すると、ミラーとチャネル型光導波路との境界面において多重反射が生じ、多重反射光が光源に戻り光となって入射することで、温度変動に伴う出力変動を生じさせることを見いだした。
本発明者は、こうした知見に立脚し、チャネル型光導波路の端部に連続するようにスラブ型光導波路を設け、スラブ型光導波路に光反射部材を設け、スラブ型光導波路を伝搬するスラブモード光を光反射部材によって反射させるようにした。この結果、光反射部材からの戻り光が光源に入射する現象が抑制され、温度変動に伴う出力変動が抑制されることを見いだし、本発明に到達した。
図1〜図4に示す外部共振器型発光装置1は、半導体レーザ光を発振する光源11と、グレーティング素子1とを備えている。光源11とグレーティング素子1とは、図示しない共通基板上にマウントされていることが好ましい。
光源11は、半導体レーザ光を発振する活性層14を備えている。ここで、光源11は、単独でレーザ発振可能な光源とすることができる。これは、光源11が、グレーティング素子がなくても、それ自体でレーザ発振することを意味する。
光源11は、単独でレーザ発振したときに、縦モードがシングルモード発振するものが好ましい。しかし、グレーティング素子を使用した外部共振器型レーザの場合、反射特性に波長依存性を持たせることができるので、その波長特性の形状を制御することにより、光源11が単独で縦モードがマルチモード発振していても、外部共振器型レーザとしてはシングルモード発振させることが可能である。
この場合、光源11の外側端面には高反射膜13が設けられており、グレーティング素子側の端面にはグレーティングの反射率よりも小さい反射率の膜12が形成されている。
この場合、光源11の外側端面には高反射膜13が設けられており、グレーティング素子側の端面にはグレーティングの反射率よりも小さい反射率の膜12が形成されている。
光源11は、単独ではレーザ発振しないスーパールミネッセンスダイオードや半導体光増幅器(SOA)であってもよい。この場合には、光源の基体の外側端面には高反射膜13が設けられており、グレーティング素子側の端面には無反射膜12が形成されている。
グレーティング素子1には、光源11からの光が伝搬するチャネル型光導波路3とブラッググレーティング4とが形成されている。ブラッググレーティングは光導波路内に形成されているが、本例では光導波路の両側にも広がるように形成されている。光源11とブラッググレーティング4との間で外部共振器を構成しており、グレーティングのブラッグ回折条件を満足する波長でレーザ発振している。
グレーティング素子1には、四つの側面1a、1b、1c、1dが形成されており、側面1aに光源11および光導波路素子21が対向するように取り付けられている。7は反射膜または無反射膜である。光導波路3は、入射側伝搬部3a、ブラッググレーティング4、およびその下流側の出射側伝搬部3bを備えている。伝搬部にはブラッググレーティングが形成されていない。
伝搬部3bの末端はスラブ型光導波路60に連続している。スラブ型光導波路では、それを構成する光学材料層の厚み方向にのみ光の閉じ込めがある。このため、チャネル型光導波路3とスラブ型光導波路との間では、光路の幅が有限から無限に広がることになり、光学的には連続であって、境界はない。このために光の反射などは起こらない。スラブ型光導波路では、平面方向には光の閉じ込め効果がないので、光が拡がりながら伝搬することになる。
チャネル型光導波路3の末端に対向するように光反射部材5Aが設けられている。光導波路3から出射した光は、スラブモード伝搬光6Aとなって伝搬し、光反射部材5Aで反射されて光路を変え、6Bのように伝搬する。次いで、この光6Bは、二つ目の光反射部材5Bで反射され、6Cのように伝搬し、グレーティング素子1の出射部9から出射する。本例では、グレーティング素子1の入射部8と出射部9とが同一側面1a上にある。
グレーティング素子1の出射部9から出射した光は、別体の光導波路素子21の光導波路24に入射させることもできる。22、23は無反射膜である。
こうした光導波路素子や光学素子については、特に限定はないが波長変換素子、光変調器、光フィルタ、光アイソレータ、等の光導波路デバイス、または、光ファイバであってもよく、フォトダイオードであってもよい。
好適な実施形態においては、ブラッググレーティングの反射率が、光源の出射端の反射率、グレーティング素子の入射面の反射率、およびグレーティング素子の出射面の反射率よりも大きい。この観点からは、光源の出射端の反射率、グレーティング素子の入射面の反射率、およびグレーティング素子の出射面の反射率は、0.1%以下が好ましい。また、無反射層の反射率は、グレーティング反射率よりも小さい値であればよく、さらに0.1%以下が好ましい。しかし、端面における反射率がグレーティング反射率よりも小さい値であれば、無反射層はなくてもよく、反射膜であってもよい。
光源11は、レーザ光を発振する活性層14を備えているが、活性層14のグレーティング素子側の端面に無反射層を設けず、その代わりに反射膜を形成することができる。この場合、レーザ光の発振波長は、グレーティングにより反射される波長で決定される。グレーティングによる反射光と活性層のグレーティング素子側の端面からの反射光がレーザのゲイン閾値を上回れば、発振条件を満足する。これにより波長安定性の高いレーザ光を得ることができる。
波長安定性をより高くするには、グレーティングからの帰還量を大きくすればよく、この観点からグレーティングの反射率は活性層の端面における反射率よりも大きくする方が好ましい。
グレーティング素子の断面構造やチャネル型光導波路の断面構造は特に限定されないが、以下に一例を示す。
図3には、チャネル型光導波路の横断面の一例を示し、図4はスラブ型光導波路領域を示す。スラブ型光導波路を構成する光学材料層17が支持基板26上に設けられている。光学材料層17は、ブラッググレーティング4と同一面に形成されていてもよく、相対する面に形成されていてもよい。
図3には、チャネル型光導波路の横断面の一例を示し、図4はスラブ型光導波路領域を示す。スラブ型光導波路を構成する光学材料層17が支持基板26上に設けられている。光学材料層17は、ブラッググレーティング4と同一面に形成されていてもよく、相対する面に形成されていてもよい。
図3に示す例では、支持基板26上に下側バッファ層16を介して光学材料層17が形成されており、光学材料層17上に上側バッファ層18が形成されている。光学材料層17には例えば一対のリッジ溝19が形成されており、リッジ溝の間にリッジ部20が形成され、リッジ型光導波路3が形成されている。この場合、ブラッググレーティングは平坦な下面17b側に形成していてもよく、上面17a側に形成していてもよい。ブラッググレーティング、およびリッジ溝の形状ばらつきを低減するという観点では、ブラッググレーティングを下面17b側に形成することによって、ブラッググレーティングとリッジ溝19とを光学材料層の反対側に設けることが好ましい。
なお、光導波路の幅Wmは、光導波路の横断面における幅のうち最も狭い部分の幅とする。
なお、光導波路の幅Wmは、光導波路の横断面における幅のうち最も狭い部分の幅とする。
スラブ型光導波路領域では、図4に示すように、支持基板26上に下側バッファ層16を介して光学材料層17が形成されており、光学材料層17上に上側バッファ層18が形成されている。光学材料層17の厚さTsおよび材質を選択することによって、スラブモード伝搬を可能とする。
好適な実施形態においては、グレーティング素子の入射部と光反射部材との間にブラッググレーティング、およびこのブラッググレーティングが形成されたチャネル型光導波路が設けられている。図1、図2の例はこの実施形態に係るものである。
また、好適な実施形態においては、グレーティング素子の入射部と光反射部材との間にブラッググレーティングが設けられており、かつグレーティング素子の出射部と光反射部材との間にも他のチャネル型光導波路が設けられている。図5はこの実施形態に係るものである。
すなわち、図5に示すグレーティング素子1Aにおいては、光源11からの光が伝搬するチャネル型光導波路3とブラッググレーティング4とが形成されている。光導波路3は、入射側伝搬部3a、ブラッググレーティング4、およびその下流側の出射側伝搬部3bを備えている。伝搬部にはブラッググレーティングが形成されていない。
伝搬部3bの末端はスラブ型光導波路60に連続している。チャネル型光導波路3の末端に対向するように光反射部材5Aが設けられている。光導波路3から出射した光は、スラブモード伝搬光6Aとなって伝搬し、光反射部材5Aで反射されて光路を変え、6Bのように伝搬する。次いで、この光6Bは、二つ目の光反射部材5Bで反射され、6Cのように伝搬する。本例では、光反射部材5Bと出射部9との間にも、リッジ溝19によって形成されたリッジ型光導波路35が設けられている。この結果、スラブモード伝搬光6Cは、このリッジ型光導波路35内に入射して伝搬し、グレーティング素子から出射する。
図6は、ブラッググレーティングの形態の一例を示す斜視図である。tdはグレーティング深さであり、Λは周期である。
また好適な実施形態においては、グレーティング素子の出射部と光反射部材との間にブラッググレーティングが設けられている。また好適な実施形態においては、グレーティング素子の入射部と光反射部材との間に、他のチャネル型光導波路が設けられている。図7はこの実施形態に係るものである。
図7には、半導体レーザと光学素子が同一面で実装する場合を示す。グレーティング素子1Bの側面1aに光源11および光導波路素子21が対向するように取り付けられている。各素子の端面に設ける反射膜や無反射膜などは図示省略している。グレーティング素子1Bには、光源11からの光が伝搬する他のチャネル型光導波路3Aが形成されている。光導波路3Aの末端に対向するように光反射部材5Aが設けられている。光導波路3Aから出射した光は、スラブモード伝搬光6Aとなって伝搬し、光反射部材5Aで反射されて光路を変え、6Bのように伝搬する。次いで、この光6Bは、二つ目の光反射部材5Bで反射され、6Cのように伝搬する。
本例では、光反射部材5A(5B)と出射部9との間にもチャネル型光導波路10が形成されており、その一部領域にブラッググレーティング4が形成されている。スラブモード光6Cは、光導波路10の入射側伝搬部10aに入射し、ブラッググレーティングを通過し、出射側伝搬部10bを通り、出射部9から出射する。
本実施形態では、ブラッググレーティング4が、光反射部材の下流にある。こうした形態では、横モードの基本モードが効率的に光導波路を伝搬するので、グレーティングを光反射部材の後段に配置することにより、基本モードを選択的にレーザ発振することが可能である。
好適な実施形態においては、グレーティング素子内に凹部を設け、凹部内に光源を設置することができる。図8、図9は、こうした実施形態に係るものである。
図8、図9には、光源と光学素子を同一面で実装する場合を示す。グレーティング素子31には、半導体レーザ光源11からの光が伝搬する光導波路3とブラッググレーティング4とが形成されている。グレーティング素子31内には、エッチングや研磨加工によって凹部32が形成されており、凹部32内に光源11が実装されている。
グレーティング素子31には、四つの側面31a、31b、31c、31dが形成されており、側面31aに光導波路素子21が対向するように取り付けられている。凹部32に面する側面31eに光源が対向している。本例では、グレーティング素子の入射部8が、凹部32に面する側面31eにあり、出射部9が側面31a上にある。
光導波路3から出射した光は、スラブモード伝搬光6Aとなって伝搬し、光反射部材5Aで反射されて光路を変え、6Bのように伝搬する。次いで、この光6Bは、二つ目の光反射部材5Bで反射され、6Cのように伝搬し、グレーティング素子31の出射部9から出射する。
図10の例では、グレーティング素子31Aの凹部32に光源11が実装されている。各素子の端面に設ける反射膜や無反射膜などは図示省略している。
本例では、グレーティング素子の入射部8から入射した光は、チャネル型光導波路3Aを伝搬して出射し、スラブモード光6Aとなり、光反射部材5Aで反射されてスラブモード光6Bとして伝搬し、更に光反射部材5Bで反射され、スラブモード光6Cとして伝搬する。このスラブモード光6Cは、チャネル型光導波路10の入射側伝搬部10aに入射し、ブラッググレーティング4を通過し、出射側伝搬部10bを伝搬して出射部9から出射され、光導波路素子21に入射する。
図11の例では、グレーティング素子1Cの側面1aに光源11が対向しており、側面1aと隣接する側面1dに光導波路素子21が対向している。グレーティング素子の入射部8から入射した光は、チャネル型光導波路3Aを伝搬して出射し、スラブモード光6Aとなり、光反射部材5Aで反射されてスラブモード光6Bとして伝搬し、更に光反射部材5Bで反射され、スラブモード光6Cとして伝搬する。このスラブモード光6Cは、チャネル型光導波路10の入射側伝搬部10aに入射し、ブラッググレーティング4を通過し、出射側伝搬部10bを伝搬してスラブモード光6Dとして伝搬する。
本例では、3個目の光反射部材5Cを設置している。スラブモード光6Dは、光反射部材5Cで反射されて光路変更され、スラブモード光6Eとして伝搬する。このスラブモード光6Eは、チャネル型光導波路34に入射し、素子の出射部9から出射する。
本発明において好ましくは、例えば図11に示すように、各光反射部材がスラブ型光導波路に接しており、各光反射部材がチャネル型光導波路に直接接していないようにする。
好適な実施形態においては、光反射部材が、コリメート機能を有するミラーである。また、好適な実施形態においては、複数の光反射部材の間にマイクロレンズを設ける。
すなわち、チャネル型光導波路からスラブ型光導波路へ伝搬するとき、光は水平方向に拡がる。これを防止するために、例えば図12に示すように、コリメート機能付きミラーを使用することが好適である。
図12の素子1Dでは、L1がチャネル型光導波路3の光軸(中心軸)であり、L2が、光反射部材35Aと35Bとの間を伝搬するスラブモード光6Bの光軸(中心軸)であり、L3は、チャネル型光導波路37の光軸(中心軸)である。本例では、各光反射部材35A、35Bとして、コリメート機能を有するミラーを使用する。
各ミラー35A、35Bのミラー面にコリメート機能を付与する。具体的には、各光軸とミラー面との交点をPとする。また、交点Pを通過し、かつミラー面に対して垂直な法線をCとする。本例では、ミラー面35a、35bを、法線Cに対して線対称な形状としている。これにより、ミラー面で反射されたスラブモード光が集光するように伝搬させることができる。
更に、図12のグレーティング素子1Dでは、第一のミラー35Aと第二のミラー35Bとの間で焦点があうように、第一のミラー35Aが設計されており、その後、再び拡がろうと伝搬する光路の先に第二のミラー35Bを配置している。このミラー35Bにより再び集光された光は、出射側のリッジ型導波路37に結合するようにミラー面が設計されている。これにより、入射した光が出射側に高効率に結合するように、光路を曲げることを可能としている。
本構造は、図12の素子構造に限定されることはなく、例えば、図1の素子構造において、受動デバイスである光導波路素子の光導波路に集光するように、各ミラーを設計することができる。
なお、光路中心軸とは、光導波路を伝搬する光電界の最大値を通る軸と定義する。これはリッジ型光導波路の場合には、光導波路の幅方向の幾何学的中心と一致する。
また、スラブ型光導波路における水平方向の拡がりを防止するために、図13に示すようにマイクロレンズを使用した素子1Eを例示できる。図13も、図12と同様の素子構造に適用した場合を示す。
本例では、光反射部材38A、38Bとしてミラーを使用しており、各ミラーのミラー面38aにはコリメート機能はない。これら一対の光反射部材の間にマイクロレンズ39を設けることで、反射した光が集光するように伝搬させることができる。
図13の例の場合、第一のミラーと第二のミラー間で焦点があうように第一のミラーが設計されており、その後、再び拡がろうと伝搬する光路の先に第二のミラーを配置している。マイクロレンズは、出射側のリッジ導波路に結合するようにレンズ形状、材質が設計されている。これにより、入射した光が出射側に高効率に結合するように光路を曲げることを可能としている。
本構造は、図13の素子構造に限定されることはなく、例えば、図1の素子構造において受動デバイスである光導波路素子の光導波路に集光するようにレンズを設計することができる。また、マイクロレンズを複数配置することも可能である。
グレーティング素子のチャネル型光導波路の横断面形態は、更に種々変更できる。以下に好適形態を例示する。
図14に示す素子1Fでは、基板26上に接着層39、下側バッファ層16を介して光学材料層17が形成されており、光学材料層17上に上側バッファ層18が形成されている。光学材料層17の基板26と反対側には、例えば一対のリッジ溝19が形成されており、リッジ溝19の間にリッジ部20が形成されている。この場合、ブラッググレーティングは平坦面17b側に形成していてもよく、リッジ溝のある17a面側に形成していてもよい。また、上側バッファ層17はなくてもよく、この場合、空気層が直接グレーティングに接することができる。これによりグレーティング溝が有る無しで屈折率差を大きくすることができ、短いグレーティング長で反射率を大きくすることができる。
図14に示す素子1Fでは、基板26上に接着層39、下側バッファ層16を介して光学材料層17が形成されており、光学材料層17上に上側バッファ層18が形成されている。光学材料層17の基板26と反対側には、例えば一対のリッジ溝19が形成されており、リッジ溝19の間にリッジ部20が形成されている。この場合、ブラッググレーティングは平坦面17b側に形成していてもよく、リッジ溝のある17a面側に形成していてもよい。また、上側バッファ層17はなくてもよく、この場合、空気層が直接グレーティングに接することができる。これによりグレーティング溝が有る無しで屈折率差を大きくすることができ、短いグレーティング長で反射率を大きくすることができる。
図15に示す素子15Gでは、光学材料層の支持基板26側の主面17bに一対のリッジ溝19が形成されており、一対のリッジ溝間にリッジ部20が形成されている。
上述の各例では、光導波路が、リッジ部と、このリッジ部を成形する少なくとも一対のリッジ溝からなるリッジ型光導波路である。この場合には、リッジ溝の下に光学材料が残されており、かつリッジ溝の外側にもそれぞれ光学材料からなる延在部が形成されている。
しかし、リッジ型光導波路において、リッジ溝の下にある光学材料を除去してしまうことで、ストライプ状の細長いコアを形成することもできる。この場合には、リッジ型光導波路が、光学材料からなる細長いコアからなり、コアの横断面が凸図形をなしている。このコアの周りには、バッファ層(クラッド層)や空気層が存在しており、バッファ層や空気層がクラッドとして機能する。
凸図形とは、コアの横断面の外側輪郭線の任意の二点を結ぶ線分が、コアの横断面の外側輪郭線の内側に位置することを意味する。このような図形としては、三角形、四角形、六角形、八角形などの多角形、円形、楕円形などを例示できる。四角形としては、特に、上辺と下辺と一対の側面を有する四角形が好ましく、台形が特に好ましい。
図16〜図18は、この実施形態に係るものである。
図16(a)のグレーティング素子1Hでは、支持基板26上にバッファ層16が形成されており、バッファ層16上に光導波路40が形成されている。光導波路40は、好ましくは屈折率1.8以上の光学材料のコアからなる。光導波路の横断面(光伝搬方向と垂直な方向の断面)形状は台形であり、光導波路は細長く伸びている。本例では、光導波路40の上側面が下側面よりも狭くなっている。光導波路40内には、前述したような入射側伝搬部、ブラッググレーティング、出射側伝搬部が形成されている。
図16(a)のグレーティング素子1Hでは、支持基板26上にバッファ層16が形成されており、バッファ層16上に光導波路40が形成されている。光導波路40は、好ましくは屈折率1.8以上の光学材料のコアからなる。光導波路の横断面(光伝搬方向と垂直な方向の断面)形状は台形であり、光導波路は細長く伸びている。本例では、光導波路40の上側面が下側面よりも狭くなっている。光導波路40内には、前述したような入射側伝搬部、ブラッググレーティング、出射側伝搬部が形成されている。
図16(b)のグレーティング素子1Jでは、支持基板26上にバッファ層46が形成されており、バッファ層46内に光導波路40が埋設されている。光導波路の横断面(光伝搬方向と垂直な方向の断面)形状は台形であり、光導波路は細長く伸びている。本例では、光導波路40の上側面が下側面よりも狭くなっている。バッファ層46は、光導波路40上の上側バッファ46a、下側バッファ46cおよび光導波路40の側面を被覆する側面バッファ46bを含む。
図16(c)のグレーティング素子1Kでは、支持基板26上にバッファ層46が形成されており、バッファ層46内に光導波路40Aが埋設されている。光導波路の横断面(光伝搬方向と垂直な方向の断面)形状は台形であり、光導波路は細長く伸びている。本例では、光導波路40Aの下側面が上側面よりも狭くなっている。
図17(a)のグレーティング素子1Lでは、支持基板26上にバッファ層16が形成されており、バッファ層16上に光導波路40が形成されている。そして、光導波路40が、別のバッファ層56によって包含され、埋設されている。バッファ層56は、上側バッファ56aおよび側面バッファ56bからなる。本例では、光導波路40の上側面が下側面よりも狭くなっている。
図17(b)のグレーティング素子1Mでは、支持基板26上にバッファ層16が形成されており、バッファ層16上に光導波路40Aが形成されている。そして、光導波路40Aが、別のバッファ層56によって包含され、埋設されている。バッファ層56は、上側バッファ56aおよび側面バッファ56bからなる。本例では、光導波路40Aの下側面が上側面よりも狭くなっている。
図18の素子1Nでは、支持基板26上にバッファ層46が形成されており、バッファ層46上に光導波路(コア)40が形成されている。光導波路40は、好ましくは屈折率1.8以上の光学材料からなるコアからなる。光導波路の横断面(光伝搬方向と垂直な方向の断面)形状は台形であり、光導波路は細長く伸びている。本例では、光導波路40の上側面が下側面よりも狭くなっている。また、光導波路40の両側には溝42が形成されており、溝42の外側にそれぞれ延在部44が形成されている。光導波路40および延在部44をそれぞれ被覆するように上側クラッド43が形成されている。
光導波路の形状については、図19に示すように、ハイメサ構造といわれるものであってもよい。この素子1Pでは、支持基板26の上に下側バッファ層48を形成し、その上に光学材料層49を形成し、その上に上側バッファ層50を形成し、光導波路構造51とした。この際、下側バッファ層の幅よりも上側バッファ層の幅を狭くすることによって、台形形状にすることもできる。
好適な実施形態においては、本発明の外部共振器型発光装置が縦モードで単一モード発振する。
また、モードホップを抑制し、パワー変動の小さい動作する温度範囲をさらに広くするために、グレーティング回折格子のピッチの異なる複数グレーティングを直列に配置してもよい。
本発明においては、光源としては、高い信頼性を有するGaAs系やInP系材料によるレーザが好適である。本願構造の応用として、例えば、非線形光学素子を利用して第2高調波である緑色レーザを発振させる場合は、波長1064nm付近で発振するGaAs系のレーザを用いることになる。GaAs系やInP系のレーザは信頼性が高いため、一次元状に配列したレーザアレイ等の光源も実現可能である。波長が長くなるとブラッグ波長の温度変化が大きくなることから、波長安定性を高めるにはレーザの発振波長は990nm以下が特に好ましい。一方、波長が短くなると半導体の屈折率変化△naが大きくなりすぎるため、波長安定性を高めるためにはレーザの発振波長は780nm以上が特に好ましい。また、活性層の材質や波長も適宜選択できる。
リッジ型の光導波路は、例えば外周刃による切削加工やレーザアブレーション加工することによって物理的に加工し、成形することによって得られる。
バッファ層は、光導波路のクラッド層として機能することができる。この観点からは、バッファ層の屈折率は、光学材料層の屈折率よりも低いことが好ましく、その屈折率差は0.2以上が好ましく、0.4以上が更に好ましい。
ブラッググレーティングは以下のようにして物理的、あるいは化学的なエッチングにより形成することができる。
具体例として、Ni、Tiなどの金属膜を高屈折率基板に成膜し、フォトリソグラフィーにより周期的に窓を形成しエッチング用マスクを形成する。その後、反応性イオンエッチングなどのドライエッチング装置で周期的なグレーティング溝を形成する。最後に金属マスクを除去することにより形成できる。
具体例として、Ni、Tiなどの金属膜を高屈折率基板に成膜し、フォトリソグラフィーにより周期的に窓を形成しエッチング用マスクを形成する。その後、反応性イオンエッチングなどのドライエッチング装置で周期的なグレーティング溝を形成する。最後に金属マスクを除去することにより形成できる。
光学材料層中には、光導波路の耐光損傷性を更に向上させるために、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、スカンジウム(Sc)及びインジウム(In)からなる群より選ばれる1種以上の金属元素を含有させてもよく、この場合、マグネシウムが特に好ましい。また結晶中には、ドープ成分として、希土類元素を含有させることができる。希土類元素としては、特にNd、Er、Tm、Ho、Dy、Prが好ましい。
接着層の材質は、無機接着剤であってよく、有機接着剤であってよく、無機接着剤と有機接着剤との組み合わせであってよい。
また、光学材料層は、支持基体上に薄膜形成法によって成膜して形成してもよい。こうした薄膜形成法としては、スパッタ、蒸着、CVDを例示できる。この場合には、光学材料層は支持基体に直接形成されており、上述した接着層は存在しない。
また、光学材料層の厚さは0.5〜3.0μmであることが更に好ましい。
また、光学材料層の厚さは0.5〜3.0μmであることが更に好ましい。
支持基体の具体的材質は特に限定されず,ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、石英ガラスなどのガラスや水晶、Si、アルミナ、窒化アルミ、サファイアなどを例示することができる。
無反射層の反射率は、グレーティング反射率以下である必要があり、無反射層に成膜する膜材としては、二酸化珪素、五酸化タンタルなどの酸化物で積層した膜や、金属類も使用可能である。
また、光源素子、グレーティング素子の各端面は、それぞれ、端面反射を抑制するために斜めカットしていてもよい。また、グレーティング素子と支持基板の接合は、接着固定でもよく、直接接合でもよい。
ミラーの材質は、反射による損失が小さい金属材料が好ましい。具体的な材料として、金、銀、白金などの貴金属が好ましいが、銅、アルミニウム、モリブデン、タングステン、タンタル、ニッケル、クロムなどの金属でもよい。また、誘電体多層膜であってもよい。
また、ミラーの反射面の形状は平面であってよく、凹面であってもよい。
また、ミラーの反射面の形状は平面であってよく、凹面であってもよい。
マイクロレンズの材質は、リッジ導波路、およびスラブ導波路のコア材料(光学材料層)よりも屈折率が大きいことが必要であり、SiNやSiON、AlNなどが例示できる
グレーティング素子における光源実装部32のエッチングの方法については、以下の方法で実施することができる。
まず、グレーティング素子(実際にはウエハの状態)の表面全面にTi、Ni等の金属を成膜して、レジスト塗布後、マスクアライナーにて半導体レーザの外周エリアをエッチングするためのメタルマスクパターンを形成し、フッ素系ガスのドライエッチングにより支持基板上までエッチングし、光源の実装部を形成することができる。光導波路の入射側端面は、光軸に対して89°以上の角度をなすことが可能であり、かつ鏡面とすることも可能である。その後、入力端面には無反射コートすることも可能である。
まず、グレーティング素子(実際にはウエハの状態)の表面全面にTi、Ni等の金属を成膜して、レジスト塗布後、マスクアライナーにて半導体レーザの外周エリアをエッチングするためのメタルマスクパターンを形成し、フッ素系ガスのドライエッチングにより支持基板上までエッチングし、光源の実装部を形成することができる。光導波路の入射側端面は、光軸に対して89°以上の角度をなすことが可能であり、かつ鏡面とすることも可能である。その後、入力端面には無反射コートすることも可能である。
(実施例1)
図7、図4、図6、図12,図15に示すような装置を作製した。ただし、グレーティング素子において、二つ目の光反射部材35Bと出射部9との間にリッジ型光導波路10およびブラッググレーティング4を設けた。
図7、図4、図6、図12,図15に示すような装置を作製した。ただし、グレーティング素子において、二つ目の光反射部材35Bと出射部9との間にリッジ型光導波路10およびブラッググレーティング4を設けた。
具体的には、z板MgOドープのニオブ酸リチウム結晶からなる基板26にTiを成膜して、EB描画装置によりy軸方向にグレーティングパターンを作製した。その後、Tiパターンをマスクにしてフッ素系の反応性イオンエッチングにより、ピッチ間隔Λ 222nm、長さLb 100μmのブラッググレーティング4を形成した。グレーティングの溝深さtd(図6)は40nmであった。
続いて、ニオブ酸リチウム結晶基板にCrを成膜して、フォトリソグラフィー技術により、図7に示すようにリッジ型光導波路3A、10が形成されるようにパターンを作製した。次いでフッ素系反応性イオンエッチングにて各光導波路を形成し、Wm 3μm、Tr 0.5μmのリッジ溝19を形成した。
さらに、第一のミラー35A、第二のミラー35Bを形成するために、同様にCrマスクパターンを形成し、フッ素系反応性イオンエッチングにて、溝深さ1.2μmのパターンを形成した。ミラーパターンは、リッジ導波路幅の中心軸(光路中心軸)がミラー面の凹みの基準点を通るように設計している。凹みの形状は、R形状にしており、R=20.6μm、凹み基準点から±13°の円弧を描いている。また、凹み基準点においては、光路中心軸と45°の角度をなしている。
ミラー形成部には、Ti:20nm、Pt:200nm、Au:1.2μm成膜してコリメート機能付きミラーを作製した。その後、SiO2からなるバッファ層をスパッタ装置で0.5μm成膜し、支持基板26としてブラックLN基板を使用してグレーティング形成面を接着した。
次に、支持基板26を研磨定盤に貼り付け、グレーティング、光導波路、ミラーを形成した層の裏面を精密研磨して、光学材料層の厚み(Ts)を1.2μmとした。その後、スパッタにてSiO2からなるバッファ層を研磨面に0.5μm成膜した。
その後、ダイシング装置にてアセンブリをバー状に切断し、半導体レーザと波長変換素子を実装する端面を光学研磨し、この端面に0.1%以下のARコートを形成し、最後にチップ切断を行い、グレーティング素子を作製した。素子サイズは1mm×1mm角とした。
グレーティング素子の光学特性は、広帯域波長光源であるスーパ・ルミネッセンス・ダイオード(SLD)を使用して、グレーティング素子に光を入力して出力光を光スペクトルアナライザで分析することにより、その透過特性から反射特性を評価した。その結果、TEモードに対して中心波長975nm、最大反射率は20%で、半値全幅△λGは2nmの特性を得た。
次に、このグレーティング素子を使用した外部共振器型レーザの特性評価のために、図2、図7に示すようにレーザモジュールを実装した。光源素子として、単独で発振するGaAs系レーザを使用した。
光源素子仕様:
中心波長: 977nm
出力: 50mW
半値幅: 0.1nm
レーザ素子長 300μm
実装仕様:
入射側伝搬部の長さ(Lm): 20μm
光源の出射面と光導波路の入射面との距離: 1μm
活性層の長さ(La): 300μm
ブラッググレーティングの長さ(Lb): 100μm
光源素子仕様:
中心波長: 977nm
出力: 50mW
半値幅: 0.1nm
レーザ素子長 300μm
実装仕様:
入射側伝搬部の長さ(Lm): 20μm
光源の出射面と光導波路の入射面との距離: 1μm
活性層の長さ(La): 300μm
ブラッググレーティングの長さ(Lb): 100μm
モジュール実装後、ペルチェ素子を使用することなく電流制御(ACC)で駆動したところ、中心波長975nm、出力32mWのレーザ特性であった。
また動作温度範囲を評価するために、恒温槽内にモジュールを設置し、レーザ発振波長の温度依存性、モードホップが起こる温度、出力変動を測定した。その結果、発振波長の温度係数は0.05nm/℃、モードホップ温度60℃、パワー出力変動は0.5%以内であった。
本素子では、反射面を少なくできるので複合共振器を抑制できるため波長安定性が向上しパワー変動が十分に低減できると考えられる。
また動作温度範囲を評価するために、恒温槽内にモジュールを設置し、レーザ発振波長の温度依存性、モードホップが起こる温度、出力変動を測定した。その結果、発振波長の温度係数は0.05nm/℃、モードホップ温度60℃、パワー出力変動は0.5%以内であった。
本素子では、反射面を少なくできるので複合共振器を抑制できるため波長安定性が向上しパワー変動が十分に低減できると考えられる。
(参考例1)
実施例1と同様の外部共振器型発光装置を作製した。
ただし、実施例1とは異なり、グレーティング素子の入射部8から出射部9までの全長にわたってリッジ型光導波路を連続的に形成した。また、各光反射部材とリッジ型光導波路とが接触するようにした。
実施例1と同様の外部共振器型発光装置を作製した。
ただし、実施例1とは異なり、グレーティング素子の入射部8から出射部9までの全長にわたってリッジ型光導波路を連続的に形成した。また、各光反射部材とリッジ型光導波路とが接触するようにした。
グレーティング素子の光学特性は、広帯域波長光源であるスーパ・ルミネッセンス・ダイオード(SLD)を使用して、グレーティング素子に光を入力して出力光を光スペクトルアナライザで分析することにより、その透過特性から反射特性を評価した。その結果、TEモードに対して中心波長975nm、最大反射率は20%で、半値全幅△λGは2nmの特性を得た。
次に、このグレーティング素子を使用した外部共振器型レーザの特性評価のために、実施例1と同様にしてレーザモジュールを実装した。光源素子として、単独で発振するGaAs系レーザを使用した。
光源素子仕様:
中心波長: 977nm
出力: 50mW
半値幅: 0.1nm
レーザ素子長 300μm
実装仕様:
入射側伝搬部の長さ(Lm): 20μm
光源の出射面と光導波路の入射面との距離: 1μm
活性層の長さ(La): 300μm
ブラッググレーティングの長さ(Lb): 100μm
光源素子仕様:
中心波長: 977nm
出力: 50mW
半値幅: 0.1nm
レーザ素子長 300μm
実装仕様:
入射側伝搬部の長さ(Lm): 20μm
光源の出射面と光導波路の入射面との距離: 1μm
活性層の長さ(La): 300μm
ブラッググレーティングの長さ(Lb): 100μm
モジュール実装後、ペルチェ素子を使用することなく電流制御(ACC)で駆動したところ、中心波長975nm、出力30mWのレーザ特性であった。また動作温度範囲を評価するために恒温槽内にモジュールを設置し、レーザ発振波長の温度依存性、モードホップが起こる温度、出力変動を測定した。その結果、発振波長の温度係数は0.05nm/℃、モードホップ温度60℃、パワー出力変動は1%以内であった。
(実施例2)
実施例1と同様にして外部共振器型発光装置を作製した。ただし、実施例1とは異なり、光反射部材として、図13に示すようなミラー38A、38Bおよびマイクロレンズ39の組み合わせを採用した。
実施例1と同様にして外部共振器型発光装置を作製した。ただし、実施例1とは異なり、光反射部材として、図13に示すようなミラー38A、38Bおよびマイクロレンズ39の組み合わせを採用した。
具体的には、石英からなる支持基板にスパッタ装置にて下側クラッド層16になるSiO2層を0.5μm成膜し、またその上にTa2O5を1.2μm成膜して光学材料層17を形成した。次に、光学材料層上にTiを成膜して、EB描画装置によりグレーティングパターンを作製した。その後、Tiパターンをマスクにしてフッ素系の反応性イオンエッチングにより、ピッチ間隔Λ239nm、長さLb 100μmのブラッググレーティングを形成した。グレーティングの溝深さtdは40nmとした。
続いて、上記基板にCrを成膜して、フォトリソグラフィー技術により、図7に示すように光導波路3A、10が形成されるようにパターンを作製した。次いでフッ素系反応性イオンエッチングにて各光導波路を形成し、Wm 3μm、Tr 0.5μmのリッジ溝19を形成した。
さらに、第一のミラー38A、第二のミラー38Bを形成するために、同様にCrマスクパターンを形成しフッ素系反応性イオンエッチングにて溝深さ1.2μmのパターンを形成した。ミラーパターンは平面ミラーとし光路中心軸と45°の角度をなしている。ミラー形成部には、Ti:20nm、Pt:200nm、Au:1.2μm成膜してミラーを作製した。
次いで、マイクロレンズ39を形成するために同様にCrマスクパターンを形成しフッ素系反応性イオンエッチングにて溝深さ1.2μmのパターンを形成した。ミラーパターンは光路中心軸を基準として対称に湾曲した構造としている。マイクロレンズパターン部には、屈折率の高いSiNを1.2μm成膜してマイクロレンズを作製した。
その後、SiO2からなる上側バッファ層18をスパッタ装置で0.5μm成膜した。
その後、SiO2からなる上側バッファ層18をスパッタ装置で0.5μm成膜した。
次にダイシング装置にてアセンブリをバー状に切断し、半導体レーザと波長変換素子を実装する端面を光学研磨し、この端面に0.1%以下のARコートを形成し、最後にチップ切断を行い、グレーティング素子を作製した。素子サイズは1mm×1mm角とした。
グレーティング素子の光学特性は、広帯域波長光源であるスーパ・ルミネッセンス・ダイオード(SLD)を使用して、グレーティング素子に光を入力して出力光を光スペクトルアナライザで分析することにより、その透過特性から反射特性を評価した。その結果、TEモードに対して中心波長975nm、最大反射率は20%で、半値全幅△λGは2nmの特性を得た。
次に、このグレーティング素子を使用した外部共振器型レーザの特性評価のために、図1、図2に示すようにレーザモジュールを実装した。光源素子として、単独で発振するGaAs系レーザを使用した。
光源素子仕様:
中心波長: 977nm
出力: 50mW
半値幅: 0.1nm
レーザ素子長 300μm
実装仕様:
入射側伝搬部の長さ(Lm): 20μm
光源の出射面と光導波路の入射面との距離: 1μm
活性層の長さ(La): 300μm
ブラッググレーティングの長さ(Lb): 100μm
光源素子仕様:
中心波長: 977nm
出力: 50mW
半値幅: 0.1nm
レーザ素子長 300μm
実装仕様:
入射側伝搬部の長さ(Lm): 20μm
光源の出射面と光導波路の入射面との距離: 1μm
活性層の長さ(La): 300μm
ブラッググレーティングの長さ(Lb): 100μm
モジュール実装後、ペルチェ素子を使用することなく電流制御(ACC)で駆動したところ、中心波長975nm、出力31mWのレーザ特性であった。
また、動作温度範囲を評価するために、恒温槽内にモジュールを設置し、レーザ発振波長の温度依存性、出力変動を測定した。その結果、発振波長の温度係数は0.03nm/℃、モードホップによる出力変動が大きくなる温度域は45℃、この温度域でのパワー出力変動はモードホップが起こっても0.5%以内であった。
また、動作温度範囲を評価するために、恒温槽内にモジュールを設置し、レーザ発振波長の温度依存性、出力変動を測定した。その結果、発振波長の温度係数は0.03nm/℃、モードホップによる出力変動が大きくなる温度域は45℃、この温度域でのパワー出力変動はモードホップが起こっても0.5%以内であった。
Claims (11)
- 半導体レーザ光を発振する光源、およびこの光源と外部共振器を構成するグレーティング素子を備える外部共振器型発光装置であって、
前記グレーティング素子が、ブラッググレーティング、前記ブラッググレーティングが形成されたチャネル型光導波路、前記チャネル型光導波路の端部に連続するスラブ型光導波路、および前記スラブ型光導波路に設けられた光反射部材を備えており、前記スラブ型光導波路を伝搬するスラブモード光を前記光反射部材によって反射させることで光路を変更することを特徴とする、外部共振器型発光装置。 - 前記グレーティング素子の出射部と前記光反射部材との間に前記ブラッググレーティングが設けられていることを特徴とする、請求項1記載の装置。
- 前記グレーティング素子の入射部と前記光反射部材との間に、他のチャネル型光導波路が設けられていることを特徴とする、請求項2記載の装置。
- 前記グレーティング素子の入射部と前記光反射部材との間に前記ブラッググレーティングが設けられていることを特徴とする、請求項1記載の装置。
- 前記グレーティング素子の出射部と前記光反射部材との間に、他のチャネル型光導波路が設けられていることを特徴とする、請求項4記載の装置。
- 前記入射部と前記出射部とが前記グレーティング素子の相対向する側面に設けられていないことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一つの請求項に記載の装置。
- 前記スラブ型光導波路に複数の前記光反射部材が設けられていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一つの請求項に記載の装置。
- 複数の前記光反射部材の間に設けられたマイクロレンズを備えることを特徴とする、請求項7記載の装置。
- 前記光反射部材が、コリメート機能を有するミラーであることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一つの請求項に記載の装置。
- 前記チャネル型光導波路が、リッジ部と、このリッジ部を成形する少なくとも一対のリッジ溝からなることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一つの請求項に記載の装置。
- 前記チャネル型光導波路が細長いコアからなり、前記コアの横断面が凸図形をなしており、前記コアに接するクラッドを備えていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一つの請求項に記載の装置。
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CN111226146A (zh) * | 2017-10-03 | 2020-06-02 | 日本板硝子株式会社 | 滤光器和摄像装置 |
-
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- 2015-03-13 JP JP2015050383A patent/JP2016171219A/ja active Pending
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