JPH0756151A - 液晶性高分子およびそれを用いた液晶素子 - Google Patents

液晶性高分子およびそれを用いた液晶素子

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JPH0756151A
JPH0756151A JP5206515A JP20651593A JPH0756151A JP H0756151 A JPH0756151 A JP H0756151A JP 5206515 A JP5206515 A JP 5206515A JP 20651593 A JP20651593 A JP 20651593A JP H0756151 A JPH0756151 A JP H0756151A
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JP
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liquid crystal
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liquid crystalline
polymer
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JP5206515A
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English (en)
Inventor
Koji Hara
浩二 原
Junichi Ono
純一 小野
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 高速応答性、自己支持性にすぐれるとともに
広い温度範囲での動作が可能で、動作可能温度の上限値
が高い高分子液晶/低分子液晶混合膜を形成しうる新規
な液晶性高分子と、それを用いた液晶素子を提供する。 【構成】 一般式1で表されることを特徴とする液晶性
高分子。〔式中Rはアルキル基またはアリール基、Aは
式2または3で表される基、Bは側鎖液晶性基を示し、
nは5〜100。Xは−O−,−SO−,−CH
または式4で表される基。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な液晶性高分子
と、それを用いた、TV画面や一般OA機器、自動車に
搭載して地図表示、案内表示等の情報を運転者に提供す
る車載ナビゲーション等のディスプレイ画面、あるいは
遮光を目的としたサンシェード等に好適に使用される液
晶素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の液晶素子は、数μmの間隔に固定
した一対の基材間に、低分子量の液晶材料を注入するこ
とで形成される。ところがこのような構成では、大面積
のデイスプレイの作成が困難である。また液晶を封入し
た一対の基材には、素子の動作原理上、一対の偏光板
を、その偏光軸を互いに直交させた状態で取り付ける必
要があるため、画面の明るさや視野角等が不十分になる
という問題がある。
【0003】また従来の液晶素子は、強誘電性液晶を用
いる場合を除き、配向状態にメモリー性がないため、大
画素数の表示画面用には、製造歩留りの悪いTFT等を
用いたアクテイブマトリクス駆動が必要となり、故障等
が発生しやすく信頼性が低い、素子が高価になる、等の
問題も生じる。強誘電性液晶を使用すればアクテイブマ
トリクス駆動は不要となるが、1〜2μmという極めて
薄いセルギャップ制御と液晶の均一な配向制御が必要な
ため、実用化には程遠く、小面積ですら満足な表示を得
られないのが現状である。
【0004】低分子の液晶材料のコア部の化学構造に相
当する基(メソゲン基)と、このメソゲン基を主鎖と繋
ぐ柔軟な屈曲鎖(スペーサ部)とからなる液晶性基を、
側鎖として、高分子の骨格鎖(主鎖)に結合した側鎖型
液晶性高分子を、通常の低分子量の液晶材料と混合して
高分子液晶/低分子液晶混合膜を形成し、それを、一定
間隔に配置された一対の基材間に挟持してなる液晶素子
が、九州大学の梶山千里教授らのグループによって開発
された〔特開平2─193115号公報、特開平2─1
27494号公報、Chem. Lett., 817 (1989) 、Polym.
Preprints, Japan 39 (8) 2373 (1990)等〕。
【0005】側鎖型液晶性高分子としては、(メタ)ア
クリル酸のエステル部分に屈曲鎖とメソゲン基を結合し
た単量体をラジカル重合させたものや、ポリシロキサン
系の高分子主鎖に、ヒドロシリル化反応によって屈曲鎖
とメソゲン基を付加反応させたもの等が知られている。
上記液晶素子は、液晶性高分子と低分子の液晶材料とを
適当な低沸点溶媒に溶解または分散させて一枚の基材上
に流延塗布し、乾燥固化させて混合膜を形成した後、こ
の混合膜上にもう一枚の基材を重ね合わせるか、また
は、両液晶材料を適当な低沸点溶媒に溶解し、混合した
のち乾燥してペースト状の混合液晶材料を得た後、この
混合液晶材料を2枚の基材間に挟んでラミネート処理す
ることにより製造される。
【0006】上記液晶素子は、混合膜に印加される電場
の周波数により、白濁あるいは透明の何れかの状態を示
すように動作する。つまり混合膜に低周波または直流の
電場を印加すると、当該膜内で電場に付随してイオンが
移動し、側鎖型液晶性高分子の主鎖に衝突して液晶の配
列が乱されるため、素子は入射光が散乱されて不透明な
白濁状態になる。一方、混合膜に高周波の電場を印加す
ると、当該膜内の液晶分子が電場方向にホメオトロピッ
ク配向して、入射光が散乱されずに通過できるようにな
るため、素子は透明状態になる。
【0007】また混合膜はスメクチック層構造を形成す
るため、上記液晶素子は、透明、白濁の両状態ともに、
電場印加停止後も安定に保持されるいわゆるメモリー性
を有する。したがって上記高分子液晶/低分子液晶混合
膜を用いた液晶素子では、そのメモリー性のためにアク
ティブマトリクス駆動が不要で、駆動のための制御回路
を簡易化することができる。
【0008】またこの混合膜は高分子を含有するものゆ
え、それ自身が自己支持性を有しており、強誘電性液晶
のような厳密なセルギャップ制御を必要としない上、前
記駆動機構からわかるように、混合膜は液晶の均一な配
向制御も必要としない。このため、前記のように塗布液
の塗布、乾燥や混合液晶材料のラミネート等の簡単な処
理により形成できることと相俟って、液晶素子の大面積
化が容易になるという利点もある。またプラスチックフ
ィルム等の柔軟な基材と組み合わせることで、曲面にし
て使用することも可能である。
【0009】そこで近時、上記混合膜を備えた液晶素子
を、遮光を目的とした自動車用のサンシェード等に使用
することが検討されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、(メタ)ア
クリル酸系の主鎖を有する液晶性高分子は、ガラス転移
温度が高いため室温で液晶相が形成されにくく、室温で
の動作が困難である。一方ポリシロキサン系の主鎖を有
する液晶性高分子は、室温を含む広い範囲で液晶相を示
すが、実用的な応答速度を得るべく重合度(分子量)を
下げると液晶相の等方相転移温度が低くなって、高温域
で液晶相を維持するのが難しくなり、動作可能温度の上
限値が低くなって高温で使用できなくなるという問題が
ある。また上記のように重合度を下げると、混合膜の自
己支持性が低下してしまい、とくに素子を曲面にした際
に混合膜が浮き上がったり基材同士が短絡したりするお
それもある。
【0011】このため、曲面に曲げた状態で、夏期日中
の高温下から冬期の厳寒下までの広い温度範囲で使用さ
れる自動車用のサンシェードを、上記混合膜を備えた液
晶素子で形成する試みはなされているが、いまだ実用化
されるに至っていないのが現状である。本発明は以上の
事情に鑑みてなされたものであって、高速応答性、自己
支持性にすぐれるとともに広い温度範囲での動作が可能
で、しかも動作可能温度の上限値が高い高分子液晶/低
分子液晶混合膜を形成しうる液晶性高分子と、この側鎖
型液晶性高分子を用いた液晶素子とを提供することを目
的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段および作用】上記課題を解
決するため、本発明者らは、剛直なポリイミドの主鎖構
造に着目した。このような剛直な構造を、側鎖型の液晶
性高分子の主鎖として導入できれば、液晶性高分子のガ
ラス転移温度(Tg)が上昇するため、必然的に液晶相
の等方相転移温度が高くなって、動作可能温度の上限値
を向上できる可能性がある。またガラス転移温度が室温
より高くなると室温での動作が困難になる可能性がある
が、主鎖とメソゲン基とを繋ぐスペーサ部の種類や鎖長
を最適化することにより、室温を含む広い温度範囲での
動作が期待される。さらにポリイミドの主鎖は、(メ
タ)アクリル酸やポリシロキサンに比べて鎖長の長い繰
り返し単位からなるため、各繰り返し単位に結合した側
鎖液晶基同士の間隔が広く、側鎖液晶基間の相互作用が
小さくなる。このため、電圧印加時に側鎖液晶基が電界
方向に配向しやすくなって、応答速度が向上することも
期待される。
【0013】そこで、液晶性高分子として適した、すな
わち低沸点溶媒に可溶で、前述した流延塗布法等が適用
可能であるとともに、低分子の液晶材料と均一な混合相
を形成しうる、ポリイミド主鎖型の液晶性高分子につい
て分子設計を行った。その結果、主鎖中にSi原子を含む
ポリイミドを使用するとともに、このSi原子の部分に側
鎖液晶基を結合した構造が最適であることを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0014】すなわち本発明の液晶性高分子は、一般式
(1) :
【0015】
【化4】
【0016】〔式中Rはアルキル基またはアリール基、
Aは式(2) または(3) :
【0017】
【化5】
【0018】(Xは−O−,−SO2 −,−CH2 −ま
たは式(4) :
【0019】
【化6】
【0020】で表される基を示す)で表される基、Bは
側鎖液晶性基を示し、nは5〜100である。〕で表さ
れることを特徴とする。また本発明の液晶素子は、上記
式(1) で表される液晶性高分子と、低分子の液晶材料
と、電解質とを含有する混合膜を挟持したことを特徴と
する。以下に本発明を説明する。
【0021】まず本発明の液晶性高分子について説明す
る。前記一般式(1) で表される本発明の液晶性高分子に
おいて、Rに相当するアルキル基としては、たとえばメ
チル基、エチル基、プロピル基、 iso−プロピル基、ブ
チル基、tert−ブチル基等があげられる。またアリール
基としては、たとえばフェニル基、ナフチル基、ビフェ
ニリル基等かあげられる。これらのアルキル基またはア
リール基は、任意の位置に置換基を有していてもよい。
Rに相当する最も好適な基としては、上記の中でもメチ
ル基、エチル基またはフェニル基があげられる。
【0022】Aに相当する基としては、前記のように式
(2) または(3) で表される2価の芳香族基が採用され
る。主鎖中に上記式(2) または(3) で表される芳香族基
を導入することで、ポリイミド主鎖型の剛直性が確保さ
れる。Bに相当する側鎖液晶基としては、低分子の液晶
材料のコア部の化学構造に相当する基と、このメソゲン
基を主鎖と繋ぐ柔軟なスペーサ部とからなる、側鎖型液
晶性高分子の側鎖液晶基として従来公知の種々の基が、
何れも使用可能である。
【0023】側鎖液晶基を構成するメソゲン基として
は、これに限定されるものではないが、たとえば一般式
(5) 〜(12):
【0024】
【化7】
【0025】〔式中Yは−CN基、−Cm 2m+1基(m
=1〜10)等の電子吸引性基、またはアルコキシ基を
示す。〕のいずれかで表される基が、好適なものとして
あげられる。またスペーサ部としては、たとえばアルキ
レン鎖(メチレン鎖等)、オキシアルキレン鎖、シロキ
サン鎖、エステル鎖、エーテル鎖、オキセタン鎖、ブタ
ジエン鎖等の柔軟な屈曲鎖があげられる。これらスペー
サ部の鎖長は、前記のように液晶素子の動作温度を決定
する重要な因子の1つであるので、液晶性高分子の他の
パラメータ(重合度等)や、液晶素子の複合膜の構成
(液晶性高分子と低分子の液晶材料の比等)を考慮し
て、素子の使用温度範囲に最適な鎖長を決定すればよ
い。たとえばアルキレン鎖の場合は、これに限定される
ものではないが、炭素数1〜12程度であるのが好まし
い。
【0026】前記一般式(1) 中のnは、5〜100に限
定される。nが5未満では、液晶性高分子の分子量が小
さすぎて、動作可能温度の上限値が低くなってしまう。
また混合膜の自己支持性が低下して、とくに素子を曲面
にした際に混合膜が浮き上がったり基材同士が短絡した
りするという問題も生じる。一方、nが100を超えた
場合には、ガラス転移温度が室温より高くなって室温で
の動作が困難になるとともに、混合膜の粘性が高くなっ
て応答速度が低下してしまう。
【0027】上記本発明の液晶性高分子は、種々の合成
方法で合成できるが、たとえば一般式(13):
【0028】
【化8】
【0029】〔式中A,Rおよびnは前記と同じであ
る。〕で表される、主鎖にSi−H基を有するポリイミド
と、前記側鎖液晶基のスペーサ部の末端が炭素−炭素二
重結合になった化合物とを、ヒドロシリル化反応させる
合成方法が好適に採用される。つぎに本発明の液晶素子
について説明する。本発明の液晶素子は、少なくとも一
方の表面に電極層を形成した、一定の距離に配置された
一対の基材間に、本発明の液晶性高分子と、低分子の液
晶材料と、電解質とを含有する高分子液晶/低分子液晶
混合膜を挟持することで構成される。
【0030】混合膜に使用される本発明の液晶性高分子
は1種類単独でもよく、また、液晶性基や非液晶性基の
異なる2種以上を併用してもよい。また、本発明の作用
効果を損なわない範囲で、主鎖型あるいは側鎖型の、従
来公知の他の液晶性高分子を併用することもできる。上
記液晶性高分子とともに混合膜を構成する低分子の(こ
こでいう「低分子の」とは、液晶性高分子のような主鎖
構造、側鎖構造を有しないということを表し、決して分
子量で規定しているのではない。)液晶材料としては、
主鎖型あるいは側鎖型の液晶性高分子を除外した、通常
用いられる市販あるいは公知で、かつ単成分もしくは複
数成分からなる種々の液晶材料(たとえばネマチック液
晶、スメクチック液晶、カイラルスメクチック液晶な
ど)を使用することができる。
【0031】低分子の液晶材料の物性としては、誘電率
異方性Δεが大きいもの、屈折率異方性Δnが大きいも
のが好ましい。またとくに重要な要素として、液晶性高
分子と混合した際に、素子の使用温度領域でスメクチッ
ク相を示すことがあげられる。これにより混合膜は、前
述したようなメモリー性を有するものとなる。かかる液
晶材料は、1種類を単独で使用しても、2種以上を併用
してもよい。
【0032】液晶性高分子と低分子の液晶材料との混合
比率はとくに限定されないが、重量比で、液晶性高分子
/低分子の液晶材料=1/9〜4/6程度が好ましい。
液晶性高分子の割合が上記範囲を超えた場合には、素子
の応答速度が遅くなるおそれがあり、逆に液晶性高分子
の割合が上記範囲未満では、屈曲鎖にイオンが衝突する
確率が小さくなって、透明から白濁への転換が起こりに
くくなるおそれがあるとともに、混合膜の自己支持性が
不十分となって、とくにフレキシブルな基材を用いた屈
曲性のある大面積の液晶素子を構成できなくなるおそれ
がある。
【0033】上記混合膜には、微小量の電解質が配合さ
れる。電解質としては、塗布液に溶解するものであれば
いずれも使用することができ、たとえば一般式(14):
【0034】
【化9】
【0035】(式中R1 ,R2 ,R3 ,R4 は同一また
は異なって、直鎖のまたは分岐した炭素数1〜6のアル
キル基を示し、YoはF、Cl、Br、I、ClO4 、P
4 、BF 4 等を示す。)で表される4級アンモニウム
塩が好適なものとしてあげられる。電解質の添加量は、
混合膜の総量に対して0.005〜1重量%が好まし
い。かかる電解質は、1種類を単独で使用しても、2種
以上を併用してもよい。
【0036】上記各成分からなる混合膜には、表示をカ
ラー化するために、従来公知の各種2色性色素を配合す
ることもできる。また混合膜には、その特性を損なわな
い範囲で、各種添加物や非液晶性化合物等を混合して特
性を調整することもできる。また混合膜には、当該混合
膜を挟持する一対の基材間の間隔を一定に保つべく、シ
リカ製、ガラスファイバー製または樹脂製で、かつ粒
状、針状等の任意の形状のスペーサ材を混入、分散させ
ることもできる。スペーサ材の粒径は、所望する基材間
の距離(すなわち混合膜の膜厚)に合わせて設定され
る。スペーサ材の混合割合は、これに限定されるもので
はないが、液晶面積1mm2 当り10〜300個程度であ
るのが望ましい。
【0037】混合膜の材料として使用される、上記各成
分からなる混合物は、液晶性高分子を含有しているので
比較的粘度が高く、このため、液晶の流動によってスペ
ーサ材が局在化するおそれがない。したがってスペーサ
材は混合膜中に均一に分散され、基材の間隔を一定に保
つために十分に作用する。混合膜の膜厚は、本発明では
とくに限定されないが、上記スペーサ材を使用して、ラ
ミネート法により素子を製造する場合には、粒径1μm
未満のスペーサ材が入手困難であるため、混合膜の膜厚
も1μm以上であるのが好ましい。一方、注入法や塗布
法等により素子を製造する場合にはスペーサ材を使用し
ないこともあり、その場合には、混合膜の膜厚は1μm
未満であってもよい。また混合膜の膜厚は10μm以下
であるのが、素子の駆動電圧等の点で好ましい。
【0038】上記混合膜を挟持する一対の基材として
は、ガラス板等の、液晶素子の基材として従来より使用
されている種々の基材が使用可能であるが、重くかつ割
れやすいというガラス板の欠点を解消して、軽量でしか
も丈夫な素子を得るには、プラスチックフィルムやプラ
スチック板が、基材として好適に使用される。プラスチ
ックフィルムとしては、たとえば耐熱性、実用的強度、
光学的均一性などにすぐれたポリエチレンテレフタレー
ト(PET)フィルムやポリエーテルスルホン(PE
S)フィルム等があげられる。プラスチックフィルムの
厚みは、これに限定されるものではないが、50〜50
0μm程度が好ましい。
【0039】プラスチック板としては、たとえば各種ア
クリル樹脂板、ポリカーボネート板、ポリスチレン板等
の、光学的特性にすぐれたプラスチック板が好適に使用
される。プラスチック板の厚みは、これに限定されるも
のではないが0.5〜3mm程度が好ましい。一対の基材
のうち少なくとも一方の表面には、混合膜に電場を印加
するための電極層が形成される。透過型の素子の場合、
電極層としては、ITO(インジウム−チン−オキサイ
ド)やSnO2 等の透明導電材料からなる透明導電膜が好
適に使用される。透明導電膜は、真空蒸着法や反応性ス
パッタリング法により形成される他、上記透明導電材料
を含むインクを基材上に塗布あるいは印刷して形成する
こともできる。また本発明の液晶素子をデータ等の表示
に用いる場合、上記電極層には、エッチング等によって
所定の表示パターンを形成することもできる。
【0040】上記本発明の液晶素子は、従来公知の種々
の製造方法により製造することができる。たとえば基材
として、フィルム等の屈曲性のある基材を使用する場合
には、図1(a)(b)に示すように、上記各成分を適当な溶
媒に溶解し、かつスペーサ材sを分散した後、乾燥して
得たペースト状の混合物1′を一方の基材2上に載置
し、その上にもう一方の基材2を重ねてラミネートロー
ルr,rによってラミネート処理することで高分子液晶
/低分子液晶混合膜1を形成する、いわゆるラミネート
法が好適に採用される。
【0041】またガラス基材や硬質プラスチック基材等
の従来同様の基材を使用する際には、一定距離に保持し
た一対の基材間に上記混合物を注入して、高分子液晶/
低分子液晶混合膜を形成する方法や、あるいは一方の基
材の表面に、上記各成分を適当な溶媒に溶解した塗布液
を塗布し、乾燥固化させて高分子液晶/低分子液晶混合
膜を形成した後、もう一方の基材を重ね合わる方法等が
採用される。前者において、混合物を基材間に注入する
方法としては、混合物を毛細管現象によって基材間に含
浸させる方法や、基材間の隙間を減圧状態にして混合物
を吸い込ませる方法等があげられる。これらの方法によ
り混合物を基材間に注入する際には、その注入をスムー
ズに行わせるために、混合物を加熱して粘度を低下させ
てもよい。また同時に基材を加熱してもよい。混合物お
よび基材の加熱温度はとくに限定されず、液晶性高分子
や高分子材料等が分解したり変質したりしない温度範囲
で、かつ注入がスムーズになる温度に加熱すればよい。
【0042】また後者において、塗布液を基材の表面に
塗布する方法としては、バーコート法、スピンコート
法、スプレーコート法、ローラーコート法等の従来公知
の種々の塗布方法が採用できる。本発明の液晶素子は、
混合膜が、前記本発明の液晶性高分子を含有すること、
以外の構成についてはとくに限定されない。たとえば混
合膜を挟持する一対の基材のうち少なくとも一方の基材
の外側に、偏光板を配置してもよい。偏光板としては、
フィルム状、板状等の種々の形状のものが使用でき、こ
れらの形状を有する市販品を使用するのが簡単でよい。
また、一方の基材の裏面に反射膜を設ける等して反射型
の素子とするなど、本発明の要旨を変更しない範囲で、
従来の液晶素子と同様な、種々の設計変更を施すことが
できる。
【0043】
【実施例】以下に本発明を、実施例、比較例に基づき説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。合成例1〜4〈液晶性高分子の合成〉 式(15)〜(17):
【0044】
【化10】
【0045】
【化11】
【0046】〔式中nは、いずれも10〜80であ
る。〕で表される、主鎖にSi−H基を有するポリイミド
と、式(18)(19):
【0047】
【化12】
【0048】で表される、側鎖液晶基のスペーサ部の末
端が炭素−炭素二重結合になった化合物(液晶性化合
物)とを等モル量、下記表1に示すように組み合わせ
て、窒素雰囲気下、同表に示す溶媒中で、同表に示す反
応条件でのヒドロシリル化反応により、側鎖型の液晶性
高分子を合成した。なお触媒としては100ppmの塩
化白金酸を使用した。
【0049】
【表1】
【0050】得られた液晶性高分子の重量平均分子量M
W を、ゲルパーミェーションクロマトグラフ法(GPC
法)により測定するとともに、液晶温度範囲をDSC法
により測定した。結果を表2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】上記表2の結果より合成例1〜4の液晶性
高分子はいずれも、広い温度範囲で液晶相を示すことが
わかった。実施例1、比較例1〈液晶素子の作製〉 上記液晶性高分子の合成で得られた合成例3の液晶性高
分子(実施例1)、または式(20):
【0053】
【化13】
【0054】で表されるポリシロキサン系の液晶性高分
子(重量平均分子量MW =4500、比較例1)の28
重量部を、低分子の液晶材料としての4−n−ペンチル
ベンゾイックアシド−4′−n−オクチルオキシフェニ
ルエステルの28重量部と混合液晶(メルクジャパン社
製の品番MJ911421)の44重量部、ならびに上
記各液晶材料の総量に対して0.05重量%のテトラエ
チルアンモニウムブロマイド(電解質)とともに、適当
量のジクロロメタンに溶解し、十分に攪拌したのち乾燥
させて、ペースト状の混合物を製造した。
【0055】つぎにこの混合物を、表面にITO電極層
が形成されたPESフィルム基材2枚の間に挟み、図1
(a)(b)に示したようにラミネート処理して、膜厚10μ
mの混合膜を有する液晶素子を作製した。上記実施例、
比較例の液晶素子について、以下の各試験を行い、特性
を評価した。
【0056】応答性試験 実施例、比較例の液晶素子を分光光度計にセットした状
態で、当該素子の一対のITO膜間に直流60Vの電場
を印加したときに、He−Neレーザ光(波長633nm)の
透過率が飽和透過率の90%から10%に減衰するのに
要した時間を白濁化応答速度toff とし、交流1kH
z、60Vの電場を印加したときに、上記He−Neレーザ
光の透過率が飽和透過率の10%から90%に到達する
のに要した時間を透明化応答速度tonとした。
【0057】混合膜の動作温度範囲測定 実施例、比較例の液晶素子を分光光度計にセットし、交
流1kHz、60Vの電場を印加してHe−Neレーザ光の
透過率を飽和透過率の90%にした後、電場の印加を停
止したメモリー状態において、環境温度を変化させて、
上記He−Neレーザ光の透過率変化を調べ、変化率が1%
以内を維持できた温度を記録し、混合膜の動作温度範囲
とした。
【0058】以上の結果を表3に示す。
【0059】
【表3】
【0060】上記表3の結果より、実施例1の液晶素子
は、比較例1の液晶素子に比べて透明→白濁、白濁→透
明の応答速度が速く、しかも比較例1に比べてより広い
温度範囲、より高い温度で動作可能であることがわかっ
た。
【0061】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明の液晶性高
分子は、特有の構造を有するため、高速応答性、自己支
持性にすぐれるとともに広い温度範囲での動作が可能
で、しかも動作可能温度の上限値が高い高分子液晶/低
分子液晶混合膜を形成することができる。また本発明の
液晶素子は、上記本発明の液晶性高分子を用いて、高分
子液晶/低分子液晶混合膜を構成しているので、たとえ
ば曲面に曲げた状態で、夏期日中の高温下から冬期の厳
寒下までの広い温度範囲で使用される自動車用のサンシ
ェード等に好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】同図(a)(b)は、本発明の液晶素子をラミネート
法により製造する工程を説明する図である。
【符号の説明】
1 高分子液晶/低分子液晶混合膜 2 基材

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) : 【化1】 〔式中Rはアルキル基またはアリール基、Aは式(2) ま
    たは(3) : 【化2】 (Xは−O−,−SO2 −,−CH2 −または式(4) : 【化3】 で表される基を示す)で表される基、Bは側鎖液晶性基
    を示し、nは5〜100である。〕で表されることを特
    徴とする液晶性高分子。
  2. 【請求項2】少なくとも一方の表面に電極層を形成し
    た、一定の距離に配置された一対の基材間に、上記請求
    項1記載の液晶性高分子と、低分子の液晶材料と、電解
    質とを含有する混合膜を挟持したことを特徴とする液晶
    素子。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107342436A (zh) * 2017-06-21 2017-11-10 中国科学院大学 拓扑结构液晶聚合物电解质及其合成方法与应用
CN110537123A (zh) * 2017-04-25 2019-12-03 富士胶片株式会社 液晶组合物、光吸收各向异性膜、层叠体及图像显示装置

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