JPH0756004B2 - ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物 - Google Patents

ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物

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JPH0756004B2
JPH0756004B2 JP1240821A JP24082189A JPH0756004B2 JP H0756004 B2 JPH0756004 B2 JP H0756004B2 JP 1240821 A JP1240821 A JP 1240821A JP 24082189 A JP24082189 A JP 24082189A JP H0756004 B2 JPH0756004 B2 JP H0756004B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はポリフェニレンエーテル(以下、PPEと称す)
系樹脂組成物に関し、さらに詳しくは、ABS系樹脂との
相容性が改善されたPPE系樹脂組成物に関する。
(従来の技術) PPEまたはPPEとポリスチレン系樹脂よりなる樹脂組成物
は、機械的性質および電気的性質が優れていることから
広く用いられている。
しかしながらこの樹脂組成物は耐溶剤性が劣ることが知
られている。そこで、これにABS樹脂をブレンドしたも
のが提案された。ところが、PPEとABSとはそのままでは
相溶性が悪いので、種々の工夫が成されている。例えば
ABS樹脂中のアクリロニトリル基の濃度を低くしたABS
樹脂を用いる方法(特公昭48−40046号公報)、アク
リロニトリル基の濃度が異なるABS樹脂を複数用いる方
法(特公昭63−7580号公報、特開昭60−11549号公報)
等が提案されている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記の方法では相溶性は向上するが、
アクリロニトリル基を少なくしたために、ABS樹脂が本
来有している優れた性質、例えば耐溶剤性、耐熱性等が
損なわれてしまい、本来の目的が達成できないことにな
る。また、の方法は、異なるアクリロニトリル基濃度
を有するABSを用いるので工程が複雑になり、実用的な
方法とはいえない。
そこで本発明は、ABS系樹脂の本来有している優れた性
質を損なうこと無くPPEとABS系樹脂との相溶性を改善
し、耐溶剤性および耐熱性が優れたPPE系樹脂組成物を
提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検討を
重ねた結果、特定の基で変性された、PPEまたはこれと
ポリスチレン系樹脂に、オキサゾリニル基含有アクリロ
ニトリル−芳香族ビニル系共重合体を添加すると、PPE
とABSとの相溶性が改善されることを見出し、本発明に
到達した。
すなわち本発明のPPE系樹脂組成物は、 ポリフェニレンエーテル系樹脂またはポリスチレン系樹
脂の少なくとも一部が、分子内にカルボキシル基、酸無
水物基およびエポキシ基から選ばれる少なくとも1つの
基を有するように変性されているところの、ポリフェニ
レンエーテル系樹脂またはこれとポリスチレン系樹脂10
〜90重量部、 (B)ABS系樹脂 90〜10重量部 および (C)オキサゾリニル基含有アクリロニトリル−芳香族
ビニル系共重合体を(A)および(B)の合計100重量
部に対して1〜30重量部、 を含むことを特徴とする。
本発明において成分(A)に使用されるPPE系樹脂とし
ては公知のものが使用でき、例えば一般式: (式中R1,R2,R3およびR4はそれぞれ独立して、水素原
子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲ
ン原子とフェニル環との間に少くとも2個の炭素原子を
有するハロアルキル基およびハロアルコキシ基で第3級
α−炭素を含まないものから選ばれた一価置換基を表
し、qは重合度を表わす整数である) で示される重合体の総称であって、上記一般式で示され
る重合体の一種単独であっても、二種以上が組合わされ
た共重合体であってもよい。好ましい具体例ではR1およ
びR2が炭素原子数1〜4のアルキル基であり、R3および
R4が水素原子もしくは炭素原子数1〜4のアルキル基で
ある。例えばポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)
エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エ
ーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニ
レン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−プロピル−1,
4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジプロピル−1,
4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−プ
ロピル−1,4−フェニレン)エーテル、などが挙げられ
る。またPPE共重合体としては上記ポリフェニレンエー
テル繰返し単位中にアルキル三置換フェノール例えば2,
3,6−トリメチルフェノールを一部含有する共重合体を
挙げることができる。またこれらのPPEに、スチレン系
化合物がグラフトした共重合体であってもよい。スチレ
ン系化合物グラフト化ポリフェニレンエーテルとしては
上記PPEにスチレン系化合物として、例えばスチレン、
α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロルスチレン
などをグラフト重合して得られる共重合体である。
本発明において成分(A)は、上記したPPE系樹脂の少
なくとも一部が後に詳述する変性を受けたものであるか
またはPPE系樹脂とポリスチレン(以下、PSということ
がある)系樹脂との混合物の少なくとも一部が後に詳述
する変性を受けたものである。ここで用いられるポリス
チレン系樹脂は、それ自体公知であり、一般式 (式中R′は水素原子または炭素原子数1〜4のアルキ
ル基であり、Xはハロゲン原子または炭素原子数1〜4
のアルキル基である置換基を表し、pは0〜5の整数で
ある)で示されるビニル芳香族化合物から誘導された繰
返し構造単位を、その重合体中に少くとも25重量%以上
有するものでなければならない。かかるスチレン系重合
体としては例えばスチレンもしくはその誘導体の単独重
合体並びに例えばポリブタジエン、ポリイソプレン、ブ
チルゴム、EPDM、エチレン−プロピレン共重合体、天然
ゴム、エピクロロヒドリンの如き天然または合成エラス
トマー物質の混合あるいはこれらで変性したスチレン系
重合体、更には、スチレン含有共重合体、例えば、スチ
レン−アクリロニトリル共重合体(SAN)、スチレン−
ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合
体、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体
(ABS)を挙げることができる。本発明のために好まし
いスチレン系重合体はホモポリスチレンおよびゴム強化
ポリスチレンである。
ポリフェニレンエーテル系樹脂に対するポリスチレン系
樹脂の混合比率はポリフェニレンエーテル樹脂の優れた
特性を損なわない範囲にあるのが望ましく、従ってポリ
フェニレンエーテル系樹脂20〜100重量部とスチレン系
樹脂0〜80重量部の比であることが好ましい。
本発明においては、成分(A)のPPEまたはPSのいずれ
かの少なくとも一部が、分子内にエポキシ基、カルボキ
シル基、および酸無水物基の中の少くとも1つを有する
ように変性されていることが必要である。
前記PPEのエポキシ化、カルボキシル化、または酸無水
物化は公知の方法によって行うことができる。
エポキシ化については、例えば特開昭63−125525号公報
に記載されている。末端エポキシ化ポリフェニレンエー
テルは、ポリフェニレンエーテルとエポキシ基をもつ物
質とを加熱下に接触させることによって得ることができ
る。エポキシ基をもつ化合物としては、片末端がハロゲ
ン基であるエポキシ化合物かまたは両末端がエポキシ基
であるエポキシ化合物が好ましい。具体的には、好まし
い片末端エポキシ化物にはエピクロルヒドリン、2−メ
チルエピクロルヒドリン等があり、好ましい両末端エポ
キシ化物には2,2−ビス(4−グリシジルフェニルエー
テル)プロパン、エポキシ樹脂等がある。ポリフェニレ
ンエーテル同志のブロック化を抑制する点より、片末端
エポキシ化物が特に好ましい。
カルボキシル化および酸無水物化については、例えば特
表昭62−500456号公報に記載されている、末端カルボキ
シル化または酸無水物化PPEは、カルボキシル基または
酸無水物基をもつ酸クロライド、例えばトリメリット酸
無水物クロライドとポリフェニレンエーテルとを反応さ
せることによって得られる。
次に、PSの変性、すなわちエポキシ化、カルボキシル化
または酸無水物化は、例えばエポキシ基、カルボキシル
基または酸無水物基を有するラジカル重合開始剤または
連鎖移動剤の存在下に、スチレン単独、もしくはこれと
共重合可能なラジカル重合性単量体を重合させることに
より、得ることができる。
そのようなラジカル重合性単量体としては、p−メチル
スチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシスチレ
ン、アクリロニトリル、メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチル、メタクリル酸ブチル等が挙げられる。ま
た、ゴム質重合体の存在下に重合を行ったものがより好
適に用いられる。
また、PPE、PPEとPSとの混合物またはPSの末端のみ以外
の変性は、以下の方法を用いることもできる。すなわ
ち、分枝内に不飽和結合と、エポキシ基、カルボキシル
基または酸無水物基とを有する化合物、例えば無水マレ
イン酸、マレイン酸、フマル酸、グリシジルアクリレー
ト、グリシジルメタクリレート等を、PPE、PPEとPSの混
合物またはPSと、ラジカル重合開始剤の存在下もしくは
不存在下で、溶融混練する方法である。
これらの変性は、PPEまたはPSのすべてが変性されたも
のでなくてもよく、未変性のPPEおよびPSを、例えば成
分(A)の合計に対して70重量%以下の量含んでもさし
つかえない。
次に、本発明に使用する成分(B)のABS系樹脂とは、
ジエン系ゴム(イ)の存在下に、シアン化ビニル単量体
(ロ)、芳香族ビニル単量体(ハ)および必要に応じて
他の共重合可能な単量体(ニ)を共重合させたものであ
り、公知の重合法、例えば、(イ)の存在下に、
(ロ)、(ハ)および必要に応じて(ニ)の混合物と重
合開始剤とを連続的に供給してグラフト共重合して得ら
れるグラフト共重合体、または(イ)の存在下に、
(ロ)、(ハ)および必要に応じて(ニ)をグラフト共
重合させたものと、(イ)の非存在下に、(ロ)、
(ハ)および必要に応じて(ニ)を共重合させたものと
の組成物である。
本発明で用いるジエン系ゴム(イ)としては、ポリブタ
ジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴ
ム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ポリイソプレ
ンゴム等を挙げることができ、これらを1種単独で、ま
たは2種以上併用して、使用することができる。本発明
では、ポリブタジエンゴムおよび/またはスチレン−ブ
タジエン共重合体ゴムが好ましく用いられる。
シアン化ビニル単量体(ロ)としては、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等を挙げることができ、なかで
もアクリロニトリルが好ましい。
芳香族ビニル単量体(ハ)としては、スチレン、α−メ
チルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルス
チレン等を挙げることができ、中でもスチレンおよび/
またはα−メチルスチレンが好ましく用いられる。
他の共重合可能な単量体(ニ)としては、アクリル酸、
メタクリル酸等のα,β−不飽和カルボン酸、メタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸−t−
ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル等のα,β−不飽
和カルボン酸エステル類;無水マレイン酸、無水イタコ
ン酸等のα,β−不飽和ジカルボン酸無水物類;N−フェ
ニルマレイミド、N−メチルマレイミド、N−t−ブチ
ルマレイミド等のα,β−不飽和ジカルボン酸のイミド
化合物類;等を挙げることができる。
ABS系樹脂における上記成分の組成比は特に制限はない
が、得られるPPE系樹脂組成物の成形加工性、耐衝撃性
を良好ならしめるという点から、ABS系樹脂100重量部に
対してジエン系ゴム(イ)5〜85重量部が好ましい。ま
た同様にシアン化ビニル(ロ)については、5〜50重量
部が好ましく、特に7〜45重量部が好ましい。芳香族ビ
ニル(ハ)については、10〜90重量部が好ましく、13〜
83重量部がさらに好ましく、特に好ましくは17〜77重量
部である。
また、本発明のPPE系樹脂組成物において、ジエン系ゴ
ム(イ)の含有量が1〜60重量%の範囲であることが好
ましく、さらに好ましくは3〜55重量%、特に好ましく
は5〜50重量%である。さらに、本発明のPPE系樹脂組
成物中のジエン系ゴムの重量が15重量%以下であると、
樹脂組成物の耐衝撃性が飛躍的に向上する。
上記したABS系樹脂の製造法に関しては特に制限はな
く、塊状重合、溶液重合、塊状懸濁重合、懸濁重合、乳
化重合など通常公知の方法が用いられる。また、別々に
(グラフト)共重合した樹脂をブレンドすることによっ
て上記のABS樹脂組成物を得ることも可能である。
上記した成分(A)および(B)の配合比率は、(A)
10〜90重量部に対して(B)90〜10重量部であり、好ま
しくは(A)20〜80重量部に対して(B)80〜20重量部
である。(A)が90重量部を超えた場合には、成形加工
性が劣るようになり、また(B)が90重量部を超えた場
合には耐熱性が低下してしまう。
次に、本発明の特徴部分である成分(C)について述べ
る。成分(C)は、(i)オキサゾリニル基含有不飽和
単量体、(ii)アクリロニトリルおよび(iii)芳香族
ビニル化合物の共重合生成物である。好ましいオキサゾ
リニル基含有不飽和単量体(i)としては、一般式: で表わされ、Zは重合可能な二重結合を含有するものが
挙げられる。好ましい置換基Zは次のものである。
CH2=CR″−、 これらの式中R″は水素原子または1〜6個の炭素原子
を有するアルキル基またはアルコキシ基、例えばメチル
基、i−およびn−プロピル基またはブチル基である。
特に好ましい化合物は、一般式 で表わされるビニルオキサゾリンであって、R″は前記
の意味を有し、好ましくは水素原子またはメチル基であ
る。
また、芳香族ビニル化合物(iii)としては、スチレ
ン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t
−ブチルスチレン等を挙げることができ、好ましくはス
チレン、α−メチルスチレンである。
成分(C)の共重合体には、例えばオキサゾリニル基含
有アクリロニトリル−スチレン共重合体、オキサゾリニ
ル基含有ABS樹脂(ブタジエン含有)、ブタジエンにア
クリロニトリル、オキサゾリンおよびポリスチレンがグ
ラフトしたオキサゾリニル基含有グラフト共重合体等を
含む。
上記の共重合成分(i),(ii)および(iii)から構
成されるオキサゾリニル基含有共重合体において、オキ
サゾリニル基含有不飽和単量体が占める共重合量は、好
ましくは0.001〜14重量%、より好ましくは0.01〜5重
量%の範囲である。共重合量が0.001重量%未満の場合
には組成物の衝撃強度が低く、また、14重量%を超える
場合には共重合体がゲル化しやすく、表面状態の良好な
成形品が得られない。
成分(C)の共重合体の製造方法に関しては特に制限は
なく、塊状重合、溶液重合、塊状−懸濁重合、懸濁重
合、乳化重合など通常公知の方法が用いられる。共重合
成分(i),(ii)および(iii)の仕込み方法に関し
ても特に制限はなく、初期に一括仕込みをしても良く、
また共重合体の組成分布の偏在化、すなわち重合速度の
差による成分の偏在化を防止するために仕込み単量体の
一部または全部を連続仕込みまたは分割仕込みしながら
重合しても良い。
また、上記した共重合成分(i),(ii)および(ii
i)の合計100重量部に対して、共重合可能な他の単量体
0〜70重量部を共重合することも可能である。共重合可
能な他の単量体としては、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸−t−ブチル、メタクリル
酸シクロヘキシル等のα,β−不飽和カルボン酸エステ
ル等;等を挙げることができる。
成分(C)は、前記した成分(A)および(B)の合計
100重量部に対して1〜30重量部、好ましくは2〜20重
量部添加する。成分(C)が1重量部より少ないと、
(A)および(B)の相溶性が向上しないため成形品外
観が劣り、また30重量部を超えると熱安定性および成形
加工性が低下する。
本発明のPPE系樹脂組成物は、上記した成分(A)、
(B)および(C)の他に、必要に応じて、ポリスチレ
ン(PS)、スチレン/アクリロニトリル共重合体(SA
N)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、スチレン/メ
タクリル酸メチル/アクリロニトリル共重合体、α−メ
チルスチレン/アクリロニトリル共重合体、α−メチル
スチレン/スチレン/アクリロニトリル共重合体、α−
メチルスチレン/メタクリル酸メチル/アクリロニトリ
ル共重合体、p−メチルスチレン/アクリロニトリル共
重合体、スチレン/N−フェニルマレイミド共重合体等の
ビニル系共重合体、メタクリル酸−ブタジエン−スチレ
ン三元共重合体(MBS)樹脂、AES樹脂、AAS樹脂、ポリ
カーボネート、ポリカプロアミド(ナイロン−6)、ポ
リヘキサメチレンアジパミド(ナイロン−6,6)などの
熱可塑性樹脂を適宜混合したり、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/
ブテン−1共重合体、エチレン/プロピレン/ジシクロ
ペンタジエン共重合体、エチレン/プロピレン/5−エチ
リデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン/プロピ
レン/1,4−ヘキサジエン共重合体、エチレン/酢酸ビニ
ル共重合体およびエチレン/アクリル酸ブチル共重合体
などのポリオレフィン系ゴムを適宜混合することによっ
て、さらに望ましい物性、特性に調節することも可能で
ある。また、さらに目的に応じて顔料や染料、ガラス繊
維、金属繊維、金属フレーク、炭素繊維などの補強材や
充填材、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定
剤、滑剤、可塑剤、帯電防止剤および難燃剤などを添加
することができる。
本発明の樹脂組成物を製造するための方法に特に制限は
なく、通常の方法が満足に使用できる。しかしながら一
般に溶融混合法が望ましい。任意の溶融混合法を、それ
が溶融した粘稠塊体を処理できるならば使用できる。方
法は回分式または連続式で用いられる。特に押出機、バ
ンバリーミキサー、ローラー、ニーダー等を例として挙
げることができる。
(実施例) 以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例においては次の化合物を使用した、 成分(A) PPE−1:クロロホルム中30℃で測定したた固有粘度が0.4
6dl/gのポリ−(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エ
ーテル(未変性) PPE−2:PPE−1 100重量部に対し、無水マレイン酸1
重量部を加え、300℃で押出し機にて変性したPPE PS:ゴム強化ポリスチレン、商標;HT−644三菱モンサン
ト(株)製 成分(B) ABS−1:ABS樹脂、商標;タフレックス610、三菱モンサ
ント(株)製 ABS−2:ABS樹脂、商標;CE−301、電気化学工業(株)製 成分(C) オキサゾリニル基含有AS:ビニルオキサゾリン5重量
%、スチレン70重量%およびアクリロニトリル25重量%
よりなる数平均分子量約50,000の共重合体、商標;CX−R
AS−1005、日本触媒(株)製 実施例1および比較例1〜4 各成分を表に示す割合で混合し、290℃に設定した2軸
押出機(スクリュー径50mm)で押出し、ペレットを作っ
た。
このペレットを乾燥後、シリンダー温度280℃に設定し
た射出成形機(150ton)を用いてテストピースを成形
し、アイゾット衝撃強度を測定した。結果を表に示し
た。
なお、アイゾット衝撃強度は、ASTM D256に従い、1/8イ
ンチ アイゾット衝撃強度(ノッチ付)を測定し、熱変
形温度(HDT)は、ASTM D648に従って測定した。
また、層状剥離は、厚さ1/6インチ、巾1/2インチの試験
片を折り曲げて、目視により評価した。
耐灯油性は、1%の歪みを生じる曲げ治具に取り付けた
成形品を灯油に浸漬し、12時間後の割れの状態を判定し
た。割れなかったものを○、割れたものを×で表した。
(発明の効果) 本発明のPPE系樹脂組成物は、PPE系樹脂とABS系樹脂の
相溶性が良好であるので耐衝撃性が高く、また、ABS系
樹脂の優れた性質である耐溶剤性および耐熱性を保持し
ているので、その用途は広く、有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂また
    はポリスチレン系樹脂の少なくとも一部が、分子内にカ
    ルボキシル基、酸無水物基およびエポキシ基から選ばれ
    る少なくとも1つの基を有するように変性されていると
    ころの、ポリフェニレンエーテル系樹脂またはこれとポ
    リスチレン系樹脂10〜90重量部、 (B)ABS系樹脂90〜10重量部、および (C)オキサゾリニル基含有アクリロニトリル−芳香族
    ビニル系共重合体を(A)および(B)の合計100重量
    部に対して1〜30重量部、 を含むことを特徴とするポリフェニレンエーテル系樹脂
    組成物。
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