JPH075573A - 透過型スクリーン及びそれを備えた背面投写型画像ディスプレイ装置 - Google Patents

透過型スクリーン及びそれを備えた背面投写型画像ディスプレイ装置

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JPH075573A
JPH075573A JP5112737A JP11273793A JPH075573A JP H075573 A JPH075573 A JP H075573A JP 5112737 A JP5112737 A JP 5112737A JP 11273793 A JP11273793 A JP 11273793A JP H075573 A JPH075573 A JP H075573A
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screen
lenticular lens
light
sheet
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Takahiko Yoshida
隆彦 吉田
Hiroki Yoshikawa
博樹 吉川
Koji Hirata
浩二 平田
Atsuo Osawa
敦夫 大沢
Yutaka Matsuda
裕 松田
Masayuki Muranaka
昌幸 村中
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 背面投写型画像ディスプレイ装置の透過型ス
クリーンにおいて、スクリーン画面垂直方向及び水平方
向の指向特性の大幅拡大と、カラーシフトの大幅な低減
を同時に実現し、さらに、画像のフォーカス特性及びコ
ントラストを向上する。 【構成】 フレネルレンズシート10、第一のレンチキ
ュラーレンズシート20、第二のレンチキュラーレンズ
シート30を備えた透過型スクリーンにおいて、第一の
レンチキュラーレンズシート20は、光入射面21がス
クリーン画面水平方向を長手方向とする横長レンチキュ
ラーレンズを連続して複数並べた形状となっており、そ
のシート厚さが他のシートのシート厚さより薄い。第二
のレンチキュラーレンズシート30は、光入射面31が
スクリーン画面垂直方向を長手方向とする縦長レンチキ
ュラーレンズを連続して複数並べた形状になっており、
その基材30Bの中には光拡散材の微粒子が拡散されて
いない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透過型スクリーンとそ
れを用いた背面投写型画像ディスプレイ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】小型画像発生源としての投写型ブラウン
管や液晶表示装置などに表示された画像を、投写レンズ
により拡大し、透過型スクリーンに投写する背面投写型
テレビジョン受像機等の背面投写型画像ディスプレイ装
置は、近年、画質の向上が著しく、大画面による迫力あ
る臨場感を楽しむことができるため、家庭用、業務用に
普及が進んでいる。
【0003】この背面投写型画像ディスプレイ装置にお
いては、投写型ブラウン管を画像発生源として用いる場
合、透過型スクリーン上の画面の輝度を十分に明るくす
るために、従来より、一般に、赤、緑、青の3原色につ
いてそれぞれブラウン管と投写レンズを組み合わせて、
透過型スクリーン上で3原色の画像の合成を行うように
していた。
【0004】この構成の背面投写型画像ディスプレイ装
置に用いる透過型スクリーンとして、従来、たとえば、
特開昭58−59436号公報に記載のように、フレネ
ルレンズシートと、レンチキュラーレンズシートとを組
み合わせた2枚構成の透過型スクリーンが提案されてい
る。しかしながら、この既提案例では、スクリーン画面
垂直方向への画像光の拡散を実現するための具体的な技
術手段について開示されていなかった。
【0005】これに対し、スクリーン画面垂直方向への
画像光の拡散を実現するために、たとえば、特開昭56
−117226号公報、あるいは特開昭58−1920
22号公報に記載のように、フレネルレンズシートと、
光を散乱する光拡散材が内部に微粒子として分散されて
いるレンチキュラーレンズシートとを組み合わせた2枚
構成の透過型スクリーンが提案されている。
【0006】以下、この従来技術について説明する。
【0007】図106は、上記の従来技術による透過型
スクリーンの要部を示す斜視図である。
【0008】図106において、1は透過型スクリー
ン、10は画像発生源(ブラウン管画面)側に配置され
るフレネルレンズシート、30′は画像観視側に配置さ
れるレンチキュラーレンズシートである。フレネルレン
ズシート10、レンチキュラーレンズシート30′の基
材は、いずれも透明熱可塑性樹脂よりなる。このうち、
レンチキュラーレンズシート30′の基材中には、前述
の光を散乱させる光拡散材6が微粒子として分散されて
いる。この光拡散材6の微粒子は、レンチキュラーレン
ズシート30′の基材30Bが有する屈折率と異なる屈
折率を有しており、屈折もしくは反射により、光を上下
左右に散乱させる。この光拡散材は、レンチキュラーレ
ンズシート30′の基材30B中に微粒子として分散さ
れる場合のほか、レンチキュラーレンズシート30′の
表面に光拡散層として積層されることもある。
【0009】11、12はフレネルレンズシート10
の、それぞれ光入射面、光出射面であり、光入射面11
は平面に、光出射面12はフレネル凸レンズ形状に、そ
れぞれなっている。
【0010】また、31′は、レンチキュラーレンズシ
ート30′の光入射面であり、スクリーン画面垂直方向
を長手方向とする第一の縦長レンチキュラーレンズをス
クリーン画面水平方向に複数並べた形状となっている。
32′はレンチキュラーレンズシート30′の光出射面
であり、光入射面31′の第一の縦長レンチキュラーレ
ンズにほぼ対向して、同じような形状の第二の縦長レン
チキュラーレンズが複数配列されるとともに、隣り合う
レンチキュラーレンズ相互の間には、凸形突起部32P
が設けられ、この凸形突起部32P上に光吸収帯(ブラ
ックストライプ)33が積層されている。
【0011】上記の従来の透過型スクリーンにおいて
は、投写型ブラウン管管面上の表示画像の各点から出射
した光束は、投写レンズ(いずれも図示せず)を経て、
フレネルレンズシート10の光入射面11に入射する。
この入射光束は、フレネルレンズシート10の光出射面
12のフレネルレンズによりほぼ平行光束に変換され、
レンチキュラーレンズシート30′に入射する。
【0012】レンチキュラーレンズシート30′に入射
した光束は、光入射面31′の第一の縦長レンチキュラ
ーレンズにより光出射面32′上の第二の縦長レンチキ
ュラーレンズ面付近の焦点に向かい、その焦点からスク
リーン画面水平方向に拡散するとともに、基材内に微粒
子として分散された光拡散材6により、スクリーン画面
垂直方向及び水平方向に拡散されながら画像観視側に出
射する。すなわち、入射光束のスクリーン画面水平方向
の拡散は主に第一、第二の縦長レンチキュラーレンズの
形状に依存して行われ、スクリーン画面垂直方向の拡散
は光拡散材6の作用によってのみ行われる。
【0013】一方、たとえば、特開昭58−93043
号公報に記載のように、スクリーン画面垂直方向への画
像光の拡散を、レンチキュラーレンズシートの内部に微
粒子として分散されている光拡散材と、フレネルレンズ
シートの一面に設けたレンチキュラーレンズのレンズ作
用とにより行う2枚構成の透過型スクリーンが提案され
ている。
【0014】以下、この従来技術について説明する。
【0015】図107は、上記の従来技術による透過型
スクリーンの要部を示す斜視図である。
【0016】図107において、フレネルレンズシート
10の光入射面11は、スクリーン画面水平方向を長手
方向とする円柱の一部からなる横長レンチキュラーレン
ズをスクリーン画面垂直方向に複数並べた形状になって
いる。その他の構成は、図106の透過型スクリーンと
同様である。
【0017】図107の構成の透過型スクリーンでは、
フレネルレンズシート10の光入射面11に横長レンチ
キュラーレンズがあるので、入射光束は、この横長レン
チキュラーレンズによりわずかにスクリーン画面垂直方
向の拡散特性を付与される。その後、レンチキュラーレ
ンズシート30′の基材内の光拡散材6によって、さら
にスクリーン画面垂直方向の拡散特性を付与されること
になる。また、入射光束のスクリーン画面水平方向の拡
散は、図106の場合と同様に、主に第一、第二の縦長
レンチキュラーレンズの形状に依存して行われる。
【0018】ここで、フレネルレンズシート10の光入
射面11の横長レンチキュラーレンズについてさらに詳
しく説明する。
【0019】図108は図107の透過型スクリーン1
のフレネルレンズシート10の垂直断面を示す断面図で
あり、図108において、140は入射光束である。
【0020】図108において、フレネルレンズシート
10の光入射面11は、前述のように、スクリーン画面
水平方向を長手方向とする円柱の一部からなる横長レン
チキュラーレンズをスクリーン画面垂直方向に複数並べ
た形状となっている。この横長レンチキュラーレンズの
ピッチは、投写画像の走査線のピッチまたは画素のピッ
チより小さく設定され、さらには、投写画像の走査線の
ピッチとのモアレ、及び、画面上部と下部におけるフレ
ネルレンズシート2のフレネル凸レンズの輪帯のピッチ
とのモアレが目立ちにくいように決められている。
【0021】具体的には、横長レンチキュラーレンズの
ピッチを、レンチキュラーレンズシート30′の第一、
第二の縦長レンチキュラーレンズのピッチより充分小さ
くするとともに、投写画像の走査線のピッチと横長レン
チキュラーレンズのピッチが簡単な整数比にならないよ
うに設定していた。
【0022】たとえば、透過型スクリーンの画面サイズ
が、スクリーン画面水平方向に800mm、スクリーン
画面垂直方向に600mmであり、スクリーン画面水平
方向のピッチが0.78mmであるとき、そのスクリー
ン画面に480本の水平方向走査線が表示されるものと
すると、走査線のピッチは1.25mmとなる。そこ
で、この走査線のピッチに対しては、フレネル凸レンズ
の輪帯のピッチとして0.1ないし0.12mm程度の
ピッチが、横長レンチキュラーレンズのピッチとして
0.08ないし0.1mm程度のピッチが、それぞれ選
ばれることが多い。
【0023】一方、入射光束140は、光入射面11の
横長レンチキュラーレンズから入射するとき、同じ走査
線または同じ画素であっても、入射位置によって入射角
が異なるため、それぞれ異なる角度に屈折して、スクリ
ーン画面垂直方向に拡散されることになる。しかも、上
記の横長レンチキュラーレンズの曲率半径を小さくすれ
ば、入射光束140の入射角が大きくなり、光線はより
広い角度範囲に拡散して指向特性が広がり、いわゆる垂
直視野角が増加する。
【0024】次に、レンチキュラーレンズシート30′
の光入射面31′と光出射面32′の縦長レンチキュラ
ーレンズについてさらに詳しく説明する。
【0025】図109及び図110は図106、もしく
は図107の透過型スクリーン1のレンチキュラーレン
ズシート30′の水平断面を示す断面図であり、図10
9、図110において、140は入射光束である。
【0026】図109及び図110において、光入射面
31′の第一の縦長レンチキュラーレンズのレンズ面は
楕円柱面の一部であり、その楕円は、レンチキュラーレ
ンズシートの厚さ方向(図中l、l′により示す)を長
軸方向とし、楕円の2焦点のうち1焦点が基材30B′
の内部に位置し、他の1焦点が光出射面32′付近に位
置するように構成されている。また、楕円の離心率e
は、基材の屈折率nのほぼ逆数となるように選ばれてい
る。図109及び図110では、屈折率nを1.517
とし、光入射面31′と光出射面32′との間隔(光軸
上における距離)を0.86mmとして描いてある。
【0027】このような構成とすることにより、図10
9に示すように、楕円の長軸に平行に第一の縦長レンチ
キュラーレンズに入射した緑の光線は、全て光出射面3
2′付近の焦点に収束し、この焦点からスクリーン画面
水平方向に拡散される。また、図110に示すように、
楕円の長軸に対してある角度を成して第一の縦長レンチ
キュラーレンズに入射した赤と青の光線も、全て光出射
面32′付近の焦点近傍に収束し、この点からスクリー
ン画面水平方向に拡散される。図110では、斜め入射
光束は、楕円の長軸に対して集中角10度をもって入射
した場合の光線追跡図となっている。
【0028】また、光出射面32′の第二の縦長レンチ
キュラーレンズのレンズ面は、光出射面32′の表面に
おいて、第一の縦長レンチキュラーレンズの楕円柱面と
ほぼ対称な楕円柱面としている。この第二の縦長レンチ
キュラーレンズは、赤、緑、青の入射光束に対し、これ
らの各色の出射光束の指向特性を相互にほぼ平行にする
機能を有している。
【0029】次に、レンチキュラーレンズシート30′
の基材中に分散された光拡散材6についてさらに詳しく
説明する。
【0030】図111は図106、もしくは図107の
透過型スクリーン1におけるレンチキュラーレンズシー
ト30′の断面を示す断面図であり、図111(a)は
光出射面32′の一つのレンチキュラーレンズの部分に
おける垂直断面を、図111(b)は水平断面を、それ
ぞれ示している。
【0031】図111(a)及び図111(b)におい
て、レンチキュラーレンズシート30′の基材30B′
内には、前述のように、光拡散材6が微粒子として分散
されており、これにより、入射光線140は光入射面3
1′から入射後、スクリーン画面水平方向及び垂直方向
に拡散しながら進み、光出射面32′から画像観視側に
出射する。そして、上記の光拡散材の量を増せば、光は
より広い角度範囲に拡散して指向特性が広がり、視野角
が増加する。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術による
透過型スクリーンにおいては、いくつかの解決すべき課
題がある。以下、この課題について説明する。
【0033】第一の課題としては、水平観視角及び垂直
観視角の範囲の拡大があげられる。
【0034】図112は、一般的な水平観視角及び垂直
観視角を説明するための説明図である。
【0035】スクリーンに正対した場合の水平観視角と
垂直観視角をそれぞれ0度とする。
【0036】画面水平方向に観視位置を変え、スクリー
ンに対する水平観視角がα〔度〕の方向からスクリーン
上の画像輝度Bαを測定することにより、スクリーンに
正対した場合の画面輝度B0との比率(相対輝度)H=
α/B0が求められる。同様に、画面垂直方向につい
ても、スクリーンに対する垂直観視角がβ〔度〕の方向
からスクリーン上の画像輝度Bβを測定することによ
り、スクリーンに正対した場合の画面輝度B0との比率
(相対輝度)H=Bβ/B0が求められる。
【0037】これらの相対輝度Hがあるしきい値より小
さくなると、画像がほとんど見えなくなる。画像が見え
る水平観視角αと垂直観視角βの範囲を、以下では、そ
れぞれ、水平観視範囲、垂直観視範囲と呼ぶ。また、相
対輝度H=Bα/B0、H=Bβ/B0が50%となる水
平観視角αと垂直観視角βを、以下では、それぞれ、水
平視野角、垂直視野角と呼ぶ。
【0038】図113は、従来技術による透過型スクリ
ーンにおいて得られる緑色画像光の指向特性を示す特性
図であり、実線は図106の透過型スクリーン1におい
て、レンチキュラーレンズシート30′の基材30B′
の屈折率を1.50とした場合の画面水平方向の指向特
性、破線は図107の透過型スクリーン1において得ら
れる垂直方向の指向特性をそれぞれ示している。
【0039】図113に示すように、従来技術による透
過型スクリーンでは、水平観視角αが±47度を超える
位置においてスクリーン上の画像を観視できない。ま
た、垂直観視角βが±25度を超える位置においてもス
クリーン上の画像を観視できない。さらに、相対輝度H
=Bβ/B0が50%となる垂直視野角が±9度程度と
非常に狭い。
【0040】図114は、従来技術による透過型スクリ
ーン1のフレネルレンズシート10の横長レンチキュラ
ーレンズ単体についての、垂直方向の指向特性を示す特
性図である。
【0041】図114に示すように、従来技術による透
過型スクリーンでは、フレネルレンズシート10の横長
レンチキュラーレンズの曲率半径を0.3mm程度とす
ることで、垂直観視範囲として±4度程度を得ている。
この横長レンチキュラーレンズと、レンチキュラーレン
ズシート30′の基材中の光拡散材とを組み合わせて、
透過型スクリーン全体として上記のように垂直観視範囲
±25度を得ていることになる。
【0042】なお、従来の透過型スクリーンにおいて、
フレネルレンズシート10のフレネル凸レンズの中心を
画面中心から上下にずらした構成とすることにより、指
向特性を上下対称な特性から若干ずらした特性にするこ
ともある。
【0043】図115は、フレネルレンズシート10の
フレネル凸レンズの中心を画面中心から上方に50mm
程度ずらし、正面方向から約5度上方の方向が最大輝度
になるようにした場合の、スクリーン画面垂直方向の指
向特性を示す特性図である。
【0044】さて、透過型スクリーンの指向特性として
は、水平方向、垂直方向とも従来技術による透過型スク
リーンの指向特性よりさらに広く、特に、裾の広い指向
特性が望ましい。
【0045】図116は、透過型スクリーンにおける望
ましい指向特性の例を示す特性図であり、水平観視範囲
及び垂直観視範囲がともに±70度程度となるような裾
の広い指向特性となっている。
【0046】上記の従来の透過型スクリーンの指向特性
の改善を図るために、スクリーン画面垂直方向の指向特
性をより広げ、垂直視野角を増加させようとするときに
は、レンチキュラーレンズシート30′の基材内の光拡
散材6の量を増やすか、あるいはフレネルレンズシート
10における光入射面11の横長レンチキュラーレンズ
の曲率半径を小さくすればよい。
【0047】しかしながら、従来の透過型スクリーンに
おいて、レンチキュラーレンズシート30′の基材内の
光拡散材6の量を増やすと、以下に述べるような問題が
生じる。
【0048】図117は、図107の透過型スクリーン
1の垂直断面において、入射光束がスクリーン画面垂直
方向に拡散される様子を示す概略断面図であり、図11
8は、図107の透過型スクリーン1の水平断面におい
て、入射光束がスクリーン画面水平方向に拡散される様
子を示す概略断面図である。図117及び図118にお
いて、140は入射光束である。
【0049】図117及び図118に示すように、フレ
ネルレンズシート10に入射した入射光束140は、光
入射面11の横長レンチキュラーレンズの形状により屈
折してスクリーン画面垂直方向に拡散された後、レンチ
キュラーレンズシート30′に入射して、基材内の光拡
散材6によってさらに拡散されるため、画像観視側から
見たときの光束の幅dは入射光束140の幅より大きく
なって、光出射面32′における走査線幅あるいは画素
サイズが大きくなり、結果として画像のフォーカス特性
が低下する。
【0050】このとき、スクリーン画面垂直方向の指向
特性を広げるために、レンチキュラーレンズシート3
0′の基材内の光拡散材6を増量すると、レンチキュラ
ーレンズシート30′の光出射面32′における走査線
幅あるいは画素サイズはますます大きくなって、画像の
フォーカス特性はさらに低下してしまう。
【0051】また、図117及び図118に示したよう
に、レンチキュラーレンズシート30′において、入射
光束140は基材内の光拡散材6によって拡散されるの
みならず、散乱されるため、一部の光線は再び光入射面
31′側に反射されたり、レンチキュラーレンズシート
30′内の迷光となったり、あるいは前記の光吸収帯3
3で吸収されたりして、光出射面32′付近の焦点に到
達せず、光出射面32′から出射しないこととなり、画
像観視側から見たスクリーン画面の明るさが低下する。
この明るさの低下は、光拡散材6を増せば増すほど著し
い。
【0052】また、入射光束140のうち、上記のよう
に光拡散材6によって散乱され、迷光となった光は、投
写光学系内を不要反射光として往来したのち、その一部
が最終的にスクリーン画面(すなわち、レンチキュラー
レンズシート30′の光出射面32′)に到達し、画像
のコントラストが低下する。さらに照明光などの外光
は、半分程度がレンチキュラーレンズシート30′の光
出射面32′に設けられた前記の光吸収帯33により吸
収されるが、光出射面32′の第二の縦長レンチキュラ
ーレンズに入射した外光は、光拡散材6により拡散反射
され、同じく、画像のコントラストの低下を招く。これ
らのコントラスト低下についても、光拡散材6の増量に
より看過し得ないものとなる。
【0053】一方、従来の透過型スクリーンにおいて、
フレネルレンズシート10における光入射面11の横長
レンチキュラーレンズの曲率半径を小さくした場合に
は、次のような問題が生じる。
【0054】前述の如く、図117及び図118に示し
たように、フレネルレンズシート10に入射した入射光
束140は、光入射面11の横長レンチキュラーレンズ
の形状により屈折してスクリーン画面垂直方向に拡散さ
れた後、レンチキュラーレンズシート30′に入射し
て、基材内の光拡散材6によってさらに拡散されるた
め、画像観視側から見たときの光束の幅dは入射光束1
40の幅より大きくなって、光出射面32′における走
査線幅あるいは画素サイズが大きくなり、結果として画
像のフォーカス特性が低下する。
【0055】このとき、スクリーン画面垂直方向の指向
特性を広げるために、フレネルレンズシート10の光入
射面11の横長レンチキュラーレンズの曲率半径を小さ
くすると、レンチキュラーレンズシート30′の光出射
面32′における走査線幅あるいは画素サイズはますま
す大きくなって、画像のフォーカス特性はさらに低下し
てしまう。このため、従来技術では、フレネルレンズシ
ート10の光入射面11の横長レンチキュラーレンズの
曲率半径としては、実用上、最低限0.3mm程度とす
る必要があった。
【0056】従来の透過型スクリーンにおいて、フレネ
ルレンズシート10の光入射面11の横長レンチキュラ
ーレンズの曲率半径を0.3mmとしたときの、横長レ
ンチキュラーレンズ単体でのスクリーン画面垂直方向の
指向特性については、先に図114により説明した通り
である。
【0057】図114に示したように、上記の横長レン
チキュラーレンズ単体では、垂直視野角として±4度程
度が得られる。
【0058】したがって、以上のように、従来の透過型
スクリーンでは、画像のフォーカス特性、明るさ、及び
コントラストにトレードオフがないようにスクリーン画
面垂直方向の指向特性を拡大することはできないという
問題点があった。
【0059】第二の課題としては、カラーシフトの低減
があげられる。
【0060】カラーシフトとは、赤、緑、青の各色の投
写光束がレンチキュラーレンズシート30′によりスク
リーン画面水平方向に拡散されるときに、各色の指向特
性が少し異なることに起因して、水平観視角αによって
赤、緑、青の3原色の色のバランスが変化し、画像の色
が変化して見える現象を言う。詳細については後述す
る。
【0061】このカラーシフトは、赤色光の輝度Rと青
色光の輝度Bの相対値(それぞれ、最も明るい輝度Rm
ax、Bmaxを基準とした場合の相対値)の比の対数
で表すものとし、数1で評価するものとする。
【0062】
【数1】 10×log{(R/Rmax)/(B/Bmax)} このカラーシフトはdBの単位で表され、0に近い方が
特性が良い。たとえば、赤と青の相対輝度の比が1:1
のときは0dBであり、2:1のときは約3dBであ
る。
【0063】前述のように、レンチキュラーレンズシー
ト30′の光出射面32′の第二の縦長レンチキュラー
レンズのレンズ面は、赤、緑、青の入射光束に対し、こ
れらの各色の出射光束の指向特性を相互にほぼ平行にす
る機能を有しており、これによりカラーシフトは幾分低
減されているが、必ずしも充分な効果が得られていな
い。
【0064】図119は、図109、図110のレンチ
キュラーレンズシート30′によって得られる赤、緑、
青色映像光の指向特性を示す特性図であり、赤、青の斜
め入射光束が、楕円の長軸に対して集中角10度をもっ
て入射した場合について示している。
【0065】図119の例では、観視角度30度におい
て1.8dBのカラーシフトが発生している。
【0066】また、赤色光、青色光については、それぞ
れ45度、−45度より外側の観視角度で急激に輝度が
低下する、いわゆるカットオフが存在する。緑色光につ
いては同様のカットオフが±50度付近で発生してい
る。このようなカットオフがある場合、観視者が画面上
に輝度の段差を感じることがあり、実用上問題となる。
【0067】図120は、図110のレンチキュラーレ
ンズシート30′によって得られる赤、青色映像光の指
向特性を示す特性図である。図120では、図119の
場合より集中角を小さくした場合の特性を示している。
【0068】図120に示すように、水平観視角αが4
5度において相対輝度で50%差が生じ、これがカラー
シフトの原因となる。そこで、この赤、青色映像光の相
対輝度の差を大幅に低減することが必要となる。
【0069】以上のように、従来の透過型スクリーンで
は、カラーシフトの低減が不充分であるという問題点が
あった。
【0070】第三の課題としては、モアレの低減があげ
られる。
【0071】前述のように、従来の透過型スクリーンで
は、横長レンチキュラーレンズのピッチなどを、モアレ
を低減するための適切な値に設定しているが、必ずしも
充分な効果が得られていない。これは、モアレの強度を
決定する要因として、ほかに、横長レンチキュラーレン
ズによる投写画像光の集光特性によって、フレネルレン
ズシート10の光出射面12において、輝度の高い部分
と輝度の低い部分がスクリーン画面垂直方向に交互に並
んで明暗線を生じているという要因があることによって
おり、以下、簡単に説明する。
【0072】図121は、横長レンチキュラーレンズの
集光特性によって生じるスクリーン画面垂直方向の輝度
分布を示す特性図であり、図107の透過型スクリーン
1のフレネルレンズシート10の光入射面11の画面垂
直方向の輝度分布と、後述する本発明の透過型スクリー
ンにおける横長レンチキュラーレンズによるスクリーン
画面垂直方向の輝度分布を比較して示した特性図であ
る。
【0073】図121において、破線2は図107に示
す従来技術によるフレネルレンズシート10の横長レン
チキュラーレンズの場合の輝度分布である。実線1は後
述の本発明の実施例における横長レンチキュラーレンズ
による輝度分布であり、詳細については本発明の実施例
の項で説明する。
【0074】横長レンチキュラーレンズによる画像光の
集光の状態は、図108に示したようになっている。す
なわち、フレネルレンズシート10の光入射面11に入
射した光束は、前述のように、光入射面11の横長レン
チキュラーレンズの形状によってフレネルレンズシート
10内の焦点(図示せず)で一旦集束するが、その後、
発散して光出射面12に至る。このとき、画像発生源の
各画素に対応した画像光は、それぞれ、一定の角度範囲
内に拡散される。
【0075】この拡散の範囲は非常に狭く、垂直指向特
性としては図114に示した如く両端部が切り立ったよ
うな特性となるため、光出射面12におけるスクリーン
画面垂直方向の輝度分布は、図121において破線2で
示したような分布となる。すなわち、光出射面12にお
いて、相対輝度の低い部分と相対輝度の高い部分とがス
クリーン画面垂直方向に交互に並んでモアレの原因とな
る明暗線を生じ、しかも、その輝度差は非常に大きいも
のであるため、モアレの強度も大きくなる。
【0076】以上のように、従来の透過型スクリーンで
は、モアレの低減が不充分であるという問題点があり、
上記のような明暗線の輝度差を小さくすることが、モア
レの低減のための重要な課題となる。
【0077】本発明の目的は、上記の従来の問題点を解
決し、画像のフォーカス特性、明るさ、及びコントラス
トがともに良好で、かつスクリーン画面水平方向及び垂
直方向の指向特性が広く、さらにカラーシフト及びモア
レの少ない透過型スクリーン、及びそれを備えた背面投
写型画像ディスプレイ装置を提供することにある。
【0078】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の背面投写型画像ディスプレイ装置の透過型
スクリーンにおいては、フレネルレンズシート、第一の
レンチキュラーレンズシート、第二のレンチキュラーレ
ンズシートからなる3枚構成とする。あるいは、これに
加えて最も画像観視側に、半透明に着色された光吸収シ
ートを配置して4枚構成とする。そして、第一のレンチ
キュラーレンズシートの光入射面または光出射面、もし
くはその両者の形状を、スクリーン画面水平方向を長手
方向とする非球面の横長レンチキュラーレンズをスクリ
ーン画面垂直方向に複数配列した形状とする。あるい
は、フレネルレンズシートの光入射面または光出射面の
形状を、スクリーン画面水平方向を長手方向とする非球
面の横長レンチキュラーレンズをスクリーン画面垂直方
向に複数配列した形状とする。あるいは、光吸収シート
の光入射面または光出射面、もしくはその両者の形状
を、スクリーン画面水平方向を長手方向とする非球面の
横長レンチキュラーレンズをスクリーン画面垂直方向に
複数配列した形状とする。さらに、第二のレンチキュラ
ーレンズシートの光入射面及び光出射面の形状を、スク
リーン画面垂直方向を長手方向とする非球面の縦長レン
チキュラーレンズをスクリーン画面水平方向に複数配列
した形状とする。
【0079】そして、スクリーン画面垂直方向の光拡散
を、主として第一のレンチキュラーレンズシートの光入
射面または光出射面、もしくはその両方に設けた横長の
レンチキュラーレンズ、あるいは、フレネルレンズシー
トまたは光吸収シートの光入射面または光出射面、もし
くはその両方に設けた横長のレンチキュラーレンズによ
り行い、補助的に第一のレンチキュラーレンズシートの
光拡散材、第二のレンチキュラーレンズシートの光拡散
材、または光吸収シートの光拡散材により行う構成とす
る。さらに、スクリーン画面水平方向の光拡散を、主と
して第二のレンチキュラーレンズシートの光入射面及び
光出射面に設けた縦長のレンチキュラーレンズにより行
う構成とする。
【0080】上記の横長レンチキュラーレンズ、及び縦
長のレンチキュラーレンズは、形状を最適化することに
より、スクリーン画面垂直方向と水平方向の各色の画像
光の指向特性を大幅に改善するようにする。
【0081】さらに、上記のフレネルレンズシート、第
一のレンチキュラーレンズシート、第二のレンチキュラ
ーレンズシート、光吸収シートのうち、第一のレンチキ
ュラーレンズシートのシート厚さを最も薄くする構成と
する。
【0082】また、上記の目的を達成するため、本発明
の背面投写型画像ディスプレイ装置においては、上記の
本発明の透過型スクリーンを備えるとともに、投写レン
ズを構成するレンズ群のうち、最も画像発生源に近い側
に配設されるレンズを、その画像発生源側が面が凸面
を、その透過型スクリーン側の面が凹面をそれぞれ成す
凹レンズで構成し、画像発生源と投写レンズとを結合器
によって結合し、結合器内における、画像発生源と凹レ
ンズとの間に生じる空間に、液体冷媒を封入するという
従来からあるコントラスト改善技術を併用する構成とす
る。もしくは、これに加えて、投写レンズから透過型ス
クリーンに至る投写光路中に、基材と光反射性光学薄膜
とからなる反射鏡を設け、その反射鏡の構成として、反
射鏡の基材の表面のうち投写レンズ及び透過型スクリー
ンに対向する一面上に光反射性光学薄膜を成膜する構成
とするか、もしくは、反射鏡の基材の表面のうち投写レ
ンズ及び透過型スクリーンに対向する一面上に反射防止
膜を設けるとともにその面と反対側の基材表面上に光反
射性光学薄膜を成膜する構成とする、という従来からあ
る画像のフォーカス特性の改善技術を併用する構成とす
る。
【0083】
【作用】前記の構成の透過型スクリーンを用いた背面投
写型画像ディスプレイ装置においては、投写型ブラウン
管などの画像発生源からの出射光は、投写レンズを経て
透過型スクリーンに入射し、透過型スクリーンの画像発
生源側に配置されたフレネルレンズシートにおいてほぼ
平行光となって通過したのち、第一のレンチキュラーレ
ンズシートの光入射面または光出射面の横長レンチキュ
ラーレンズによりスクリーン画面垂直方向に拡散され、
次いで第二のレンチキュラーレンズシートの光入射面の
第一の縦長レンチキュラーレンズと光出射面の第二の縦
長レンチキュラーレンズによりスクリーン画面水平方向
に拡散され、さらに、光吸収シートを配置した場合に
は、光吸収シートを透過して画像観視側に出射する。
【0084】このとき、スクリーン画面水平方向の光拡
散は、第二のレンチキュラーレンズシートの光入射面ま
たは光出射面に設けた非球面の縦長レンチキュラーレン
ズの形状により制御されることから、スクリーン画面水
平方向の指向特性を広げ、さらにカラーシフトの発生を
極力抑えることが可能となる。
【0085】また、スクリーン画面垂直方向の光拡散
は、主として第一のレンチキュラーレンズシート、ある
いはフレネルレンズシート、あるいは光吸収シートの、
光入射面または光出射面に設けた非球面の横長レンチキ
ュラーレンズの形状により制御されることから、非球面
形状の最適設計によりスクリーン画面垂直方向の指向特
性を広げ、垂直視野角を増加させることができる。
【0086】また、本発明においては、前述のように、
第一のレンチキュラーレンズシート、フレネルレンズシ
ート、光吸収シートの横長レンチキュラーレンズによっ
てスクリーン画面垂直方向の指向特性を十分広げること
ができるので、第一のレンチキュラーレンズシート、第
二のレンチキュラーレンズシート、あるいは光吸収シー
トには、全く光拡散材を含有させないか、または含有さ
せるにしても微量でよい。このため、光拡散材によって
画像がぼやけることがことが少なくなり、良好なフォー
カス特性が得られる。また、入射光線が光拡散材により
散乱されて迷光を生じたり、さらに、照明光などの外光
が光拡散材により散乱されたりすることも少なくなるの
で、従来の透過型スクリーンに比較して画像の明るさ、
コントラストが向上する。
【0087】一方、フレネルレンズシート、第一のレン
チキュラーレンズシート、第二のレンチキュラーレンズ
シートのうち、第一のレンチキュラーレンズシートのシ
ート厚さを最も薄くすることにより、第一のレンチキュ
ラーレンズシートの横長レンチキュラーレンズと、第二
のレンチキュラーレンズシートの光入射面の縦長レンチ
キュラーレンズとを、相互に近接するように配置できる
ことから、入射光束のスクリーン画面水平方向の光拡散
の開始点とスクリーン画面垂直方向の光拡散の開始点と
が近接することになり、フォーカス特性はさらに良好な
ものとなる。
【0088】さらに、透過型スクリーンの最も画像観視
側に、半透明に着色された光吸収シートを配置する構成
とする場合には、画像発生源側から画像観視側に至る投
写画像光は、光吸収シートを1回だけ透過するため、光
量が光吸収シートの透過率に比例して減衰するのに対
し、照明光などの外光が透過型スクリーンで反射されて
画像観視側に至るときは、光吸収シートの最も画像観視
側の光出射面で反射される光を除き、その外光の大部分
は光吸収シートを少なくとも1往復通るため、光量が光
吸収シートの透過率の2乗に比例して減衰する。したが
って、投写光より外光の方が損失光の比率が大きくな
り、照明光などの外光があるときのコントラストが向上
する。
【0089】なお、光吸収シートを配置しない場合に
は、第二のレンチキュラーレンズシートを半透明に着色
した構成としてもよく、この場合にも、光吸収シートを
配置した場合と同様に、照明光などの外光があるときの
コントラストが向上する。
【0090】また、第一のレンチキュラーレンズシート
の光入射面または光出射面に設けられた横長レンチキュ
ラーレンズの形状を最適化し、光出射面におけるスクリ
ーン画面垂直方向の輝度分布について、相対輝度の低い
部分と高い部分との輝度差を小さくするようにした場合
には、フレネルレンズ、横長レンチキュラーレンズ、縦
長レンチキュラーレンズにより発生するモアレを低減す
ることができる。
【0091】
【実施例】以下、本発明の第一の実施例を図1ないし図
61により説明する。
【0092】図1は本発明の第一の実施例としての透過
型スクリーンの要部を示す斜視図である。
【0093】図1において、1は透過型スクリーンであ
り、本実施例では、フレネルレンズシート10、第一の
レンチキュラーレンズシート20、第二のレンチキュラ
ーレンズシート30の3枚構成である。フレネルレンズ
シート10、第一のレンチキュラーレンズシート20、
第二のレンチキュラーレンズシート30はそれぞれ端部
(図示せず)で相互に固定されている。10B、20
B、30Bはそれぞれフレネルレンズシート10、第一
のレンチキュラーレンズシート20、第二のレンチキュ
ラーレンズシート30の基材であり、いずれもほぼ透明
な熱可塑性樹脂材料よりなる。
【0094】フレネルレンズシート10は、光入射面1
1の形状が平面をなし、光出射面12の形状がフレネル
凸レンズ形状をなしている。
【0095】第一のレンチキュラーレンズシート20
は、光入射面21の形状がスクリーン画面水平方向を長
手方向とする横長レンチキュラーレンズをスクリーン画
面垂直方向に連続して複数配列した形状をなし、光出射
面22の形状が平面をなしている。
【0096】第二のレンチキュラーレンズシート30
は、その光入射面31の形状がスクリーン画面垂直方向
を長手方向とする第一の縦長レンチキュラーレンズをス
クリーン画面水平方向に連続して多数配列した形状をな
し、またその光出射面32の形状が、スクリーン画面垂
直方向を長手方向とする第二の縦長レンチキュラーレン
ズを光入射面31の第一の縦長レンチキュラーレンズに
ほぼ対向してスクリーン画面水平方向に連続して複数並
べた形状をなしている。さらに第二の縦長レンチキュラ
ーレンズ相互間の境界部分には、凸形突起部32Pが設
けられ、その上に有限幅の光吸収帯33が設けられてい
る。
【0097】本実施例が、図106、もしくは図107
に示した従来の透過型スクリーンと相違する点は、図1
に示すように、フレネルレンズシート10の光入射面1
1が平面になった点と、シート厚さの薄い第一のレンチ
キュラーレンズシート20が新たに構成要素として加わ
った点と、第二のレンチキュラーレンズシート30の光
入射面31の第一の縦長レンチキュラーレンズと光出射
面32の第二の縦長レンチキュラーレンズの形状がいず
れも従来の透過型スクリーンにおけるレンチキュラーレ
ンズシート30′の縦長レンチキュラーレンズの形状と
は異なる新しい形状になった点と、第二のレンチキュラ
ーレンズシート30の基材30Bの中に微粒子として光
拡散材6が分散されていない点の4点である。
【0098】次に、図1に示した透過型スクリーン1を
構成するフレネルレンズシート10、第一のレンチキュ
ラーレンズシート20、第二のレンチキュラーレンズシ
ート30について、まずフレネルレンズシート10から
詳細に説明する。
【0099】フレネルレンズシート10の光出射面12
に設けられているフレネル凸レンズは、従来の透過型ス
クリーンのフレネルレンズシートの場合と同様に、光入
射面11全体に入射する赤、緑、青の投写画像光の光束
を、それぞれの色ごとにほぼ平行な光束に変換し、第一
のレンチキュラーレンズシート20に入射させる機能を
有している。
【0100】図2は図1の透過型スクリーン1を備えた
背面投写型画像ディスプレイ装置の要部を示す断面図で
あり、また、図3は図2の背面投写型画像ディスプレイ
装置の投写光学系を水平面上に展開したときの概略展開
図である。
【0101】図2及び図3において、1は透過型スクリ
ーン、7R、7G、7Bはそれぞれ赤、緑、青の投写型
ブラウン管、8R、8G、8Bはそれぞれ投写型ブラウ
ン管7R、7G、7B用の投写レンズ、9Gは投写型ブ
ラウン管7Gと投写レンズ8Gを結合する結合器、10
0R、100G、100Bはそれぞれ赤、緑、青の投写
光束である。110は投写光束100R、100G、1
00Bを折り返すための反射鏡であり、図3ではこの反
射鏡110を省略した展開図となっている。また、12
0は筐体、130R、130G、130Bはそれぞれ投
写レンズ8R、8G、8Bの光軸であり、透過型スクリ
ーン1の中心付近の一点S0において、光軸集中角θで
交わっている。
【0102】図2及び図3において、投写光束100
R、100G、100Bは広がりながら透過型スクリー
ン1に入射している。これに伴い、透過型スクリーン1
上の画像の各画素においては、特定の1色、たとえば赤
の光線について見ると、各画素の主光線は平行ではな
く、透過型スクリーン1の中心画素の主光線に対し互い
に遠ざかる方向で透過型スクリーン1に入射する。この
とき、透過型スクリーン1上の各画素については、それ
ぞれの画素の主光線の方向が最も光の強度が強い方向と
なるため、一定位置にいる観視者にとっては、画像の一
部分のみ明るく、その周囲は非常に暗く見えることにな
る。
【0103】これに対し、透過型スクリーン1におい
て、フレネルレンズシート10は、光入射面11全体に
入射する画像光の光束が、赤、緑、青の色ごとにほぼ平
行光束となるように、光出射面12のフレネル凸レンズ
により変換し、第一のレンチキュラーレンズシート20
に入射させる機能を有しており、透過型スクリーン1上
の画面の明るさの分布を改善できる効果がある。
【0104】ただし、このとき、前述のように、図3に
おいて、緑の光軸130Gは、赤の光軸130R、青の
光軸130Bと光軸集中角θで交わっている。これに伴
い、透過型スクリーン1上の各画素においては、赤、
緑、青の各主光線は互いに異なる角度でフレネルレンズ
シート10に入射し、異なる角度でフレネルレンズシー
ト10から出射する。このため、赤、緑、青の光線の第
一のレンチキュラーレンズシート20への入射角も互い
に異なる角度となる。
【0105】赤、緑、青の各色の投写光束が第二のレン
チキュラーレンズシート30によりスクリーン画面水平
方向に拡散されるとき、各画素ごとに各色の主光線の方
向が最も明るい方向となるため、観視者が画像を見る水
平方向の位置によって、赤、緑、青の3原色の色のバラ
ンスが変化し、画像の色が変化して見える。この現象は
「カラーシフト」と呼ばれている。
【0106】次に、第一のレンチキュラーレンズシート
20について説明する。
【0107】第一のレンチキュラーレンズシート20の
光入射面21に設けられている横長レンチキュラーレン
ズは、従来の透過型スクリーンのフレネルレンズシート
の光入射面の横長レンチキュラーレンズと同様に、入射
光束140をスクリーン画面垂直方向に拡散する機能を
有している。
【0108】図4は図1の透過型スクリーン1の垂直断
面を示す断面図である。
【0109】図4において、140は入射光束である。
その他、図1と同一部分には同一符号を付し、その説明
を省略する。
【0110】図4に示すように、入射光束140は、光
入射面21の横長レンチキュラーレンズから入射すると
き、同じ走査線、または同じ画素であっても、光入射面
21への入射位置の違いにより入射角が違ってくるた
め、異なる角度に屈折し、スクリーン画面垂直方向に拡
散される。このとき、この横長レンチキュラーレンズの
曲率半径を小さくすれば、入射光束140の入射角が全
体的に大きくなり、光はより広い角度範囲に拡散してス
クリーン画面垂直方向の指向特性が広がり、垂直視野角
が増加する。
【0111】ここで、横長レンチキュラーレンズのピッ
チは、投写画像の走査線のピッチ、または画素のピッチ
より小さくなるよう構成する必要があり、さらには、投
写画像の走査線のピッチとのモアレ、及び、画面上部と
下部におけるフレネルレンズシート10のフレネル凸レ
ンズの輪帯のピッチとのモアレを考慮して決める必要が
ある。
【0112】このうち、走査線のピッチと横長レンチキ
ュラーレンズのピッチによるモアレについて特に注意を
要するが、横長レンチキュラーレンズのピッチを、第一
の縦長レンチキュラーレンズのスクリーン画面水平方向
のピッチより十分小さくし、さらに走査線のピッチより
も十分小さくするとともに、走査線のピッチと横長レン
チキュラーレンズのピッチが簡単な整数比にならないよ
うに設計すれば、モアレの強度は実用上問題とはならな
い水準となる。
【0113】たとえば、画面サイズが水平方向800m
m、垂直方向600mm、透過型スクリーンのスクリー
ン画面水平方向のピッチが0.78mmのとき、その画
面に450本の水平方向走査線が表示されるものとする
と、走査線のピッチは1.33mmであるが、フレネル
凸レンズの輪帯のピッチを0.105mm、横長レンチ
キュラーレンズのピッチを0.091mm程度に選べ
ば、モアレは非常に目立ちにくくなる。
【0114】なお、図106、図107の従来の透過型
スクリーンにおいては、主としてレンチキュラーレンズ
シート30′の基材30B′中に微粒子として分散され
ている光拡散材6によって、投写画像光は、スクリーン
画面垂直方向に拡散され、裾を引いた指向特性となって
いた。
【0115】これに対し、本実施例における第二のレン
チキュラーレンズシート30の基材30Bの中には、前
述のように、微粒子として光拡散材6が分散されていな
いため、横長レンチキュラーレンズの形状を、従来技術
による透過型スクリーンのように単純な円柱状や楕円柱
状にすると、スクリーン画面垂直方向の指向特性におい
て、裾を引かずカットオフを生じ、この結果、ある角度
範囲を超えると、投写画像光がなくなり、観視者には画
像が見えなくなってしまう。このため、本実施例におい
ては、横長レンチキュラーレンズの形状を、光拡散材6
がなくても裾を引くような指向特性が得られるような非
球面形状に設計するのが好ましい。このとき、裾を引く
ような指向特性により、第一のレンチキュラーレンズシ
ート20の単体をある一方向から見たときの、横長レン
チキュラーレンズ列による明るさの明暗差が、視覚的に
緩和されることから、上記のモアレはさらに目立ちにく
くなる。
【0116】さて、この第一のレンチキュラーレンズシ
ート20の光入射面21の横長レンチキュラーレンズ
は、図107に示した従来の透過型スクリーン1におけ
るフレネルレンズシート10の光入射面11に設けられ
た横長レンチキュラーレンズに代わるものである。従来
の透過型スクリーン1においては、スクリーン画面垂直
方向の指向特性を拡大するために、レンチキュラーレン
ズシート30′の基材30B′内の光拡散材を増量した
り、フレネルレンズシート10の横長レンチキュラーレ
ンズの曲率半径を小さくすると、前述のようにフォーカ
ス特性が低下した。
【0117】これに対し、本実施例において、スクリー
ン画面垂直方向の指向特性を拡大するために、横長レン
チキュラーレンズの曲率半径を小さくしても、フォーカ
ス特性は低下することがない。
【0118】これは、第一のレンチキュラーレンズシー
ト20のシート厚さを、フレネルレンズシート10、第
二のレンチキュラーレンズシート30のシート厚さより
薄くし、第一のレンチキュラーレンズシート20の光入
射面21の横長レンチキュラーレンズと、第二のレンチ
キュラーレンズシート30光入射面31の縦長レンチキ
ュラーレンズとを、相互に近接するように配置している
ことによっている。すなわち、本実施例では、入射光束
140のスクリーン画面水平方向の光拡散の開始点とス
クリーン画面垂直方向の光拡散の開始点とを近接させて
いるので、フォーカス特性が低下することがない。
【0119】具体的には、図4に示すように、入射光束
140は、フレネルレンズシート10を通過したのち、
第一のレンチキュラーレンズシート20の光入射面21
の横長レンチキュラーレンズの形状により屈折し、焦点
0で一旦集束し、そのまままた発散してスクリーン画
面垂直方向に拡散された後は、スクリーン画面垂直方向
には拡散されることがない。また、この光束は、第一の
レンチキュラーレンズシート20の光出射面22から出
射後、ただちに第二のレンチキュラーレンズシート30
の光入射面31の縦長レンチキュラーレンズにおいてス
クリーン画面水平方向に拡散されるので、画像観視側か
ら見たときの入射光束140に対する出射光束のスクリ
ーン画面垂直方向の光束の幅dは、概ねフレネルレンズ
シート10の光出射面12上に現れる光束の幅で認識さ
れ、図117に示した従来の透過型スクリーンによる光
束の幅dより小さくなり、画像がぼやけることがない。
【0120】図5は、第一のレンチキュラーレンズシー
ト20のシート厚さを、上記のようにフレネルレンズシ
ート10、第二のレンチキュラーレンズシート30のシ
ート厚さより薄くした場合(光出射面22を実線で示
す)と、図107に示した従来の透過型スクリーンのフ
レネルレンズシート10のシート厚さと同程度に厚くし
た場合(光出射面22を一点鎖線で示す)とについて、
スクリーン画面垂直方向の断面を比較して示す拡大断面
図である。
【0121】図5に示すように、第一のレンチキュラー
レンズシート20の光入射面21に入射した光束は、光
入射面21の横長レンチキュラーレンズの形状によって
第一のレンチキュラーレンズシート20内の焦点f0
一旦集束し、その後、発散して光出射面22に至る。
【0122】第一のレンチキュラーレンズシート20の
シート厚さが厚いとき(光出射面22が一点鎖線の位置
にあり、シート厚さがt1のとき)は、光入射面21に
おける光束の幅d0と光出射面22における光束の幅d2
とを比べると、光出射面22における光束の幅d2の方
が大きくなる。このため、光拡散材6をなくしても、第
一のレンチキュラーレンズシート20の光出射面22に
おける走査線幅あるいは画素サイズが大きくなり、結果
としてフォーカス特性が劣化することになる。スクリー
ン画面垂直方向の指向特性を拡大するために、光入射面
21の横長レンチキュラーレンズの曲率半径を小さくす
ると、光出射面22における光束の幅d2がさらに大き
くなるため、フォーカス特性はさらに劣化する。
【0123】一方、第一のレンチキュラーレンズシート
20のシート厚さを、上記のようにフレネルレンズシー
ト10、第二のレンチキュラーレンズシート30のシー
ト厚さより薄くしたとき(光出射面22が実線の位置に
あり、シート厚さがt0のとき)は、光出射面22にお
ける光束の幅d1は、シート厚さがt1のときの光出射面
22における光束の幅d2に比べ小さくなり、光入射面
21における光束の幅d0とほぼ同等となる。このと
き、第一のレンチキュラーレンズシート20の光出射面
22における走査線幅あるいは画素サイズも小さくな
り、第二のレンチキュラーレンズシート30におけるス
クリーン画面水平方向の光拡散の開始点におけるスクリ
ーン画面垂直方向の光束の幅が小さくなり、フォーカス
特性が良好になる。しかも、後述のように、第一のレン
チキュラーレンズシート20の垂直指向特性が図30に
示すように裾広がりの特性となるときは、フォーカス特
性の劣化は認識されにくい。
【0124】なお、本実施例においては、第一のシレン
チキュラーレンズート20は、そのシート厚さがフレネ
ルレンズシート10、第二のレンチキュラーレンズシー
ト30のシート厚さより薄いことから、単体では機械的
強度が弱くなるが、フレネルレンズシート10及び第二
のレンチキュラーレンズシート30のシート厚さを十分
にとり、フレネルレンズシート10及び第二のレンチキ
ュラーレンズシート30により第一のレンチキュラーレ
ンズシート20を挾み込んで保持する構成とすることに
より、または、フレネルレンズシート10及び第二のレ
ンチキュラーレンズシート30の曲げ剛性を第一のレン
チキュラーレンズシート20の曲げ剛性より十分に大き
くすることにより、実用上問題とはならない。
【0125】ただし、このようにした場合でも、透過型
スクリーン1を背面投写型画像ディスプレイ装置に実装
したときに、各シート間に浮きを生じて密着しない可能
性がある。そこで、この浮きを防止するために、あらか
じめ、フレネルレンズシート10または第二のレンチキ
ュラーレンズシート30、もしくはこの両者に対し、画
面周辺部よりも画面中心付近で相互により近接するよう
な反りを付与し、その上で背面投写型画像ディスプレイ
装置に取り付けたり、あるいは、各シートに面内張力を
生じるように周囲に引張力を印加した状態で背面投写型
画像ディスプレイ装置に取り付けたりするなどの方法を
とることが好ましい。
【0126】次に、第二のレンチキュラーレンズシート
30について説明する。
【0127】図1において、第二のレンチキュラーレン
ズシート30の光入射面31に設けられている第一の縦
長レンチキュラーレンズは、フレネルレンズシート10
から出射した投写画像光の光束を、各画素ごとにスクリ
ーン画面水平方向に拡散させ、画像観視側に出射させる
機能を有している。
【0128】前述の特開昭58−59436号公報に記
載されている従来の透過型スクリーンのレンチキュラー
レンズシートでは、第一の縦長レンチキュラーレンズ
は、楕円柱面の一部を連続して複数配置した形状であっ
た。その楕円は、レンチキュラーレンズシート30′の
厚さ方向を長軸方向とし、楕円の2焦点のうち1焦点が
基材30B′の内部に位置し、他の1焦点が光出射面3
2′付近に位置するように構成されていた。また、楕円
の離心率eは、基材30B′の屈折率nのほぼ逆数とな
るように選ばれていた。
【0129】図106、図107の従来の透過型スクリ
ーン1のレンチキュラーレンズシート30′において
は、前述のように、投写画像光は、スクリーン画面水平
方向には、光入射面31の縦長レンチキュラーレンズに
より拡散されるほか、このレンチキュラーレンズシート
30′の基材30B′中に微粒子として分散されている
光拡散材6によっても、わずかながらさらに拡散され、
裾を引いた指向特性となっていた。
【0130】これに対し、本実施例における第二のレン
チキュラーレンズシート30の基材30Bの中には、前
述のように、微粒子として光拡散材6が分散されていな
いため、第一の縦長レンチキュラーレンズの形状を従来
のレンチキュラーレンズシート30′の場合と同じにす
ると、スクリーン画面水平方向の指向特性において、裾
を引かずカットオフを生じ、この結果、ある角度範囲を
超えると、投写画像光がなくなり、観視者には画像が見
えなくなってしまう。このため、本実施例においては、
第一の縦長レンチキュラーレンズの形状を、光拡散材6
がなくても裾を引くような広い指向特性が得られる形状
に設計しておく必要がある。
【0131】一方、第二のレンチキュラーレンズシート
30の光出射面32に設けられている第二の縦長レンチ
キュラーレンズは、第一の縦長レンチキュラーレンズの
形状とほぼ対称な形状の面となっている。この第二の縦
長レンチキュラーレンズは、赤、緑、青の入射光束に対
し、これらの各色の出射光束の指向特性を相互にほぼ平
行にする機能を有しており、前述のカラーシフトを大幅
に低減することができる効果がある。
【0132】また、本実施例においては、後述のよう
に、第一の縦長レンチキュラーレンズ形状は、第二のレ
ンチキュラーレンズシート30への入射光束が、光出射
面32においては第二の縦長レンチキュラーレンズの中
央付近のみを通り両側の隣接する縦長レンチキュラーレ
ンズ面との境界部付近を通らないような形状に設計され
る。そして、その境界部付近には有限幅の凸形突起部3
2Pを設け、その上には光吸収帯33を設けている。
【0133】この光吸収帯33は、照明光などの外光が
入射した場合、その外光の一部を反射せず吸収する機能
を有しており、照明光などの外光があるときの画像のコ
ントラストを向上させる効果がある。
【0134】一方、本実施例においては、前述のよう
に、第一のレンチキュラーレンズシート20の光入射面
21に設けられた横長レンチキュラーレンズによって、
スクリーン画面垂直方向の指向特性を十分広げることが
できるので、第二のレンチキュラーレンズシート30の
基材30Bの中には、従来の透過型スクリーンのレンチ
キュラーレンズシート30′の場合と異なって、微粒子
として光拡散材6が分散されていない。
【0135】したがって、前述のように、フレネルレン
ズシート10に入射した入射光束140は、第一のレン
チキュラーレンズシート20の光入射面21の横長レン
チキュラーレンズの形状により屈折してスクリーン画面
垂直方向に拡散されたのち、第二のレンチキュラーレン
ズシート30を透過する際に光拡散材によってスクリー
ン画面垂直方向に拡散されることがないので、画像がぼ
やけることがなく、良好なフォーカス特性が得られる。
【0136】また、第二のレンチキュラーレンズシート
30の光入射面31への入射光線が光出射面32に至る
前に光拡散材6により散乱されて迷光を生じたりするこ
とがないので、従来の透過型スクリーンに比較して画像
の明るさ、及びコントラストが向上する。さらに、光出
射面32に入射した外光が光拡散材6により散乱された
りすることもないので、従来の透過型スクリーンに比較
して飛躍的に画像のコントラストが向上する効果があ
る。
【0137】次に、本実施例における、第一のレンチキ
ュラーレンズシート20の横長レンチキュラーレンズ
と、第二のレンチキュラーレンズシート30の縦長レン
チキュラーレンズの設計例について、より具体的に以下
に説明する。
【0138】図6は、各レンチキュラーレンズの非球面
形状を定義するための座標系を示す。レンズの光軸方向
をZ軸とし、光束の進む方向を正(+)の方向とする。
Z軸に垂直な半径方向の軸をR軸とし、Z軸からの径方
向距離をrとする。このとき、レンズの面形状(以下、
サグ量という)Z(r)を数2で定義する。
【0139】
【数2】
【0140】数2において、r、Z(r)は単位mmで
表すものとする。また、RDは曲率半径を表し、CC、
AE、AF、AG、AHは非球面係数である。数2では
rの10次の項までしか示していないが、これに限定さ
れるわけではなく、数3に示すように、12次以上の偶
数次の項についても同様に設定してもよい。
【0141】
【数3】
【0142】ただし、nは任意の自然数、Anは2n次
の項の非球面係数である。
【0143】ここで、R軸方向のレンチキュラーレンズ
の最大有効半径をrMAXとし、レンチキュラーレンズの
相対半径ρを、数4により定義する。
【0144】
【数4】
【0145】さて、最初に、第二のレンチキュラーレン
ズシート30の縦長レンチキュラーレンズの設計例につ
いて説明する。
【0146】まず、水平観視角αの拡大のための技術手
段を図7と図8を用いて説明する。
【0147】図7は、図1における第二のレンチキュラ
ーレンズシート30の水平方向断面図、図8は従来技術
による一般的なレンチキュラーレンズシート30′の水
平方向断面図である。
【0148】図8に示すように、光入射面31′の第一
の縦長レンチキュラーレンズの形状が球面形状である場
合、入射光束140(映像光線)のうち、光軸l、l′
付近を通過する光線(図中h0で高さを示す)と、光軸
l、l′から離れた場所を通過する光線(図中h2で高
さを示す)と、では光入射面31′での屈折力が異な
り、光出射面32′付近での結像位置が異なる。すなわ
ち、光軸l、l′から離れた場所を通過する光線による
結像位置の方が、光軸l、l′付近を通過する光線によ
る結像位置より光入射面31′に近づく。
【0149】これを一般には縦球面収差と呼ぶ。そこ
で、前述のような、光軸l、l′から離れた場所を通過
する光線による結像位置の方が、光軸l、l′付近を通
過する光線による結像位置より光入射面31′に近づく
場合を、以下「正の縦球面収差」と呼び、その逆に、光
軸l、l′付近を通過する光線による結像位置の方が、
光軸l、l′から離れた場所を通過する光線による結像
位置より光入射面31′に近づく場合を、以下「負の縦
球面収差」と呼ぶこととする。
【0150】さて、本実施例においては、光入射面31
の形状は、図8に示したような球面形状ではなく、図7
に示すような形状となっている。すなわち、光軸l、
l′付近を通過する光線による結像位置の方が、光軸
l、l′から離れた場所を通過する光線による結像位置
より光入射面31に近づき(つまり、負の縦球面収
差)、かつ、光軸l、l′付近を通過する光線による結
像位置が光出射面32の近傍となるようなレンズ形状で
ある。さらに、光出射面32の形状が画像観視側に凸の
形状となっている。
【0151】光入射面31、光出射面32の形状をこの
ような形状にすると、光軸l、l′から離れた場所を通
過する光線は、光出射面32に臨界角に近い角度で入射
するため、映像光線は光出射面32において大きく屈折
する。このため、従来技術のレンチキュラーレンズシー
ト30′に比べて水平観視角αを大幅に拡大できる。
【0152】次に、カラーシフトの低減のための技術手
段を図9を用いて説明する。
【0153】前述のように、赤または、青色映像光は、
図9に示すように第二のレンチキュラーレンズシート3
0の光入射面31に入射光束140として斜め方向から
入射する。したがって、カラーシフト低減のためには、
この入射光束140のほぼ中心に位置する映像光線Aが
光出射面32で屈折した後、光軸l、l′にほぼ平行と
なるようにする必要がある。
【0154】そこで、本実施例では、光入射面31、光
出射面32の形状を、入射光束140のほぼ中心に位置
する映像光線Aが光出射面32で屈折後、光軸l、l′
にほぼ平行に出射されるようなレンズ形状としている。
【0155】さて、表1に、水平観視角αの拡大とカラ
ーシフトの低減を図った光入射面31、光出射面32の
レンズ形状の第一の設計例について、数2における曲率
半径と非球面係数、面間隔、屈折率、有効半径を示す。
【0156】
【表1】
【0157】表1において、光入射面31(表中ではS
0で表示)の曲率半径が0.28845mmであり、光
入射面31から光出射面32(表中ではS1で表示)ま
での光軸l、l′上の距離(面間隔)が0.88mm、
その間の媒質の屈折率が1.493であることが示され
ている。
【0158】曲率半径の符号が正(+)の場合は、その
レンズ面の曲率中心が、レンズ面より、光入射面から光
出射面に向かう方向に位置することを示す。
【0159】図10は表1のレンズ形状のデータに対応
した第二のレンチキュラーレンズシート30の水平指向
特性を示す特性図であり、図11は同じく表1のレンズ
形状のデータに対応した第二のレンチキュラーレンズシ
ート30の赤または青色映像光についての水平指向特性
を示す特性図である。
【0160】図10に示すように、水平観視角αは±6
7度で従来技術の透過型スクリーンに比べ大幅に拡大し
た。また、画面正面方向の輝度に対し、輝度が50%と
なる方向は、画面正面方向から±42度の方向であり、
実用上十分な性能を得ている。さらにカラーシフトにつ
いても、図11に示すように、従来技術の透過型スクリ
ーンに比べ半減した。
【0161】図12は第二のレンチキュラーレンズシー
ト30の光入射面の形状に関するレンズ作用の変化につ
いて、表1のレンズ形状のデータに対応したスクリーン
と従来技術のスクリーンとで比較して示した特性図であ
る。
【0162】図12において、縦軸は第一の縦長レンチ
キュラーレンズの形状を規定する数2のZ(r)の2次
微分であり、横軸はレンズ有効半径P/2を基準(1)
とする半径方向距離の相対値(相対半径)である。そし
て、実線1は従来技術のスクリーンの特性を、破線2は
表1のレンズ形状のデータに対応したスクリーンの特性
を、それぞれ示している。
【0163】この2次微分の値の増減を見ることによ
り、レンズの半径方向の各位置によるレンズ作用の変化
がわかる。すなわち、本実施例の光入射面のレンズ形状
(映像光源側に凸)は、破線2で示すように、この2次
微分値が光軸l、l′から離れるに従い負となる。この
ため、レンズ作用が弱まる形状となっている。一方、従
来技術の光入射面のレンズ形状(映像光源側に凸)は、
実線1に示すように、この2次微分値が光軸l、l′か
ら離れるに従い正となる。このため、レンズ作用が強ま
る形状となっている。
【0164】図13は第二のレンチキュラーレンズシー
ト30の光出射面の形状に関するレンズ作用の変化につ
いて、表1のレンズ形状のデータに対応したスクリーン
と従来技術のスクリーンとで比較して示した特性図であ
る。
【0165】図13において、縦軸は第二の縦長レンチ
キュラーレンズの形状を規定する数2のZ(r)の2次
微分であり、横軸はレンズ有効半径P/2を基準(1)
とした半径方向距離の相対値(相対半径)である。そし
て、実線1は従来技術のスクリーンの特性を、破線2は
表1のレンズ形状のデータに対応したスクリーンの特性
を、それぞれ示している。
【0166】本実施例の光出射面のレンズ形状(観視側
に凸)は、破線2で示すように、2次微分値が光軸l、
l′から離れるに従い正となる。このため、レンズ作用
(集光作用)が弱まる形状となっている。一方、従来技
術の光出射面のレンズ形状(観視側に凸)は、実線1に
示すように、この2次微分値が光軸l、l′から離れる
場所においても負の一定値となっている。このため、レ
ンズ作用(集光作用)が変化しない形状となっている。
【0167】表2に、水平観視角αの拡大とカラーシフ
トの低減を図った光入射面31、光出射面32のレンズ
形状の第二の設計例について、数2における曲率半径と
非球面係数、面間隔、屈折率、有効半径を示す。
【0168】
【表2】
【0169】また、図14は表2のレンズ形状のデータ
に対応した第二のレンチキュラーレンズシート30の水
平指向特性を示す特性図であり、図15は同じく表2の
レンズ形状のデータに対応した第二のレンチキュラーレ
ンズシート30の赤または青色映像光についての水平指
向特性を示す特性図である。
【0170】図14、図15に示すように、この第二の
設計例によっても、従来技術の透過型スクリーンと同等
以下のカラーシフトで、水平観視範囲を±68度と従来
技術の透過型スクリーンに比べ大幅に拡大できる。
【0171】第二のレンチキュラーレンズシート30の
光入射面31と光出射面32のレンズ形状の第三の設計
例を、表3に示す。
【0172】
【表3】
【0173】図16は、表3の設計例による第二のレン
チキュラーレンズシート30に、緑色の平行光束が入射
した場合の光線追跡図である。表3の設計例では、カッ
トオフを無くすため、図16に示すように、光入射面3
1の第一の縦長レンチキュラーレンズの、相対半径1.
0に近い部分(光軸から離れた部分)の曲率を小さく
し、入射する平行光束の周辺部分の光を拡散させてい
る。
【0174】図17は、表3のレンズ形状のデータに対
応した第二のレンチキュラーレンズシート30の、赤、
緑、青の各色の映像光についての水平指向特性を示す特
性図である。
【0175】なお、図17では、光線集中角を10°と
している。
【0176】図17に示すように、光入射面31の第一
の縦長レンチキュラーレンズの水平方向断面形状を高次
の非球面とすることによって、従来技術によって断面形
状を楕円とした場合に比べ、設計上は大幅にカラーシフ
トを低減できる。例えば、観視角度30°でのカラーシ
フトは1.1dBである。また、この指向特性にはカッ
トオフによる急激な輝度の低下がない点でも、水平方向
断面形状を楕円とした場合より優れているという効果が
ある。
【0177】さて、上記の各設計例による第二のレンチ
キュラーレンズシート30は、1000本以上の微細な
縦長レンチキュラーレンズを樹脂の押出し成形法によっ
て形成することになる。例えば、透過型スクリーンの画
面サイズがスクリーン画面水平方向に800mmであ
り、1つの縦長レンチキュラーレンズのピッチが0.7
3mmであるとき、1枚の第二のレンチキュラーレンズ
シート30の光入射面31及び光出射面32に、それぞ
れ約1200本の縦長レンチキュラーレンズを形成する
ことになる。そのため、上記の各設計例について所期の
性能を得るためには、個々の縦長レンチキュラーレンズ
の断面形状において、ロール金型の加工条件や成形条件
などによって生じる形状のばらつきを抑えるよう、高精
度な成形をする必要がある。
【0178】断面形状の誤差による指向特性の劣化につ
いて、表3に示した上記の第三の設計例を例にとって以
下に説明する。
【0179】図18に、表3に示した第三の設計例に基
づき、第二のレンチキュラーレンズシート30を実際に
試作し、図1に示すような構成の透過型スクリーンとし
て、赤、緑、青の各色の映像光についての水平指向特性
を測定した結果を示す。なお、図18の水平指向特性
は、集中角を10°としている。
【0180】図18に示すように、第二のレンチキュラ
ーレンズシート30を実際に試作した場合、その指向特
性は、カラーシフトが観視角度30°で2.1dBにな
り、図17に示した計算値の倍近くになっている。さら
に、赤色光の観視角度−32°の位置と、青色光の観視
角度43°の位置に、観視輝度が急激に高くなる特異点
(以下、観視輝度の特異点という)が生じており、画面
に赤色と青色の縦の縞が発生してしまい、実用上問題の
あるものとなった。
【0181】図19に、試作した第二のレンチキュラー
レンズシート30の光入射面31の第一の縦長レンチキ
ュラーレンズの水平方向断面形状の測定形状(31M)
を、設計形状(31D)と比較して示す。
【0182】図19に示すように、試作した第二のレン
チキュラーレンズシート30の水平方向断面形状は、設
計値に対して、歪(形状誤差)が発生している。例え
ば、光入射面31の第一の縦長レンチキュラーレンズの
相対半径rが1.0の位置では、設計値のサグ量は約
0.28mmであり、測定値のサグ量も設計値のサグ量
とほとんど同じになっているが、相対半径rが0.7近
辺の位置では、測定値のサグ量が設計値のサグ量に対し
て小さくなり、縦長レンチキュラーレンズの水平方向断
面形状はふくらんだ形状となっている。
【0183】図20は、光入射面31の第一の縦長レン
チキュラーレンズの水平方向断面形状について、設計値
のサグ量を基準としたときの、試作品の測定値のサグ量
の歪の大きさの分布を示す特性図である。試作品の第一
の縦長レンチキュラーレンズの水平方向断面形状の歪
は、相対半径rがほぼ0.7で最大となり、その大きさ
は0.008mmであった。
【0184】このような縦長レンチキュラーレンズの水
平方向断面形状の成形上の歪の問題は、現在の製造技術
では完全には解決されておらず、特に量産時において
は、設計形状に対して、Z軸方向に0.01mm程度の
サグ量の誤差が生じてしまうことがある。しかしなが
ら、製造技術の高精度化によりほぼ設計通りの形状を実
現できるようになれば、前述の各設計例のような設計通
りの特性が得られることになる。
【0185】ここで、光入射面31の第一の縦長レンチ
キュラーレンズの水平方向断面形状に多少の歪が生じて
も、特性の劣化が少ない設計例について説明する。
【0186】指向特性にカットオフがなく、カラーシフ
トが少なく、しかも、縦長レンチキュラーレンズの断面
形状に成形時に歪が生じた場合でも、観視輝度の特異点
の生じることのない透過型スクリーンを設計するため、
本発明者らは、まず、従来のレンチキュラーレンズシー
トの縦長レンチキュラーレンズの断面形状をいくつか測
定し、指向特性との関連を分析した。その結果、光出射
面の縦長レンチキュラーレンズの断面形状の、設計形状
に対する歪は、光出射面の縦長レンチキュラーレンズの
有効幅が小さく、また形状がゆるやかであるため、ほと
んど発生していないことがわかった。
【0187】一方、光入射面の縦長レンチキュラーレン
ズの断面形状については、前述の試作した第二のレンチ
キュラーレンズシート30にて発生した図20に示す歪
と同じ傾向の歪が多く発生していた。
【0188】そこで、第二のレンチキュラーレンズシー
ト30の光入射面31の第一の縦長レンチキュラーレン
ズの断面形状に関して、特に、図20のタイプの歪が発
生した場合に観視輝度の特異点が表れないことを主眼に
し、光入射面31の縦長レンチキュラーレンズの断面形
状の2次微分値に着眼した。ここで、縦長レンチキュラ
ーレンズの断面形状の2次微分値は、縦長レンチキュラ
ーレンズの各相対半径での曲率を近似的に表すもので、
例えば、放物線の2次微分値は相対半径の位置にかかわ
らず一定の値となる。
【0189】図21に、光入射面31の第一の縦長レン
チキュラーレンズの断面形状を図110に示した楕円と
した場合の断面形状の2次微分値と、同じく、レンズの
中心で上記楕円と同じ曲率を持つような放物線とした場
合の断面形状の2次微分値とを比較して示す。また、同
図において、断面形状を上記放物線にした縦長レンチキ
ュラーレンズに、図20に示す歪が発生したと仮定した
場合の断面形状の2次微分値も併せて示す。
【0190】図21に示すように、図20に示す歪が第
一の縦長レンチキュラーレンズの断面形状に発生した場
合、その時の2次微分値は、相対半径ρが0.55〜
0.75の部分で、もとの断面形状の2次微分値より特
に大きくなる。
【0191】ここで、相対半径ρが0.55から0.7
5の部分で、図21に示す楕円にした場合の断面形状の
2次微分値に対して、大きな2次微分値を持つような縦
長レンチキュラーレンズの断面形状の場合は、歪が発生
したときに、その相対半径ρが0.55から0.75の
部分で、その断面形状の曲率が楕円の場合の曲率よりも
きつくなり、入射光束の焦点距離が短くなるため、観視
輝度の急激に大きくなる特異点が発生しやすくなること
がわかった。
【0192】上記の分析結果を踏まえ、本発明では、前
述の関数Z(r)のrについての2次微分関数をZ″
(r)、図110に示した楕円形状の関数G(r)のr
についての2次微分関数をG″(r)とした場合におい
て、2次微分関数Z″(r)に対し、2次微分関数G″
(r)に関する条件を加えることとした。
【0193】ここで、G(r)は、数5で与えられる。
【0194】
【数5】
【0195】ただし、楕円の離心率e、定数aは、屈折
率をN、光入射面と光出射面の面間隔をTとしたとき、
それぞれ数6、数7で与えられる。
【0196】
【数6】e=1/N
【0197】
【数7】a=T/(1+e) さて、2次微分関数Z″(r)に加える条件について述
べる。
【0198】図20のタイプの歪が発生した場合に、Z
(r)の2次微分値が大きくなる相対半径ρが0.55
から0.75の範囲では、2次微分関数Z″(r)に、
2次微分関数G″(r)に対して、数5の条件を新たに
加える。
【0199】
【数8】 0.85G″(r)≦Z″(r)≦1.15G″(r) この条件のもとでレンズ形状の最適化を行ったときは、
歪が発生した場合にも観視輝度の急激に大きくなる特異
点が発生しない。
【0200】即ち、Z″(r)が1.15G″(r)よ
りも大きくなると、縦長レンチキュラーレンズの断面形
状に最大値が0.01mmの歪が発生した場合、赤色光
及び青色光の観視角度のそれぞれ−35°、35°近辺
に、輝度の急激に大きくなる特異点が発生する。
【0201】また、Z″(r)が0.85G″(r)よ
りも小さい場合は、観視角度30°近辺のカラーシフト
が、断面形状を楕円とした縦長レンチキュラーレンズよ
りも大きくなり、高次非球面を使用するメリットが薄れ
てしまう。
【0202】また、上記条件を満たす形状で、従来の断
面形状を楕円とした縦長レンチキュラーレンズの問題の
1つであったカットオフをなくすためには、光出射面の
縦長レンチキュラーレンズに入射する光束を一点にしぼ
り込むのでなく、図16に示すように、入射光束の周辺
部で外側に広げる形にすることが有効である。そこで、
相対半径ρが0.95以上の範囲で、2次微分関数Z″
(r)が2次微分関数G″(r)に対して、数9または
数10で与えられる条件を付加する。
【0203】
【数9】Z″(r)≦0.6G″(r)
【0204】
【数10】Z″(r)≦Z″(0) このいずれかの条件を満たすことによりカットオフがな
くなり、指向特性は観視角度が大きくなってもゆるやか
に低下する。
【0205】以上の条件を満たすように、第一の縦長レ
ンチキュラーレンズの断面形状の最適化を行なうことに
より、カットオフがなく、カラーシフトが少なく、かつ
縦長レンチキュラーレンズの断面形状に歪が発生した場
合にも、観視輝度の特異点のない透過型スクリーンを実
現することができる。
【0206】第二のレンチキュラーレンズシート30の
光入射面31の第一の縦長レンチキュラーレンズとし
て、上記の特徴を有する高次の非球面形状を断面形状と
する縦長レンチキュラーレンズを採用することにより、
第一の縦長レンチキュラーレンズの断面形状に最大0.
01mmの歪が生じた場合でも、観視輝度の特異点が発
生しなくなる効果がある。また、従来の、断面形状を楕
円とした縦長レンチキュラーレンズに比べ、カラーシフ
トの少ない、かつ、カットオフがなく輝度の急激な変化
の少ない指向特性を得ることができる。
【0207】表4に、第二のレンチキュラーレンズシー
ト30の光入射面31と光出射面32のレンズ形状の第
四の設計例を示す。
【0208】
【表4】
【0209】図22は、光入射面31の第一の縦長レン
チキュラーレンズの水平方向断面形状を図110に示し
た楕円とした場合の断面形状の2次微分値と、同じく、
表4の設計例の場合の断面形状の2次微分値とを比較し
て示した特性図である。
【0210】第二のレンチキュラーレンズシート30に
おける光入射面31の第一の縦長レンチキュラーレンズ
の水平方向断面形状として表4の設計例の非球面とする
と、その縦長レンチキュラーレンズの断面形状の2次微
分値は、図22に示すように、次の条件式を満足してい
る。
【0211】すなわち、非球面に関する2次微分関数
Z″(r)が、楕円に関する2次微分関数G″(r)に
対し、(1)相対半径ρが0.55≦ρ≦0.75の位
置では、
【0212】
【数8】 0.85G″(r)≦Z″(r)≦1.15G″(r) なる式を満足し、かつ、(2)相対半径ρrが0.95
≦ρ≦1.0の位置では、
【0213】
【数9】Z″(r)≦0.6G″(r) なる式を満足している。
【0214】図23は、光入射面31の第一の縦長レン
チキュラーレンズの水平方向断面形状を表4の設計例の
非球面とした第二のレンチキュラーレンズシート30を
有する、透過型スクリーンのスクリーン画面水平方向の
光の指向特性の計算値を示す特性図である。なお、同図
では、集中角を10°としている。
【0215】図23に示すように、水平指向特性におい
て、観視角度30°でのカラーシフトは1.0dBにな
り、従来の、断面形状を楕円とした縦長レンチキュラー
レンズよりもカラーシフトが少なく、かつカットオフの
ないものになっている。
【0216】また、図24は、断面形状を表4の設計例
の非球面とした光入射面31の第一の縦長レンチキュラ
ーレンズに、前記の図20に示した歪が発生した場合
の、透過型スクリーンの水平指向特性の計算値を示す特
性図である。
【0217】図23に示すように、第四の設計例におけ
る第二のレンチキュラーレンズシート30によれば、歪
が発生した状態でも、輝度が急激に大きくなる特異点が
存在しない。
【0218】表5に、第二のレンチキュラーレンズシー
ト30の光入射面31と光出射面32のレンズ形状の第
五の設計例を示す。この設計例も、第四の設計例と同様
に、光入射面31の第一の縦長レンチキュラーレンズの
水平方向断面形状に多少の歪が生じても、特性の低下が
少ない設計例となっている。
【0219】
【表5】
【0220】図25は、光入射面31の第一の縦長レン
チキュラーレンズの水平方向断面形状を図110に示し
た楕円とした場合の断面形状の2次微分値と、同じく、
表5の設計例の場合の断面形状の2次微分値とを比較し
て示した特性図である。
【0221】第二のレンチキュラーレンズシート30に
おける光入射面31の第一の縦長レンチキュラーレンズ
の水平方向断面形状として表5の設計例の非球面とする
と、その縦長レンチキュラーレンズの断面形状の2次微
分値は、図25に示すように、次の条件式を満足してい
る。
【0222】すなわち、非球面に関する2次微分関数
Z″(r)が、楕円に関する2次微分関数G″(r)に
対し、(1)相対半径ρが0.55≦ρ≦0.75の位
置では、
【0223】
【数8】 0.85G″(r)≦Z″(r)≦1.15G″(r) なる式を満足し、かつ、(2)相対半径ρが0.95≦
ρ≦1.0の位置では、
【0224】
【数10】Z″(r)≦Z″(0) なる式を満足している。
【0225】図26は、光入射面31の第一の縦長レン
チキュラーレンズの水平方向断面形状を表5の設計例の
非球面とした第二のレンチキュラーレンズシート30を
有する、透過型スクリーンのスクリーン画面水平方向の
光の指向特性の計算値を示す特性図である。なお、同図
では、集中角を10°としている。
【0226】図26に示すように、水平指向特性におい
て、観視角度30°でのカラーシフトは2.0dBにな
り、従来の、断面形状を楕円とした縦長レンチキュラー
レンズと同じレベルのカラーシフトで、かつカットオフ
のないものになっている。
【0227】さらに、観視角度0°から50°にかけて
のカラーシフトが、常に2.1dB以下であり、観視角
度範囲全域においてカラーシフトが小さい特性になって
いる。
【0228】また、図27は、断面形状を表5の設計例
の非球面とした光入射面31の第一の縦長レンチキュラ
ーレンズに、前記の図20に示した歪が発生した場合
の、透過型スクリーンの水平指向特性の計算値を示す特
性図である。
【0229】図27に示すように、第五の設計例におけ
る第二のレンチキュラーレンズシート30によれば、歪
が発生した状態でも、輝度が急激に大きくなる特異点が
存在しない。さらに、観視角度0°から50°にかけて
のカラーシフトが、歪が発生した状態でも、常に2.0
dB以下に収まっている。
【0230】この第五の設計例の第二のレンチキュラー
レンズシート30を用いた透過型スクリーンによれば、
観視角度範囲全域において歪に強くカットオフがなく、
かつカラーシフトの小さい指向特性を得ることができ
る。
【0231】以上に例示した縦長レンチキュラーレンズ
の設計例は、後述の本発明の各実施例における第二のレ
ンチキュラーレンズシート30にも適用できることは言
うまでもない。
【0232】以上で第二のレンチキュラーレンズシート
30の縦長レンチキュラーレンズの設計例についての説
明を終わり、次に第一のレンチキュラーレンズシート2
0の横長レンチキュラーレンズの設計例について説明す
る。
【0233】初めに、垂直観視角βの拡大のための技術
手段を図28を用いて説明する。
【0234】図28は、第一のレンチキュラーレンズシ
ート20の光入射面21の横長レンチキュラーレンズの
レンズ作用による、入射光束140のスクリーン画面垂
直方向への拡散機能を説明するための説明図である。
【0235】ただし、図28は、後述の第八の実施例に
おけるフレネルレンズシート10の断面図となっている
が、横長レンチキュラーレンズのレンズ作用による光束
の拡散については本実施例の場合と全く同じであるの
で、図28を用いて第一のレンチキュラーレンズシート
20の光入射面21の横長レンチキュラーレンズのレン
ズ作用について説明する。
【0236】図28に示すように、入射光束140の各
光線は、光入射面11に設けたレンズ面S0に入射し
て、屈折したのち、それぞれ各焦点(図中ではf1
0)で集光し、その後、発散しながら光出射面12の
レンズ面S1に向かい、入射光束は全体的に拡散される
ことになる。
【0237】よって、このような拡散機能を持たせるた
めに、本実施例においては、光軸l、l′近傍のレンズ
形状(映像光源側に凸)を弱い凸形状とすることによ
り、そのレンズ作用(集光作用)を弱くし、光軸l、
l′から離れるに従い、前記凸形状が強くなる形状とす
ることにより、そのレンズ作用を強くしている。
【0238】すなわち、言い替えれば、光軸l、l′近
傍のレンズ作用による焦点距離l0に比べ、光軸l、
l′から離れた部分のレンズ作用による焦点距離l1
短くしている。
【0239】たとえば、距離l0と距離l1とが、
【0240】
【数11】l0≧2・l1 のような条件を満たすのが好ましい。
【0241】このとき、光入射面11に設けたレンズ面
0での屈折力が光軸l、l′から離れるに従い強くな
り、この部分を通過する拡散光束141は、光軸l、
l′近傍を通過する光束142に比べて、より大きく屈
折し、広い垂直指向特性が実現できる。
【0242】表6は、第一のレンチキュラーレンズシー
ト20の光入射面21の横長レンチキュラーレンズの設
計例について、数2における曲率半径と非球面係数、面
間隔、屈折率、有効半径を示したものである。光出射面
22の曲率半径が∞となっているのは、光出射面22が
平面であることを示している。
【0243】
【表6】
【0244】また、図29は、表6の横長レンチキュラ
ーレンズの設計例の概略の形状を示す垂直方向断面図で
ある。
【0245】ただし、図29は、後述の第八の実施例に
おけるフレネルレンズシート10の断面図となっている
が、横長レンチキュラーレンズのレンズ作用による光束
の拡散については本実施例の場合と全く同じであるの
で、図29を用いて第一のレンチキュラーレンズシート
20の光入射面21の横長レンチキュラーレンズの設計
例の概略の形状について説明する。
【0246】表6において、光入射面21のレンズ面S
0は、図29に示すように、画像表示源側に凸形を成す
凸形レンチキュラーレンズ面であり、その曲率半径が
0.105mmであり、レンズ面S0から光出射面22
のレンズ面S1までの光軸上の距離(面間隔)tが2.
0mmであり、その間の媒質の屈折率が1.570であ
ることが示されている。
【0247】曲率半径の符号が正の場合は、そのレンズ
面の曲率中心が、レンズ面より、光入射面から光出射面
に向かう方向に位置することを示す。
【0248】レンズ面S0の有効半径(P/2)が0.
04mmとなっているのは、レンズ面S0において数2
のZ(r)が、0≦r≦0.04の範囲の径方向距離r
に対して定義されることを示す。
【0249】また、図30は、表6の横長レンチキュラ
ーレンズの設計例によるスクリーン画面垂直方向の指向
特性を示す図である。
【0250】図30に示すように、スクリーン画面垂直
方向には、画面正面方向から上下に±68°まで画像が
観視できる。また、画面正面方向の輝度に対し、輝度が
50%となる方向は、画面正面方向から上下に±10°
の方向であり、実用上充分な性能を得ている。
【0251】図31は第一のレンチキュラーレンズシー
ト20の光入射面21の横長レンチキュラーレンズの形
状に関するレンズ作用の変化について、本実施例の透過
型スクリーンの横長レンチキュラーレンズと従来技術の
透過型スクリーンのフレネルレンズシート10の光入射
面11の横長レンチキュラーレンズとで比較して示した
特性図である。
【0252】図31において、縦軸は横長レンチキュラ
ーレンズの形状を規定する数2のZ(r)の2次微分で
あり、横軸はレンズ有効半径P/2を基準(1)とした
ときの、光軸からの半径方向距離の相対値(相対半径)
である。そして、実線1は従来技術の横長レンチキュラ
ーレンズの特性を、破線2は表6のレンズ形状のデータ
に対応した横長レンチキュラーレンズの特性を、それぞ
れ示している。一点鎖線3については後述する。
【0253】前述のように、この2次微分の値の増減を
見ることによりレンズの半径方向の各位置によるレンズ
作用の変化がわかる。すなわち、本実施例の横長レンチ
キュラーレンズにおいては、破線2で示すように、レン
ズ形状(映像光源側に凸)の2次微分値が光軸l、l′
から離れるに従い、符号が正のまま大きくなる。このた
め、レンズ作用が強まる形状となっている。一方、従来
技術のレンズ形状(映像光源側に凸)は、実線1に示す
ように、この2次微分値が正ではあるが、光軸l、l′
から離れても値が増加しない。このため、レンズ作用が
変化しない形状となっている。
【0254】さて、本発明の透過型スクリーンでは、第
一のレンチキュラーレンズシート20の横長レンチキュ
ラーレンズによるスクリーン画面垂直方向の光拡散の指
向特性が、画面に生ずるモアレの強度を決定する要因の
一つとなる。上記の横長レンチキュラーレンズの設計例
によれば、スクリーン画面垂直方向の指向特性は、モア
レ軽減にとって、非常に良好なものとなる。以下、これ
について説明する。
【0255】第一のレンチキュラーレンズシート20の
横長レンチキュラーレンズによる投写画像光の拡散の状
態は、図29に示したようになっている。
【0256】すなわち、第一のレンチキュラーレンズシ
ート20の光入射面21に入射した光束は、前述のよう
に、光入射面21の横長レンチキュラーレンズの形状に
よって第一のレンチキュラーレンズシート20内の焦点
で一旦集束するが、その後、発散して光出射面22に至
る。このとき、画像発生源の各画素に対応した画像光
は、それぞれ、一定範囲内で拡散される。
【0257】この拡散の範囲は非常に広く、垂直指向特
性としては図30に示したように裾広がりの特性となる
ため、光出射面22におけるスクリーン画面垂直方向の
輝度分布は、それぞれの拡散が加算されることにより、
図121の実線1で示したような分布となる。すなわ
ち、光出射面22におけるスクリーン画面垂直方向にお
いて、相対輝度の低い部分と相対輝度の高い部分とが交
互に並んで、モアレの原因となる明暗線を生じても、そ
の輝度差は非常に小さなものであるため、モアレの強度
も非常に小さくなる。
【0258】このように、本実施例では、明暗線の輝度
差が小さくなることから、モアレを大幅に軽減すること
ができる。
【0259】なお、後述の本発明の他の実施例において
も、横長レンチキュラーレンズの画面垂直方向の断面形
状を本実施例と同様な形状とすることにより、スクリー
ン画面垂直方向の指向特性として広い指向特性の透過型
スクリーンを実現でき、さらに、モアレの軽減につい
て、上記と同様の効果が得られることは言うまでもな
い。
【0260】以上のように、本実施例においては、第二
のレンチキュラーレンズシート30の基材の中の光拡散
材6をなくし、シート厚さの薄い第一のレンチキュラー
レンズシート20を新たに構成要素として加え、フレネ
ルレンズシート10の光入射面11の形状を平面とする
ことにより、画像のフォーカス特性、明るさ、及びコン
トラストをともに向上させるとともに、スクリーン画面
水平方向、及び垂直方向の指向特性を拡大でき、さらに
モアレ、カラーシフトを低減できる効果がある。
【0261】なお、本実施例において、図1に示した第
一のレンチキュラーレンズシート20は、光入射面21
に、横長レンチキュラーレンズを複数配列する構成とな
っているが、横長レンチキュラーレンズを配列する面は
光入射面21に限定されるものではない。以下、これに
ついて説明する。
【0262】図32及び図33は、それぞれ、本実施例
の第一、第二の変形例の透過型スクリーン1の第一のレ
ンチキュラーレンズシート20として、他の構成の第一
のレンチキュラーレンズシート20を用いたときの透過
型スクリーン1の要部を示す斜視図である。
【0263】図32に示す第一の変形例の第一のレンチ
キュラーレンズシート20では、光出射面22に、横長
レンチキュラーレンズを複数配列する構成となってい
る。このような構成としても、図1に示した第一のレン
チキュラーレンズシート20と同様の効果が得られる。
【0264】一方、図33に示す第二の変形例の第一の
レンチキュラーレンズシート20では、光入射面21と
光出射面22の両方に、横長レンチキュラーレンズを複
数配列する構成となっている。このような構成として
も、図1に示した第一のレンチキュラーレンズシート2
0と同様の効果が得られるほか、さらに、光入射面21
と光出射面22の両面に横長レンチキュラーレンズがあ
ることから、スクリーン画面垂直方向の指向特性をより
拡大することができる効果がある。
【0265】また、本実施例において、図1に示した第
一のレンチキュラーレンズシート20の光入射面21に
は、横長レンチキュラーレンズとして、画像発生源側に
凸形をなす凸形レンチキュラーレンズを複数配列してい
るが、横長レンチキュラーレンズの形状はこれに限定さ
れるものではない。以下、これについて説明する。
【0266】図34及び図35は、それぞれ、本実施例
の第三、第四の変形例の透過型スクリーン1の第一のレ
ンチキュラーレンズシート20として、光入射面21
に、横長レンチキュラーレンズとして他の形状の横長レ
ンチキュラーレンズを配列したときの透過型スクリーン
1の要部を示す斜視図である。
【0267】図34に示す第三の変形例では、第一のレ
ンチキュラーレンズシート20の光入射面21に、横長
レンチキュラーレンズとして、画像発生源側に凹形をな
す凹形レンチキュラーレンズを複数配列している。この
ような形状としても、図1に示した形状の横長レンチキ
ュラーレンズと同様の効果が得られる。
【0268】一方、図35に示す第四の変形例では、第
一のレンチキュラーレンズシート20の光入射面21
に、横長レンチキュラーレンズとして、画像発生源側に
凸形をなす凸形レンチキュラーレンズと画像発生源側に
凹形をなす凹形レンチキュラーレンズとを、交互に連続
して複数配列している。
【0269】図36は、図35の透過型スクリーン1の
垂直断面を示す断面図であり、140は入射光束であ
る。
【0270】図36に示すように、フレネルレンズシー
ト10に入射した入射光束140は、第一のレンチキュ
ラーレンズシート20の光入射面21の横長レンチキュ
ラーレンズの形状により屈折してスクリーン画面垂直方
向に拡散された後は、スクリーン画面垂直方向に拡散さ
れることがないため、画像観視側から見たときの入射光
束140に対する出射光束のスクリーン画面垂直方向の
幅dは、前述の図4の透過型スクリーン1の場合と同
様、概ねフレネルレンズシート10の光出射面12に現
れる光束の幅で認識されることになり、良好なフォーカ
ス特性が得られる効果がある。
【0271】図35に示したような形状の横長レンチキ
ュラーレンズでは、上記のフォーカス特性のほかにも、
図1に示した形状の横長レンチキュラーレンズと同様の
効果が得られる。
【0272】このほか、さらに、図35に示したような
形状の横長レンチキュラーレンズでは、スクリーン画面
垂直方向の指向特性を拡大するために横長レンチキュラ
ーレンズの曲率半径を小さくしたときに、隣接するレン
チキュラーレンズ相互間の境界部の形状として、レンズ
面が鋭い交差角で交差することがなく、したがって、製
造時に成形用金型によって成形しようとした場合、横長
レンチキュラーレンズの上記の境界部の形状をほぼ完全
に再現でき、スクリーンの成形性が良好となる効果があ
る。以下、これについて説明する。
【0273】図37は、従来の透過型スクリーンにおけ
るフレネルレンズシート10、及び図1、図35の透過
型スクリーンにおける第一のレンチキュラーレンズシー
ト20の垂直断面を示す概略断面図である。
【0274】図37において、(a)は図107に示し
た従来の透過型スクリーン1のフレネルレンズシート1
0を、(b)は図1に示した第一の実施例の透過型スク
リーン1の第一のレンチキュラーレンズシート20を、
(c)は図35に示す第一の実施例の透過型スクリーン
の第四の変形例の第一のレンチキュラーレンズシート2
0を、それぞれ示している。なお、図37(a)におい
ては、簡単のため、光出射面12のフレネル凸レンズを
省略して示してある。
【0275】従来の透過型スクリーン1のフレネルレン
ズシート10、及び第一の実施例の透過型スクリーン1
の第一のレンチキュラーレンズシート20においては、
それぞれ、図37(a)、(b)に示すように、光入射
面11または光入射面21の横長レンチキュラーレンズ
として画像発生源側に凸形を成す凸形レンチキュラーレ
ンズのみを用い、それらを連続して、複数配列した形状
としている。このうち、従来の透過型スクリーン1で
は、図37(a)に示すように、横長レンチキュラーレ
ンズは曲率半径が大きく平面に近い形状となっている。
一方、第一の実施例の透過型スクリーン1では、図37
(b)に示すように、非球面形状の設計によっては、横
長レンチキュラーレンズは曲率半径が小さくなり、隣接
するレンチキュラーレンズ相互間の境界部の形状とし
て、レンズ面の交差角が鋭くなってしまう。しかも、横
長レンチキュラーレンズのピッチは0.08ないし0.
1mm程度と微細であるため、このような形状となった
横長レンチキュラーレンズを成形用金型によって成形し
ようとすると、その成形用金型における上記の境界部に
対応する部分が、部分的に丸みを帯びたり、くずれを生
じたりしやすくなり、その結果、横長レンチキュラーレ
ンズの上記の境界部の形状が完全には再現されにくくな
り、スクリーンの成形性が悪くなってしまうことがあ
る。
【0276】これに対し、第一の実施例の第四の変形例
の透過型スクリーン1では、図37(c)に示すよう
に、横長レンチキュラーレンズとして画像発生源側に凸
形となる凸形レンチキュラーレンズと凹形を成す凹形レ
ンチキュラーレンズとを用い、その両者を交互に連続し
て複数配列した形状としている。したがって、横長レン
チキュラーレンズの曲率半径を小さくしても、隣接する
レンチキュラーレンズ相互間の境界部の形状として、レ
ンズ面が鋭い交差角で交差することがなく、したがっ
て、成形用金型によって成形しようとした場合、横長レ
ンチキュラーレンズの上記の境界部の形状をほぼ完全に
再現でき、スクリーンの成形性は良好となる効果があ
る。
【0277】しかも、上記の第四の変形例における横長
レンチキュラーレンズの曲率半径を第一の実施例におけ
る横長レンチキュラーレンズの曲率半径とほぼ同様とす
れば、第四の変形例の透過型スクリーン1におけるスク
リーン画面垂直方向の指向特性は、前述の第一の実施例
の場合とほぼ同等となる。
【0278】図38は、従来の透過型スクリーン1、第
一の実施例の透過型スクリーン1、及び第一の実施例の
第四の変形例の透過型スクリーン1のスクリーン画面垂
直方向の指向特性の概略を示す特性図であり、横軸は垂
直観視角、縦軸は相対輝度を示している。
【0279】図38において、Aは、図37(a)に示
す横長レンチキュラーレンズを用いた従来の透過型スク
リーンの指向特性であり、Bは、図37(b)に示す横
長レンチキュラーレンズを用いた第一の実施例の指向特
性及び図37(c)に示す横長レンチキュラーレンズを
用いた上記の第四の変形例の指向特性である。また、A
については、レンチキュラーレンズシート30′の基材
中の光拡散材を仮になくした場合の指向特性である。
【0280】すなわち、図37(c)に示す横長レンチ
キュラーレンズを用いた第一の実施例の変形例の指向特
性は、図37(b)に示す横長レンチキュラーレンズを
用いた第一の実施例の指向特性と同様、図38のBに示
すような広い指向特性となる。
【0281】なお、第一の実施例の変形例における第一
のレンチキュラーレンズシート20の横長レンチキュラ
ーレンズのピッチを、モアレを低減できるように設定す
る場合、横長レンチキュラーレンズのピッチとして、画
像発生源側に凸形を成す凸形レンチキュラーレンズと画
像発生源側に凹形となる凹形レンチキュラーレンズとを
1対として、1ピッチと考える必要がある。
【0282】次に、第一の実施例の第四の変形例におけ
る、第一のレンチキュラーレンズシート20の設計例に
ついて説明する。
【0283】表7は、第一のレンチキュラーレンズシー
ト20の光入射面21の横長レンチキュラーレンズの設
計例を示したものである。ただし、光入射面21の横長
レンチキュラーレンズは、画像表示源側に凹形を成す凹
形レンチキュラーレンズと画像表示源側に凸形を成す凸
形レンチキュラーレンズのそれぞれについて、数2にお
ける曲率半径と非球面係数、有効半径を示している。光
出射面22は平面である。
【0284】
【表7】
【0285】また、図39は、表7の横長レンチキュラ
ーレンズの設計例の概略の形状を示す断面図である。
【0286】表7において、光入射面21のレンズ面S
0は、図39に示すように、画像表示源側に凹形を成す
凹形レンチキュラーレンズ面S01と、画像表示源側に凸
形を成す凸形レンチキュラーレンズ面S02からなり、レ
ンズ面S01とレンズ面S02の曲率半径がそれぞれ−0.
065625mm、0.065625mmであり、レン
ズ面S02から光出射面22のレンズ面S1までの光軸上
の距離(面間隔)tが0.5mmであり、その間の媒質
の屈折率が1.517であることが示されている。
【0287】レンズ面S01とレンズ面S02の有効半径
(P/2)がともに0.025mmとなっているのは、
レンズ面S01、レンズ面S02のそれぞれにおいて数2の
Z(r)が、0≦r≦0.025の範囲の径方向距離r
に対して定義されることを示す。
【0288】図40は、表7の横長レンチキュラーレン
ズの設計例における、入射光束140のスクリーン画面
垂直方向の拡散を示す図である。
【0289】本設計例では、スクリーン画面垂直方向の
指向特性は、第一の実施例の表1の設計例と同様に、図
30に示したような指向特性となる。
【0290】なお、本設計例においては、第一のレンチ
キュラーレンズシート20の光入射面21の横長レンチ
キュラーレンズとしての凸形レンチキュラーレンズと凹
形レンチキュラーレンズの形状は、図39に示したよう
に、互いに対称な形状となっているが、これらの凸形レ
ンチキュラーレンズと凹形レンチキュラーレンズの形状
としては、その他、種々の形状を考えることができる。
【0291】表8は、第一のレンチキュラーレンズシー
ト20の第二の設計例を示したものである。
【0292】
【表8】
【0293】表8の設計例では、画像表示源側に凹形を
成す凹形レンチキュラーレンズ面S01の有効半径が、画
像表示源側に凸形を成す凸形レンチキュラーレンズ面S
02の有効半径より小さく、さらに凸形レンチキュラーレ
ンズの曲率半径が凹形レンチキュラーレンズの曲率半径
と異なる設計となっている点が表7の設計例と異なる
が、スクリーン画面垂直方向の指向特性は表7の設計例
と同じく、図30に示したような指向特性となる。
【0294】表9、表10、表11は、第一のレンチキ
ュラーレンズシート20の光入射面21の横長レンチキ
ュラーレンズのさらに他の設計例を示したものである。
これらの設計例においては、数2における非球面係数は
いずれも0であるので、表から省いてある。
【0295】
【表9】
【0296】
【表10】
【0297】
【表11】
【0298】図41、図42、図43は、それぞれ、表
9、表10、表11の横長レンチキュラーレンズの設計
例によるスクリーン画面垂直方向の指向特性を示す図で
ある。
【0299】これらの設計例によるスクリーン画面垂直
方向の指向特性は、表7の横長レンチキュラーレンズの
設計例の指向特性と比較すると、裾引きが少ない指向特
性となっているが、実用上問題のない水準である。
【0300】表12は、第一のレンチキュラーレンズシ
ート20の光入射面21の横長レンチキュラーレンズの
さらに他の設計例を示したものである。本設計例におい
ては、数2における非球面係数はいずれも0であるの
で、表から省いてある。また、本設計例では、画像表示
源側に凹形を成す凹形レンチキュラーレンズと、画像表
示源側に凸形を成す凸形レンチキュラーレンズとして、
それぞれ2種類の形状を組み合わせている。
【0301】
【表12】
【0302】図44は、表12の横長レンチキュラーレ
ンズの設計例の概略の形状を示す断面図である。
【0303】また、図45は、表12の横長レンチキュ
ラーレンズの設計例における、入射光束140のスクリ
ーン画面垂直方向の拡散を示す図である。
【0304】この設計例においても、表7の横長レンチ
キュラーレンズの設計例と同様のスクリーン画面垂直方
向の指向特性が得られる。
【0305】表13は、第一のレンチキュラーレンズシ
ート20の光入射面21の横長レンチキュラーレンズの
さらに他の設計例を示したものである。表13の設計例
においては、画像表示源側に凸形を成す凸形レンチキュ
ラーレンズ面と画像表示源側に凹形を成す凹形レンチキ
ュラーレンズ面が連続した状態で、数2において単一の
式で表されるので、一括して光入射面S0に関する曲率
半径、非球面係数等を示している。
【0306】
【表13】
【0307】図46は、表13の横長レンチキュラーレ
ンズの設計例の概略の形状を示す断面図である。
【0308】また、図47は、表13の横長レンチキュ
ラーレンズの設計例における、入射光束140のスクリ
ーン画面垂直方向の拡散を示す図である。
【0309】この設計例においても、表7の横長レンチ
キュラーレンズの設計例と同様のスクリーン画面垂直方
向の指向特性が得られる。
【0310】以上の説明から明らかなように、第一の実
施例の上記の各変形例においては、画像のフォーカス特
性、明るさ、コントラスト、及びスクリーンの成形性を
ともに向上させるとともに、スクリーン画面水平方向、
及び垂直方向の指向特性を拡大できる効果がある。
【0311】一方、本実施例においては、図1に示した
第一のレンチキュラーレンズシート20の光入射面21
の横長レンチキュラーレンズとして、上下非対称な断面
形状を有する横長レンチキュラーレンズを採用してもよ
い。以下、この第五の変形例について説明する。
【0312】背面投写型画像ディスプレイ装置では、観
視者がその表示画像を観視する位置は多様であり、どの
位置から観視した場合にも画面全体が明るく見えること
が必要である。この条件を満足するために必要なスクリ
−ン画面垂直方向の指向特性は、スクリーン画面法線方
向に関して必ずしも上下対称ではない。
【0313】表14は、観視者の観視位置のうち代表的
な5点からの背面投写型ディスプレイの画面中央及び上
下端の観視角度を示した表である。同図において観視方
向の符号は、スクリーン法線方向より上方から見下ろす
場合が正(+)、下方から見上げる場合が負(−)であ
る。
【0314】
【表14】
【0315】観視者が背面投写型画像ディスプレイ装置
を観視する位置は、表14のB、C、Dのように、床や
椅子などに座って見る場合が多い。そのため従来技術に
よる背面投写型ディスプレイ装置では、主にこれらの位
置から観視した場合に画面が最も明るくかつスクリーン
の上下の輝度の差が少なくなるように、スクリ−ン画面
垂直方向の指向特性が設定されていた。
【0316】具体的には、B、Cの観視位置ではほぼ上
下のスクリ−ン画面観視角度がバランスしているが、D
の観視位置ではスクリ−ン画面下端の観視角度が大き
く、若干暗く感じる。そこで最大輝度を示す観視角度を
若干上向き(図20では5°)にずらした指向特性とす
ることがしばしば行われている。その手段としては、前
記投写レンズの投写方向を上向きとする方法と、前記フ
レネルレンズシート10の中心を上方に偏心させる方法
との2通りの方法があり、これらのうちのいずれかの方
法、もしくは両方の方法を併用することによって上記の
ような指向特性が付与される。
【0317】しかしながらこのような手段をとっても、
立ち上がって観視した場合(表14のE)や、横臥状態
で観視した場合(表14のA)には、スクリーンの画面
の観視角度が大きくなる側が暗くなる現象は改善されな
い。そこで従来技術では、レンチキュラーレンズシート
30′に練り込む光拡散材6の量を増やす方法で、指向
特性を改善していた。しかしながら、一般的には、下か
ら見上げる場合(たとえば観視位置Aから見る場合)よ
り、上から見下ろす場合(たとえば観視位置Eから見る
場合)の方が、より近くから画面を見ることが多い。こ
のとき、下から見上げる場合のスクリ−ン画面上端の観
視角より、上から見下ろす場合のスクリ−ン画面下端の
観視角の方が大きいことになるが、光拡散材6による光
の拡散特性は前述のように上下左右で均一であるため、
上から見下ろす場合のスクリ−ン画面下端の観視角に合
わせて指向特性を広げると、下方に対しては必要以上に
指向特性が広くなり、背面投写型画像ディスプレイ装置
の光利用率が低下するといった問題があった。また、光
拡散材6の量を増加すると、外光に対しスクリーンが白
く光る現象が強くなり、明るい場所でのコントラスト性
能が悪化する。さらに製造上からも成形性が困難となる
など問題が多い。
【0318】そこで、透過型スクリーンを多様な観視位
置から観視してもスクリ−ン画面全面が明るく見えるよ
うにするため、本実施例における横長レンチキュラーレ
ンズの断面形状を、各横長レンチキュラーレンズの中央
を通るレンズ中心軸に関して上下非対称の形状とし、こ
の横長レンチキュラーレンズによりスクリ−ン画面垂直
方向の光拡散を行う構成とする。
【0319】この場合、横長レンチキュラーレンズの断
面形状がレンズ中心軸に対して上下非対称であるので、
この横長レンチキュラーレンズを通過する光線は、レン
ズ中心軸からの距離が同じ点を通過する場合であって
も、上下で異なる角度に屈折され、その結果、スクリ−
ン画面垂直方向の指向特性として上下非対称の指向特性
を得ることができる。
【0320】表15は、本実施例の第五の変形例の透過
型スクリーン1における第一のレンチキュラーレンズシ
ート20の光入射面21の、上下非対称な断面形状を有
する横長レンチキュラーレンズの設計例について、数2
における曲率半径と非球面係数、屈折率、有効半径を示
したものである。なお、光出射面22については、平面
であるので表からは省いてある。
【0321】
【表15】
【0322】また、図48は表15の横長レンチキュラ
ーレンズの設計例の概略の垂直断面形状を示す断面図で
ある。
【0323】表15において、光入射面21のレンズ面
0は、図48に示すように、レンズ中心軸LL′より
上側に偏心したZ軸の位置を境にして、上側のレンチキ
ュラーレンズ面S01と、下側のレンチキュラーレンズ面
02からなり、レンズ面S01とレンズ面S01の曲率
半径がそれぞれ0.095mm、0.100mmであ
り、レンズ面S0と光出射面22との間の媒質の屈折率
が1.53であることが示されている。
【0324】レンズ面S01とレンズ面S02の有効半径が
それぞれ0.045mm、0.055mmとなっている
のは、レンズ面S01、レンズ面S02において数2のZ
(r)が、それぞれ、0≦r≦0.045、−0.05
5≦r≦0の範囲の径方向距離rに対して定義されるこ
とを示す。すなわち、図48の横長レンチキュラーレン
ズにおいては、レンズの幅は0.100mmであり、レ
ンズの断面形状はレンズ中心軸LL′より、0.005
mm上側に偏心したZ軸の位置を境にして、上下で異な
った非球面によって構成されている。
【0325】また図49は図48の横長レンチキュラー
レンズを用いたときの透過型スクリーンの画面垂直方向
の指向特性を示す特性図である。なお、同図の観視輝度
は、最も明るい方向(観視角度)の輝度を100%とし
た相対値である。
【0326】図49に示すように、スクリ−ン画面垂直
方向の指向特性は、上方向が下方向より広い指向特性を
有する上下非対称形状の特性になり、背面投写型画像デ
ィスプレイ装置の指向特性として望ましい指向特性を有
するものとなる。本実施例では、簡単のため、最大輝度
を示す観視角度を0°としたが、従来技術の項で述べた
ように投写レンズの投写方向を上向きとしたり、もしく
はフレネルレンズシートのフレネルレンズの中心を画面
上方に偏心させることにより、最大輝度を示す観視角度
を0°より上方にずらすことができるが、その場合でも
本発明の効果に何等影響はない。
【0327】次に、上下非対称の横長レンチキュラーレ
ンズの第二の設計例について説明する。
【0328】表16は、上下非対称な断面形状を有する
横長レンチキュラーレンズの第二の設計例について、数
2における曲率半径と非球面係数、屈折率、有効半径を
示したものである。
【0329】
【表16】
【0330】また、図50は表16の横長レンチキュラ
ーレンズの設計例の概略の垂直断面形状を示す断面図で
ある。
【0331】本設計例では、横長レンチキュラーレンズ
の幅は0.1mmであり、レンズ中心軸LL′より上側
に偏心したZ軸より上側のレンチキュラーレンズ面S01
と、下側のレンチキュラーレンズ面S02とは同じ非球面
係数の形状を有している。すなわち、上下対称な単一の
非球面形状において、径方向rの範囲を−0.0515
mm≦r≦0.0485mmとし、レンズ中心軸LL′
に対して0.0015mm上方に偏移した形状となって
いる。
【0332】この場合レンズの頂部に対して、隣接する
横長レンチキュラーレンズとの境界部のレンズ面の高さ
が 上側……0.020mm 下側……0.025mm になり、そのままでは隣接する横長レンチキュラーレン
ズとつながらないので、各横長レンチキュラーレンズの
上端側に0.005mm幅のほぼ水平な接続面23を加
えている。
【0333】図51は図50の横長レンチキュラーレン
ズを用いたときの透過型スクリーンの画面垂直方向の指
向特性を示す特性図である。なお、同図の観視輝度は、
最も明るい観視角度における輝度を100%とした相対
値である。
【0334】図51に示すスクリ−ン画面垂直方向の指
向特性も、表15の第一の設計例の場合と同様に、上方
向が下方向より広い指向特性を有する上下非対称の指向
特性となる。
【0335】以上、横長レンチキュラーレンズの形状を
数1の非球面式1つないし2つの組合せで与える方法に
ついて述べたが、以下に開示するように、横長レンチキ
ュラーレンズの断面形状を多角形近似を行うことによ
り、点列データとして与えることも可能である。
【0336】以下、上下非対称の横長レンチキュラーレ
ンズの第三の設計例について、図52ないし図55によ
り説明する。
【0337】図52は、第三の設計例における第一のレ
ンチキュラーレンズシート20の垂直断面を示す断面図
であり、光入射面21への入射光束143が、光入射面
21の横長レンチキュラーレンズと光出射面22におい
て屈折され、出射する様子を光線追跡図として示してい
る。図52において、第一のレンチキュラーレンズシー
ト20の光入射面21には横長レンチキュラーレンズが
連続して複数形成され、光出射面22は平面となってい
る。また同図においては、座標軸のとり方を、図6とは
異なり、一つの横長レンチキュラーレンズの上端をZ軸
及びR軸の原点とする。
【0338】このとき、横長レンチキュラーレンズの断
面形状を、R軸への投影長さがh(n)で、R軸に対し
てθ(n)の角度をなす直線がつながり合ってできた多
角形状の形状で近似する。ここで、θ(n)は、図52
において、前記直線の法線とZ軸とのなす角に等しく、
Z軸に平行な光線が入射する場合には光の入射角に等し
い。この横長レンチキュラーレンズを構成する直線の数
をmとし、その横長レンチキュラーレンズの上端からn
本目の直線の番号をnとする。すなわち、n=1がその
レンチキュラーレンズの上端部の直線を、また、n=m
がレンチキュラーレンズの下端部の直線に対応する。こ
のとき、mを例えば100以上とすれば、実用上ほぼ滑
らかな曲線となる。なお、1本の横長レンチキュラーレ
ンズのR軸方向の幅はHであり、数12で表される。
【0339】
【数12】
【0340】図53に図52の横長レンチキュラーレン
ズの断面形状の拡大図を示す。図53からわかるよう
に、n番目の直線のZ軸への投影長さd(n)は、数1
3で表される。
【0341】
【数13】
【0342】このとき、n番目の直線の下端の点のR座
標r(n)とZ座標z(n)は、それぞれ数14、数1
5で表される。
【0343】
【数14】
【0344】
【数15】
【0345】したがって、本実施例の横長レンチキュラ
ーレンズの断面形状は、R座標、Z座標で、レンチキュ
ラーレンズの上端を(0,0)として、 (r(n),z(n)) (ここに、n=1,2,3,
…,m) の点列として表すことができる。
【0346】次に、上記多角形状の横長レンチキュラー
レンズの断面形状の設計方法を以下に示す。
【0347】図52に示すように、第一のレンチキュラ
ーレンズシート20の光入射面21に形成された横長レ
ンチキュラーレンズのn番目の直線に入射角θ(n)で
入射する、幅h(n)のZ軸に平行な平行光束143
は、そのn番目の直線の法線方向と角度θ′(n)をな
すとともに光出射面22の法線方向、すなわちZ軸方向
と角度φ′(n)をなすように屈折し、さらに光出射面
22から観視角度φ(n)の方向に出射する出射光束1
44となる。
【0348】このとき、第一のレンチキュラーレンズシ
ート20の基材20Bの屈折率をNとすると、スネル
(Snell)の法則から、数16及び数17の関係が
成り立つ。
【0349】
【数16】
【0350】
【数17】
【0351】一方、図52から、θ(n)、θ′
(n)、φ′(n)の間には、数18の関係がある。
【0352】
【数18】
【0353】これらの関係から、あるφ(n)に対し
て、φ′(n)、θ(n)、θ′(n)は、数19、数
20、数21のように求められる。
【0354】
【数19】
【0355】
【数20】
【0356】
【数21】
【0357】ここで、φ(n)の観視角度方向の、微小
角度範囲Δφに出射する出射光束144は、光入射面2
1側のh(n)の幅を持つ平行光束143が起源であ
る。従って1本の横長レンチキュラーレンズに入射する
光の全光束をΦとすると、出射光束144の光束s
(n)は、数22のように表される。
【0358】
【数22】
【0359】数22において、T(in)(n)、T(out)
(n)は、それぞれ、光入射面21、光出射面22にお
ける透過率であり、数23、数24で与えられる。
【0360】
【数23】
【0361】
【数24】
【0362】ここでR(in,p)(n)、R(in,s)(n)、
R(out,p)(n)、R(out,s)(n)は、それぞれ、光入
射面21におけるp偏光、s偏光の反射率、光出射面2
2におけるp偏光、s偏光の反射率であり、数25、数
26、数27、数28で与えられる。
【0363】
【数25】
【0364】
【数26】
【0365】
【数27】
【0366】
【数28】
【0367】ここで、出射光束144の光束s(n)
は、目標とするスクリ−ン画面垂直方向の指向特性か
ら、以下のように求められる。
【0368】図54は、本実施例の透過型スクリーンの
目標とするスクリ−ン画面垂直方向の指向特性を示した
特性図である。図54において観視輝度は、最も輝度が
高くなる観視方向の輝度を100%としたときの相対値
である。観視角度φ(n)は、図52に示す観視角度φ
(n)に対応しており、図54に示す指向特性におい
て、正(+)側の最大観視角度から負(−)側最大観視
角度までの角度範囲をm等分したときの、負(−)側の
最大観視角度からn番目の観視角度である。このとき、
φ(n)の角度範囲Δφは、 Δφ=(正(+)側最大観視角度−負(−)側最大観視
角度)/m となる。
【0369】このとき、図54の観視角度方向φ(n)
から見たスクリーン画面上の輝度をL(n)とすると、
出射光束144の光束s(n)は、数29のように表さ
れる。
【0370】
【数29】
【0371】このとき、数22と数29より、h(n)
が数30のように求められる。
【0372】
【数30】
【0373】ここで、1本の横長レンチキュラーレンズ
のR軸方向の幅Hは、前述のとおり数12のように表さ
れる。
【0374】したがって、分割数mが十分に多い場合
は、全光束Φは数30より求められ、近似的に数31で
表される。
【0375】
【数31】
【0376】以上の計算から明らかなように、観視角度
方向φ(n)における輝度L(n)が、n=1からmま
で順次与えられれば、数20及び数30より、θ(n)
とh(n)が求められる。そして数14、数15より、
(r(n),z(n))が計算でき、図53に示すよう
な横長レンチキュラーレンズの断面形状を表す点列が求
められる。
【0377】図55は、上下非対称な横長レンチキュラ
ーレンズの第三の設計例の垂直断面形状を示す断面図で
あり、上記計算方法を用いて、図54に示す指向特性を
もとに、光入射面21における透過率T(in)(n)と光
出射面22における透過率T(out)(n)をいずれも1
として、近似的に、点列(r(n),z(n))を求め
た例を示す。
【0378】本実施例ではレンズの幅を0.1mmと
し、屈折率を1.53とした。また指向特性の正(+)
側最大観視角度70°、負(−)側最大観視角度−50
°に対して分割数mを120とした。よってΔφは1°
である。
【0379】この場合、レンズの頂部に対して、隣接す
る横長レンチキュラーレンズとの境界部のレンズ面の高
さが 上側 0.018mm 下側 0.054mm になり、そのままでは隣接する横長レンチキュラーレン
ズとつながらないので、上端側に0.036mm幅のほ
ぼ水平な面23を加えている。
【0380】図55のレンチキュラーレンズ断面形状
は、図54の指向特性図から直接計算されるものである
ため、本実施例の透過型スクリーンは図54の目標とす
るスクリ−ン画面垂直方向の上下非対称の指向特性を忠
実に再現することができる。
【0381】なお、上記本実施例の横長レンチキュラー
レンズの設計の計算はパソコンなどで簡単にプログラム
が作れるため、観視角度の分割数mを増やし、角度範囲
Δφをさらに小さくすることもでき、レンチキュラーレ
ンズ成型時においてレンチキュラーレンズを加工する最
に必要な精度の点列を作り出すことが容易にできる。
【0382】本実施例では、簡単のために、第一のレン
チキュラーレンズシート20の光入射面21と光出射面
22における光の反射損失及び第一のレンチキュラーレ
ンズシート20内での光の吸収損失を0とし、透過率T
(in)(n)と透過率T(out)(n)をいずれも1として
説明したが、これらを数23、数24により計算するこ
とによりさらに精度のよいレンチキュラーレンズ形状を
実現できることはいうまでもない。
【0383】以上、本実施例における横長レンチキュラ
ーレンズ断面形状の設計方法を使用することによって、
従来試行錯誤によって設計していた横長レンチキュラー
レンズ断面形状を、必要とされる指向特性から直接計算
によって設計できるため、より容易に、また目標の指向
特性に近い横長レンチキュラーレンズ断面形状を求める
ことができるようになる。
【0384】上記の第三の設計例では、横長レンチキュ
ラーレンズの断面形状を、多角形近似を行うことによ
り、点列データとして与える方法を示したが、この点列
で形成された横長レンチキュラーレンズの断面形状を、
数2で示すような曲線の非球面形状に回帰してもよい。
【0385】以下、上下非対称な横長レンチキュラーレ
ンズの第四の設計例を図56ないし図60により説明す
る。
【0386】図56は、本設計例において、透過型スク
リーンの目標とするスクリ−ン画面垂直方向の指向特性
を示した特性図である。図56に示した指向特性におい
ては、最も輝度が高くなる観視方向の輝度を、前記の第
三の設計例における目標の指向特性の場合より絶対値と
してやや大きくとるために、観視角度φ(n)が±40
°付近の観視輝度を、前記の第三の設計例における目標
の指向特性の場合より若干抑えた指向特性となってい
る。図56において観視輝度は、最も輝度が高くなる観
視方向の輝度を100%としたときの相対値である。
【0387】図57は第四の設計例の透過型スクリーン
に用いられる第一のレンチキュラーレンズシート20の
横長レンチキュラーレンズの垂直断面形状を示す断面図
であり、第三の設計例と同様の計算方法を用いて、図5
6に示す指向特性をもとに、近似的に点列(r(n),
z(n))を求めたのち、この点列で形成された横長レ
ンチキュラーレンズ断面形状を、数2で示すような曲線
の非球面形状に回帰した結果の例を示す。点列の計算に
当っては、光入射面21における透過率T(in)(n)と
光出射面22における透過率T(out)(n)をいずれも
1とし、また、Δφが1°になるように、指向特性の正
(+)側最大観視角度61°、負(−)側最大観視角度
−54°に対して分割数mを115とした。
【0388】表17は、上記の点列の回帰結果につい
て、数2における曲率半径と非球面係数、屈折率、有効
半径を示したものである。
【0389】
【表17】
【0390】表17において、光入射面21のレンズ面
0は、図57に示すように、レンズ中心軸LL′より
上側に偏心したZ軸の位置を境にして、上側のレンチキ
ュラーレンズ面S01と、下側のレンチキュラーレンズ面
02からなり、レンズ面S01とレンズ面S02の曲率半径
がいずれも0.085714mmであり、レンズ面S0
と光出射面22との間の媒質の屈折率が1.517であ
ることが示されている。
【0391】レンズ面S01とレンズ面S02の有効半径が
それぞれ0.041429mm、0.058571mm
となっているのは、レンズ面S01、レンズ面S02におい
て数2のZ(r)が、それぞれ、0≦r≦0.0414
29、−0.058571≦r≦0の範囲の径方向距離
rに対して定義されることを示す。すなわち、図57の
横長レンチキュラーレンズにおいては、レンズの幅は
0.100mmであり、レンズの断面形状はレンズ中心
軸LL′より、0.008571mm上側に偏心したZ
軸の位置を境にして、上下で異なった非球面によって構
成されている。
【0392】図58は、図57に示す第四の設計例の横
長レンチキュラーレンズの変形例の垂直断面形状を示す
断面図である。
【0393】図58の横長レンチキュラーレンズでは、
図57に示した横長レンチキュラーレンズの垂直断面形
状において、Z軸の位置の付近ではレンズ面の形状がZ
軸にほぼ垂直な平面に近いことに着目し、この部分を、
隣接する横長レンチキュラーレンズとの境界部に移動し
た上で平面24に置き換えた形状になっている。
【0394】具体的には、表17に示す上側のレンチキ
ュラーレンズ面S01の0≦r≦0.041429の範囲
のうちの0≦r≦0.004143の部分と、下側のレ
ンチキュラーレンズ面S02の−0.058571≦r≦
0の範囲のうちの−0.005857≦r≦0の部分と
を削除し、これに替わって横長レンチキュラーレンズと
の境界部に0.01mm幅の平面部24を設けた形状と
している。この場合、上側のレンチキュラーレンズ面S
01の上端部にほぼ水平な面がすでにあるので、あたかも
かまぼこ状のレンチキュラーレンズ形状に直角の切り込
みを入れたような形状となる。
【0395】図58に示した断面形状の横長レンチキュ
ラーレンズでは、前記の各設計例と同様の効果のほか、
照明光などの外光の反射が少なくなるという効果があ
る。以下、これについて説明する。
【0396】図59、図60は、それぞれ、図57、図
58に示した横長レンチキュラーレンズにおいて、スク
リーンの法線方向より45°ないし60°上方の方向に
照明があるときに、その照明からの光線が、透過型スク
リーン1の第一のレンチキュラーレンズシートの横長レ
ンチキュラーレンズ面においてスクリーン法線方向に反
射されるときの、光線追跡図である。
【0397】図59に示すように、図57の横長レンチ
キュラーレンズでは、レンズ面の内側(媒質側)を、レ
ンズ面で全反射を繰り返しながら伝搬する光線145が
ある。全反射の場合は光の損失がほとんどないので、こ
の光線145により反射光の輝度が高くなり、画像のコ
ントラストを低下させる。
【0398】これに対し、図58の横長レンチキュラー
レンズでは、図60に示すように、レンズ面の内側(媒
質側)を、レンズ面で全反射を繰り返しながら伝搬する
光線146は、レンチキュラーレンズ面の上記の直角状
切り込み形状により、一旦空気中に出射することにな
る。この場合、光線が媒質と空気との界面を通過すると
きは必ず反射損失が発生し、さらに光線が媒質と空気と
の界面を通過するときに、わずかに角度の違う光線は上
記の直角状切り込み形状を通過する際により大きい角度
に拡散するので、結局、光線146によるスクリーンの
反射光の輝度の寄与分が大幅に減少し、画像のコントラ
ストとして高いコントラスト性能が得られる効果があ
る。
【0399】上記の各設計例では、第一のレンチキュラ
ーレンズシート20の光入射面21に横長レンチキュラ
ーレンズを設ける構成としたが、この横長レンチキュラ
ーレンズは、図32に示す第一の実施例の変形例のよう
に、第一のレンチキュラーレンズシート20の光出射面
22に設けてもよい。あるいは、図33に示す変形例の
ように、光入射面21と光出射面22の両面に設けても
よい。これらの場合も上記設計例と同様の上下非対称の
指向特性が得られる効果がある。
【0400】以上の説明から明らかなように、上下非対
称な断面形状を有する横長レンチキュラーレンズを使用
する第一の実施例の変形例においては、画像のフォーカ
ス特性、明るさ、コントラストをともに向上させるとと
もに、上下非対称の指向特性が得られる効果がある。
【0401】なお、上記の各設計例に示すような上下非
対称な断面形状を有する横長レンチキュラーレンズは、
スクリーン画面垂直方向の指向特性において、裾の広が
った特性を得るのに好適である。特に、スクリーン画面
垂直方向の指向特性が、最大輝度をB0とし、スクリー
ン画面垂直方向の各観視角度における輝度が0.5B0
以上、0.1B0以上となるような観視角度の範囲をそ
れぞれθ50、θ10としたときに、
【0402】
【数32】θ10≧3.4×θ50 なる式を満足するような裾の広い指向特性の背面投写型
画像ディスプレイ装置を実現するための透過型スクリー
ンに適している。ただし、数31の条件は、上下対称な
指向特性の場合でも、本発明の各実施例において実現可
能である。
【0403】上下非対称な断面形状を有する横長レンチ
キュラーレンズに関する以上の説明では、家庭用の対角
35インチから70インチ程度までの単スクリーン方式
の背面投写型画像ディスプレイ装置を主たる適用対象と
して、設計の具体例について述べてきた。これらの設計
例では、表14に示すように下方向よりも上方向の指向
特性を重視した設計となっている。
【0404】一方、業務用のマルチ画面の背面投写型画
像ディスプレイ装置に使用される透過型マルチスクリー
ンに関しては、スクリーン画面垂直方向の指向特性は必
ずしも上方向が広くなくてもよい。
【0405】ここで、本実施例の応用例として、上下非
対称な断面形状を有する横長レンチキュラーレンズを、
マルチ画面の背面投写型画像ディスプレイ装置用の透過
型スクリーンに適用する場合について説明しておく。
【0406】図61は、2段構成のマルチ画面の背面投
写型画像ディスプレイ装置の透過型スクリーンの概略垂
直断面を示す断面図である。
【0407】図61に示すような2段構成の透過型スク
リーンの場合、従来技術の透過型スクリーンの最も大き
な問題は、観視者に対し上下のスクリーンで観視角の差
が大きく、通常上側のスクリーンは観視者から見上げら
れるのに対し、下側のスクリーンはほぼ観視者の目の高
さかそれより下方にあるため、上下のスクリーンの垂直
方向の指向特性を同一とするとどちらかのスクリーンの
画面の上端もしくは下端の明るさが暗くなってしまうと
いう点にある。
【0408】そこで、上側の透過型スクリーン1Aの第
一のレンチキュラーレンズシート20の横長レンチキュ
ラーレンズの断面形状を、前述の上下非対称な断面形状
を有する横長レンチキュラーレンズの設計例と上下逆の
形状とするものとする。これにより、入射光140に対
する上側の透過型スクリーン1Aにおける拡散光14
0′が全体的に下向きになるため、下方に対する指向特
性を重視する構成とすることが可能となる。
【0409】また下側の透過型スクリーン1Bの第一の
レンチキュラーレンズシート20の横長レンチキュラー
レンズの断面形状を、前述の上下非対称な断面形状を有
する横長レンチキュラーレンズの設計例と同じ形状とす
る。これにより、入射光140に対する下側のスクリー
ン1Bにおける拡散光140′が全体的に上向きになる
ため、上方に対する指向特性を重視する構成とすること
が可能となる。
【0410】このような設計とすることにより、スクリ
−ン画面垂直方向の指向特性は、上側のスクリーンでは
上方向よりも下方向の方が観視角度が広くなり、下側の
スクリーンでは下方向よりも上方向の方が観視角度が広
くなり、2段構成の上下の画面において輝度段差のほと
んどない透過型スクリーンとなる効果がある。
【0411】なお、上記の説明では、2段構成の透過型
スクリーンについて述べたが、それぞれの段において使
用される横長レンチキュラーレンズを個別に最適化設計
を行うことにより、2段以上の構成の透過型スクリーン
についても同様の効果が得られる。
【0412】また、上下非対称の断面形状を有する横長
レンチキュラーレンズを、後述の各実施例の構成におい
てそれぞれ最適な形状に設計し、多段構成のマルチ画面
の背面投写型画像ディスプレイ装置の透過型スクリーン
に適用できることは言うまでもない。
【0413】次に、本発明の第二の実施例を図62によ
り説明する。
【0414】図62は本発明の第二の実施例としての透
過型スクリーンの要部を示す斜視図であり、図1と同一
部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0415】本実施例と図1に示した第一の実施例との
違いは、第一の実施例においては図1に示したように、
第一のレンチキュラーレンズシート20の光入射面21
の形状がスクリーン画面水平方向を長手方向とする横長
レンチキュラーレンズをスクリーン画面垂直方向に複数
並べた形状になっているのに対し、本実施例において
は、図62に示すように、第一のレンチキュラーレンズ
シート20の光入射面21のほか、フレネルレンズシー
ト10の光入射面11の形状もスクリーン画面水平方向
を長手方向とする横長レンチキュラーレンズをスクリー
ン画面垂直方向に複数並べた形状になっている点にあ
る。
【0416】本実施例においては、スクリーン画面垂直
方向の光拡散は、主として、第一のレンチキュラーレン
ズシート20の横長レンチキュラーレンズにより行い、
フレネルレンズシート10の横長レンチキュラーレンズ
により補助的に光拡散を行う構成とする。また、第一の
レンチキュラーレンズシート20、第二のレンチキュラ
ーレンズシート30とも、基材中に光拡散材を含有しな
い構成とする。
【0417】このとき、画像のフォーカス特性は、第一
の実施例に比較して若干低下するが、従来の透過型スク
リーンに比較すると、第一のレンチキュラーレンズシー
ト20のシート厚さが薄く、また、第一のレンチキュラ
ーレンズシート20、第二のレンチキュラーレンズシー
ト30とも、基材中に光拡散材6を含有していないこと
から、良好なフォーカス特性が得られる。
【0418】また、画像のコントラスト及び明るさにつ
いては、第一の実施例と同様である。
【0419】したがって、本実施例においても、画像の
フォーカス特性、明るさ及びコントラストを向上すると
同時に、スクリーン画面水平方向、及び垂直方向の指向
特性を拡大できる効果がある。
【0420】次に、本発明の第三の実施例を図63によ
り説明する。
【0421】図63は本発明の第三の実施例としての透
過型スクリーンの要部を示す斜視図であり、図1と同一
部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0422】本実施例と図1に示した第一の実施例との
違いは、第一のレンチキュラーレンズシート20の形状
が、第一の実施例においては、図1に示したように、光
入射面21がスクリーン画面水平方向を長手方向とする
横長レンチキュラーレンズをスクリーン画面垂直方向に
複数並べた形状となっているのに対し、本実施例におい
ては、図63に示すように、光入射面21がフレネル凸
レンズ形状、光出射面22がスクリーン画面水平方向を
長手方向とする横長レンチキュラーレンズをスクリーン
画面垂直方向に複数並べた形状になっている点にある。
【0423】本実施例においては、スクリーン画面垂直
方向の光拡散は、第一のレンチキュラーレンズシート2
0の横長レンチキュラーレンズにより行う構成とする。
また、第一のレンチキュラーレンズシート20、第二の
レンチキュラーレンズシート30とも、基材中に光拡散
材6を含有しない構成とする。
【0424】本実施例においても、第一の実施例と同様
に、画像のフォーカス特性、明るさ及びコントラストを
向上すると同時に、スクリーン画面垂直方向の指向特性
を拡大できる効果がある。
【0425】また、本実施例においては、フレネルレン
ズシート10の光入射面11全体に入射する赤、緑、青
の投写画像光の光束を、それぞれの色ごとにほぼ平行な
光束に変換し、第一のレンチキュラーレンズシート20
に入射させるというフレネル凸レンズの機能を、フレネ
ルレンズシート10の光出射面12のフレネル凸レンズ
と、第一のレンチキュラーレンズシート20の光入射面
21のフレネル凸レンズに分割している。このとき、そ
れぞれのフレネル凸レンズの焦点距離は、第一の実施例
におけるフレネル凸レンズの焦点距離より長く設定でき
ることから、スクリーン画面周辺部におけるフレネル凸
レンズのレンズ面の傾きが大きくならず、これによりス
クリーン画面周辺部における画像投写光の反射損失が小
さくなり、スクリーン画面周辺部の画像の明るさが向上
する効果がある。
【0426】なお、第一のレンチキュラーレンズシート
20の光入射面21の形状をフレネル凸レンズ形状とす
るのに代えて、たとえば図1に示した第一の実施例にお
ける透過型スクリーン1のフレネルレンズシート10の
光入射面11の形状をフレネル凸レンズ形状としてもよ
い。このようにした場合にも、本実施例と同様の効果が
得られる。
【0427】ところで、上記の第一ないし第三の実施例
においては、フレネルレンズシート10、第一のレンチ
キュラーレンズシート20、第二のレンチキュラーレン
ズシート30のいずれも無色透明となっている構成とし
たが、第二のレンチキュラーレンズシート30について
は半透明に着色する構成としてもよい。
【0428】この場合、画像発生源側から画像観視側に
至る投写画像光は、第二のレンチキュラーレンズシート
30を1回だけ透過するため、光量が第二のレンチキュ
ラーレンズシート30の透過率に比例して減衰するのに
対し、照明光などの外光が透過型スクリーンで反射され
て画像観視側に至るときは、第二のレンチキュラーレン
ズシート30の最も画像観視側の面となる光出射面32
で反射される光を除き、第二のレンチキュラーレンズシ
ート30を少なくとも1往復通るため、光量が第二のレ
ンチキュラーレンズシート30の透過率の2乗に比例し
て減衰する。これにより、投写画像光より外光の方が、
多く吸収されて損失光の比率が大きくなり、照明光など
の外光があるときのコントラストが向上する効果があ
る。
【0429】また、さらに、第二のレンチキュラーレン
ズシート30については、特に、画像観視側の光出射面
32の表面に防眩処理、帯電防止処理、ハードコーティ
ングなどの表面硬化処理等の処理を施してもよい。防眩
処理としては、表面全体に微細な凹凸形状を設ける方法
と、表面に前記のような光学的反射防止膜を設ける方法
が代表的である。これらの防眩処理を行った場合は、ス
クリーン画面への、観視者側の物体、あるいは照明光な
どの映り込みを低減できる効果がある。また、帯電防止
処理を行った場合には、第二のレンチキュラーレンズシ
ート30表面の帯電により塵埃が付着するのを防止でき
る効果がある。また、表面硬化処理を施した場合には、
観視者側から何らかの物体が衝突しても第二のレンチキ
ュラーレンズシート30の表面に傷がつきにくくなる効
果がある。
【0430】次に、本発明の第四の実施例を図64によ
り説明する。
【0431】図64は本発明の第四の実施例としての透
過型スクリーンの要部を示す斜視図である。
【0432】図64において、40は光吸収シートであ
り、フレネルレンズシート10、第一のレンチキュラー
レンズシート20、第二のレンチキュラーレンズシート
30、光吸収シート40はそれぞれ端部(図示せず)で
相互に固定されている。光吸収シート40の基材40B
は、半透明に着色された熱可塑性樹脂材料、もしくは半
透明の着色ガラス板よりなる。41、42は光吸収シー
ト40のそれぞれ光入射面、光出射面であり、本実施例
ではいずれも平面である。その他図1と同一部分には同
一符号を付し、その説明を省略する。
【0433】本実施例と図1に示した第一の実施例との
違いは、光吸収シート40が新たに構成要素として加わ
った点にある。
【0434】本実施例において、光吸収シート40は、
その基材が半透明に着色された熱可塑性樹脂材料よりな
り、投写画像光より外光を多く吸収する機能を有してい
る。
【0435】すなわち、光吸収シート40においては、
画像発生源側から画像観視側に至る投写画像光は、光吸
収シート40を1回だけ透過するため光量が光吸収シー
ト40の透過率に比例して減衰するのに対し、照明光な
どの外光が透過型スクリーン1で反射されて画像観視側
に至るときは、光吸収シート40の最も画像観視側に近
い光出射面42で反射される光を除き、光吸収シート4
0を少なくとも1往復通るため、光量が光吸収シート4
0の透過率の2乗に比例して減衰する。これにより、投
写画像光より外光の方が、多く吸収されて損失光の比率
が大きくなり、照明光などの外光があるときの画像のコ
ントラストが向上する効果がある。
【0436】なお、光吸収シート40の透過率は、波長
400nmから700nmまでの光線に対して、40%
ないし90%程度の範囲の、ほぼ同一の透過率を有する
ことが好ましいが、これに限定されるものではない。
【0437】半透明に着色された熱可塑性樹脂材料の具
体例としては、三菱レイヨン(株)製のアクリルフィル
ターNGの色調N099及びN097等が挙げられる。
図65に、アクリルフィルターNGの色調N099の各
波長の光線に対する透過率の特性を、図66に、アクリ
ルフィルターNGの色調N097の各波長の光線に対す
る透過率の特性を、それぞれ示しておく。これらの半透
明に着色された熱可塑性樹脂材料は、前記の第一ないし
第三の実施例における第二のレンチキュラーレンズシー
ト30の基材30Bとしても利用できる。
【0438】本実施例においても、スクリーン画面垂直
方向の光拡散は、第一のレンチキュラーレンズシート2
0の横長レンチキュラーレンズにより行う構成とする。
また、第一のレンチキュラーレンズシート20、第二の
レンチキュラーレンズシート30、光吸収シート40と
も、基材中に光拡散材6を含有しない構成とする。
【0439】この結果、本実施例においても、第一の実
施例と同様に、画像のフォーカス特性、明るさ、及びコ
ントラストをともに向上するとともに、スクリーン画面
水平方向、及び垂直方向の指向特性を拡大できる効果が
ある。
【0440】一方、本実施例においても、第一、第二、
第三の実施例と同様に、入射光束140が、第二のレン
チキュラーレンズシート30の光入射面31に設けられ
た第一の縦長レンチキュラーレンズにより、光出射面3
2の第二の縦長レンチキュラーレンズを通るように収束
されるような設計とするために、第二のレンチキュラー
レンズシート30のシート厚さに制限がある。
【0441】これは、図106、図107に示した従来
の透過型スクリーンのレンチキュラーレンズシート3
0′においても同様である。したがって、従来の透過型
スクリーンにおいては、透過型スクリーン1全体として
の機械的強度を確保するために、フレネルレンズシート
10のシート厚さをレンチキュラーレンズシート30′
のシート厚さより厚くすることが一般に行われていた。
【0442】これに対し、本実施例においては、図64
に示すように、フレネルレンズシート10のシート厚さ
を従来の透過型スクリーンのフレネルレンズシートより
薄くして第二のレンチキュラーレンズシート30のシー
ト厚さと同程度とする一方、光吸収シート40のシート
厚さを最も厚くしており、透過型スクリーン1全体とし
ての機械的強度が、図1に示した第一の実施例より大き
くなる効果がある。
【0443】次に、本発明の第五の実施例を図67によ
り説明する。
【0444】図67は本発明の第五の実施例としての透
過型スクリーンの要部を示す斜視図であり、図64と同
一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0445】本実施例と図64に示した第四の実施例と
の違いは、第四の実施例においては図64に示したよう
に、第一のレンチキュラーレンズシート20の光入射面
21の形状がスクリーン画面水平方向を長手方向とする
横長レンチキュラーレンズをスクリーン画面垂直方向に
複数並べた形状になっているのに対し、本実施例におい
ては、図67に示すように、第一のレンチキュラーレン
ズシート20の光入射面21のほか、フレネルレンズシ
ート10の光入射面11の形状もスクリーン画面水平方
向を長手方向とする横長レンチキュラーレンズをスクリ
ーン画面垂直方向に複数並べた形状になっている点にあ
る。
【0446】本実施例においては、スクリーン画面垂直
方向の光拡散は、主として、第一のレンチキュラーレン
ズシート20の横長レンチキュラーレンズにより行い、
フレネルレンズシート10の横長レンチキュラーレンズ
により補助的に光拡散を行う構成とする。また、第一の
レンチキュラーレンズシート20、第二のレンチキュラ
ーレンズシート30、光吸収シート40とも、基材中に
光拡散材6を含有しない構成とする。
【0447】このとき、画像のフォーカス特性は、第四
の実施例に比較して若干低下するが、従来の透過型スク
リーンに比較すると、第一のレンチキュラーレンズシー
ト20のシート厚さが薄く、また、第一のレンチキュラ
ーレンズシート20、第二のレンチキュラーレンズシー
ト30、光吸収シート40とも、基材中に光拡散材6を
含有していないことから、良好なフォーカス特性が得ら
れる。
【0448】また、画像の明るさ及びコントラスト特性
については、第四の実施例と同様である。
【0449】したがって、本実施例においても、画像の
フォーカス特性、明るさ及びコントラストを向上すると
同時に、スクリーン画面水平方向、及び垂直方向の指向
特性を拡大できる効果がある。
【0450】次に、本発明の第六の実施例を図68によ
り説明する。
【0451】図68は本発明の第六の実施例としての透
過型スクリーンの要部を示す斜視図であり、図64と同
一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0452】本実施例と図64に示した第四の実施例と
の違いは、第四の実施例においては図64に示したよう
に、第一のレンチキュラーレンズシート20の光入射面
21の形状がスクリーン画面水平方向を長手方向とする
横長レンチキュラーレンズをスクリーン画面垂直方向に
複数並べた形状になっているのに対し、本実施例におい
ては、図68に示すように、第一のレンチキュラーレン
ズシート20の光入射面21のほか、光吸収シート40
の光入射面41の形状もスクリーン画面水平方向を長手
方向とする横長レンチキュラーレンズをスクリーン画面
垂直方向に複数並べた形状になっている点にある。
【0453】本実施例においては、スクリーン画面垂直
方向の光拡散は、第一のレンチキュラーレンズシート2
0の横長レンチキュラーレンズ、及び光吸収シート40
の横長レンチキュラーレンズにより分散して行う構成と
する。また、第一のレンチキュラーレンズシート20、
第二のレンチキュラーレンズシート30、光吸収シート
40とも、基材中に光拡散材6を含有しない構成とす
る。
【0454】本実施例においては、スクリーン画面垂直
方向の指向特性を拡大するために、光吸収シート40の
横長レンチキュラーレンズの曲率半径を小さくしても、
図1に示した第一の実施例における第一のレンチキュラ
ーレンズシート20の横長レンチキュラーレンズの曲率
半径を小さくする場合と同様に、フォーカス特性は低下
することがない。
【0455】これは、第二のレンチキュラーレンズシー
ト30の光入射面31の縦長レンチキュラーレンズと光
吸収シート40の光入射面41の横長レンチキュラーレ
ンズとを、相互に近接するように配置していることによ
っている。すなわち、本実施例では、入射光束のスクリ
ーン画面水平方向の光拡散の開始点とスクリーン画面垂
直方向の光拡散の開始点とを近接させているので、フォ
ーカス特性が低下することがない。
【0456】また、画像の明るさについては、第四の実
施例と同様である。
【0457】一方、本実施例においては、外光に対する
光吸収シート40の光入射面41の横長レンチキュラー
レンズにおけるスクリーン正面方向への反射光が、図6
4に示した第四の実施例、及び図67に示した第五の実
施例の場合より多くなるため、画像のコントラストは第
四の実施例、及び第五の実施例の場合より低下する。し
かしながら、本実施例において、さらに、光吸収シート
40の光入射面41表面全体に、微細な凹凸形状を設け
たり、光学的反射防止膜を設けたりして、防眩処理を施
すことにより、コントラストの補償が可能である。
【0458】したがって、本実施例においても、画像の
フォーカス特性、明るさ及びコントラストをともに向上
させるとともに、スクリーン画面水平方向、及び垂直方
向の指向特性を拡大できる効果がある。
【0459】次に、本発明の第七の実施例を図69によ
り説明する。
【0460】図69は本発明の第七の実施例としての透
過型スクリーンの要部を示す斜視図であり、図67及び
図68と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略
する。
【0461】本実施例と図68に示した第六の実施例と
の違いは、第六の実施例においては、図68に示したよ
うに、第一のレンチキュラーレンズシート20の光入射
面21の形状、及び光吸収シート40の光入射面41の
形状がスクリーン画面水平方向を長手方向とする横長レ
ンチキュラーレンズをスクリーン画面垂直方向に複数並
べた形状になっているのに対し、本実施例においては、
図69に示すように、第一のレンチキュラーレンズシー
ト20の光入射面21、光吸収シート40の光入射面4
1のほか、フレネルレンズシート10の光入射面11の
形状もスクリーン画面水平方向を長手方向とする横長レ
ンチキュラーレンズをスクリーン画面垂直方向に複数並
べた形状になっている点にある。
【0462】本実施例においては、スクリーン画面垂直
方向の光拡散は、主として、第一のレンチキュラーレン
ズシート20の横長レンチキュラーレンズ、及び光吸収
シート40の横長レンチキュラーレンズにより分散して
行い、フレネルレンズシート10の横長レンチキュラー
レンズにより補助的に光拡散を行う構成とする。また、
第一のレンチキュラーレンズシート20、第二のレンチ
キュラーレンズシート30、光吸収シート40とも、基
材中に光拡散材6を含有しない構成とする。
【0463】このとき、画像のフォーカス特性は、第六
の実施例に比較して若干低下するが、従来の透過型スク
リーンに比較すると、第一のレンチキュラーレンズシー
ト20のシート厚さが薄く、また、第一のレンチキュラ
ーレンズシート20、第二のレンチキュラーレンズシー
ト30、光吸収シート40とも、基材中に光拡散材6を
含有していないことから、良好なフォーカス特性が得ら
れる。
【0464】また、画像の明るさ及びコントラスト特性
については、第六の実施例と同様である。
【0465】したがって、本実施例においても、画像の
フォーカス特性、明るさ及びコントラストを向上すると
同時に、スクリーン画面水平方向、及び垂直方向の指向
特性を拡大できる効果がある。
【0466】なお、上記の第五ないし第七の各実施例の
透過型スクリーンにおいては、フレネルレンズシート1
0の横長レンチキュラーレンズ、第一のレンチキュラー
レンズシート20の横長レンチキュラーレンズ、第二の
レンチキュラーレンズシート30の横長レンチキュラー
レンズとも、画像発生源側に凸形をなす凸形レンチキュ
ラーレンズをスクリーン画面垂直方向に連続して複数並
べた形状になっているが、これらの横長レンチキュラー
レンズの形状を、図35に示した第一のレンチキュラー
レンズシート20の横長レンチキュラーレンズの形状と
同様に、画像発生源側に凸形をなす凸形レンチキュラー
レンズと画像発生源側に凹形をなす凹形レンチキュラー
レンズとを、スクリーン画面垂直方向に交互に連続して
複数並べた形状としてもよい。
【0467】この場合、スクリーン画面垂直方向の光拡
散を主として、第一のレンチキュラーレンズシート20
の横長レンチキュラーレンズにより行い、他の横長レン
チキュラーレンズにより補助的に光拡散を行う場合は、
補助的に光拡散を行う横長レンチキュラーレンズについ
ては従来の透過型スクリーンのフレネルレンズシートの
光入射面の横長レンチキュラーレンズと同様に、画像発
生源側に凸形となる凸形レンチキュラーレンズのみをス
クリーン画面垂直方向に配列する構成としてもよい。こ
れは、補助的に光拡散を行うレンチキュラーレンズの方
は、形状がより平面に近く、スクリーンの成形性に問題
が少ないからである。
【0468】一方、上記の第四ないし第七の実施例にお
いては、フレネルレンズシート10の光出射面12のフ
レネルレンズにおける、投写画像光の不要反射に起因す
るゴーストが目立たなくなる。以下、これについて説明
する。
【0469】図70は、図106、図107の従来の透
過型スクリーン1、図64の本発明の第四の実施例の透
過型スクリーン1におけるフレネルレンズシート10の
垂直断面を示す断面図である。
【0470】図70において、(a)は図106、図1
07に示した従来の透過型スクリーン1のフレネルレン
ズシート10を、(b)は図64に示す透過型スクリー
ンのフレネルレンズシート10を、それぞれ示してい
る。なお、図70(a)においては、簡単のため、光入
射面11の横長レンチキュラーレンズを省略して示して
ある。
【0471】一般に、フレネルレンズシート10では、
図70(a)、(b)に示すように、入射光束147の
光線の大部分は出射光線148となるが、一部の光線は
光出射面12で反射され、さらに光入射面11で再度一
部反射され、また光出射面12へ至ってゴースト光線1
49となる。
【0472】このとき、従来の透過型スクリーンのフレ
ネルレンズシート10では、図70(a)に示すよう
に、シート厚さが厚いため、本来の画像の位置とゴース
トの位置との距離Rがかなり大きくなり、ゴーストが非
常に目立ってしまう。これに対し、上記の第四ないし第
七の各実施例のフレネルレンズシート2では、図70
(b)に示すように、シート厚さが薄いため、本来の画
像の位置とゴーストの位置とが近接し、距離Rが小さく
なることから、ゴーストが目立たなくなる。
【0473】また、フレネルレンズシート10のシート
厚さを従来の透過型スクリーンのフレネルレンズシート
より薄くし、第二のレンチキュラーレンズシート30の
シート厚さと同程度とすることは、同時に、画像のフォ
ーカス特性を向上させる効果もある。
【0474】次に、本発明の第八の実施例を図71によ
り説明する。
【0475】図71は本発明の第八の実施例としての透
過型スクリーンの要部を示す斜視図であり、図1と同一
部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0476】本実施例の透過型スクリーン1は、フレネ
ルレンズシート10と第二のレンチキュラーレンズシー
ト30の2枚構成である。フレネルレンズシート10の
光入射面11には、前記の各実施例と同様のスクリーン
画面水平方向を長手方向とする横長レンチキュラーレン
ズがスクリーン画面垂直方向に複数形成されており、光
出射面12にはフレネル凸レンズが形成されている。ま
た、第二のレンチキュラーレンズシート30は、前記の
各実施例に示した、第二のレンチキュラーレンズシート
30と同じ構成である。
【0477】表18は、フレネルレンズシート10の光
入射面11の横長レンチキュラーレンズの設計例につい
て、数2における曲率半径と非球面係数、面間隔、屈折
率、有効半径を示したものである。
【0478】
【表18】
【0479】表18において、光出射面22の曲率半径
が−410.74となっているのは、光出射面22のフ
レネル凸レンズの曲率半径が410.74mmであるこ
とを示している。
【0480】表18の横長レンチキュラーレンズの設計
例によるスクリーン画面垂直方向の指向特性は、図30
に示した指向特性とほぼ同じである。
【0481】本実施例の透過型スクリーンにおいても、
前記の各実施例と同様に、画像の明るさ、及びコントラ
ストをともに向上させるとともに、スクリーン画面水平
方向、及び垂直方向の指向特性を拡大でき、さらにカラ
ーシフトを低減できる効果がある。
【0482】図72は、上記第八の実施例の透過型スク
リーンの変形例であり、図64に示した前記の第四の実
施例と同様に、フレネルレンズシート10のシート厚さ
を第二のレンチキュラーレンズシート30のシート厚さ
と同程度に薄くしている。
【0483】図72に示す透過型スクリーン1において
は、図71に示す透過型スクリーン1と同様に、画像の
明るさ、及びコントラストをともに向上させるととも
に、スクリーン画面水平方向、及び垂直方向の指向特性
を拡大でき、さらにカラーシフトを低減できる効果があ
るほか、フレネルレンズシート10の光入射面11の横
長レンチキュラーレンズと、第二のレンチキュラーレン
ズシート30の光入射面31の第一の縦長レンチキュラ
ーレンズシートとが互いに近接するように配置されてい
ることから、画像のフォーカス特性が良好になるという
効果がある。さらに、図64に示した第四の実施例の透
過型スクリーン1と同様に、フレネルレンズシート10
のシート厚さが薄いことから、光出射面12のフレネル
凸レンズにおける、投写画像光の不要反射に起因するゴ
ーストが目立たなくなる効果がある。
【0484】本実施例では、フレネルレンズシート10
において、光入射面11の横長レンチキュラーレンズの
レンズ面と光出射面12との間の、横長レンチキュラー
レンズの光軸に沿ったシート厚さをt1とし、第二のレ
ンチキュラーレンズシート30において、光入射面31
の第一の縦長レンチキュラーレンズと光出射面32の第
二の縦長レンチキュラーレンズとの間の、第一または第
二の縦長レンチキュラーレンズの光軸に沿ったシート厚
さをt2としたとき、シート厚さt1とt2とが
【0485】
【数33】t1≦2.5t2 なる条件を満たすのが好ましいが、これに限定されるも
のではない。
【0486】なお、本実施例において、図71及び図7
2に示したフレネルレンズシート10は、光入射面11
に横長レンチキュラーレンズを複数配列する構成となっ
ているが、横長レンチキュラーレンズを配列する面は光
入射面11に限定されるものではない。
【0487】図73に示す本実施例の変形例において
は、フレネルレンズシート10は、光出射面12の形状
を、横長レンチキュラーレンズを複数配列した形状と
し、光入射面11の形状をフレネル凸レンズ形状とする
構成となっている。
【0488】図74は、表18に示したフレネルレンズ
シート10の設計例において、光入射面11と光出射面
12の形状を入れ替えた構成とした場合のスクリーン画
面垂直方向の指向特性を示す特性図である。
【0489】図74に示すように、垂直観視角βは±4
5度とに広い範囲においてスクリーン上の映像が観視で
きる。また、実用上最も重要な50%輝度(スクリーン
の観視位置を垂直方向に任意変えた場合に得られる最大
輝度に対する相対値)となる垂直観視角βは±10度と
実用上十分な性能を得ている。
【0490】また、図73に示す本実施例の変形例にお
けるフレネルレンズシート10の光出射面12の形状に
関するレンズ作用の変化の特性は、図31の破線2で示
した特性に対し、横軸を中心軸として軸対称となるよう
な特性となる。
【0491】その他、図73に示す構成の透過型スクリ
ーン1においても、図72に示した第八の実施例の透過
型スクリーン1と同様の効果が得られる。
【0492】また、第八の実施例においても、フレネル
レンズシート10の横長レンチキュラーレンズとして、
図34、図35に示したような形状の横長レンチキュラ
ーレンズを配列してもよい。
【0493】図75は、第八の実施例の変形例の透過型
スクリーン1のフレネルレンズシート10として、光入
射面11に、図35と同様に、画像発生源側に凸形をな
す凸形レンチキュラーレンズと画像発生源側に凹形をな
す凹形レンチキュラーレンズとを、交互に連続して複数
配列した形状の横長レンチキュラーレンズを配列したと
きの透過型スクリーン1の要部を示す斜視図である。
【0494】図76は、図75の透過型スクリーン1の
垂直断面を示す断面図であり、140は入射光束であ
る。
【0495】図76に示すように、フレネルレンズシー
ト10に入射した入射光束140は、光入射面11の横
長レンチキュラーレンズの形状により屈折してスクリー
ン画面垂直方向に拡散された後は、第二のレンチキュラ
ーレンズシート30をそのまま透過し、スクリーン画面
垂直方向に拡散されることがないため、画像観視側から
見たときの入射光束140に対する出射光束のスクリー
ン画面垂直方向の幅dは、前述の第一の実施例の場合と
同様、概ねフレネルレンズシート10の光出射面12上
に現れる光束の幅で認識されることになり、良好なフォ
ーカス特性が得られる効果がある。
【0496】また、画像の明るさ、コントラスト、及び
スクリーンの成形性については、図35に示した第一の
実施例の変形例と同様である。
【0497】したがって、本実施例においても、画像の
フォーカス特性、明るさ、コントラスト、及びスクリー
ンの成形性をともに向上させるとともに、スクリーン画
面水平方向、及び垂直方向の指向特性を拡大できる効果
がある。
【0498】また、図75の構成の透過型スクリーンに
おいても、フレネルレンズシート10の光出射面12の
フレネルレンズにおける、投写画像光の不要反射に起因
するゴーストが目立たなくなる。以下、これについて説
明する。
【0499】図77は、図107に示した従来の透過型
スクリーン及び図75の透過型スクリーンにおけるフレ
ネルレンズシート10の垂直断面を示す断面図である。
【0500】図77において、(a)は図107に示し
た従来の透過型スクリーン1のフレネルレンズシート1
0を、(b)は図75に示す透過型スクリーンのフレネ
ルレンズシート10を、それぞれ示している。
【0501】図70の場合と同様に、一般に、フレネル
レンズシート10では、図77(a)、(b)に示すよ
うに、入射光束147の光線の大部分は出射光線148
となるが、一部の光線は光出射面12で反射され、さら
に光入射面11で再度一部反射され、また光出射面12
へ至ってゴースト光線149となる。
【0502】このとき、従来の透過型スクリーンのフレ
ネルレンズシート10では、図77(a)に示すよう
に、シート厚さが厚いため、本来の画像の位置とゴース
トの位置との距離Rがかなり大きくなり、ゴーストが非
常に目立ってしまう。これに対し、図75の構成の透過
型スクリーン1のフレネルレンズシート10では、図7
7(b)に示すように、シート厚さが薄いため、本来の
画像の位置とゴーストの位置とが近接し、距離Rが小さ
くなることから、ゴーストが目立たなくなる。
【0503】なお、図75の構成の透過型スクリーンに
おいても、フレネルレンズシート10の光入射面11の
横長レンチキュラーレンズにおける凸形レンチキュラー
レンズと凹形レンチキュラーレンズの形状として、前記
の第一の実施例における表7ないし表13の設計例に示
したような種々の形状を考えることができる。
【0504】図78は図75の透過型スクリーン1にお
けるフレネルレンズシート10の他の具体例を示す断面
図である。
【0505】図78において、(a)は、凸形レンチキ
ュラーレンズの曲率半径が凹形レンチキュラーレンズの
曲率半径と異なっている例を示す。また、(b)は、凸
形レンチキュラーレンズ、凹形レンチキュラーレンズと
も、スクリーン画面垂直方向に非対称となっている例を
示す。図78(b)に示す例の場合は、スクリーン画面
垂直方向の指向特性を上下非対称に設計できる効果があ
る。
【0506】ところで、上記の第八の実施例において
は、フレネルレンズシート10、及び第二のレンチキュ
ラーレンズシート30のいずれも無色透明となっている
構成としたが、第二のレンチキュラーレンズシート30
については、前記の第一ないし第三の実施例と同様に、
半透明に着色する構成としてもよい。
【0507】この場合、照明光などの外光があるときの
コントラストが向上する効果がある。
【0508】また、さらに、第二のレンチキュラーレン
ズシート30については、前記の第一ないし第三の実施
例と同様に、画像観視側の光出射面32の表面に防眩処
理、帯電防止処理、ハードコーティングなどの表面硬化
処理等の処理を施してもよい。防眩処理を行った場合
は、スクリーン画面への、観視者側の物体、あるいは照
明光などの映り込みを低減できる効果がある。また、帯
電防止処理を行った場合には、第二のレンチキュラーレ
ンズシート30表面の帯電により塵埃が付着するのを防
止できる効果がある。また、表面硬化処理を施した場合
には、観視者側から何らかの物体が衝突しても第二のレ
ンチキュラーレンズシート30の表面に傷がつきにくく
なる効果がある。
【0509】次に、本発明の第九の実施例を図79によ
り説明する。
【0510】図79は本発明の第九の実施例としての透
過型スクリーンの要部を示す斜視図である。
【0511】図79において、40は光吸収シートであ
り、フレネルレンズシート10、第二のレンチキュラー
レンズシート30、光吸収シート40はそれぞれ端部
(図示せず)で相互に固定されている。40Bは光吸収
シート40の基材であり、半透明に着色された熱可塑性
樹脂材料、もしくは半透明の着色ガラス板よりなる。4
1、42は光吸収シート40のそれぞれ光入射面、光出
射面であり、本実施例ではいずれも平面である。その他
図71と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略
する。
【0512】本実施例と図71に示した第八の実施例と
の違いは、図64に示した第四の実施例と同様の、光吸
収シート40が新たに構成要素として加わった点にあ
る。
【0513】光吸収シート40は、その基材が半透明に
着色された熱可塑性樹脂材料よりなり、投写画像光より
外光を多く吸収する機能を有しているため、照明光など
の外光があるときの画像のコントラストが向上する効果
がある。
【0514】本実施例においても、スクリーン画面垂直
方向の光拡散は、フレネルレンズシート10の横長レン
チキュラーレンズにより行う構成とする。また、第二の
レンチキュラーレンズシート30、光吸収シート40と
も、基材中に光拡散材6を含有しない構成とする。
【0515】この結果、本実施例においても、第四の実
施例と同様に、画像のフォーカス特性、明るさ、コント
ラスト、及びスクリーンの成形性をともに向上するとと
もに、スクリーン画面水平方向、及び垂直方向の指向特
性を拡大できる効果がある。
【0516】一方、本実施例においては、前記の各実施
例と同様に、入射光束140が、第二のレンチキュラー
レンズシート30の光入射面31に設けられた第一の縦
長レンチキュラーレンズにより、光出射面32の第二の
縦長レンチキュラーレンズを通るように収束されるよう
な設計とするために、第二のレンチキュラーレンズシー
ト30のシート厚さに制限がある。
【0517】これは、図106、図107に示した従来
の透過型スクリーンのレンチキュラーレンズシート3
0′においても同様である。したがって、従来の透過型
スクリーンにおいては、透過型スクリーン1全体として
の機械的強度を確保するために、フレネルレンズシート
10のシート厚さをレンチキュラーレンズシート30′
のシート厚さより厚くすることが一般に行われていた。
【0518】これに対し、本実施例においては、図79
に示すように、フレネルレンズシート10のシート厚さ
を従来の透過型スクリーンのフレネルレンズシートより
薄くして第二のレンチキュラーレンズシート30のシー
ト厚さと同程度とする一方、光吸収シート40のシート
厚さを最も厚くしており、透過型スクリーン1全体とし
ての機械的強度が、図71に示した第八の実施例より大
きくなる効果がある。
【0519】さらに、フレネルレンズシート10の光入
射面11の横長レンチキュラーレンズと、第二のレンチ
キュラーレンズシート30の光入射面31の第一の縦長
レンチキュラーレンズシートとが互いに近接するように
配置されていることから、画像のフォーカス特性が良好
になるという効果がある。さらに、図72に示した構成
の透過型スクリーン1と同様に、フレネルレンズシート
10のシート厚さが薄いことから、光出射面12のフレ
ネル凸レンズにおける、投写画像光の不要反射に起因す
るゴーストが目立たなくなる効果がある。
【0520】図79においては、フレネルレンズシート
10の光入射面11の横長レンチキュラーレンズの形状
を、画像発生源側に凸形をなす凸形レンチキュラーレン
ズと画像発生源側に凹形をなす凹形レンチキュラーレン
ズとを、交互に連続して複数配列した形状としている
が、これに限定されるわけではなく、前述の各実施例に
おいて例示されているような各種の形状の横長レンチキ
ュラーレンズとしてもよい。
【0521】次に、本発明の第十の実施例を図80によ
り説明する。
【0522】図80は本発明の第十の実施例としての透
過型スクリーンの要部を示す斜視図であり、図79と同
一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0523】本実施例と図79に示した第九の実施例と
の違いは、第九の実施例においては図79に示したよう
に、フレネルレンズシート10の光入射面11のみの形
状がスクリーン画面水平方向を長手方向とする横長レン
チキュラーレンズをスクリーン画面垂直方向に複数並べ
た形状になっているのに対し、本実施例においては、図
80に示すように、フレネルレンズシート10の光入射
面11のほか、図68に示した第六の実施例と同様に、
光吸収シート40の光入射面41の形状もスクリーン画
面水平方向を長手方向とする横長レンチキュラーレンズ
をスクリーン画面垂直方向に複数並べた形状になってい
る点にある。
【0524】本実施例においては、スクリーン画面垂直
方向の光拡散は、フレネルレンズシート10の光入射面
11の横長レンチキュラーレンズと、光吸収シート40
の光入射面41の横長レンチキュラーレンズに分散して
行う構成とする。また、第二のレンチキュラーレンズシ
ート30、光吸収シート40とも、基材中に光拡散材6
を含有しない構成とする。
【0525】本実施例においては、第二のレンチキュラ
ーレンズシート30の光入射面31の縦長レンチキュラ
ーレンズと光吸収シート40の光入射面41の横長レン
チキュラーレンズとを、相互に近接するように配置して
いるため、スクリーン画面垂直方向の指向特性を拡大す
るために、光吸収シート40の横長レンチキュラーレン
ズの曲率半径を小さくしても、フォーカス特性は低下す
ることがない。
【0526】また、画像の明るさについては、第九の実
施例と同様である。
【0527】一方、本実施例においては、外光に対する
光吸収シート40の光入射面41の横長レンチキュラー
レンズにおけるスクリーン正面方向への反射光が、図7
9に示した第九の実施例の場合より多くなるため、画像
のコントラストは第九の実施例の場合より低下する。し
かしながら、本実施例において、さらに、光吸収シート
40の光入射面41表面全体に、微細な凹凸形状を設け
たり、光学的反射防止膜を設けたりして、防眩処理を施
すことにより、コントラストの補償が可能である。
【0528】したがって、本実施例においても、画像の
フォーカス特性、明るさ及びコントラストをともに向上
させるとともに、スクリーン画面水平方向、及び垂直方
向の指向特性を拡大できる効果がある。
【0529】本実施例においても、横長レンチキュラー
レンズの形状として各種の形状が採用できる。
【0530】図81は、本実施例の変形例としての透過
型スクリーンの要部を示す斜視図であり、図80と同一
部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0531】図81に示す透過型スクリーン1では、フ
レネルレンズシート10の光入射面11、光吸収シート
40の光入射面41とも、横長レンチキュラーレンズと
して、画像発生源側に凸形をなす凸形レンチキュラーレ
ンズと画像発生源側に凹形をなす凹形レンチキュラーレ
ンズとを、スクリーン画面垂直方向に交互に連続して複
数並べた形状になっている。
【0532】本実施例においては、画像のフォーカス特
性、明るさ、コントラスト、及びスクリーンの成形性を
ともに向上するとともに、スクリーン画面水平方向、及
び垂直方向の指向特性を拡大できる効果がある。
【0533】なお、本実施例において、スクリーン画面
垂直方向の光拡散を、主として、フレネルレンズシート
10の横長レンチキュラーレンズ、または光吸収シート
40の横長レンチキュラーレンズにより行い、他方のレ
ンチキュラーレンズにより補助的に光拡散を行う場合
は、補助的に光拡散を行うレンチキュラーレンズの方は
従来の透過型スクリーンのフレネルレンズシートの光入
射面の横長レンチキュラーレンズと同様に、画像発生源
側に凸形となる凸形レンチキュラーレンズのみをスクリ
ーン画面垂直方向に配列する構成としてもよい。これ
は、補助的に光拡散を行うレンチキュラーレンズの方
は、形状がより平面に近く、スクリーンの成形性に問題
が少ないからである。
【0534】次に、本発明の第十一の実施例を図82に
より説明する。
【0535】図82は本発明の第十一の実施例としての
透過型スクリーンの要部を示す斜視図であり、図80と
同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0536】本実施例と図80に示した第十の実施例と
の違いは、第十の実施例においては図80に示したよう
に、フレネルレンズシート10の光入射面11と光吸収
シート40の光入射面41の形状がともにスクリーン画
面水平方向を長手方向とする横長レンチキュラーレンズ
をスクリーン画面垂直方向に複数並べた形状になってい
るのに対し、本実施例においては、図82に示すよう
に、光吸収シート40の光入射面41のみの形状がスク
リーン画面水平方向を長手方向とする横長レンチキュラ
ーレンズをスクリーン画面垂直方向に複数並べた形状に
なっている点にある。
【0537】本実施例においては、スクリーン画面垂直
方向の光拡散は、光吸収シート40の光入射面41の横
長レンチキュラーレンズにより行う構成とする。また、
第二のレンチキュラーレンズシート30は、基材中に光
拡散材をほとんど含有しない構成とする。
【0538】さて、光吸収シート40の光入射面41の
横長レンチキュラーレンズの形状について、以下、詳細
に説明する。
【0539】まず、垂直観視角βの拡大のための技術手
段を図83を用いて説明する。
【0540】図83は図82における光吸収シート40
のC部(画面垂直方向断面)の拡大図である。
【0541】図83において、光吸収シート40の光入
射面41の横長レンチキュラーレンズは、第二のレンチ
キュラーレンズシート30から出射し光吸収シート40
の光入射面41に入射する光束を、画面垂直方向に拡散
する機能を有している。これは、入射光束が同じ走査
線、または同じ画素の光線であっても、光入射面41へ
の入射位置の違いにより入射角が違ってくるため、異な
る角度に屈折する現象に基づいている。
【0542】すなわち、入射光束の各光線は、光入射面
41の横長レンチキュラーレンズに入射して屈折した
後、それぞれ各焦点で集光し、その後、発散しながら光
出射面42に向かい、入射光束は全体的に拡散されるこ
とになる。
【0543】よって、このような拡散機能を持たせるた
めに、本実施例においては、光軸l、l′近傍のレンズ
形状(映像光源側に凸;集光作用)を弱い凸形状とする
ことにより、そのレンズ作用を弱くし、光軸l、l′か
ら離れるに従い、前記凸形状が強くなる形状とすること
により、そのレンズ作用を強くしている。
【0544】すなわち、言い替えれば、光軸l、l′近
傍のレンズ作用による焦点距離に比べ、光軸l、l′か
ら離れた部分のレンズ作用による焦点距離を短くしてい
る。このため、光入射面41の横長レンチキュラーレン
ズでの屈折力が、光軸l、l′から離れるに従い強くな
り、この部分を通過する光束は、光軸l、l′近傍を通
過する光束に比べて、より大きく屈折し、広い垂直指向
特性が実現できる。
【0545】以上の原理は、前述した図1の実施例にお
ける第一のレンチキュラーレンズシート20の横長レン
チキュラーレンズの場合と同様である。
【0546】表19に、光吸収シート40の横長レンチ
キュラーレンズの設計例を示す。なお、表19におい
て、光出射面の曲率半径が∞とあるのは、光出射面42
の形状が平面であることを示している。
【0547】
【表19】
【0548】図84は、表19の設計例による光吸収シ
ート40を有する透過型スクリーンのスクリーン画面垂
直方向の指向特性を示す特性図である。
【0549】図84に示すように、垂直観視角βは±7
4度と非常に広い範囲においてスクリーン上の映像が観
視できる。また、実用上最も重要な50%輝度(スクリ
ーンの観視位置を垂直方向に任意変えた場合に得られる
最大輝度に対する相対値)となる垂直観視角βは±10
度と実用上十分な性能を得ている。
【0550】次に、光吸収シート40の光入射面の形状
に関するレンズ作用の変化について、前述した図31を
用いて説明する。
【0551】図31において、縦軸は光吸収シート40
の光入射面の形状を規定する数2を2次微分した関数に
半径方向の距離を代入した値であり、横軸はレンズ有効
半径P/2に対する半径方向の相対距離(相対半径)で
ある。そして、実線1は従来技術のスクリーンの特性
を、一点鎖線3は表19のレンズ形状のデータに対応し
たスクリーンの特性を、それぞれ示している。なお、破
線2については既に説明した。
【0552】前述したように、この2次微分した値の増
減を見ることによりレンズの半径方向の各位置によるレ
ンズ作用の変化が判る。すなわち、本実施例の入射面の
レンズ形状は、一点鎖線3に示すように、この2次微分
値が光軸l、l′から離れるに従い正となる。このた
め、レンズ作用(映像光源側に凸)が強まる形状となっ
ている。一方、従来技術のレンズ形状は、実線1に示す
ように、この2次微分値が正ではあるが、光軸l、l′
から離れても値が増加しない。このため、レンズ作用
(映像光源側に凸)が変化しない形状となっている。
【0553】このとき、光吸収シート40の光入射面4
1は、第二のレンチキュラーレンズシート30の光出射
面32に近接しており、入射光束140のスクリーン画
面水平方向の光拡散の開始点とスクリーン画面垂直方向
の光拡散の開始点とが近接していることになるので、フ
ォーカス特性が低下することがない。
【0554】なお、本実施例では、照明光などの外光が
あるとき、その外光に対する光吸収シート40の光入射
面41の横長レンチキュラーレンズにおけるスクリーン
正面方向への反射光が、図79に示した第九の実施例の
場合より多くなり、画像のコントラストが低下する。し
かしながら、本実施例においても、図80に示した第十
の実施例と同様に、光吸収シート40の光入射面41表
面全面に、微細な凹凸形状を設けたり、光学的反射防止
膜を設けるなどの防眩処理をすることにより、コントラ
ストの補償が可能である。
【0555】したがって、本実施例においても、画像の
フォーカス特性、明るさ、コントラスト、及びスクリー
ンの成形性をともに向上するとともに、スクリーン画面
水平方向、及び垂直方向の指向特性を拡大できる効果が
ある。
【0556】本実施例においても、横長レンチキュラー
レンズの形状として各種の形状が採用できる。
【0557】図85は、本実施例の変形例としての透過
型スクリーンの要部を示す斜視図であり、図82と同一
部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0558】図85に示す透過型スクリーン1では、光
吸収シート40の光入射面41の横長レンチキュラーレ
ンズの形状が、図81の場合と同様に、画像発生源側に
凸形をなす凸形レンチキュラーレンズと画像発生源側に
凹形をなす凹形レンチキュラーレンズとを、スクリーン
画面垂直方向に交互に連続して複数並べた形状になって
いる。
【0559】図86は、図85の透過型スクリーン1の
垂直断面を示す断面図であり、140は入射光束であ
る。
【0560】図85の構成の透過型スクリーン1におい
ては、第二のレンチキュラーレンズシート30の基材3
0Bの中には、光拡散材6が分散されていないので、図
86に示すように、フレネルレンズシート10に入射し
た入射光束140は、スクリーン画面垂直方向に拡散さ
れることなくフレネルレンズシート10と第二のレンチ
キュラーレンズシート30を透過し、光吸収シート40
の光入射面41においてはじめて横長レンチキュラーレ
ンズの形状によりスクリーン画面垂直方向に拡散される
ため、画像観視側から見たときの入射光束140に対す
る出射光束のスクリーン画面垂直方向の幅dは、概ね第
二のレンチキュラーレンズシート30の光出射面32上
に現れる光束の幅で認識されることになり、良好なフォ
ーカス特性が得られる。
【0561】このとき、光吸収シート40の光入射面4
1は、第二のレンチキュラーレンズシート30の光出射
面32に近接しており、入射光束140のスクリーン画
面水平方向の光拡散の開始点とスクリーン画面垂直方向
の光拡散の開始点とが近接していることになるので、フ
ォーカス特性が低下することがない。
【0562】このような構成としても、画像のフォーカ
ス特性、明るさ、コントラスト、及びスクリーンの成形
性をともに向上するとともに、スクリーン画面水平方
向、及び垂直方向の指向特性を拡大できる効果がある。
【0563】なお、本実施例において、図82、図85
に示した光吸収シート40は、光入射面41に、横長レ
ンチキュラーレンズを複数配列する構成となっている
が、横長レンチキュラーレンズを配列する面は光入射面
41に限定されるものではなく、光出射面42にも横長
レンチキュラーレンズを複数配列する構成としてもよ
い。
【0564】図82に示した第十一の実施例の透過型ス
クリーン1において、光吸収シート40の光入射面41
と光出射面42を反転させた場合、入射光束の各光線
は、フレネルレンズシート10、第二のレンチキュラー
レンズシート30を経て、光吸収シート40の光入射面
41に入射し、光出射面42の横長レンチキュラーレン
ズ面に向かう。光出射面42の横長レンチキュラーレン
ズ面については、前述したように、光軸l、l′近傍の
レンズ形状(映像観視側に凸)を弱い凸形状とすること
により、そのレンズ作用を弱くし、光軸l、l′から離
れるに従い、前記凸形状が強くなる形状とすることによ
り、そのレンズ作用を強くしている。このため、横長レ
ンチキュラーレンズでの屈折力が光軸l、l′から離れ
るに従い強くなり、この部分を通過する光束は、光軸
l、l′近傍を通過する光束に比べて、より大きく屈折
し、広い垂直指向特性が実現できる。
【0565】図87は、表19に示した光吸収シート4
0の設計例において、光入射面41と光出射面42の形
状を入れ替えた構成とした場合のスクリーン画面垂直方
向の指向特性を示す特性図である。
【0566】図87に示すように、垂直観視角βは±4
4度と広い範囲においてスクリーン上の映像が観視でき
る。また、実用上最も重要な50%輝度(スクリーンの
観視位置を垂直方向に任意に変えた場合に得られる最大
輝度に対する相対値)となる垂直観視角βは±10度と
実用上十分な性能を得ている。
【0567】また、本実施例における光吸収シート40
の光出射面42の横長レンチキュラーレンズのレンズ作
用の変化の特性は、図31の一点鎖線3で示した特性に
対し、横軸を中心軸として軸対称となるような特性とな
る。
【0568】以上説明したように、本実施例において
も、図82に示した透過型スクリーンと同様の効果を得
ることができる。
【0569】次に、本発明の第十二の実施例について説
明する。
【0570】図88は本発明の第十二の実施例としての
透過型スクリーンの要部を示す斜視図である。
【0571】図88において、透過型スクリーン1は、
フレネルレンズシート10、マイクロレンズシート50
の2枚構成である。フレネルレンズシート10、マイク
ロレンズシート50は端部(図示せず)で相互に固定さ
れている。10B、50Bはそれぞれフレネルレンズシ
ート10、マイクロレンズシート50の基材であり、い
ずれもほぼ透明な熱可塑性樹脂材料より成る。
【0572】フレネルレンズシート10の光入射面11
は、本実施例では平面となっており、光出射面12はフ
レネル凸レンズ形状となっている。
【0573】また、51はマイクロレンズシート50の
光入射面であり、マイクロレンズ素子を画面水平方向及
び画面垂直方向に連続して並べた形状となっている。5
2はマイクロレンズシート50の光出射面であり、マイ
クロレンズ素子を、光入射面51のマイクロレンズ素子
にほぼ対向して、画面水平方向及び画面垂直方向に連続
して並べた形状となっている。さらに、光出射面52の
マイクロレンズ素子相互間の境界部分には、凸形突起部
52Pが設けられ、その上に有限幅の光吸収層53が設
けられている。
【0574】すなわち、本実施例は、図71に示した第
八の実施例において、フレネルレンズシート10の光入
射面11を平面とし、さらに、第二のレンチキュラーレ
ンズシート30に代えて、光入射面51及び光出射面5
2にマイクロレンズ素子を有するマイクロレンズシート
50を新たな構成要素として加えたものである。
【0575】本実施例において、マイクロレンズシート
50の光入射面51に設けられたマイクロレンズ素子
は、前述の第八の実施例におけるフレネルレンズシート
10の光入射面11に設けられた横長レンチキュラーレ
ンズと、第二のレンチキュラーレンズシート30の光入
射面31に設けられた第一の縦長レンチキュラーレンズ
に代わるものである。
【0576】すなわち、マイクロレンズシート50の光
入射面51におけるマイクロレンズ素子は、画面水平方
向断面の形状が図7に示した第一の縦長レンチキュラー
レンズの形状と同様の形状、画面垂直方向断面の形状が
図29に示した横長レンチキュラーレンズの形状と同様
の形状となっている。
【0577】したがって、本実施例においても図71の
第八の実施例と同様の効果が得られる。
【0578】ところで、上記の第一ないし第三の実施
例、及び第八の実施例においては、フレネルレンズシー
ト10、第一のレンチキュラーレンズシート20、第二
のレンチキュラーレンズシート30のいずれも光拡散材
6を含有しない構成としたが、第一のレンチキュラーレ
ンズシート20、第二のレンチキュラーレンズシート3
0のうちの1枚、もしくは2枚に光拡散材6をごく少量
分散させ、光拡散を補助的に行わせてもよい。また、上
記の第四ないし第七の実施例、及び第九ないし第十一の
実施例においては、フレネルレンズシート10、第一の
レンチキュラーレンズシート20、第二のレンチキュラ
ーレンズシート30、光吸収シート40のいずれも光拡
散材6を含有しない構成としたが、第一のレンチキュラ
ーレンズシート20、第二のレンチキュラーレンズシー
ト30、光吸収シート40のうちの1枚、もしくは2
枚、もしくは3枚全てに光拡散材6をごく少量分散さ
せ、光拡散を補助的に行わせてもよい。これらの場合、
光拡散材6による光拡散が補助的なものである限りは、
スクリーン画面垂直方向の指向特性を拡大しても、画像
のフォーカス特性及びコントラストは良好となり、光拡
散材6を有しない場合に近い効果が得られる。その一例
について、以下に説明する。
【0579】図89は、図82に示す第十一の実施例に
おいて、第二のレンチキュラーレンズシート30の基材
30Bの内部に光拡散材6を微量混入したもので、他の
構成は図82と同様である。
【0580】この場合、第二のレンチキュラーレンズシ
ート30は、従来技術のレンチキュラーレンズシート3
0′と異なり、光拡散材を微量にしか有していない。し
たがって、光入射面31への入射光線が光出射面32に
至る前に光拡散材6により散乱されて迷光を生じたりす
ることがほとんどなく、さらに、光出射面32に入射し
た外光が光拡散材6により散乱されたりすることもほと
んどないので、従来技術のスクリーンに比較して、飛躍
的に画像のコントラストが向上すると共に、光拡散材に
よるフォーカス特性の劣化がほとんど生じない。
【0581】なお、上記の場合、透過型スクリーンにお
いて、スクリーン画面垂直方向の指向特性における、光
拡散材と横長レンチキュラーレンズのそれぞれの寄与分
を分離して設計してもよい。たとえば、スクリーン画面
垂直方向の指向特性において、光拡散材は主として画面
正面方向付近の光拡散を行い、横長レンチキュラーレン
ズは主として画面正面方向から離れた方向の光拡散を行
うようにしてもよい。この場合も、光拡散材の量が微量
である限りは上記の各実施例と同様の効果が得られるほ
か、横長レンチキュラーレンズの断面形状がサグ量の比
較的小さい形状となり、製造時の成形性が向上する効果
がある。
【0582】次に、本発明の第十三の実施例について説
明する。
【0583】図90は本発明の第十三の実施例としての
透過型スクリーンの要部を示す斜視図であり、図71と
同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0584】本実施例の透過型スクリーン1は、フレネ
ルレンズシート10と第二のレンチキュラーレンズシー
ト30の2枚構成である。
【0585】本実施例と図71に示した第八の実施例と
の違いは、第八の実施例においては図71に示したよう
に、フレネルレンズシート10の光入射面11の横長レ
ンチキュラーレンズによりスクリーン画面垂直方向の光
拡散を行う構成となっているのに対し、本実施例におい
ては、第二のレンチキュラーレンズシート30の基材3
0Bの内部に光拡散材6を少量混入し、スクリーン画面
垂直方向の光拡散を光拡散材6によって全面的に行い、
フレネルレンズシート10の光入射面11の横長レンチ
キュラーレンズをなくした点にある。ただし、光拡散材
6の量は、図106に示した従来の透過型スクリーンに
おける縦長レンチキュラーレンズシートより少ない量と
なっている。
【0586】第二のレンチキュラーレンズシート30の
光入射面31の第一の縦長レンチキュラーレンズは、そ
の断面形状が高次の非球面を成し、その2次微分値は、
前述の第一の実施例における第四の設計例または第五の
設計例において説明した条件式を満足している。すなわ
ち、非球面に関する2次微分関数Z″(x)が楕円に関
する2次微分関数G″(x)に対し、数8及び数9を満
足するか、または、数8及び数10を満足している。
【0587】本実施例では、スクリーン画面垂直方向の
光拡散に、前記の各実施例で採用されていた非球面の横
長レンチキュラーレンズを採用していないため、スクリ
ーン画面垂直方向の指向特性としては裾の広い特性は得
られないが、スクリーン画面水平方向の指向特性は、前
述の第一の実施例において説明した指向特性に対して光
拡散材6による拡散特性を加味したものとなる特徴があ
る。すなわち、指向特性の観視輝度の分布がゆるやかな
ものになって、観視輝度の特異点などは目立たなくな
り、さらに、画面正面から観視する場合の最高輝度が低
下するために、各観視角度での相対的な観視輝度が上が
ることになる。この結果、縦長レンチキュラーレンズの
断面形状に歪が発生しても、観視輝度の特異点の発生
や、カラーシフトの増大をある程度緩和できる効果があ
る。
【0588】本実施例の透過型スクリーン1において
は、前述の各実施例の透過型スクリーンと同様にカラー
シフトが少なく、かつ製造時に発生する歪に対して指向
特性の劣化が少ない効果がある。
【0589】なお、光拡散材6の量を増すと、コントラ
ストの劣化、光の利用率の低下、また成形上の困難など
の問題が生じるが、本実施例の透過型スクリーンでは、
輝度の急激な変化の少ない指向特性を得ることができる
ため、図106に示した従来の透過型スクリーンにおけ
るレンチキュラーレンズシート30′より、光拡散材6
の量を減らすことができ、上記のような問題を生じるこ
とが少ない。
【0590】ところで、上記の各実施例において、フレ
ネルレンズシート10、第一のレンチキュラーレンズシ
ート20、第二のレンチキュラーレンズシート30、光
吸収シート40、マイクロレンズシート50のいずれか
の面に反射防止膜を設けるようにしてもよい。このよう
にした場合は、画像そのもののコントラストを向上させ
ることができる。以下、このような反射防止膜を設けた
透過型スクリーンを、上記各実施例の応用例として、図
91、図92を用いて説明する。
【0591】図91、図92は、それぞれ、第八の実施
例の応用例としての透過型スクリーンの要部を示す斜視
図である。
【0592】図91の応用例では、画像発生源側に最も
近い位置に配置されるフレネルレンズシート10の光入
射面11に反射防止膜111を設けている。このように
することにより、セット内部での迷光を低減でき、画像
のコントラストを向上させる効果がある。
【0593】図92の応用例では、画像観視側に最も近
い位置に配置される第二のレンチキュラーレンズシート
30の光入射面31に反射防止膜311を設けている。
このようにすることにより、フレネルレンズシート10
と第二のレンチキュラーレンズシート30の間の多重反
射により生じる迷光を低減でき、画像のコントラストを
大幅に向上させる効果がある。
【0594】このほか、たとえば第一の実施例のよう
に、第一のレンチキュラーレンズシート20を構成要素
として有する透過型スクリーンでは、第一のレンチキュ
ラーレンズシート20の光入射面21、光出射面22に
反射防止膜を設けてもよい。このようにすることで、フ
レネルレンズシート10と第一のレンチキュラーレンズ
シート20、第二のレンチキュラーレンズシート30の
間の多重反射により生じる迷光を低減でき、画像のコン
トラストを大幅に向上させる効果がある。
【0595】なお、透過型スクリーンの各面に反射防止
膜を設ける具体的な方法としては、例えば、旭硝子
(株)製の非晶質フッ素樹脂(商品名:サイトップ(C
ytop))を特定濃度のパーフルオロ溶剤に溶解し、
この溶液を所望の膜厚を得るようスピンコート、ディッ
プコート等によりスクリーンの面に塗布するなどの方法
がある。ちなみに、このサイトップのD線(波長589
nm)に対する屈折率は1.34であり、従来からある
反射防止膜より、良好な性能が得られる。
【0596】また、第十二、及び第十三の実施例におい
て、第二のレンチキュラーレンズシート30について
は、前記の第一ないし第三、及び第八の実施例と同様
に、画像観視側の光出射面32の表面に防眩処理、帯電
防止処理、ハードコーティングなどの表面硬化処理等の
処理を施してもよい。防眩処理を行った場合は、スクリ
ーン画面への、観視者側の物体、あるいは照明光などの
映り込みを低減できる効果がある。また、帯電防止処理
を行った場合には、第二のレンチキュラーレンズシート
30表面の帯電により塵埃が付着するのを防止できる効
果がある。また、表面硬化処理を施した場合には、観視
者側から何らかの物体が衝突しても第二のレンチキュラ
ーレンズシート30の表面に傷がつきにくくなる効果が
ある。
【0597】また、さらに、前述の第四ないし第七、及
び、第九ないし第十一の実施例において、光吸収シート
40については、画像観視側の光出射面42の表面に防
眩処理、帯電防止処理、ハードコーティングなどの表面
硬化処理等の処理を施してもよい。光吸収シート40に
これらの処理を施した場合には、第二のレンチキュラー
レンズシート30についてこれらの処理を施した場合に
生じる効果と同様の効果が光吸収シート40に生じる。
【0598】また、上記の各実施例においては、第二の
レンチキュラーレンズシート30の光出射面32の第二
の縦長レンチキュラーレンズとして、光入射面31の第
一の縦長レンチキュラーレンズの形状と同様、非球面形
状のレンチキュラーレンズを設ける構成としたが、光出
射面32が単に平面で、前述の光吸収帯33のみが設け
られている構成としてもよい。この場合、光出射面32
に第二の縦長レンチキュラーレンズを設ける場合と比較
すると、画像のカラーシフトはやや大きくなるが、その
ほかの性能については同等の効果が得られる。
【0599】さて、上記の各実施例においては、非球面
の横長レンチキュラーレンズを採用することにより、モ
アレを低減できる効果がある。その詳細については、前
述の第一の実施例の説明において述べた通りである。
【0600】ここで、画面に生じるモアレをさらに軽減
する手段について、前記の第一の実施例を例にとり説明
する。
【0601】モアレは、スクリーンの構成要素であるフ
レネルレンズシート10上の同心円群と第一、第二のレ
ンチキュラーレンズシート上の直線群とが重なりあい、
その交点を結んだ軌跡として発生する。このモアレは、
レンチキュラーレンズシート上の直線が縦線である場合
にはスクリーン中央から水平方向へ、横線である場合に
はスクリーン中央から垂直方向へ、縦線と横線が同時に
存在する場合にはスクリーン中央から多様な斜め方向へ
放射状に延びる。
【0602】こうしたモアレ縞を低減する方策として種
々のアイディアが考案されており、特に光拡散材がある
程度混入されても目立っているフレネルレンズシートの
同心円とレンチキュラーレンズシートの縦線とが重なっ
た時のスクリーン画面水平方向のモアレ対策として、特
開昭60−263932号公報や特開昭59−9552
5号公報等数件が開示されている。しかし、上記の構成
に横長レンチキュラーレンズの横線が加わったときの放
射状モアレ対策について現時点で開示されている出願は
特開昭62−121436号公報だけである。この出願
は、試験的に作成したサンプルの目視評価と、それを裏
付ける原理的な根拠を示した出願であるが、斜め方向に
発生するいくつもの縞の強さ(目立ち易さ)を分類把握
し最適条件を見出すには原理検討が不十分であり、普遍
性に欠ける。
【0603】またさらに、上記の2種類のモアレを抜本
的に回避する方策として特開昭59−69747号公報
に開示されたような、ピッチを乱数で与えたフレネルレ
ンズシートやレンチキュラーレンズシートを使用するこ
とも有効と考えられるが、具体的なピッチの種類、数値
等が与えられておらず、また実際に製造するための具体
的な指針が無いため実際の効果が不明である。
【0604】そこで、ここでは、フレネルレンズシート
と、縦長レンチキュラーレンズ、横長レンチキュラーレ
ンズを有する透過型スクリーンにおいて、上記の斜め方
向へ放射状に伸びるモアレを抑制するための設計方法に
ついて、まず概要を説明する。
【0605】従来、モアレは上記のような円弧と直線の
交点の軌跡の集合体として考えられており、縦長レンチ
キュラーレンズを有する従来のレンチキュラーレンズシ
ートは、図93に示したようなブラックストライプの黒
い線を有し、フレネルレンズシートは、図94、図95
に示すような陰影部(無出射領域)を有するため、その
黒い線の重なりあった交点群が、モアレとして出現する
と考えられていた。しかし実際には、フレネルレンズシ
ートの円弧状の無出射領域がレンチキュラーレンズシー
ト上の個々のレンズによって、例えば、図97のように
結像され、陰影部の点列群を形成し、それらが幾何学的
な縞模様となって出現する。結像状態が虚であるか実で
あるかは、レンチキュラーレンズシートのパワーとシー
ト間の配置関係によって決まるが、こうした光学的な作
用によって、単なる円と直線の交点群によるモアレより
も強調された縞が発生する。したがって、モアレの強さ
は、従来から指摘されてきたフレネルレンズシートとレ
ンチキュラーレンズシートの相互のピッチ関係に加え、
上に述べたようにレンチキュラーレンズシートの光学作
用による強調によっても変化する。本発明者等はこのよ
うなモアレの強さを、幾何学的なものと光学的なものの
2つの観点から計算と実験によって評価し、モアレを目
視困難とするピッチ関係と配置関係とを把握した。
【0606】後述の設計例では、これらの現象の主因と
なる各構成要素のピッチ関係と、構成と縞の発生方向に
依存した光学的作用を検討することによってモアレを低
減する。
【0607】この斜めのモアレの強さは、フレネルレン
ズの同心円群とレンチキュラーレンズの縦横の直線群の
重ね合わせた場合の交点群の密度と、縦横のレンチキュ
ラーレンズによって結像される各交点の像の大きさに依
存する。それぞれは、フレネルレンズ上の円弧と直線の
交差角によって変化し、横長レンチキュラーレンズとフ
レネルレンズのピッチ関係によってほぼ決定されること
から、これを所定値に設定することによってモアレを回
避する。以下、さらに詳細に説明する。
【0608】図93は、第一の実施例と同様の3枚構成
の透過型スクリーンの要部を示す斜視図である。図93
において、フレネルレンズシート10は光出射面12に
フレネル凸レンズが設けられており、画面の中心部付近
を通る光軸を中心軸として同心円状の角形プリズムが順
次配列された構成となっている。
【0609】この3枚構成の透過型スクリーン1におい
て、フレネルレンズシート10の光入射面11に投写レ
ンズからの投写光束が入射し、フレネルレンズシート1
0、第一のレンチキュラーレンズシート20、第二のレ
ンチキュラーレンズシート30を透過して外部に拡散さ
れる。図93においては、フレネルレンズシート10の
フレネル凸レンズ面は、光出射面12に配置されてお
り、この場合、スクリーン周辺部における輝度むらを抑
制するのに効果がある。
【0610】図94はフレネルレンズシート10の断面
を示す断面図である。
【0611】図94に示すように、フレネルレンズシー
ト10を透過した光は、フレネル凸レンズ面の立ち上が
り部分で遮光され、その部分を透過できない。その結
果、この立ち上がり部分は無出射領域となる。
【0612】図95はフレネルレンズの無出射領域の正
面形状を示す平面図であり、上記の無出射領域は、正面
から見た場合に図95に示すような同心円状の陰影群を
形成する。これらの陰影群が、第一のレンチキュラーレ
ンズシート20、第二のレンチキュラーレンズシート3
0の個々のレンチキュラーレンズにより像を形成し、そ
れらが幾何学的な目立ちやすい点列群として整列した場
合、観視側にはモアレ縞となって出現する。
【0613】特に、図93に示した3枚構成の透過型ス
クリーンにおいては、スクリーン中央から幾つもの方向
へ放射状のモアレが大きく発生する。
【0614】図96は、そのスクリーン画面斜め方向の
モアレの発生状態を模式的に示す平面図である。
【0615】また、図97は、フレネルレンズシートの
無出射領域の、横長レンチキュラーレンズによる像の例
を示す平面図である。
【0616】図96に示すスクリーン画面斜め方向のモ
アレは、フレネルレンズシートの無出射領域が、第一の
レンチキュラーレンズシート20の横長レンチキュラー
レンズによって像を形成したとき、図97に示すよう
に、その陰影群がほぼ画面垂直方向に並ぶ方向が存在
し、その縦に並んだ陰影群が第二のレンチキュラーレン
ズシート30の縦長レンチキュラーレンズと重なりあっ
て斜め方向に放射状の縞を形成することにより発生す
る。
【0617】図98にスクリーン画面斜め方向のモアレ
の表示例を示す。
【0618】これは図96のスクリーン画面上の第1象
限(画面の右半分の上半分)にあたる領域において、フ
レネルレンズの陰影部が第一、第二のレンチキュラーレ
ンズシートの横長レンチキュラーレンズと縦長レンチキ
ュラーレンズによってサンプリングされ、光学的に拡大
された点列群を表示した例である。この例によってもわ
かるようにフレネルレンズの中心から多数の方向に放射
状にモアレが延びる。
【0619】図97は、図96において破線で囲ったθ
方向の点列の構造を拡大して示している。この方向θ
は、図97においてi=0、j=0の交点から数えてi
=i0、j=j0番目の交点が垂直に並ぶと考え、Pf
フレネルレンズのピッチ、Pvを横長レンチキュラーレ
ンズのピッチ、i0、j0を任意の自然数とすると数32
で表示される。
【0620】
【数34】θ=Arccos(i0f/j0v) また、縞の周波数は、縦長レンチキュラーレンズのピッ
チPhとPf/sinθの差で与えられる。
【0621】こうして発生する縞自体の強さは、この縞
を構成するフレネルレンズ陰影部の個々の点が散在する
密度と、縦長レンチキュラーレンズ、横長レンチキュラ
ーレンズによって拡大あるいは変形された個々の点の大
きさとに依存し、各々のパラメータはフレネルレンズの
ピッチPfと横長レンチキュラーレンズのピッチPvの比
に依存する。
【0622】図99は、ピッチ比Pf/Pvとモアレの強
さの関係を計算した結果を示す特性図である。
【0623】図99において、i、jの組合せによって
発生する縞の種類(方向、強さ)は異なるので、様々な
曲線が描かれているが、個々の線に関しては、ピッチ比
が大きくなるとモアレの強度は徐々に大きくなり、ある
ポイントでピークに達し、それ以上では消滅する。その
間、スクリーン上での縞の発生方向は、水平に近い方向
から徐々に垂直方向へ移動し、ちょうど垂直となったと
ころで消滅する。
【0624】実験によってサンプル評価した結果、個々
の構成要素(フレネルレンズ、横長レンチキュラーレン
ズ、縦長レンチキュラーレンズ)に光拡散材が混入され
ていない状態では、図99中に破線で示したレベルが検
知限であることがわかった。モアレを避けるためには、
このように散在するピークを避けた部分にピッチ比を設
定する必要があり、そのような領域を図99に〜で
示す。
【0625】図99によれば、全てのモアレの強度を検
知限以下とする単一ピッチは領域とであり、領域
はその端部で裾野が検知限をこえる部分がある。また、
他の、、の領域は、それぞれ太線で示した裾野を
有し検知限を超えるが、光拡散材を少量加えたり、フレ
ネル凸レンズと各レンチキュラーレンズの間隔を変えた
り、各レンチキュラーレンズのパワーを変化させる等の
遮蔽効果によって、検知限以下にすることが可能であ
る。
【0626】こうして得られる使用可能なピッチ比の領
域、、、、は、具体的には、0と0.15
の間、0.33と0.40の間、0.5と0.6の
間、1.0と1.15の間、2.0と2.34の間
である。の領域中0という数値は現実的には存在せ
ず、光の回折等を考えた場合、0.05が実用上の最小
レベルである。
【0627】図100、図101、図102は、それぞ
れ、、、の各領域で単一ピッチを採った場合の画
面上のモアレ縞の発生状況を示す平面図である。
【0628】それぞれの領域で小さな縞は多種出ている
が、検知限を超えて眼に見える縞は、の時i=2、j
=1の縞、の時i=1、j=1の縞、の時i=1、
j=2の縞がある。これらの縞は、検知限をやや超える
程度であり、前述したような遮蔽効果を持つ低減手段に
よって眼につかないようにすることが可能である。
【0629】さらに、複数種類のピッチを持つフレネル
レンズシートを製造することにより、以上述べた3つの
領域から2つ以上のピッチを選んで繰り返すことによっ
て、それぞれの領域の単一の縞を回避することも可能で
ある。
【0630】図103は、ピッチ比(Pf/Pv)の1サ
イクル内の変化が、1.11⇒0.57⇒1.11⇒
0.57⇒0.35⇒0.35⇒0.57という3種類
の複合ピッチのフレネルレンズと横長、縦長のレンチキ
ュラーレンズを組み合わせた場合のモアレの発生状況を
示す。モアレはほとんど目立たず、光拡散材等による遮
蔽は不要である。また、こうした複合ピッチには、上記
のピッチ比の様々な組合せが存在するが、それらが縦長
レンチキュラーレンズとモアレを起こさないように、そ
の一周期のスパンが縦長レンチキュラーレンズのピッチ
に対しM+0.3〜M+0.7の範囲、あるいは、その
逆数となるように設定する必要がある。ここに、Mは0
または自然数である。
【0631】なお、上記の説明では、フレネルレンズシ
ートの観視側に横長レンチキュラーレンズと縦長レンチ
キュラーレンズシートを配置した、斜めのモアレが最も
強い構成の透過型スクリーンに基づいて説明したが、前
記の各実施例に示したような異なった構成の透過型スク
リーンに対しても有効であり、さらに、光拡散材が練り
込まれたシートを使用している透過型スクリーンに対し
ても同様に有効である。
【0632】以上述べたモアレ軽減設計によれば、光拡
散材の練り込み量の少ない透過型スクリーンにおいて、
斜め方向のモアレがほとんど目立たない透過型スクリー
ンを実現でき、モアレ妨害のない高品位の画像を表示す
る背面投写型画像ディスプレイ装置を提供することが可
能となる。
【0633】さて、最後に、上記の第一ないし第十三の
実施例の透過型スクリーン1を備えた背面投写形画像デ
ィスプレイ装置について説明する。
【0634】上記の各実施例の透過型スクリーン1を用
いて、図2に示したような背面投写型画像ディスプレイ
装置を構成するにあたっては、以下のような従来からあ
るコントラスト向上策を併用するのが好ましい。
【0635】すなわち、図2に示した投写型ブラウン管
7Gと投写レンズ8Gを結合する結合器9G内におい
て、投写レンズ8Gを構成するレンズ群のうち最も投写
型ブラウン管7G側に配置されるレンズ素子を、投写型
ブラウン管7G側が凸面でかつ透過型スクリーン側が凹
面となる凹レンズとし、この凹レンズと投写型ブラウン
管7Gとの間に生じる空間に液体冷媒を封入するのであ
る。
【0636】図104は図2の背面投写型画像ディスプ
レイ装置における投写型ブラウン管と投写レンズの結合
部の断面を示す断面図である。
【0637】図104において、7Gは緑の投写型ブラ
ウン管、8Gは投写型ブラウン管7G用の投写レンズ、
9Gは投写型ブラウン管7Gと投写レンズ8Gを結合す
る結合器、81、82、83、84は投写レンズ8Gの
それぞれ第一、第二、第三、第四のレンズ素子、85は
レンズ鏡筒である。
【0638】第一のレンズ素子81は、投写型ブラウン
管7G側が凸面でかつ透過型スクリーン側が凹面となる
凹レンズとなっており、このレンズ素子81と投写型ブ
ラウン管7Gとの間の空間に液体冷媒91が封入されて
いる。投写型ブラウン管7Gの液体冷媒91に接する部
分は通常ガラスからなり、レンズ素子81はガラスまた
はプラスチックからなり、液体冷媒91としてはエチレ
ングリコール、水、グリセリンなど、もしくはこれらの
混合液が用いられる。
【0639】このとき、液体冷媒91がなく、投写型ブ
ラウン管7Gとレンズ素子81との間に単に空気がある
に過ぎない場合は、投写型ブラウン管7Gから出射しレ
ンズ素子81に至る画像光の一部が、投写型ブラウン管
7Gと液体冷媒91との境界面、及び液体冷媒91とレ
ンズ素子81との境界面における光の反射損失により、
投写光学系内の迷光となり、この迷光が背面投写型画像
ディスプレイ装置の投写光学系内、もしくは筐体内を往
来した末に透過型スクリーンに至ると、画像のコントラ
ストとして高いコントラストが得られない。
【0640】これに対し、液体冷媒91がある場合は、
投写型ブラウン管7G、液体冷媒91、レンズ素子81
の屈折率がいずれも1.5前後の近い値となるため、投
写型ブラウン管7Gから出射しレンズ素子81に至る画
像光は、投写型ブラウン管7Gと液体冷媒91との境界
面、及び液体冷媒91とレンズ素子81との境界面にお
ける光の反射損失がきわめて少なく、良好な画像のコン
トラストが得られる。
【0641】上記の説明では、緑の投写型ブラウン管と
投写レンズの組合せについて説明したが、赤と青の投写
型ブラウン管と投写レンズの組合せについても同様であ
る。
【0642】したがって、凹レンズと投写型ブラウン管
7Gとの間の空間に液体冷媒を封入するという上記のコ
ントラスト向上策を、上記の各実施例の透過型スクリー
ンと併用することにより、画像のコントラストがより一
層良好な背面投写型画像ディスプレイ装置が得られる。
【0643】なお、図104においては、投写レンズ8
Gは4枚のレンズ素子から構成されているが、このよう
な投写レンズとしては、たとえば、特開平1−2509
16号公報に開示されている投写レンズを適用すること
ができる。しかしながら、投写レンズの構成はこれに限
定されるものではなく、たとえば特開平3−24651
2号公報、特開平3−276113号公報、米国特許4
963007号に開示されている投写レンズなども適用
することができる。
【0644】また、上記の各実施例の透過型スクリーン
1を用いて、図2に示したような背面投写型画像ディス
プレイ装置を構成するにあたっては、以下のような従来
からある画像のフォーカス特性の向上策を併用するのが
好ましい。
【0645】すなわち、図2に示した反射鏡110とし
て、反射鏡110の基材の表面のうち、投写レンズ8G
及び透過型スクリーン1に対向する側の表面上に光反射
性光学薄膜を成膜された構成にするのである。もしく
は、反射鏡110の基材110Bの表面のうち、投写レ
ンズ8G及び透過型スクリーン1に対向する側の表面上
に反射防止膜を設けるとともに、この面と反対側の基材
110Bの表面上に光反射性光学薄膜111を成膜され
た構成とするのである。
【0646】図105は図2の背面投写型画像ディスプ
レイ装置における反射鏡110の拡大断面図である。
【0647】図105において、110Bは反射鏡11
0の基材であり、通常はガラス板よりなる。また、10
0′は入射光線、111は光反射性光学薄膜である。
【0648】また、図105において、(a)は反射鏡
110の基材110Bの表面のうち、投写レンズ8G及
び透過型スクリーン1に対向する側の表面上に光反射性
光学薄膜111を成膜された構成の反射鏡を、(b)は
反射鏡110の基材110Bの表面のうち、投写レンズ
8G及び透過型スクリーン1に対向する側の反対側の表
面上に光反射性光学薄膜111を成膜された構成の反射
鏡を、それぞれ示している。
【0649】図105(b)に示す反射鏡110におい
ては、入射光線100′は反射鏡110の基材110B
内で多重反射を起こすことから、反射光が広がってしま
い、この結果、透過型スクリーン1上で良好な画像のフ
ォーカス特性が得られない。
【0650】これに対し、図105(a)に示す反射鏡
110においては、入射光線100′は反射鏡110の
投写レンズ8G及び透過型スクリーン1に対向する側の
表面で反射するので、反射光が広がることがなく、透過
型スクリーン1上で良好な画像のフォーカス特性が得ら
れる。
【0651】また、図105(b)に示す反射鏡110
においては、反射鏡110の投写レンズ8G及び透過型
スクリーン1に対向する側の表面に反射防止膜を設ける
ことにより、反射鏡110の基材110B内での入射光
線100′の多重反射が大幅に減少することから、反射
光が広がることがなく、透過型スクリーン1上で良好な
画像のフォーカス特性が得られることになる。
【0652】したがって、反射鏡110として、反射鏡
110の基材110Bの表面のうち、投写レンズ8G及
び透過型スクリーン1に対向する側の表面上に光反射性
光学薄膜111を成膜された構成にするか、もしくは、
反射鏡110の基材110Bの表面のうち、投写レンズ
8G及び透過型スクリーン1に対向する側の表面上に反
射防止膜を設けるとともに、この面と反対側の基材11
0Bの表面上に光反射性光学薄膜111を成膜された構
成とするという上記の画像のフォーカス特性の向上策
を、上記の各実施例の透過型スクリーンと併用すること
により、画像のフォーカス特性がより一層良好な背面投
写型画像ディスプレイ装置が得られる。
【0653】以上の説明は、赤、緑、青の単色の投写型
ブラウン管3本を用いた光学系、及びその光学系を使用
した画像ディスプレイ装置に関して行ったが、ブラウン
管の本数を6本、9本等に増やした場合、あるいは、映
像発生源がスライドフィルムのようなカラー画像(光学
系の途中で合成する場合も含む)を1本の投写レンズで
投写する光学系、及びその光学系を使用した画像ディス
プレイ装置の場合についても、実質的に本発明に含まれ
ることは言うまでもない。
【0654】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、投写型ブラウン管などの画像発生源からの投
写画像光は、投写レンズを経て、透過型スクリーンに入
射し、スクリーン画面水平方向には第二のレンチキュラ
ーレンズシートの光入射面及び光出射面の非球面の縦長
レンチキュラーレンズにより拡散され、また、スクリー
ン画面垂直方向には主としてフレネルレンズシート、ま
たは第一のレンチキュラーレンズシート、または光吸収
シートの光入射面あるいは光出射面に設けた非球面の横
長レンチキュラーレンズにより拡散される。
【0655】したがって、本発明によれば、スクリーン
画面水平方向の指向特性の大幅改善とカラーシフトの大
幅低減は、上記の縦長レンチキュラーレンズの非球面形
状を最適化することにより実現することができる。
【0656】また、上記の横長レンチキュラーレンズの
非球面形状を最適化することにより、スクリーン画面垂
直方向の指向特性を広げ、垂直視野角を増加させること
ができる。
【0657】さらに、マイクロレンズ素子をスクリーン
画面水平、垂直方向に連続して配置して成るマイクロレ
ンズシート50を用いる場合は、画面水平方向断面の形
状及び画面垂直方向断面の形状の最適化することによっ
て、上記と同様の指向特性を実現できる。
【0658】また、上記の横長レンチキュラーレンズと
して、画像発生源側に凸形となる凸形レンチキュラーレ
ンズと画像発生源側に凹形となる凹形レンチキュラーレ
ンズとを用い、その両者を交互に連続して複数配列した
形状の横長レンチキュラーレンズを用いる場合、これら
の横長レンチキュラーレンズの曲率半径を小さくして
も、隣接するレンチキュラーレンズ相互間の境界部の形
状として、レンズ面が鋭い交差角で交差することがな
く、したがって、成形用金型によって成形しようとした
場合、横長レンチキュラーレンズの境界部の形状をほぼ
完全に再現でき、スクリーンの成形性が良好となる効果
がある。
【0659】また、上記の横長レンチキュラーレンズと
して、上下非対称の断面形状を有する横長レンチキュラ
ーレンズを用いる場合、スクリーン画面垂直方向の指向
特性として、背面投写型画像ディスプレイ装置に好適な
上下非対称の指向特性を実現でき、多様な観視位置から
観視しても画面全体が明るく見える背面投写型画像ディ
スプレイ装置が得られるという効果がある。
【0660】また、本発明においては、フレネルレンズ
シート、または第一のレンチキュラーレンズシート、ま
たは光吸収シートの横長レンチキュラーレンズによって
スクリーン画面垂直方向の指向特性を十分広げることが
できるので、第一のレンチキュラーレンズシート、第二
のレンチキュラーレンズシート、あるいは光吸収シート
には、全く光拡散材を含有させないか、または含有させ
るにしても微量でよい。このため、光拡散材によって画
像がぼやけることがことが少なくなり、良好なフォーカ
ス特性が得られる。また、入射光線が光拡散材により散
乱されて迷光を生じたり、さらに、照明光などの外光が
光拡散材により散乱されたりすることも少なくなるの
で、従来の透過型スクリーンに比較して画像の明るさ、
コントラストが向上する効果がある。
【0661】さらに、本発明においては、半透明に着色
された光吸収シートを画像観視側に配置するか、もしく
は第二のレンチキュラーレンズシートを半透明に着色す
る構成としたので、照明光などの外光があるとき、投写
画像光より外光の方が損失光の比率が大きくなり、コン
トラストがさらに向上する効果がある。
【0662】また、本発明においては、フレネルレンズ
シート、第一のレンチキュラーレンズシート、第二のレ
ンチキュラーレンズシートのうち、第一のレンチキュラ
ーレンズシートのシート厚さを最も薄くするなどの構成
とすることにより、横長レンチキュラーレンズと、第二
のレンチキュラーレンズシートの光入射面の縦長レンチ
キュラーレンズとを、相互に近接するように配置してい
ることから、入射光束のスクリーン画面水平方向の光拡
散の開始点とスクリーン画面垂直方向の光拡散の開始点
とが近接することになり、スクリーン画面垂直方向の指
向特性を拡大しても良好な画像のフォーカス特性が得ら
れる効果がある。
【0663】さらに、シート厚さの厚い光吸収シートを
配してフレネルレンズシートのシート厚さを従来の透過
型スクリーンにおけるフレネルレンズシートより薄くす
ることにより、フレネルレンズシートの光出射面のフレ
ネルレンズにおける投写画像光の不要反射に起因するゴ
ーストが目立たなくでき、さらに、フレネルレンズシー
トの光入射面に横長レンチキュラーレンズを設ける場合
においても良好な画像のフォーカス特性が得られる効果
がある。
【0664】また、光吸収シートもしくは第二のレンチ
キュラーレンズシートの光出射面の表面処理として、防
眩処理を行ったときは、画像観視側の物体や照明光など
のスクリーン画面への映り込みを防止できる効果があ
る。また、同じく帯電防止処理を施したときは、光吸収
シートもしくは第二のレンチキュラーレンズシートの表
面の帯電により塵埃が付着するのを防止できる効果があ
る。さらに、ハードコーティング処理などの表面硬化処
理を施したときは、画像観視側から何らかの物体が衝突
しても、光吸収シートあるいは第二のレンチキュラーレ
ンズシートの表面に傷がつきにくくなる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例としての透過型スクリー
ンの要部を示す斜視図である。
【図2】図1の透過型スクリーンを用いた背面投写型画
像ディスプレイ装置の要部を示す断面図である。
【図3】図2の背面投写型画像ディスプレイ装置の投写
光学系を水平面上に展開したときの概略展開図である。
【図4】図1の透過型スクリーンの垂直断面を示す断面
図である。
【図5】図1の透過型スクリーンの第一のレンチキュラ
ーレンズシートの垂直断面を示す断面図である。
【図6】透過型スクリーンの各レンチキュラーレンズの
非球面形状を定義するための座標系を示す図である。
【図7】図1の透過型スクリーンの縦長レンチキュラー
レンズの拡散機能を説明するための説明図である。
【図8】一般的な透過型スクリーンの縦長レンチキュラ
ーレンズの拡散機能を説明するための説明図である。
【図9】図1の透過型スクリーンの縦長レンチキュラー
レンズの拡散機能を説明するための説明図である。
【図10】表1の第二のレンチキュラーレンズシート3
0の設計例によるスクリーン画面水平方向の指向特性を
示す特性図である。
【図11】表1の第二のレンチキュラーレンズシート3
0の設計例による赤及び青色映像光についてのスクリー
ン画面水平方向の指向特性を示す特性図である。
【図12】第一の縦長レンチキュラーレンズの形状に関
するレンズ作用の変化について、本発明の透過型スクリ
ーンと従来技術の透過型スクリーンとを比較して示した
特性図である。
【図13】第二の縦長レンチキュラーレンズの形状に関
するレンズ作用の変化について、本発明の透過型スクリ
ーンと従来技術の透過型スクリーンとを比較して示した
特性図である。
【図14】表2の第二のレンチキュラーレンズシート3
0の設計例によるスクリーン画面水平方向の指向特性を
示す特性図である。
【図15】表2の第二のレンチキュラーレンズシート3
0の設計例による赤及び青色映像光についてのスクリー
ン画面水平方向の指向特性を示す特性図である。
【図16】表3の第二のレンチキュラーレンズシート3
0の設計例による緑色映像光が入射した場合の光線の進
行する様子を示す光線追跡図である。
【図17】表3の第二のレンチキュラーレンズシート3
0の設計例による、赤、緑、青色映像光のスクリーン画
面水平方向の指向特性を示す特性図である。
【図18】表3の第二のレンチキュラーレンズシート3
0の設計例に基づく試作スクリーンによる、赤、緑、青
色映像光のスクリーン画面水平方向の指向特性を示す特
性図である。
【図19】表3の第二のレンチキュラーレンズシート3
0の設計例に基づく試作スクリーンの第一の縦長レンチ
キュラーレンズの断面形状の実測形状を、設計形状と比
較して示す断面図である。
【図20】表3の第二のレンチキュラーレンズシート3
0の設計例に基づく試作スクリーンの第一の縦長レンチ
キュラーレンズの断面形状の実測形状の、設計形状に対
するサグ量の歪の大きさを示す特性図である。
【図21】第一の縦長レンチキュラーレンズの断面形状
の2次微分値を、従来技術の透過型スクリーンにおける
楕円の場合と、放物線の場合とについて比較して示した
特性図である。
【図22】第一の縦長レンチキュラーレンズの断面形状
の2次微分値を、表4の第二のレンチキュラーレンズシ
ート30の設計例の場合と、従来技術の透過型スクリー
ンにおける楕円の場合とについて比較して示した特性図
である。
【図23】表4の第二のレンチキュラーレンズシート3
0の設計例による、赤、緑、青色映像光のスクリーン画
面水平方向の指向特性を示す特性図である。
【図24】表4の第二のレンチキュラーレンズシート3
0の設計例に対し、図20に示す歪が発生した場合の、
赤、緑、青色映像光のスクリーン画面水平方向の指向特
性を示す特性図である。
【図25】第一の縦長レンチキュラーレンズの断面形状
の2次微分値を、表5の第二のレンチキュラーレンズシ
ート30の設計例の場合と、従来技術の透過型スクリー
ンにおける楕円の場合とについて比較して示した特性図
である。
【図26】表5の第二のレンチキュラーレンズシート3
0の設計例による、赤、緑、青色映像光のスクリーン画
面水平方向の指向特性を示す特性図である。
【図27】表5の第二のレンチキュラーレンズシート3
0の設計例に対し、図20に示す歪が発生した場合の、
赤、緑、青色映像光のスクリーン画面水平方向の指向特
性を示す特性図である。
【図28】図1の透過型スクリーンの横長レンチキュラ
ーレンズの拡散機能を説明するための説明図である。
【図29】表6の横長レンチキュラーレンズの設計例の
形状とスクリーン画面垂直方向の光の拡散の概略を示す
断面図である。
【図30】表6の横長レンチキュラーレンズの設計例に
よるスクリーン画面垂直方向の指向特性を示す図であ
る。
【図31】横長レンチキュラーレンズの形状に関するレ
ンズ作用の変化について、本発明の透過型スクリーンと
従来技術の透過型スクリーンとを比較して示した特性図
である。
【図32】本発明の第一の実施例の変形例としての透過
型スクリーンの要部を示す斜視図である。
【図33】本発明の第一の実施例の変形例としての透過
型スクリーンの要部を示す斜視図である。
【図34】本発明の第一の実施例の変形例としての透過
型スクリーンの要部を示す斜視図である。
【図35】本発明の第一の実施例の変形例としての透過
型スクリーンの要部を示す斜視図である。
【図36】図35の透過型スクリーンの垂直断面を示す
断面図である。
【図37】従来の透過型スクリーンにおけるフレネルレ
ンズシート、図1の透過型スクリーンにおける第一のレ
ンチキュラーレンズシート、及び図35の透過型スクリ
ーンにおける第一のレンチキュラーレンズシートの垂直
断面を示す断面図である。
【図38】図37に示す横長レンチキュラーレンズを用
いたときの透過型スクリーン1のスクリーン画面垂直方
向の指向特性の概略を示す特性図である。
【図39】表7の横長レンチキュラーレンズの設計例の
形状を示す断面図である。
【図40】表7の横長レンチキュラーレンズの設計例に
よるスクリーン画面垂直方向の光の拡散の概略を示す断
面図である。
【図41】表9の横長レンチキュラーレンズの設計例に
よるスクリーン画面垂直方向の指向特性を示す特性図で
ある。
【図42】表10の横長レンチキュラーレンズの設計例
によるスクリーン画面垂直方向の指向特性を示す特性図
である。
【図43】表11の横長レンチキュラーレンズの設計例
によるスクリーン画面垂直方向の指向特性を示す特性図
である。
【図44】表12の横長レンチキュラーレンズの設計例
の形状を示す断面図である。
【図45】表12の横長レンチキュラーレンズの設計例
によるスクリーン画面垂直方向の光の拡散の概略を示す
断面図である。
【図46】表13の横長レンチキュラーレンズの設計例
の形状を示す断面図である。
【図47】表13の横長レンチキュラーレンズの設計例
によるスクリーン画面垂直方向の光の拡散の概略を示す
断面図である。
【図48】表15の横長レンチキュラーレンズの設計例
の形状を示す断面図である。
【図49】表15の横長レンチキュラーレンズの設計例
によるスクリーン画面垂直方向の指向特性を示す特性図
である。
【図50】表16の横長レンチキュラーレンズの設計例
の形状を示す断面図である。
【図51】表16の横長レンチキュラーレンズの設計例
によるスクリーン画面垂直方向の指向特性を示す特性図
である。
【図52】上下非対称な形状の横長レンチキュラーレン
ズの垂直断面形状における光線追跡を示す断面図であ
る。
【図53】図52の横長レンチキュラーレンズの断面形
状を示す拡大断面図である。
【図54】上下非対称な形状の横長レンチキュラーレン
ズの設計において目標とするスクリーン画面垂直方向の
指向特性を示す特性図である。
【図55】図54のスクリーン画面垂直方向の指向特性
に基づき設計した横長レンチキュラーレンズの垂直断面
形状を示す断面図である。
【図56】上下非対称な形状の横長レンチキュラーレン
ズの設計において目標とするスクリーン画面垂直方向の
指向特性を示す特性図である。
【図57】図56のスクリーン画面垂直方向の指向特性
に基づき設計した横長レンチキュラーレンズの垂直断面
形状を示す断面図である。
【図58】図56のスクリーン画面垂直方向の指向特性
に基づき設計した横長レンチキュラーレンズの、変形例
の垂直断面形状を示す断面図である。
【図59】図57の横長レンチキュラーレンズの垂直断
面における照明光の伝搬経路を示す断面図である。
【図60】図58の横長レンチキュラーレンズの垂直断
面における照明光の伝搬経路を示す断面図である。
【図61】図61は、2段構成のマルチ画面の背面投写
型画像ディスプレイ装置の透過型スクリーンにおけるス
クリーン画面垂直方向の光の拡がりを示す断面図であ
る。
【図62】本発明の第二の実施例としての透過型スクリ
ーンの要部を示す斜視図である。
【図63】本発明の第三の実施例としての透過型スクリ
ーンの要部を示す斜視図である。
【図64】本発明の第四の実施例としての透過型スクリ
ーンの要部を示す斜視図である。
【図65】図64の光吸収シート40における基材40
Bの具体例としてのアクリルフィルターNGの色調N0
99の各波長の光線に対する透過率の特性を示す特性図
である。
【図66】図64の光吸収シート40における基材40
Bの具体例としてのアクリルフィルターNGの色調N0
97の各波長の光線に対する透過率の特性を示す特性図
である。
【図67】本発明の第五の実施例としての透過型スクリ
ーンの要部を示す斜視図である。
【図68】本発明の第六の実施例としての透過型スクリ
ーンの要部を示す斜視図である。
【図69】本発明の第七の実施例としての透過型スクリ
ーンの要部を示す斜視図である。
【図70】従来の透過型スクリーン及び図64の透過型
スクリーンにおけるフレネルレンズシートの垂直断面を
示す断面図である。
【図71】本発明の第八の実施例としての透過型スクリ
ーンの要部を示す斜視図である。
【図72】本発明の第八の実施例の変形例としての透過
型スクリーンの要部を示す斜視図である。
【図73】本発明の第八の実施例の変形例としての透過
型スクリーンの要部を示す斜視図である。
【図74】図73の透過型スクリーンにおいて、表6の
横長レンチキュラーレンズの設計例を適用したときのス
クリーン画面垂直方向の指向特性を示す図である。
【図75】本発明の第八の実施例の変形例としての透過
型スクリーンの要部を示す斜視図である。
【図76】図75の透過型スクリーンの垂直断面を示す
断面図である。
【図77】従来の透過型スクリーン及び図75の透過型
スクリーンにおけるフレネルレンズシートの垂直断面を
示す断面図である。
【図78】図75の透過型スクリーンにおけるフレネル
レンズシートの他の具体例を示す断面図である。
【図79】本発明の第九の実施例としての透過型スクリ
ーンの要部を示す斜視図である。
【図80】本発明の第十の実施例としての透過型スクリ
ーンの要部を示す斜視図である。
【図81】本発明の第十の実施例の変形例としての透過
型スクリーンの要部を示す斜視図である。
【図82】本発明の第十一の実施例としての透過型スク
リーンの要部を示す斜視図である。
【図83】図82の透過型スクリーンの横長レンチキュ
ラーレンズの拡散機能を説明するための説明図である。
【図84】表19の横長レンチキュラーレンズの設計例
によるスクリーン画面垂直方向の指向特性を示す特性図
である。
【図85】本発明の第十一の実施例の変形例としての透
過型スクリーンの要部を示す斜視図である。
【図86】図85の透過型スクリーンの垂直断面を示す
断面図である。
【図87】本発明の第十一の実施例の変形例としての透
過型スクリーンにおいて、表19の横長レンチキュラー
レンズの設計例を適用したときのスクリーン画面垂直方
向の指向特性を示す図である。
【図88】本発明の第十二の実施例としての透過型スク
リーンの要部を示す斜視図である。
【図89】本発明の第十一の実施例の変形例としての透
過型スクリーンの要部を示す斜視図である。
【図90】本発明の第十三の実施例としての透過型スク
リーンの要部を示す斜視図である。
【図91】本発明の第八の実施例の応用例としての透過
型スクリーンの要部を示す斜視図である。
【図92】本発明の第八の実施例の応用例としての透過
型スクリーンの要部を示す斜視図である。
【図93】本発明の第一の実施例としての透過型スクリ
ーンの要部を示す斜視図である。
【図94】フレネルレンズの無出射領域を示す断面図で
ある。
【図95】フレネルレンズの無出射領域の正面形状を示
す平面図である。
【図96】斜め方向のモアレの発生状態を模式的に示す
平面図である。
【図97】横のレンチキュラーレンズによるスクリーン
陰影部の像の例を示す平面図である。
【図98】斜め方向のモアレの発生状態を計算表示した
平面図である。
【図99】斜め方向のモアレの強度とピッチ比の関係を
示す特性図である。
【図100】斜め方向モアレの発生状態の計算表示例で
ある。
【図101】斜め方向モアレの発生状態の計算表示例で
ある。
【図102】斜め方向モアレの発生状態の計算表示例で
ある。
【図103】斜め方向モアレの発生状態の計算表示例で
ある。
【図104】図2の背面投写型画像ディスプレイ装置に
おける投写型ブラウン管と投写レンズとの結合部の断面
を示す断面図である。
【図105】図2の背面投写型画像ディスプレイ装置に
おける反射鏡の断面を示す断面図である。
【図106】従来技術による透過型スクリーンの要部を
示す斜視図である。
【図107】従来技術による透過型スクリーンの要部を
示す斜視図である。
【図108】従来技術による透過型スクリーンのフレネ
ルレンズシートの垂直断面を示す断面図である。
【図109】従来技術による透過型スクリーンのレンチ
キュラーレンズシートの水平断面を示す断面図である。
【図110】従来技術による透過型スクリーンのレンチ
キュラーレンズシートの水平断面を示す断面図である。
【図111】従来技術による透過型スクリーンのレンチ
キュラーレンズシートの垂直断面及び水平断面を示す断
面図である。
【図112】一般的な水平観視角α及び垂直観視角βを
説明するための説明図である。
【図113】従来技術による透過型スクリーンにおいて
得られるスクリーン画面水平方向の指向特性及び垂直方
向の指向特性を示す特性図である。
【図114】従来技術による透過型スクリーンのフレネ
ルレンズシートの横長レンチキュラーレンズ単体のスク
リーン画面垂直方向の指向特性をを示す特性図である。
【図115】従来技術による透過型スクリーンにおいて
得られるスクリーン画面垂直方向の指向特性の他の例を
示す特性図である。
【図116】透過型スクリーンにおいて得られるべき理
想のスクリーン画面水平方向の指向特性及び垂直方向の
指向特性を示す特性図である。
【図117】図1の透過型スクリーンの垂直断面を示す
断面図である。
【図118】図1の透過型スクリーンの水平断面を示す
断面図である。
【図119】従来技術による透過型スクリーンにおいて
得られる赤、緑、青色映像光についてのスクリーン画面
水平方向の指向特性を示す特性図である。
【図120】従来技術による透過型スクリーンにおいて
得られる赤及び青色映像光についてのスクリーン画面水
平方向の指向特性の他の例を示す特性図である。
【図121】図1の透過型スクリーンの画面垂直方向の
輝度分布と図107の透過型スクリーンの画面垂直方向
の輝度分布を比較して示した特性図である。
【符号の説明】
1…透過型スクリーン、1A…上側の透過型スクリー
ン、1B…下側の透過型スクリーン、6…光拡散材、7
R,7G,7B…投写型ブラウン管、8R,8G,8B
…投写レンズ、9G…結合器、10…フレネルレンズシ
ート、10B…フレネルレンズシートの基材、11…フ
レネルレンズシートの光入射面、12…フレネルレンズ
シートの光出射面、20…第一のレンチキュラーレンズ
シート、20B…第一のレンチキュラーレンズシートの
基材、21…第一のレンチキュラーレンズシートの光入
射面、22…第一のレンチキュラーレンズシートの光出
射面、23…水平面、24…平面部、30…第二のレン
チキュラーレンズシート、30B…第二のレンチキュラ
ーレンズシートの基材、30′…レンチキュラーレンズ
シート、30B′…レンチキュラーレンズシートの基
材、31…第二のレンチキュラーレンズシートの光入射
面、31′…レンチキュラーレンズシートの光入射面、
32…第二のレンチキュラーレンズシートの光出射面、
32′…レンチキュラーレンズシートの光出射面、32
P…第二のレンチキュラーレンズシートの凸形突起部、
33…光吸収帯、40…光吸収シート、40B…光吸収
シートの基材、41…光吸収シートの光入射面、41…
光吸収シートの光出射面、50…マイクロレンズシー
ト、50B…マイクロレンズシートの基材、51…マイ
クロレンズシートの光入射面、52…マイクロレンズシ
ートの光出射面、81…第一のレンズ素子、82…第二
のレンズ素子、83…第三のレンズ素子、84…第四の
レンズ素子、85…レンズ鏡筒、91…液体冷媒、11
0…反射鏡、110B…反射鏡の基材、111…光反射
性光学薄膜、120…筐体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平4−203449 (32)優先日 平4(1992)7月30日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平5−92736 (32)優先日 平5(1993)4月20日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平5−84417 (32)優先日 平5(1993)4月12日 (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 大沢 敦夫 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地株式 会社日立製作所映像メディア研究所内 (72)発明者 松田 裕 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地株式 会社日立製作所映像メディア研究所内 (72)発明者 村中 昌幸 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地株式 会社日立製作所映像メディア研究所内

Claims (121)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】画像発生源側より入射される画像光を透過
    して、画像観視側に出射する透過型スクリーンにおい
    て、スクリーン画面水平方向の光拡散の開始点と、スク
    リーン画面垂直方向の光拡散の開始点が、画像光の進行
    方向に沿って異なる位置にあることを特徴とする透過型
    スクリーン。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の透過型スクリーンにおい
    て、スクリーン画面水平方向の光拡散の開始点が、スク
    リーン画面垂直方向の光拡散の開始点より画像観視側に
    位置することを特徴とする透過型スクリーン。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の透過型スクリーンにおい
    て、スクリーン画面垂直方向の光拡散の開始点が、スク
    リーン画面水平方向の光拡散の開始点より画像観視側に
    位置することを特徴とする透過型スクリーン。
  4. 【請求項4】請求項1ないし請求項3に記載の透過型ス
    クリーンにおいて、スクリーン画面水平方向の光拡散
    は、前記透過型スクリーンを構成する面のうちの2面に
    形成されたスクリーン画面垂直方向を長手方向とする縦
    長レンチキュラーレンズによって行われることを特徴と
    する透過型スクリーン。
  5. 【請求項5】請求項1ないし請求項4に記載の透過型ス
    クリーンにおいて、スクリーン画面垂直方向の光拡散
    は、前記透過型スクリーンを構成する面のうちの1面に
    形成されたスクリーン画面水平方向を長手方向とする横
    長レンチキュラーレンズによって行われることを特徴と
    する透過型スクリーン。
  6. 【請求項6】請求項1ないし請求項4に記載の透過型ス
    クリーンにおいて、スクリーン画面垂直方向の光拡散
    は、前記透過型スクリーンを構成する面のうちの1面に
    形成されたスクリーン画面水平方向を長手方向とする横
    長レンチキュラーレンズと、前記透過型スクリーンを構
    成するレンズシートのうちの少なくとも1枚がその基材
    内部またはその表面に有している光拡散材と、によって
    行われることを特徴とする透過型スクリーン。
  7. 【請求項7】請求項1ないし請求項4に記載の透過型ス
    クリーンにおいて、スクリーン画面垂直方向の光拡散
    は、前記透過型スクリーンを構成する面のうちの少なく
    とも2面に形成されたスクリーン画面水平方向を長手方
    向とする横長レンチキュラーレンズによって行われるこ
    とを特徴とする透過型スクリーン。
  8. 【請求項8】請求項1ないし請求項4に記載の透過型ス
    クリーンにおいて、スクリーン画面垂直方向の光拡散
    は、前記透過型スクリーンを構成する面のうちの少なく
    とも2面に形成されたスクリーン画面水平方向を長手方
    向とする横長レンチキュラーレンズと、前記透過型スク
    リーンを構成するレンズシートのうちの少なくとも1枚
    がその基材内部またはその表面に有している光拡散材
    と、によって行われることを特徴とする透過型スクリー
    ン。
  9. 【請求項9】請求項6または請求項8に記載の透過型ス
    クリーンにおいて、前記光拡散材は主にスクリーン画面
    垂直方向の指向特性における画面正面方向付近の光拡散
    を行い、前記横長レンチキュラーレンズは主にスクリー
    ン画面垂直方向の指向特性における画面正面方向から離
    れた方向の光拡散を行うことを特徴とする透過型スクリ
    ーン。
  10. 【請求項10】請求項1ないし請求項9に記載の透過型
    スクリーンにおいて、前記透過型スクリーンのスクリー
    ン画面垂直方向の指向特性が、最大輝度をB0とし、ス
    クリーン画面垂直方向の各観視角度における輝度が0.
    5B0以上、0.1B0以上となるような観視角度の範囲
    をそれぞれθ50、θ10としたときに、 【数32】θ10≧3.4×θ50 なる式を満足する指向特性となることを特徴とする透過
    型スクリーン。
  11. 【請求項11】映像発生源側より入射される映像光を透
    過して、映像観視側に出射する透過型スクリーンであっ
    て、 1枚以上のシート要素で構成され、前記シート要素のう
    ち、少なくとも1枚のシート要素(以下、特定シート要
    素という)は、その映像発生源側の光入射面の形状が、
    スクリーン画面垂直方向を長手方向とする第一のレンチ
    キュラーレンズを複数個、スクリーン画面水平方向に連
    続的に配置した形状を成し、その映像観視側の光出射面
    の形状が、スクリーン画面垂直方向を長手方向とする第
    二の縦長レンチキュラーレンズを複数個、前記第一のレ
    ンチキュラーレンズにほぼ対向して、スクリーン画面水
    平方向に連続的に配置した形状を成すと共に、前記第一
    の縦長レンチキュラーレンズのスクリーン画面水平方向
    の断面形状が映像発生源側に凸である形状を成し、か
    つ、前記第一の縦長レンチキュラーレンズは光軸近傍の
    屈折力に比べて、その周辺部の屈折力が弱いことを特徴
    とする透過型スクリーン。
  12. 【請求項12】請求項11に記載の透過型スクリーンに
    おいて、前記第一の縦長レンチキュラーレンズの屈折力
    は、前記第一の縦長レンチキュラーレンズのスクリーン
    画面水平方向の断面形状によって制御されることを特徴
    とする透過型スクリーン。
  13. 【請求項13】映像発生源側より入射される映像光を透
    過して、映像観視側に出射する透過型スクリーンであっ
    て、 1枚以上のシート要素で構成され、前記シート要素のう
    ち、少なくとも1枚のシート要素(以下、特定シート要
    素という)は、その映像発生源側の光入射面の形状が、
    スクリーン画面垂直方向を長手方向とする第一の縦長レ
    ンチキュラーレンズを複数個、スクリーン画面水平方向
    に連続的に配置した形状を成し、その映像観視側の光出
    射面の形状が、スクリーン画面垂直方向を長手方向とす
    る第二の縦長レンチキュラーレンズを複数個、前記第一
    の縦長レンチキュラーレンズにほぼ対向して、スクリー
    ン画面水平方向に連続的に配置した形状を成すと共に、
    前記第一の縦長レンチキュラーレンズのスクリーン画面
    水平方向の断面形状が、前記第一の縦長レンチキュラー
    レンズの光軸からの距離rの関数Z(r)で与えられる
    形状を成し、かつ、映像発生源側に凸で、前記光軸に対
    し軸対称である形状を成し、前記関数Z(r)を2次微
    分して得られる関数Z″(r)に、前記光軸からの距離
    rを、前記光軸の近傍と前記第一の縦長レンチキュラー
    レンズの周辺部について代入したとき、それにより得ら
    れる値の符号が相互に異なることを特徴とする透過型ス
    クリーン。
  14. 【請求項14】映像発生源側より入射される映像光を透
    過して、映像観視側に出射する透過型スクリーンであっ
    て、 1枚以上のシート要素で構成され、前記シート要素のう
    ち、少なくとも1枚のシート要素(以下、特定シート要
    素という)は、その映像発生源側の光入射面の形状が、
    スクリーン画面垂直方向を長手方向とする第一の縦長レ
    ンチキュラーレンズを複数個、スクリーン画面水平方向
    に連続的に配置した形状を成し、その映像観視側の光出
    射面の形状が、スクリーン画面垂直方向を長手方向とす
    る第二の縦長レンチキュラーレンズを複数個、前記第一
    の縦長レンチキュラーレンズにほぼ対向して、スクリー
    ン画面水平方向に連続的に配置した形状を成すと共に、
    前記第一の縦長レンチキュラーレンズのスクリーン画面
    水平方向の断面形状が、映像発生源側に凸である形状を
    成し、かつ、その凸である形状の先端からの、前記第一
    の縦長レンチキュラーレンズの光軸の方向に沿った距離
    をZとし、該光軸からの距離をrとしたとき、 【数3】 なる式で与えられる形状を成すことを特徴とする透過型
    スクリーン。
  15. 【請求項15】請求項1,2,3または4に記載の透過
    型スクリーンにおいて、前記第二の縦長レンチキュラー
    レンズのスクリーン画面水平方向の断面形状は、該第二
    の縦長レンチキュラーレンズの光軸からの距離rの関数
    Z(r)で与えられる形状を成し、かつ、映像観視側に
    凸で、前記光軸に対し軸対称である形状を成すと共に、
    前記関数Z(r)を2次微分して得られる関数Z″
    (r)に、前記光軸からの距離rを、前記光軸の近傍と
    前記第二の縦長レンチキュラーレンズの周辺部について
    代入したとき、それにより得られる値の符号が相互に異
    なることを特徴とする透過型スクリーン。
  16. 【請求項16】映像発生源側より入射される映像光を透
    過して、映像観視側に出射する透過型スクリーンであっ
    て、 1枚以上のシート要素で構成され、前記シート要素のう
    ち、少なくとも1枚のシート要素(以下、特定シート要
    素という)は、その映像発生源側の光入射面の形状が、
    スクリーン画面垂直方向を長手方向とする第一の縦長レ
    ンチキュラーレンズを複数個、スクリーン画面水平方向
    に連続的に配置した形状を成し、その映像観視側の光出
    射面の形状が、スクリーン画面垂直方向を長手方向とす
    る第二の縦長レンチキュラーレンズを複数個、前記第一
    の縦長レンチキュラーレンズにほぼ対向して、スクリー
    ン画面水平方向に連続的に配置した形状を成すと共に、
    前記第二の縦長レンチキュラーレンズのスクリーン画面
    水平方向の断面形状が、前記第二の縦長レンチキュラー
    レンズの光軸からの距離rの関数Z(r)で与えられる
    形状を成し、かつ、映像観視側に凸で、前記光軸に対し
    軸対称である形状を成し、前記関数Z(r)を2次微分
    して得られる関数Z″(r)に、前記光軸からの距離r
    を、前記光軸の近傍と前記第二の縦長レンチキュラーレ
    ンズの周辺部について代入したとき、それにより得られ
    る値の符号が相互に異なることを特徴とする透過型スク
    リーン。
  17. 【請求項17】映像発生源側より入射される映像光を透
    過して、映像観視側に出射する透過型スクリーンであっ
    て、 1枚以上のシート要素で構成され、前記シート要素のう
    ち、少なくとも1枚のシート要素(以下、特定シート要
    素という)は、その映像発生源側の光入射面の形状が、
    スクリーン画面垂直方向を長手方向とする第一の縦長レ
    ンチキュラーレンズを複数個、スクリーン画面水平方向
    に連続的に配置した形状を成し、その映像観視側の光出
    射面の形状が、スクリーン画面垂直方向を長手方向とす
    る第二の縦長レンチキュラーレンズを複数個、前記第一
    の縦長レンチキュラーレンズにほぼ対向して、スクリー
    ン画面水平方向に連続的に配置した形状を成すと共に、
    前記第二の縦長レンチキュラーレンズのスクリーン画面
    水平方向の断面形状が、映像観視側に凸である形状を成
    し、かつ、その凸である形状の先端からの、前記第二の
    縦長レンチキュラーレンズの光軸の方向に沿った距離を
    Zとし、該光軸からの距離をrとしたとき、 【数3】 なる式で与えられる形状を成すことを特徴とする透過型
    スクリーン。
  18. 【請求項18】請求項11,12,13,14,15,
    16または17に記載の透過型スクリーンにおいて、前
    記第二の縦長レンチキュラーレンズの相互の間の境界部
    分に、それぞれ、有限幅の光吸収層を設けたことを特徴
    とする透過型スクリーン。
  19. 【請求項19】請求項11,12,13,14,15,
    16,17または18に記載の透過型スクリーンにおい
    て、前記特定スクリーンは、光拡散材を所定の量より少
    ない量有することを特徴とする透過型スクリーン。
  20. 【請求項20】映像発生源側より入射される映像光を透
    過して、映像観視側に出射する透過型スクリーンであっ
    て、 1枚以上のシート要素で構成され、前記シート要素のう
    ち、少なくとも1枚のシート要素(以下、特定シート要
    素という)は、その映像発生源側の光入射面の形状が、
    スクリーン画面水平方向を長手方向とする横長レンチキ
    ュラーレンズを複数個、スクリーン画面垂直方向に連続
    的に配置した形状を成すと共に、前記横長レンチキュラ
    ーレンズのスクリーン画面垂直方向の断面形状が映像発
    生源側に凸である形状を成し、かつ、前記横長レンチキ
    ュラーレンズの光軸の近傍の屈折力に比べて、その周辺
    部の屈折力が強いことを特徴とする透過型スクリーン。
  21. 【請求項21】請求項20に記載の透過型スクリーンに
    おいて、前記横長レンチキュラーレンズの屈折力は、前
    記横長レンチキュラーレンズのスクリーン画面垂直方向
    の断面形状によって制御されることを特徴とする透過型
    スクリーン。
  22. 【請求項22】映像発生源側より入射される映像光を透
    過して、映像観視側に出射する透過型スクリーンであっ
    て、 1枚以上のシート要素で構成され、前記シート要素のう
    ち、少なくとも1枚のシート要素(以下、特定シート要
    素という)は、その映像発生源側の光入射面の形状が、
    スクリーン画面水平方向を長手方向とする横長レンチキ
    ュラーレンズを複数個、スクリーン画面垂直方向に連続
    的に配置した形状を成すと共に、前記横長レンチキュラ
    ーレンズのスクリーン画面垂直方向の断面形状が、前記
    横長レンチキュラーレンズの光軸からの距離rの関数Z
    (r)で与えられる形状を成し、かつ、映像発生源側に
    凸で、前記光軸に対し軸対称である形状を成し、前記関
    数Z(r)を2次微分して得られる関数Z″(r)に、
    前記光軸からの距離rを順次代入したとき、それにより
    得られる値が変化することを特徴とする透過型スクリー
    ン。
  23. 【請求項23】映像発生源側より入射される映像光を透
    過して、映像観視側に出射する透過型スクリーンであっ
    て、 1枚以上のシート要素で構成され、前記シート要素のう
    ち、少なくとも1枚のシート要素(以下、特定シート要
    素という)は、その映像発生源側の光入射面の形状が、
    スクリーン画面水平方向を長手方向とする横長レンチキ
    ュラーレンズを複数個、スクリーン画面垂直方向に連続
    的に配置した形状を成すと共に、前記横長レンチキュラ
    ーレンズのスクリーン画面垂直方向の断面形状が、映像
    発生源側に凸である形状を成し、かつ、その凸である形
    状の先端からの、前記横長レンチキュラーレンズの光軸
    の方向に沿った距離をZとし、該光軸からの距離をrと
    したとき、 【数3】 なる式で与えられる形状を成すことを特徴とする透過型
    スクリーン。
  24. 【請求項24】映像発生源側より入射される映像光を透
    過して、映像観視側に出射する透過型スクリーンであっ
    て、 1枚以上のシート要素で構成され、前記シート要素のう
    ち、少なくとも1枚のシート要素(以下、特定シート要
    素という)は、その映像発生源側の光入射面の形状が、
    スクリーン画面水平方向を長手方向とする横長レンチキ
    ュラーレンズを複数個、スクリーン画面垂直方向に連続
    的に配置した形状を成すと共に、前記横長レンチキュラ
    ーレンズのスクリーン画面垂直方向の断面形状が映像発
    生源側に凸である形状を成し、かつ、その凸である形状
    の先端から、前記レンチキュラーレンズの光軸の方向に
    沿って、前記レンチキュラーレンズの光軸の近傍におけ
    るレンズ作用によって得られる焦点までの距離をl0
    し、前記レンチキュラーレンズの周辺部におけるレンズ
    作用によって得られる焦点までの距離をl1としたと
    き、距離l0とl1とが、 【数11】l0≧2・l1 なる条件を満たすことを特徴とする透過型スクリーン。
  25. 【請求項25】請求項20,21,22,23または2
    4に記載の透過型スクリーンにおいて、前記特定シート
    要素は、その映像観視側の光出射面の形状が、フレネル
    レンズを配置した形状を成すことを特徴とする透過型ス
    クリーン。
  26. 【請求項26】映像発生源側より入射される映像光を透
    過して、映像観視側に出射する透過型スクリーンであっ
    て、 1枚以上のシート要素で構成され、前記シート要素のう
    ち、少なくとも1枚のシート要素(以下、特定シート要
    素という)は、その映像観視側の光出射面の形状が、ス
    クリーン画面水平方向を長手方向とする横長レンチキュ
    ラーレンズを複数個、スクリーン画面垂直方向に連続的
    に配置した形状を成すと共に、前記横長レンチキュラー
    レンズのスクリーン画面垂直方向の断面形状が映像観視
    側に凸である形状を成し、かつ、前記横長レンチキュラ
    ーレンズの光軸の近傍の屈折力に比べて、その周辺部の
    屈折力が強いことを特徴とする透過型スクリーン。
  27. 【請求項27】請求項26に記載の透過型スクリーンに
    おいて、前記横長レンチキュラーレンズの屈折力は、前
    記横長レンチキュラーレンズのスクリーン画面垂直方向
    の断面形状によって制御されることを特徴とする透過型
    スクリーン。
  28. 【請求項28】映像発生源側より入射される映像光を透
    過して、映像観視側に出射する透過型スクリーンであっ
    て、 1枚以上のシート要素で構成され、前記シート要素のう
    ち、少なくとも1枚のシート要素(以下、特定スクリー
    ン要素という)は、その映像観視側の光出射面の形状
    が、スクリーン画面水平方向を長手方向とする横長レン
    チキュラーレンズを複数個、スクリーン画面垂直方向に
    連続的に配置した形状を成すと共に、前記横長レンチキ
    ュラーレンズのスクリーン画面垂直方向の断面形状が、
    前記横長レンチキュラーレンズの光軸からの距離rの関
    数Z(r)で与えられる形状を成し、かつ、映像観視側
    に凸で、前記光軸に対し軸対称である形状を成し、前記
    関数Z(r)を2次微分して得られる関数Z″(r)
    に、前記光軸からの距離を順次代入したとき、それによ
    り得られる値が変化することを特徴とする透過型スクリ
    ーン。
  29. 【請求項29】映像発生源側より入射される映像光を透
    過して、映像観視側に出射する透過型スクリーンであっ
    て、 1枚以上のシート要素で構成され、前記シート要素のう
    ち、少なくとも1枚のシート要素(以下、特定シート要
    素という)は、その映像観視側の光出射面の形状が、ス
    クリーン画面水平方向を長手方向とする横長レンチキュ
    ラーレンズを複数個、スクリーン画面垂直方向に連続的
    に配置した形状を成すと共に、前記横長レンチキュラー
    レンズのスクリーン画面垂直方向の断面形状が、映像観
    視側に凸である形状を成し、かつ、その凸である形状の
    先端からの、前記横長レンチキュラーレンズの光軸の方
    向に沿った距離をZとし、該光軸からの距離をrとした
    とき、 【数3】 なる式で与えられる形状を成すことを特徴とする透過型
    スクリーン。
  30. 【請求項30】映像発生源側より入射される映像光を透
    過して、映像観視側に出射する透過型スクリーンであっ
    て、 1枚以上のシート要素で構成され、前記シート要素のう
    ち、少なくとも1枚のシート要素(以下、特定シート要
    素という)は、その映像観視側の光出射面の形状が、ス
    クリーン画面水平方向を長手方向とする横長レンチキュ
    ラーレンズを複数個、スクリーン画面垂直方向に連続的
    に配置した形状を成すと共に、前記横長レンチキュラー
    レンズのスクリーン画面垂直方向の断面形状が映像観視
    側に凸である形状を成し、かつ、その凸である形状の先
    端から、前記横長レンチキュラーレンズの光軸の方向に
    沿って、前記横長レンチキュラーレンズの光軸の近傍に
    おけるレンズ作用によって得られる焦点までの距離をl
    0とし、前記横長レンチキュラーレンズの周辺部におけ
    るレンズ作用によって得られる焦点までの距離をl1
    したとき、距離l0と距離l1とが、 【数11】l0≧2・l1 なる条件を満たすことを特徴とする透過型スクリーン。
  31. 【請求項31】請求項26,27,28,29または3
    0に記載の透過型スクリーンにおいて、前記特定シート
    要素は、その映像発生源側の光入射面の形状が、フレネ
    ルレンズを配置した形状を成すことを特徴とする透過型
    スクリーン。
  32. 【請求項32】映像発生源側より入射される映像光を透
    過して、映像観視側に出射する透過型スクリーンであっ
    て、 2枚以上のシート要素で構成され、前記シート要素のう
    ち、映像発生源に最も近い側に位置する第一のシート要
    素は、その映像発生源側の光入射面の形状が、スクリー
    ン画面水平方向を長手方向とする横長レンチキュラーレ
    ンズを複数個、スクリーン画面垂直方向に連続的に配置
    した形状を成し、映像発生源より最も遠い側に位置する
    第二のシート要素は、その映像発生源側の光入射面の形
    状が、スクリーン画面垂直方向を長手方向とする第一の
    縦長レンチキュラーレンズを複数個、スクリーン画面水
    平方向に連続的に配置した形状を成し、その映像観視側
    の光出射面の形状が、スクリーン画面垂直方向を長手方
    向とする第二の縦長レンチキュラーレンズを複数個、前
    記第一の縦長レンチキュラーレンズにほぼ対向して、ス
    クリーン画面水平方向に連続的に配置した形状を成し、
    前記第一の縦長レンチキュラーレンズのスクリーン画面
    水平方向の断面形状が、映像発生源側に凸である形状を
    成すと共に、前記第二のシート要素は、半透明に着色さ
    れていることを特徴とする透過型スクリーン。
  33. 【請求項33】映像発生源側より入射される映像光を透
    過して、映像観視側に出射する透過型スクリーンであっ
    て、 2枚以上のシート要素で構成され、前記シート要素のう
    ち、映像発生源に最も近い側に位置する第一のシート要
    素は、その映像発生源側の光入射面の形状が、スクリー
    ン画面水平方向を長手方向とする横長レンチキュラーレ
    ンズを複数個、スクリーン画面垂直方向に連続的に配置
    した形状を成し、映像発生源より最も遠い側に位置する
    第二のシート要素は、その映像発生源側の光入射面の形
    状が、スクリーン画面垂直方向を長手方向とする第一の
    縦長レンチキュラーレンズを複数個、スクリーン画面水
    平方向に連続的に配置した形状を成し、その映像観視側
    の光出射面の形状が、スクリーン画面垂直方向を長手方
    向とする第二の縦長レンチキュラーレンズを複数個、前
    記第一の縦長レンチキュラーレンズにほぼ対向して、ス
    クリーン画面水平方向に連続的に配置した形状を成し、
    前記第一の縦長レンチキュラーレンズのスクリーン画面
    水平方向の断面形状が、映像発生源側に凸である形状を
    成すと共に、前記第二のシート要素は、所定の透過率を
    有することを特徴とする透過型スクリーン。
  34. 【請求項34】請求項33に記載の透過型スクリーンに
    おいて、前記第二のシート要素は、波長400nmから
    700nmまでの光線に対してほぼ同一の透過率を有す
    ることを特徴とする透過型スクリーン。
  35. 【請求項35】請求項34に記載の透過型スクリーンに
    おいて、前記第二のシート要素は、波長400nmから
    700nmまでの光線に対する透過率tが、40%以上
    90%以下となることを特徴とする透過型スクリーン。
  36. 【請求項36】請求項32,33,34または35に記
    載の透過型スクリーンにおいて、前記第二のシート要素
    は、その映像観視側の光出射面に、帯電防止処理及び表
    面硬化処理のうち、少なくとも一つの表面処理がなされ
    ていることを特徴とする透過型スクリーン。
  37. 【請求項37】映像発生源側より入射される映像光を透
    過して、映像観視側に出射する透過型スクリーンであっ
    て、 2枚以上のシート要素で構成され、前記シート要素のう
    ち、映像発生源に最も近い側に位置する第一のシート要
    素は、その映像発生源側の光入射面の形状が、スクリー
    ン画面水平方向を長手方向とする横長レンチキュラーレ
    ンズを複数個、スクリーン画面垂直方向に連続的に配置
    した形状を成し、映像発生源より最も遠い側に位置する
    第二のシート要素は、その映像発生源側の光入射面の形
    状が、スクリーン画面垂直方向を長手方向とする第一の
    縦長レンチキュラーレンズを複数個、スクリーン画面水
    平方向に連続的に配置した形状を成し、その映像観視側
    の光出射面の形状が、スクリーン画面垂直方向を長手方
    向とする第二の縦長レンチキュラーレンズを複数個、前
    記第一の縦長レンチキュラーレンズにほぼ対向して、ス
    クリーン画面水平方向に連続的に配置した形状を成し、
    前記第一の縦長レンチキュラーレンズのスクリーン画面
    水平方向の断面形状が、映像発生源側に凸である形状を
    成すと共に、前記第二のシート要素は、その映像観視側
    の光出射面に、帯電防止処理及び表面硬化処理のうち、
    少なくとも一つの表面処理がなされていることを特徴と
    する透過型スクリーン。
  38. 【請求項38】請求項32,33,34,35,36ま
    たは37に記載の透過型スクリーンにおいて、前記第一
    のシート要素は、その映像発生源側の光入射面に、反射
    防止膜を有することを特徴とする透過型スクリーン。
  39. 【請求項39】請求項32,33,34,35,36ま
    たは37に記載の透過型スクリーンにおいて、前記第二
    のシート要素は、その映像発生源側の光入射面に、反射
    防止膜を有することを特徴とする透過型スクリーン。
  40. 【請求項40】映像発生源側より入射される映像光を透
    過して、映像観視側に出射する透過型スクリーンであっ
    て、 2枚以上のシート要素で構成され、前記シート要素のう
    ち、映像発生源に最も近い側に位置する第一のシート要
    素は、その映像発生源側の光入射面の形状が、スクリー
    ン画面水平方向を長手方向とする横長レンチキュラーレ
    ンズを複数個、スクリーン画面垂直方向に連続的に配置
    した形状を成し、映像発生源より最も遠い側に位置する
    第二のシート要素は、その映像発生源側の光入射面の形
    状が、スクリーン画面垂直方向を長手方向とする第一の
    縦長レンチキュラーレンズを複数個、スクリーン画面水
    平方向に連続的に配置した形状を成し、その映像観視側
    の光出射面の形状が、スクリーン画面垂直方向を長手方
    向とする第二の縦長レンチキュラーレンズを複数個、前
    記第一の縦長レンチキュラーレンズにほぼ対向して、ス
    クリーン画面水平方向に連続的に配置した形状を成し、
    前記第一の縦長レンチキュラーレンズのスクリーン画面
    水平方向の断面形状が、映像発生源側に凸である形状を
    成すと共に、前記第一のシート要素は、その映像発生源
    側の光入射面に、反射防止膜を有することを特徴とする
    透過型スクリーン。
  41. 【請求項41】映像発生源側より入射される映像光を透
    過して、映像観視側に出射する透過型スクリーンであっ
    て、 2枚以上のシート要素で構成され、前記シート要素のう
    ち、映像発生源に最も近い側に位置する第一のシート要
    素は、その映像発生源側の光入射面の形状が、スクリー
    ン画面水平方向を長手方向とする横長レンチキュラーレ
    ンズを複数個、スクリーン画面垂直方向に連続的に配置
    した形状を成し、映像発生源より最も遠い側に位置する
    第二のシート要素は、その映像発生源側の光入射面の形
    状が、スクリーン画面垂直方向を長手方向とする第一の
    縦長レンチキュラーレンズを複数個、スクリーン画面水
    平方向に連続的に配置した形状を成し、その映像観視側
    の光出射面の形状が、スクリーン画面垂直方向を長手方
    向とする第二の縦長レンチキュラーレンズを複数個、前
    記第一の縦長レンチキュラーレンズにほぼ対向して、ス
    クリーン画面水平方向に連続的に配置した形状を成し、
    前記第一の縦長レンチキュラーレンズのスクリーン画面
    水平方向の断面形状が、映像発生源側に凸である形状を
    成すと共に、前記第二のシート要素は、その映像発生源
    側の光入射面に、反射防止膜を有することを特徴とする
    透過型スクリーン。
  42. 【請求項42】請求項38,39,40または41に記
    載の透過型スクリーンにおいて、前記反射防止膜は、非
    晶質のフッ素樹脂をパーフルオロ溶剤に溶かして得られ
    る所望の濃度の溶液を、光入射面にスピン法またはディ
    ッピング法によって塗布することにより、成膜されるこ
    とを特徴とする透過型スクリーン。
  43. 【請求項43】映像発生源側より入射される映像光を透
    過して、映像観視側に出射する透過型スクリーンであっ
    て、 2枚以上のシート要素で構成され、前記シート要素のう
    ち、映像発生源に最も近い側に位置する第一のシート要
    素は、その映像発生源側の光入射面の形状が、スクリー
    ン画面水平方向を長手方向とする横長レンチキュラーレ
    ンズを複数個、スクリーン画面垂直方向に連続的に配置
    した形状を成し、映像発生源より最も遠い側に位置する
    第二のシート要素は、その映像発生源側の光入射面の形
    状が、スクリーン画面垂直方向を長手方向とする第一の
    縦長レンチキュラーレンズを複数個、スクリーン画面水
    平方向に連続的に配置した形状を成し、その映像観視側
    の光出射面の形状が、スクリーン画面垂直方向を長手方
    向とする第二の縦長レンチキュラーレンズを複数個、前
    記第一の縦長レンチキュラーレンズにほぼ対向して、ス
    クリーン画面水平方向に連続的に配置した形状を成し、
    前記第一の縦長レンチキュラーレンズのスクリーン画面
    水平方向の断面形状が、映像発生源側に凸である形状を
    成すと共に、前記第1のシート要素において、前記横長
    レンチキュラーレンズのレンズ面と映像観視側の光出射
    面との間の、前記横長レンチキュラーレンズの光軸に沿
    ったシート厚さをt1とし、前記第二のシート要素にお
    いて、前記第一の縦長レンチキュラーレンズのレンズ面
    と前記第二の縦長レンチキュラーレンズのレンズ面との
    間の、前記第一または第二の縦長レンチキュラーレンズ
    の光軸に沿ったシート厚さをt2としたとき、シート厚
    さt1とt2とが 【数33】t1≦2.5t2 なる条件を満たすことを特徴とする透過型スクリーン。
  44. 【請求項44】請求項32ないし43のうちの任意の一
    つに記載の透過型スクリーンにおいて、前記第二のシー
    ト要素は、光拡散材を所定の量より少ない量有すること
    を特徴とする透過型スクリーン。
  45. 【請求項45】画像発生源側から画像観視側へ、フレネ
    ルレンズシート,第一のレンチキュラーレンズシート,
    第二のレンチキュラーレンズシートの順に配列して構成
    される透過型スクリーンにおいて、 前記フレネルレンズシートは、その光入射面(11)と
    光出射面(12)のうち、少なくとも一面の形状がフレ
    ネル凸レンズ形状を成し、前記第一のレンチキュラーレ
    ンズシートは、その光入射面(21)と光出射面(2
    2)のうち、少なくとも一面の形状が、スクリーン画面
    水平方向を長手方向とする横長レンチキュラーレンズを
    スクリーン画面垂直方向に連続して複数配列した形状を
    成し、前記第二のレンチキュラーレンズシートは、その
    光入射面(31)の形状が、スクリーン画面垂直方向を
    長手方向とする第一の縦長レンチキュラーレンズをスク
    リーン画面水平方向に連続して複数配列した形状を成す
    ことを特徴とする透過型スクリーン。
  46. 【請求項46】画像発生源側から画像観視側へ、フレネ
    ルレンズシート,第一のレンチキュラーレンズシート,
    第二のレンチキュラーレンズシートの順に配列して構成
    される透過型スクリーンにおいて、 前記フレネルレンズシートは、その光入射面(11)と
    光出射面(12)のうち、少なくとも一面の形状がフレ
    ネル凸レンズ形状を成し、前記第一のレンチキュラーレ
    ンズシートは、その光入射面(21)の形状がフレネル
    凸レンズ形状を成すと共に、その光出射面(22)の形
    状が、スクリーン画面水平方向を長手方向とする横長レ
    ンチキュラーレンズをスクリーン画面垂直方向に連続し
    て複数配列した形状を成し、前記第二のレンチキュラー
    レンズシートは、その光入射面(31)の形状が、スク
    リーン画面垂直方向を長手方向とする第一の縦長レンチ
    キュラーレンズをスクリーン画面水平方向に連続して複
    数配列した形状を成すことを特徴とする透過型スクリー
    ン。
  47. 【請求項47】請求項45または46に記載の透過型ス
    クリーンにおいて、前記第二のレンチキュラーレンズシ
    ートは、その光出射面(32)の形状が、スクリーン画
    面垂直方向を長手方向とする有限幅の光吸収帯を前記第
    一の縦長レンチキュラーレンズ相互間の境界部分にほぼ
    対向してスクリーン画面水平方向に複数配列した形状を
    成すことを特徴とする透過型スクリーン。
  48. 【請求項48】請求項45または46に記載の透過型ス
    クリーンにおいて、前記第二のレンチキュラーレンズシ
    ートは、その光出射面(32)の形状が、スクリーン画
    面垂直方向を長手方向とする第二の縦長レンチキュラー
    レンズを前記第一の縦長レンチキュラーレンズにほぼ対
    向してスクリーン画面水平方向に複数配列し、かつ、ス
    クリーン画面垂直方向を長手方向とする有限幅の光吸収
    帯を前記第二の縦長レンチキュラーレンズ相互間の境界
    部分にそれぞれ設けた形状を成すことを特徴とする透過
    型スクリーン。
  49. 【請求項49】請求項45,46,47または48に記
    載の透過型スクリーンにおいて、前記フレネルレンズシ
    ートは、その光出射面(12)の形状がフレネル凸レン
    ズ形状を成すことを特徴とする透過型スクリーン。
  50. 【請求項50】請求項49に記載の透過型スクリーンに
    おいて、前記フレネルレンズシートは、その光入射面
    (11)の形状が、スクリーン画面水平方向を長手方向
    とする横長レンチキュラーレンズをスクリーン画面垂直
    方向に連続して複数配列した形状を成すことを特徴とす
    る透過型スクリーン。
  51. 【請求項51】請求項45,46,47,48または4
    9に記載の透過型スクリーンにおいて、前記フレネルレ
    ンズシートは、その光入射面(11)の形状がフレネル
    凸レンズ形状を成すことを特徴とする透過型スクリー
    ン。
  52. 【請求項52】請求項45ないし51のうちの任意の一
    つに記載の透過型スクリーンにおいて、前記フレネルレ
    ンズシート,前記第一のレンチキュラーレンズシート及
    び前記第二のレンチキュラーレンズシートのうち、前記
    第一のレンチキュラーレンズシートの曲げ剛性が最も小
    さいことを特徴とする透過型スクリーン。
  53. 【請求項53】請求項45ないし51のうちの任意の一
    つに記載の透過型スクリーンにおいて、前記フレネルレ
    ンズシート,前記第一のレンチキュラーレンズシート及
    び前記第二のレンチキュラーレンズシートのうち、前記
    第一のレンチキュラーレンズシートのシート厚さが最も
    薄いことを特徴とする透過型スクリーン。
  54. 【請求項54】請求項45ないし53のうちの任意の一
    つに記載の透過型スクリーンにおいて、前記第二のレン
    チキュラーレンズシートは、その光出射面(32)に、
    防眩処理,帯電防止処理及び表面硬化処理のうち、少な
    くとも一つの表面処理がなされていることを特徴とする
    透過型スクリーン。
  55. 【請求項55】請求項45ないし54のうちの任意の一
    つに記載の透過型スクリーンにおいて、前記第二のレン
    チキュラーレンズシートは、半透明に着色されているこ
    とを特徴とする透過型スクリーン。
  56. 【請求項56】請求項45乃至55のうちの任意の一つ
    に記載の透過型スクリーンにおいて、前記第一のレンチ
    キュラーレンズシートと前記第二のレンチキュラーレン
    ズシートのうち、少なくとも一方は光拡散材を有するこ
    とを特徴とする透過型スクリーン。
  57. 【請求項57】請求項45ないし51のうちの任意の一
    つに記載の透過型スクリーンにおいて、前記第二のレン
    チキュラーレンズシートの画像観視側に、半透明に着色
    されている光吸収シートを配置したことを特徴とする透
    過型スクリーン。
  58. 【請求項58】請求項57に記載の透過型スクリーンに
    おいて、前記光吸収シートは、その光入射面(41)の
    形状が、スクリーン画面水平方向を長手方向とする横長
    レンチキュラーレンズをスクリーン画面垂直方向に連続
    して複数配列した形状を成すことを特徴とする透過型ス
    クリーン。
  59. 【請求項59】請求項58に記載の透過型スクリーンに
    おいて、前記光吸収シートは、その光入射面(41)に
    防眩処理がなされていることを特徴とする透過型スクリ
    ーン。
  60. 【請求項60】請求項57,58または59に記載の透
    過型スクリーンにおいて、前記フレネルレンズシート,
    前記第一のレンチキュラーレンズシート,前記第二のレ
    ンチキュラーレンズシート及び前記光吸収シートのう
    ち、前記第一のレンチキュラーレンズシートの曲げ剛性
    が最も小さいことを特徴とする透過型スクリーン。
  61. 【請求項61】請求項57,58または59に記載の透
    過型スクリーンにおいて、前記フレネルレンズシート,
    前記第一のレンチキュラーレンズシート,前記第二のレ
    ンチキュラーレンズシート及び前記光吸収シートのう
    ち、前記第一のレンチキュラーレンズシートのシート厚
    さが最も薄いことを特徴とする透過型スクリーン。
  62. 【請求項62】請求項57,58,59,60または6
    1に記載の透過型スクリーンにおいて、前記光吸収シー
    トは、その光出射面(42)に、防眩処理,帯電防止処
    理及び表面硬化処理のうち、少なくとも一つの表面処理
    がなされていることを特徴とする透過型スクリーン。
  63. 【請求項63】請求項57ないし請求項62のうちの任
    意の一つに記載の透過型スクリーンにおいて、前記第一
    のレンチキュラーレンズシート,前記第二のレンチキュ
    ラーレンズシートまたは前記光吸収シートのうち、少な
    くとも一つは光拡散材を有することを特徴とする透過型
    スクリーン。
  64. 【請求項64】少なくとも、スクリーン画面水平方向の
    光拡散用のレンチキュラーレンズシートを含み、映像発
    生源側より入射される映像光を透過して、映像観視側に
    出射する透過型スクリーンであって、 前記スクリーン画面水平方向の光拡散用のレンチキュラ
    ーレンズシートは、前記映像光が入射する光入射面の形
    状が、スクリーン画面垂直方向を長手方向とする第一の
    縦長レンチキュラーレンズをスクリーン画面水平方向に
    連続して複数配列した形状を成し、前記映像光が出射す
    る光出射面の形状が、スクリーン画面垂直方向を長手方
    向とする第二の縦長レンチキュラーレンズとスクリーン
    画面垂直方向を長手方向とする有限幅の光吸収帯とを交
    互にスクリーン画面水平方向に連続して複数配列した形
    状を成すと共に、 前記第一の縦長レンチキュラーレンズのスクリーン画面
    水平方向の断面形状は、前記映像光が入射する側に凸で
    ある形状を成し、かつ、前記第一の縦長レンチキュラー
    レンズの光軸からの径方向距離をrとし、その凸である
    形状の先端からの前記第一の縦長レンチキュラーレンズ
    の光軸の方向に沿った距離をrの関数Z(r)としたと
    き、 【数3】 なる式で与えられる形状を成し、 前記スクリーン画面水平方向の光拡散用のレンチキュラ
    ーレンズシートの基材の屈折率をNとし、前記スクリー
    ン画面水平方向の光拡散用のレンチキュラーレンズシー
    トの光入射面と光出射面の面間隔をTとして、定数e、
    aを 【数6】e=1/N 【数7】a=T/(1+e) とし、rの関数G(r)を、 【数5】 なる式で与え、 前記第一の縦長レンチキュラーレンズの最大有効半径を
    MAXとして、前記第一の縦長レンチキュラーレンズの
    相対半径ρを、 【数4】 なる式で与え、 前記関数Z(r)のrについての2次微分関数をZ″
    (r)とし、前記関数G(r)のrについての2次微分
    関数をG″(r)とした場合において、前記2次微分関
    数Z″(r)が前記2次微分関数G″(r)に対し、 0.55≦ρ≦0.75の時には、 【数8】0.85G″(r)≦Z″(r)≦1.15
    G″(r) なる式を満足し、かつ、 0.95≦ρ≦1.0の時には 【数9】Z″(r)≦0.6G″(r) なる式を満足するように、 前記定数RD,CC,AE,AF,AG,AH,……,
    nをそれぞれ定めて成ることを特徴とする透過型スク
    リーン。
  65. 【請求項65】少なくとも、スクリーン画面水平方向の
    光拡散用のレンチキュラーレンズシートを含み、映像発
    生源側より入射される映像光を透過して、映像観視側に
    出射する透過型スクリーンであって、 前記スクリーン画面水平方向の光拡散用のレンチキュラ
    ーレンズシートは、前記映像光が入射する光入射面の形
    状が、スクリーン画面垂直方向を長手方向とする第一の
    縦長レンチキュラーレンズをスクリーン画面水平方向に
    連続して複数配列した形状を成し、前記映像光が出射す
    る光出射面の形状が、スクリーン画面垂直方向を長手方
    向とする第二の縦長レンチキュラーレンズとスクリーン
    画面垂直方向を長手方向とする有限幅の光吸収帯とを交
    互にスクリーン画面水平方向に連続して複数配列した形
    状を成すと共に、 前記第一の縦長レンチキュラーレンズのスクリーン画面
    水平方向の断面形状は、前記映像光が入射する側に凸で
    ある形状を成し、かつ、前記第一の縦長レンチキュラー
    レンズの光軸からの径方向距離をrとし、その凸である
    形状の先端からの前記第一の縦長レンチキュラーレンズ
    の光軸の方向に沿った距離をrの関数Z(r)としたと
    き、 【数3】 なる式で与えられる形状を成し、 前記スクリーン画面水平方向の光拡散用のレンチキュラ
    ーレンズシートの基材の屈折率をNとし、前記スクリー
    ン画面水平方向の光拡散用のレンチキュラーレンズシー
    トの光入射面と光出射面の面間隔をTとして、定数e、
    aを 【数6】e=1/N 【数7】a=T/(1+e) とし、rの関数G(r)を、 【数5】 なる式で与え、 前記第一の縦長レンチキュラーレンズの最大有効半径を
    MAXとして、前記第一の縦長レンチキュラーレンズの
    相対半径ρを、 【数4】 なる式で与え、 前記関数Z(r)のrについての2次微分関数をZ″
    (r)とし、前記関数G(r)のrについての2次微分
    関数をG″(r)とした場合において、前記2次微分関
    数Z″(r)が前記2次微分関数G″(r)に対し、 0.55≦ρ≦0.75の時には、 【数8】 0.85G″(r)≦Z″(r)≦1.15G″(r) なる式を満足し、かつ、0.95≦ρ≦1.0の時には 【数10】Z″(r)≦Z″(0) なる式を満足するように、 前記定数RD,CC,AE,AF,AG,AH,……,
    nをそれぞれ定めて成ることを特徴とする透過型スク
    リーン。
  66. 【請求項66】フレネルレンズシートと、スクリーン画
    面垂直方向の光拡散用のレンチキュラーレンズシート
    と、スクリーン画面水平方向の光拡散用のレンチキュラ
    ーレンズシートと、で少なくとも構成され、映像発生源
    側より入射される映像光を透過して、映像観視側に出射
    する透過型スクリーンであって、 前記スクリーン画面垂直方向の光拡散用のレンチキュラ
    ーレンズシートは、前記映像光が入射する光入射面と、
    前記映像光が出射する光出射面のうち、どちらか一方の
    面の形状がスクリーン画面水平方向を長手方向とする横
    長レンチキュラーレンズをスクリーン画面垂直方向に連
    続して複数配列した形状を成し、 前記スクリーン画面水平方向の光拡散用のレンチキュラ
    ーレンズシートは、その光入射面の形状が、スクリーン
    画面垂直方向を長手方向とする第一の縦長レンチキュラ
    ーレンズをスクリーン画面水平方向に連続して複数配列
    した形状を成し、その光出射面の形状が、スクリーン画
    面垂直方向を長手方向とする第二の縦長レンチキュラー
    レンズとスクリーン画面垂直方向を長手方向とする有限
    幅の光吸収帯とを交互にスクリーン画面水平方向に連続
    して複数配列した形状を成すと共に、 前記第一の縦長レンチキュラーレンズのスクリーン画面
    水平方向の断面形状は、前記映像光が入射する側に凸で
    ある形状を成し、かつ、前記第一の縦長レンチキュラー
    レンズの光軸からの径方向距離をrとし、その凸である
    形状の先端からの前記第一の縦長レンチキュラーレンズ
    の光軸の方向に沿った距離をrの関数Z(r)としたと
    き、 【数3】 なる式で与えられる形状を成し、 前記スクリーン画面水平方向の光拡散用のレンチキュラ
    ーレンズシートの基材の屈折率をNとし、前記スクリー
    ン画面水平方向の光拡散用のレンチキュラーレンズシー
    トの光入射面と光出射面の面間隔をTとして、定数e、
    aを 【数6】e=1/N 【数7】a=T/(1+e) とし、rの関数G(r)を、 【数5】 なる式で与え、 前記第一の縦長レンチキュラーレンズの最大有効半径を
    MAXとして、前記第一の縦長レンチキュラーレンズの
    相対半径ρを、 【数4】 なる式で与え、 前記関数Z(r)のrについての2次微分関数をZ″
    (r)とし、前記関数G(r)のrについての2次微分
    関数をG″(r)とした場合において、前記2次微分関
    数Z″(r)が前記2次微分関数をG″(r)に対し、 0.55≦ρ≦0.75の時には、 【数8】 0.85G″(r)≦Z″(r)≦1.15G″(r) なる式を満足し、かつ、 0.95≦ρ≦1.0の時には 【数9】Z″(r)≦0.6G″(r) なる式を満足するように、 前記定数RD,CC,AE,AF,AG,AH,……,
    nをそれぞれ定めて成ることを特徴とする透過型スク
    リーン。
  67. 【請求項67】フレネルレンズシートと、スクリーン画
    面垂直方向の光拡散用のレンチキュラーレンズシート
    と、スクリーン画面水平方向の光拡散用のレンチキュラ
    ーレンズシートと、で少なくとも構成され、映像発生源
    側より入射される映像光を透過して、映像観視側に出射
    する透過型スクリーンであって、 前記スクリーン画面垂直方向の光拡散用のレンチキュラ
    ーレンズシートは、前記映像光が入射する光入射面と、
    前記映像光を出射する光出射面のうち、どちらか一方の
    面の形状がスクリーン画面水平方向を長手方向とする横
    長レンチキュラーレンズをスクリーン画面垂直方向に連
    続して複数配列した形状を成し、 前記スクリーン画面水平方向の光拡散用のレンチキュラ
    ーレンズシートは、その光入射面の形状が、スクリーン
    画面垂直方向を長手方向とする第一の縦長レンチキュラ
    ーレンズをスクリーン画面水平方向に連続して複数配列
    した形状を成し、その光出射面の形状が、スクリーン画
    面垂直方向を長手方向とする第二の縦長レンチキュラー
    レンズとスクリーン画面垂直方向を長手方向とする有限
    幅の光吸収帯とを交互にスクリーン画面水平方向に連続
    して複数配列した形状を成すと共に、 前記第一の縦長レンチキュラーレンズのスクリーン画面
    水平方向の断面形状は、前記映像光が入射する側に凸で
    ある形状を成し、かつ、前記第一の縦長レンチキュラー
    レンズの光軸からの径方向距離をrとし、その凸である
    形状の先端からの前記第一の縦長レンチキュラーレンズ
    の光軸の方向に沿った距離をrの関数Z(r)としたと
    き、 【数3】 なる式で与えられる形状を成し、 前記スクリーン画面水平方向の光拡散用のレンチキュラ
    ーレンズシートの基材の屈折率をNとし、前記スクリー
    ン画面水平方向の光拡散用のレンチキュラーレンズシー
    トの光入射面と光出射面の面間隔をTとして、定数e、
    aを 【数6】e=1/N 【数7】a=T/(1+e) とし、rの関数G(r)を、 【数5】 なる式で与え、 前記第一の縦長レンチキュラーレンズの最大有効半径を
    MAXとして、前記第一の縦長レンチキュラーレンズの
    相対半径ρを、 【数4】 なる式で与え、 前記関数Z(r)のrについての2次微分関数をZ″
    (r)とし、前記関数G(r)のrについての2次微分
    関数をG″(r)とした場合において、前記2次微分関
    数Z″(r)が前記2次微分関数G″(r)に対し、 0.55≦ρ≦0.75の時には、 【数8】 0.85G″(r)≦Z″(r)≦1.15G″(r) なる式を満足し、かつ、 0.95≦ρ≦1.0の時には 【数10】Z″(r)≦Z″(0) なる式を満足するように、 前記定数RD,CC,AE,AF,AG,AH,……,
    nをそれぞれ定めて成ることを特徴とする透過型スク
    リーン。
  68. 【請求項68】フレネルレンズシートと、レンチキュラ
    ーレンズシートと、で少なくとも構成され、映像発生源
    側より入射される映像光を透過して、映像観視側に出射
    する透過型スクリーンであって、 前記フレネルレンズシートは、前記映像光が入射する光
    入射面と、前記映像光が出射する光出射面のうち、いず
    れか一方の面の形状がフレネル凸レンズ形状を成し、他
    方の面の形状がスクリーン画面水平方向を長手方向とす
    る横長レンチキュラーレンズをスクリーン画面垂直方向
    に連続して複数配列した形状を成し、 前記レンチキュラーレンズシートは、その光入射面の形
    状が、スクリーン画面垂直方向を長手方向とする第一の
    縦長レンチキュラーレンズをスクリーン画面水平方向に
    連続して複数配列した形状を成し、その光出射面の形状
    が、スクリーン画面垂直方向を長手方向とする第二の縦
    長レンチキュラーレンズとスクリーン画面垂直方向を長
    手方向とする有限幅の光吸収帯とを交互にスクリーン画
    面水平方向に連続して複数配列した形状を成すと共に、 前記第一の縦長レンチキュラーレンズのスクリーン画面
    水平方向の断面形状は、前記映像光が入射する側に凸で
    ある形状を成し、かつ、前記第一の縦長レンチキュラー
    レンズの光軸からの径方向距離をrとし、その凸である
    形状の先端からの前記第一の縦長レンチキュラーレンズ
    の光軸の方向に沿った距離をrの関数Z(r)としたと
    き、 【数3】 なる式で与えられる形状を成し、 前記スクリーン画面水平方向の光拡散用のレンチキュラ
    ーレンズシートの基材の屈折率をNとし、前記スクリー
    ン画面水平方向の光拡散用のレンチキュラーレンズシー
    トの光入射面と光出射面の面間隔をTとして、定数e、
    aを 【数6】e=1/N 【数7】a=T/(1+e) とし、rの関数G(r)を、 【数5】 なる式で与え、 前記第一の縦長レンチキュラーレンズの最大有効半径を
    MAXとして、前記第一の縦長レンチキュラーレンズの
    相対半径ρを、 【数4】 なる式で与え、 前記関数Z(r)のrについての2次微分関数をZ″
    (r)とし、前記関数G(r)のrについての2次微分
    関数をG″(r)とした場合において、前記2次微分関
    数Z″(r)が前記2次微分関数G″(r)に対し、 0.55≦ρ≦0.75の時には、 【数8】 0.85G″(r)≦Z″(r)≦1.15G″(r) なる式を満足し、かつ、 0.95≦ρ≦1.0の時には 【数9】Z″(r)≦0.6G″(r) なる式を満足するように、 前記定数RD,CC,AE,AF,AG,AH,……,
    nをそれぞれ定めて成ることを特徴とする透過型スク
    リーン。
  69. 【請求項69】フレネルレンズシートと、レンチキュラ
    ーレンズシートと、で少なくとも構成され、映像発生源
    側より入射される映像光を透過して、映像観視側に出射
    する透過型スクリーンであって、 前記フレネルレンズシートは、前記映像光が入射する光
    入射面と、前記映像光が出射する光出射面のうち、いず
    れか一方の面の形状がフレネル凸レンズ形状を成し、他
    方の面の形状がスクリーン画面水平方向を長手方向とす
    る横長レンチキュラーレンズをスクリーン画面垂直方向
    に連続して複数配列した形状を成し、 前記レンチキュラーレンズシートは、その光入射面の形
    状が、スクリーン画面垂直方向を長手方向とする第一の
    縦長レンチキュラーレンズをスクリーン画面水平方向に
    連続して複数配列した形状を成し、その光出射面の形状
    が、スクリーン画面垂直方向を長手方向とする第二の縦
    長レンチキュラーレンズとスクリーン画面垂直方向を長
    手方向とする有限幅の光吸収帯とを交互にスクリーン画
    面水平方向に連続して複数配列した形状を成すと共に、 前記第一の縦長レンチキュラーレンズのスクリーン画面
    水平方向の断面形状は、前記映像光が入射する側に凸で
    ある形状を成し、かつ、前記第一の縦長レンチキュラー
    レンズの光軸からの径方向距離をrとし、その凸である
    形状の先端からの前記第一の縦長レンチキュラーレンズ
    の光軸の方向に沿った距離をrの関数Z(r)としたと
    き、 【数3】 なる式で与えられる形状を成し、 前記スクリーン画面水平方向の光拡散用のレンチキュラ
    ーレンズシートの基材の屈折率をNとし、前記スクリー
    ン画面水平方向の光拡散用のレンチキュラーレンズシー
    トの光入射面と光出射面の面間隔をTとして、定数e、
    aを 【数6】e=1/N 【数7】a=T/(1+e) とし、rの関数G(r)を、 【数5】 なる式で与え、 前記第一の縦長レンチキュラーレンズの最大有効半径を
    MAXとして、前記第一の縦長レンチキュラーレンズの
    相対半径ρを、 【数4】 なる式で与え、 前記関数Z(r)のrについての2次微分関数をZ″
    (r)とし、前記関数G(r)のrについての2次微分
    関数をG″(r)とした場合において、前記2次微分関
    数Z″(r)が前記2次微分関数G″(r)に対し、 0.55≦ρ≦0.75の時には、 【数8】 0.85G″(r)≦Z″(r)≦1.15G″(r) なる式を満足し、かつ、 0.95≦ρ≦1.0の時には 【数10】Z″(r)≦Z″(0) なる式を満足するように、 前記定数RD,CC,AE,AF,AG,AH,……,
    nをそれぞれ定めて成ることを特徴とする透過型スク
    リーン。
  70. 【請求項70】画像発生源側から画像観視側へ、フレネ
    ルレンズシート、第一のレンチキュラーレンズシート、
    第二のレンチキュラーレンズシートの順に配列して構成
    される透過型スクリーンにおいて、 前記フレネルレンズシートは、その光入射面(11)と
    光出射面(12)のうち、少なくとも一面の形状がフレ
    ネル凸レンズ形状を成し、前記第一のレンチキュラーレ
    ンズシートは、その光入射面(21)と光出射面(2
    2)のうち、少なくとも一面の形状が、スクリーン画面
    水平方向を長手方向とする横長レンチキュラーレンズと
    しての、画像発生源側に凸形を成す凸形レンチキュラー
    レンズと画像発生源側に凹形を成す凹形レンチキュラー
    レンズとを、スクリーン画面垂直方向に交互に連続して
    複数配列した形状を成し、前記第二のレンチキュラーレ
    ンズシートは、その光入射面(31)の形状が、スクリ
    ーン画面垂直方向を長手方向とする第一の縦長レンチキ
    ュラーレンズをスクリーン画面水平方向に連続して複数
    配列した形状を成すことを特徴とする透過型スクリー
    ン。
  71. 【請求項71】画像発生源側から画像観視側へ、フレネ
    ルレンズシート、第一のレンチキュラーレンズシート、
    第二のレンチキュラーレンズシートの順に配列して構成
    される透過型スクリーンにおいて、 前記フレネルレンズシートは、その光入射面(11)と
    光出射面(12)のうち、少なくとも一面の形状がフレ
    ネル凸レンズ形状を成し、前記第一のレンチキュラーレ
    ンズシートは、その光入射面(21)の形状がフレネル
    凸レンズ形状を成すとともに、その光出射面(22)の
    形状が、スクリーン画面水平方向を長手方向とする横長
    レンチキュラーレンズとしての、画像発生源側に凸形を
    成す凸形レンチキュラーレンズと画像発生源側に凹形を
    成す凹形レンチキュラーレンズとを、スクリーン画面垂
    直方向に交互に連続して複数配列した形状を成し、前記
    第二のレンチキュラーレンズシートは、その光入射面
    (31)の形状が、スクリーン画面垂直方向を長手方向
    とする第一の縦長レンチキュラーレンズをスクリーン画
    面水平方向に連続して複数配列した形状を成すことを特
    徴とする透過型スクリーン。
  72. 【請求項72】請求項70または71に記載の透過型ス
    クリーンにおいて、前記第二のレンチキュラーレンズシ
    ートは、その光出射面(32)の形状が、スクリーン画
    面垂直方向を長手方向とする有限幅の光吸収帯を前記第
    一の縦長レンチキュラーレンズ相互間の境界部分にほぼ
    対向してスクリーン画面水平方向に複数配列した形状を
    成すことを特徴とする透過型スクリーン。
  73. 【請求項73】請求項70または71に記載の透過型ス
    クリーンにおいて、前記第二のレンチキュラーレンズシ
    ートは、その光出射面(32)の形状が、スクリーン画
    面垂直方向を長手方向とする第二の縦長レンチキュラー
    レンズを前記第一の縦長レンチキュラーレンズにほぼ対
    向してスクリーン画面水平方向に複数配列し、かつ、ス
    クリーン画面垂直方向を長手方向とする有限幅の光吸収
    帯を前記第二の縦長レンチキュラーレンズ相互間の境界
    部分にそれぞれ設けた形状を成すことを特徴とする透過
    型スクリーン。
  74. 【請求項74】請求項70、71、72、または73に
    記載の透過型スクリーンにおいて、前記フレネルレンズ
    シートは、その光出射面(12)の形状がフレネル凸レ
    ンズ形状を成すことを特徴とする透過型スクリーン。
  75. 【請求項75】請求項74に記載の透過型スクリーンに
    おいて、前記フレネルレンズシートは、その光入射面
    (11)の形状が、スクリーン画面水平方向を長手方向
    とする横長レンチキュラーレンズをスクリーン画面垂直
    方向に連続して複数配列した形状を成すことを特徴とす
    る透過型スクリーン。
  76. 【請求項76】請求項74に記載の透過型スクリーンに
    おいて、前記フレネルレンズシートは、その光入射面
    (11)の形状が、スクリーン画面水平方向を長手方向
    とする横長レンチキュラーレンズとしての、画像発生源
    側に凸形を成す凸形レンチキュラーレンズと画像発生源
    側に凹形を成す凹形レンチキュラーレンズとを、スクリ
    ーン画面垂直方向に交互に連続して複数配列した形状を
    成すことを特徴とする透過型スクリーン。
  77. 【請求項77】請求項70、71、72、73、または
    74に記載の透過型スクリーンにおいて、前記フレネル
    レンズシートは、その光入射面(11)の形状がフレネ
    ル凸レンズ形状を成すことを特徴とする透過型スクリー
    ン。
  78. 【請求項78】請求項70ないし77のうちの任意の一
    つに記載の透過型スクリーンにおいて、前記フレネルレ
    ンズシート、前記第一のレンチキュラーレンズシート、
    前記第二のレンチキュラーレンズシートのうち、前記第
    一のレンチキュラーレンズシートの曲げ剛性が最も小さ
    いことを特徴とする透過型スクリーン。
  79. 【請求項79】請求項70ないし77のうちの任意の一
    つに記載の透過型スクリーンにおいて、前記フレネルレ
    ンズシート、前記第一のレンチキュラーレンズシート、
    前記第二のレンチキュラーレンズシートのうち、前記第
    一のレンチキュラーレンズシートのシート厚さが最も薄
    いことを特徴とする透過型スクリーン。
  80. 【請求項80】請求項70ないし79のうちの任意の一
    つに記載の透過型スクリーンにおいて、前記第一のレン
    チキュラーレンズシートと前記第二のレンチキュラーレ
    ンズシートのうち、少なくとも一方は光拡散材を有する
    ことを特徴とする透過型スクリーン。
  81. 【請求項81】画像発生源側から画像観視側へ、フレネ
    ルレンズシート、第二のレンチキュラーレンズシートの
    順に配列して構成される透過型スクリーンにおいて、 前記フレネルレンズシートは、その光入射面(11)の
    形状が、スクリーン画面水平方向を長手方向とする横長
    レンチキュラーレンズとしての、画像発生源側に凸形を
    成す凸形レンチキュラーレンズと画像発生源側に凹形を
    成す凹形レンチキュラーレンズとを、スクリーン画面垂
    直方向に交互に連続して複数配列した形状を成すととも
    に、その光出射面(12)の形状がフレネル凸レンズ形
    状をなし、前記第二のレンチキュラーレンズシートは、
    その光入射面(31)の形状が、スクリーン画面垂直方
    向を長手方向とする第一の縦長レンチキュラーレンズを
    スクリーン画面水平方向に連続して複数配列した形状を
    成すことを特徴とする透過型スクリーン。
  82. 【請求項82】請求項81に記載の透過型スクリーンに
    おいて、前記第二のレンチキュラーレンズシートは、そ
    の光出射面(32)の形状が、スクリーン画面垂直方向
    を長手方向とする有限幅の光吸収帯を前記第一の縦長レ
    ンチキュラーレンズ相互間の境界部分にほぼ対向してス
    クリーン画面水平方向に複数配列した形状を成すことを
    特徴とする透過型スクリーン。
  83. 【請求項83】請求項82に記載の透過型スクリーンに
    おいて、前記第二のレンチキュラーレンズシートは、そ
    の光出射面(32)の形状が、スクリーン画面垂直方向
    を長手方向とする第二の縦長レンチキュラーレンズを前
    記第一の縦長レンチキュラーレンズにほぼ対向してスク
    リーン画面水平方向に複数配列し、かつ、スクリーン画
    面垂直方向を長手方向とする有限幅の光吸収帯を前記第
    二の縦長レンチキュラーレンズ相互間の境界部分にそれ
    ぞれ設けた形状を成すことを特徴とする透過型スクリー
    ン。
  84. 【請求項84】請求項81、82、または83に記載の
    透過型スクリーンにおいて、前記第二のレンチキュラー
    レンズシートは光拡散材を有することを特徴とする透過
    型スクリーン。
  85. 【請求項85】請求項70ないし84のうちの任意の一
    つに記載の透過型スクリーンにおいて、前記第二のレン
    チキュラーレンズシートは、その光出射面(32)に、
    防眩処理、帯電防止処理、及び表面硬化処理のうち、少
    なくとも一つの表面処理がなされていることを特徴とす
    る透過型スクリーン。
  86. 【請求項86】請求項70ないし85のうちの任意の一
    つに記載の透過型スクリーンにおいて、前記第二のレン
    チキュラーレンズシートは、半透明に着色されているこ
    とを特徴とする透過型スクリーン。
  87. 【請求項87】請求項70ないし84のうちの任意の一
    つに記載の透過型スクリーンにおいて、前記第二のレン
    チキュラーレンズシートの画像観視側に、半透明に着色
    されている光吸収シートを配置したことを特徴とする透
    過型スクリーン。
  88. 【請求項88】請求項87に記載の透過型スクリーンに
    おいて、前記光吸収シートは、その光入射面(41)の
    形状が、スクリーン画面水平方向を長手方向とする横長
    レンチキュラーレンズをスクリーン画面垂直方向に連続
    して複数配列した形状を成すことを特徴とする透過型ス
    クリーン。
  89. 【請求項89】請求項87に記載の透過型スクリーンに
    おいて、前記光吸収シートは、その光入射面(41)の
    形状が、スクリーン画面水平方向を長手方向とする横長
    レンチキュラーレンズとしての、画像発生源側に凸形を
    成す凸形レンチキュラーレンズと画像発生源側に凹形を
    成す凹形レンチキュラーレンズとを、スクリーン画面垂
    直方向に交互に連続して複数配列した形状を成すことを
    特徴とする透過型スクリーン。
  90. 【請求項90】画像発生源側から画像観視側へ、フレネ
    ルレンズシート、第二のレンチキュラーレンズシート、
    光吸収シートの順に配列して構成される透過型スクリー
    ンにおいて、 前記フレネルレンズシートは、その光入射面(11)の
    形状が平面を成すとともに、その光出射面(12)の形
    状がフレネルレンズ形状を成し、前記第二のレンチキュ
    ラーレンズシートは、その光入射面(31)の形状が、
    スクリーン画面垂直方向を長手方向とする第一の縦長レ
    ンチキュラーレンズをスクリーン画面水平方向に連続し
    て複数配列した形状を成し、前記光吸収シートは、その
    光入射面(41)の形状が、スクリーン画面水平方向を
    長手方向とする横長レンチキュラーレンズとしての、画
    像発生源側に凸形を成す凸形レンチキュラーレンズと画
    像発生源側に凹形を成す凹形レンチキュラーレンズと
    を、スクリーン画面垂直方向に交互に連続して複数配列
    した形状を成すことを特徴とする透過型スクリーン。
  91. 【請求項91】請求項90に記載の透過型スクリーンに
    おいて、前記第二のレンチキュラーレンズシートは、そ
    の光出射面(32)の形状が、スクリーン画面垂直方向
    を長手方向とする有限幅の光吸収帯を前記第一の縦長レ
    ンチキュラーレンズ相互間の境界部分にほぼ対向してス
    クリーン画面水平方向に複数配列した形状を成すことを
    特徴とする透過型スクリーン。
  92. 【請求項92】請求項91に記載の透過型スクリーンに
    おいて、前記第二のレンチキュラーレンズシートは、そ
    の光出射面(32)の形状が、スクリーン画面垂直方向
    を長手方向とする第二の縦長レンチキュラーレンズを前
    記第一の縦長レンチキュラーレンズにほぼ対向してスク
    リーン画面水平方向に複数配列し、かつ、スクリーン画
    面垂直方向を長手方向とする有限幅の光吸収帯を前記第
    二の縦長レンチキュラーレンズ相互間の境界部分にそれ
    ぞれ設けた形状を成すことを特徴とする透過型スクリー
    ン。
  93. 【請求項93】請求項88ないし92のうちの任意の一
    つに記載の透過型スクリーンにおいて、前記光吸収シー
    トは、その光入射面(41)に防眩処理がなされている
    ことを特徴とする透過型スクリーン。
  94. 【請求項94】請求項87ないし93のうちの任意の一
    つに記載の透過型スクリーンにおいて、前記光吸収シー
    トは、その光出射面(42)に、防眩処理、帯電防止処
    理及び表面硬化処理のうち、少なくとも一つの表面処理
    がなされていることを特徴とする透過型スクリーン。
  95. 【請求項95】請求項87ないし94のうちの任意の一
    つに記載の透過型スクリーンにおいて、前記光吸収シー
    トは光拡散材を有することを特徴とする透過型スクリー
    ン。
  96. 【請求項96】請求項87ないし95のうちの任意の一
    つに記載の透過型スクリーンにおいて、前記フレネルレ
    ンズシート、前記第二のレンチキュラーレンズシート及
    び前記光吸収シートのうち、前記光吸収シートの曲げ剛
    性が最も大きいことを特徴とする透過型スクリーン。
  97. 【請求項97】請求項87ないし95のうちの任意の一
    つに記載の透過型スクリーンにおいて、前記フレネルレ
    ンズシート、前記第二のレンチキュラーレンズシート及
    び前記光吸収シートのうち、前記光吸収シートのシート
    厚さが最も厚いことを特徴とする透過型スクリーン。
  98. 【請求項98】フレネルレンズシートとレンチキュラー
    レンズシートとを構成要素に含む透過型スクリーンにお
    いて、前記フレネルレンズシートは、光入射面、光出射
    面のうちいずれか1面の形状がフレネル凸レンズ形状を
    なし、他の面の形状がスクリーン画面水平方向を長手方
    向とする横長レンチキュラーレンズをスクリーン画面垂
    直方向に連続して複数配列した形状であり、前記横長レ
    ンチキュラーレンズの断面形状が、レンズ中心軸に関し
    て上下に非対称な形状であることを特徴とする透過型ス
    クリーン。
  99. 【請求項99】フレネルレンズシート、スクリ−ン画面
    垂直方向の光拡散用のレンチキュラーレンズシート及び
    スクリ−ン画面水平方向の光拡散用のレンチキュラーレ
    ンズシートを構成要素に含む透過型スクリーンにおい
    て、 前記スクリ−ン画面垂直方向の光拡散用のレンチキュラ
    ーレンズシートは、その光入射面と光出射面のうち少な
    くとも1面の形状が、スクリーン画面水平方向を長手方
    向とする横長レンチキュラーレンズをスクリーン画面垂
    直方向に連続して複数配列した形状をなすとともに、前
    記横長レンチキュラーレンズの断面形状が、レンズ中心
    軸に関して上下に非対称な形状であることを特徴とする
    透過型スクリーン。
  100. 【請求項100】前記横長レンチキュラーレンズの断面
    形状が、球面もしくは軸対称な非球面形状を、レンズ中
    心軸に対して偏心させた形状であることを特徴とする請
    求項98または請求項99記載の透過型スクリーン。
  101. 【請求項101】前記横長レンチキュラーレンズの断面
    形状が、任意のスクリ−ン画面垂直方向の指向特性曲線
    より以下に示す式で計算される点列(r(n),z
    (n))で与えられた形状であることを特徴とする請求
    項98または請求項99記載の透過型スクリーン。 【数12】 【数13】 【数14】 【数15】 【数16】 【数17】 【数18】 【数19】 【数20】 【数21】 【数22】 【数23】 【数24】 【数25】 【数26】 【数27】 【数28】 【数29】 【数30】 【数31】
  102. 【請求項102】前記横長レンチキュラ−レンズの断面
    形状は、少なくともどちらか一方のレンズ端部で、隣接
    する横長レンチキュラーレンズとの境界部において略水
    平な輪郭形状を有することを特徴とする請求項98ない
    し請求項101記載の透過型スクリーン。
  103. 【請求項103】前記横長レンチキュラ−レンズの断面
    形状は、少なくともどちらか一方のレンズ端部で、隣接
    する横長レンチキュラーレンズとの境界部において略水
    平な輪郭形状とこの水平な輪郭形状に接続する略垂直な
    輪郭形状とを有することを特徴とする請求項98ないし
    請求項101記載の透過型スクリーン。
  104. 【請求項104】少なくとも1つのフレネルレンズ面と
    縦長レンチキュラーレンズ面と横長レンチキュラーレン
    ズ面を有する投写型画像表示装置の透過型スクリーンに
    おいて、フレネルレンズのピッチPfと横長レンチキュ
    ラーレンズのピッチPvのピッチ比Pf/Pvを、0.0
    5〜0.15、0.33〜0.40、0.5〜0.6、
    1.0〜1.15、2.0〜2.34の内の少なくとも
    1つに設定したことを特徴とする透過型スクリーン。
  105. 【請求項105】請求項104に記載の透過型スクリー
    ンにおいて、フレネルレンズ面の画像観視側に縦長レン
    チキュラーレンズ面と横長レンチキュラーレンズ面を配
    したことを特徴とする投写型画像表示装置の透過型スク
    リーン。
  106. 【請求項106】請求項104に記載の透過型スクリー
    ンにおいて、フレネルレンズ面の画像観視側に縦長レン
    チキュラーレンズ面、画像発生源側に横長レンチキュラ
    ーレンズ面を配したことを特徴とする投写型画像表示装
    置の透過型スクリーン。
  107. 【請求項107】少なくとも1つのフレネルレンズ面と
    縦長レンチキュラーレンズ面と横長レンチキュラーレン
    ズ面を有し、縦長レンチキュラーレンズのピッチPh
    比して、フレネルレンズのピッチPfと横長レンチキュ
    ラーレンズのピッチPvが共に小さい投写型画像表示装
    置の透過型スクリーンにおいて、フレネルレンズのピッ
    チPfと横のレンチキュラーレンズのピッチPvのピッチ
    比Pf/Pvを、0.05〜0.15、0.33〜0.4
    0、0.5〜0.6、1.0〜1.15、2.0〜2.
    34の内の少なくとも1つに設定したことを特徴とする
    透過型スクリーン。
  108. 【請求項108】少なくとも1つのフレネルレンズ面と
    縦長レンチキュラーレンズ面と横長レンチキュラーレン
    ズ面を有し、縦長レンチキュラーレンズのピッチPh
    比して、フレネルレンズのピッチPfと横長レンチキュ
    ラーレンズのピッチPvが共に小さい投写型画像表示装
    置の透過型スクリーンにおいて、フレネルレンズのピッ
    チPfと横のレンチキュラーレンズのピッチPvのピッチ
    比Pf/Pvを、0.05〜0.15、0.33〜0.4
    0、0.5〜0.6、1.0〜1.15、2.0〜2.
    34の内の少なくとも2つを有する複合ピッチに設定し
    たことを特徴とする透過型スクリーン。
  109. 【請求項109】少なくとも1つのフレネルレンズ面と
    縦長レンチキュラーレンズ面と横長レンチキュラーレン
    ズ面を有し、縦長レンチキュラーレンズのピッチPh
    比して、フレネルレンズのピッチPfと横長レンチキュ
    ラーレンズのピッチPvが共に小さい投写型画像表示装
    置の透過型スクリーンにおいて、フレネルレンズのピッ
    チPfと横のレンチキュラーレンズのピッチPvのピッチ
    比Pf/Pvを、0.05〜0.15、0.33〜0.4
    0、0.5〜0.6、1.0〜1.15、2.0〜2.
    34の内の少なくとも2つを有する複合ピッチとし、そ
    の1周期のピッチの総和Pが、縦のレンチキュラーレン
    ズのピッチPhに対してP/Ph=M+0.3〜M+0.
    7(M;自然数)あるいはその逆数の間に設定したこと
    を特徴とする透過型スクリーン。
  110. 【請求項110】請求項104ないし109に記載の透
    過型スクリーンにおいて、縦長レンチキュラーレンズま
    たは横長レンチキュラーレンズの、内部あるいは外部に
    レンズ面以外の光拡散手段を設けたことを特徴とする透
    過型スクリーン。
  111. 【請求項111】透過型スクリーンに用いられるレンチ
    キュラーレンズの断面形状を、該レンチキュラーレンズ
    により得られる指向特性曲線より以下に示す式で計算さ
    れる点列(r(n),z(n))で与えることを特徴と
    するレンチキュラーレンズ形状の設計方法。 【数12】 【数13】 【数14】 【数15】 【数16】 【数17】 【数18】 【数19】 【数20】 【数21】 【数22】 【数23】 【数24】 【数25】 【数26】 【数27】 【数28】 【数29】 【数30】 【数31】
  112. 【請求項112】請求項1ないし請求項110のうちの
    任意の一つに記載の透過型スクリーンを備えたことを特
    徴とする背面投写型画像ディスプレイ装置。
  113. 【請求項113】請求項1ないし請求項110のうちの
    任意の一つに記載の透過型スクリーンと、画像発生源
    と、前記画像発生源の前面に配設された投写レンズと、
    を備え、前記画像発生源で発生された画像を前記投写レ
    ンズで拡大して、前記透過型スクリーンに背面より投写
    する背面投写型画像ディスプレイ装置において、 前記投写レンズを構成するレンズ素子群のうち、最も画
    像発生源に近い側に配設されるレンズ素子は、その画像
    発生源側の面が凸面を成し、その透過型スクリーン側の
    面が凹面を成す凹レンズから成り、 前記画像発生源と前記投写レンズとは結合器によって結
    合され、前記結合器内における、前記画像発生源と前記
    凹レンズとの間に生じる空間には、液体冷媒が封入され
    ていることを特徴とする背面投写型画像ディスプレイ装
    置。
  114. 【請求項114】請求項1ないし請求項110のうちの
    任意の一つに記載の透過型スクリーンと、画像発生源
    と、前記画像発生源の前面に配設された投写レンズと、
    反射鏡と、を備え、前記画像発生源で発生された画像を
    前記投写レンズで拡大し、前記反射鏡で反射して、前記
    透過型スクリーンに背面より投写する背面投写型画像デ
    ィスプレイ装置において、 前記投写レンズを構成するレンズ素子群のうち、最も画
    像発生源に近い側に配設されるレンズ素子は、その画像
    発生源側の面が凸面を成し、その透過型スクリーン側の
    面が凹面を成す凹レンズから成り、 前記画像発生源と前記投写レンズとは結合器によって結
    合され、前記結合器内における、前記画像発生源と前記
    凹レンズとの間に生じる空間には、液体冷媒が封入され
    ており、 前記反射鏡は、基材と、前記基材における前記投写レン
    ズ及び前記透過型スクリーンと対向する側の表面上に成
    膜される光反射性光学薄膜と、から成ることを特徴とす
    る背面投写型画像ディスプレイ装置。
  115. 【請求項115】請求項1ないし請求項110のうちの
    任意の一つに記載の透過型スクリーンと、画像発生源
    と、前記画像発生源の前面に配設された投写レンズと、
    反射鏡と、を備え、前記画像発生源で発生された画像を
    前記投写レンズで拡大し、前記反射鏡で反射して、前記
    透過型スクリーンに背面より投写する背面投写型画像デ
    ィスプレイ装置において、 前記投写レンズを構成するレンズ素子群のうち、最も画
    像発生源に近い側に配設されるレンズ素子は、その画像
    発生源側の面が凸面を成し、その透過型スクリーン側の
    面が凹面を成す凹レンズから成り、 前記画像発生源と前記投写レンズとは結合器によって結
    合され、前記結合器内における、前記画像発生源と前記
    凹レンズとの間に生じる空間には、液体冷媒が封入され
    ており、 前記反射鏡は、基材と、前記基材における前記投写レン
    ズ及び前記透過型スクリーンと対向する側の表面上に成
    膜される反射防止膜と、前記基材の表面のうち前記反射
    防止膜を成膜する面の反対側の表面上に成膜される光反
    射性光学薄膜と、から成ることを特徴とする背面投写型
    画像ディスプレイ装置。
  116. 【請求項116】透過型スクリーンの内部における、ス
    クリーン画面水平方向の光拡散の開始点と、スクリーン
    画面垂直方向の光拡散の開始点が、画像光の進行方向に
    沿って異なる位置にあることを特徴とする背面投写型画
    像ディスプレイ装置。
  117. 【請求項117】請求項116に記載の背面投写型画像
    ディスプレイ装置において、スクリーン画面水平方向の
    光拡散の開始点が、スクリーン画面垂直方向の光拡散の
    開始点より画像観視側に位置することを特徴とする背面
    投写型画像ディスプレイ装置。
  118. 【請求項118】請求項116に記載の背面投写型画像
    ディスプレイ装置において、スクリーン画面垂直方向の
    光拡散の開始点が、スクリーン画面水平方向の光拡散の
    開始点より画像観視側に位置することを特徴とする背面
    投写型画像ディスプレイ装置。
  119. 【請求項119】透過型スクリーンの有する光拡散材は
    主にスクリーン画面垂直方向の指向特性における画面正
    面方向付近の光拡散を行い、前記透過型スクリーンの有
    する横長レンチキュラーレンズは主にスクリーン画面垂
    直方向の指向特性における画面正面方向から離れた方向
    の光拡散を行うことを特徴とする背面投写型画像ディス
    プレイ装置。
  120. 【請求項120】スクリーン画面垂直方向の指向特性
    が、最大輝度をB0とし、スクリーン画面垂直方向の各
    観視角度における輝度が0.5B0以上、0.1B0以上
    となるような観視角度の範囲をそれぞれθ50、θ10とし
    たときに、 【数32】θ10≧3.4×θ50 なる式を満足する指向特性となることを特徴とする背面
    投写型画像ディスプレイ装置。
  121. 【請求項121】スクリーン画面垂直方向の指向特性が
    上下非対称であることを特徴とする背面投写型画像ディ
    スプレイ装置。
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JPWO2004049059A1 (ja) * 2002-11-26 2006-03-23 三菱電機株式会社 透過型スクリーンおよび投写型表示装置
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