JP2588563B2 - 透過形スクリーン - Google Patents

透過形スクリーン

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JP2588563B2
JP2588563B2 JP63021897A JP2189788A JP2588563B2 JP 2588563 B2 JP2588563 B2 JP 2588563B2 JP 63021897 A JP63021897 A JP 63021897A JP 2189788 A JP2189788 A JP 2189788A JP 2588563 B2 JP2588563 B2 JP 2588563B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、リア方式プロジェクションテレビ用の透過
形スクリーンに関するものであり、更に詳しくは、テレ
ビ受像管(CRT)の前面に短投写距離レンズを配置して
セットとしての全体寸法の小形化を図った、かかるプロ
ジェクションテレビ用として用いても、前記レンズによ
る拡大映像光の該スクリーン面における反射損失や、ス
クリーンを構成するフレネルレンズのエッジ部での光損
失等が少なくて済むような、かかる透過形スクリーンに
関するものである。
〔従来の技術〕
第6図は一般的なリア方式プロジェクションテレビシ
ステムの一例を示す説明図である。
同図において、1は透過形スクリーンであり、片面を
フレネルレンズで形成されたブレネルスクリーン1a′
と、片面をレンチキュラーレンズで形成されたレンチキ
ュラースクリーン1bとで、この場合は構成されている。
2はテレビ受像管、3は投写レンズである。
受像管2に表示された映像は、投写レンズ3により拡
大されてスクリーン1に投写され、該スクリーン1を透
過して観視側に至る。フレネルスクリーン1a′は、レン
ズ3から或る角度θをもって入射してきた光線を平行光
に直して出力するためのものである。レンチキュラース
クリーン1bは、フレネルスクリーン1a′から出射した光
が平行光のままであると、該スクリーン1a′のスクリー
ン面から少しでも外側に外れると映像が見られなくなる
ので、平行光を若干散乱させて、スクリーン1bのスクリ
ーン面に対してある角度範囲にあれば、どの観視者にも
映像が見えるようにするためのものである。
さて、本発明は上述の透過形スクリーンに関するもの
であるが、従来かかるプロジェクションテレビ用透過形
スクリーンとしては一般に、光拡散剤を混入した平板形
式をとるもの、一面にフレネルレンズを形成したフレネ
ルレンズ計式をとるもの、一面にレンチキュラーレンズ
を形成したレンチキュラー形式をとるもの、前記2種の
スクリーンの組み合わせによるもの、及び、一面にフレ
ネルレンズ、他面にレンチキュラーレンズを形成した形
式によるもの等があるが、これらの中で指向性,明る
さ,色むら等の光学特性の優位性により、レンチキュラ
ーレンズとフレネルレンズを組み合わせたものが使用さ
れるようになって来ている。
さらに、フレネルレンズの同心円状のエッジ部の線と
レンチキュラーレンズの各レンズ面の継なぎ部の線によ
って生じるモアレ模様を最少限に押えることが容易であ
ることから、受像管(CRT)側にレンチキュラーレンズ
を向けるようにしたスクリーン(第6図に示した例もそ
うなっている)が主流になりつつある。
なお、これらについて詳しく述べてある特許公報の例
として、特開昭57−210332号、特開昭59−48744号を挙
げることができる。
〔発明が解決しようとする課題〕
今後プロジェクションテレビセットのコンパクト化が
さらに進むと考えられるが、その際、投写レンズとして
も投写距離の短いレンズ(以下、短投写距離レンズと云
うこともある)を用いてコンパクト化を図るのが主流と
なるであろう。
このような事情で短投写距離レンズを用いると、必然
的に画角が大きくなる。この為、この大きな画角をもっ
て入射してくる光を平行光に変換する作用を有するプレ
ネルレンズも当然短焦点化する必要が生じてくる。この
短焦点化を図る方法として (イ)フレネルレンズの材質を高屈折率化する、 (ロ)レンズ面の曲率半径を小さくする、 の2つが考えられるが、前者については材質上の諸制約
により困難であるので、後者の方法によりこれを達成す
る必要がある。
所でレンズ面の曲率半径を小さくした場合、従来のフ
レネルスクリーンでは、次のような問題点があった。す
なわち、 スクリーン周辺部においてレンズによる拡大映像光の
スクリーン面への入射角が大きくなり、その結果、反射
による光の損失が増大する。
スクリーンを構成するフレネルレンズのエッジ部面積
がスクリーン周辺に行くにしたがい大きくなり、それに
伴って光の損失が増大する。
以上の問題点を解決する手段として実用新案昭55−52
417号公報に第3の実施例として示されているように、
複数枚のフレネルレンズを配置し、合成の焦点距離を短
くする方法が考えられるが各レンズ面で生じる映像光の
反射ロス、及び反射により生じるゴーストの発生ならび
にコストの上昇を考えると必ずしも得策ではない。
本発明は、上述の如き従来の技術的事情にかんがみな
されたものであり、従って本発明の目的は、フレネルス
クリーンの反射による拡大映像光の損失、及びフレネル
レンズのエッジ部で発生する光の損失を最少限に押える
ようにしたかかるフレネルスクリーンを含む透過形スク
リーンを提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記した目的は、透過形スクリーンを構成するフレネ
ルスクリーンの観視側面(光の出射する側の面)全面を
もってフレネルレンズを形成し、この面の反対側のフレ
ネルスクリーン面(光の入射する側の面)の外周部にフ
レネルレンズを形成し、スクリーンの外周部においての
みレンズの屈折力を光出射側と入射側とで分担すること
により達せられ、その結果、前述したレンズ面での映像
光の反射損失を低減することができる。一方、スクリー
ンエッジ部での光損失は、スクリーン中心部では、零で
あり、スクリーン外周部においても十分小さく、これに
より画像に悪影響を与えることはない。
第1図は本発明の一実施例を示す説明図であるが、こ
の図を第6図と対比してみると、課題解決のための手段
が明らかになる。即ち第1図では、フレネルスクリーン
1aの光入射側においても、その外周部にYで示したよう
に、フレネルレンズが形成されていることが僅かながら
認められるであろう。この点が、本発明が従来技術と相
違する点であり、また課題解決のための手段を示すもの
でもある。
〔作用〕
次にフレネルスクリーンの一面の、すなわち、光の入
射する側のみにフレネルレンズを形成した場合と、フレ
ネルスクリーンの他の面(光の出射する側)にのみフレ
ネルレンズを形成した場合、のそれぞれについてエッジ
損失,反射損失を説明し、その後、本発明にかかるフレ
ネルスクリーンについて、その作用を図を参照にして説
明する。
第7図は、投写レンズの所在位置をSとしたとき、そ
の投写距離L1とスクリーンサイズL2及びスクリーン周辺
部への入射角αin(ただしiはインプットつまり入射を
意味し、n=1,2……)の関係を示す説明図である。
スクリーンサイズL2を45(インチ)有効サイズとし、
スクリーン面のアスペクト比を3:4とするとスクリーン
の高さL3とスクリーンの幅L4は、以下のごとく表わされ
る。
L3=45(インチ)×25.4(mm/インチ) ×3/5≒686(mm) L4=45(インチ)×25.4(mm/インチ) ×4/5≒915(mm) 投写倍率が9〜10倍程度である一般の投写レンズの投
写距離L1は、現在、1300(mm)程度である。
これらの関係から有効画面の各辺中央及び対角隅への
レンズからの拡大投写光とスクリーン法線とのなす角を
求めると αi1=tan-1L3/2L1=14.8゜≒15゜ ……(1) αi2=tan-1L4/2L1=19.4゜≒19゜ ……(2) αi3=tan-1L2/2L1=23.7゜≒24゜ ……(3) となるが今後、投写距離の短い投写レンズが主流とな
り、例えば現流レンズの60%程度の投写距離をもつ投写
レンズが実現可能であるとすれば、該レンズは同一スク
リーンサイズとすると画角の非常に大きなレンズとな
る。
この事は、同時にスクリーン周辺への入射角αi1
i2i3が大きくなる事を意味する。これを(1),
(2),(3)式により算出すれば L1′=1300×0.6≒800(mm) αi1′=tan-1L3/2L1′=23.2≒23゜ αi2′=tan-1L4/2L1′=29.8゜≒30゜ αi3′=tan-1L2/2L1′=35.5゜≒36゜ となりスクリーン最外周部への拡大映像光の入射角は、
1.7倍にもなることがわかる。
第8図は、入射面フレネル方式をとるフレネルレンズ
の断面図である。
すなわち、片面がフレネルレンズで形成されたフレネ
ルスクリーンを想定し、そのフレネルレンズの形成され
ている側を拡大映像光の入射する側に選択したとき、か
かる方式を入射面フレネル方式という。
入射面フレネル方式においては、映像光の入射する側
に多数のフレネルレンズが形成されているわけである
が、第8図は、そのうちの一つを拡大して示した断面図
である。同図において、θがプリズム角であり、a1
入射光線、αi1が入射角である。
個々のフレネルレンズは、それがフレネルスクリーン
の中心部に位置するか、周辺部に位置するかにより、光
線の入射角αi1は異なってくる。その異なった入射角を
もつ光線を、等しく平行光として出射するためには、入
射角αi1が異なるのに応じて個々のフレネルレンズ毎に
プリズム角θを変えなくてはならない。
入射面フレネル方式において、フレネルスクリーンか
らの出射光はすべて平行光とすときに、入射角αi1をパ
ラメータとするプリズム角θの変化、同じく入射角α
i1をパラメータとするフレネルレンズのエッジ損失、反
射損失の関係をグラフで示したのが第9図である。
第9図において、横軸に入射角αi1が、縦軸にプリズ
ム角θ1,エッジ損失,反射損失がとられている。かかる
グラフの算出根據を以下、説明する。
入射面フレネル方式による場合、第8図に見られるご
とく、拡大映像光つまり入射光線a1の入射角αi1とプリ
ズム角θとの間には、スネルの法則より次の式が成り
立つ。
sin(αi1+θ)=n cos(180゜−(θ+β))
……(4) ただし、nは屈折率を示し、材質がアクリルの場合n
≒1.5 n cos β=sin γ ……(5) (4),(5)式からβを消去するとθは次の様
に示される。
上記(6)式において、射出光線a1′は平行光という
条件からγ=0とおけば、αi1をパラメータとしてθ
を算出することができる。
次に入射面フレネル方式において角レンズ面のエッジ
での損失は、第10図の(d+d′)で示される。
これは、各レンズ面のエッジ部 より入射した映像光c4,d4は、レンズ面で屈折後、異常
光となり映像光の射出側面の内dの区間からの射出光と
ならず、損失となるものである。
又、レンズ面で屈折後、レンズ面の継なぎ部p3′とエ
ッジの先端p3″との間へ向う映像信号b4,c4も、同様に
異常光となり映像光の射出側面の内d′の区間からの射
出光とはならず、損失となるものである。
以上に説明したエッジでの損失は次式により求められ
る。
ただしnは屈折率を示し、材質がアクリルの場合n≒
1.5 上記(7)式において、射出光線は平行光という条件
からγ=0とおけば、入射角αi3(プリズム角θ
をパラメータとしてエッジ損失(d+d′)を算出する
ことができる。
次に反射損失について考える。
一般に屈折率の異なる媒質の境界における光の入射角
に対する反射強度は次式で示されることが知られてい
る。すなわち、 ただし、 n1は、第1の媒質の屈折率 n2は、第2の媒質の屈折率i1 は、第1の媒質から第2の媒質への入射角i2 は、第2の媒質においての屈折角 rp:水平偏波の反射率 rs:垂直偏波の反射率 さらにこの反射波(反射光)のエネルギーは、次式で
与えられる。
E(反射光のエネルギー)=rp 2+rs 2 ……(10) 上記(10)式より、射出光線は平行光という条件のも
とで、入射角をパラメータとして反射損失を算出するこ
とができる。
以上の如くして求めた入射面フレネル方式における諸
損失とプリズム角θの関係を第9図に示したわけであ
る。同図より、入射角が36゜となるスクリーン対角(第
7図におけるαi3参照)において反射損失32%,エッジ
損失61%,プリズム角θは40゜であり、損失が非常に
大きいことが分かる。
第11図は出射面フレネル方式をとるフレネルレンズの
断面図である。
すわなち、片面がフレネルレンズで形成されたフレネ
ルスクリーンを想定し、そのフレネルレンズの形成され
ている側を映像光の出射側、つまり観視する側に選択し
たとき、かかる方式を出射面フレネル方式という(ちな
みに第6図に示したフレネルスクリーン1a′は、この出
射面フレネル方式をとっている)。
出射面フレネル方式においては、映像光の出射する側
に多数のフレネルレンズが形成されているうわけである
が、第11図は、そのうちの一つを拡大して示した断面図
である。
第11図において、入射面フレネル方式の場合と同様、
プリズム角θは、スネルの法則より sin αi2=n cos β ……(11) ただしnは、アクリルの屈折率とすると、n≒1.5 n cos(180゜−θ−β)=sin(γ+θ) ……
(12) 上式(11),(12)よりβを消去しθを求めると
次式の如くなる。
次にエッジによる損失は、出射面フレネル方式の場合
原理的には存在しない。しかし、実際には、第11図より
明らかなようにレンズの継なぎ部p2より入射した光a2
が所定の屈折をせず無出射領域eが生じ、モアレ等の画
質低下の原因となる。
ここで無出射領域を求めるには以下の式を適用する。
M1 cos θ2/sin θ=1 但し、M1はエッジ部の長さである。
M1/tan θ=1 M1=tan θ ここで M1sin αi2 e 故に e tan θ2 sin αi2 ……(14) 又、反射損失については、前述の(8),(9),
(10)式により入射面フレネル方式の場合と同様にして
求めることが出来る。
第12図は、前記出射面フレネル方式において入射角α
i2をパラメータとし、フレネルスクリーンからの出射光
が平行光になるとした時のプリズム角θ2,反射損失,無
出射領域の関係を示したグラフで、フレネルレンズへの
入射角が36゜となるスクリーン対角において、プリズム
角θは、58゜,反射損失は11%,無出射領域率(第11
図において、プレネルレンズの縦寸法を1としたときの
無出射領域eの割合)は40%となり反射損失は比較的小
さいものの無出射領域率は40%となり、この結果モアレ
が発生し、画質が劣化する。
以上述べた様に短投写距離レンズを使用したプロジェ
クションテレビセットにおいては、フレネルスクリーン
からの出射光を平行光にするためには、入射面フレネル
方式では、エッジ損失,反射損失が増大し、出射面フレ
ネル方式では、映像光の損失は減少するものの無出射領
域が増大し、モアレ等の画質劣化の要因が生じることが
判明した。
そこで本発明では、片面だけでなく、両面がプレネル
レンズで形成されたフレネルスクリーンすなわち両面フ
レネル方式スクリーンを製作し、そのフレネルレンズの
形状を最適化することにより、映像光のエッジ損失,反
射損失が少なく、かつモアレの原因である無反射領域を
も最少限に押えんとするものである。
第1図を再び参照する。同図において、1は透過形ス
クリーンであり、両面フレネルスクリーン1aとレンチキ
ュラースクリーン1bとにより構成されている。1aは両面
フネルスクリーンとは云っても、その観視側(光出射
側)の面には全面的にフレネルレンズが形成されている
が、他方の投写レンズ3の側(光入射側)の面には、Y
で示した如く、その外周部にのみフレネルレンズが形成
されている。つまり1aは両面フレネルスクリーンとは云
っても、光出射側の面には全面的にフレネルレンズを形
成する出射面フレネル方式を基本としているのである。
この理由としては、エッジ損失がない、反射損失
が入射面フレネル方式と比べ少ない、の2点であり、問
題である無出射領域の増加により生じるモアレ模様は、
レンチキュラースクリーン1bに混入する拡散剤を増すこ
とにより軽減できるからである。出射面フレネル方式の
反射率変化について、更に詳細に検討した。
第13図では、投写レンズの投写距離(以下OBDと略記
する)を変化させた場合の各像高(スクリーン最外部長
さで規格化して表示)でのフレネルレンズのプリズム角
θの変化を示したもので、OBDの変化に大きく影響さ
れることが判る。
第14図は、同様に反射損失(%)の変化を示したもの
である。やはりOBDの変化に大きく影響されていること
が判る。
屈折率n≒1.5の材料によってOBD800mmの投写レンズ
用の入射面フレネル方式フレネルスクリーンを試作し、
エッジ損失による画質の劣化を目視により評価したとこ
ろ、20%以下では、ほとんど判定不可能であった。
ここで入射面に設けるフレネルレンズ(第1図の1aの
Y)は、第1A図に示すように、フレネルスクリーン1aの
対角寸法を100としたとき、その中央部80%を除いた残
りの外側20%の部分(対角80%以上の部分)に形成する
のが望ましい。この理由としては、もしそうでないと
すると、第11図に示すようにスクリーンの出射面のフレ
ネルレンズ界面において反射率が大幅に増加する。ス
クリーンの水平方向の最大寸法が対角80%(ただし、ア
スペクト比3:4)であり、これ以上の領域であれば、入
射面,出射面ともフレネルレンズ形状となっている部分
がスクリーンの四隅のみとなる。この為、光入射面と光
出射面の2面のフレネルレンズの中心ズレ等により発生
するモアレが目立たない。
この時、すなわち入射面の対角80%以上の部分にフレ
ネルレンズを設けた場合のエッジでの損失は前記(7)
式を変形することにより求められる。一方、反射損失に
ついては、前記(8),(9),(10)式により求める
ことができる。
〔実施例〕
次に図を参照して本発明の実施例を説明する。第1図
が本発明の一実施例を示す説明図であることは既に述べ
た。第1図において、従来技術と相違する点が、フレネ
ルスクリーン1aにおいて、その外周部が両面フレネルレ
ンズとして形成されている点(Yの部分に新たにフレネ
ルレンズを形成した点)であることも先にのべた。
第2図は、第1図におけるフレネルスクリーン1aの外
周部の両面フレネルレンズ部分(Yの部分を含む)の断
面図である。
同図においては、映像光a5の入射側には、プリズム角
θのフレネルレンズが、また出射側には、プリズム角
θ′のフレネルレンズが、それぞれ形成されているこ
とが認められるであろう。
さて、第2図において、入射面においてはスネルの法
則により sin(αi4+θ)=n sin(θ+α) 従って 出射面においても同様に n sin(θ′−α)=sin θ′ ……(16) これを整理すれば 上記(15),(17)の両式により入射化αi4に対する
出射面フレネルレンズのプリズム角θ′の変化を求め
ることが出来る。
第2図においてスクリーンの厚みl1はレンズ効果に与
える影響が充分に小さい為、無視できる。
次にかかる本発明の一実施例要部としてのフレネルス
クリーン1aにおいて、フレネルスクリーンからの出射光
が平行光でかつ、スクリーン最外周部におけるエッジ損
失を20%以下とする入射面フレネルレンズのプリズム角
θ及び出射面フレネルレンズのプリズム角θ′を投
写レンズ3の投写距離(OBD)を変数として各像高(相
対像高1.0は、本実施例では45/2インチ)ごとに求め第
3図に示す。
第3図において、相対像高80%以上では、フレネルレ
ンズの屈折力を出射面のフレネルレンズにだけ負担させ
るのでなく、入射面のフレネルレンズにも分担させてい
る為に、出射面のフレネルレンズのプリズム角θ′が
減少していることが判かる。又、投写レンズの投写距離
(OBD)が短かい程、出射面フレネルレンズのプリズム
角θ′が大きくなる事が判る。一方、これとは逆にエ
ッジ損失を20%以下とする条件下では、入射面のプリズ
ム角θは小さくなる。
以上で述べた入射面及び出射面のフレネルレンズでの
反射損失を第4図に示す。
第4図からも明らかなように、出射面にのみフレネル
レンズを設けた従来フレネルスクリーンに比べ、出射面
と入射面の双方にフレネルレンズを設けた本発明にかか
るフレネルスクリーンは、反射損失を10%以上低減でき
ることが判かる。
第5図は、スクリーン素材の屈折率を1.5とし、投写
レンズの投写距離を800mm,スクリーンサイズを45インチ
とした場合の本発明にかかるフレネルスクリーンの光学
性能を示す特性図である。
これを第9図に示す入射面フレネル方式の光学性能及
び第12図に示す出射面フレネル方式の光学性能と比較す
れば、スクリーン最外周部において次に示す効果がある
ことが判る。
反射損失は、9.3%であり出射面フレネル方式の10%
に比べて7%低減している。又、入射面フレネル方式の
35%に比べ1/3以下となる。
無出射領域は、出射面フレネル方式の40%が29.8%と
なり26%低減している。
エッジ損失20%以下であり、入射面フレネル方式の61
%に比べ1/3以下であり実用上問題はない。
以上述べたように本発明では、出射面(観視側)の全
面をフレネルレンズで形成するだけでなく、入射面(こ
こでは画像の投写管となる受像管側)の外周部にフレネ
ルレンズを設けることにより、従来の片面のフレネルの
2方式(入射面フレネル方式と出射面フレネル方式)よ
りも周辺が明るく、モアレ妨害を押えたスクリーンを実
現することができる。
本発明の一実施例として第1図には、両面フレネルス
クリーン1aとレンチキュラースクリーン1bの組合せにつ
いて示したが、同図に示した如き1枚のレンチキュラー
スクリーンでなく、複数枚のレンチキュラースクリーン
と両面フレネルスクリーンを組合せても、又、投写レン
ズ3側のフレネルレンズ形状が第1B図に示すようなリニ
アフレネル形状であっても本発明を実現できることは言
うまでもない。
以上述べた実施例の説明は、入射面の周辺部及び出射
面の全面にフレネルレンズを設けた場合についてのみ行
なったが、出射面の周辺部及び入射面の全面にフレネル
レンズを設けた場合でも同様の効果があり、本発明の技
術的範囲に含まれることは言うまでもない。
〔発明の効果〕
本発明によれば、透過形スクリーンを構成するスクリ
ーンの中の1枚としてのフレネルスクリーンの受像管側
の面の外周部と、観視側面の全面にフレネルレンズを形
成し、それぞれのレンズ形状を最適設計することによ
り、スクリーンへの入射角が大きい短投写距離レンズを
使用したプロジェクションテレビに適用しても、反射損
失,スクリーンエッジでの反射が少なくかつ、無出射領
域を減少させ、これにより画面に生じるモアレ等の妨害
を最少限とした透過形スクリーンが実現できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す説明図、第1A図、第1B
図はそれぞれ第1図におけるフレネルスクリーンの具体
例を光入射側から見た正面図、第2図は第1図における
フレネルスクリーンの外側周辺部の断面図、第3図は本
発明の一実施例における要部としてのフレネルスクリー
ンにおけるプリズム角と相対像高との関係を従来技術に
よるそれと比較して示す特性図、第4図は同様にかかる
フレネルスクリーンの反射損失と相対像高との関係を従
来技術によるそれと比較して示す特性図、第5図はかか
るフレネルスクリーンの光学性能の具体例を示す特性
図、第6図は一般的なリア方式プロジェクションテレビ
システムを示す説明図、第7図はスクリーンへの入射角
を示す説明図、第8図は入射面フレネル方式をとるフレ
ネルスクリーンの断面図、第9図は入射面フレネル方式
をとるフレネルスクリーンの光学性能の具体例を示す特
性図、第10図は説明の都合上、第8図を改めて描き直し
て示した断面図、第11図は出射面フレネル方式をとるフ
レネルスクリーンの断面図、第12図は出射面フレネル方
式をとるフレネルスクリーンの光学性能の具体例を示す
特性図、第13図は出射面フレネル方式をとるフレネルス
クリーンのプリスム角と相対像高との関係を示す特性
図、第14図は出射面フレネル方式をとるフレネルスクリ
ーンの反射損失と相対像高との関係を示す特性図、であ
る。 符号の説明 1……透過形スクリーン、1a……両面フレネルスクリー
ン、1b……レンチキュラースクリーン、2……受像管、
3……投写レンズ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数枚のスクリーンにより構成される透過
    形スクリーンにおいて、 前記複数枚のスクリーンの中で、入射光の光源に一番近
    い側に位置するスクリーンの光入射面にはその外周部に
    のみフレネルレンズが形成され、その光出射面には全面
    にわたりフレネルレンズが形成されて成ることを特徴と
    する透過形スクリーン。
  2. 【請求項2】複数枚のスクリーンにより構成される透過
    形スクリーンにおいて、 前記複数枚のスクリーンの中の少なくとも1枚のスクリ
    ーンの、光入射側スクリーン面において、その中心位置
    を通る対角線上の中心部から対角コーナーまでの長さの
    80%を越えた外側のスクリーン面領域に、プリズム角θ
    のフレネルレンズを形成し、かつ前記1枚のスクリー
    ンの光出射側スクリーン面の全面にプリズム角θのフ
    レネルレンズを形成したとき、 前記外側のスクリーン面領域に形成したプリズム角θ
    のフレネルレンズの非レンズ部即ちエッジに起因するプ
    リズム出射面の損失領域(d+d′)が、該プリズム出
    射面の全領域を1とするとき、下記の条件を満足するこ
    とを特徴とする透過形スクリーン。 d+d′≦0.2 d+d′=tanθ(tanαi3・tanγ3/n) ただし、αi3=θ−θ、γ=θ′−θ θ:フレネルレンズ面への光線の入射角 θ′:フレネルレンズ面からの光線の出射角 n:スクリーン素材の屈折率
  3. 【請求項3】請求項2に記載の透過形スクリーンにおい
    て、前記外側のスクリーン面領域に形成されたプリズム
    角θのフレネルレンズがリニアフレネルレンズから成
    ることを特徴とする透過形スクリーン。
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