JPH075538B2 - フエニレン基を有するスパガリン関連ニトリル化合物及びその製造法 - Google Patents

フエニレン基を有するスパガリン関連ニトリル化合物及びその製造法

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JPH075538B2
JPH075538B2 JP60186736A JP18673685A JPH075538B2 JP H075538 B2 JPH075538 B2 JP H075538B2 JP 60186736 A JP60186736 A JP 60186736A JP 18673685 A JP18673685 A JP 18673685A JP H075538 B2 JPH075538 B2 JP H075538B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はフエニレン基を有するスパガリン関連化合物の
合成前駆体として有用な新規化合物であるフエニレン基
を有するスパガリン関連ニトリル化合物及びそれらの塩
並びにそれらの製造法に関する。
〔従来の技術〕
スパガリンは本発明者らによつてバチルス属のスパガリ
ン生産菌の培養液より単離された化合物であり、次の
構造を有する。
スパガリンはグラム陽性菌及びグラム陰性菌に対して発
育阻止作用を示すと共に、マウス白血病L−1210、マウ
ス白血病FL−4、エールリツヒガン及び肉腫180(S−1
80)に対する治療実験で顕著な治療効果及び延命効果を
示し、抗腫瘍剤として期待されている化合物である(特
開昭57−48957号参照)。上記スパガリンは合成によつ
て得られることも公知である〔ザ ジヤーナル オブ
アンチバイオチクス(J.Antibictics)、第34巻第1625
頁(1981)参照〕。
スパガリンは、分子内にヘミアセタール構造を有するた
め水溶液中で不安定である。その後、水溶液中で安定
で、高活性なスパガリン関連化合物を検索すべく種々の
研究が行われ、次式VI: (式中、R1は水素原子又はヒドロキシ低級アルキル基を
示し、nは3〜5の整数を示す)で表わされるフエニレ
ン基を有するスパガリン関連化合物が、水溶液中で安定
で、かつ活性の高いことが見出された(特願昭59−0386
15号特公平2−54824号)。
これらフエニレン基を有するスパガリン関連化合物の合
成法としては、これまで一般式VII: (式中X1及びX2は同一又は異なるアミノ保護基を示す)
で表わされる1,5−ジ保護−1,5,10−トリアザデカンを
合成原料としていた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし、[VII]式の化合物は、いくつかのアミノ保護
基を用い数段階の反応行程を経て合成しなければならな
いことなど大量合成する上で有利ではない。
上記式VIで表わされるフエニレン基を有するスパガリン
関連化合物を大量合成する時、式VIの有するスペルミジ
ン(1,5,10−トリアザデカン)のN10の1級アミンのみ
選択的にアシル化する方法の開発が有利な合成法を提供
する。
本発明の目的は、フエニレン基を有するスパガリン関連
化合物を工業的規模で製造する際に有用な合成前駆体で
あるフエニレン基を有するスパガリン関連ニトリル化合
物及びその製造法を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明を概説すれば、本発明の第1の発明はフエニレン
基を有するスパガリン関連ニトリル化合物及びそれらの
塩の発明であつて、下記一般式I: (式中、Rは水素原子、ヒドロキシ低級アルキル基又
は、低級アルコキシ基を示し、nは3〜5の整数を示
す)で表わされる。
また、本発明の第2の発明は上記一般式Iで表わされる
フエニレン基を有するスパガリン関連ニトリル化合物又
はその塩の製造法の発明であつて、下記一般式II: (式中R及びnは式Iと同義である)で表わされる化合
物又はその反応性誘導体と、下記式III: H2N(CH2)4NH(CH2)2CN …〔III〕 で表わされるN−2−シアノエチルブタン−1,4−ジア
ミンとを縮合させることを特徴とする。
そして、本発明の第3の発明は下記一般式 Ia: (式中、R1は水素原子又はヒドロキシ低級アルキル基
を、nは3〜5の整数を示す)で表わされるフエニレン
基を有するスパガリン関連ニトリル化合物又はその塩の
製造法の発明であつて、下記一般式IV: (式中、nは前記と同義である)で表わされる化合物又
はその反応性誘導体と、下記一般式V: (式中、R1は前記と同義である)で表わされる化合物と
を縮合させることを特徴とする。
すなわち、本発明者らは、1,4−ジアミノブタンとアク
リロニトリルを縮合させて容易かつ安価に得られる上記
一般式IIIで表わされるN−2−シアノエチルブタン−
1,4−ジアミン〔ジヤーナル オブ メデイシナル ケ
ミストリー(J.Med.Chem)第2巻、第710頁(1964)参
照]を原料とし、1級アミンのみアシル化して合成でき
る上記一般式Iで表わされるニトリル化合物を合成前駆
体とする合成経路を完成した。
式Iのニトリル化合物の−CNを−CN2NH2に還元すること
により、下記一般式VIII: (式中R及びnは前記式Iに同じ)で表わされる化合物
を得ることができる。式1に含まれる酸アミドに作用す
ることなく−CNを−CN2NH2に還元する方法は、公知の反
応を用いることができる。例えば、ラネー(Raney)ニ
ツケルを触媒に用いて接触還元する方法や塩化コバル
ト、塩化ニツケルなどの遷移金属の塩の存在下、水素化
ホウ素ナトリウムで還元する方法〔テトラヘドロン レ
ターズ(Tetrahedron Letters)、第52巻、第4555頁(1
969)参照〕が好ましい。
一般式IにおいてRが水素原子以外の置換基を示す場
合、その立体配置はS−、R−及びSR−型のいずれでも
よい。一般式Iの化合物の具体的な代表例の構造と化合
物名を第1表に示す。
一般式Iの化合物は酸と塩を形成するが、塩を形成する
ための酸としては、無機酸、有機酸のいずれでもよく、
特に制限はないが取扱い上塩酸が好ましい。
代表例の塩酸塩の赤外線吸収スペクトル(KBr錠として
測定)、プロトンNMRスペクトル(重メタノール中TMSを
基準物質として測定)及び旋光度を第2表に示す。
本発明の第2の発明における一般式IIの化合物と式III
の化合物の縮合はペプチド結合形成に使用される通常の
方法が使用できる。すなわちジシクロヘキシルカルボジ
イミド、1−エチル−8−(3−ジメチルアミノプロピ
ル)−カルボジイミドなどを用いるカルボジイミド法、
ヒドラジドからのアジド法、混合酸無水物法、置換又は
未置換フエニルエステル、ヒドロキシコハク酸イミドエ
ステルなどの活性エステル法、o−アシルヒドロキシル
アミン誘導体法、N−アシル化合物法などが挙げられ
る。また、縮合に用いる溶媒としては、通常のペプチド
結合形成に用いられる溶媒を使用できるが、一般式IIの
化合物が通常酸との塩として取扱われるので、その溶解
性よりジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドな
どのアミド類を用いるのが好ましい。
式IIIで表わされるN−2−シアノエチルブタン−1,4−
ジアミンは縮合に際し、当モルの酸、例えば当モルの塩
酸を加え、式IIIに含まれる2級アミンのみ塩の形にし
ておくことにより、1級アミンにのみ選択的にアシル化
を行うことができる。また、N−2−シアノエチルブタ
ン−1,4−ジアミンを過剰(1.2〜2モル当量)に使用す
ることにより、1級アミンに優先的にアシル化を行うこ
ともできる。縮合反応は、式IIの化合物と式IIIの化合
物を当モル使用することによつて進行するが、収率上式
IIIの化合物を過剰に加えるのが好ましい。
原料となる式IIの化合物は新規化合物であり、次のよう
にして合成することができる。すなわち、下記一般式I
V: (式中、nは3〜5の整数を示す)で表わされる化合物
とカルボキシル基がカルボキシル保護基で保護されてい
る例えばグリシン又はセリンを縮合させ、続いてカルボ
キシル保護基を常法により除去することにより合成する
ことができる。縮合反応は前述したペプチド結合形成に
使用される通常の方法が使用できる。
一般式IIにおいてRが低級アルコキシ基の場合、すなわ
ち次の一般式IIa: (式中R2は低級アルコキシ基を示し、nは3〜5の整数
を示す)で表わされる化合物は、式IVで表わされる化合
物をエステル化後、アンモニアで処理して得られるアミ
ドにグリオキシル酸を付加させて、次式IX: (式中nは3〜5の整数を示す) で表わされる化合物とした後、酸触媒の存在下、低級ア
ルカノールを作用させ、o−アルキル化及びエステル化
を起させ、続いてアルカリでエステルを加水分解するこ
とによつて合成することができる。
本発明の第3の発明における式IVの化合物と式Vの化合
物の縮合は、第2の発明で詳述した縮合反応と同様に行
うことができる。式Vの化合物は縮合に際し、2級アミ
ンのみ塩の形にしておくことにより、1級アミンに選択
的にアシル化を行うことができる。また、式Vの化合物
を過剰(1.2〜2モル当量)に使用することにより、1
級アミンに優先的にアシル化を行うこともできる。
原料となる式Vの化合物は新規化合物であり、アミノ基
をアミノ保護基で保護した例えばグリシン又はセリンと
式IIIのN−2−シアノエチルブタン−1,4−ジアミンを
縮合させ、続いてアミノ保護基を常法により除去するこ
とにより合成することができる。N−2−シアノエチル
ブタン−1,4−ジアミンは縮合に際し、2級アミンのみ
塩の形にしておくことにより、1級アミンに選択的にア
シル化を行うことができる。また、N−2−シアノエチ
ルブタン−1,4−ジアミンを過剰(1.2〜2モル当量)に
使用することにより、1級アミンに優先的にアシル化を
行うこともできる。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、
本発明は、これら実施例に限定されない。
実施例1 8−{N−〔4−(4−グアニジノフエニ
ル)ブタノイル〕グリシル}−1−シアノ−3,8−ジア
ザオクタン2塩酸塩 4−(4−グアニジノフエニル)酪酸塩酸塩14.73g(5
7.2ミリモル)とN−ヒドロキシコハク酸イミド7.90g
(68.6ミリモル)をジメチルホルムアミド75mlに溶かし
ジシクロヘキシルカルボジイミド14.15g(68.6ミリモ
ル)のジメチルホルムアミド75mlの溶液を氷冷下滴下し
た。滴下後、室温で一夜かくはんし、析出するジシクロ
ヘキシル尿素を去し、液を8−(N−グリシル)−
1−シアノ−3,8−ジアザオクタン1塩酸塩12.81g(64.
6ミリモル)のジメチルホルムアミド75ml溶液に滴下
し、室温で1時間かくはんした。溶媒を留去して得た残
留固体を水1に溶かし、CM−セフアデツクスC−25
(Na型)(フアルマシア社製)300mlのカラムにかけ水
洗(1)後水1.5lと0.5M NaCl 1.5lによるグラジエン
ト溶出を行つた。目的物を含むフラクシヨンを集め減圧
乾固し、残留固体にメタノールを加えて不溶のNaClを
去した。この操作を2回繰返し、得られた液をセフア
デツクスLH−20(フアルマシア社製)の1のカラムに
かけ、メタノールで溶出した。目的物を含むフラクシヨ
ンを集め減圧濃縮し、シロツプ状の8−{N−〔4−
(4−グアニジノフエニル)ブタノイル〕グリシル}−
1−シアノ−3,8−ジアザオクタン2塩酸塩を21.78g得
た。収率80.2% 実施例2 8−{N−〔4−(4−グアニジノフエニ
ル)ブタノイル〕グリシル}−1−シアノ−3,8−ジア
ザオクタン2塩酸塩 〔4−(4−グアニジノフエニル)ブタノイル〕グリシ
ン塩酸塩25.24g(80.2ミリモル)とN−ヒドロキシコハ
ク酸イミド11.1g(96.2ミリモル)をジメチルホルムア
ミド100mlに溶かし、ジシクロヘキシルカルボジイミド1
9.9g(96.2ミリモル)のジメチルホルムアミド100mlの
溶液を氷冷下滴下した。滴下後、室温で一夜かくはん
し、析出するジシクロヘキシル尿素を去し、液をN
−2−シアノエチルブタン−1,4−ジアミン17.0g(120.
3ミリモル)のジメチルホルムアミド80mlの溶液に滴下
し、室温で3時間かくはんした。溶媒を留去して得た残
留固体を0.5M NaCl溶液500mlに溶かし、0.5M NaClで調
整したダイヤイオンHP−20(三菱化成工業社製)の2.5l
のカラムにかけ0.5M NaCl8l、0.25M NaCl3l、水10lで洗
浄後、水−メタノール(9:1)20l、水−メタノール(8:
2)20lで溶出した。目的物を含むフラクシヨンを集め減
圧濃縮し、シロツプ状の8−{N−〔4−(4−グアニ
ジノフエニル)ブタノイル〕グリシル}−1−シアノ−
3,8−ジアザオクタン2塩酸塩を25.74g得た。収率67.7
%。
実施例3 8−{N−〔6−(4−グアニジノフエニ
ル)ヘキサノイル〕グリシル}−1−シアノ−3,8−ジ
アザオクタン2塩酸塩 6−(4−グアニジノフエニル)カプロン酸塩酸塩109m
g(0.38ミリモル)とN−ヒドロキシコハク酸イミド52.
5mg(0.46ミリモル)をジメチルホルムアミド1mlに溶か
し、ジシクロヘキシルカルボジイミド94.9mg(0.46ミリ
モル)のジメチルホルムアミド1mlの溶液を氷冷下滴下
し、滴下後室温で8時間かくはんした。これを8−(N
−グリシル)−1−シアノ−3,8−ジアザオクタン2塩
酸塩124.7mg(0.46ミリモル)のジメチルホルムアミド1
mlの溶液にトリエチルアミン0.142ml(1.01ミリモル)
を加えた溶液に滴下し、室温で一夜かくはんした。析出
するジシクロヘキシル尿素を去し、液に水20mlを加
え1N−HClで中和後、水を加え300mlに希釈し、CM−セフ
アデツクスC−25(Na型)25mlのカラムにかけ水洗(25
0ml)後、水250mlと0.5M NaCl 250mlによるグラジエン
ト溶出した。目的物を含むフラクシヨンを集め減圧で乾
固し、残留固体をメタノール抽出した。メタノール抽出
液からメタノールを留去し、その残留体を0.5M NaClに
溶かし、0.5M NaClで調整したダイヤイオンSP207(三菱
化成工業社製)25mlのカラムにかけ0.5M NaC150mlで
洗浄後、水300ml、メタノール200mlで溶出した。目的物
を含むフラクシヨンを集め、減圧濃縮し、シロツプ状の
8−{N−〔6−(4−グアニジノフエニル)ヘキサノ
イル〕グリシル}−1−シアノ−3,8−ジアザオクタン
2塩酸塩を69.4mg得た。収率36.3%。
実施例4 8−{N−〔4−(4−グアニジノフエニ
ル)ブタノイル〕−L−セリル}−1−シアノ−3,8−
ジアザオクタン2塩酸塩 4−(4−グアニジノフエニル)酪酸塩酸塩107.5g(41
7ミリモル)とN−ヒドロキシコハク酸イミド57.5g(50
0ミリモル)をジメチルホルムアミド500mlに溶かし、ジ
シクロヘキシルカルボジイミド103.2g(500ミリモル)
のジメチルホルムアミド500mlの溶液を氷冷下滴下し、
滴下後室温で5時間かくはんした。析出するジシクロヘ
キシル尿素を去し液を8−(N−L−セリル)−1
−シアノ−3,8−ジアザオクタン2塩酸塩150.6g(500ミ
リモル)のジメチルホルムアミド400mlの溶液にトリエ
チルアミン140.5ml(1モル)を加えた溶液に滴下し、
室温で一夜かくはんした。溶媒を留去して得た残留固体
を水5lに溶かしCM−セフアデツクスC−25(Na型)3lの
カラムにかけ水洗(5l)後0.2〜0.3M NaClで溶出した。
目的物を含むフラクシヨンを集め減圧乾固し、残留固体
にメタノールを加えて不溶のNaClを去した。この操作
を2回繰返し、得られた液をセフアデツクスLH−20の
12lのカラムにかけ、メタノールで溶出した。目的物を
含むフラクシヨンを集め、減圧濃縮し、シロツプ状の8
−{N−〔4−(4−グアニジノフエニル)ブタノイ
ル〕−L−セリル}−1−シアノ−3,8−ジアザオクタ
ン2塩酸塩を185.4g得た。収率88.2%。
実施例5 8−{N−〔6−(4−グアニジノフエニ
ル)ヘキサノイル〕−L−セリル}−1−シアノ−3,8
−ジアザオクタン2塩酸塩 6−(4−グアニジノフエニル)カプロン酸塩酸塩114m
g(0.40ミリモル)とN−ヒドロキシコハク酸イミド55.
2mg(0.48ミリモル)をジメチルホルムアミド1mlに溶か
し、ジシクロヘキシルカルボジイミド123.8mg(0.60ミ
リモル)のジメチルホルムアミド1mlの溶液を氷冷下滴
下し、室温で7時間かくはんした。これを8−(N−L
−セリル)−1−シアノ−3,8−ジアザオクタン182.6mg
(0.80ミリモル)のジメチルホルムアミド1mlの溶液に
滴下し、室温で2時間かくはんした。析出するジシクロ
ヘキシル尿素を去し、液に水20mlを加え1N−HClで
中和後水で300mlに希釈しCM−セフアデツクスC−25(N
a型)25mlのカラムにかけ水洗(250ml)後、水250mlと
0.5M NaCl 250mlでグラジエント溶出した。目的物を含
むフラクシヨンを集め、減圧で乾固し、残留固体をメタ
ノール抽出した。メタノール抽出液からメタノールを留
去し、その残留固体を0.5M NaClに溶かし、0.5M NaClで
調整したダイヤイオンSP207の25mlのカラムにかけ0.5M
NaCl 150mlで洗浄後、水150ml、メタノール150mlで溶出
した。目的物を含むフラクシヨンを集め、減圧濃縮し、
シロツプ状の8−{N−〔6−(4−グアニジノフエニ
ル)ヘキサノイル〕−L−セリル}−1−シアノ−3,8
−ジアザオクタン2塩酸塩を106.6mg得た。収率51.5
%。
実施例6 8−{N−〔4−(4−グアニジノフエニ
ル)ブタノイル〕−α−メトキシグリシル}−1−シア
ノ−3,8−ジアザオクタン2塩酸塩 4−(4−グアニジノフエニル)ブタノイル−α−メト
キシグリシン塩酸塩11.03g(32.0ミリモル)とN−ヒド
ロキシコハク酸イミド5.50g(48.0ミリモル)をジメチ
ルホルムアミド50mlに溶かし、ジシクロヘキシルカルボ
ジイミド10.09g(48ミリモル)のジメチルホルムアミド
50mlの溶液を滴下し、室温で一夜かくはんする。析出し
たジシクロヘキシル尿素を去し、液をN−2−シア
ノエチルブタン−1,4−ジアミン6.80g(48.0ミリモル)
のジメチルホルムアミド50mlの溶液中に滴下し、室温で
一夜かくはんする。溶媒を減圧濃縮して得られる残留固
体を水500mlに溶かし、CM−セフアデツクスC−25(Na
型)500mlのカラムにかけ、水洗(2l)後水1.5lと1M Na
Cl 1.5lによるグラジエント溶出を行つた。目的物を含
むフラクシヨンを集め、減圧濃縮し、残留固体をメタノ
ールで抽出する。メタノール抽出液のメタノールを留去
し残留固体を水20mlに溶かし、ダイヤイオンSP207の500
mlのカラムにかける。水洗(1.5l)後、水−メタノール
(9:1)で溶出し、目的物を含むフラクシヨンを集め、
減圧濃縮してシロツプ状の8−{N−〔4−(4−グア
ニジノフエニル)ブタノイル〕−α−メトキシグリシ
ル}−1−シアノ−3,8−ジアザオクタン2塩酸塩を8.3
9g得た。収率52.0% 参考例1 8−{N−〔4−(4−グアニジノフエニ
ル)ブタノイル〕グリシル}−1−シアノ−3,8−ジア
ザオクタン2塩酸塩の還元 8−{N−〔4−(4−グアニジノフエニル)ブタノイ
ル〕グリシル}−1−シアノ−3,8−ジアザオクタン2
塩酸塩21.71g(45.8ミリモル)をメタノール70mlに溶か
し、この中にアンモニアガスを飽和させたのち、ラネー
ニツケル30gを加え、45℃で水素気流中(15kg/cm2)6
時間かくはんした。触媒を去し溶媒を留去して得た残
留固体を水500mlに溶かし、2N−NClで中和し、水で1
に希釈し、CM−セフアデツクスC−25(Na型)300mlの
カラムにかけ、水洗(1)後0.2〜0.3M NaClで溶出し
た。目的物を含むフラクシヨンを集め、減圧乾固し、残
留固体にメタノールを加えて不溶のNaClを去した。こ
の操作を2回繰返して得られた液をセフアデツクスLH
−20の1のカラムにかけ、メタノールで溶出した。目
的物を含むフラクシヨンを集め、減圧濃縮で得た残留固
体(13.55g)をメタノール−エタノール(1:4)より結
晶化し、10−{N−〔4−(4−グアニジノフエニル)
ブタノイル〕グリシル}−1,5,10−トリアザデカン3塩
酸塩を10.81g得た。
収率45.8%。mp158〜160℃ NMR(CH3OH-d4):δ=1.4〜2.5(CH2×5),2.66 (CH2),2.9〜3.4(NCH2×4),3.78(CH2), 7.0〜7.4(CH×4) IR(KBr):ν(cm-1)=3310,2950,1660, 1580,1550,1515,1460,1410, 1255,1160,1110,1030,830 参考例2 8−{N−〔6−(4−グアニジノフエニ
ル)ヘキサノイル〕グリシル}−1−シアノ−3,8−ジ
アザオクタン2塩酸塩の還元 8−{N−〔6−(4−グアニジノフエニル)ヘキサノ
イル〕グリシル}−1−シアノ−3,8−ジアザオクタン
2塩酸塩69.4mg(0.138ミリモル)と塩化コバルト(CoC
l2・6H2O)49.3mg(0.207ミリモル)をメタノール3mlに
溶かし、水素化ホウ素ナトリウム104.4mg(2.76ミリモ
ル)を氷冷下徐々に加えた。室温で1時間かくはんした
後水10mlを加え、2N−NClで溶液を酸性にして黒色析出
物を溶解した。その後2N−NaOHでpHを7.0に調整し、溶
媒を留去し、得た残留固体をメタノールで抽出した。メ
タノール抽出液からメタノールを留去し、残留固体を水
300mlに溶かし、CM−セフアデツクスC−25(Na型)25m
lのカラムにかけ、水洗(300ml)後水250mlと1M NaCl
250mlのグラジエント溶出を行つた。目的物を含むフラ
クシヨンを集め、減圧乾固し、メタノールを加え、不溶
のNaClを去した。この操作を2回繰返し、液をセフ
アデツクスLH−20の150mlのカラムにかけ、メタノール
で溶出した。目的物を含むフラクシヨンを集め、減圧濃
縮して得た残留固体32.1mgをメタノールより結晶化し、
10−{N−〔6−(4−グアニジノフエニル)ヘキサノ
イル〕グリシル}−1,5,10−トリアザデカン3塩酸塩を
28.4mg得た。
収率37.8%。mp148〜151℃ NMR(CH3OH-d4):δ=1.3〜2.0(CH2×5),2.0〜2.4
(CH2×2),2.62(CH2),2.9〜3.3(NCH2×4),3.79
(CH2),7.0〜7.4(CH×4) IR(KBr):ν(cm-1)=3430,2950,2870, 1680,1660,1580,1560,1520,1470, 1420,1260 参考例3 8−{N−〔4−(4−グアニジノフエニ
ル)ブタノイル〕−L−セリル}−1−シアノ−3,8−
ジアザオクタン2塩酸塩の還元 8−{N−〔4−(4−グアニジノフエニル)ブタノイ
ル〕−L−セリル}−1−シアノ−3,8−ジアザオクタ
ン2塩酸塩185.4g(368ミリモル)をメタノール400mlに
溶かし、アンモニアガスを飽和する。この中にラネーニ
ツケル70gを加え、水素気流中(12kg/cm2)40℃で一夜
かくはんした。触媒を去し、液の溶媒を留去したの
ち、得られた残留固体を水500mlに溶かし、2N−NClでpH
を7.0に調整したのち、水で5lに希釈し、CM−セフアデ
ツクスC−25(Na型)2.5lのカラムにかけた。水洗(5
l)後0.3〜0.4M NaClで溶出した。目的物を含むフラク
シヨンを集め(35l)水で約4倍に希釈し、CM−セフア
デツクスC−25(Na型)1.5lのカラムにかけ、0.8M NaC
lで溶出した。目的物を含むフラクシヨンを集め(5l)
減圧乾固し、得られた残留固体にメタノールを加え、不
溶のNaClを去した。この操作を2回繰返し液をセフ
アデツクスLH−20の12lのカラムにかけ、メタノールで
溶出した。目的物を含むフラクシヨンを集め、減圧濃縮
し、得られた残留固体をメタノール−エタノール(1:
4)より結晶化して、10−{N−〔4−(4−グアニジ
ノフエニル)ブタノイル〕−L−セリル}1,5,10−トリ
アザデカン3塩酸塩を115.44g得た。収率57.6%。mp145
〜146℃、▲〔α〕25 D▼−13.3°(C=1、H2O) NMR(CH3OH-d4):δ=1.4〜2.5(CH2×5),2.67(C
H2),2.9〜3.4(NCH2×4),3.75(CH2),4.33(CH),
7.0〜7.5(CH×4) IR(KBr):ν(cm-1)=3380,2925, 1630,1570,1500,1450,1390,1250, 1150,1060 参考例4 8−{N−〔6−(4−グアニジノフエニ
ル)ヘキサノイル〕−L−セリル}−1−シアノ−3,8
−ジアザオクタン2塩酸塩の還元 8−{N−〔6−(4−グアニジノフエニル)ヘキサノ
イル〕−L−セリル}−1−シアノ−3,8−ジアザオク
タン2塩酸塩106.6mg(0.206ミリモル)と塩化コバルト
(CoCl2・6H2O)73.5mg(0.309ミリモル)をメタノール
3mlに溶かし、水素化ホウ素ナトリウム155.9mg(4.12ミ
リモル)を氷冷下、徐々に加えた。室温で1時間かくは
んしたのち水10mlを加え、2N−HClで溶液を酸性にし、
黒色析出物を溶解した。その後2N−NaOHでpHを7.0に調
整し、溶媒を留去し、得られた残留固体をメタノールで
抽出した。メタノール抽出液からメタノールを留去し、
残留固体を水300mlに溶かし、CM−セフアデツクスC−2
5(Na型)25mlのカラムにかけ、水洗(300ml)後、水30
0mlと1M NaCl 300mlによるグラジエント溶出を行つた。
目的物を含むフラクシヨンを集め、減圧乾固し、メタノ
ールを加え不溶のNaClを去した。この操作を2回繰返
し、液をセフアデツクスLH−20の150mlのカラムにか
け、メタノール溶出した。目的物を含むフラクシヨンを
集め、減圧濃縮して得た残留固体42.8mgをエタノールよ
り結晶化し、10−{N−〔6−(4−グアニジノフエニ
ル)ヘキサノイル〕−L−セリル}−1,5,10−トリアザ
デカン3塩酸塩40.35mgを得た。収率35.1%。mp156〜16
0℃。
▲〔α〕25 D▼−12.3°(C=1、H2O) NMR(CH3OH-d4):δ=1.3〜2.0(CH2×5),2.0〜2.5
(CH2×2)),2.70(CH2),2.9〜3.4(NCH2×4),3.7
8(CH2),4.36(CH),7.1〜7.4(CH×4) IR(KBr):ν(cm-1)=3460,2960, 2895,2710,1690,1670,1593,1570, 1540,1470,1270,1090 参考例5 8−{N−〔4−(4−グアニジノフエニ
ル)ブタノイル〕−α−メトキシグリシル}−1−シア
ノ−3,8−ジアザオクタン2塩酸塩の還元 8−{N−〔4−(4−グアニジノフエニル)ブタノイ
ル〕−α−メトキシグリシル}−1−シアノ−3,8−ジ
アザオクタン2塩酸塩508mgをメタノール20mlに溶か
し、アンモニアガスを飽和させたのちラネーニツケル20
0mgを加え、室温で水素気流中(9kg/cm2)一夜接触還元
する。触媒を去し、溶媒を留去し、残留固体に水10ml
を加え、2N−NClでpH7.0に調整し、CM−セフアデツクス
C−25(Na型)100mlのカラムにかけ、水洗(100ml)
後、水300mlと1M NaCl300mlによるグラジエント溶出を
行つた。目的物を含むフラクシヨンを集め減圧濃縮し、
残留固体にメタノールを加え、不溶のNaClを去する。
この操作を2回繰返し、液をセフアデツクスLH−20の
200mlのカラムにかけ、メタノール溶出した。目的物を
含むフラクシヨンを集め、減圧濃縮して10−{N−〔4
−(4−グアニジノフエニル)ブタノイル〕−α−メト
キシグリシル}−1,5,10−トリアザデカン3塩酸塩を34
2mg得た。収率62.1% NMR(CH3OH-d4):δ=1.5〜2.2(CH2×3),2.30(C
H2),2.73(CH2),2.9〜3.5(NCH2×3,CH2),3.35(OCH
3),5.29(CH),7.20(CH×2),7.30(CH×2) IR(KBr):ν(cm-1)=3400,2950,2860, 2840,2275,1670,1610,1580,1540, 1520,1470,1460,1260,1200,1150, 1100,1020,570 参考例6 8−(N−グリシル)−1−シアノ−3,8−
ジアザオクタン1塩酸塩の合成 カルボベンゾキシグリシン231.1g(1.1モル)とN−ヒ
ドロキシコハク酸イミド139.3g(1.21モル)をジオキサ
ン700mlに溶かし、氷冷下ジシクロヘキシルカルボジイ
ミド249.7(1.21モル)のジオキサン400ml溶液を滴下し
た。滴下後室温で一夜かくはんし、析出しているジシク
ロヘキシル尿素を去し、液の溶媒を留去し、残留固
体を酢酸エチル500mlに溶かす。これをN−2−シアノ
エチルブタン1,4−ジアミン233.0g(1.65モル)の酢酸
エチル1の溶液に滴下し、室温で一夜かくはんした。
反応液にNaHCO3の飽和水溶液2lを加え、酢酸エチル(1
)で3回抽出した。酢酸エチル層を合せ、飽和食塩水
で2回洗浄後、無水Na2SO4で乾燥した。溶媒を留去して
得た残留固体(266.6g)をエタノール500mlに溶かし、
濃HClを酸性になるまで加えた。析出した結晶を取
し、8−(カルボベンゾキシグリシル)−1−シアノ−
3,8−ジアザオクタン塩酸塩を195.9g得た。収率48.3
%。mp151〜153℃。上で得た8−(カルボベンゾキシグ
リシル)−1−シアノ−3,8−ジアザオクタン塩酸塩22.
8g(68.6ミリモル)をメタノール275mlに溶かし、10%
パラジウム−炭素1.5gを加え、水素気流中2日間かくは
んした。触媒を去し、液を減圧濃縮してシロツプ状
の8−(N−グリシル)−1−シアノ−3,8−ジアザオ
クタン1塩酸塩を12.8得た。精製することなく次の反応
の原料として使用できる。
参考例7 8−(N−L−セリル)−1−シアノ−3,8
−ジアザオクタン塩酸塩の合成 カルボベンゾキシ−L−セリン598g(2.5モル)とN−
ヒドロキシコハク酸イミド317g(2.75モル)をジオキサ
ン2.5lに溶かし、氷冷下、ジシクロヘキシルカルボジイ
ミド576g(2.75モル)のジオキサン(2l)溶液を滴下し
た。滴下後、室温で一夜かくはんし、析出しているジシ
クロヘキシル尿素を去し、液をN−2−シアノエチ
ルブタン−1,4−ジアミン530g(3.75モル)のジオキサ
ン1溶液に滴下し、室温で一夜かくはんした。反応液
に水1.5lを加え、減圧濃縮して得た残留固体にNaHCO3
飽和水溶液2.5lを加え、酢酸エチル(1.5l)で6回抽出
した。酢酸エチル層を合せ、飽和食塩水で2回洗浄後、
無水Na2SO4で乾燥した。溶媒を留去して得た残留固体
(約700g)をエタノール2.5lに溶かし、塩化水素ガス飽
和のエタノールを酸性になるまで加えた。析出した結晶
を取し、8−(カルボベンゾキシ−L−セリル)−1
−シアノ−3,8−ジアザオクタン塩酸塩を639g得た。収
率69.5%。mp151〜153℃。
〔α〕D−4.6°(C=1、CH3OH) 上で得た8−(カルボベンゾキシ−L−セリル)−1−
シアノ−3,8−ジアザオクタン塩酸塩350g(0.88モル)
をメタノール4lに溶かし、10%パラジウム−炭素8.75g
を加え、水素気流中2日間かくはんした。触媒を去
し、液を減圧濃縮し、シロツプ状の8−(N−L−セ
リル)−1−シアノ−3,8−ジアザオクタン塩酸塩を233
g得た。精製することなく次の反応の原料として使用で
きる。
参考例8 〔4−(4−グアニジノフエニル)ブタノイ
ル〕グリシン塩酸塩の合成 4−(4−グアニジノフエニル)酪酸塩酸塩35.0g(13.
6ミリモル)とN−ヒドロキシコハク酸イミド18.8g(16
3ミリモル)をジメチルホルムアミド150mlに溶かし、ジ
シクロヘキシルカルボジイミド33.6g(163ミリモル)の
ジメチルホルムアミド100mlの溶液を氷冷下滴下した。
滴加後、室温で5時間かくはんし、析出するジシクロヘ
キシル尿素を去し、液をグリシンエチルエステル塩
酸塩22.8g(163ミリモル)、トリエチルアミン24.8mlの
ジメチルホルムアミド200mlの溶液に滴下し、室温で一
夜かくはんした。溶媒を留去して得た残留固体を、水50
0mlに溶かし、ダイヤイオンHP−20の2.5lのカラムにか
け、水洗後25%メタノール水で溶出した。目的物を含む
フラクシヨンを集め、減圧濃縮し、シロツプ状の〔4−
(4−グアニジノフエニル)ブタノイル〕グリシンエチ
ルエステル塩酸塩を38.0g得た。収率81.5%。
〔4−(4−グアニジノフエニル)ブタノイル〕グリシ
ンエチルエステル塩酸塩38.0g(110ミリモル)をメタノ
ール400mlに溶かし、1N−NaOH 133mlを氷冷下加え、室
温で1時間かくはんした。pHを7.0に調整後、減圧でメ
タノールを留去した。析出物を取することにより〔4
−(4−グアニジノフエニル)ブタノイル〕グリシンを
22.8g得た。収率74%。mp257℃(分解)。
〔4−(4−グアニジノフエニル)ブタノイル〕グリシ
ン22.3g(80ミリモル)を1N−塩酸80mlに溶かし、減圧
乾固し〔4−(4−グアニジノフエニル)ブタノイル〕
グリシン塩酸塩を25.2g得た。
参考例9 N−〔4−(4−グアニジノフエニル)ブタ
ノイル〕−α−メトキシグリシン塩酸塩の合成 4−(4−グアニジノフエニル)酪酸51.6g(0.2モル)
をメタノール300mlに溶かし、ダウエツクス50W×4(H
型)(ダウケミカルカンパニー社製)2gを加え、5時間
煮沸した。反応液に活性炭を加え、30分間かくはんした
のち、ダウエツクス50W×4と活性炭を去し、液を
減圧濃縮して、4−(4−グアニジノフエニル)酪酸メ
チルエステル塩酸塩を50.69g(0.187モル)得た。収率9
3.3%。
上記で得た4−(4−グアニジノフエニル)酪酸メチル
エステル塩酸塩50.69gを28%アンモニア水500mlに溶か
し、室温で一夜かくはんした。反応液を減圧濃縮し残留
固体を水200mlに溶かし、CM−セフアデツクスC−25(N
a型)1のカラムにかけ、水洗(5l)後0.5M NaClで溶
出した。目的物を含むフラクシヨンを減圧濃縮し、残留
固体を水100mlに溶かし、ダイヤイオンSP207の1のカ
ラムにかけ、水洗(1.2l)後、水−メタノール(9:1)
で溶出した。目的物を含むフラクシヨンを減圧濃縮して
4−(4−グアニジノフエニル)ブタンアミド塩酸塩を
41.94g(0.154モル)得た。収率77.2%。
上記で得た4−(4−グアニジノフエニル)ブタンアミ
ド25.7g(0.1モル)をジメチルホルムアミド257mlに溶
かし、グリオキシル酸10.1g(0.11モル)とアセトン257
mlを加え、90℃油浴中で2.5時間還流した。溶媒を留去
して得た残留固体を水200mlに溶かし、CM−セフアデツ
クスC−25(Na型)1250mlのカラムにかけ、水で溶出し
た。目的物を含むフラクシヨンを集め、減圧濃縮しN−
〔4−(4−グアニジノフエニル)ブタノイル〕−α−
ヒドロキシグリシンを22.55g(0.0766モル)得た。収率
76.6%。
N−〔4−(4−グアニジノフエニル)ブタノイル〕−
α−ヒドロキシグリシン22.0g(0.748モル)を無水メタ
ノール580mlに溶かし、氷冷下濃硫酸10mlを加え、室温
で3時間かくはんした。反応液を水1500ml中に加え、2N
−NaOHでpHを11.0に調整する。2時間後、pHを6.5に調
整し、減圧濃縮して得た残留物をCM−セフアデツクスC
−25(Na型)1250mlのカラムにかけ水で溶出した。目的
物を含むフラクシヨンを集め、減圧濃縮し、N−〔4−
(4−グアニジノフエニル)ブタノイル〕−α−メトキ
シグリシンを19.33g(62.7ミリモル)得た。収率83.8
%。
N−〔4−(4−グアニジノフエニル)ブタノイル〕−
α−メトキシグリシン19.33g(62.7ミリモル)を1N−HC
l62.7mlに溶かし、減圧濃縮して、N−〔4−(4−グ
アニジノフエニル)ブタノイル〕−α−メトキシグリシ
ン塩酸塩を19.84g得た。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、従来の合成法に
おいて必要とされたスペルミジンの選択アミノ保護体の
合成及び脱保護の工程を必要とせず、極めて安価な原料
であるN−2−シアノエチルブタン−1,4−ジアミンか
ら短い工程でフエニレン基を有するスパガリン関連化合
物を合成することができる。
したがつて、本発明はフエニレン基を有するスパガリン
関連化合物の経済的に有利な製造方法を提供するもので
ある。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式I: (式中、Rは水素原子、ヒドロキシ低級アルキル基又は
    低級アルコキシ基を示し、nは3〜5の整数を示す)で
    表わされるフエニレン基を有するスパガリン関連ニトリ
    ル化合物及びそれらの塩。
  2. 【請求項2】下記一般式II: (式中、Rは水素原子、ヒドロキシ低級アルキル基又は
    低級アルコキシ基を示し、nは3〜5の整数を示す)で
    表わされる化合物又はその反応性誘導体と、下記式III: H2N(CH2)4NH(CH2)2CN …〔III〕 で表わされるN−2−シアノエチルブタン−1,4−ジア
    ミンとを縮合させることを特徴とする下記一般式I: (式中、R及びnは上記式IIと同義である)で表わされ
    るフエニレン基を有するスパガリン関連ニトリル化合物
    又はその塩の製造法。
  3. 【請求項3】下記一般式IV: (式中、nは3〜5の整数を示す)で表わされる化合物
    又はその反応性誘導体と、下記一般式V: (式中、R1は水素原子又はヒドロキシ低級アルキル基を
    示す)で表わされる化合物とを縮合させることを特徴と
    する下記一般式Ia: (式中、R1及びnは前記と同義である)で表わされるフ
    エニレン基を有するスパガリン関連ニトリル化合物又は
    その塩の製造法。
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