JPH075521B2 - アルキレンアミン類の製造法 - Google Patents

アルキレンアミン類の製造法

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JPH075521B2
JPH075521B2 JP62142284A JP14228487A JPH075521B2 JP H075521 B2 JPH075521 B2 JP H075521B2 JP 62142284 A JP62142284 A JP 62142284A JP 14228487 A JP14228487 A JP 14228487A JP H075521 B2 JPH075521 B2 JP H075521B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はアルキレンアミン類の製造方法、特にタンタル
含有物質を触媒に用いたアルキレンアミン類の製造法に
関する。
(従来の技術) アルキレンアミン類、特に工業的に重要なエチレンアミ
ン類の製造法として、二塩化エチレンをアンモニアと反
応させる方法がある。この製造法によると、ピペラジン
及びピペラジン環含有の環状エチレンアミン類の生成量
が少ない、即ち非環状率が高くて工業的に好ましい品質
のエチレンアミン類が得られる。この製造法は広く実施
されているが、副生成物として多量の食塩が生じ、分離
及び処理に費用がかかるという問題点を有する。
又、モノエタノールアミンを原料とし、水素と水素添加
触媒の存在下で、アンモニアエチレンジアミンを効率よ
く製造することは可能であるが、ピペラジン環含有の品
質的に好ましくない環状エチレンアミン類が多く生成す
るために、高分子量のポリエチレンポリアミンを製造す
ることが困難である。
これらの方法に加えて、モノエタノールアミンを原料と
し、リン含有物質を触媒として用い、アンモニア又は/
及びエチレンアミンを反応させてエチレンアミン類を製
造する方法が提案されている。例えば特開昭51−147600
号公報には触媒として、リン酸,亜リン酸を使用する方
法が記載されているが、これらの触媒は水を含む反応液
中に溶解するため、反応液からの特別な分離,回収操作
が必要となる。そこで、水を含む反応液に不溶な種々の
リン酸塩,担持リン酸を触媒として用いるエチレンアミ
ン類の製造法が提案されている。米国特許4448997号明
細書にはリン酸アルミを、特開昭60−41641号公報に
は、リン酸ランタン等のIIIb族金属のリン酸塩を触媒と
して用いるエチレンアミン類の製造法が開示されてお
り、更に特開昭59−150538号公報には、二酸化チタン等
に担持したリン酸を触媒として用いる方法が開示されて
いる。しかし、これらのリン酸塩,担持リン酸は遊離の
リン酸に比べ極めて活性が低く、工業的に満足できる触
媒でない。ところで、活性の高いリン系触媒としてリン
含有イオン交換樹脂があるが、この触媒は耐熱性が悪
く、触媒寿命に問題がある。
非リン系の触媒としては、シリカ−アルミナが特開昭55
−38329号公報に記載されているが、これは著しく活性
が低い。
(発明が解決しようとする問題点) 上述の様に、アルキレンアミン類の製造法に関しては、
多くの方法が開示されているが、これらの方法は、工業
的見地かからは未だ不十分なものである。特にアルカノ
ールアミン類を原料とするアルキレンアミン類を製造す
る方法において、高活性,高耐熱性を有し、反応液に難
溶の固体触媒を用いる、非環状率の高い、高品質のアル
キレンアミン類の製造法の開発が切望されている。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らはこの現状に鑑み、アンモニア又は/及びア
ルキレンアミン類とアルカノールアミン類との反応によ
る、原料のアンモニア又は/及びアルキレンアミン類よ
りアルキレン類の増加したアルキレンアミン類の製造法
を鋭意検討した結果、該反応において、タンタル含有物
質、特に五酸化タンタル及びタンタル酸塩が触媒として
高活性であり、水を含む反応液に難溶な固体であるとい
う新規な事実を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、タンタル含有物質を触媒とし、アン
モニア又は/及びアルキレンアミン類をアルカノールア
ミン類と反応させることを特徴とする原料のアンモニア
又は/及びアルキレンアミン類よりアルキレン鎖の増加
したアルキレンアミン類の製造法を提供するものであ
る。
以下に、本発明を更に詳しく説明する。
本発明の方法において使用される触媒は、タンタル含有
物質である。タンタル含有物質とは、タンタルと他の元
素とが科学的に結合している物質であり、タンタルを含
有する物質であれば、特に制限はない。具体的には、五
酸化タンタル,四酸化タンタル,三酸化タンタル,二酸
化タンタル,一酸化タンタル等のタンタル酸化物類,タ
ンタル酸リチウム,タンタル酸ナトリウム,タンタル酸
マグネシウム,タンタル酸アルミニウム,タンタル酸カ
リウム,タンタル酸カルシウム,タンタル酸マンガン,
タンタル酸鉄,タンタル酸ルビジウム,タンタル酸イッ
トリウム,タンタル酸銀,タンタル酸セシウム,タンタ
ル酸バリウム,タンタル酸水銀等のタンタル酸塩類、フ
ルオロタンタル酸ナトリウム,フルオロタンタル酸カリ
ウム等のフルオロタンタル酸塩類、五沸化タンタル,三
沸化タンタ等のタンタル沸化物類、五塩化タンタル,四
塩化タンタル,三塩化タンタル等のタンタル塩化物類、
五臭化タンタル,四臭化タンタル,三臭化タンタル等の
タンタル臭化物類、五沃化タンタル,四沃化タンタル,
三沃化タンタル等のタンタル沃化物類、オキシ沸化タン
タル,オキシ塩化タンタル,オキシ臭化タンタル,オキ
シ沃化タンタル等のオキシハロゲン化物類、タンタルメ
トキシド,タンタルエトキシド,タンタルプロポキシ
ド,タンタルイソプロポキシド,タンタルブトキシド,
タンタルペントキシド,タンタルフェノキシド等のタン
タルアルコキシド類、シュウ酸タンタル等のタンタルの
有機酸塩類等を挙げることができる。本発明の方法にお
ける触媒としては、五価のタンタルと他の元素とが化学
的に結合している物質が好ましく、タンタル酸化物類、
又はタンタル酸塩類が更に好ましい。
本発明の方法においては、五価のタンタル酸化物の形態
に特に制限はなく、含水物を用いても無水物を用いて
も、一向に差支えない。含水状態の五酸化タンタルはタ
ンタル酸とも呼ばれ、一般にTa2O5・xH2O(0<x≦
5)と表される。x=5の場合には水酸化タンタルとも
呼ばれる。五価のタンタル酸塩類には、オルトタンタル
酸塩類,メタタンタル酸塩類が有り、いずれを触媒とし
て用いても一向に差支えないが、より難溶なオルトタン
タル酸塩類を用いる方が好ましい。本発明の方法におい
ては、五価のタンタル酸化物類あるいは五価のタンタル
酸塩類は、単品あるいはこれらの混合物として用いても
良い。
本発明の方法においてはタンタル含有物質物質の調整法
は特に限定されない。五酸化タンタルの場合を例示する
と1)タンタル酸塩類.フルオロタンタル酸塩類,タン
タルハロゲン化物類,タンタルアルコキシド類を加水分
解する方法、2)タンタルアルコキシド類又は、タンタ
ルの有機酸塩類を熱分解する方法等の合成法や、3)天
然産の鉱石を、沸酸で溶解後抽出する方法等種々の方法
があるが、どの方法を用いても一向に差支えない。
本発明の方法においては、五価タンタル酸化物類又は五
価のタンタル酸塩類は、これら単独で触媒として用いら
れても、あるいは五酸化タンタルと他の元素の酸化物と
の複合酸化物触媒として用いられても良い。複合酸化物
触媒には、例えばシリカ,アルミナ,チタニア,ジルコ
ニア等と五酸化タンタルとの複合酸化物等がある。
本発明の方法においては、触媒の形状に制限はなく、反
応形式に応じて粉末のまま、あるいは成型して用いられ
る。例えば懸濁床では粉末,顆粒状で用いられ、固定床
ではペレット状,ビーズ状に成型して用いられる。
触媒の成型方法としては、例えば押出し成型法,打錠成
型法あるいは顆粒成型法等があり、成型する際にはシリ
カ,アルミナ,シリカ−アルミナ,粘度等を粘結剤とし
て加えても良い。
又、触媒の表面積を大きくするため、タンタル含有物質
をシリカゲル,アルミナ,チタニア,ジルコニア,多孔
質バイコールガラス等の担体に担持しても良い。
触媒と焼成して用いても、焼成せずに用いても良い。焼
成をする場合、焼成温度には特に制限はないが、五酸化
タンタルの場合、焼成温度は500℃以下が好ましい。五
酸化タンタルは、500℃を超える温度で焼成すると結晶
化し、触媒活性が低下する。
本発明の方法においてタンタル含有物質の触媒使用量
は、反応を工業的に有意な反応速度で進行せしめるのに
必要な量であれば良い。反応形式が懸濁床か固定床かに
より、使用される量は大きく変動するため限定すること
は困難であるが、例えば懸濁床では原料の総重量に対し
0.05〜50重量%の触媒が通常使用される。0.05重量%未
満では、十分な反応速度が得られず、50重量%を超える
と触媒を増やした効果は小さい。
本発明の方法において使用される原料はアンモニア,ア
ルキレンアミン類,アルカノールアミン類である。
本発明の方法において使用されるアンモニア又はアルキ
レンアミン類とは式(I) {X1は2〜6、Y1は0〜4、R1は水素又は炭素数1〜3
のアルキル基、R′1は式(1) (X′は1〜6、X″は、0,1、Y′は0〜4)
で表される基}で表される化合物、又は式(II) {X2,X′は2〜6、R2,R′は式(2)、 (X″は2〜6、Y″は0〜3)で表される基}で
表される化合物である。
式(I)、又は式(II)で表されるどちらの化合物を用
いても良いが、好ましくは、式(I)で表されるアンモ
ニア又はアルキレンアミン類が用いられる。式(I)で
表されるアルキレンアミン類を用いると、非環状率の高
い、高品質のアルキレンアミン類が生成する。式(I)
で表されるアンモニア又はアルキレンアミン類とは、具
体的には、アンモニア,ジエチレンジアミン,ジエチレ
ントリアミン,トリエチレンテトラミン,テトラエチレ
ンペンタミン,ペンタエチレンヘキサミン,ヘキサエチ
レンヘプタミン等のエチレンアミン類、プロピレンジア
ミン,ジプロピレントリアミン等のプロピレンアミン
類、ブチレンジアミン,ジブチレントリアミン等のブチ
レンアミン類、ヘキサメチレンジアミン等のアルキレン
アミン類及びこれらのアルキル化体、即ち、N−メチル
エチレンジアミン,N−エチルエチレンジアミン等であ
る。その中でも、本発明の方法において使用される原料
としては、エチレンジアミンやジエチレントリアミン等
のエチレンアミン類が好ましい。
本発明の方法において使用されるアンモニア,アルキレ
ンアミン類は、一種類でも二種類以上を混合したもので
一向に差支えない。
本発明の方法において使用されるアルカノールアミン類
とは、式(III)、 {X3は2〜6、Y3は0〜4、R3は水素又は炭素数1〜3
のアルキル基、R′は式(3) {X′は1〜6、X″は0,1、Y′は0〜4)で
表わされる基}で表わされる化合物、又は、式(IV)、 {X,X′,X″は2〜6、Rは式(4)、 (X″は2〜6、Yは0〜3)で表わされる基}で
表わされる化合物である。
式(III)又は、式(IV)で表わされるどちらの化合物
を用いても良いが、好ましくは、式(III)で表わされ
るアルカノールアミン類が用いられる。式(III)で表
わされるアルカノールアミン類を用いると、非環状率の
高い、高品質のアルキレンアミン類が生成する。式(II
I)で表わされるアルカノールアミン類とは、具体的に
は、モノエタノールアミン,N−(2−アミノエチル)エ
タノールアミン,モノプロパノールアミン,N−(3−ア
ミノプロピル)プロパノールアミン等のアルカノールア
ミン類である。
本発明の方法において使用される原料としては、モノエ
タノールアミン,N−(2−アミノエチル)エタノールア
ミンのようなエタノールアミン類が好ましい。
本発明の方法において使用されるアルカノールアミン類
は、一種類でも二種類以上を混合したものでも一向に差
支えない。
本発明の方法において反応に供給される原料の組合わせ
には、1)アンモニアとアルカノールアミン類、2)ア
ルキレンアミン類とアルカノールアミン類、3)アンモ
ニア,アルキレンアミン類とアルカノールアミン類の三
つの場合があり、いずれの組合わせで反応を実施しても
よい。好ましくは原料の組合わせは、1)アンモニアと
式(III)で表わされるアルカリールアミン類、2)ア
ンモニア以外の、式(I)で表わされるアルキレンアミ
ン類と式(III)で表わされるアルカノールアミン類、
3)式(I)で表わされるアンモニア又はアルキレンア
ミン類と式(III)で表わされるアルカノールアミン類
である。更に好ましい原料の組合わせは、1)アンモニ
アとエタノールアミン類、2)エチレンアミン類とエタ
ノールアミン類、3)アンモニア,エチレンアミン類と
エタノールアミン類である。
本発明の方法において供給される原料の好ましいモル比
は、1)アンモニアとアルカノールアミン類とを原料と
して用いる場合、アンモニア/アルカノールアミン類の
モル比が2〜30であり、2)アルキレンアミン類とアル
カノールアミン類とを原料として用いる場合、アルキレ
ンアミン類/アルカノールアミン類のモル比が0.5〜10
であり、3)アンモニア,アルキレンアミン類とアルカ
ノールアミン類とを原料として用いる場合、(アンモニ
ア+アルキレンアミン類)/アルカノールアミン類のモ
ル比が0.5〜30である。いずれの場合も、原料のモル比
によって、生成するアルキレンアミン類の品質が変動す
る。このモル比が上記範囲より小さいと、ピペラジン環
含有アミン類が多く生成し、好ましくない品質のアルキ
レンアミン類が生成する。このモル比が上記範囲より大
きいと反応速度が低下し、そして圧力が極めて高くなり
実用的ではない。
本発明の方法においては、生成するアルキレンアミン類
は、原料の種類により異なる。アンモニア又は/及びア
ルキレンアミン類にアルカノールアミン類を反応させた
場合、生成するアルキレンアミン類は、原料のアンモニ
ア,アルキレンアミン類よりアルキレン鎖が増加したも
のである。即ち、式(I)で表わされるアンモニア又は
アルキレンアミン類に、式(III)で表わされるアルカ
ノールアミン類を反応させた場合、生成するアルキレン
アミン類は、式(V)、 [X5は2〜6、Y5は1〜5、R5は水素又は炭素数1〜3
のアルキル基、R′は式(5) (X′は1〜6、X″は0,1、Y′は0〜4で表
わされる基]で表わされる化合物であり、式(V)又は
式(5)で表わされる生成するアルキレンアミン類のY5
またはY′は、式(I)、式(1)で表わされる原料
のアンモニア、又はアルキレンアミン類のY1又はY′
よりも、少なくとも1以上増加したものである。具体的
には、アンモニアにモノエタノールアミンを反応させる
と、エチレンジアミンと、ジエチレントリアミン,トリ
エチレンテトラミン,テトラエチレンペンタミン,ペン
タエチレンヘキサミン等の非環状のポリエチレンポリア
ミン類が生成し、エチレンジアミンにモノエタノールア
ミンを反応させると、非環状のポリエチレンポリアミン
類が生成し、アンモニア,エチレンジアミンにモノエタ
ノールアミンを反応させると、非環状のポリエチレンポ
リアミン類が生成する。
本発明の方法においては、反応は通常200〜400℃好まし
くは240〜350℃の温度範囲で実施される。200℃未満の
温度では反応速度が著しく低下し、又400℃を超えると
生成物のアルキレンアミン類の分解が起こり実用的では
ない。
本発明の方法においては、反応は気相で行っても液相で
行っても良いが、高品質のアルキレンアミン類を製造す
るためには液相で行う方が好ましい。
本発明の方法においては、反応は懸濁床による回分,半
回分,連続式でも、また固定床流通式でも実施できる。
工業的には固定床流通式が操作,装置、経済性の面から
有利である。
本発明の方法においては、反応の圧力は、気相反応か液
相反応か、またアンモニアを使用するかしないかにより
大きく変動するため、範囲を限定することは困難である
が、およそ1〜300kg/cm2Gである。
本発明の方法においては、触媒は通常反応液から分離,
回収されるが、その後原料は蒸留によって分離,回収さ
れる。分離,回収された原料は、必要に応じて再び反応
帯域へ循環される。反応生成物組成を変動させるため、
反応生成物の一部を反応帯域へ循環しても良い。原料,
生成物の分離は通常、蒸留によってなされるが、蒸留は
連続式で行ってもバッチ式で行っても一向に差支えな
い。
反応生成物の純度,色調を改善するため、反応生成物を
活性炭,水素化ホウ素ナトリウム等で処理しても良い。
水素存在下で反応を行うことにより反応生成物の色調,
臭気等を改善しても良い。
水酸基含有アミンのような品質上好ましくないアミン類
の生成を減少させるため、あるいは反応速度を上げるた
めに反応帯域が生成水を除去しても良いし、触媒寿命を
伸ばし、そしてアンモニア,アルキレンアミン類の取扱
いを容易にするため水を加えて反応させても良い。
(発明の効果) 本発明は高い触媒活性を持ち、反応液に侵されず、耐熱
性の優れたタンタル含有物質を触媒として用い、好まし
くは品質のアルキレンアミン類を製造する方法であり、
工業的に極めて有意義である。
(実施例) 以下、本発明を具体的に実施例にて説明するが、本発明
はこれらの実施例にのみ特に限定されるものではない。
記述を簡潔にするため、得られた生成物のアルキレンア
ミン類及び原料となるアンモニア,アルキレンアミン類
及びアルカノールアミン類を以下のような記号で略記す
る。
EDA エチレンジアミン MEA モノエタノールアミン PIP ピペラジン AEP N−(2−アミノエチル)ピペラジン HEP N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン DETA ジエチレントリアミン AEEA N−(2−アミノエチル)エタノールアミン TETA トリエチレンテトラミン(直鎖状,分枝状,環状
異性体) TEPA テトラエチレンペンタミン(直鎖状,分枝状,環
状異性体) PEHA ペンタエチレンヘキサミン(直鎖状,分枝状,環
状異性体) NH3 アンモニア 実施例1 15gの五塩化タンタルを150mlのメタノールに加え、過剰
のメタノール及び生成した塩化水素を減圧留去した。残
渣に水300mlを加え、3.5時間環流した。生成したゲル状
の固形物をろ別,水洗し、乾燥空気流通下250℃で3時
間乾燥した。この様にして五酸化タンタル9.4gが得られ
たが、このものはX線回折により分析したところ、無定
形であった。500℃における灼熱原料は2.0重量%であっ
た。この五酸化タンタルを用いてアルキレンアミン類の
生成反応を行った。
200mlのステンレス製電磁攪拌式オートクレーブにEDA;6
0g、MEA;30g及び上記の方法で調製した五酸化タンタル
を9.0g(9.1重量%)添加した。300℃に昇温後、6.5時
間同温度で反応を行った。反応圧力は56kg/cm2Gであっ
た。反応終了後、反応液を冷却して取出し、ガスクロマ
トグラフィーにて分析した。分析の結果、MEA転化率は8
0.5%であり、原料及び生成水を除いた反応液の組成
は、 PIP;8.2重量%、DETA;38.4重量%、AEEA;5.6重量%、AE
P;7.4重量%、HEP;0.5重量%、TETA;21.2重量%、TEPA;
7.1重量%であった。
なお、反応終了後に回収された五酸化タンタルは9.0gで
あった。
実施例2 実施例1の方法で調製した五酸化タンタル触媒を3.0g
(3.2 重量%)用い反応時間を3時間とした以外は実
施例1と同じ条件下で反応を行った。結果を第1表に示
した。
比較例1〜4 触媒として第1表に記載の化合物を使用した以外は、実
施例2と同じ条件下で反応させた。結果を第1表に示し
た。
実施例3〜10 触媒として第2表に記載の各種タンタル含有物質を用
い、反応時間を5時間とした以外は実施例2と同じ条件
で反応させた。結果を第2表に示した。
比較例5 触媒としてシリカ(日揮化学(株)製)を10.0g(10.0
重量%)使用した、以外は実施例2と同じ条件で反応さ
せた。結果を第2表に示した。
実施例11〜14 200mlのステンレス製電磁攪拌式オートクレーブにEDAを
60g,MEAを30g及び実施例1の方法で調製した五酸化タン
タルを3.0g(3.2重量%)充填し、第3表に記載した温
度,時間で反応させた。冷却後、反応液をガスクロマト
グラフィーにて分析した。結果を第3表に示した。
実施例15〜19 200mlのステンレス製電磁攪拌式オートクレーブにEDA,M
EANH3を第4表に記載の量だけ入れ、実施例1の方法で
調製した五酸化タンタルを3.0g添加し280℃で8時間反
応させた。冷却後、反応液をガスクロマトグラフィーに
て分析した。結果を第4表に示した。
実施例20 200mlのステンレス製電磁攪拌式オートクレーブにDETA
を60g,AEEAを30g及び実施例1の方法で調製した五酸化
タンタルを9.0g(9.1重量%)入れ、300℃で2時間反応
させた。冷却後、反応液をガスクロマトグラフィーにて
分析した。その結果、AEEAの転化率は89.3%であり、原
料,水を除いた反応液の組成は、EDA;7.5重量%、MEA;
0.3重量%、PIP;12.0重量%、AEP;5.5重量%、TETA;14.
5重量%、TEPA;25.0重量%、PEHA;8.4重量%であった。
実施例21 200mlのステンレス製電磁攪拌式オートクレーブに1,3−
プロパンジアミンを60g,3−プロパノールアミンを30g及
び実施例1の方法で調製した五酸化タンタルを5.0g(5.
3重量%)入れ、300℃で3時間反応させた。冷却後、反
応液をガスクロマトグラフィーにて分析した。3−プロ
パノールアミンの転化率は、52.1%であった。原料,水
を除いた反応液の組成は、ジプロピレントリアミン;42.
3重量%、N−(3−アミノプロピル)プロパノールア
ミン;35.0重量%、トリプロピレンテトラミン;5.0重量
%であった。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タンタル含有物質の存在下、アンモニア又
    は/及びアルキレンアミン類をアルカノールアミン類と
    反応させることを特徴とする、原料のアンモニア又は/
    及びアルキレンアミン類よりアルキレン鎖の増加したア
    ルキレンアミン類の製造法。
  2. 【請求項2】タンタル含有物質が、五酸化タンタル、タ
    ンタル酸塩である特許請求の範囲第1項記載の製造法。
  3. 【請求項3】アルキレンアミン類が、エチレンアミン類
    である特許請求の範囲第1項記載の製造法。
  4. 【請求項4】アルカノールアミン類が、エタノールアミ
    ン類である特許請求の範囲第1項記載の製造法。
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