JPH075510B2 - ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼの阻害剤 - Google Patents

ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼの阻害剤

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JPH075510B2
JPH075510B2 JP4332956A JP33295692A JPH075510B2 JP H075510 B2 JPH075510 B2 JP H075510B2 JP 4332956 A JP4332956 A JP 4332956A JP 33295692 A JP33295692 A JP 33295692A JP H075510 B2 JPH075510 B2 JP H075510B2
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ras
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farnesyl protein
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C57/00Unsaturated compounds having carboxyl groups bound to acyclic carbon atoms
    • C07C57/02Unsaturated compounds having carboxyl groups bound to acyclic carbon atoms with only carbon-to-carbon double bonds as unsaturation
    • C07C57/13Dicarboxylic acids
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ファルネシルタンパク
質トランスフェラーゼの阻害剤に係る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】Ras
遺伝子は結腸直腸癌、外分泌膵癌及び骨髄性白血病を含
む多数のヒト癌で活性化されることが知られている。R
as作用の生物学的及び生化学的研究によると、Ras
は細胞を形質転換させるためには血漿膜中に局在し、G
調節タンパク質(GTP)と結合しなければならないの
で、RasはGTPと同様に機能することが示されてい
る(Gibbs,J.et al., Microbi
ol.Rev.53:171−286 (198
9))。癌細胞中のRasの形態は、正常細胞中のRa
sとタンパク質として区別されるような突然変異を有す
る。
【0003】少なくとも3個の翻訳後修飾がRas膜局
在に関与し、この3個の修飾はすべてRasのC末端で
行われる。RasC末端は“CAAX”即ち“Cys−
Aaa1−Aaa2−Xaa”ボックスと呼称される配列
モチーフを含む(Aaaは脂肪族アミノ酸であり、Xa
aは任意のアミノ酸である)(Willumsenet
al., Nature 310:583−586
(1984))。このモチーフを有する他のタンパク質
には、Rho、真菌交配因子のようなRas関連GTP
結合タンパク質、核層(nuclear lamin
s)及びトランスデューシンのγサブユニットを含む。
【0004】イソプレノイドファルネシルピロリン酸
(FPP)によるRasのファルネシル化はCysで
vivoに行われ、チオエーテル結合を形成する
(Hancock et al., Cell 57:
1167(1989); Casey et al.,
Proc.Natl.Acad.Sci.USA
6:8323 (1989))。更に、Ha−Ras及
びN−RasはC末端Cysファルネシルアクセプター
の近傍のCys残基上のチオエステルの形成によりパル
ミトイル化される(Gutierrez et a
l., EM BO J.8:1093−1098(19
89); Hancock et al., Cel
57:1167−1177(1989))。Ki−R
asはパルミチン酸アクセプターCysを欠失する。R
asC末端の最後の3個のアミノ酸はタンパク質分解に
より除去され、新しいC末端でメチルエステル化が行わ
れる(Hancock et al.,前出)。真菌交
配因子及び哺乳動物核層は同様の修飾段階を受ける(A
nderegg et al., J.Biol.Ch
em. 263:18236 (1988); Far
nsworth et al., J.Biol.Ch
em. 264:20422(1989))。
【0005】Rasファルネシル化のin vivo
害は、ロバスタチン(Merck& Co., Rah
way,NJ)及びコンパクチン(Hancock e
tal., 前出; Casey et al., 前
出; Schaferet al., Science
245:379(1989))で立証されている。こ
れらの薬剤は、ポリイソプレノイド及びファルネシルピ
ロリン酸前駆物質の産生のための律速酵素であるHMG
−CoAレダクターゼを阻害する。前駆物質としてファ
ルネシルピロリン酸を使用するファルネシルタンパク質
トランスフェラーゼはRasファルネシル化に関与する
ことが示されている(Reisset al., Ce
ll, 62:81−88 (1990); Scha
ber et al., J.Biol.Chem.,
265:14701−14704(1990); S
chafer et al., Sc ience, 2
49: 1133−1139(1990); Mann
e et al., Proc.Natl .Acad.
Sci USA, 87: 7541−7545 (1
990))。
【0006】ファルネシルタンパク質トランスフェラー
ゼ、従ってRasタンパク質のファルネシル化の阻害
は、Rasが正常細胞を癌細胞に形質転換する能力を妨
害する。本発明の化合物はRasファルネシル化を阻害
し、後述するようにRas機能の主要な負の阻害剤とし
て機能し得る可溶性Rasを生成する。癌細胞中で可溶
性のRasは主要な負の阻害剤になり得るが、正常細胞
中の可溶性Rasは阻害剤にはならない。
【0007】Rasのシトソール局在(Cys−Aaa
1−Aaa2−Xaaボックス膜ドメイン不在)及び活性
化(GTPアーゼ活性減損、GTPに結合している)形
態は膜結合Rasの主要な負のRas阻害剤として機能
する(Gibbs et al., Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA 86:6630−66
34(1989))。正常GTPアーゼ活性を有するR
asのシトソール局在形態は阻害剤として機能しない。
Gibbs et al.,前出の文献はXe nopu
卵母細胞及び哺乳動物細胞中でこの効果を示した。
【0008】Rasファルネシル化を妨害する本発明の
化合物を投与すると、膜中のRasの量を減少させるの
みならず、Rasのシトソールプールを生成する。活性
化Rasを有する腫瘍細胞においてシトソールプールは
膜結合Ras機能の別のアンタゴニストとして作用す
る。正常Rasを有する正常細胞中ではRasのシトソ
ールプールはアンタゴニストとして作用しない。ファル
ネシル化の完全な阻害の不在下では、他のファルネシル
化タンパク質はその機能を維持することができる。
【0009】ファルネシルタンパク質トランスフェラー
ゼ活性は、化合物配合量を調節することにより低下又は
完全に阻害され得る。化合物配合量を調節することによ
りファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ酵素活性
を低下できることは、酵素を使用する他の代謝プロセス
の妨害のような予想される望ましくない副作用を避ける
ために有用である。
【0010】これらの化合物及びその類似体はファルネ
シルタンパク質トランスフェラーゼの阻害剤である。フ
ァルネシルタンパク質トランスフェラーゼは、Ras
CAAXボックスのCysチオール基をファルネシル基
で共有的に修飾するためにファルネシルピロリン酸を使
用する。HMG−CoAレダクターゼを阻害することに
よりファルネシルピロリン酸生合成を阻害すると、Ra
s膜局在をin vivoで阻止し、Ras機能を阻害
する。ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼの阻
害はより特異的であり、イソプレン生合成の一般的な阻
害剤の場合よりも副作用が少ない。
【0011】CAAX配列を有するテトラペプチドはR
asファルネシル化を阻害することが既に立証されてい
る(Schaber et al., 前出; Rei
sset al.,前出, PNAS, 88:732
−736 (1991))。しかしながら、報告されて
いるファルネシル−トランスフェラーゼの阻害剤は細胞
中で代謝的に不安定又は非活性である。
【0012】Piptoporous austral
iensisからの新規シトラコン酸無水物誘導体の構
造が分光法及び化学的方法により3−[(7Z)−ヘキ
サデセニル]−4−メチルフラン−2,5−ジオンとし
て同定されたことも文献中に報告されている(M.Gi
ll., Phytochemistry,21:17
86−1788 (1982))。
【0013】従って、本発明の目的はファルネシルタン
パク質トランスフェラーゼ及び腫瘍遺伝子タンパク質R
asのファルネシル化を阻害する化合物を開発すること
である。本発明の別の目的は、本発明の化合物を含有す
る化学療法用組成物及び本発明の化合物の製造方法を開
発することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、ファルネシル
タンパク質トランスフェラーゼを阻害し、もって腫瘍遺
伝子タンパク質Rasのファルネシル化を防止する化合
物、本発明の化合物を含有する化学療法用組成物並びに
本発明の化合物の製造方法を包含する。
【0015】本発明の化合物は式:
【0016】
【化5】
【0017】及び
【0018】
【化6】
【0019】により表される。
【0020】本発明の化合物はファルネシルタンパク質
トランスフェラーゼの阻害及び腫瘍遺伝子タンパク質R
asのファルネシル化の防止に有用である。本発明の第
1の態様によると、化合物は式(I):
【0021】
【化7】
【0022】[式中、X−XはCH=CH(シス)、C
H=CH(トランス)又はCH2CH2であり、R1及び
2は各々独立して a)H、 b)C1-5アルキル、 c)i)フェニル及びii)メチル、メトキシ、ハロゲ
ン(Cl,Br,F,I)又はヒドロキシで置換された
フェニルから構成される群の一員で置換されたC1-5
ルキルから選択される]の化合物、或いはR1及びR2
少なくとも一方が水素である式(I)の化合物の医薬上
許容可能な塩である。R1、R2がH以外のものであると
き、これらの化合物はファルネシルタンパク質トランス
フェラーゼの阻害剤でなくプロドラッグとして作用し得
る。
【0023】本発明の第2の態様によると、化合物は式
(II):
【0024】
【化8】
【0025】[式中、X−XはCH=CH(シス)、C
H=CH(トランス)又はCH2CH2であり、R1及び
2は各々独立して a)H、 b)C1-5アルキル、 c)i)フェニル及びii)メチル、メトキシ、ハロゲ
ン(Cl,Br,F,I)又はヒドロキシで置換された
フェニルから構成される群の一員で置換されたC1-5
ルキルから選択される]の化合物、或いはR1及びR2
少なくとも一方が水素である式(II)の化合物の医薬
上許容可能な塩である。R1、R2がH以外のものである
とき、これらの化合物はファルネシルタンパク質トラン
スフェラーゼの阻害剤でなくプロドラッグとして作用し
得る。
【0026】本発明の好適化合物(12)は、式:
【0027】
【化9】
【0028】により表される。
【0029】本発明の好適化合物(10)は、式:
【0030】
【化10】
【0031】により表される。
【0032】酸形態の本発明の化合物の医薬上許容可能
な塩は、本発明の化合物の酸を適量の塩基で処理するよ
うな従来の方法により容易に製造され、このような塩基
は例えばアルカリもしくはアルカリ土類金属水酸化物
(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リ
チウム、水酸化カルシウム又は水酸化マグネシウム)で
もよいし、又はアミン(例えばジベンジルエチレンジア
ミン、トリメチルアミン、ピペリジン、ピロリジン、ベ
ンジルアミン等)もしくは水酸化第4アンモニウム(例
えば水酸化テトラメチルアンモニウム等)のような有機
塩基でもよい。
【0033】本発明の化合物は以下の反応図式:
【0034】
【化11】
【0035】
【化12】
【0036】に従って製造される。
【0037】本発明の化合物の医薬組成物は、ファルネ
シルタンパク質トランスフェラーゼを阻害し、もって腫
瘍遺伝子タンパク質Rasのファルネシル化を防止する
ために使用され得る。これらの化合物は哺乳動物、特に
ヒトの薬剤として有用である。これらの化合物は癌の治
療用として患者に投与することができる。本発明の化合
物で治療可能な癌の種類の例を非限定的に挙げると、結
腸直腸癌、外分泌膵癌及び骨髄性白血病である。
【0038】本発明の化合物は哺乳動物、好ましくはヒ
トに投与され得、単独で投与してもよいが、好ましくは
標準製薬プラクティスに従って場合によりミョウバンの
ような既知のアジュバントと共に医薬上許容可能なキャ
リヤー又は希釈剤と組み合わせて医薬組成物中で使用し
てもよい。化合物は経口投与してもよいし、静脈内、筋
肉内、腹腔内、皮下及び局所投与を含む非経口経路で投
与してもよい。
【0039】本発明の化学療法用化合物を経口使用する
場合、選択された化合物を例えばタブレットもしくはカ
プセルとして投与してもよいし、水溶液もしくは懸濁液
として投与してもよい。経口用タブレットの場合、一般
に使用されるキャリヤーはラクトース及びコーンスター
チであり、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤が
一般に使用される。カプセル状で経口投与する場合、有
用な希釈剤はラクトース及び乾燥コーンスターチであ
る。経口用に水性懸濁液が必要な場合、有効成分を乳化
及び懸濁剤と組み合わせる。必要に応じて所定の甘味及
び/又は香味剤を添加してもよい。筋肉内、腹腔内、皮
下及び静脈内に投与する場合には、通常は有効成分の無
菌溶液を調製し、溶液のpHを適宜調節及び緩衝すべき
である。静脈内投与する場合には、調製物を等張にする
ように溶質の合計濃度を調節すべきである。
【0040】本発明は更に、治療薬として有効な量の本
発明の化合物を医薬上許容可能なキャリヤー又は希釈剤
の存在下又は不在下で投与する、癌の治療に有用な医薬
組成物にも係る。本発明の適切な組成物は、本発明の化
合物の水溶液と有用なpH値(例えばpH7.4)の医
薬上許容可能なキャリヤー(例えば食塩水)とを含む。
溶液は局所同時注射により患者の筋肉内血液流中に導入
され得る。
【0041】本発明の化合物を人体に投与する場合、1
日の投与量は、一般に個体患者の年齢、体重及び応答並
びに患者の症状の重度に応じて処方医師により決定され
る。
【0042】1適用例によると、適量の化合物を癌治療
中の患者に投与する。投与量は1日に哺乳動物体重当た
り約0.1mg/kg〜約20mg/kg、好ましくは
0.5mg/kg〜約10mg/kg/日である。
【0043】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳しく説明
する。使用される特定の材料、種類及び条件は本発明を
詳しく説明することを目的とし、発明の妥当な範囲を制
限するものではない。
【0044】実施例1 合成による化合物(10),(11)及び(12)の調
ステップ1オレイン酸メチル及びピルビン酸メチル
のアル ドール縮合((2)及び(3)の調製) ジイソプロピルアミン(4.2mL,30mmol)を
THF(30mL)に溶解してなる冷却(−78℃)溶
液にn−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M,13.
1mL,21mmol)を加えた。溶液をN2雰囲気下
で−78℃で10分間、次いで0℃で10分間撹拌し
た。LDA溶液を−78℃に冷却後、オレイン酸メチル
(1)(5.92g,20mmol)のTHF(30m
L)溶液を注射器により10分間かけて加え、10分間
撹拌し続けた。反応混合物をゆっくりと0℃まで昇温さ
せ、30分間撹拌した(薄黄色)。反応混合物を−40
℃に再冷却後、ピルビン酸メチル(2.17mL,24
mmol)を注射器で加え、室温までゆっくりと昇温さ
せながら溶液を1時間撹拌した。反応の進行をTLC
(ヘキサン−EtOAc,4:1)上で監視した。2種
の極性生成物が形成された。多少の未反応オレイン酸メ
チルが残存していた。混合物を−78℃において水で反
応停止し、室温まで昇温させ、クエン酸水溶液(100
mL)で希釈し、酢酸エチル(3×200mL)で抽出
した。EtOAc抽出物を水洗(100mL)し、脱水
(Na2SO4)し、減圧下に蒸発させ、油状物質を得
た。これをヘキサン中に充填したフラッシュシリカゲル
(200cc)カラム上でクロマトグラフィーにかけ
た。カラムをヘキサン中5%EtOAcで溶離させ、第
1のジアステレオマー(2)又は(3)362mg、混
合物2.19g及び第2のジアステレオマー(3)又は
(2)496mgをすべて液体として得た。ジアステレ
オマー(2)及び(3)の立体特異性は決定しなかっ
た。
【0045】CDCl3中第1のジアステレオマー
(2)又は(3)の1H NMRスペクトル: 5.3
4(2H,m), 3.76(3H,s), 3.68
(3H,s), 3.65(1H,brs), 2.7
6(1H,dd,J=10.2,3.9Hz), 2.
0(4H,m), 1.66(2H,m), 1.42
(3H,s), 1.27(20H,brm), 0.
88(3H,t,J=6.8Hz)。
【0046】CDCl3中第2のジアステレオマー
(3)又は(2)の1H NMRスペクトル: 5.3
4(2H,m), 3.80(3H,s), 3.72
(3H,s), 3.51(1H,brs), 2.7
2(1H,dd,J=11.7,3.3Hz), 2.
0(4H,m), 1.84(2H,m), 1.43
(3H,s), 1.27(20H,m), 0.88
(3H,t,J=6.6Hz)。
【0047】ステップ2アルドール産物のβ脱離反
応(化合物(6 )、(7)及び(8)の調製) 上記ステップ1で得られたジアステレオマーアルドール
産物(2)及び(3)の混合物2.2g(5.5mmo
l)のCH2Cl2(10mL)及びピリジン(5mL)
溶液に2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルピリ
ジン(2.3g,11mmol)、次いで無水p−トル
エンスルホン酸(5.4g,16.5mmol)を加
え、溶液をN2雰囲気下に室温で一晩撹拌した。反応の
進行をTLC(ヘキサン−EtOAc,85:15)上
で監視した。形成されたトシレートは出発時のアルコー
ルよりも低極性であった。DBU(4mL)を加え、塩
化メチレンを真空下に除去し、反応混合物を130〜1
40℃に6時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、
EtOAc(400mL)に注ぎ、4N HCl水溶液
(3×100mL)、水、10%NaHCO3水溶液
(3×100mL)、次いで水で順次洗った。酢酸エチ
ル抽出物を脱水(Na2SO4)し、減圧下に蒸発させ
た。ヘキサン中に充填したフラッシュシリカゲルカラム
(300cc)上で粗生成物をクロマトグラフィーにか
け、1〜3%EtOAcで溶離させ、シトラコン酸(シ
ス)ジエステル類似体(6)(160mg)、(7)
(1.15g)及び(8)(70mg)を得た。
【0048】CDCl3中シトラコン酸(シス)ジエス
テル類似体(6)の1H NMRスペクトル: 5.3
4(2H,m), 3.76(3H,s), 3.74
(3H,s), 2.32(2H,t,J=7.5H
z), 2.00(4H,m),1.94(3H,br
s), 1.57(2H,m), 1.42(2H,
m), 1.31−1.24(18H,m), 0.8
8(3H,t,J=6.0Hz)。
【0049】CDCl3中メサコン酸(トランス)ジエ
ステル類似体(8)の1H NMRスペクトル: 5.
34(2H,m), 3.78(3H,s), 3.7
7(3H,s), 2.44(2H,t,J=7.4H
z), 2.00(7H,brs及びm), 1.40
(2H,m), 1.27(18H,m), 0.88
(3H,t,J=6.8Hz)。
【0050】CDCl3中イタコン酸ジエステル類似体
(7)の1H NMRスペクトル:6.36(1H,
s), 5.75(1H,s), 5.34(2H,
m),3.77(3H,s), 3.68(3H,
s), 3.50(1H,t,J=7.2Hz),
2.0(4H,m), 1.90(1H,m), 1.
66(1H,m), 1.27(20H,m), 0.
88(3H,t,J=6.8Hz)。
【0051】ステップ3シトラコン酸(シス)ジメ
チルエステル類 似体(6)の加水分解(化合物(9)の
調製) シトラコン酸(シス)ジメチルエステル類似体(6)
(55mg)のTHF(2.5mL)、メタノール
(1.5mL)、水(1mL)及び4N NaOH
(0.5mL)溶液を還流下に一晩加熱し、反応の進行
をHPLC*上で監視した。反応の終了後、溶液を0℃
に冷却し、4N HClでpH2に酸性化した。生成物
を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。EtOAc
溶液を水洗し、脱水し(Na2SO4)、蒸発させ、無色
無水生成物(9)を油状物として得た。
【0052】*分析HPLC条件: Whatman
C−18,4.6×250mm,CH3CN−H2O(9
0:10)(0.2%TFA含有),流量1.5ml/
分。
【0053】ステップ4メサコン酸ジメチルエステ
ル類似体(8) の加水分解(化合物12)の 調製) 上記条件を使用してメサコン酸ジエステル類似体(8)
(45mg)を一晩還流させ、二酸(12)を得た。
【0054】ステップ5イタコン酸ジメチルエステ
ル類似体(7) の加水分解(化合物10)の 調製) シトラコン酸ジエステルについて記載した条件に従って
イタコン酸ジエステル(7)(540mg)を加水分解
した。予想通り、加水分解の結果、イタコン酸類似体
(10)、シトラコン酸類似体(9)及びメサコン酸類
似体(12)の混合物を得た。これらの酸を分取HPL
Cカラム[Whatman C−18,22×250m
m,CH3CN−H2O(0.2%TFA含有)60:4
0〜80:20で60分間、次いで90:10のグラジ
エント溶離,流量10ml/分]で精製した。
【0055】実施例2 Rasファルネシルトランスフェラーゼのin vit
ro阻害 ウシ大脳からのファルネシルタンパク質トランスフェラ
ーゼ(FTアーゼ)を、DEAE−Sephacel
(Pharmacia, 0〜0.8M NaClグラ
ジエント溶離)、N−オクチルアガロース(Sigm
a, 0〜0.6MNaClグラジエント溶離)及びm
ono Q HPLCカラム(Pharmacia,
0〜0.3M NaClグラジエント)上でクロマトグ
ラフィーにかけた。3.5μM Ras−CVLS、
0.25μM[3H]FPP及び被験化合物をこの部分
的に精製した酵素調製物と共にインキュベートした。F
Tアーゼ阻害データは、本発明の化合物がRasファル
ネシル化をin vitroで阻害する能力の測定結果
である。
【0056】実施例3 本発明の化合物の経口組成物の一例として、20mgの
化合物(10)、(11)又は(12)を合計量580
〜590mgとするのに十分な微粉砕ラクトースと調合
し、サイズ0の硬質ゼラチンカプセルに充填した。
【0057】実施例4 アンモニウム塩の調製 化合物(11)又は(12)の遊離酸の0.1mmol
サンプルを酢酸エチル10mlに溶解させた。得られた
溶液をアンモニアで飽和させ、蒸発させ、アンモニア塩
を得た。
【0058】実施例5 カリウム塩の調製 化合物(10)、(11)又は(12)の遊離酸0.1
mmolを6:4メタノール/水10mlに溶解してな
る溶液を、0.1又は0.2mmolの水酸化カリウム
を含有する水性又はメタノール性溶液で処理した。溶媒
を蒸発させ、対応するカリウム塩を得た。0.1〜0.
2mmolの間の水酸化カリウムを加えると、同様に水
酸化カリウムの厳密な添加量に依存する組成を有する一
カリウム塩と二カリウム塩との混合物を得た。同様に、
ナトリウム及びリチウム塩を形成することができる。
【0059】実施例6 カルシウム塩の調製 化合物(10)の遊離酸0.1mmolを6:4メタノ
ール/水20mlに溶解してなる溶液を、0.1mmo
l水酸化カルシウム水溶液で処理した。溶媒を蒸発さ
せ、対応するカルシウム塩を得た。
【0060】実施例7 エチレンジアミン塩の調製 化合物(10)、(11)又は(12)0.1mmol
を6:4メタノール/水10mlに溶解してなる溶液
を、0.1mmolのエチレンジアミンで処理した。溶
媒を蒸発させ、エチレンジアミン塩を得た。
【0061】同様の手順をN,N’−ジベンジルエチレ
ンジアミン塩の調製にも適用できる。
【0062】実施例8 トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩の調製 化合物(10)、(11)又は(12)0.1mmol
を6:4メタノール/水10mlに溶解してなる溶液
に、0.1〜0.2mmolのトリス(ヒドロキシメチ
ル)アミノメタンをメタノール10mlに溶解してなる
溶液を加えた。溶媒を蒸発させ、アミンの添加モル比に
より決定される厳密な組成を有する化合物(10)、
(11)又は(12)の対応する塩形態を得た。同様の
手順で、L−オルニチン、L−リシン及びN−メチルグ
ルカミンの塩を調製した。
【0063】実施例9 L−アルギニン塩の調製 化合物(10)、(11)又は(12)の遊離酸0.1
mmolを6:4メタノール/水10mlに溶解してな
る溶液を、0.1〜0.2mmolのL−アルギニン水
溶液で処理した。溶媒を蒸発させ、アミノ酸と使用され
る化合物(10)、(11)又は(12)の遊離酸との
モル比により決定される厳密な組成を有する標記塩を得
た。同様の手順で、L−オルニチン、L−リシン及びN
−メチルグルアカミンの塩を調製した。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 9/99 (56)参考文献 PHYTOCHEMISTRY,1977, VOL.16,134−135 PHYTOCHEMISTRY,1982, VOL.21,1786−1788

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I): 【化1】 [式中、X−XはCH=CH(シス)、CH=CH(ト
    ランス)又はCH2 CH2 であり、R1 及びR2 は各々
    独立して a)H、 b)C1-5 アルキル、 c)i)フェニル及びii)メチル、メトキシ、ハロゲ
    ン(Cl,Br,F,I)又はヒドロキシで置換された
    フェニルから構成される群の一員で置換されたC1-5
    ルキルから選択される] を有するファルネシルタンパク質トランスフェラーゼを
    阻害するか、ないしはファルネシルタンパク質トランス
    フェラーゼの阻害剤のためのプロドラッグとして作用す
    る化合物、或いはR1 及びR2 の少なくとも一方が水素
    である式(I)の化合物の医薬上許容可能な塩。
  2. 【請求項2】 式(II): 【化2】 [式中、X−XはCH=CH(シス)、CH=CH(ト
    ランス)又はCH2 CH2 であり、R1 及びR2 は各々
    独立して a)H、 b)C1-5 アルキル、 c)i)フェニル及びii)メチル、メトキシ、ハロゲ
    ン(Cl,Br,F,I)又はヒドロキシで置換された
    フェニルから構成される群の一員で置換されたC1-5
    ルキルから選択される] を有するファルネシルタンパク質トランスフェラーゼを
    阻害するか、ないしはファルネシルタンパク質トランス
    フェラーゼの阻害剤のためのプロドラッグとして作用す
    る化合物、或いはR1 及びR2 の少なくとも一方が水素
    である式(II)の化合物の医薬上許容可能な塩。
  3. 【請求項3】 式: 【化3】 により表されることを特徴とする請求項1に記載の化合
    物。
  4. 【請求項4】 式: 【化4】 により表されることを特徴とする請求項2に記載の化合
    物。
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