JPH0755061Y2 - シート重ね合わせ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、台紙に接着用シート（本明細書においてシー
トとはフィルム、ラベル等のすべてのシート状部材をい
う）を接着するために重ね合わせるためのシート重ね合
わせ装置に関する。

従来の技術 従来、台紙に接着用シートを接着するために重ね合わせ
る装置は種々知られているが、重ね合わせ前において
は、台紙と接着用シートの移送方向が相違するため、特
別なガイド部材を設けて前記接着用シートの移送方向を
変換し、台紙の移送方向に合わせている。より具体的に
は、例えば水平方向に移送されてきた台紙に対して、垂
直方向に移送されてきた接着用シートの移送方向をガイ
ド部材によって水平方向へ変換し、台紙の移送経路上に
接着用シートを導いてこれらを重ね合わせているのが一
般的である。そして、前記ガイド部材と接着用シートの
移送手段、例えば複数対のローラとは、何らの連繋もな
く独立して各別に設けられている。

考案が解決しようとする課題 したがって、従来においては、ガイド部材を設けるため
のスペースが別途必要となり、接着用シートの移送経路
がその分長くなって、装置が大型化するという欠点があ
る。

また、従来においては、接着用シートに塗布した通常の
搬送状態では接着せず一定の条件、例えば加熱すると接
着可能となる接着剤が、接着用シートが待機状態で一対
あるいは複数対のローラに挟持されている間に、加熱手
段の余熱によって接着条件が与えられてしまい、前記一
対あるいは複数対のローラに付着して巻き込まれ、円滑
な移送が阻害されるという欠点もある。

本考案は、これらの欠点を解消した接着用シート重ね合
わせ装置の提供を目的とする。

課題を解決するための手段 上記目的を達成するために本考案は、台紙を移送する台
紙移送手段と、接着剤、例えば熱、圧等の一定の条件が
与えられると接着可能となる接着剤が塗布された接着用
シートを前記台紙の移送経路上に供給する少なくとも一
対の供給ローラと、接着用シートの移送経路における前
記一対の供給ローラの近傍または前記一対の供給ローラ
よりも後段で前記接着用シートに塗布された接着剤の接
着条件を付与する接着条件付与手段とを備えたシート重
ね合わせ装置であって、前記一対の供給ローラのうち少
なくとも接着用シートの接着剤塗布面に対接する側のロ
ーラには、ローラの周面に軸方向に間隔をおいて複数の
切欠きを設ける一方、この切欠きに対応位置して接着用
シートの移送先端を前記台紙の移送方向へ傾斜するガイ
ド部材を設けたものである。

作用 一対の供給ローラのうち少なくとも接着用シートの接着
剤塗布面に対接する側のローラの周面に、軸方向に間隔
をおいて設けた複数の切欠きに対応位置して、接着用シ
ートの移送をガイドするガイド部材を設けたので、ガイ
ド部材を設けるスペースが少なくてすむ。そして、接着
用シートは前記一対の供給ローラに挟持された待機状態
において、余熱や挟持圧によって接着剤の接着条件が与
えられても、前記ガイド部材によって前記一対の供給ロ
ーラに付着することが阻止され、円滑に台紙移送経路上
に導かれたうえ、確実な重ね合わせ動作がなされる。

実施例 以下、本考案を台紙に接着用シートとしてフィルムを接
着する装置に適用した場合の好適な実施例について添付
図面を基づき詳細に説明する。

ここにおいて、第１図は重ね合わせ装置の全体概略図、
第２図は供給ローラと移送ローラ及びガイド部材の斜視
図、第３図は供給ローラの拡大側面図、第４図は切断さ
れた台紙に重ね合わされて接着された単位フィルムを示
す平面図、第５図はフィルム移送の制御動作を示すフロ
ーチャート、第６図は繰り出しローラの部分拡大斜視図
である。

第１図に示すように、台紙ローラ１に巻回された連続状
態にある台紙２は、ガイドローラ３に案内されて上下一
対の繰り出しローラ４により繰り出され、ロータリーカ
ッタ5bと固定刃5aとの間に導かれて所定長に切断される
よう構成されている。前記ロータリーカッタ5b及び固定
刃5aと一対の繰り出しローラ４との間には台紙検出セン
サ6a,6bが配置され、前記ロータリーカッタ5bの切断タ
イミングは前記台紙検出センサ6a,6bの検出信号及び前
記繰り出しローラ４による台紙移送量に基づいて、台紙
送りCPU19により制御される。この台紙送りCPU19の制御
信号は、後述するフィルム12の移動動作及び切断動作を
制御するラミネータCPU20にも送出される。ロータリー
カッタ5b及び固定刃5aに続いて上下一対の３組の移送ロ
ーラ7,8,9が設けられ、さらに上下一対の移送ローラ10
a,10bが設けられている。前述した一対の繰り出しロー
ラ4,3組の各一対の移送ローラ7,8,9及び各一対の移送ロ
ーラ10a,10bによって台紙移送手段を構成する。

前記一方の移送ローラ10aが供給ローラを兼ねるもの
で、フリー状態で支持されており、これと対接するよう
にして対をなす供給ローラ11が設けられている。前記移
送ローラ10a,10bの上方には連続フィルム12が巻回され
たフィルムローラ13が設けられており、前記連続フィル
ム12は、ガイドローラ14に続いて、互いに上下方向に所
定間隔をおいて配置された各一対の繰り出しローラ15a,
15b,16a,16bにより下方へ引き出される。これら繰り出
しローラ15a,15b,16a,16bの間にはフィルムカッタ17が
設けられている。前記連続フィルム12はその巻回状態に
おける裏面側には通常の搬送状態では接着せず、所定の
熱が付与されると接着可能となる感熱性接着剤（図示せ
ず）が塗布されている。

そして、第３図でより明らかなように、上述した供給ロ
ーラ11の回転軸Ｐは、これと対をなす供給ローラを兼ね
る移送ローラ10aの回転軸Ｑよりも下方に設定される一
方、台紙２の移送面ｍに接触しないように、前記供給ロ
ーラ11の径は前記移送ローラ10aの径よりも小さく設定
されている。すなわち、供給ローラを兼ねる移送ローラ
10aは供給ローラ11よりも径が大きく、回転軸Ｑが上方
に位置し、かつ周面に最低位置が下方に位置している。
このため、前記供給ローラ11と移送ローラ10aの接点に
おける接線１は、垂直線よりも左に傾斜するように伸び
るので、前記各ローラ11,10a間に導かれた連続フィルム
12から所定長に切断されてなる単位フィルム12aは、接
線方向に斜めに案内されて一対の移送ローラ10a,10b間
へと導かれることになる。

第２図に示すように、一対の移送ローラ10a,10bは軸方
向に若干の間隔をおいて複数に分割され、一方のローラ
10bは両端部の分割部分及びこれらから一つおきに位置
する分割部分が隣接する部分より小径に形成されてい
る。また、単位フィルム12aの接着剤塗布面と対接する
供給ローラ11には、移送ローラ10aの両端部の分割部分
及びこれらから一つおきに位置する分割部分においての
み前記移送ローラ10aと対接するように、切欠き21が設
けられている。したがって、移送ローラ10aに対して供
給ローラ11と移送ローラ10bとは交互の分割部分におい
て対接するよう構成されている。そして、前記供給ロー
ラ11の切欠き21に対応して伸びるガイド片22aを有する
ガイド部材22が、単位フィルム12aの移送をより確実に
ガイドするとともに、前記単位フィルム12aが前記供給
ローラ11に付着して巻き込まれるのを防止するために設
けられている。一方、移送ローラ18a,18bは、単位フィ
ルム12aを加熱するために、ヒーターを内蔵しており、
この熱を遮断するために、前記移送ローラ10aの直上に
は、断面倒Ｌ字状で断熱及びフィルム12のローラ10aと1
6b間へのたるみを防止するガイド板23が設けられてい
る。

なお、第６図に示すように、連続フィルム12の接着剤塗
布面と対接する繰り出しローラ16aに、供給ローラ11と
同様の切欠きが設けられ、この切欠きに対応して伸びる
断面Ｌ字状のガイド片を有するガイド板25が設けられて
いる。また、第１図に概略的に示すように、繰り出しロ
ーラ15aにも、これら供給ローラ11及び繰り出しローラ1
6aと同様の切欠きが設けられ、ガイド板24が設けられて
いる。

第１図に示すように、前記一対の移送ローラ10a,10bに
続いて、前述した接着条件付与手段たる上下一対の熱着
ローラ18a,18bが設けられ、前記一対の移送ローラ10a,1
0bによって各移送ローラ7,8,9を経て移送されてきた所
定長に切断された単位台紙2a上に、同じく切断された単
位フィルム12aが所定状態で重ね合わされ、前記上下一
対の熱着ローラ18a,18bに移送される。これら一対の熱
着ローラ18a,18bのうち、上方のローラ18aは鉄製ローラ
で、下方のローラ18bは耐熱性に優れた硬質シリコンゴ
ム製ローラである。そして、これら熱着ローラ18a,18b
間を通過するときに、接着条件である所定の熱が圧とと
もに加えられて第４図に示すように、切断された単位台
紙2a上に単位フィルム12aが接着されるものである。そ
して、この単位台紙2a上に接着された単位フィルム12a
は、図示していないスタッカに順次積み上げられていく
よう構成されている。

次に、上述した実施例の作用について説明する。

第１図に示すように、台紙ローラ１から繰り出された連
続状の台紙２が台紙検出センサ6a,6bで検出されると、
この検出信号及び繰り出しローラ４からの台紙送り量信
号に基づく台紙送りCPU19の制御信号を受けて、ロータ
リーカッタ5bが所定時間後に作動し、前記台紙２は所定
位置で切断される。この切断された単位台紙2aは、各移
送ローラ7,8,9によって移送ローラ10a,10bに向けて移送
され、前記移送ローラ10a,10bの直前で移送が停止され
て待機状態となる。

一方、台紙送りCPU19の制御信号を受けたラミネータCPU
20の制御により連続フィルム12の移送動作及び切断動作
が開始されるが、これらの制御動作を第５図に基づいて
説明する。

まず、連続フィルム12が所定の初期位置にセットされて
いるか判断し（ステップ101）、セットされていない場
合には繰り出しローラ15a,15b,16a,16bを駆動して、前
記連続フィルム12を初期位置（先端が供給ローラ11と移
送ローラ10aとで挟持される位置）にまで移送し（ステ
ップ102）、待機する。この待機状態において、台紙送
りCPU19からラミネータCPU20に対して送られてきた台紙
２の送り信号が、所定量に達したと判断されると、すな
わち単位台紙2aが待機位置まで送られたと判断される
と、フィルムカッタ17が駆動され（ステップ104）、連
続フィルム12が所定長の単位フィルム12aに切断された
後、各繰り出しローラ15a,15b,16a,16bと供給ローラ11
が駆動されて（ステップ105）、切断された単位フィル
ム12aは下方に向けて移送される。

ここで、各移送ローラ7,8,9,10b及び熱着ローラ18a,18b
が駆動され、待機していた切断状態の単位台紙2aが再び
移送され、前記単位台紙2aの所定位置に供給ローラ11と
移送ローラ10aで移送されてきた単位フィルム12aが重ね
合わされる。この動作は、移送ローラ10aと供給ローラ1
1の作用及びガイド部材22の作用によって円滑になされ
る。前記供給ローラ11の単位フィルム12aの送り量によ
って単位台紙2aと前記単位フィルム12aとが完全に重な
り合ったと判断される（ステップ106）と、前記供給ロ
ーラ11の駆動は停止される（ステップ107）。

一方、切断後の連続フィルム12は各繰り出しローラ15a,
15b,16a,16bが駆動されて所定長さ繰り出され、初期位
置にセットされた後、前記各繰り出しローラ15a,15b,16
a,16bの駆動が停止されて再び待機状態となる。

続いて、重ね合わされた単位台紙2aと単位フィルム12a
は、熱着ローラ18a,18bを通過する際に、単位フィルム1
2a裏面に塗布された感熱性接着剤の接着条件を満たす熱
が圧とともに加えられ、前記単位台紙2aに前記単位フィ
ルム12aが接着される。そして、前記単位フィルム12aが
接着された前記単位台紙2aは、スタッカ装置（図示せ
ず）に排出されて積み重ねられる。

ここで、作業終了の入力がないと判断される（ステップ
108）と、ステップ103に戻って、以下、上述した動作を
繰り返すことにより、所定長に切断された単位台紙2aに
同じく所定長に切断された単位フィルム12aを、順次重
ね合わせて接着していくものである。

そして、単位フィルム12aが供給ローラ11や各繰り出し
ローラ15a,15b,16a,16bに挟持されて停止している待機
状態時に、感熱性接着剤の接着条件が満たされる事態が
生じても、ガイド部材22及びガイド板24,25によって、
各対接するローラ11,15a,16aにフィルム12あるいは単位
フィルム12aが巻き付いて移送動作が阻害されることが
阻止される。

なお、本考案は上述した実施例に限定されるものではな
く、例えば、単位台紙2aに単位フィルム12aを接着する
ほか、単位台紙2aにラベルを重ね合わせて接着する装置
にも適用可能である。また、切断せずに、台紙２とフィ
ルム12等の接着用シートとを重ね合わせてもよい。さら
に、接着用シートに塗布される接着剤は、感熱性接着剤
のほか、強圧によって接着する感圧性接着剤、あるいは
水分等によって接着する湿潤性接着剤等が使用される。
さらにまた、供給ローラ11と移送ローラ10aとは、同一
大のローラを各回転軸を同一高さ位置に設定して設ける
ことも可能である。

効果 以上説明したところで明らかなように、本考案によれ
ば、一対の供給ローラのうち少なくとも接着用シートの
接着剤塗布面に対接する側のローラの周面に、軸方向に
間隔をおいて設けた複数の切欠きに対応位置して、接着
用シートの移送をガイドするガイド部材を設けたので、
ガイド部材を設けるスペースが少なくてすむから装置の
小型化が可能となり、また、接着用シートは前記一対の
供給ローラに挟持された待機状態において、余熱や挟持
圧によって接着剤の接着条件が与えられても、前記ガイ
ド部材によって前記一対の供給ローラに付着することが
阻止され、円滑に台紙移送経路上に導かれたうえ、確実
な重ね合わせ動作がなされるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の好適な実施例を示し、第１図は重ね合わせ
装置の全体概略図、第２図は供給ローラと移送ローラ及
びガイド部材の斜視図、第３図は供給ローラの拡大側面
図、第４図は切断された台紙に重ね合わされて接着され
た単位フィルムを示す平面図、第５図はフィルム移送の
制御動作を示すフローチャート、第６図は繰り出しロー
ラの部分拡大斜視図である。 ２……台紙、2a……単位台紙、10a,10b……移送ロー
ラ、11……供給ローラ、12……連続フィルム、12a……
単位フィルム、18a,18b……熱着ローラ、22……ガイド
部材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】台紙を移送する台紙移送手段と、接着剤が
   塗布された接着用シートを前記台紙の移送経路上に供給
   する少なくとも一対の供給ローラと、接着用シートの移
   送経路における前記一対の供給ローラの近傍または前記
   一対の供給ローラよりも後段で前記接着用シートに塗布
   された接着剤の接着条件を付与する接着条件付与手段と
   を備えたシート重ね合わせ装置であって、前記一対の供
   給ローラのうち少なくとも接着用シートの接着剤塗布面
   に対接する側のローラには、ローラの周面に軸方向に間
   隔をおいて複数の切欠きを設ける一方、この切欠きに対
   応位置して接着用シートの移送先端を前記台紙の移送方
   向へ傾斜するガイド部材を設けたことを特徴とするシー
   ト重ね合わせ装置。