JPH0754483Y2 - ２段式駐車装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、載車板を昇降させるこ
とにより、自動車を立体的に駐車させる２段式駐車装置
に関し、特に自動車の整備にも便利な駐車装置に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】自動車の普及と共に、その駐車場の確保
が問題となり、特に都市やその近郊においては、地価高
騰による用地難のため、車庫用地の有効利用を図ること
が必要となって、１台の収容スペースに２台の自動車を
格納できる昇降式２段式駐車装置が開発されるようにな
った。

【０００３】上記２段式駐車装置としては、左右に対し
てなして設けた支柱によってパレットと呼ばれる載車板
を支持し、該載車板をモータやチェーン等により昇降さ
せる構成のものが一般によく知られている。載車板は、
載せられる自動車の重量に耐える必要があることから、
通常、両側に設けた縦フレームと、該縦フレーム間に複
数本亘らせた横フレームと、これら縦横フレーム上に固
定された鉄板とによって構成されている。一方、前記し
た２段式駐車装置においては、載車板を自在に昇降させ
られることから、自動車を人の目の高さにおいて、点検
するという利用法も考えられ、例えばタイヤの空気圧の
チェック等を楽な姿勢で行える等のメリットを有してい
る。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の駐車装置においては、上述のように自動車の周囲か
らの点検は行えるにしても、本来実施したい自動車下廻
りの点検、整備は行えるものではなかった。

【０００５】本考案は叙上の如き実状に対処し、特に載
車板に新規な構成を見出すことにより、２段式駐車装置
を利用した自動車の下廻りの整備・点検を可能ならしめ
ることを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】即ち、上記目的に適合す
る本考案２段式駐車装置の特徴は、左右に対をなして設
けた支柱により載車板を昇降自在に支持してなる２段式
駐車装置において、扉を有し、かつこの扉により開閉さ
れる窓部を、上記載車板に設けたことにある。

【０００７】

【作用】上記構成を有する本考案駐車装置にあっては、
載車板に自動車を載せ、作業者あるいは作業内容に適し
た任意の高さに載車板を持ち上げて、該載車板の窓部か
ら自動車下廻りの整備点検を行うことが可能となる。ま
た、整備点検を行わないときは、窓部を閉じておくこと
によって、雨天時における雨水や載車板上の自動車の汚
れが、地上部に駐車した自動車にかかることを防止する
ことができる。

【０００８】

【実施例】以下更に添付図面を参照して、本考案実施例
の２段式駐車装置の実施例を説明する。

【０００９】図２は実施例装置の外観を示す側面図、図
３は載車板と駆動系を示す説明図であり、この装置は図
２に示すように、左右に対をなして設けた支柱（１）に
よって、載車板（２）を昇降自在に支持している。

【００１０】載車板（２）の後端付近の両側面部には、
図３に示すように、駆動スプロケット（３）が夫々設け
られ、該駆動スプロケット（３）は載車板（２）の後端
部に設置されたブレーキ付正逆回転モータ（４）により
回動する駆動シャフト（５）によって一体に回動するよ
うになっている。

【００１１】このモータ（４）は、その上方がボックス
（６）によって覆われており、該ボックス（６）の両側
空間部はツールボックスとして利用される。また、この
ボックス（６）は図２に示すように、自動車の車止めの
役目もはたしている。

【００１２】また、載車板（２）の両側面部には、前記
駆動スプロケット（３）から載車板長さの１／８程度前
方に離隔させて、ガイドスプロケット（７）が夫々回動
自在に配設されている。この駆動スプロケット（３）と
ガイドスプロケット（７）との距離は、載車板長さの１
／５〜１／１０程度が適当である。

【００１３】そして、図３に示す如く、前記支柱上部
（１ａ）にその一端が止着されたチェーン（８）が、ガ
イドスプロケット（７）の前方からその下面を懸回し、
さらに駆動スプロケット（３）の前方からその上面を懸
回して、その他端が支柱下部（１ｂ）に止着されてい
る。

【００１４】一方、本考案の肝要をなす載車板（２）
は、図１の平面図に示す如く、縦，横の各アングル
（９），（１０）上に鋼板（１１）を取着したものから
なり、該載車板（２）の横方向（横アングル１０の方
向）の略中央部には、縦方向（縦アングル９の方向）に
列をなして４つの窓部（１２）が設けられている。この
窓部（１２）は鋼板よりなるスライド式の開閉扉（１
３）を各々備えてなり、図示の如く開閉を個別に行うこ
とができる。この窓部（１２）は上記の構成の他に開き
戸式の開閉扉とすることも可能であるが、何れの場合に
おいても地上部から開閉できるよう下面に把手等を設
け、かつ閉じた状態では水等が漏れないようシール状態
を保つよう構成することが好ましい。

【００１５】以上の構成を有する本考案実施例の２段式
駐車装置を使用する際は、先ず、地上部に降ろした載車
板（２）に自動車を載せ、支柱等に配設した電源スイッ
チによりモータ（４）を、図３に示す矢印（Ａ）の方向
に駆動スプロケット（３）が回転するよう駆動させ、載
車板（２）を図２に示す位置に上昇させる。

【００１６】この場合、モータ（４）や駆動シャフトが
上昇した載車板に設置されていることから、地上の駐車
スペースには何も残らず、見かけ上も美しい上に、自動
車の通り抜けも自在である。

【００１７】そして、上記駐車装置の載車板にあって
は、作業者あるいは作業内容に適した任意の高さに載車
板を持ち上げて、該載車板の窓部から自動車下廻りの整
備点検を行うことが可能となる。また、整備点検を行わ
ないときは、窓部を閉じておくことによって、雨天時に
おける雨水や載車板上の自動車の汚れが、地上部に駐車
した自動車にかかることを防止することができる。

【００１８】さらに、上記窓部を載車板の略中央部に列
をなして複数設けたスライド開閉式のものとしたことに
より、自動車の点検部分に応じた適宜箇所を開けて整備
・点検が行えると共に、窓部を閉め忘れて載車板を降ろ
しても、該窓部を破損することがない。

【００１９】なお、実施例装置において上昇した載車板
（２）は、モータ（４）のブレーキと所要の落下防止装
置によって、その位置に固定されてなるが、本考案にあ
っては、落下防止装置が不意なトラブルにより作動しな
い時に、上記モータ（４）のブレーキが故障して駆動ス
プロケット（３）がフリーに回動しうる状態になって
も、ガイドスプロケット（７）と駆動スプロケット
（３）とが近接して、しかも載車板（２）の後端に著し
く寄せて設けられてなることから、載車板（２）の重量
がガイドスプロケット（７）を支点とした、てこのよう
な力のモーメントとして作用する。

【００２０】これによって、載車板（２）の重量は、駆
動スプロケット（３）及びガイドスプロケット（７）を
回転させるようには作用せず、その結果載車板（２）は
モータ（４）のブレーキが故障しても落下することがな
い。また、同様の理由により、バランスチェーンがなく
ても載車板の平行状態は保たれる。

【００２１】

【考案の効果】以上説明したように、本考案の２段式駐
車装置は、左右に対をなして設けた支柱により載車板を
昇降自在に支持した２段式駐車装置において、扉を有
し、かつこの扉により開閉される窓部を上記載車板に設
けたものであり、窓部を開けることによって載車板に載
せた自動車の下廻りの整備点検を地上部から楽な姿勢で
自在に行え、かつ、整備点検を行わないときは、窓部を
閉じておくことによって雨水や載車板上の汚れが地上部
の自動車にかかるのを防止しうるとの顕著な効果を有す
るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案実施例の２段式駐車装置の載車板を示す
平面図である。

【図２】同実施例装置の外観を示す側面図である。

【図３】同実施例装置の駆動系を示す説明図である。

【符号の説明】

（１） 支柱 （２） 載車板 （３） 駆動スプロケット （４） モータ （５） 駆動シャフト （６） ボックス （７） ガイドスプロケット （８） チエーン （９） 縦のアングル （１０） 横のアングル（１１） 鋼板 （１２） 窓部 （１３） 開閉扉 （１ａ） 支柱上部 （１ｂ）支柱下部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 左右に対をなして設けた支柱により載車
   板を昇降自在に支持してなる２段式駐車装置において、
   扉を有し、かつこの扉により開閉される窓部を、上記載
   車板に設けたことを特徴とする２段式駐車装置。