JPH0754442Y2 - 破目地外板用隅継部材 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、外板の表面に形成された千鳥状の縦目地が乱
されることなく接合でき、裏面側における接合部を鉛直
線状の縦目地とすることができる破目地外板用隅継部材
に関する。

〈従来の技術〉 タイル目地等が形成された外板は、入隅，出隅部におい
て、コーナ役物により接合されることがある。

第４図はタイル目地が形成された外板の出隅部における
接合状態を表す斜視図を示す。

外板１には等間隔に横目地２が形成され、横目地２の間
には縦目地３が千鳥状に形成されている。横目地２と縦
目地３とは一点で交差することがない破目地となってい
る。外板１の側端部４は、千鳥状の縦目地３をもって上
下方向交互に凹凸状となっている。凹凸状となった側端
部４には、長片５と短片６とに折曲されたＬ字状のコー
ナ役物７が接続されるようになっている。コーナ役物７
は上下方向に複数個設けられ、長片５と短片６とが左右
交互となるように配されている。つまり、出隅部の突端
を挟んで出会う外板１の左右の側端部４はコーナ役物７
により整合状態で接続され、縦目地３同士の間隔は突端
を介しても変化することなく連続状態となるようになっ
ている。

従って、コーナ役物７を用いることにより、出隅部にお
ける左右の外板１は、タイル目地が乱されることなく見
映え良く接続されるようになっている。

〈考案が解決しようとする課題〉 破目地が形成された外板１では、縦目地３の間隔を乱さ
ないようにするため、コーナ役物７との接合部が千鳥状
の縦目地３をもって接合されている。そのため、接合部
における下地防水処理は、千鳥状に行う必要があり、防
水施工が困難なものとなっていた。

本考案は上記状況に鑑みてなされたもので、コーナ役物
と外板との接合部が裏面側で鉛直線状の縦目地となる破
目地外板用隅継部材を提供し、もって、破目地外板の隅
角部における防水施工性の向上を図ることを目的とす
る。

〈課題を解決するための手段〉 上記目的を達成するための本考案に係る破目地外板用隅
継部材の構成は、等間隔に形成される横目地の間に千鳥
状に縦目地が形成され側端部が前記千鳥状の縦目地をも
って上下方向交互に凹凸状となる外板と、該外板が左右
から出会う隅角部に設けられ長片と短片とが左右交互と
なるように上下方向に複数個配設され左右の該外板の前
記側端部同士を整合状態で接合するＬ字状のコーナ役物
とからなる破目地外板用隅継部材において、前記外板の
裏面における前記側端部と前記コーナ役物との接合部が
鉛直線状の縦目地となって表われるように前記長片裏面
先端側と前記長片と接合される前記側端部とを相欠継ぎ
としたことを特徴とする。

〈作用〉 コーナ役物の長片の裏面先端側と長片と接合される外板
の側端部とが相欠継ぎで接合され、外板裏面における長
片と側端部との縦目地が、上下方向に隣接するコーナ役
物の短片と側端部との縦目地と一致する。

〈実施例〉 以下、本考案に係る破目地外板用隅継部材の好適な一実
施例を図面を参照して詳細に説明する。

第１図は本考案の一実施例に係る破目地外板用隅継部材
の長片が左側に配置されたコーナ役物を表す平面図、第
２図はその長片が右側に配置されたコーナ役物を表す平
面図、第３図は破目地外板用隅継部材が用いられて接続
された外板の出隅部を表す斜視図を示す。

第１図に示したように、コーナ役物10は、外寸法ａの長
片11が外寸法ｂの短片12の二倍の長さ（ａ＝２×ｂ）と
なるように形成されている。長片11の裏面には、先端か
ら外寸法ｂと等しい長さで欠切された切欠部13が形成さ
れている。

一方、長片11と接続される外板14の側端部15の表面に
は、先端から外寸法ｂと等しい長さで欠切された切欠部
16が形成されている。長片11の切欠部13と側端部15の切
欠部16とは、互いに相欠継ぎとなって接続されるように
なっている。従って、外板14と長片11との裏面側におけ
る接続部は、コーナ役物10の突端17から長片11の先端側
に外寸法ｂ分離れた位置の裏面側に縦目地18として表わ
れるようになっている。

一方、コーナ役物10の短片12と、短片12と接続される外
板14の側端部19は端面同士で当接されるようになってい
る。従って、外板14と短片12との接合部は、突端17から
外寸法ｂ分離れた短片12裏側先端縁が縦目地20として表
われるようになっている。

コーナ役物10は隅角部において上下方向に複数個設けら
れ、上下方向で隣接するコーナ役物10同士は長片11と短
片12とが左右逆方向となるように配置される（第２図参
照）。

第３図に示したように、千鳥状の縦目地３により凹凸状
となった外板14の側端部15,19には、コーナ役物10の長
片11と短片12とが交互に接続されている。従って、出隅
部の突端17を挟み左右より出会う外板14同士は側端部1
5,19とが連結され整合状態で接続されるようになってい
る。

上述の破目地外板用隅継部材の作用を説明する。

コーナ役物10の長片11と外板14の側端部15とが相欠継ぎ
で接続され、裏面における接続部が突端17から外寸法ｂ
分離れた裏面側に縦目地18として表われる。コーナ役物
10の短片12と外板14の側端部19とが端面同士で当接さ
れ、裏面側における接続部が突端17から外寸法ｂ分離れ
た裏面側に縦目地20として表われる。縦目地18と縦目地
20とは突端17から同一の寸法となり、コーナ役物10と外
板14との上下方向に隣接する縦目地18と縦目地20とが裏
面側で一致する。

上述の破目地外板用隅継部材によれば、コーナ役物10の
長片11と、この長片11と接続される外板14の側端部15と
を相欠継ぎとし、この接続部の裏面側の縦目地18が短片
12と側端部19との接続部の縦目地20と一致するようにし
たので、コーナ役物10と外板14との接続部の目地を裏面
側で鉛直線状とすることができる。この結果、コーナ役
物10と外板14との接合部における下地防水処理を直線状
に行うことができるようになる。

〈考案の効果〉 本考案に係る破目地外板用隅継部材は、外板裏面におけ
るコーナ役物の長片と側端部との縦目地が、コーナ役物
の短片と側端部との縦目地と一致し、鉛直線状となるの
で、コーナ役物と外板との接合部における下地防水処理
を直線状に容易に行うことができる。この結果、外板表
面の縦目地を乱すことなく、外板とコーナ役物との防水
施工性を著しく向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例に係る破目地外板用隅継部
材の長片が左側に配置されたコーナ役物を表す平面図、 第２図は、その長片が右側に配置されたコーナ役物を表
す平面図、 第３図は、破目地外板用隅継部材が用いられて接続され
た外板の出隅部を表す斜視図、 第４図は、タイル目地が形成された外板の出隅部におけ
る接合状態を表す斜視図を示す。 ２……横目地,10……コーナ役物,11……長片,12……短
片,14……外板,15,19……側端部,18,20……縦目地。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】等間隔に形成される横目地の間に千鳥状に
   縦目地が形成され側端部が前記千鳥状の縦目地をもって
   上下方向交互に凹凸状となる外板と、該外板が左右から
   出会う隅角部に設けられ長片と短片とが左右交互となる
   ように上下方向に複数個配設され左右の該外板の前記側
   端部同士を整合状態で接合するＬ字状のコーナ役物とか
   らなる破目地外板用隅継部材において、前記外板の裏面
   における前記側端部と前記コーナ役物との接合部が鉛直
   線状のの縦目地となって表われるように前記長片の裏面
   先端側と前記長片と接合される前記側端部とを相欠継ぎ
   としたことを特徴とする破目地外板用隅継部材。