JPH0754322Y2 - 振動ローラの起振力発生装置 - Google Patents

振動ローラの起振力発生装置

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JPH0754322Y2
JPH0754322Y2 JP9974791U JP9974791U JPH0754322Y2 JP H0754322 Y2 JPH0754322 Y2 JP H0754322Y2 JP 9974791 U JP9974791 U JP 9974791U JP 9974791 U JP9974791 U JP 9974791U JP H0754322 Y2 JPH0754322 Y2 JP H0754322Y2
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eccentric
shaft
vibrating
force
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兼希 荻山
和史 中川
洋 藤川
康博 中西
千晴 上田
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Kawasaki Jukogyo KK
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、振動ローラの起振力発
生装置に関し、特に起振力を可変し得る起振力可変手段
に加えて、起振力を強弱切り換える為の可動偏心錘を設
けたものに関する。
【0002】
【従来の技術】最近、路面転圧用の振動ローラにおいて
は、路盤やアスファルト路面など転圧する路面の性状に
適した大きさの起振力を発生させる為に、その起振力発
生装置に起振力を変える為の起振力可変機構を設けるの
が一般的である。前記起振力可変機構としては、例え
ば、実開昭57−184104号公報、実公平1−28
090号公報、実公平1−36967号公報などに記載
のように、種々の機構のものが提案されているが、これ
らの起振力可変機構は、基本的に起振軸に固定偏心錘
と、この固定偏心錘に対して相対回動する可動偏心錘を
設け、この可動偏心錘を固定偏心錘と同方向へ偏心した
強振位置と、固定偏心錘と反対方向へ偏心した弱振位置
とに切り換えることで起振力を変えるように構成してあ
る。
【0003】一方、本願出願人は、特公平3−3004
号に示すように、1対の偏心錘の基端部を起振軸に直交
する枢支軸により起振軸に回動自在に装着し、これら偏
心錘をそれらの基端部外周部に形成した同期用ギヤ部を
介して相対称に回動可能に構成し、起振軸の方向へ延び
るラック部材のラック歯を一方の同期用ギヤ部に噛合さ
せ、ラック部材を起振軸の方向へ移動させることで、同
期用ギヤ部を介して1対の偏心錘を回動させて偏心量を
変えるように構成した起振力可変機構付き起振力発生機
構を提案した。この装置によれば、偏心錘の回動角を無
段階に調節可能であるため、起振力を無段階に調節する
ことが出来る。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】前記複数の公報に記載
の起振力強弱2段階切換え式の起振力発生装置では、起
振力を強弱2段階に切り換え得るだけなので、路面の性
状に応じた最適の起振力を発生させることが難しい。前
記本願出願人が提案した起振力を無段階に切り換える起
振力可変起振機構付き起振力発生装置においては、起振
力を無段階に切り換え得る点で優れているが、例えば0
〜6トンもの範囲に亙って起振力を段階的又は無段階に
変えようとすると、偏心錘、同期用ギヤ部、ラック部材
などの諸部材が全て大型化し、ラック部材を移動駆動す
る油圧シリンダも大型化するため、ドラム内にコンパク
トに収容することが困難になること、また製作コストが
高価になること、耐久性の面で不安が残ること、などの
問題がある。本考案の目的は、起振力の可変幅を拡大で
き且つ起振力を多段階又は無段階に変えることが可能な
振動ローラの起振力発生装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る振動ロー
ラの起振力発生装置は、振動ローラのドラム内に設けら
れた起振軸と、この起振軸を正逆回転駆動可能な回転駆
動手段と、起振軸に取りつけた偏心錘と、起振軸に対す
る偏心錘の偏心量を変える為の起振力可変手段とを備え
た振動ローラの起振力発生装置であって、前記起振軸に
可動偏心錘を相対回転可能に設け、その可動偏心錘に1
対の被係止部を設け、前記起振軸に、それが正方向へ回
転するときに可動偏心錘が偏心錘と同方向へ偏心する姿
勢となるように一方の被係止部を係止する第1係止部
と、起振軸が逆方向へ回転するときに可動偏心錘が偏心
錘と反対方向へ偏心する姿勢となるように他方の被係止
部を係止する第2係止部とを設けたことを特徴とするも
のである。尚、起振力可変手段としては、起振力を2段
階に切り換えるもの或いは起振力を無段階に切り換える
ものを適用することが出来る。
【0006】請求項2に係る振動ローラの起振力発生装
置は、請求項1の装置において、前記偏心錘は、その基
端部において起振軸に直交する枢支軸を介して起振軸と
略平行に倒した倒伏位置と起振軸に対して略直交状に起
きた起立位置とに亙って回動可能に起振軸に取付けられ
たことを特徴とするものである。
【0007】請求項3に係る振動ローラの起振力発生装
置は、請求項2の装置において、前記偏心錘として、相
対称に回動可能な1対の偏心錘を設け、それら1対の偏
心錘の基端部外周部分に相噛合する同期用ギヤ部を形成
したことを特徴とするものである。
【0008】請求項4に係る振動ローラの起振力発生装
置は、請求項3の装置において、前記起振力可変手段
は、一方の偏心錘の同期用ギヤ部に噛合するラック歯を
有するラック部材と、このラック部材を起振軸の軸方向
へ移動可能な移動手段とを有することを特徴とするもの
である。
【0009】
【作用】請求項1に係る振動ローラの起振力発生装置に
おいては、回転駆動手段により起振軸を回転駆動する
と、起振軸に取りつけた偏心錘により起振力が発生す
る。起振力可変手段により起振軸に対する偏心錘の偏心
量を変えることで起振力の大きさを変えることができ
る。ここで、起振軸に可動偏心錘を相対回転可能に設
け、その可動偏心錘に1対の被係止部を設け、起振軸
に、それが正方向へ回転するときに可動偏心錘が偏心錘
と同方向へ偏心する姿勢となるように一方の被係止部を
係止する第1係止部と、起振軸が逆方向へ回転するとき
に可動偏心錘が偏心錘と反対方向へ偏心する姿勢となる
ように他方の被係止部を係止する第2係止部とを設けた
ので、起振軸が正方向へ回転するときには可動偏心錘が
偏心錘と同方向へ偏心して起振力が強化され、また起振
軸が逆方向へ回転するときには可動偏心錘が偏心錘と逆
方向へ偏心して起振力が弱められることになる。従っ
て、起振力を2段階に切り換える構成の起振力可変手段
を設けた場合には起振力を多段階に切り換え可能にな
り、また起振力を無段階に切り換える構成の起振力可変
手段を設けた場合には起振力の可変幅を拡大できる。
【0010】請求項2に係る振動ローラの起振力発生装
置においては、基本的に請求項1と同様の作用が得られ
るうえ、偏心錘は、その基端部において起振軸に直交す
る枢支軸を介して起振軸と略平行に倒した倒伏位置と起
振軸に対して略直交状に起きた起立位置とに亙って回動
可能に起振軸に取付けられているので、偏心錘が倒伏位
置のときに偏心錘による起振力が最少となり、偏心錘の
倒伏位置からの回動角の増大に応じて偏心錘による起振
力が増大し、偏心錘が起立位置のときに偏心錘による起
振力が最大となる。このように、偏心錘による起振力を
無段階に変えること出来る。
【0011】請求項3に係る振動ローラの起振力発生装
置においては、基本的に請求項2と同様の作用が得られ
るうえ、偏心錘として、相対称に回動可能な1対の偏心
錘を設け、それら1対の偏心錘の基端部外周部分に相噛
合する同期用ギヤ部を形成したので、個々の偏心錘を小
型化でき、同期用ギヤ部を介して1対の偏心錘を同期さ
せ相対称に回動させることができる。
【0012】請求項4に係る振動ローラの起振力発生装
置においては、基本的に請求項3と同様の作用が得られ
るうえ、起振力可変手段は、一方の偏心錘の同期用ギヤ
部に噛合するラック歯を有するラック部材と、このラッ
ク部材を起振軸の軸方向へ移動可能な移動手段とを有す
るので、ラック部材を介して1対の偏心錘を相対称に回
動させて起振力を無段階に変えることが出来る。
【0013】
【考案の効果】請求項1に係る振動ローラの起振力発生
装置によれば、前記作用の項で説明したように、起振軸
と、偏心錘と、回転駆動手段と、起振力可変手段とを備
えた振動ローラの起振力発生装置において、可動偏心錘
と、1対の被係止部と、第1係止部及び第2係止部とを
設けたことにより、起振軸が正方向へ回転するときには
可動偏心錘が偏心錘と同方向へ偏心して起振力が強化さ
れ、また起振軸が逆方向へ回転するときには可動偏心錘
が偏心錘と逆方向へ偏心して起振力が弱められることに
なる。つまり、起振力を2段階に切り換える構成の起振
力可変手段を設けた場合には起振力の可変幅を拡大して
起振力を多段階に切り換え可能になり、また起振力を無
段階に切り換える構成の起振力可変手段を設けた場合に
は起振力の可変幅を拡大できる。このように、起振力の
可変幅を拡大する為に偏心錘を大型化しなくともよいの
で、ドラム内に起振力発生装置を配置するレイアウト性
に優れ、設計・製作上も有利である。
【0014】請求項2に係る振動ローラの起振力発生装
置によれば、基本的に請求項1と同様の効果が得られる
うえ、偏心錘をその基端部において起振軸に直交する枢
支軸を介して起振軸と略平行に倒した倒伏位置と起振軸
に対して略直交状に起きた起立位置とに亙って回動可能
に起振軸に取付けたことにより、偏心錘による起振力を
無段階に変えること出来る。
【0015】請求項3に係る振動ローラの起振力発生装
置によれば、基本的に請求項2と同様の効果が得られる
うえ、偏心錘として相対称に回動可能な1対の偏心錘を
設け、それら1対の偏心錘の基端部外周部分に相噛合す
る同期用ギヤ部を形成したので、個々の偏心錘を小型化
でき、同期用ギヤ部を介して1対の偏心錘を同期させ相
対称に回動させることができる。
【0016】請求項4に係る振動ローラの起振力発生装
置によれば、基本的に請求項3と同様の効果が得られる
うえ、起振力可変手段は、一方の偏心錘の同期用ギヤ部
に噛合するラック歯を有するラック部材と、このラック
部材を起振軸の軸方向へ移動可能な移動手段とを有する
ので、ラック部材を介して1対の偏心錘を相対称に回動
させて起振力を無段階に変えることが出来る。
【0017】
【実施例】以下、本考案の実施例について図面を参照し
ながら説明する。図1〜図2に示すように、振動ローラ
Rは、その車体フレーム1の前部に設けられた前部ドラ
ム2と、車体フレーム1の後部に設けられた後部ドラム
3とを有し、車体フレーム1の前後方向中央部にはエン
ジンを収容したエンジンルーム4が設けられ、車体フレ
ーム1の後部上には運転席のシート5が設けられてい
る。前部ドラム2は車体フレーム1の左右1対のブラケ
ット部材7に取付けられ、また後部ドラム3は車体フレ
ーム1の左右1対のブラケット部材8に取付けられてい
る。図2に図示のように、後部ドラム3は、鋼製の円筒
状のドラム本体10と、これに一体に固着された1対の
円形板11と、これら円形板11同士を連結する円筒部
材12とを主体として構成され、後部ドラム3内には起
振力発生装置13と、走行駆動装置14とが設けられて
いる。尚、前部ドラム2内には起振力発生装置13と同
様のものが設けられている。
【0018】後部ドラム3において、走行駆動装置14
は、後部ドラム3の右端部内に配設されてブラケット部
材8の内部支持板8aに取付けられ、走行駆動用の油圧
モータ15は内部支持板8aに取付けられ、走行駆動装
置14のギヤボックス16からなる出力部にはリング状
板部材17が外嵌固定され、このリング状板部材17は
4個の防振用のゴム部材18を介して後部ドラム3に固
定のドラム側リング部材19に連結され、走行駆動装置
14の油圧モータ15の回転駆動力がギヤボックス16
内の遊星歯車減速機構により減速されてリング状板部材
17とドラム側リング部材19に伝達されて後部ドラム
3が前進方向又は後進方向へ回転駆動される。
【0019】図2・図3に示すように、後部ドラム3の
左端側部をブラケット部材8に枢支する枢支機構につい
て説明すると、左側の円形板11の中央部には後部ドラ
ム3と同心状のボス部材20が固定され、ボス部材20
の筒部21には筒状部材22が軸受23を介して外嵌さ
れ、ブラケット部材8の内部支持板8bとボス部材20
との略中間位置には筒状部材22と直交状の支持板24
が設けられ、筒状部材22は支持板24に挿通して支持
板24に固着され、内部支持板8bと支持板24は図2
に示すように4個の防振用のゴム部材25により連結さ
れている。次に、図2〜図6に基いて、後部ドラム3内
に組み込まれた起振力発生装置13とその起振力可変機
構について説明する。
【0020】円筒部材12内のドラム軸心部にはスパン
中央部分がU字状断面の起振軸30が設けられ、起振軸
30の左端部は軸受31を介してボス部材20に枢支さ
れ、また起振軸30の右端部は軸受32を介して右側の
円形板11の中央部に固定された軸受支持部材33に枢
支され、起振軸30の左右方向中間部分には左右1対の
偏心錘34であってドラム軸心Xから偏心した重心を有
する偏心錘34が設けられ、これら偏心錘34の基端部
34aは起振軸30に直交状の支軸35により回動自在
に夫々枢着され、各偏心錘34には基端部34aから一
体的に延びる質量部34bが形成されている。尚、支軸
35の軸心はドラム軸心Xから少距離だけ偏心してい
る。
【0021】各偏心錘34の基端部34aの外周部には
同期用のギヤ歯36が形成され、両偏心錘34のギヤ歯
36は相互に噛合して両偏心錘34は図3の鉛直面P
(これは、両支軸35の中間に位置し且つ起振軸30に
直交している)に対して相対称に回動するように構成さ
れ、両偏心錘34は2点鎖線で図示のように起振軸30
の溝37内に倒伏して起振軸30と平行に位置した倒伏
位置と、実線で図示のように起振軸30に対して略直交
する状態に起きた起立位置とに亙って回動可能に構成さ
れ、回動角θの増大に応じてドラム軸心Xに対する偏心
錘34の重心の偏心距離が増大する。また、起振軸30
内には左側の偏心錘34のギヤ歯36に噛合するラック
歯38を有するラック部材39が配設され、その左端部
の軸状部39aは起振軸30の左端側部分の軸孔40に
軸方向移動自在に挿入され、またラック部材39の右端
の軸状部39bは起振軸30の右側部分の軸孔41に軸
方向に移動自在に挿入され、軸状部39bにはその右端
からバネ孔42が形成され、起振軸30の右端部に固定
されたレース支持部材43のバネ案内軸部43aがバネ
孔42内へ挿入され、軸孔41とバネ孔42内に装着さ
れた圧縮コイルバネ44によりラック部材39は左方へ
強力に付勢されている。尚、符号45はスラスト軸受で
ある。
【0022】更に、起振軸30の左右両端近傍部分に
は、ドラム軸心Xと同心の軸部46が夫々形成され、こ
れら軸部46にはドラム軸心Xから偏心した重心を有す
る可動偏心錘47が夫々回転自在に取付けられている。
図6に図示のように、各可動偏心錘47は、外周側に位
置する質量部47aを有し、この質量部47aの両端部
には周方向と交差する被係止面48aを有する被係止部
48が形成され、起振軸30の左右の軸部46の片側の
側部には係止部材49(但し、両係止部材49は同一側
に設けられている)が固着または一体形成され、各係止
部材49には、起振軸30が図6にて時計回り方向へ正
転するときに、対応する可動偏心錘47を偏心錘34と
同方向へ偏心させた姿勢にしてその可動偏心錘47の一
方の被係止部48を係止する第1係止部50と、起振軸
30が図6にて反時計回り方向へ逆転するときに、対応
する可動偏心錘47を偏心錘34と反対方向へ偏心させ
た姿勢にしてその可動偏心錘47の他方の被係止部48
を係止する第2係止部51とが形成されている。
【0023】次に、起振軸30を回転駆動する回転駆動
機構について説明すると、図3、図4に示すように、前
記筒状部材22の右端にはモータ取付け部材60が固定
され、モータ取付け部材60の筒状部61はボス部材2
0の筒部21内に左方より挿入され、モータ取付け部材
60の左端壁の中心部外側には油圧モータ62が取付け
られ、油圧モータ62のスプライン出力軸63にはスプ
ライン筒64が外嵌係合され、筒状部61内のシリンダ
孔65にはピストン部材66が装着され、スプライン筒
64はピストン部材66の軸孔にブッシュ101を介し
て摺動自在に挿通され、ピストン部材66に軸受67を
介して支持されたスプライン軸部材68の左端側部分の
スプライン軸68aはスプライン筒64に内嵌係合さ
れ、またスプライン軸部材68の右端側部分のスプライ
ン軸68bは起振軸30の左端部のスプライン孔69に
内嵌係合されるとともにスプライン軸68bの右端部は
ラック部材39に当接している。
【0024】前記油圧モータ62は、それに油圧を供給
する油圧ポンプに接続された油圧供給回路中に設けた切
換弁を切換えることで油圧の給排方向を切り換えて回転
方向を正逆切り換え可能であり、この油圧モータ62の
スプライン出力軸63の回転駆動力は、スプライン筒6
4とスプライン軸部材68とを介して起振軸30に伝達
され、起振軸30が油圧モータ62の回転方向と同方向
へ回転駆動される。前記筒状部61内のシリンダ孔65
とピストン部材66とで構成される油圧シリンダ70
は、ラック部材39を軸方向へ移動駆動する為のもの
で、油圧供給ポート71から油路72により油圧シリン
ダ70の油室73に油圧を供給すると、ピストン部材6
6とスプライン軸部材68とが右方へ移動するためラッ
ク部材39がバネ44の弾性力に抗して右方へ移動駆動
されて回動角θ減少方向へ偏心錘34が回動され、また
油圧シリンダ70の油室73の油圧を排出させるとその
排出量に対応する距離だけラック部材39がバネ44の
弾性力により左方へ移動駆動されて回動角θ増加方向へ
偏心錘34が回動される。従って、油圧シリンダ70に
よりラック部材39の軸方向位置を制御することにより
両偏心錘34の回動角θを自由に設定することができ
る。このように、両偏心錘34の回動角θを増加させる
ことで起振力を大きくし、また両偏心錘34の回動角θ
を減少させることで起振力を小さくすることが出来る。
【0025】前記偏心錘34の回動角θは、ラック部材
39の軸方向位置と対応しているため、ラック部材39
の軸方向位置つまりピストン部材66の軸方向位置から
偏心錘34の回動角θを検出することが出来る。そこ
で、ピストン部材66の位置を検出するため、モータ取
付け部材60の左端壁にはリニアポテンショメータ74
が付設され、その検出子74aは筒状部61のスリット
75を挿通してピストン部材66に固定された連結具7
6に連結され、ピストン部材66の軸方向位置をリニア
ポテンショメータ74により検出可能に構成してある。
尚、このリニアポテンショメータ74の検出信号は、運
転席のコントロールユニットへ供給されて、その検出信
号に基いて偏心錘34の回動角θ又は偏心錘34による
起振力がディスプレイに表示されるように構成してあ
る。次に、以上説明した振動ローラRの起振力発生装置
13の作用について説明する。前記油圧シリンダ70へ
供給する油圧量に応じて、ラック部材39が移動し、ピ
ストン部材66を左限界位置に保持すると偏心錘34の
回動角θは最大の80度となり、またピストン部材66
を右方へ移動させていくと回動角θが減少していき、ピ
ストン部材66が右限界位置のとき回動角θは0度にな
る。前記油圧モータ62を正転させると、両可動偏心錘
47の被係止部48が係止部材49の第1係止部50で
係止されるため、両可動偏心錘47は偏心錘34と同方
向へ同位相に偏心し、また油圧モータ62を逆転させる
と、両可動偏心錘47の被係止部48が係止部材49の
第2係止部51で係止されるため、両可動偏心錘47は
偏心錘34と逆方向へ逆位相に偏心することになる。
【0026】前記油圧モータ62を正転又は逆転させる
と、両偏心錘34と両可動偏心錘47に作用する遠心力
により後部ドラム3は上下方向、前後方向を含む全方向
へ振動するため、主に上下方向起振力により路面を転圧
することが出来る。ここで、油圧モータ62を所定の定
格回転数で駆動するものとし、起振力は両偏心錘34に
よる起振力を正とし、またその反対方向の起振力を負と
して説明する。両偏心錘34による起振力をF1、両可
動偏心錘47による起振力をF2とすると、例えば図7
に図示のように、 F1=1.5〜4.5 ton (θ=0〜80度)、 F2=+1.5 ton(可動偏心錘が偏心錘と同方向へ偏心)又は −1.5 ton(可動偏心錘が偏心錘と反対方向へ偏心) 従って、合計起振力F(=F1+F2)は次のようになる。 F=3.0〜6.0 ton(可動偏心錘が偏心錘と同方向へ偏心)又は 0.0〜3.0 ton(可動偏心錘が偏心錘と反対方向へ偏心) 図7において、直線Bは、両偏心錘34の起振力の特
性、直線Cは両可動偏心錘47が両偏心錘34と同方向
へ偏心した同位相のときの両可動偏心錘47による起振
力の特性、直線Dは両可動偏心錘47が両偏心錘34と
反対方向へ偏心した逆位相のときの両可動偏心錘47に
よる起振力の特性、直線Eは両可動偏心錘47を両偏心
錘34と同方向へ偏心させたときの全部の偏心錘34・
47による合計起振力の特性、直線Fは両可動偏心錘4
7を両偏心錘34と逆方向へ偏心させたときの全部の偏
心錘34・47による合計起振力の特性である。尚、図
7の特性は回動角θに対してリニアではないが、概略的
にリニアに図示した。
【0027】このように、偏心錘34の回動角θを変え
るとともに、可動偏心錘47の偏心方向を同位相又は逆
位相に切り換えることによって、合計起振力Fを0〜6
tonの範囲に亙って連続的に無段階に変えることが出
来る。それ故、転圧する路面の性状に応じて強弱所望の
起振力で以て転圧できるから、転圧性能を高めて転圧作
業能率を格段に高め、且つ転圧の仕上がりを飛躍的に向
上させることが出来、汎用性において非常に優れたもの
となる。本願の起振力発生装置によれば、1対の偏心錘
34を設けたため偏心錘34を小型化でき、偏心錘34
の回動角θを変えることで起振力を無段階に変えること
ができ、ラック・ピニオン機構を介して偏心錘34の回
動角θを変える構成としたため起振力可変機構の構成を
簡単化でき、同位相・逆位相に切り換え可能な1対の可
動偏心錘47を設けたことにより偏心錘34を大型する
ことなく起振力の可変幅を拡大でき、1対の可動偏心錘
47を設けたため、可動偏心錘47を小型化でき、偏心
錘34や可動偏心錘47を小型化したことによりドラム
内へのレイアウト性を高め、設計・製作上も有利となっ
た。尚、前記実施例において、偏心錘34と可動偏心錘
47の質量や偏心距離の設定如何により、逆位相のとき
の合計起振力Fが1.5〜3.0tonで、同位相のと
きの合計起振力Fが4.5〜6.0tonなどのよう
に、必ずしも起振力が連続的に変化する必要はなく、不
連続的に変化するように構成してもよい。
【0028】尚、前記実施例の両偏心錘34とラック部
材39の代わりに、既存の種々の起振力強弱2段階切り
換え式の起振力発生機構であって、起振軸30に、固定
偏心錘と回動偏心錘(これは、例えば油圧シリンダ70
により、固定偏心錘と同位相又は逆位相に択一的に切り
換えられる)とを主体とする起振力発生機構を設けても
よい。この場合、固定偏心錘と回動偏心錘による起振力
が起振力弱モードのときに2.25tonで、起振力強
モードのときに5.25tonであるとし、前記可動偏
心錘47による起振力が+0.75ton又は−0.7
5tonであるとすると、これらの組合せにより、1.
5ton、3.0ton、4.5ton、6.0ton
の4通りの起振力を発生させることが出来る。このよう
に、起振力を多段階に切り換え可能であれば、従来装置
と比較して格段に性能が向上し十分に実用に耐えるもの
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】振動ローラの側面図である。
【図2】後部ドラムの縦断面図である。
【図3】後部ドラムの起振力発生装置の縦断面図であ
る。
【図4】前記起振力発生装置の要部横断面図である。
【図5】図3の5−5線拡大断面図である。
【図6】図3の6−6線拡大断面図である。
【図7】起振力の特性図である。
【符号の説明】
R 振動ローラ 3 後部ドラム 13 起振力発生装置 30 起振軸 34 偏心錘 36 ギヤ歯 38 ラック歯 39 ラック部材 47 可動偏心錘 48 被係止部 49 係止部材 50 第1係止部 51 第2係止部 62 油圧モータ 64 スプライン筒 68 スプライン軸部材 70 油圧シリンダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 中西 康博 兵庫県加古郡稲美町岡2680番地 川崎重工 業株式会社 播州工場内 (72)考案者 上田 千晴 兵庫県加古郡稲美町岡2680番地 川崎重工 業株式会社 播州工場内 (56)参考文献 特開 昭57−187405(JP,A) 実開 昭57−184104(JP,U) 実開 昭50−80214(JP,U) 特公 平3−3004(JP,B2) 実公 平1−28090(JP,Y2)

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動ローラのドラム内に設けられた起振
    軸と、この起振軸を正逆回転駆動可能な回転駆動手段
    と、起振軸に取りつけた偏心錘と、起振軸に対する偏心
    錘の偏心量を変える為の起振力可変手段とを備えた振動
    ローラの起振力発生装置であって、 前記起振軸に可動偏心錘を相対回転可能に設け、その可
    動偏心錘に1対の被係止部を設け、前記起振軸に、それ
    が正方向へ回転するときに可動偏心錘が偏心錘と同方向
    へ偏心する姿勢となるように一方の被係止部を係止する
    第1係止部と、起振軸が逆方向へ回転するときに可動偏
    心錘が偏心錘と反対方向へ偏心する姿勢となるように他
    方の被係止部を係止する第2係止部とを設けたことを特
    徴とする振動ローラの起振力発生装置。
  2. 【請求項2】 前記偏心錘は、その基端部において起振
    軸に直交する枢支軸を介して起振軸と略平行に倒した倒
    伏位置と起振軸に対して略直交状に起きた起立位置とに
    亙って回動可能に起振軸に取付けられたことを特徴とす
    る請求項1に記載の振動ローラの起振力発生装置。
  3. 【請求項3】 前記偏心錘として、相対称に回動可能な
    1対の偏心錘を設け、それら1対の偏心錘の基端部外周
    部分に相噛合する同期用ギヤ部を形成したことを特徴と
    する請求項2に記載の振動ローラの起振力発生装置。
  4. 【請求項4】 前記起振力可変手段は、一方の偏心錘の
    同期用ギヤ部に噛合するラック歯を有するラック部材
    と、このラック部材を起振軸の軸方向へ移動可能な移動
    手段とを有することを特徴とする請求項3に記載の振動
    ローラの起振力発生装置。
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