JP2805287B2 - 振動タイヤローラ - Google Patents

振動タイヤローラ

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JP2805287B2
JP2805287B2 JP13200995A JP13200995A JP2805287B2 JP 2805287 B2 JP2805287 B2 JP 2805287B2 JP 13200995 A JP13200995 A JP 13200995A JP 13200995 A JP13200995 A JP 13200995A JP 2805287 B2 JP2805287 B2 JP 2805287B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可変振幅振動機構を備
えた振動タイヤローラに関し、特に、自走搭乗型の振動
タイヤローラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】路面転圧用の振動ローラは、従来、鉄輪
に振動機構を取り付けたものが広く使用されている。こ
の鉄輪の振動ローラでは、例えば締固めの対象が非粘性
粒状物の場合、振動を加えての転圧時に、転圧面にクラ
ックが生じることが多い。これは、粘性の少ない転圧面
に鉄輪による過大な剪断力が作用し、クラックを発生し
易いためである。また、鉄輪の振動ローラの場合、鉄輪
が転圧面を叩きながら締固めるため、作業中に大きな騒
音を発生する問題がある。
【0003】これに対して、タイヤを付けた振動ローラ
は、被牽引式のものが過去に提案され、採用されてい
る。例えば実開昭57−31307号公報に示されるも
のは、フレーム上部に起振機を取り付け、フレームに固
定されたアームを通じてタイヤ軸を振動させる方式で、
ブルドーザの排土板の連結部材を介して牽引された土工
用の振動タイヤローラである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この被牽引式の振動タ
イヤローラは、フレーム等の剛性がないと、振動がタイ
ヤまで伝わりにくく、また、剛性を上げるために大きな
部材を使用すると、振動部の重量が大きくなるため、転
圧面に大きな振動力を作用させるには、より大きな起振
力を必要とする。また、従来の振動タイヤローラにおい
ては、起振軸の所定回転における振動の振幅の値につい
ては、一定であったが、種々の転圧材料および作業状況
に最適に対応するためには、振幅を変える必要があっ
た。
【0005】一方、タイヤに振動を与える場合、タイヤ
のバネ定数とタイヤ部の質量により共振点を持ち、ま
た、フレームを防振部材で支持するときは、防振部材の
バネ定数とフレームの質量により共振点を持つ。そし
て、特に振動タイヤローラの場合タイヤのバネ定数が小
さいため変位が大きく、共振点で鉄輪の場合に比べ大き
く振動する。したがって、振動の停止および起動を偏心
軸の回転,停止によっている従来の起振機構では、共振
点通過時にタイヤ部とフレームが非常に大きく振動し、
路面の平坦性を大幅に損なってしまい、フレームおよび
動力部に悪影響を与える。また、自走式の場合は、フレ
ームの振動により、オペレータの疲労を招くことから、
従来は止むを得ず機動性のよくない被牽引方式の振動タ
イヤローラを用いているのが実情である。そして、振動
タイヤローラの固有の現象として、共振点を通過する際
に、タイヤの振動に伴う非常に大きな振動で、起振軸の
偏心軸に起振軸の回転する加速度とは逆方向の加速度が
加わり、それ以上、起振軸用の油圧モータの回転が上が
らなくなったりする現象も発生する。もちろん、余裕の
ある機器を用いれば、回避できるが、容量の大きな機器
が必要となる。通常、道路転圧用の振動ローラの場合、
走行停止時に、振動を発生し続けていると、その停止し
た場所だけが、沈み込むので、停止時および往復転圧作
業時の前後進切換え時には、振動停止するが、今までの
振動タイヤローラの場合、そのようにすると、さらに悪
い結果となっていた。
【0006】本発明は、従来の振動タイヤローラが有す
る上記のような問題点を解決し、可変振幅振動機構を採
用することにより、振動の起動および停止時に共振する
ことなく、タイヤおよびフレームが大きく振動しない、
自走搭乗型の振動タイヤローラを提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、第1に、フレームに防振部材と軸受を
介して支承されたタイヤ取付手段と、このタイヤ取付手
段に取り付けたタイヤと、前記タイヤ取付手段に軸支さ
れ、起振用駆動源により回転する起振軸と、この起振軸
に枢支した偏心錘を可動として起振軸の重心に対して偏
位させ、振動の振幅を変える可変振幅振動機構とを備え
ることを特徴とする振動タイヤローラを構成した。
【0008】本発明は、第2に、前記タイヤ取付手段
は、起振機ケースを兼ねることを特徴とする前記第1の
発明に係る振動タイヤローラを構成した。また、第3
に、前後進レバーの操作によって前進・中立・後進の各
位置を選択し走行駆動系に進行・停止の指令を与える前
後進操作装置と、前記前後進レバーの中立位置を検出す
る前後進レバー中立位置検出手段と、この前後進レバー
中立位置検出手段からの中立位置信号により、起振軸の
重心を実質的に起振軸の軸心上に位置せしめる起振軸偏
心量制御手段とを備える前記第1の発明に係る振動タイ
ヤローラを構成した。
【0009】本発明は、第4に、走行速度を検出する走
行速度検出手段と、速度設定手段と、走行速度検出手段
からの信号と速度設定手段からの信号とを比較して、走
行速度検出手段における走行速度と速度設定手段におけ
る速度の大小を比較する速度比較手段とを備え、速度比
較手段からの信号にもとずき、走行速度検出手段におけ
る走行速度が速度設定手段における速度より小さくなっ
たときに、起振軸の重心を実質的に起振軸の軸心上に位
置せしめる起振軸偏心量制御手段とを備える前記第1の
発明に係る振動タイヤローラを構成した。
【0010】
【作用】請求項1については、振動タイヤローラの起振
軸は、タイヤ取付手段に軸支され、可変振幅振動機構を
備えているので、起振機からタイヤへの振動の伝達が効
率よく、かつ、振動振幅を変えることが可能である。こ
れは、タイヤ取付手段が起振機ケースを兼ねる請求項2
の構成とすることにより、より有効に作用する。請求項
3については、前後進レバーの位置を前進または後進か
ら中立に切換えると、前後進レバー中立位置検出手段が
中立位置を検出し、この中立位置信号により、起振軸偏
心量制御手段が、起振軸の重心を実質的に起振軸の軸心
上に位置せしめ、振動を生じさせないようにする。ま
た、請求項4については、走行速度が、予め定めた速度
より小さくなると、起振軸の重心を実質的に起振軸の軸
心上に位置せしめる。
【0011】
【実施例】以下に、本発明の第1の実施例を図面に基づ
き詳細に説明する。本発明の振動タイヤローラに用いる
前後進操作装置は、どのような構成でもかまわないが、
本例では、図3に示すものを用いた。すなわち、前後進
操作装置60は、前後進レバー30の操作によって前進
位置A・中立(停止)位置B・後進位置Cの各位置を選
択し、この前後進レバー30と連動する制御レバー34
により、走行駆動用の可変容量ポンプ33の回転方向と
回転速度を変え、走行駆動系に進行・停止の指令を与え
る。
【0012】基軸31には、カム36が一体に形成さ
れ、また、前後進レバー30を取付けてあるフレーム3
7には、前後進レバー中立位置検出手段としての中立位
置検出リミットスイッチ38を設けてある。中立位置検
出リミットスイッチ38は、カム36の動きによって、
前後進レバー30が前進位置Aまたは後進位置Cにある
か、中立位置Bにあるかを検出する。
【0013】図1は、本発明に係る振動タイヤローラの
一実施例を示す平面断面図である。左側のフレーム11
には、防振ゴムにより構成される防振部材12Aを介し
て支持体13Aが取着され、この支持体13Aに減速機
付走行駆動用モータ14を取り付ける。この減速機付走
行駆動用モータ14の回転駆動部14aが、タイヤ取付
手段2の一端に固定され、回転駆動部14a内の図示し
ていない軸受で支持体13Aとタイヤ取付手段2は軸支
されている。タイヤ取付手段2は、径の異なる複数のタ
イヤ取付部材2a,2b,2c,2d,2eを、ボルト
2g,2h,2i,2jで締付け固定し、組合せて構成
した横長の構成部材(本例では、中空体)からなり、起
振機ケース3を兼ねる。タイヤ取付手段2の複数のタイ
ヤ取付け位置には、ディスクホイール17a,17b,
17c,17dをボルト21a,21b,21c(タイ
ヤ取付用のボルト2iと兼用),21dにより取り付
け、これに複数のタイヤホイール1a,1b,1c,1
dを装着している。このように、タイヤ取付手段2によ
り、タイヤホイール1a,1b,1c,1dを取り付け
ているので、効率的に振動をタイヤに伝えることができ
る。タイヤ取付手段2は、前記回転駆動部14aの回転
駆動により転動する。
【0014】一方、右側のフレーム11′には、防振ゴ
ムにより構成される防振部材12Bを介して支持体13
Bを取着し、この支持体13Bの軸受部材13B′に、
軸受16を介してタイヤ取付手段2の他端を取り付け
る。タイヤ取付手段2の一部である起振機ケ−ス3の内
部には、2枚の板状の支持部材18,18を離間して対
向するように配設する。そして、この板状の支持部材1
8,18間に、偏心錘6aを有する枢軸6を軸着する。
板状の支持部材18,18の左側の端部には、蓋材19
を被着し、この蓋材19に形成したボス部材20を、起
振機ケ−ス3の左側寄りに軸受22aを介して軸支す
る。
【0015】板状の支持部材18,18の右側の端部に
は、後述するジョイント23をガイドする円筒状のガイ
ドケース10aを一体的に取付け、このガイドケース1
0aを、起振機ケース3の右側寄りに軸受22bを介し
て軸支する。この円筒状のガイドケース10aの右端に
は、中心部に軸穴24aを形成したシャフト24の一端
が結合され、シャフト24の他端部寄りにはギヤ25が
取付けられる。前記右側の支持体13Bの軸受部材13
B′の端部におけるタイヤ1の軸心と一致する位置に
は、アクチュエータとしての油圧シリンダ7を装着す
る。この油圧シリンダ7からの推進軸であるロッド7a
は、前記シャフト24の軸穴24aに挿通され、その先
端部にジョイント23を設けている。このジョイント2
3は、ロッド7a側に回転可能に軸受27を介して支持
されている。このジョイント23には、コネクティング
ロッド8の一端が接続される。コネクティングロッド8
は、その他端が可動偏心錘6a側に接続され、ジョイン
ト23からの直線運動の変位を枢軸6まわりの回転運動
の変位に変える。
【0016】また、前記右側の支持体13Bの軸受部材
13B′の端部には、タイヤ1の軸心と異なる位置に、
支持部材28を介して起振用駆動油圧モ−タ9を設置
し、その駆動軸9aにギヤ29を取付け、これを前記シ
ャフト24に取付けたギヤ25と噛合させ、起振用駆動
油圧モ−タ9の駆動力をシャフト24に伝達する。した
がって、シャフト24,ガイドケース10a,板状の支
持部材18,18およびボス部材20のそれぞれは、本
発明における起振軸10を構成する。また、油圧シリン
ダ7,そのロッド7a,偏心錘6aが連結されたコネク
ティングロッド8および偏心錘6aを有する起振軸10
のそれぞれは、同じく可変振幅振動機構4を構成する。
【0017】なお、可変振幅振動機構として、上記の実
施例では、コネクティングロッドとジョイントを使用す
る場合について説明したが、例えばピニオンとラックに
より偏心錘を回転させる等の従来公知の他の手段を採用
してもよい。
【0018】振動タイヤローラの振動を停止するとき
は、起振軸10の重心が起振軸10の軸心に位置するよ
うに、図2の(a)に示すように、油圧シリンダ7のロ
ッド7aを縮退させ、偏心錘6aを直立状態として、起
振軸10に対する偏心錘6aの重量配分を均等としてい
る。一方、振動タイヤローラに振動を与えるときは、油
圧シリンダ7のロッド7aを伸張させ、図2の(b)に
示すように、偏心錘6aが起振軸10に対して一側に偏
るように偏心錘6aを枢軸6を中心に回転し、起振軸1
0の重心を起振軸10の軸心に対して偏位させる。
【0019】この場合、起振軸10の重心が起振軸10
の軸心に位置させた図2の(a)の状態から、偏心錘6
aを枢軸6を中心に90゜近く回転させた図2の(b)
の実線に示す状態としたときは、偏心錘6aが、起振軸
10に対して一側に大きく偏り、振動の振幅は高く
(H)なる。また、同様に、偏心錘6aを枢軸6を中心
に45゜程度回転させた同図の鎖線に示す状態としたと
きは、偏心錘6aが起振軸10に対する偏りは少なく、
振動の振幅は低く(L)なる。この高振幅と低振幅の切
換えは、図4および図6に示す起振軸偏心量制御手段4
0を作動させる振幅切換えスイッチ43により行う。
【0020】起振軸偏心量制御手段40は、図4に示す
信号回路図および図6に示す油圧回路図を参照して、油
圧ポンプ47と、起振軸10の軸線上に配設される油圧
シリンダ7と、そのロッド7aと、ロッド7aの軸まわ
りに回転可能に取り付けられたジョイント23と、一端
をジョイント側に接続し、他端を偏心錘6a側に接続し
たコネクティングロッド8と、油圧ポンプ47から油圧
シリンダ7に圧油を供給する油圧回路中に介設された電
磁切換弁44等から構成される。
【0021】そして、図4に示す信号回路図中には、振
幅モード設定手段としての振幅切換スイッチ43が設け
られ、図6に示す油圧回路図における油圧ポンプ41か
ら油圧ポンプ41に至る経路中の電磁切換弁42を作動
させる。この振幅切換スイッチ43を、低振幅(L)ま
たは高振幅(H)に設定している状態では、常に、電磁
切換弁42の電磁コイル Sol1に電流が送られ、油圧ポ
ンプ41から圧油が供給されて、起振用駆動油圧モータ
9は回転し、したがって起振軸10は所定の方向に回転
している。振幅切換スイッチ43をOFF に設定すると、
電磁切換弁42に電流が送られず、油圧ポンプ41から
圧油が供給されず、起振用駆動油圧モータ9の回転は止
まり、起振軸10の回転も止まる。
【0022】一方、起振軸10の偏心錘6aを可動とし
て起振軸の重心を起振軸の軸心に対して偏位させるた
め、油圧ポンプ47から油圧シリンダ7に圧油を供給す
る油圧回路中には、電磁切換弁44が介設されている。
前記中立位置検出リミットスイッチ38が前後進レバー
30の中立(N)の設定位置を検出しているときは、電
磁切換弁44の電磁コイル Sol2に電流が送られ、油圧
シリンダ7のロッド7aを縮退させる。そして、偏心錘
6aを直立させた図2の(a)に示す状態とすることに
より、起振軸10の重心を起振軸10の軸心に位置させ
る。
【0023】また、前記振幅切換スイッチ43を低振幅
(L)または高振幅(H)に設定している状態で、中立
位置検出リミットスイッチ38が、前後進レバー30の
前進(F)または後進(R)の位置を検出しているとき
は、電磁切換弁44の電磁コイル Sol3に電流が送ら
れ、油圧シリンダ7のロッド7aを伸張させる。そして
偏心錘6aを起振軸10に対して偏らせた図2の(b)
に示す状態とすることにより起振軸10の重心を起振軸
10の軸心位置から偏位させる。
【0024】例えば、振幅切換スイッチ43を低振幅
(L)に設定しているときは、シリンダロッド7aが所
定の低振幅相当の位置まで変位したところで、油圧シリ
ンダ7の本体のほぼ中間位置に設けた、起振軸偏心量検
出手段としての偏心量のセンサであるLポジションセン
サ45は、電磁切換弁44の電磁コイル Sol3に電流を
送るのを停止する。すると、電磁切換弁44は、中間位
置に切換わり、油圧シリンダ7への作動油の供給を止
め、油圧シリンダ7の伸張動作も、その位置で停止す
る。その結果、偏心錘6aは、図2の(b)の鎖線に示
す、起振軸10に対して比較的少ない偏りの状態を保ち
つつ、起振軸10が回転し、低振幅の振動を発生するこ
ととなる。また、振幅切換スイッチ43を高振幅(H)
に設定しているときは、シリンダロッド7aが低振幅相
当の位置を通り過ぎ、さらに、所定の高振幅相当の位置
まで変位したところで、同様に、Hポジションセンサ4
6は、電磁切換弁44の電磁コイル Sol3に電流を送る
のを停止する。すると、電磁切換弁44は、中間位置に
切換わり、油圧シリンダ7への作動油の供給を止め、油
圧シリンダ7の伸張動作も、その位置で停止する。その
結果、偏心錘6aは、図2の(b)の実線に示す、起振
軸10に対して大きく偏った状態を保ちつつ、起振軸1
0が回転し、高振幅の振動を発生することとなる。な
お、図4における符号39は、自動と手動とを切換える
自動手動切換えスイッチであり、前後進レバーの位置に
応じて自動的に振動の発生・停止を行わせるか、常に振
動させるかを選択するスイッチである。
【0025】次に、上記の構成からなる振動タイヤロー
ラの起振装置の作動について説明する。振動タイヤロー
ラの運転作業者は、路面の締固め作業を行うに当り、先
ず、前後進レバー30を中立位置Bに設定し、締固める
べき路面の状況に応じて振幅切換スイッチ43をオフ状
態から低振幅(L)または高振幅(H)に切り換える。
この切換え操作により、電磁切換弁42の電磁コイル S
ol1に電流が送られ、油圧ポンプ41から圧油が供給さ
れ、起振用駆動油圧モータ9は回転し、起振軸10は所
定の方向に回転する。この状態では、前後進レバー30
は中立位置Bにあるため中立位置検出リミットスイッチ
38が電磁切換弁44の電磁コイル Sol2に中立位置信
号を送り、油圧シリンダ7のロッド7aを縮退させ、起
振軸10の重心は起振軸10の軸心に位置し、起振軸1
0が回転しても起振力は零である。
【0026】いま、振幅切換スイッチ43を高振幅
(H)とした状態で、前後進レバー30を中立位置Bか
ら前進位置Aに操作すると、中立位置検出リミットスイ
ッチ38が電磁切換弁44の電磁コイル Sol2に電流を
送るのを止めて、電磁コイル Sol3に電流が送られ、前
述したと同様に、油圧シリンダ7のHポジションセンサ
46が働き、シリンダロッド7aを後端位置まで伸張さ
せる。したがって、偏心錘6aを起振軸10に対して一
側に大きく偏らせ、振動タイヤローラは高振幅で振動す
る。
【0027】前後進レバー30を前進位置Aとして所定
の距離の締固めを行い、折返して後進位置Cとするとき
には、一旦前後進レバー30を中立位置Bに戻すが、こ
のときは、振幅切換スイッチ43が依然として高振幅
(H)に設定されているので、起振軸10は回転を継続
する。しかし、前後進レバー30の中立位置Bへの移動
に伴う中立位置検出リミットスイッチ38が、今度は、
電磁切換弁44の電磁コイル Sol3に変えて電磁コイル
Sol2に電流を送るので、油圧シリンダ7のロッド7a
は縮退され、再び起振軸10の重心は起振軸10の軸心
に位置して、起振軸10は回転を継続するものの振動の
振幅は零となる。次いで、前後進レバー30を後進位置
Cに操作すると、前進時と同様に、振動タイヤローラは
高振幅で振動する。
【0028】締固め作業の途中で振幅切換スイッチ43
を高振幅(H)から低振幅(L)に切換える場合は、や
はり前後進レバー30を一旦中立位置Bに戻し、振幅切
換スイッチ43の切換え作業を行う。そして、前後進レ
バー30を前進位置Aまたは後進位置Cに操作すると、
中立位置検出リミットスイッチ38が、電磁切換弁44
の電磁コイル Sol2に電流を送るのを止めて、電磁コイ
ル Sol3に電流が送られ、油圧シリンダ7のLポジショ
ンセンサ45が働き、シリンダロッド7aを所定の長さ
まで縮退させ、偏心錘6aの起振軸10に対して比較的
少なく偏って、低振幅の振動が発生する。
【0029】図7は、起振軸10に定常回転を維持させ
た状態で、前後進レバー30を前進位置Aまたは後進位
置Cから中立位置Bに操作したときの起振軸回転数とタ
イヤ1の振動変位振幅と振動加速度振幅の時間的推移を
示すグラフである。前後進レバー30を中立位置Bにし
た時点からタイヤ1の振動変位は徐々に低下するのみ
で、共振が発生しない。これは、前後進レバー中立位置
検出手段が中立位置を検出し、その中立位置信号によ
り、起振軸の重心を起振軸の軸心上に位置させているた
めである。そして、前後進レバー30を中立位置Bにし
てから1.3 秒経過程度で、振動変位振幅と振動加速度振
幅は完全に零となって振動が停止する。図7のグラフ
は、前後進レバー30が中立位置となってから起振軸の
重心が起振軸の軸心上に完全に一致する理想的な場合の
一例である。このような構成では、多くの場合も同じパ
ターンをとって、振動変位振幅と振動加速度振幅が、共
振を発生することなしに、減少して零に向かうが、とき
として製作誤差等により、完全には起振軸の重心と起振
軸の軸心が一致し得ないことがあり、数秒経過した以降
も、微小振動が続く形となる。この微小振動が転圧面に
与える大きな沈下等の悪影響はないので、この状態で、
振動が停止した状態とみなす。すなわち、起振軸の重心
が、実質的に起振軸の軸心上に位置しているので、振動
が停止している状態とみなす。(本明細書中、以下同様
である。)
【0030】上記のように、前後進レバー中立位置検出
手段からの中立位置信号により、起振軸の重心を、実質
的に起振軸の軸心上に位置せしめることとなるので、振
動タイヤローラの停止時に、タイヤは共振せずに、振動
しない状態となる。上記の例は、前後進レバーを中立位
置に操作して、起振軸は定常回転を保つ場合であった
が、振動タイヤローラの停止時に、起振軸の回転数を徐
々に低下させて停止させ、振動数がタイヤの振動の共振
点を通過したとしても、前後進レバー中立位置検出手段
からの中立信号により、共振点通過前に起振軸の重心を
実質的に起振軸の軸心上に位置せしめれば、タイヤを共
振させずに振動停止できる。
【0031】また、前後進レバーを中立位置から、前進
位置または後進位置に操作するときも同様に、起振軸が
定常回転を保つ場合であれば、タイヤは共振することな
く、走行開始とともに振動停止の状態から、振動し始め
る。振動タイヤローラの停止時に、起振軸の重心を実質
的に起振軸の軸心上に位置させ、起振軸も停止した状態
から回転数を徐々に高めていく場合も、共振点を通過す
るときは、起振軸の重心を実質的に起振軸の軸心上に位
置させた状態にすれば、共振せずに振動開始する。
【0032】なお、共振点通過時に、起振軸の重心を実
質的に起振軸の軸心上に位置させるには、これに対応し
て、カムの中立位置を検出する範囲を広くするとか、中
立位置を検出してから起振軸の回転と起振軸の偏心量を
動かすタイミングをずらすために、適宜公知のシーケン
ス制御装置を介在させるとかの手段を講ずると、より確
実に作動させることができる。
【0033】この場合、起振軸の回転を停止させずに、
起振軸の重心を実質的に起振軸の軸心上に位置せしめる
ようにして、振動の停止を行えば、起振軸の起動停止に
よるエネルギ損失が少なく、振動用の油圧ポンプ、油圧
モータに与える負荷も小さくできる。特に、起振軸の定
常回転数を維持した状態で転圧作業を行なうと、起振軸
の起動停止によるエネルギ損失を最も少なくできる。
【0034】また、共振を発生する起振軸の回転数は、
通常、起振軸の定常回転数以下に存在するので、前後進
レバー中立位置信号が来た時に、起振軸の回転数を定常
回転または、起振軸の回転を停止させずに所定値(共振
点付近の回転数より上の値)以上に保っておけば、起振
軸の製作誤差が少し大きくて、起振軸の重心が起振軸の
軸心上から多少ずれても、共振点を通過することがない
ので、共振せず有利でもある。
【0035】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。この例では、第1の実施例における図4に相当す
る信号回路図は、図5で表される。起振軸偏心量制御手
段40は、図5に示す信号回路図および図6に示す油圧
回路図を参照して、油圧ポンプ47と、起振軸10の軸
線上に配設される油圧シリンダ7と、そのロッド7a
と、ロッド7aの軸まわりに回転可能に取り付けられた
ジョイント23と、一端をジョイント側に接続し、他端
を偏心錘6a側に接続したコネクティングロッド8と、
油圧ポンプ47から油圧シリンダ7に圧油を供給する油
圧回路中に介設された電磁切換弁44、リレー86等か
ら構成される。
【0036】また、図5に示す信号回路図中には、走行
駆動系の歯車等の走行駆動装置部品81と、走行速度検
出手段としてのこのこの走行駆動装置部品81の近くに
設けられた近接センサ等の速度センサ82と、速度演算
回路83と、速度設定手段としての速度設定回路84
と、速度比較手段としての速度比較回路85がある。速
度センサ82により検出され、速度演算回路83で演算
された振動タイヤローラの走行速度は、速度比較回路8
5において速度設定回路84で設定された予め定めた走
行速度とその大小が比較される。そして、図8で示すブ
ロック図の通り、速度比較手段85からの信号にもとず
き、起振軸偏心量制御手段40を作動させる。すなわ
ち、走行速度検出手段82における走行速度が速度設定
手段84における速度より小さいときに、起振軸の重心
を実質的に起振軸の軸心上に位置させ、また、走行速度
検出手段82における走行速度が速度設定手段84にお
ける速度より大きいときには、起振軸の重心を起振軸の
軸心から離れさせるように、偏心錘を動かす。つまり、
走行速度が設定速度より小さい場合は、図5に示す如
く、リレー86に速度比較回路85より電流が送られ
て、リレー86内の接点T1 とT2 が接続される。ま
た、走行速度が設定速度より大きい場合は、リレー86
には、走行比較回路85からは電流は送られず、リレー
86内の接点T1 とT3 が接続される。
【0037】振動タイヤローラの走行速度が予め定めた
速度以下である状態を検出しているときには、リレー8
6内の接点T1 とT2 が接続されるので、電磁切換弁4
4(図6)の電磁コイル Sol2に電流が送られ、油圧シ
リンダ7のロッド7aを縮退させる。そして、偏心錘6
aを直立させた図2の(a)に示す状態とすることによ
り、起振軸10の重心を起振軸10の軸心に位置させ
る。
【0038】また、前記振幅切換スイッチ43を低振幅
(L)または高振幅(H)に設定している状態で、走行
速度検出手段80において、振動タイヤローラの走行速
度が予め定めた速度より大きい速度であることを検出し
ているときは、リレー86内の接点T1 とT3 が接続さ
れて、電磁切換弁44(図6)の電磁コイル Sol3に電
流が送られ、油圧シリンダ7のロッド7aを伸張させ
る。そして、偏心錘6aを起振軸10に対して偏らせた
図2の(b)の鎖線または実線に示す状態とすることに
より起振軸10の重心を起振軸10の軸心位置から偏位
させる。
【0039】なお、上記の例では、起振軸偏心量検出手
段としての偏心量検出用センサを、シリンダの本体に2
カ所設置して、高振幅・低振幅とする場合について説明
したが、センサを増設することにより、偏心錘の回転角
はさらに細かく変化させることができ、これにより、振
動振幅を多段に可変とした振動タイヤローラの起振装置
を実現できる。また、比例ポジションセンサを取り付け
ることにより、無段階に可変もできる。
【0040】次に、上記の構成からなる振動タイヤロー
ラの起振装置の作動について説明する。振動タイヤロー
ラの運転作業者は、路面の締固め作業を行うに当り、先
ず、走行停止させ、締固めるべき路面の状況に応じて振
幅切換スイッチ43をオフ状態から低振幅(L)または
高振幅(H)に切り換える。この切換え操作により、電
磁切換弁42の電磁コイル Sol1に電流が送られ、油圧
ポンプ41から圧油が供給され、起振用駆動油圧モータ
9は回転し、起振軸10は所定の方向に回転する。この
状態では、振動タイヤローラは走行停止の状態にあり、
走行速度は、当然予め定めた速度よりも小さいので、図
5および図6の電磁コイル Sol2に電流が送られ、油圧
シリンダ7のロッド7aを縮退させ、起振軸10の重心
は起振軸10の軸心に位置し、起振力は零となる。
【0041】いま、振幅切換スイッチ43を高振幅
(H)とした状態で、前進側に走行開始し、走行速度が
予め定めた速度より大きくなると、電磁切換弁44の電
磁コイルSol3に電流が送られ、同時に油圧シリンダ7
のHポジションセンサ46が働き、シリンダロッド7a
を後端位置まで伸張させる。したがって、偏心錘6aを
起振軸10に対して一側に大きく偏らせ、振動タイヤロ
ーラは高振幅で振動する。
【0042】所定の距離の締固めを行い、折返して後進
するときには、例え前後進レバー30を前進位置Aから
一気に後進位置Cに揺動操作しても、走行速度が予め定
めた速度以下にならない限り、振動は停止しない。そし
て、振動タイヤローラが前進から後進に移行する過程
で、走行速度が設定速度より小さくなると、リレー86
が作動し、電磁切換弁44の電磁コイル Sol2に電流を
送るので、起振軸10は回転を継続するものの振動の振
幅は零である。次いで、振動タイヤローラが後進し、走
行速度が設定速度より大きくなると、前進時と同様に、
振動タイヤローラは高振幅で振動する。
【0043】締固め作業の途中で振幅切換スイッチ43
を高振幅(H)から低振幅(L)に切り換える場合は、
走行停止状態で、振幅切換スイッチ43の切換え作業を
行う。そして、前進または後進を開始し、走行速度が設
定速度より速くなると、電磁切換弁44の電磁コイル S
ol3に電流が送られ、油圧シリンダ7のLポジションセ
ンサ45が働き、シリンダロッド7aを所定の長さまで
縮退させ、偏心錘6aの起振軸10に対する偏りを少な
くし、振動の振幅を低く押さえた状態で振動する。
【0044】図9は、起振軸10に定常回転を維持させ
た状態で、振動タイヤローラを前後進させたときの振動
タイヤローラの走行速度と振動振幅(高振幅または低振
幅)の関係を示すグラフである。振動タイヤローラが停
止しているときは、前記のように振幅は零である。前進
方向に振動タイヤローラが走り出しても、その走行速度
が予め定めた速度以下の状態では、依然として、振幅は
零のままである。走行速度が予め定めた速度を越える
と、その時点から偏心量は零から設定振幅まで増加す
る。次いで、前進走行の速度が徐々に低下し、設定速度
より小さくなると、再び振幅が零となる。前進走行から
後進走行に移った後、その走行速度(絶対値)が予め定
めた速度以下の状態では、前進走行の場合と同様、依然
として、振幅は零のままである。後進方向の走行速度
(絶対値)が予め定めた速度を越えると、その時点から
偏心量は零から設定振幅まで増加する。そして、後進か
ら停止を経由して前進する場合も、上記と同様の関係を
繰り返すものである。
【0045】上記のように、車両を前進位置から後進位
置に切り換えるときに、車両の走行速度がある設定値以
下になれば偏心量は零になり、車両が停止し反対方向に
動き出し、ある設定値を越えれば偏心量は零から設定振
幅まで増加する。したがって、車両の停止時には、常に
振幅は零になり、また、振動のオン、オフは起振軸の偏
心量を変えることにより行うため、タイヤは共振点を通
過せず、振動タイヤローラの停止時に、タイヤは共振せ
ずに、振動しない状態となる。上記の例は、起振軸が定
常回転を保つ場合であったが、振動タイヤローラの停止
時に、起振軸の回転数を徐々に低下させて停止させ、振
動数がタイヤの振動の共振点を通過したとしても、走行
速度検出手段からの信号により、共振点通過前に起振軸
の重心を実質的に起振軸の軸心上に位置せしめれば、タ
イヤを共振させずに振動を停止できる。
【0046】また、走行停止から前進または後進すると
きも、起振軸が定常回転を保つのであれば、タイヤは共
振することなく、予め定めた走行速度を越えると振動停
止の状態から、振動し始める。振動タイヤローラの停止
時に、起振軸の重心を実質的に起振軸の軸心上に位置さ
せ、起振軸も停止した状態から回転数を徐々に高めてい
く場合も、共振点を通過するときは、起振軸の重心を実
質的に起振軸の軸心上に位置させた状態にすれば、共振
せずに振動を開始する。
【0047】なお、起振軸の回転を停止させずに、起振
軸の重心を実質的に起振軸の軸心上に位置せしめるよう
にして、振動の停止を行えば、起振軸の起動停止による
エネルギ損失が少なく、振動用の油圧ポンプ、油圧モー
タに与える負荷も小さくできる。特に、起振軸の定常回
転数を維持した状態で転圧作業を行なうと、起振軸の起
動停止によるエネルギ損失を最も少なくできる。
【0048】また、共振を発生する起振軸の回転数は、
通常、起振軸の定常回転数以下に存在するので、予め定
めた走行速度以下となった時に、起振軸の回転数を定常
回転または、起振軸の回転を停止させずに所定値(共振
点付近の回転数より上の値)以上に保っておけば、起振
軸の製作誤差があって、起振軸の重心が起振軸の軸心上
から多少ずれていても、共振点を通過することがないの
で、共振せず有利でもある。
【0049】
【発明の効果】振動タイヤローラでは、締固め材料が非
粘性粒状物等の締固めが難しい材料もクラックなしに転
圧可能となるが、以上、説明したように、本発明に係わ
る振動タイヤローラでは、さらに、起振軸が起振機ケー
スを兼ねるタイヤ取付手段に軸支され、可変振幅振動機
構を備えているので、起振機からタイヤへの振動の伝達
が効率よく行われ、かつ、振動振幅を変えることが可能
である。したがって、駆動系のエネルギを有効に使用で
き、他の振動の必要のない場所の、振動の発生を低く抑
えることができると共に、転圧材料とか作業状況によ
り、適切な振動の振幅を設定することが可能である。
【0050】また、タイヤは、バネ定数が小さいので、
今までの振動タイヤローラでは、起振軸の回転開始する
ときと停止するときの共振点通過時に、特に振動タイヤ
ローラの欠点として、タイヤおよびフレームが異常に揺
れて、路面、機器、運転者に悪影響を及ぼす現象が発生
した。しかし、本発明の振動タイヤローラにおいては、
前後進レバーの中立位置検出手段により、前後進レバー
の中立位置を検出するか、または、ローラの走行速度が
予め定めた速度より小さいことの検出により、起振軸の
重心を実質的に起振軸の軸心上に位置せしめるので、異
常な共振を発生する現象を回避することができる。した
がって、被牽引式でなく自走式で、搭乗型の振動タイヤ
ローラを実現可能とした。被牽引式のタイヤローラで
は、締固めの際、タイヤに加わる静的な荷重として、牽
引車側の重量と被牽引車の重量の総てを利用するわけに
はいかないが、本発明に係る振動タイヤローラでは、静
的な荷重として、自走の車両全体の自重を有効に利用で
きる。また、従来は、共振点の通過時に起振軸に大きな
加速度がかかるため、起振軸駆動トルクが大きくなり、
大型のモータを必要とした(共振点を通過後は、駆動ト
ルクは半分以下に下がる。)が、本発明では、小型のモ
ータでよく、サイズを小さくできる。
【0051】本発明の第1の実施例によれば、前後進レ
バー中立位置検出手段からの中立位置信号により、起振
軸の重心を、実質的に起振軸の軸心上に位置せしめるこ
ととなるので、振動タイヤローラの停止時に、前後進レ
バーを前進位置または後進位置から中立位置とした場合
に、ロールを共振させることなく振動を停止させ、振動
タイヤローラの走行開始時に、前後進レバーを中立位置
から前進位置または後進位置とした場合に、ロールを共
振させることなく振動を発生させて、停止した転圧面を
大きく沈下させずに、かつ、小さな波状の凹凸も発生さ
せない。
【0052】この場合、前後進レバー中立位置検出手段
からの中立位置信号により、起振軸の回転を停止させず
に転圧作業を行うと、起振軸の起動停止によるエネルギ
損失が少なく、振動用の油圧ポンプ,油圧モータに与え
る負荷を小さくできる。特に、起振軸の定常回転を維持
した状態で転圧作業を行うと、起振軸の起動停止による
エネルギ損失を最も少なくできる効果がある。
【0053】また、本発明の第2の実施例によれば、走
行速度検出機構における振動タイヤローラの走行速度が
予め定めた速度以下であるとの信号により、起振軸の重
心を、実質的に起振軸の軸心上に位置せしめることとな
るので、振動タイヤローラの停止時に、ロールを共振さ
せることなく振動を停止させ、振動タイヤローラの走行
開始時に、ロールを共振させることなく振動を発生させ
て、停止した転圧面を大きく沈下させずに、かつ、小さ
な波状の凹凸も発生させない。
【0054】この場合、走行速度検出手段における振動
タイヤローラの走行速度が速度設定手段における速度以
下であるとの信号により、起振軸の回転を停止させずに
転圧作業を行うと、起振軸の起動停止によるエネルギ損
失が少なく、振動用の油圧ポンプ,油圧モータに与える
負荷を小さくできる。特に、起振軸の定常回転を維持し
た状態で転圧作業を行うと、起振軸の起動停止によるエ
ネルギ損失を最も少なくできる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る振動タイヤローラの一実施例を示
す平面断面図である。
【図2】(a),(b)は、本発明に係る振動タイヤロ
ーラにおける起振装置の可変振幅の状態を示す側面図で
ある。
【図3】本発明に係る振動タイヤローラの前後進レバー
と中立位置検出手段との配設位置関係を示す前後進操作
装置の側面図である。
【図4】本発明に係る振動タイヤローラにおける起振装
置の第1の実施例の信号回路図である。
【図5】本発明に係る振動タイヤローラにおける起振装
置の第2の実施例の信号回路図である。
【図6】本発明に係る振動タイヤローラにおける起振装
置の油圧回路図である。
【図7】本発明の第1の実施例において、起振軸が定常
回転をしている状態で前後進レバーを前進位置または後
進位置から中立位置に操作したときの起振軸回転数と振
動輪の振動変位振幅と振動加速度振幅の時間的推移を示
すグラフである。
【図8】本発明の第2の実施例における起振軸偏心量の
制御の手段を示すブロック図である。
【図9】本発明第2の実施例ににおいて、起振軸に定常
回転を維持させた状態で、振動タイヤローラを前後進さ
せたときの振動タイヤローラの走行速度と振動振幅の関
係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 …タイヤ 2 …タイヤ取付手段 2a〜2e …タイヤ取付部材 3 …起振機ケ−ス 4 …可変振幅振動機構 6 …枢軸 6a…偏心錘 7 …油圧シリンダ 7a…シリンダロッド 8 …コネクティングロッド 9 …起振用駆動油圧モ−タ 10 …起振軸 11 …フレーム 12A…防振部材 13A…支持体 18 …板状の支持部材 23 …ジョイント 30 …前後進レバー 38 …中立位置検出リミットスイッチ(前後進レバー
中立位置検出手段) 40 …起振軸偏心量制御手段 41 …油圧ポンプ 42 …電磁切換弁 43 …振幅切換スイッチ 44 …電磁切換弁 45 …Lポジションセンサ 46 …Hポジションセンサ 47 …油圧ポンプ 60 …前後進操作装置 80 …走行速度検出手段 81 …走行駆動装置部品 82 …速度センサ(走行速度検出手段) 83 …速度演算回路 84 …速度設定回路(速度設定手段) 85 …速度比較回路(速度比較手段) 86 …リレー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E01C 19/26

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フレームに防振部材と軸受を介して支承
    されたタイヤ取付手段と、このタイヤ取付手段に取り付
    けたタイヤと、前記タイヤ取付手段に軸支され、起振用
    駆動源により回転する起振軸と、この起振軸に枢支した
    偏心錘を可動として起振軸の重心に対して偏位させ、振
    動の振幅を変える可変振幅振動機構とを備えることを特
    徴とする振動タイヤローラ。
  2. 【請求項2】 前記タイヤ取付手段は、起振機ケースを
    兼ねることを特徴とする請求項1に記載の振動タイヤロ
    ーラ。
  3. 【請求項3】 前後進レバーの操作によって前進・中立
    ・後進の各位置を選択し走行駆動系に進行・停止の指令
    を与える前後進操作装置と、前記前後進レバーの中立位
    置を検出する前後進レバー中立位置検出手段と、この前
    後進レバー中立位置検出手段からの中立位置信号によ
    り、起振軸の重心を実質的に起振軸の軸心上に位置せし
    める起振軸偏心量制御手段とを備える請求項1に記載の
    振動タイヤローラ。
  4. 【請求項4】 走行速度を検出する走行速度検出手段
    と、速度設定手段と、走行速度検出手段からの信号と速
    度設定手段からの信号とを比較して、走行速度検出手段
    における走行速度と速度設定手段における速度の大小を
    比較する速度比較手段とを備え、速度比較手段からの信
    号にもとずき、走行速度検出手段における走行速度が速
    度設定手段における速度より小さくなったときに、起振
    軸の重心を実質的に起振軸の軸心上に位置せしめる起振
    軸偏心量制御手段とを備える請求項1に記載の振動タイ
    ヤローラ。
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