JP2794270B2 - 可変振幅振動ローラの起振装置 - Google Patents

可変振幅振動ローラの起振装置

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JP2794270B2
JP2794270B2 JP28645594A JP28645594A JP2794270B2 JP 2794270 B2 JP2794270 B2 JP 2794270B2 JP 28645594 A JP28645594 A JP 28645594A JP 28645594 A JP28645594 A JP 28645594A JP 2794270 B2 JP2794270 B2 JP 2794270B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可変振幅振動ローラの
起振装置に関し、特に振幅モードを切換える毎に起振軸
の回転方向を変える必要がなく、かつ、選択した振幅モ
ードの振動振幅になるように、自動的に起振軸の偏心量
を制御し得る可変振幅振動ローラの起振装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】可変振幅振動ローラの起振装置は、振動
ローラのドラム内に設けられた起振軸と、この起振軸を
正逆回転駆動可能な回転駆動手段と、起振軸に取付けた
偏心錘と、起振軸に対する偏心錘の偏心量を変えるため
の起振力可変手段とを備えるもので、従来より種々の機
構のものが提案されている。その基本的な機構は、図1
0に示すように、起振軸55に固定偏心錘56と、この
固定偏心錘56に対して相対回動する可動偏心錘57,
57′を設け、起振軸の回転方向により、低振幅と高振
幅とに切換え、起振軸の偏心量を変えて、起振力を変え
るように構成している。例えば、起振軸55を正回転さ
せたときは、図10の(a−1),(a−2)に示すよ
うに、起振軸55の固定偏心錘56に対して両側の可動
偏心錘57,57′の変位の方向が逆となって、起振力
は打消す方向に作用し、低い振幅となり、対して、起振
軸55を逆回転させたときは、図10の(b−1),
(b−2)に示すように、起振軸55の固定偏心錘56
に対して可動偏心錘57,57′の変位の方向が一致し
て、起振力は合成されて高い振幅となるものである。
【0003】このように高振幅と低振幅、さらにはその
中間の振幅といった複数の振幅を必要とする理由は、締
固め対象物の材料,厚さ等により振幅を変え、効果的な
締固め作業を実施する必要があるためである。例えば、
薄い厚さのアスファルト合材を締固めるときは、アスフ
ァルト合材中の骨材(石)が割れないように、また、大
きな振幅で締固めると表面が乱されて平坦性が損なわれ
るがそのようなことがないように、低振幅で締固め作業
を行う。一方、路盤材を締固めるときのように厚いまき
出しの土を締固めるときは、下層まで締固まるように高
振幅で締固め作業を行うものである。
【0004】さて、前記起振軸を回転させ、ロールに振
動を与えた状態で振動ローラを停止させると、ロール接
地面が大きく沈下して、路面を平滑に仕上げることが困
難となる。そこで、このような事態を避けるために、従
来は、前後進レバーを取付けてあるフレームに、中立位
置検出リミットスイッチを設けてあり、前後進レバーが
前進位置または後進位置にあるときオンとなり、中立
(停止)位置にあるときオフとなるように作動する構成
としている。
【0005】図5は、振動ローラの前後進レバーと走行
駆動用の油圧ポンプとの接続配置関係を示す前後進操作
装置の側面図であって、運転席にある前後進レバー30
を前進位置A・中立(停止)位置B・後進位置Cに選択
し、走行駆動系に進行・停止の指令を与える前後進操作
装置70を操作して運転される。機構としては、基軸3
1に装着された作動アーム32を前後進レバー30と連
動するように構成し、走行駆動用の可変容量型油圧ポン
プ33の回転方向と回転速度を変えるための制御レバー
34をコントロールケーブル35を介して、前記作動ア
ーム32に連結してあって、作動アーム32の揺動スト
ロークが制御レバー34に伝達される態様に構成されて
いる。可変容量型油圧ポンプ33は、図示されていない
走行駆動用油圧モータと配管接続され、転動輪を動か
す。
【0006】基軸31には、カム36が一体に形成さ
れ、また、前後進レバー30を取付けてあるフレーム3
7には、前後進レバー中立位置検出手段としての中立位
置検出リミットスイッチ38を設けてある。中立位置検
出リミットスイッチ38は、カム36の動きによって、
前後進レバー30が前進位置Aまたは後進位置Cにある
か、中立位置Bにあるかを検出する。
【0007】図8に示す信号回路図中には、振幅モード
設定手段としての振幅切換スイッチ53が設けられ、図
9の油圧回路図に示す電磁切換弁52を作動させる。す
なわち、図8の振幅切換スイッチ53を切換えることに
より、図9の油圧ポンプ51から振動用の油圧モータ5
0に至る圧油の供給方向が切換わり、油圧モータ50の
正逆の回転方向を切換えることができる。そして、油圧
モータ50の回転駆動力は、その出力軸に連結された起
振軸55に伝達され、起振軸55を油圧モータ50の回
転方向と同方向へ回転駆動する。
【0008】ところで、起振軸55を回転させロールに
振動を与えたまま、図5の前後進レバー30を中立位置
として振動ローラを停止させると、停止したロール接地
面が大きく沈下して路面を平滑に仕上げることが困難と
なる。そこで、このような事態を避けるために、従来
は、前後進レバー30を前進と後進の中間である中立位
置近辺にしたときには、カム36が前後進レバー中立位
置検出手段65としての中立位置検出リミットスイッチ
38をオフとして、中立位置を検出する。そして、前後
進レバー中立位置検出手段65が、起振軸回転制御手段
66を作動させる。すなわち、図9の電磁切換弁52を
元に戻し、油圧ポンプ51から振動用の油圧モータ50
への圧油の供給を中断して、起振軸55の回転を止め、
振動ローラの振動を中止するようにしている。そして、
図5の前後進レバー30を前進側または後進側に操作す
ると再び中立位置検出リミットスイッチ38がオンとな
り、図9の電磁切換弁52が作動して、油圧ポンプ51
から振動用の油圧モータ50へ圧油が供給されて起振軸
55を回転させ、振動ローラに振動を与えるようにな
る。
【0009】一方、起振軸の回転方向を切換えずに振幅
を変える従来の可変振幅振動機構の他の例が、特開昭5
3−136773号公報に開示されており、それを図1
1で説明する。
【0010】管状軸51は、その両側の片持軸56,5
7が軸受として働き、振動ドラムの図示しない端板に軸
受されている。管状軸51の内部には、当該管状軸の中
心を通りかつそれと直角な枢軸53に偏心錘52が枢着
されている。この偏心錘52の偏心モーメントは、枢軸
53に枢着されている偏心錘52により管状軸51に関
して変更できるようにして、ドラムに伝達される振動運
動を調節することを可能にしている。
【0011】これは、管状軸51の内部で軸方向に調整
可能な縦長スロット54を有する板55で構成する調整
装置の助けによって達成される。その板55の一端は調
節棒58に固定され、他端は環状調節装置59に取付け
られている。偏心錘52の枢軸53は板55のスロット
54を貫通しており、板55は調節棒58の長手方向に
枢軸53に邪魔されることなく摺動できる。板55に設
けられたスロット54を通って横方向に延びている駆動
棒60が偏心錘52に設けられている。板55が調節棒
58により軸方向に動かされると、偏心錘52が駆動棒
60によって枢動運動を描き、それにより管状軸51に
対する偏心錘52の偏心モーメントを変え、その結果と
して管状軸51の回転中に発生される振動運動の振幅を
変える。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】図10に示すような起
振軸の回転方向を切換えて、振幅を変える方式では、一
方向に回転している起振軸を、その回転がまだ停止状態
となっていない状態で急に反転させると、可動偏心錘が
慣性力によりそのまま一方向に回転し、固定偏心錘の係
合部に強くぶつかり、起振軸関係の部品を傷めるという
問題がある。また、起振軸の回転の切換え時に、一旦回
転を停止させてから反転させるので、振動の立上り時
間、停止時間にロスが多く、エネルギの損失がある。
【0013】一方、図11に示す起振軸の回転方向を切
換えずに振幅を変える従来の可変振幅振動ローラの例に
は、どのように振幅の制御をするかの開示がなく、それ
自体では、簡単に、所望の振幅に設定ができないという
問題点があった。
【0014】本発明は、このような従来技術の欠点を解
消し、振幅モードを切換える毎に起振軸の回転方向を変
える必要がなく、かつ、選択した振幅モードの振動振幅
になるように、自動的に起振軸の偏心量を制御し得る可
変振幅振動ローラの起振装置を提供することを目的とす
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、起振軸に設けた偏心錘を可動として起
振軸の重心に対して変位させ、振動の振幅を変える可変
振幅振動機構を備える可変振幅振動ローラにおいて、前
記偏心錘を偏心させる信号を発生する偏心信号発生手段
と、振幅を選択できる振幅モード設定手段と、起振軸の
偏心量を検出する起振軸偏心量検出手段と、偏心信号発
生手段からの信号と振幅モード設定手段による振幅モー
ドの設定と起振軸偏心量検出手段により起振軸の偏心量
の制御を行う起振軸偏心量制御手段を備える可変振幅振
動ローラの起振装置を構成した。
【0016】前記偏心信号発生手段は、第1の好適な例
としては、走行駆動系に前進・停止・後進の指令を与え
る前後進レバーが、中立位置にあるか否かを検出する前
後進レバー中立位置検出手段を備え、中立位置以外にあ
るときに偏心信号を発生するものであり、また、第2の
好適な例としては、走行駆動系からの走行速度検出手段
と、走行速度設定手段と、走行速度検出手段による検出
速度と走行速度設定手段による設定速度とを比較する速
度比較手段を備え、検出速度が設定速度より大きいとき
に、偏心信号を発生するものである。そして、前記起振
軸偏心量制御手段は、前記偏心錘を動かして偏心量を変
えるアクチュエータと、アクチュエータの動きを制御す
る電磁切換弁を備え、また、前記起振軸偏心量検出手段
は、起振軸の偏心量を増大させるようにアクチュエータ
を作動させる側の電磁切換弁の電磁コイルに、それぞれ
信号接続され、アクチュエータの可動部分がそれぞれ所
定変位となったときにスイッチ動作する複数の偏心量検
出用センサを備えると有効である。
【0017】
【作用】起振軸に設けた偏心錘を可動として起振軸の重
心に対して変位させて振幅を変えられ可変振幅振動ロー
ラにおいて、偏心信号発生手段からの起振軸を偏心させ
る偏心信号と、振幅モード設定手段の設定と、起振軸偏
心量検出手段にもとづき、起振軸偏心量制御手段が、所
定の偏心量になるように、起振軸の偏心錘の位置を制御
する。
【0018】第1の例では、前後進レバーを中立位置と
すると、前後進レバー中立位置検出手段が中立設定位置
を検出し、この中立位置信号により、起振軸偏心量制御
手段が起振軸の重心を実質的に起振軸の軸心上に位置せ
しめ、起振力を零とする。そして、前後進レバー中立位
置検出手段が中立設定位置を検出すると、起振軸の回転
方向を変えることなく、回転を継続した状態で起振軸偏
心量制御手段が、振幅モード設定手段の振動振幅になる
ように、起振軸の偏心量の制御を行う。また、第2の例
では、走行駆動系からの走行速度検出手段による検出速
度と走行速度設定手段による設定速度とを比較し、検出
速度が設定速度より小さいときに、起振軸偏心量制御手
段が起振軸の重心を実質的に起振軸の軸心上に位置せし
め、起振力を零とする。そして、走行速度検出手段によ
る検出速度と走行速度設定手段による設定速度とを比較
し、検出速度が設定速度より大きくなると、起振軸偏心
量制御手段が、振幅モード設定手段の振動振幅になるよ
うに、起振軸の偏心量の制御を行う。この場合、速度比
較手段で比較される速度は絶対値で比較される。
【0019】
【実施例】以下に、本発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。先ず、この発明の第1の実施例において
は、従来の技術で説明した図5に示す前進位置A・中立
(停止)位置B・後進位置Cに操作する前後進レバー3
0と、前後進レバー30と連動させて走行駆動用の可変
容量型油圧ポンプ33の回転方向と回転速度を変える制
御レバー34等により構成され、走行駆動系に進行・停
止の指令を与える前後進操作装置70と、前後進レバー
30と連動するカム36の動きによって、前後進レバー
30が前進位置Aまたは後進位置Cにあるか、中立位置
Bにあるかを検出する前後進レバー中立位置検出手段と
しての中立位置検出リミットスイッチ38とを備える機
構は、同じである。第1の実施例における偏心信号発生
手段は、走行駆動系に前進・停止・後進の指令を与える
前後進レバー30が、中立位置にあるか否かを検出する
センサとしての中立位置検出リミットスイッチ38を備
え、中立位置以外にあるときに偏心信号を発生するもの
である。
【0020】図1は本発明に係る可変振幅振動ローラの
起振装置の一実施例を示す平面断面図である。図1にお
いて、転動輪1内には、左右の鏡板2,2′が離間して
設けられ、この鏡板2,2′と一体に起振機ケ−ス3が
取付けられている。この起振機ケ−ス3の内部に後に説
明する可変振幅振動機構4が収装される。左側のフレー
ム11には、防振部材12Aを介して支持体13Aが取
着され、この支持体13Aに減速機付走行駆動用モータ
14を取付ける。この減速機付走行駆動用モータ14の
回転駆動部14aが、転動輪1の鏡板2に固定されてい
るので、その回転駆動により、転動輪1は転動すること
になる。
【0021】一方、右側のフレーム11′には、防振部
材12Bを介して支持体13Bを取着し、この支持体1
3Bの軸受部材13B′に、軸受16を介して軸穴17
aを有する輪軸17を取付ける。輪軸17は、右側の鏡
板2に固定される。前記起振機ケ−ス3の内部には、2
枚の板状の支持部材18,18を離間して対向するよう
に配設する。そして、この板状の支持部材18,18間
に、偏心錘6aを有する枢軸6を軸着する。板状の支持
部材18,18の左側の端部には、蓋材19を被着し、
この蓋材19に形成したボス部材20を、起振機ケ−ス
3の左側寄りに設けた支持体21に軸受22を介して軸
支する。
【0022】板状の支持部材18,18の右側の端部に
は、ジョイント23をガイドする円筒状のガイドケース
10aを一体的に取付け、その右端を輪軸17に軸支す
る。この円筒状のガイドケース10aの右端には、中心
部に軸穴24aを形成したシャフト24の一端がスプラ
イン結合され、シャフト24の他端部寄りにはギヤ25
が取付けられる。前記右側の支持体13Bの軸受部材1
3B′の端部における転動輪1の軸心と一致する位置に
は、支持部材26を介して、アクチュエータとしての油
圧シリンダ7を装着する。この油圧シリンダ7のロッド
7aは、シャフト24の軸穴24aに挿通され、その先
端部にジョイント23を設けている。このジョイント2
3は、ロッド7a側に回転可能に軸受27を介して支持
されている。このジョイント23には、コネクティング
ロッド8の一端が接続される。コネクティングロッド8
は、その他端が前記枢軸6の偏心錘6a側に接続され、
ジョイント23からの直線運動の変位を枢軸6まわりの
回転運動の変位に変える。
【0023】また、前記右側の支持体13Bの軸受部材
13B′の端部には、転動輪1の軸心と異なる位置に、
支持部材28を介して起振用駆動モ−タ9を設置し、そ
の駆動軸9aにギヤ29を取付け、これをシャフト24
に取付けたギヤ25と噛合させて、駆動力を伝達する。
したがって、シャフト24,ガイドケース10a,板状
の支持部材18,18およびボス部材20のそれぞれ
は、本発明における起振軸10を構成する。また、油圧
シリンダ7,そのロッド7a,偏心錘6aが連結された
コネクティングロッド8および偏心錘6aを有する起振
軸10のそれぞれは、同じく可変振幅振動機構4を構成
する。
【0024】なお、アクチュエータとして、上記の実施
例では油圧シリンダを使用する場合について説明した
が、例えばピニオンとラックにより偏心錘を回転させる
等の従来公知の他の手段を採用してもよい。
【0025】振動ローラの振動を停止するときは、起振
軸10の重心が起振軸10の軸心に位置するように、図
2の(a)に示すように、油圧シリンダ7のロッド7a
を伸張させ、偏心錘6aを直立状態として、起振軸10
に対する偏心錘6aの重量配分を均等としている。この
ようにすれば、起振軸10が回転中であっても振動は停
止する。一方、振動ローラに振動を与えるときは、起振
軸10を回転させた状態で、油圧シリンダ7のロッド7
aを縮退させ、図2の(b)に示すように、偏心錘6a
が起振軸10に対して一側に偏るように偏心錘6aを枢
軸6を中心に回転し、起振軸10の重心を起振軸10の
軸心に対して変位させる。
【0026】この場合、起振軸10の重心が起振軸10
の軸心に位置させた図2の(a)の状態から、偏心錘6
aを枢軸6を中心に90゜近く回転させた図2の(b)
の実線に示す状態としたときは、偏心錘6aが、起振軸
10に対して一側に大きく偏り、振動の振幅は高く
(H)なる。また、同様に、偏心錘6aを枢軸6を中心
に45゜程度回転させた同図の鎖線に示す状態としたと
きは、偏心錘6aが起振軸10に対する偏りは少なく、
振動の振幅は低く(L)なる。この高振幅と低振幅の切
換えは、図3および図4に示す起振軸偏心量制御手段4
0を作動させる振幅切換えスイッチ43により行う。
【0027】起振軸偏心量制御手段40は、図3に示す
信号回路図および図4に示す油圧回路図を参照して、油
圧ポンプ47と、起振軸10の軸線上に配設される油圧
シリンダ7と、そのロッド7aと、ロッド7aの軸まわ
りに回転可能に取り付けられたジョイント23と、一端
をジョイント側に接続し、他端を偏心錘6a側に接続し
たコネクティングロッド8と、油圧ポンプ47から油圧
シリンダ7に圧油を供給する油圧回路中に介設された電
磁切換弁44等から構成される。
【0028】そして、図3に示す信号回路図中には、振
幅モード設定手段としての振幅切換スイッチ43が設け
られ、図4に示す油圧回路図における油圧ポンプ41か
ら油圧ポンプ41に至る経路中の電磁切換弁42を作動
させる。この振幅切換スイッチ43を、低振幅(L)ま
たは高振幅(H)に設定している状態では、常に、電磁
切換弁42の電磁コイル Sol1に電流が送られ、油圧ポ
ンプ41から圧油が供給されて、起振用油圧モータ9は
回転し、したがって起振軸10は所定の方向に回転して
いる。
【0029】一方、起振軸10の偏心錘6aを可動とし
て起振軸の重心を起振軸の軸心に対して変位させるため
に、油圧ポンプ47から油圧シリンダ7に圧油を供給す
る油圧回路中には、電磁切換弁44が介設されている。
前記中立位置検出リミットスイッチ38が前後進レバー
30の中立(N)の設定位置を検出しているときは、切
換弁44の電磁コイル Sol2に電流が送られ、油圧シリ
ンダ7のロッド7aを伸張させる。そして、偏心錘6a
を直立させた図2の(a)に示す状態とすることによ
り、起振軸10の重心を起振軸10の軸心に位置させ
る。
【0030】また、前記振幅切換スイッチ43を低振幅
(L)または高振幅(H)に設定している状態で、中立
位置検出リミットスイッチ38が、前後進レバー30の
前進(F)または後進(R)の位置を検出しているとき
は、切換弁44の電磁コイルSol3に電流が送られ、油
圧シリンダ7のロッド7aを縮退させる。そして偏心錘
6aを起振軸10に対して偏らせた図2の(b)に示す
状態とすることにより起振軸10の重心を起振軸10の
軸心位置から変位させる。
【0031】例えば、振幅切換スイッチ43を低振幅
(L)に設定しているときは、シリンダロッド7aが所
定の低振幅相当の位置まで変位したところで、油圧シリ
ンダ7の本体のほぼ中間位置に設けた、起振軸偏心量検
出手段としての偏心量のセンサであるLポジションセン
サ45は、電磁切換弁44の電磁コイル Sol3に電流を
送るのを停止する。すると、電磁切換弁44は、中間位
置に切換わり、油圧シリンダ7への作動油の供給を止
め、油圧シリンダ7の縮退動作も、その位置で停止す
る。その結果、偏心錘6aは、図2の(b)の鎖線に示
す、起振軸10に対して比較的少ない偏りの状態を保ち
つつ、起振軸10が回転し、低振幅の振動を発生するこ
ととなる。また、振幅切換スイッチ43を高振幅(H)
に設定しているときは、シリンダロッド7aが低振幅相
当の位置を通り過ぎ、さらに、所定の高振幅相当の位置
まで変位したところで、同様に、Hポジションセンサ4
6は、電磁切換弁44の電磁コイル Sol3に電流を送る
のを停止する。すると、電磁切換弁44は、中間位置に
切換わり、油圧シリンダ7への作動油の供給を止め、油
圧シリンダ7の縮退動作も、その位置で停止する。その
結果、偏心錘6aは、図2の(b)の実線に示す、起振
軸10に対して大きく偏った状態を保ちつつ、起振軸1
0が回転し、高振幅の振動を発生することとなる。な
お、図3における符号39は、自動と手動とを切換える
自動手動切換えスイッチであり、前後進レバー30の位
置に応じて自動的に振動の発生・停止を行わせるか、常
に振動させるかを選択するスイッチである。
【0032】起振軸偏心量検出手段としての偏心量検出
用のセンサ45,46は、本実施例では、磁気で作動す
るリードスイッチを採用しており、油圧シリンダ7のシ
リンダ本体に取付けられている。この各リードスイッチ
は、常時はONであるが、油圧シリンダのピストン周囲に
取付けてある磁気リングが近づくと OFF作動し、シリン
ダのロッドの伸張具合を感知する。このようなセンサを
油圧シリンダのシリンダ本体に取付けることにより、油
雰囲気が充満している可変振幅機構の狭い限られた内部
空間を通らずに、センサから直接、信号線を外部に引き
出すことができ、信頼性が向上する。
【0033】このように、起振軸偏心量検出手段は、起
振軸10の偏心量を増大させるように油圧シリンダ7を
作動させる側の電磁切換弁44の電磁コイル Sol3に信
号接続され、油圧シリンダ7の可動部分(ロッド7a)
がそれぞれ所定変位となったときにスイッチ動作する複
数の偏心量検出用のセンサ45,46を備える。なお、
上記の例では、偏心量検出用センサを、シリンダの本体
に2カ所設置して、高振幅・低振幅とする場合について
説明したが、センサを増設し、振幅切換えスイッチ43
をそれらに対応した接点数を有するものに変更すれば、
偏心錘の回転角はさらに細かく設定させることができ、
これにより、振動振幅を多段に可変とした振動ローラの
起振装置を実現できる。また、比例ポジションセンサを
取り付けることにより、無段階に可変もできる。
【0034】次に、上記の構成からなる第1の実施例に
おける可変振幅振動ローラの起振装置の作動について説
明する。振動ローラの運転作業者は、路面の締固め作業
を行うに当り、先ず、前後進レバー30を中立位置Bに
設定し、締固めるべき路面の状況に応じて振幅切換スイ
ッチ43をオフ状態から、低振幅(L)または高振幅
(H)に切り換える。この切換え操作により、電磁切換
弁42の電磁コイル Sol1に電流が送られ、油圧ポンプ
41から圧油が供給され、起振用油圧モータ9は回転
し、起振軸10は所定の方向に回転する。この状態で
は、前後進レバー30は中立位置Bにあるため中立位置
検出リミットスイッチ38が電磁切換弁44の電磁コイ
ル Sol2に中立位置信号を送り、油圧シリンダ7のロッ
ド7aを伸張させ、起振軸10の重心は起振軸10の軸
心に位置し、起振軸10が回転していても、起振力は零
である。
【0035】いま、振幅切換スイッチ43を高振幅
(H)とした状態で、前後進レバー30を、中立位置B
から後進位置Aに操作すれば、中立位置検出リミットス
イッチ38が、電磁切換弁44の電磁コイル Sol2に電
流を送るのを止めて、電磁コイルSol3に電流を送るの
で、前述した通り、偏心錘6aは、起振軸10に対して
大きく偏って、その状態を保ちつつ起振軸10が回転
し、起振装置は、高振幅の振動を発生することとなる。
【0036】前後進レバー30を前進位置Aとして所定
の距離の締固めを行い、折り返して後進位置Cとすると
きには、一旦、前後進レバー30を中立位置Bに戻す
が、このときは、振幅切換スイッチ43が依然として高
振幅(H)に設定されているので、起振軸10は回転を
継続する。しかし、前後進レバー30の中立位置Bへの
移動に伴う中立位置検出リミットスイッチ38が、今度
は、切換弁44の電磁コイル Sol3に変えて電磁コイル
Sol2に電流を送るので、油圧シリンダ7のロッド7a
は伸張され、再び起振軸10の重心は起振軸10の軸心
に位置して、起振軸10は回転を継続するものの振動の
振幅は零となる。次いで、前後進レバー30を後進位置
Cに操作すると、前進時と同様に、振動ローラは高振幅
で振動する。
【0037】締固め作業の途中で振幅切換スイッチ43
を高振幅(H)から低振幅(L)に切換える場合は、前
後進レバー30を一旦中立位置Bに戻し、振幅切換スイ
ッチ43の切換え操作を行う。そして、前後進レバー3
0を前進位置Aまたは後進位置Cに操作すると、やはり
前述した通り同様に、中立位置検出リミットスイッチ3
8が、電磁切換弁44の電磁コイル Sol2に電流を送る
のを止めて、電磁コイル Sol3に電流を送るので、偏心
錘6aは、起振軸10に対して比較的少なく偏って、そ
の状態を保ちつつ起振軸10が回転し、起振装置は、低
振幅の振動を発生することとなる。
【0038】なお、前後進レバーを前進位置から中立位
置を経由して後進位置に(あるいはその逆に)操作する
際に、中立位置で縮退状態にあった油圧シリンダのロッ
ドを一旦伸張させて起振軸の重心を起振軸の軸心に位置
させ、前進位置または後進位置に操作した時点で再度シ
リンダロッドを縮退させ起振軸を偏心させて振動を生じ
させるが、この場合に前後進レバーの操作による振動ロ
ーラの前後進作動と、シリンダロッドの伸縮作動との間
にタイムラグを生じ、振動が追い付かない恐れがある。
これに対応させて、カムの中立位置を検出する範囲を広
くするとか、振動ローラの前後進作動とシリンダロッド
の伸縮作動との間に適宜公知のシーケンス制御装置を介
在させると、より完全に作動させることができる。
【0039】次に、この発明の第2の実施例について説
明する。この第2の実施例の構成は、第1の実施例の説
明で用いた可変振幅振動ローラの起振装置を示す図1、
起振装置の可動偏心錘の状態を示す図2、起振装置の油
圧回路図を示す図4、前後進レバーと走行駆動用の油圧
ポンプとの接続配置関係を示す図5の内容と同じであ
る。ただし、第2の実施例における偏心信号発生手段
は、前後進レバー中立位置検出手段からの信号を用いる
のではなく、振動ローラの走行系からの走行速度検出手
段を用いるので、図5における中立位置検出リミットス
イッチ38は、不要であるが他は共通である。したがっ
て、第1の実施例の図1、図2、図4、図5で示される
以外の第2の実施例内容を、主に説明する。
【0040】図6は、この発明の第2の実施例に用いる
信号回路図である。この信号回路図中には、走行駆動系
の歯車等の走行駆動装置部品81と、走行速度検出手段
としてのこの走行駆動装置部品81の近くに設けられた
近接センサ等の速度センサ82と、速度演算回路83
と、走行速度設定手段としての速度設定回路84と、速
度比較手段としての速度比較回路85が設けられてい
る。速度センサ82により検出され、速度演算回路83
で演算された振動ローラの走行速度は、速度比較回路8
5において速度設定回路84で設定された予め定めた走
行速度とその大小が比較される。そして、速度比較手段
85からの信号にもとずき、起振軸偏心量制御手段40
を作動させる。
【0041】走行速度検出手段82における走行速度が
速度設定手段84における速度より小さいときには、リ
レー86に速度比較回路85より電流が送られ、リレー
86内の接点T1 とT2 が接続される。したがって、電
磁コイル Sol2に電流が送られ、図4における電磁切換
弁44が作動して、油圧シリンダ7のロッド7aを伸張
させる。そして、偏心錘6aを直立させた図2の(a)
に示す状態とすることにより、起振軸10の重心を起振
軸10の軸心に位置させる。すなわち、走行速度検出手
段82における走行速度が速度設定手段84における速
度より小さいときに、起振軸の重心を実質的に起振軸の
軸心上に位置させる。
【0042】また、図6の走行速度検出手段82におけ
る走行速度が速度設定手段84における速度より大きい
ときには、リレー86には、走行比較回路85からは電
流は送られず、リレー86内の接点T1 とT3 が接続さ
れて、電磁切換弁44の電磁コイル Sol2に電流を送る
のを止め電磁コイル Sol3に電流が送られ、油圧シリン
ダ7のロッド7aを縮退させる。そして、偏心錘6aを
起振軸10に対して偏らせた図2の(b)に示す状態と
することにより起振軸10の重心を起振軸10の軸心位
置から変位させる。
【0043】第2の実施例における偏心信号発生手段
は、走行駆動系からの走行速度検出手段82と、走行速
度設定手段84と、この走行速度検出手段82による検
出速度と走行速度設定手段84による設定速度とを比較
する速度比較手段85を備え、検出速度が設定速度より
大きいときに、偏心信号を発生する。
【0044】この際、振幅切換スイッチ43を低振幅
(L)に設定しているときは、図4において、シリンダ
ロッド7aが所定の低振幅相当の位置まで変位したとこ
ろで、油圧シリンダ7の本体のほぼ中間位置に設けた、
起振軸偏心量検出手段としての偏心量のセンサであるL
ポジションセンサ45は、電磁切換弁44の電磁コイル
Sol3に電流を送るのを停止する。すると、電磁切換弁
44は、中間位置に切換わり、油圧シリンダ7への作動
油の供給を止め、油圧シリンダ7の縮退動作も、その位
置で停止する。その結果、偏心錘6aは、図2の(b)
の鎖線に示す、起振軸10に対して比較的少ない偏りの
状態を保ちつつ、起振軸10が回転し、低振幅の振動を
発生することとなる。また、振幅切換スイッチ43を高
振幅(H)に設定しているときは、シリンダロッド7a
が低振幅相当の位置を通り過ぎ、さらに、所定の高振幅
相当の位置まで変位したところで、同様に、Hポジショ
ンセンサ46は、電磁切換弁44の電磁コイル Sol3に
電流を送るのを停止する。すると、電磁切換弁44は、
中間位置に切換わり、油圧シリンダ7への作動油の供給
を止め、油圧シリンダ7の縮退動作も、その位置で停止
する。その結果、偏心錘6aは、図2の(b)の実線に
示す、起振軸10に対して大きく偏った状態を保ちつ
つ、起振軸10が回転し、高振幅の振動を発生すること
となる。
【0045】次に、上記の構成からなる第2の実施例に
おける可変振幅振動ローラの起振装置の作動について、
図4および図6で説明する。振動ローラの運転作業者
は、路面の締固め作業を行うに当り、先ず、走行停止さ
せ、締固めるべき路面の状況に応じて振幅切換スイッチ
43をオフ状態から低振幅(L)または高振幅(H)に
切換える。この切換え操作により、電磁切換弁42の電
磁コイル Sol1に電流が送られ、油圧ポンプ41から圧
油が供給され、起振用油圧モータ9は回転し、起振軸1
0は所定の方向に回転する。この状態では、振動ローラ
は走行停止の状態にあり、走行速度は、当然予め定めた
速度よりも小さいので、電磁コイル Sol2に電流が送ら
れ、油圧シリンダ7のロッド7aを伸張させた状態を保
ち、起振軸10の重心は起振軸10の軸心に位置し、起
振軸10が回転していても、起振力は零となる。
【0046】いま、振幅切換スイッチ43を高振幅
(H)とした状態で、前進側に走行開始し、走行速度検
出手段により検出される速度が、走行速度設定手段によ
る設定速度より大きくなると、前述した通り、リレー8
6が、電磁切換弁44の電磁コイル Sol2に電流が送る
のを止めて、電磁コイル Sol3に電流を送るので、前述
した通り、偏心錘6aは、起振軸10に対して大きく偏
って、その状態を保ちつつ起振軸10が回転し、起振装
置は、高振幅の振動を発生することとなる。
【0047】所定の距離の締固めを行い、折返して後進
するときには、たとえ前後進レバー30を前進位置Aか
ら一気に後進位置Cに揺動操作しても、走行速度が予め
定めた速度以下にならない限り、振動は停止しない。そ
して、振動ローラが前進から後進に移行する過程で、走
行速度が設定速度より小さくなると、リレー86が作動
し、今度は、電磁切換弁44の電磁コイル Sol3に電流
が送るのを止めて、電磁コイル Sol2に電流を送るの
で、油圧シリンダ7のロッド7aは伸張され、再び起振
軸10の重心は起振軸10の軸心に位置して、起振軸1
0は回転を継続するものの振動の振幅は零である。次い
で、振動ローラが後進し、走行速度が設定速度より大き
くなると、前進時と同様に、振動ローラは高振幅で振動
する。
【0048】締固め作業の途中で振幅切換スイッチ43
を高振幅(H)から低振幅(L)に切換える場合は、走
行停止状態で、振幅切換スイッチ43の切換え作業を行
う。そして、前進または後進を開始し、走行速度が設定
速度より速くなると、やはり前述した通り同様に、リレ
ー86が、電磁切換弁44の電磁コイル Sol2に電流が
送るのを止めて、電磁コイル Sol3に電流を送るので、
偏心錘6aは、起振軸10に対して比較的少なく偏っ
て、その状態を保ちつつ起振軸10が回転し、起振装置
は、低振幅の振動を発生することとなる。
【0049】図7は、起振軸10に定常回転を維持させ
た状態で、振動ローラを前後進させたときの振動ローラ
の時間に対する走行速度と振動振幅(高振幅または低振
幅)の関係を示すグラフである。振動ローラが停止して
いるときは、前記のように、振幅は零である。前進方向
に振動ローラが走り出しても、その走行速度が予め定め
た速度以下の状態では、依然として、振幅は零のままで
ある。走行速度が予め定めた速度を越えると、その時点
から偏心量は零から設定振幅まで増加する。次いで、前
進走行の速度が徐々に低下し、設定速度より小さくなる
と、再び振幅が零となる。前進走行から後進走行に移っ
た後、その走行速度(絶対値)が予め定めた速度以下の
状態では、前進走行の場合と同様、依然として、振幅は
零のままである。後進方向の走行速度(絶対値)が予め
定めた速度を越えると、その時点から偏心量は零から設
定振幅まで増加する。そして、後進から停止を経由して
前進する場合も上記と同様の関係を繰り返すものであ
る。
【0050】
【発明の効果】以上説明した本発明の可変振幅振動ロー
ラの起振装置によれば、偏心軸を偏心させる信号を発生
する偏心信号発生手段と、振幅を選択できる振幅モード
設定手段と、起振軸の偏心量を検出する起振軸偏心量検
出手段と、偏心信号発生手段からの信号と振幅モード設
定手段による振幅モードの設定と起振軸偏心量検出手段
により起振軸の偏心量の制御を行う起振軸偏心量制御手
段とを備えるので、振幅モードを切換える毎に起振軸の
回転方向を変える必要がない。したがって、従来の起振
軸の回転方向を切換えて振幅を変える方式のように、可
動偏心錘が慣性力により固定偏心錘の係合部に強くぶつ
かり、起振軸関係の部品を傷めるという恐れがなく、ま
た、振幅の切換え時におけるエネルギの損失がない。ま
た、選択した振幅モードの振動振幅になるように、自動
的に起振軸の偏心量を制御し得るので、図11に示す起
振軸の回転方向を切換えずに振幅を変える従来の可変振
幅振動ローラに比較し、簡単に、所望の振幅に設定がで
きる効果がある。
【0051】さらに、偏心信号発生手段として、走行駆
動系に前進・停止・後進の指令を与える前後進レバーが
中立位置にあるか否かを検出する前後進レバー中立位置
検出手段を備えれば、走行停止時に振動を停止させ、走
行時に振動を転圧面に加えることも可能となり、ロール
設置面を大きく沈下させることなく、路面を平滑に仕上
げやすくなる。そして、前後進レバーの切換えの途中で
中立位置となる毎に起振軸の回転を停止させる必要がな
いので、起振軸回転の起動、停止を頻繁に行う必要がな
い。このため、振動の立上り時間、停止時間が短い。さ
らに、振動用の油圧ポンプ、油圧モータに与える負荷が
小さく、エネルギーの損失も少ないという付帯的な効果
もある。また、偏心信号発生手段が、走行速度検出手段
による検出速度と走行速度設定手段による設定速度とを
比較する速度比較手段を備えていて、偏心信号を発生す
るようにしても、同様の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る可変振幅振動ローラの起振装置の
一実施例を示す平面断面図である。
【図2】(a),(b)は、本発明に係る起振装置の可
動偏心錘の重心の切換え状態を示す側面図である。
【図3】本発明に係る可変振幅振動ローラの起振装置の
第1実施例の信号回路図である。
【図4】本発明に係る可変振幅振動ローラの起振装置の
油圧回路図である。
【図5】本発明に係る可変振幅振動ローラの起振装置の
第1実施例における振動ローラの前後進レバーと走行駆
動用の油圧ポンプとの接続配置関係を示す前後進操作装
置の側面図である。
【図6】本発明に係る可変振幅振動ローラの起振装置の
第2実施例の信号回路図である。
【図7】本発明に係る可変振幅振動ローラの起振装置の
第2実施例において、起振軸に定常回転を維持させた状
態で、振動ローラを前後進させたときの時間に対する振
動ローラの走行速度と振動振幅の関係を示すグラフであ
る。
【図8】従来の可変振幅振動ローラの起振装置の信号回
路図である。
【図9】従来の可変振幅振動ローラの起振装置の油圧回
路図である。
【図10】(a−1),(b−1)および(a−2),
(b−2)は、従来の振動ローラの起振軸の状態を示す
側面図および断面図である。
【図11】従来の可変振幅振動機構の他の例を示す斜視
図である。
【符号の説明】
1 …転動輪 2,2′ …鏡板 3 …起振機ケ−ス 4 …可変振幅振動機構 6 …枢軸 6a…偏心錘 7 …油圧シリンダ 7a…シリンダロッド 8 …コネクティングロッド 9 …起振用油圧モ−タ 10 …起振軸 10a…ガイドケース 18,18 …板状の支持部材 23 …ジョイント 30 …前後進レバー 38 …中立位置検出リミットスイッチ 40 …起振軸偏心量制御手段 41 …油圧ポンプ 42 …電磁切換弁 43 …振幅切換スイッチ 44 …電磁切換弁 45 …Lポジションセンサ 46 …Hポジションセンサ 47 …油圧ポンプ 70 …前後進操作装置 80 …走行速度検出手段 81 …走行駆動装置部品 82 …速度センサ(走行速度検出手段) 83 …速度演算回路 84 …速度設定回路(速度設定手段) 85 …速度比較回路(速度比較手段) 86 …リレー

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 起振軸に設けた偏心錘を可動として起振
    軸の重心に対して変位させ、振動の振幅を変える可変振
    幅振動機構を備える可変振幅振動ローラにおいて、 前記偏心錘を偏心させる信号を発生する偏心信号発生手
    段と、 振幅を選択できる振幅モード設定手段と、 起振軸の偏心量を検出する起振軸偏心量検出手段と、 偏心信号発生手段からの信号と振幅モード設定手段によ
    る振幅モードの設定と起振軸偏心量検出手段により起振
    軸の偏心量の制御を行う起振軸偏心量制御手段を備える
    ことを特徴とする可変振幅振動ローラの起振装置。
  2. 【請求項2】 前記偏心信号発生手段は、走行駆動系に
    前進・停止・後進の指令を与える前後進レバーが、中立
    位置にあるか否かを検出する前後進レバー中立位置検出
    手段を備え、中立位置以外にあるときに偏心信号を発生
    することを特徴とする請求項1に記載の可変振幅振動ロ
    ーラの起振装置。
  3. 【請求項3】 前記偏心信号発生手段は、走行駆動系か
    らの走行速度検出手段と、走行速度設定手段と、走行速
    度検出手段による検出速度と走行速度設定手段による設
    定速度とを比較する速度比較手段を備え、検出速度が設
    定速度より大きいときに、偏心信号を発生することを特
    徴とする請求項1に記載の可変振幅振動ローラの起振装
    置。
  4. 【請求項4】 前記起振軸偏心量制御手段は、前記偏心
    錘を動かして偏心量を変えるアクチュエータと、アクチ
    ュエータの動きを制御する電磁切換弁とを備え、また、
    前記起振軸偏心量検出手段は、起振軸の偏心量を増大さ
    せるようにアクチュエータを作動させる側の電磁切換弁
    の電磁コイルに、それぞれ信号接続され、アクチュエー
    タの可動部分がそれぞれ所定変位となったときにスイッ
    チ動作する複数の偏心量検出用センサを備えることを特
    徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の可
    変振幅振動ローラの起振装置。
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