JPH0754256A - 嵩高性不織布 - Google Patents

嵩高性不織布

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JPH0754256A
JPH0754256A JP14868194A JP14868194A JPH0754256A JP H0754256 A JPH0754256 A JP H0754256A JP 14868194 A JP14868194 A JP 14868194A JP 14868194 A JP14868194 A JP 14868194A JP H0754256 A JPH0754256 A JP H0754256A
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雄介 中野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 見掛けの厚さが収縮処理前の2倍以上に増大
され、表面に細かいパイルが短い畝状となって密集した
ような多数の皺を持った嵩高性不織布を提供する。 【構成】 加熱による最大収縮率(S%)が少なくとも
50%である高収縮性繊維を少なくとも50重量%含む
第一繊維層の少なくとも片面に本質的に熱収縮しない繊
維からなる第二繊維層を重ね合わせ、これら二層を繊維
間交絡して交絡不織布となし、この交絡不織布を熱処理
しその第一繊維層を収縮させて第二繊維層の厚さを増大
させ、第二繊維層の表面に多数の皺を形成するとともに
見掛けの厚味が上記交絡不織布の厚味の2倍以上の嵩高
な不織布となした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱収縮率50%以上の
高収縮性繊維で構成する繊維層と、他の繊維(熱収縮し
ないかまたは熱収縮率の小さい繊維)で構成する繊維層
とが重ね合わされて交絡され、両繊維層の熱収縮の差を
利用して表面に多数の皺が形成されてなる嵩高性不織布
であって、フィルター、マスク、ワイパーあるいはタオ
ル等に有効に利用することができる嵩高性不織布に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、不織布の見掛け厚味を増大化した
嵩高性不織布としては、特開平2−160962号公報
に記載されている潜在捲縮弾性繊維またはエラストマー
繊維である伸縮繊維の収縮性を利用したものが実用に供
されている。また不織布に多数の皺を形成した不織布と
しては、熱収縮ネットの両面から繊維を交絡させてネッ
トと一体化させた不織布となし、その不織布を熱処理し
てネットを収縮させ、表面に大きな皺を生じさせたもの
があり、これらはいずれも主として家庭用使い捨てワイ
パーに用いられている。
【0003】高収縮性繊維としては、特開昭60−27
09号公報に記載されている吸水膨潤作用を用いたポリ
ビニルアルコール繊維が実用に供され、また特開昭58
−214550号公報に記載されている熱収縮特性を利
用したブテン以上の炭素数を持つα−オレフィンとプロ
ピレン含有率50〜85モル%のプロピレンコポリマー
を用いたポリオレフィン系熱収縮繊維の例がある。さら
に最大収縮率が50%以上の熱収縮性繊維としては、先
に本出願人が提供したエチレン−プロピレンランダムコ
ポリマーおよびエチレン−プロピレン−ブテン−1三元
共重合体の繊維が挙げられる。(特開平5−44108
号公報参照)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の不織布に使用さ
れてきた乾熱収縮性繊維の最大収縮率は、通常30〜4
0%であることから収縮処理前の不織布を収縮処理して
も嵩の増加率が小さく、収縮処理後の不織布の厚味が処
理前の200%をを超えるような嵩高な不織布を得るこ
とが困難であった。また湿熱収縮性のポリビニルアルコ
ール繊維はこれより収縮性が大きいが収縮応力が小さい
ため、繊維間が交絡している不織布の一部の繊維に使用
してその収縮特性を利用しても、厚味の増加率が200
%を超えて不織布の表面に多数の皺が形成された嵩高性
不織布を得ることはできない。
【0005】また、上記潜在捲縮弾性繊維またはエラス
トマー繊維である伸縮繊維の収縮性を利用した嵩高性不
織布は、熱収縮によって伸縮性が発現する繊維を主体と
する第1繊維区域と、実質的に非伸縮性の第2繊維区域
とを幅方向に交互に並列してなる不織布に熱処理を施
し、その第1繊維区域の繊維に伸縮性を発現させて幅方
向に多数のクレープを形成して嵩高となしたものであっ
て、伸縮性に富んでいることから傷当てや包帯あるいは
クッションカバーなどには好適ではあるが、例えばワイ
パーやタオルに適用した場合、クレープ部分(皺部分)
が伸びてそのクレープ部分を有効に活用することができ
ない。
【0006】皺部分が伸びるというかかる不都合は、熱
収縮性ネットの両面に繊維を交絡させたのち熱処理して
ネットを収縮させ嵩高化した不織布によって改善するこ
とができるが、収縮したネットが芯材として内部に残留
しているため、手触りがよくない上に柔軟性が阻害さ
れ、またネットの収縮によって嵩高となった不織布の表
面は、ネットの網目間の繊維が膨れた形態であって皺状
とは言い難い。そしてこのような嵩高性不織布は面圧が
加わると平坦化しやすく、例えばワイパーとして使用し
た場合、拭き取り量のアップを期待することができな
い。
【0007】また上記したように、特開昭58−214
550号公報には20%以上の熱収縮性繊維が、また特
開平5−44108号公報には最大収縮率が50%以上
の熱収縮性繊維が記載されてはいるが、その用途は糸と
その糸によって得られる織り編み物の例が教示されてい
るに留まる。そしてこのような高収縮性繊維は熱収縮開
始温度が比較的低くまた収縮率が大きいことから、繊維
ウェブ混合した場合の全体の均整な熱処理の困難性が予
測されることから、上記発明の出願時点においてこの高
収縮性繊維を不織布の構成繊維の一部に利用して不織布
の表面に多数の皺を形成するという着想は思いもよらぬ
ことであった。
【0008】一般に家庭用ワイパーに限らず、拭き取り
量の大きいものを対象にしたワイパーは、表面に多数の
凹凸を持ち、拭き取ったものを凹部に押し込め、ワイパ
ー表面にはあまり拭き取ったものがない状態に保ことが
理想であり、したがって表面がより多皺性で凹凸に富
み、張力によっても皺が伸びず、見掛けが嵩高な不織布
が要望されている。しかしながら従来の凹凸性不織布で
はまだ十分目的を達するほど多皺性ではなく拭き取り量
の大きいものを対象にしたワイパーとして必ずしも満足
できるものではなかった。また近年汎用されてきた極細
繊維を用いたワイパーは、繊細な塵埃の拭き取りに好適
ではあるが拭き取り量の大きいものを対象にしたワイパ
ーとして不向きであり、表面に型崩れしない多数の皺を
備えた柔軟な嵩高性不織布が業界において強く要望され
ていた。
【0009】また、フィルター分野においては濾過表面
が大きい程より長時間濾過に供することができるため、
扁平なフイルターにプリーツ加工を施すなどしてフイル
ター表面をより増大させる努力が払われてきたが、プリ
ーツ加工を施すことなく皺の形成によって濾過面積を大
きくなした嵩高性の不織布の実現が望まれていた。
【0010】本発明は、表面に細かいパイルが短い畝状
となって不規則に密集したような多数の皺を備え、各種
のワイパーやフィルターあるいはタオルやシーツなどボ
リウムと柔軟性が要求される用途に好都合な嵩高性不織
布を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱収縮率が5
0%以上の高収縮性繊維からなるウェブ層に、他の繊維
で構成したウェブを積層するとともにこれら両ウェブの
構成繊維間を絡合させて熱処理により上記高収縮性繊維
の層を収縮させることによって表面に多数の皺が形成さ
れた嵩高性不織布が得られることを知見し、上記課題を
解決した。
【0012】即ち本発明による嵩高性不織布は、加熱に
よる最大収縮率(S%)が少なくとも50%である高収
縮性繊維を少なくとも50重量%含む第一繊維層の少な
くとも片面に他の繊維からなる第二繊維層が位置し、こ
れら二層が繊維間交絡により一体化され、熱処理により
第一繊維層が収縮されて表面に第二繊維層による多数の
皺が形成され、見掛けの厚味が上記交絡不織布の厚味の
2倍以上を有していることを特徴としているものであ
る。
【0013】熱収縮性繊維がその収縮率を50%を超え
る性能を持ちえないと単なるクレープ状の凹凸が形成さ
れた不織布となり、細かいパイルループが短い畝状に不
規則に密集したような多皺性の嵩高不織布を得ることが
できない。また、80%程度の収縮率を持つ収縮性繊維
であっても、他の普通の繊維50%以上と混綿すると所
望の多皺性の嵩高性不織布が得られず、最大収縮率(S
%)が少なくとも50%である高収縮性繊維を少なくと
も50重量%含む繊維ウェブでもって第一繊維層を形成
することが重要である。
【0014】高収縮性繊維としては、融解ピーク温度
(Tm℃)が130<Tm<145のエチレン−プロピ
レンランダムコポリマー(EP)を少なくとも70重量
%以上含むポリマーからなる繊維が好適である。
【0015】さらに高収縮性繊維は、前記ポリマー(E
P)を少なくとも70重量%と、融解ピーク温度(Tm
℃)が130<Tm<145のエチレン−プロピレン−
ブテン−1三元共重合体(EPB)との混合ポリマーか
らなる繊維が好ましく、またさらに上記EPとEPBの
混合ポリマーに少量のポリプロピレン(PP)等のオレ
フィン系ポリマーを混合してもよい。
【0016】上記オレフィン系熱収縮繊維、特にEPの
みでなる繊維はそれを3倍程度に延伸すると、融点直下
の130℃で1分以内に93%の熱収縮率を示す。即ち
元の長さの7%になり、素材としてEPが最も熱収縮し
やすく、次いでEPBが熱収縮しやすい。したがってE
Pを多用するのが好ましいが、用途によってはEPの高
収縮性の制御が必要な場合もあり、最大熱収縮率が50
%を下回らない範囲においてEPよりも熱収縮率の小さ
いポリマーを混合してもよい。
【0017】上記融解ピーク温度とはポリマーの示差熱
熱量測定(DSC)をおこなうときのDSC曲線が最高
値を示すときの温度であり、また最大熱収縮率とは、加
熱された繊維が繊維形状を保ったままの収縮状態での最
高の収縮率をいう。
【0018】一般に不織布用繊維は、帯電防止剤などの
繊維処理剤水溶液を製造上付着させ、乾燥して製造する
ので、収縮温度が100℃を超えるものを使用する。ま
た繊維が溶融すると収縮応力が著しく低下するため、熱
収縮加工の時間によるが、繊維が完全に溶融してしまわ
ない状態に工夫すると、熱収縮加工温度(T℃は100
<T<=Tm+30の範囲が好ましい。
【0019】第二繊維層を構成する繊維は、木綿、麻な
どの木質繊維、羊毛などの獣毛、生糸などの天然繊維、
レーヨンやアセテートなどの化学繊維およびポリプロピ
レン、ポリエステル、アクリル、ナイロン、塩化ビニル
およびビニロンなどの合成繊維であって熱収縮加工温度
で溶融しない繊維、など、いわゆる一般に繊維といわれ
る繊維状物を都合よく用いることができ、これらは第一
繊維層で収縮繊維と混綿して用いることができる。
【0020】例えばウエットワイパー用の本発明の嵩高
性不織布においては、レーヨンなどの親水性繊維を第二
繊維層に、また精密ワイパー用の場合には、ナイロンと
ポリエステルまたはポリエステルとポリプロピレンなど
の組合せによる分割性複合繊維や易フィブリル化アクリ
ル繊維を第二繊維層に、そしてフィルターやマスクに用
いる時は、一般繊維に加え上記分割性複合繊維や易フィ
ブリル化アクリル繊維を単独もしくは混用する、などし
て使用すると都合がよい。
【0021】なお、精密ワイパーに用いる時は、高収縮
性の第一繊維層の両面に第二繊維層を位置させて繊維間
交絡、熱処理して両面に皺を形成してなる嵩高不織布と
し、表裏両面を拭き取り面として使用できるようにする
ことが望ましい。そして両面に第二繊維層を配する場
合、一方の第二繊維層を他方の第二繊維層より低目付と
なし、表裏に大きさのことなる皺を形成すると一層好都
合である。
【0022】また、第二繊維層は、接着が緩やかなスパ
ンボンド不織布やメルトブロー不織布であっても差し障
りなく、またトウ開繊ウエッブなど、長繊維の集合物で
構成してもよい。
【0023】本発明の嵩高性不織布は、収縮処理後の見
掛けの厚味が収縮処理前の交絡不織布の厚味の2倍以上
を有し、表面に密集した多数の皺を有している。このよ
うな嵩高性不織布を得るには、熱収縮加工をする前に上
記した熱高収縮性繊維を少なくとも50%含む第一繊維
層内に第二繊維層の繊維が混入して交絡いることが肝要
である。このような状態下で熱処理することにより積層
したウェブ全体が均一に収縮して厚さが増加し、表面
(第二繊維層の面)に密集した多数の皺を備えた嵩高な
不織布が得られる。
【0024】収縮処理後の不織布の見掛けの厚味が、収
縮処理前の交絡不織布の厚味の2倍を超えないような嵩
高性不織布においては、表面に形成される皺間隔が粗と
なり、例えばワイパーやタオルとして使用した場合、皺
が倒伏して嵩高性の維持が困難となり、また濾過材とし
て使用すると、皺の部分と、皺と皺との間の部分との繊
維密度差が大きくなって、全面に亘り均整な濾過作用を
期待することができない。収縮後の厚味の好ましい増加
率は約250〜600%である。
【0025】上記第一繊維層と第二繊維層の繊維間を交
絡する方法としては、積層繊維ウェブの目付が15〜1
00g/m2 程度の低目付のものに対しては高圧水流に
よるウオータージェツト法(スパンレース法ともいわれ
ている)が最も都合がよく、100〜300g/m2
度の高目付の積層繊維ウェブにおいては、高圧水流によ
るウオータージェツト法の他にニードルパンチ法を用い
てもよい。そして繊維交絡後の熱処理による収縮加工
は、できるだけ束縛のない状態で行なうのが好ましい。
【0026】しかし表面に多数の皺を備えた本発明の嵩
高性不織布を得るには、積層繊維ウェブの目付けを15
〜250g/m2 程度に留め、その積層ウェブを高圧水
流によるウオータージェツト法でもって繊維間交絡さ
せ、しかるのち熱処理を施すことが有利であり、あまり
高目付のものは好ましくない。即ち収縮処理加工する交
絡不織布は、250g/m2 以下の目付とするのがよ
く、目付が25〜60g/m2 の交絡不織布においては
第二繊維層の面に特に好ましい多数の皺を形成すること
ができる。
【0027】また第一繊維層と第二繊維層の比率は、用
途や構成や目付などの因子ため一概に言えないが、皺を
多くするには第一繊維層の比率が第二繊維層より少ない
方が良い結果となる。そして収縮加工によって、交絡不
織布のうち第二繊維層に皺が生じ、同時に第一繊維層は
より高密度な繊維状態となるので不織布の厚さ方向に繊
維密度差が形成される。このことは例えばフィルターや
マスクなどの濾過材として使用した場合、単位面積当た
りの濾過面積が増大するとともに、深層濾過機能を呈
し、濾過精度や濾過ライフの向上に好都合となる。
【0028】
【作用】本発明の嵩高性不織布は、高収縮性繊維が含ま
れる第一繊維層と一般の繊維でなる第二繊維層が繊維間
交絡により一体化しており、高収縮性繊維が収縮するこ
とで第一繊維層全体が収縮して、繊維密度も上昇するた
め第二繊維層を巻き込んで収縮変形して第二繊維層側に
細かいパイルループが短い畝状に不規則に密集したよう
な多数の皺が形成されている。そしてこの皺は非可逆な
作用によって作られており、第二繊維層の嵩高変形は固
定され、張力が付与されても皺が伸びず、容易になくな
らない。
【0029】したがって例えば第二繊維層がレーヨンで
もって構成されている場合においては、柔軟性に富み保
水性が優れた嵩高性不織布となり、タオルやワイパーと
しての機能を向上させる。また第二繊維層が疎水性繊維
でもって構成されている場合においては、疎水性繊維に
よる表面積が増大し、例えば濾過材として使用した場
合、深層濾過作用を奏し、濾過精度や濾過ライフの向上
に寄与する。
【0030】
【実施例】
繊維の用意 表1、表2に示すEP、EPBおよびPPを用い各紡糸
条件下で繊維化し、帯電防止剤等の繊維処理剤を付与
後、スタフィング処理剤を付与後、スタフィングボック
スで機械捲縮加工し、60℃のコンベア型熱風貫通型乾
燥機で乾燥し、51mmの長さに切断してステープルと
なした。常法で測定したこのステープルの繊維性能を表
1および表2の通りであった。
【0031】また、試販のレーヨン(2デニール、51
mm)、アクリル繊維(2デニール、45mm)、ポリ
エステル繊維(1.5デニール、38mm)も用意し
た。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】上記表1、表2において 単一 : 一種のポリマーを紡糸した単一繊維。 混合 : 二種以上のポリマーを混合して紡糸した単一
繊維。 S/S: 並列型複合繊維であって、混合率は複合比率
を示す。 分割 : 繊維断面が風車型の8分割繊維。 PET: ポリエチレンテレフタレート。 乾熱収縮率(%)は繊維100本を束ねたものを各温度
下に暴露したときの収縮率を測定した。MFRは230
℃において測定した。但しPETは280℃で測定し
た。
【0035】[実施例1〜13,比較例1〜3]表3、
表4、および表5に示すように、第一繊維層と第二繊維
層に使用する二種のウェブを作り、これを重ね合わせて
ウオータージェット法(水圧40kg/cm2 )により
第一繊維層と第二繊維層の構成繊維を交絡させた。但し
実施例6、7、8および9は120kg/cm2 の圧力
水を用いた。また実施例6、7および9は第二繊維層を
目付を20g/m2 と10g/m2 の2つに分けて第一
繊維層の表裏に配して交絡処理を行った。また実施例8
の第一繊維層にはA繊維を長さ方向に配向した平行ウェ
ブを使用した。
【0036】次に第一繊維層と第二繊維層とを繊維交絡
処理した不織布を、表3、表4、および表5に示した加
工温度で1分間熱処理して第一繊維層の収縮処理を行っ
たところ、比較例においては見掛けの厚味が交絡不織布
の2倍程度であったが、実施例のすべてにおいては見掛
けの厚味が交絡不織布の2.5倍以上を有し、第一繊維
層の面に表面に細かいパイルループが短い畝状に不規則
に密集したような多数の皺を持つ嵩高な不織布が得られ
た。
【0037】なお、熱処理加工にはコンベア型熱風貫通
型乾燥機を用いた。その結果を表3、表4、および表5
に示し、また実施例1および8と比較例1の強力および
伸度を表6に示す。
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】
【表5】
【0041】
【表6】
【0042】実施例1の本発明嵩高性不織布に希釈した
台所用液体洗剤を含浸させ、油に汚れたガスレンジを拭
いたところ、市販の台所用ワイパーと同程度に手早く拭
き取れることが出来た。なお、市販のものに比べ伸び縮
みが少ないので、裏側に汚れが滲み出す程度が少なく、
手が汚れにくかった。
【0043】実施例5の嵩高性不織布を幅25cmの帯
状に裁断し、外径35mmの多孔性円筒に強く締めなが
ら外径が65mmとなるまで巻き付け、巻き端を電気ご
てで溶かして固定し、両端面をホットプレートで溶かし
てシールしてカートリッジタイプの円筒フィルターとし
た。同様にして繊度2デニールのPPを芯成分とし鞘成
分をポリエチレンとする熱接着繊維NBF(H)(大和
紡績株式会社製)を用いた目付40g/m2 の熱接着不
織布で同形の円筒フィルターを作った。
【0044】実施例5の不織布を使うと同じ外径の円筒
フイルターで、巻き付け長さは上記熱接着不織布の1/
3となり、生産性が向上した。そして上記2種の円筒フ
ィルターを用いて、濃度200ppmの試験用ダスト
(関東ローム、平均粒径30μ1)懸濁液を外側から内
側の中空部に貫通させるという濾過テストをしたとこ
ろ、NBF(H)不織布を巻いた円筒フィルターが目詰
りを起こして通水圧が上昇する水量でも、実施例5の不
織布の円筒フィルターにおいては通水圧はさほど上昇せ
ず、濾過ライフの向上が確認された。
【0045】また実施例8によって得られた本発明の嵩
高性不織布は、特に縦方向の収縮率が大きく、見掛けの
厚味が2mm以上を有し、第二繊維層側の表面には細か
いパイルループが短い畝状に不規則に密集したような多
数の皺が顕著に形成されてなる柔軟性に富み、またその
裏面の第一繊維層側にはA繊維の過度な収縮によって高
密度化した硬質面となっていた。したがってこの嵩高性
不織布を浴用タオルとして使用した場合、第二繊維層側
における石鹸の泡立ちがきわめて良好であり、その裏面
側は垢擦りとしての機能を発揮した。
【0046】
【発明の効果】このように本発明の嵩高性不織布は、加
熱による最大収縮率(S%)が少なくとも50%である
高収縮性繊維を少なくとも50重量%含む第一繊維層の
少なくとも片面に他の繊維からなる第二繊維層が位置
し、これら二層が繊維間交絡により一体化され、熱処理
により第一繊維層が収縮されて表面に第二繊維層による
多数の皺が形成され、見掛けの厚味が上記交絡不織布の
厚味の2倍以上を有してなるものであるから、本発明の
嵩高性不織布の見掛け厚味と同じ厚味を持つ従来の不織
布より遥かに低目付となり経済的である。
【0047】その上、柔軟性に富み、見掛け厚味が大き
く、表面に形状崩れのない多数の皺を有しているので、
ワイパーとして用いると、表面の皺が優れた拭き取り効
果を発揮し、汚れが裏側に滲み出しにくく使い勝手がよ
い。また、濾過材として用いると単位面積当たりの表面
積が増加しており、かつ繊維密度勾配があるので目詰り
を起こしにくく濾過寿命を向上させることができる。
【0048】本発明の嵩高性不織布を簡易マスクとして
用いると、上記濾過材と同様の効果に加え、薄い高密度
層が存在するので、メルトブロー不織布などを用いた高
密度層を構成要素とするものより通気抵抗が少なく、か
なり微粒子まで除去できる利点がある。さらに本発明の
嵩高性不織布は全体的にみて繊維密度が小さく嵩高で柔
軟であるため、衣類などの保温性材料としても優れた効
果を発揮し、また前記実施例8で得られた嵩高性不織布
は、浴用タオルとして好適となる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱による最大収縮率(S%)が少なく
    とも50%である高収縮性繊維を少なくとも50重量%
    含む第一繊維層の少なくとも片面に他の繊維からなる第
    二繊維層が位置し、これら二層が繊維間交絡により一体
    化され、この交絡不織布が熱処理によりその第一繊維層
    が収縮されて表面に第二繊維層による多数の皺が形成さ
    れ、見掛けの厚味が上記交絡不織布の厚味の2倍以上を
    有していることを特徴とする嵩高性不織布。
  2. 【請求項2】 高収縮性繊維は、融解ピーク温度(Tm
    ℃)が130<Tm<145のエチレン−プロピレンラ
    ンダムコポリマー(EP)を少なくとも70重量%以上
    含むポリマーからなる請求項1記載の嵩高性不織布。
  3. 【請求項3】 高収縮性繊維は、請求項2記載のポリマ
    ー(EP)を少なくとも70重量%と、融解ピーク温度
    (Tm℃)が130<Tm<145のエチレン−プロピ
    レン−ブテン−1三元共重合体(EPB)との混合ポリ
    マーからなる請求項1記載の嵩高性不織布。
  4. 【請求項4】 第一繊維層は目付が5〜30g/m2
    第2繊維層はレーヨン繊維が80重量%以上で構成され
    その目付が10〜60g/m2 である請求項1記載の嵩
    高性不織布。
  5. 【請求項5】 第一繊維層は目付が5〜40g/m2
    第2繊維層はフィブリル化した極細繊維で構成されその
    目付が10〜50g/m2 である請求項1記載の嵩高性
    不織布。
  6. 【請求項6】 第一繊維層は目付が5〜40g/m2
    平行繊維層である請求項1記載の嵩高性不織布。
JP14868194A 1993-06-07 1994-06-06 嵩高性不織布 Expired - Lifetime JP3138145B2 (ja)

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