JPH0753987A - ウールグリースまたはラノリンの分離精製を行なう方法 - Google Patents

ウールグリースまたはラノリンの分離精製を行なう方法

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JPH0753987A
JPH0753987A JP19835293A JP19835293A JPH0753987A JP H0753987 A JPH0753987 A JP H0753987A JP 19835293 A JP19835293 A JP 19835293A JP 19835293 A JP19835293 A JP 19835293A JP H0753987 A JPH0753987 A JP H0753987A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 吸着塔を用いてウールグリースなどの分離精
製を繰り返し行なう際に、吸着塔の再生使用回数をふや
すとともに、再生使用回数の増加にともなう分離精製量
の減少、純度の低下を少なくする。 【構成】 吸着塔を用いてウールグリースなどの分離精
製を行なう際に、吸着剤に吸着させたウールグリースな
ど中の極性化合物を極性有機溶剤の通液によって溶離、
回収するとき、繰り返し使用する吸着剤として、吸着剤
に吸着したウールグリースなど中の極性化合物の残存量
が3重量%以下になるまで極性有機溶剤を通液したもの
を用いてウールグリースなどの分離精製を行なう方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はウールグリースまたはラ
ノリンの分離精製を行なう方法に関する。さらに詳しく
は、ウールグリースまたはラノリンに含まれる非極性の
ラノリンと極性化合物とを吸着塔により分離精製する際
に、用いた吸着剤に残存するウールグリースまたはラノ
リン中の極性化合物の量を特定量以下になるようにして
繰り返しウールグリースまたはラノリンの分離精製を行
なう方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ウールグリースまたはラノリ
ンを非極性有機溶剤に溶解したものを、吸着剤を充填し
た吸着塔に通液し、ウールグリースまたはラノリン中の
極性化合物を吸着剤に吸着させ、通過液から非極性の吸
着精製ラノリンをうるとともに、吸着剤に吸着させたウ
ールグリースまたはラノリン中の極性化合物を、極性有
機溶剤を通液することによって溶離させ回収することに
よってウールグリースまたはラノリンを分離精製する方
法が知られている(特公昭54−21207号公報)。
【0003】前記ウールグリースまたはラノリンの分離
精製に用いた吸着剤を充填した吸着塔は、ウールグリー
スまたはラノリン中の極性化合物を極性有機溶剤を通液
することによって溶離させたのち、チッ素ガスを流しな
がら加熱するなどの方法によって乾燥せしめ、ウールグ
リースまたはラノリンの分離精製に繰り返し使用されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記のごとき方法によ
り吸着塔を再生して繰り返し使用するばあい、トータル
の皮膚刺激で評価されるアレルゲンのみの除去という観
点からみて、再使用可能な回数は高々20回である。ア
レルゲンの除去に加えて厚生省の「化粧品種別許可基
準」の「吸着精製ラノリン」についての水酸基価の規格
値の5.0以下を満たそうとすると、吸着剤の繰り返し
使用回数が増加するごとに分離精製しうるウールグリー
スまたはラノリンの量は少なくなるなどの問題が生ず
る。たとえば従来法によりウールグリースの分離精製を
行なったばあい、1回目の非極性の吸着精製ラノリンの
収量を100にすると、水酸基価5.0以下の吸着精製
ラノリンをうるばあい、2回目ですでに約86.4、1
0回目では約47.6、20回目では約34.1という
ように少なくなってしまう。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記のごとき
従来のウールグリースまたはラノリンの分離精製法にお
ける問題を解決し、吸着塔の繰り返し使用回数を多くす
ることができ、しかも、繰り返し使用によっても分離精
製しうるウールグリースまたはラノリンの量が少なくな
らないようにすることができるなどの特徴を有するウー
ルグリースまたはラノリンの分離精製法を開発すること
を目的としてなされたものであり、ウールグリースまた
はラノリンを非極性有機溶剤に溶解したものを、吸着剤
を充填した吸着塔に通液し、ウールグリースまたはラノ
リン中の極性化合物を吸着剤に吸着させ、通過液から非
極性の吸着精製ラノリンをうるとともに、吸着剤に吸着
させたウールグリースまたはラノリン中の極性化合物
を、極性有機溶剤を通液することによって溶離させて回
収するウールグリースまたはラノリンの分離精製法にお
いて、吸着剤に吸着させたウールグリースまたはラノリ
ン中の極性化合物を極性有機溶剤の通液によって溶離、
回収する際に、吸着剤に吸着したウールグリースまたは
ラノリン中の極性化合物の量が3%(重量%、以下同
様)以下になるまで極性有機溶剤を通液した吸着剤を繰
り返し用いてウールグリースまたはラノリンの分離精製
を行なう方法に関する。
【0006】
【実施例】本発明においては、ウールグリースまたはラ
ノリンを非極性有機溶剤に溶解したものを、吸着剤を充
填した吸着塔に通液し、ウールグリースまたはラノリン
中の極性化合物を吸着剤に吸着させ、通過液から非極性
の吸着精製ラノリンがえられる。
【0007】前記ウールグリースは、羊毛に付着した茶
褐色の獣臭のある油脂状物質を原毛洗浄廃液より分離回
収したものであり、ウールグリースの他に、通常、タン
パク質、毛片、塵埃、土砂などの夾雑物、およびウール
グリース成分としての遊離ラノリンアルコール、遊離ラ
ノリン脂肪酸などが含まれている。前記成分のうちの遊
離のラノリン脂肪酸、ラノリンアルコールなどの極性化
合物が、ウールグリース独特のベタツキ感や、におい、
化粧品原料として使用したばあいの皮膚刺激の原因など
になることが知られている。
【0008】また、前記ラノリンは、ウールグリースを
酸処理、アルカリ処理、水洗、脱色後、水蒸気脱臭など
の処理を行なうことによってえられた黄色〜黄褐色の強
粘性の軟膏様の物質であり、医薬品、化粧品原料として
市販されているものである。
【0009】前記ウールグリースまたはラノリンを溶解
するのに使用する非極性有機溶剤としては、ウールグリ
ースまたはラノリンに含まれる夾雑物(タンパク質、毛
片、塵埃、土砂など)以外の成分を溶解し、好ましくは
沸点40〜120℃程度の非極性有機溶剤があげられる
がこれらに限定されるものではない。
【0010】このような非極性有機溶剤の具体例として
は、たとえばn−ヘキサン、3−メチルペンタン、石油
エーテル、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサンのよう
な脂肪族または芳香族炭化水素類、クロロホルム、四塩
化炭素のようなハロゲン化炭化水素類、それらの混合物
などがあげられるが、これらに限定されるものではな
い。これらのうちでは、n−ヘキサン、石油エーテル、
シクロヘキサンなどが人体に対する安全性、留去のしや
すさなどの点から好ましい。
【0011】前記ウールグリースまたはラノリンを前記
非極性有機溶剤に溶解する際のウールグリースまたはラ
ノリンと非極性有機溶剤との使用割合としては、ウール
グリースまたはラノリン1部(重量部、以下同様)に対
して非極性有機溶剤1.5〜7.5容量部、好ましくは
2.5〜4容量部である。
【0012】なお、前記溶液中に夾雑物が不溶物として
含まれているばあいには、不溶物を濾過(フィルタープ
レスなど)、デカンテーションなどの方法で除去したの
ち吸着剤を充填した吸着塔に通液するのが好ましい。
【0013】前記吸着剤としては、極性物質と非極性物
質とに対する吸着性に差のあるものであれば使用しうる
が、具体例としては、たとえば活性白土、酸性白土、ベ
ントナイト、活性アルミナ、シリカゲル、ケイ酸アルミ
ニウム、ケイ酸マグネシウム、ゼオライト、それらの混
合物などがあげられ、これらのうちでは活性アルミナ、
シリカゲル、ケイ酸マグネシウムが好ましい。これらの
吸着剤の粒度は16〜200メッシュであるのが、吸着
塔内で所望の強度を有し、均一に充填させやすいなどの
点から好ましく、さらには30〜200メッシュである
のが好ましい。
【0014】前記吸着剤を充填する吸着塔の形状として
は、通常使用される形状であれば使用しうるが、後述す
る吸着物の溶離工程で加温が必要なばあいがある、吸着
塔の再生工程で加熱が必要であるなどのため、たとえば
スチームジャケット、電気ヒーターなどの加温、加熱手
段を有するものが好ましい。
【0015】吸着剤の充填の仕方にもとくに限定はない
が、吸着塔を再生する際にチッ素ガスを通しながら加熱
して乾燥させるときに目詰まり、乾燥むらなどがないよ
うにするためには、できるだけ均一に充填するのが好ま
しい。
【0016】このようにして調製された吸着塔に、前記
非極性有機溶剤にウールグリースまたはラノリンを溶解
させた液が通液されるが、その際の通液条件としては、
通常、室温で、ウールグリースまたはラノリン1部に対
して吸着剤の量が2〜10部、好ましくは4〜7.5部
程度の割合になるように、また、液が10〜30分間程
度吸着剤と接触するように通液するのが好ましい。
【0017】前記溶液を通液後、吸着剤1部に対して1
〜3容量部程度の非極性溶剤で洗浄し、前記通液と洗液
とをあわせて非極性溶剤を留去させることにより、非極
性の吸着精製ラノリンがえられる。
【0018】一方、吸着剤に吸着したウールグリースま
たはラノリン中の極性化合物は、洗液を通液後、極性有
機溶剤を通液して溶離せしめられる。えられた溶離液か
ら溶剤を留去することによってウールグリースまたはラ
ノリン中の極性化合物が回収される。
【0019】本発明においては、前記吸着剤に吸着され
たウールグリースまたはラノリン中の極性化合物を極性
有機溶剤の通液によって溶離、回収する際に、吸着剤に
吸着したウールグリースまたはラノリン中の極性化合物
の量が3%以下、好ましくは2.5%以下になるように
極性有機溶剤が通液される。
【0020】吸着剤に吸着したウールグリースまたはラ
ノリン中の極性化合物の量を3%以下にする方法として
は、吸着剤と極性有機溶剤とが接触する温度を35℃な
いし極性有機溶剤の沸点未満の温度にする、などの方法
がある。
【0021】前記吸着剤と極性有機溶剤とが接触する温
度を35℃ないし極性有機溶剤の沸点未満の温度、好ま
しくは40〜120℃程度にするのは、吸着剤に吸着し
ている極性化合物の融点付近の35℃以上にし、極性化
合物の溶離、回収を速め、かつ、吸着剤への残留吸着量
を少なくするためである。このような方法をとることに
より、従来からの極性有機溶剤の使用量と同等の使用量
でも吸着剤に残留するウールグリースまたはラノリン中
の極性化合物の量を3%以下、好ましくは2.5%以下
にすることができる。
【0022】前記吸着剤と極性有機溶剤とが接触する温
度は、最初から最後まで同一温度であってもよいが、た
とえば最初は吸着塔の加温が充分でなく、そののち徐々
に昇温させるばあいや、加温した極性有機溶剤を通液す
るとき、最初のうちは室温の非極性有機溶剤により低い
温度で接触させるが、そののち徐々に昇温されるばあい
のように、最初と最後の温度が異なってもよい。
【0023】前記吸着剤に残留するウールグリースまた
はラノリン中の極性化合物の割合は、所定量の極性溶剤
を通液したのち吸着剤を取り出し、充分混合して均一に
なるようにしたのち約20gを円筒濾紙にとり、上部を
脱脂綿で塞ぎ、水飽和メチルエチルケトン(含水率12
%)を200mLを用いて5時間抽出したときに溶出す
る極性化合物の量を求め、105℃で3時間乾燥させた
吸着剤に対する割合を求めた値である。
【0024】前記の結果、1回の分離精製により分離精
製しうるウールグリースまたはラノリンの量が少なくな
り、えられる非極性の吸着精製ラノリンの純度も低下す
るなどの問題を改善しうる。
【0025】前記目的に使用する極性有機溶剤として
は、たとえばメタノール、エタノール、イソプロパノー
ルのごときアルカノール類、酢酸エチルのようなそれら
のエスエル類、それらの混合物など沸点60〜120℃
程度の極性有機溶剤があげられるが、これらに限定され
るものではない。
【0026】前記極性溶剤の使用量は、吸着剤1部に対
して、吸着剤と極性有機溶剤とが接触する温度を35℃
ないし極性有機溶剤の沸点未満の温度にするばあいで
0.6〜1.5容量部、さらには0.9〜1.1容量部
が適当である。
【0027】なお、吸着剤に吸着したウールグリースま
たはラノリン中の極性化合物の溶離、さらには吸着剤を
再生させるために流す極性有機溶剤の極性が高くなるほ
ど前記極性化合物の残留率は低下するが、そののち行な
われる乾燥に時間がかかる。極性有機溶剤の極性をあげ
る1つの方法は、極性有機溶剤の含水率をあげることで
あるが、乾燥に時間がかかることを考慮すると5%程度
以下の含水率にすることが好ましい。
【0028】吸着剤に吸着したウールグリースまたはラ
ノリン中の極性化合物を溶離、回収したのちの吸着剤に
は極性有機溶剤が吸着しているが、吸着塔にチッ素ガス
を通気しながらたとえば吸着塔に付設してあるスチーム
ジャケットなどにより100〜150℃に加熱し、6〜
20時間乾燥することによってウールグリースまたはラ
ノリンの分離精製に使用しうる吸着塔に再生することが
できる。
【0029】このような方法をとることにより、吸着剤
の繰り返し使用回数を増加させることができ、しかも、
繰り返し使用回数が増加しても1回当りの処理量を多い
ままにすることができ、したがって、えられる非極性の
吸着精製ラノリンの収量を多くすることができ、水酸基
価も低くすることができる。
【0030】えられた非極性の吸着精製ラノリンは、従
来法による吸着精製ラノリンと、色相、においおよび皮
膚刺激性、アレルギー性などの点において同等以上のも
のであり、化粧品用、医薬品用などに好適に使用され
る。また、溶離によりえられた極性化合物(溶離極性ラ
ノリン)も、従来品と同等のものであり、工業用原料と
して好適に使用しうる。
【0031】つぎに本発明の方法を実施例および比較例
に基づきさらに具体的に説明する。
【0032】実施例1 未使用の活性アルミナ(日本活性白土(株)製のアルミ
ナゲル、平均粒径30メッシュのもので水分0.2%)
100kgを吸着塔に充填し、n−ヘキサン50Lにウ
ールグリース(酸価0.8、水酸基価35.6、色相ガ
ードナー7)20kgを溶解した液を約20分かけて通
液し、さらにn−ヘキサン100Lを約20分かけて通
液し、通過した液を合わせて溶剤を留去させて、非極性
の吸着精製ラノリンをえた。さらに、水分率0.5%、
40℃の温エンタノール100Lを約20分かけて通液
し、吸着剤に吸着されていた極性化合物を溶離させて、
溶剤を留去して溶離極性ラノリンをえた。
【0033】吸着剤は、吸着塔に付設してあるスチーム
ジャケットにて140℃に加熱しながらチッ素ガスを吸
着塔の上部から6時間通気し充分に乾燥(揮発分1.0
%以下)させたのち、室温に冷却後同一条件で再使用し
た。
【0034】吸着剤の使用回数と、吸着剤中に残存して
いるウールグリース中の極性化合物の割合(残存油分
率)、えられた吸着精製ラノリンと溶離極性ラノリンと
のウールグリースに対する割合および吸着精製ラノリン
の分析結果(酸価、水酸基価、色相)との関係を表1に
示す。
【0035】なお、吸着剤中の残存油分率は、前述の方
法で求めた。
【0036】
【表1】
【0037】表1の結果から、50回使用後も吸着剤中
の残存油分率はほとんど上昇せず、えられた吸着精製ラ
ノリンの水酸基価も「化粧品種別許可基準」(厚生省薬
務局審査第二課監修、薬事日報社発行)の「吸着精製ラ
ノリン」についての規格値の5.0以下になることがわ
かる。
【0038】比較例1 特公昭54−21207号公報に記載の方法、つまり実
施例1で使用した活性アルミナ100kgを吸着塔に充
填し、n−ヘキサン50Lにウールグリース(酸価0.
8、水酸基価35.6、色相ガードナー7)20kgを
溶解した液を通液し、さらにn−ヘキサン100Lを通
液し、通過した液を合わせて溶剤を留去して、吸着精製
ラノリンをえた。さらに室温(23℃)のメタノール1
00Lを通液し、吸着剤に吸着していた極性化合物を溶
離させ、溶剤を留去して溶離極性ラノリンをえた。
【0039】吸着剤は、吸着塔に付設してあるスチーム
ジャケットにて140℃に加熱しながらチッ素ガスを吸
着塔の上部から6時間通気し充分に乾燥(揮発分1.0
%以下)したのち、室温に冷却後同一条件で再使用し
た。結果を表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】表2の結果から、1回使用後で吸着剤の残
存油分率が3.0%をこえ、この吸着剤を用いてえられ
た吸着精製ラノリン(吸着剤の使用回数2回目)の水酸
基価はすでに「化粧品種別許可基準」の「吸着精製ラノ
リン」についての規格値5.0をこえ、化粧品原料とし
て使用できなくなることがわかる。
【0042】比較例2 比較例1で使用した活性アルミナ100kgを吸着塔に
充填し、n−ヘキサン50Lにウールグリース(酸価
0.8、水酸基価35.6、色相ガードナー7)を溶解
した液を通液し、さらにn−ヘキサン100Lを通液
し、通過した液を合わせて溶剤を留去して、吸着精製ラ
ノリンをえた。さらに室温(23℃)のメタノール10
0Lを通液し、吸着剤に吸着されていた極性化合物を溶
離し、溶剤を留去して溶離極性ラノリンをえた。
【0043】吸着剤は、吸着塔に付設してあるスチーム
ジャケットにて140℃に加熱しながらチッ素ガスを吸
着塔の上部から6時間通気し充分に乾燥(揮発分1.0
%以下)したのち、室温に冷却後、使用するウールグリ
ースの量を表3に示すようにかえた他は同一条件で再使
用した。結果を表3に示す。
【0044】
【表3】
【0045】表3の結果から、水酸基価を5.0以下に
するにはウールグリースの仕込量を2回目から大幅に減
量しなければならず、1回の処理当りの吸着精製ラノリ
ンの収量が大幅に減少し、製品価格を著しく上昇させて
しまうことがわかる。
【0046】比較例3 比較例2の使用回数1回目と同様の方法にて吸着精製ラ
ノリンをえたのち、室温(23℃)のメタノール200
Lを通液し、吸着剤に吸着されていた極性化合物を溶離
させ、溶剤を留去して溶離極性ラノリンをえた。一方、
吸着剤は吸着塔に付設してあるスチームジャケットにて
140℃に加熱しながらチッ素ガスを吸着塔の上部から
6時間通気し充分に乾燥(揮発分1.0%以下)させ
た。吸着剤中の残存油分率は3.4%であった。この吸
着剤を用いて同一条件でウールグリースの分離精製を行
なった結果、えられた吸着精製ラノリンの水酸基価は
5.5で、収率は48.7%であった。また、吸着剤中
の残存油分率は3.5%であった。
【0047】前記のように、極性溶剤を2倍の200L
に増量しても(極性溶剤100Lで吸着剤に吸着してい
るウールグリース中の極性化合物はおよそ溶離するた
め、200Lという量は大過剰量にあたる)、えられた
吸着精製ラノリンは「化粧品種別許可基準」の水酸基価
の規格5.0以下に合格しなかった。
【0048】比較例4 比較例2の使用回数2回目の吸着剤を使用したばあいと
同様の方法を繰り返して水酸基価5.9の吸着精製ラノ
リン20kgを製造したのち、吸着剤に室温(23℃)
のメタノール100Lを通液して、吸着剤に吸着してい
た極性化合物を溶離させ、溶剤を留去して溶離極性ラノ
リンをえた。一方、吸着剤は吸着塔に付設してあるスチ
ームジャケットにて140℃に加熱しながらチッ素ガス
を吸着塔の上部から6時間通気し充分に乾燥(揮発分
1.0%以下)させた。吸着剤中の残存油分率は3.6
%であった。この吸着剤を用いて先にえられた水酸基価
5.9の吸着精製ラノリンを再度同一条件で分離精製し
た結果、えられた再吸着精製ラノリンの水酸基価は3.
7と5.0以下となったが、最初のウールグリースに対
する収率は29.4%と非常に低く、工業的製造方法と
しては満足できないものであった。
【0049】
【発明の効果】本発明の方法によると、ウールグリース
またはラノリンを分離精製するのに使用する吸着剤の再
使用可能な回数を多くすることができ、しかも、従来法
では使用回数を重ねるごとに1回当りの分離精製しうる
ウールグリースまたはラノリンの量が少なくなったり、
えられる吸着精製ラノリンの純度が低下したりするが、
この量の減少、純度の低下を少なくすることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウールグリースまたはラノリンを非極性
    有機溶剤に溶解したものを、吸着剤を充填した吸着塔に
    通液し、ウールグリースまたはラノリン中の極性化合物
    を吸着剤に吸着させ、通過液から非極性の吸着精製ラノ
    リンをうるとともに、吸着剤に吸着させたウールグリー
    スまたはラノリン中の極性化合物を、極性有機溶剤を通
    液することによって溶離させて回収するウールグリース
    またはラノリンの分離精製法において、吸着剤に吸着さ
    せたウールグリースまたはラノリン中の極性化合物を極
    性有機溶剤の通液によって溶離、回収する際に、吸着剤
    に吸着したウールグリースまたはラノリン中の極性化合
    物の量が3重量%以下になるまで極性有機溶剤を通液し
    た吸着剤を繰り返し用いてウールグリースまたはラノリ
    ンの分離精製を行なう方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006328299A (ja) * 2005-05-30 2006-12-07 Dainippon Ink & Chem Inc 平版オフセット輪転印刷インキ組成物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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