JPH0753581Y2 - 浴 槽 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、自動化した浴槽に関するものである。

（従来技術及びその課題） 従来、浴槽を使用する際には風呂蓋を手で開閉したり、
給湯器を操作して給湯させたり、排水栓を操作して排水
させる作業が必要であり、入浴の前後にかなりの作業を
必要とするという問題点があった。

（課題を解決するための手段） 本考案は上記従来の問題点に鑑み、入浴前後の作業を自
動化させることのできる浴槽を提供せんことを目的と
し、その要旨は、浴槽の底面に、アクチュエータにより
開閉し得る自動排水栓と、側壁面に、給湯，追焚き可能
な自動給湯器に接続された給湯金具と、該浴槽上面に覆
設される使用位置から浴室壁面に収納される収納位置に
亘り駆動手段により回動される風呂蓋と、前記自動排水
栓，前記自動給湯器及び前記駆動手段を連繋作動させる
制御手段を備えていることである。

（作用） 浴槽は、その底面に自動で開閉し得る自動排水栓を有
し、又、側壁面に自動給湯器に接続された給湯金具を有
し、さらに上面側には自動で開閉し得る風呂蓋を備えて
おり、これらを制御手段を介し連繋的に作動させること
により、例えば操作スイッチのみの操作により、制御手
段を介し風呂蓋を自動的に閉止させ、かつ前記自動排水
栓を自動的に閉じさせ、その状態で自動給湯器から給湯
金具を介し浴槽内に自動的に湯を供給させることがで
き、又、入浴に際しても自動的に風呂蓋を開かせ、又、
自動給湯器を作動させて追焚きすることができ、さらに
入浴後においても自動的に風呂蓋を閉じさせ、又、自動
排水栓を開かせて浴槽内の湯を自動的に排水することが
可能となり、入浴の前後の作業を良好に自動化させるこ
とができる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図は風呂蓋を設置した浴室内の要部斜視構成図であ
り、第２図は浴槽周辺の側面構成図である。

図において、ユニットバスルームの壁面を構成するタイ
ルパネルＰには凹み状に収納部Ｓが形成されており、こ
の収納部Ｓ内に折り畳んだ状態で風呂蓋１を収納可能と
なっている。

風呂蓋１は樹脂製で形成されたものであり、第３図に断
面構成図で示すように、ほぼ中央部にヒンジ部1cが設け
られ、このヒンジ部1cのヒンジ軸1dを介し矢印方向に折
り畳み可能となっており、図示左側は短い左部材1aで構
成、図示右側は左部材1aよりも僅かに長い右部材1bで構
成されている。又、風呂蓋１の左部材1a上面には手で風
呂蓋１を開閉可能に取手1eが形成されており、さらに左
部材1aの先端部には傾斜状に回転可能なローラー1fが設
けられている。

この風呂蓋１の前記ヒンジ軸1dの両端側にはアーム2,2
の一端部が連結されており、さらに各アーム2,2の他端
部は前記収納部Ｓ内の下部部位の壁面に配設されてお
り、この収納部Ｓの壁面にはモーター等により構成され
る駆動部３が配設され、駆動部３によりアーム２は回動
可能なものに構成されている。

第２図において、前記収納部Ｓは浴槽４の短片側の浴室
壁面に形成されたものとなっており、前記駆動部３が駆
動されることにより、アーム２が収納部Ｓから浴槽４の
上面側に回動されると、風呂蓋１が折り畳み状態で右部
材1bの先端部が浴槽４の上面側に当接し、その状態でさ
らにアーム２が水平方向へ回動されるに従い、左部材1a
の先端のローラー1fが浴槽４の上面に沿って回転し、左
部材1aの先端部は浴槽４の上面に沿って開かれることと
なり、さらにアーム２が水平方向へ回転することによ
り、左部材1aと右部材1bはほぼ水平状態となり、浴槽４
の上面を覆蓋することができる。

又、駆動部３が逆方向に回転されることによりアーム２
が持ち上げられた時には、アーム２の回転に伴い左部材
1aと右部材1bが折り重なった状態で収納部Ｓ内に収納さ
れる。

尚、アーム２は本例では２本用いているが、片方側のみ
の１本のアーム２で構成することもでき、又、駆動部３
は手動でアーム２を回動し得るものであっても良い。

尚、第２図において、浴槽４の底面には、浴槽４内の湯
を排出可能に排水栓７が設けられているが、この排水栓
７は浴槽４の側壁面裏側に配設されたアクチュエータ7a
にワイヤ等を介して接続されており、アクチュエータ7a
に電気が供給されて駆動されることにより排水栓７は自
動で開閉できるものとなっており、このような自動排水
栓７は、例えば実開平2-26679,実開平2-26677等により
開示されたものを用いることができ、前記アクチュエー
タ7aとしてソレノイドを使用することができる。又、浴
槽４の側壁面には給湯金具５が設けられており、この給
湯金具５は浴槽４内の湯を吸い出すことができるととも
に、浴槽４内へ湯を吐出可能なものであり、給湯金具５
はユニットバスルームの外側に配設された全自動給湯器
６にパイプ等を介し連繋接続されたものとなっている。
従って、自動給湯器６内で湯を沸かし給湯金具５より浴
槽４内に湯を供給することができ、又、給湯金具５を介
し浴槽４内の湯を自動供給湯器６内に流して追焚きをす
ることができるものとなっており、このような自動給湯
器６として、例えば特開平1-14550号公報に開示されて
いるような自動給湯器を使用することができる。

尚、前記排水栓７の下部には、外部に浴槽４内の湯を排
水する排水管９が接続されている。又、浴槽４の上面側
には操作ボタン８が設けられており、この操作ボタン８
をONすることにより、前記排水栓７を開閉できるものと
なっている。又、操作ボタン８の近傍には前記自動給湯
器６を作動させて追焚きするための追焚きスイッチを設
けておくこともできる。尚、ユニットバスルームの室内
の適所には前記アーム２の駆動部３に駆動信号を送るス
イッチボタンを設けておくことができ、さらにユニット
バスの室外にも前記排水栓７及び自動給湯器６を作動さ
せるためのスイッチを設けておくことができる。尚、前
記駆動部３及び自動給湯器６及び排水栓７は例えばマイ
クロコンピュータにより構成される制御手段に連繋接続
されており、制御手段を介し駆動部3,全自動給湯器6,排
水栓７が連繋的に作動されるものとなっている。

例えば制御手段を介し第４図にフローチャートで示すよ
うな作動を行なわせることができる。

第４図において、マニアル操作の場合には、先ずステッ
プ１で電源スイッチをONさせておき、ステップ２で自動
給湯スイッチをONさせると、ステップ３で前記アクチュ
エータ7aに電流が流れ、前記排水栓７が自動的に閉じら
れる。さらにステップ４において駆動部３に電流が供給
されてモーターが作動し、アーム２が回動して風呂蓋１
が浴槽４の上面側に覆設される。この状態でステップ５
で前記自動給湯器６により沸かされた湯が前記給湯金具
５を介し浴槽４内に注入される。ステップ６において浴
槽４内に所定流量の湯が注入されたか否かが判断され
て、所定流量の湯の注入が終わった段階で制御手段から
給湯完了信号が出力され（ステップ７）、この状態で入
浴準備が整ったこととなり、入浴者が適宜ユニットバス
ルーム内に入室し、室内に設置されている風呂蓋開スイ
ッチをONすることにより（ステップ８）、前記駆動部３
が逆転されて、アーム２を介し風呂蓋１は収納部Ｓ内で
収納される（ステップ９）。その状態で浴槽４内で入浴
することができ、入浴時に追焚きの必要が生じた時には
操作ボタン等をONした追焚き要求信号を発すると（ステ
ップ10）、ステップ11にて前記全自動給湯器６内に信号
が送られて全自動給湯器６が作動し、給湯金具５から浴
槽４内の湯が全自動給湯器６内に供給されて内部で追焚
きされ、再び給湯金具５から浴槽４内に加熱された湯が
注入される。

このようにして浴槽４内で入浴した後、入浴者は次の人
が入浴する予定のある場合には、室内の風呂蓋閉スイッ
チを操作すれば（ステップ12）、駆動部３が駆動してア
ーム２が下降し、再び浴槽４の上面に風呂蓋１が覆設さ
れることとなり、次の人の入浴を待つこととなる。尚、
二人目の入浴者の予定がない場合には、入浴者は室外に
出た後、室外の排水スイッチをONすることにより（ステ
ップ13）、前記アクチュエータ7aが作動されて排水栓７
が開かれ、ステップ15で浴槽４内の湯は排水栓７及び排
水管９を通り排水される。又、排水は、浴槽４の上面側
の操作ボタン８をONすることによっても行なうことがで
きる（ステップ14）。

又、前述した制御手段を電話回線に接続したものとして
おけば、テレコン用の外出スイッチを外出前に予めONし
ておき（ステップ16）、帰宅前に電話にて暗証番号を入
力することにより（ステップ17）、前記自動給湯スイッ
チを電話にてONさせることができ、この状態で制御手段
は前述した自動給湯器６に指令信号を送り、自動給湯器
６内で湯を沸かすとともに、前記駆動部３に信号を送
り、風呂蓋１を浴槽４の上面に覆設させ、同時にアクチ
ュエータ7aに信号を送り排水栓７を閉じさせ、その後に
給湯金具５を介し浴槽４内に給湯を開始させる信号を送
り、浴槽４内に所定量の湯を注入した状態で待機信号を
送る。その後は帰宅した者が前述したステップ８からの
操作により風呂蓋１を開け、浴槽４内に入浴することが
できる。

尚、入浴後にユニットバスルームから入浴者が出たのを
センサ等により感知して、制御手段が自動的に前記アク
チュエータ7aに指令信号を送って排水栓７を開け排水さ
せる（ステップ13）ような制御構成としておくこともで
きる。

尚、前記風呂蓋１のヒンジ軸1dにアーム２をボルト等を
介し着脱可能な構造としておけば、必要に応じボルト等
を外して風呂蓋１を取り外し、屋外に出して干すことが
可能となる。

（考案の効果） 本考案は、浴室内に設置される浴槽であって、該浴槽
は、底面に、アクチュエータにより開閉し得る自動排水
栓と、側壁面に、給湯，追焚き可能な自動給湯器に接続
された給湯金具と、該浴槽上面に覆設される使用位置か
ら浴室壁面に収納される収納位置に亘り駆動手段により
回動される風呂蓋と、前記自動排水栓，前記自動給湯器
及び前記駆動手段を連繋作動させる制御手段を備えてい
ることにより、入浴前及び入浴中及び入浴後における給
湯及び風呂蓋の開閉作業及び排水栓の開閉作業等を自動
化させて浴槽の使用を極めて簡略かつ良好化させ得る効
果を有する。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示し、第１図は風呂蓋の収納部を
設けた浴室の要部斜視構成図、第２図は浴槽周辺の側面
構成図、第３図は風呂蓋の断面構成図、第４図は自動化
した浴槽における制御の１例を示すフローチャート図で
ある。 Ｓ……収納部 １……風呂蓋、1a……左部材 1b……右部材、1c……ヒンジ部 1d……ヒンジ軸、２……アーム ３……駆動部、４……浴槽 ５……給湯金具、６……全自動給湯器 ７……排水栓、7a……アクチュエータ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】浴室内に設置される浴槽であって、該浴槽
   は、底面に、アクチュエータにより開閉し得る自動排水
   栓と、 側壁面に、給湯，追焚き可能な自動給湯器に接続された
   給湯金具と、 該浴槽上面に覆設される使用位置から浴室壁面に収納さ
   れる収納位置に亘り駆動手段により回動される風呂蓋
   と、 前記自動排水栓，前記自動給湯器及び前記駆動手段を連
   繋作動させる制御手段を備えていることを特徴とする浴
   槽。