JPH0753284B2 - 熱間圧延設備 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、ライン長さの短縮化及び作業能率の向上を可
能とした熱間圧延設備に関するものである。

［従来の技術］ 従来熱間圧延設備では、粗圧延機には材料が一個ずつ断
続的に導入されて粗圧延が行われ、粗圧延機でバー状に
粗圧延されたホットストリップは、粗圧延機と仕上圧延
機との間に配設されたローラーテーブル上を送られて仕
上圧延機に導入され、所定の板厚に仕上げ圧延されてい
る。

［発明が解決しようとする問題点］ しかしながら、上記従来の熱間圧延設備においては、粗
圧延機で粗圧延されたホットストリップの全長は約50〜
60mにもなり、この長いホットストリップが前記ローラ
ーテーブル上を送給されるため、粗圧延機との間の距離
が大きくなり、ライン全長が長大になるという問題があ
る。

又ライン長さを短くするために、特願昭55−186071号公
報に示すような連続式の熱間圧延設備が提案されている
が、材料の接続を走間式の溶接機により行っているた
め、ライン長を短縮するのは困難であり、更に溶接時に
は、溶接トーチを溶接線に沿って移動させるため作業に
時間が掛かり能率が悪いという問題がある。

本発明は上述の実情に鑑み、熱間圧延設備のライン長さ
を短くすると共に作業能率を向上させることを目的とし
てなしたものである。

［問題点を解決するための手段］ 本発明は粗圧延機と、該粗圧延機で粗圧延されたホット
ストリップを巻取り、巻戻すコイルボックスと、コイル
ボックスから巻戻されたホットストリップ先後端部のク
ロップを切断するクロップシヤーと、先行ホットストリ
ップの後端両側隅部を溶断、処理するライン方向へ往復
移動可能な第１の圧接準備装置と、後続ホットストリッ
プの先端両側隅部を溶断、処理するライン方向へ往復移
動可能な第２の圧接準備装置と、第１、第２の圧接準備
装置で後端部及び先端部の前記溶断、処理が行われた先
行ホットストリップの後端と後続ホットストリップの先
端を重ね合せて圧接接合する圧接装置と、接合して連続
化したホットストリップを仕上げ圧延する仕上圧延機を
設けたものである。

［作用］ 粗圧延機で粗圧延されたホットストリップはコイルボッ
クスで巻取られしかる後巻戻されて下流側へ送られ、ク
ロップシヤーでホットストリップ先後端のクロップが切
断され、次いで、先行ホットストリップ後端及び後続ホ
ットストリップ先端の幅方向両側隅部は、第１、第２の
圧接準備装置により溶断、処理され、更に圧接装置によ
り圧接接合される。従って、ホットストリップの接合は
能率良く行われ、接合部に幅方向外方へ突出する凸起が
生じることもない。

［実 施 例］ 以下、本発明の実施例を添付図面を参照しつつ説明す
る。

第１図〜第６図は本発明の一実施例であり、図中１は粗
圧延機、２は粗圧延機１で圧延されたホットストリップ
３を巻取り、巻戻すためのコイルボックス、４はコイル
ボックス２で巻戻されたホットストリップ３先後端部の
先後端クロップを切断するため、回転ドラム4aに刃物4b
を固着したドラムシヤー式のクロップシヤー、５は仕上
げ圧延する前のホットストリップ３の表裏面に生じてい
るスケールを除去するピンチロールスケールブレーカ、
６は仕上圧延機、７はホットストリップ３を搬送するた
め粗圧延機１と仕上圧延機６との間に配設されたローラ
ーテーブルである。

クロップシヤー４の下流側には、ホットストリップ３の
進行方向と平行に延びるレール８がローラーテーブル７
両側に配設され、該レール８のホットストリップ３進行
方向上流側には、ジャッキ装置９により昇降し得るよう
にしたフレーム10が配設され、該フレーム10上には前記
レール８に対して接続状態にし得るレール11が配設さ
れ、フレーム10のホットストリップ３進行方向上流側に
は、流体圧シリンダ12により支点O₁を中心としてフレー
ム10側端部が上下へ回動し得るようにしたチルチングテ
ーブル13が配設されている。該チルチングテーブル13上
には、複数組のテーブルローラー14が設置されている。

レール8,11上には、該レール8,11上を走行し得るように
した２台の圧接準備装置15a,15bが配設されている。圧
接準備装置15a,15bは先行するホットストリップ後端部
と後続のホットストリップ先端部とを圧接する際の準備
を行う装置である。

圧接準備装置15a,15bの走行ハウジング16a,16bのウイン
ド上部には、ジャッキ装置17a,17bにより昇降し得るよ
うにした上軸箱18a,18bが配設され、該上軸箱18a,18bに
は、上チャッキングロール19a,19bがブレート付きの駆
動モータにより駆動し得るよう枢支され、走行ハウジン
グ16a,16bのウインド下部には、ブレーキ付の駆動モー
タにより駆動し得るようにした下チャッキングロール21
a,21bが枢支された下軸箱20a,20bが配設され、下チャッ
キングロール21aは下軸箱20aを介して流体圧シリンダ22
により昇降し得るように構成されている。

走行ハウジング16a,16bの後方及び前方には、例えば駆
動ねじ軸等により案内ロッド23a,23bに案内されてホッ
トストリップ３の幅方向へ移動し得ると共に駆動装置24
a,24bにより左右方向へ旋回し得るようにした縦軸25a,2
5bが取付られ、該縦軸25a,25bの下端にはガスバーナー
ノズル26a,26bが取付けられ、先行ホットストリップ後
端両側部及び接続ホットストリップ先端両側部をガスバ
ーナーノズル26a,26bによって所定の形状に溶断し得る
ようになっている。而して、案内ロッド23a,23b、駆動
装置24a,24b、縦軸25a,25b、ガスバーナーノズル26a,26
b等によってストリップ処理装置27a,27bが構成されてい
る。

走行ハウジング16bの前方には、流体圧シリンダ28によ
り昇降し得るようにしたホットスカーファー29が配設さ
れ、ホットスカーファーにより先行ホットストリップ後
端と後続ホットストリップ先端の重ね合わせた相対向面
をホットスカーフィングし得るようになっている。この
ホットスカーファー29は走行ハウジング16b側ではなく
走行ハウジング16a側へ設置しても良いし、或いは走行
ハウジング16a,16bの両方に設置しても良い。又走行ハ
ウジング16a,16bにはテーブルローラー48a,48bが配設さ
れている。

レール８の下流側には圧接装置30が配設され、該圧接装
置30では、圧接準備装置15a,15bで重ね合わされた先行
ホットストリップ後端と後続ホットストリップ先端とを
圧接し、連続化し得るようになっている。すなわち、ハ
ウジング37のウインド上部には圧接ロール31を回転自在
に枢支せる上軸箱32がジャッキ装置33によって昇降し得
るよう配設され、ハウジング37のウインド下部には、圧
接ロール34を回転自在に枢支せる下軸箱35がジャッキ装
置36によって昇降し得るよう配設されている。又ハウジ
ング37のホットストリップ入側及び出側には、流体圧シ
リンダ38,39によって昇降し得るようにした昇降ガイド4
0,41及び昇降しない固定ガイド40′,41′が取付けられ
ている。更に圧接装置30の圧接ロール31は第３図に示す
ように直径r₁の大径部と直径r₂の小径部とから成り、圧
接ロール34は一定直径の円形をしている。

圧接装置30の下流側には、流体圧シリンダ42により支点
O₂を中心としてハウジング37側端部が上下へ回動し得る
ようにしたチルチングテーブル43が配設され、該チルチ
ングテーブル43上には複数組のテーブルローラー44が配
設されている。

ピンチロールスケールブレーカ５と仕上圧延機６の間に
は、図示してない駆動装置により上下へ回動し得るよう
にしたルーパー装置45のルーパーアーム46が配設され、
該ルーパーアーム46の上端にはルーパーロール47が回動
可能に枢支されている。該ルーパー装置45は、先行ホッ
トストリップ先端と後続ホットストリップを走間接合す
る際に、圧接装置30と仕上圧延機６のロール周速差によ
りホットストリップに緩みが発生した場合にはホットス
トリップを張るようにルーパーロール47を上昇させるよ
うになっており、又圧接装置30と仕上圧延機６のロール
周速差によりホットストリップに過大な張力が作用する
場合にはホットストリップの張力を緩めるようルーパー
ロール47を下降させるようになっている。

上記熱間圧延設備によって、ホットストリップを接続し
て連続的に圧延を行う場合には、流体圧シリンダ12,42
により、チルチングテーブル13を昇り勾配に又チルチン
グテーブル43を下り勾配に傾動させ、ジャッキ装置９に
よりフレーム10を上昇させてレール8,11のレベルを合わ
せると共に圧接準備装置15a,15bをレール11上に待機さ
せ、流体圧シリンダ22により圧接準備装置15aの下チャ
ッキングロール21aのレベルを圧接準備装置15bの下チャ
ッキングロール21bのレベルに合わせ、ジャッキ装置17
a,17bにより上チャッキングロール19a,19bを上昇させて
上下チャッキングロール19a,19b,21a,21b間のロールギ
ャップをホットストリップ３が上下チャッキングロール
19a,19b,21a,21bにより挾持されることのないギャップ
に調整し、圧接装置30のジャッキ装置33,36により圧接
ロール31,34を上昇させて圧接ロール34のレベルを下チ
ャッキングロール21a,21bのレベルに合わせ、圧接ロー
ル31の小径部を圧接ロール34に対向させると共に圧接ロ
ール31,34のロールギャップをホットストリップ３が圧
延されることなく圧接ロール31,34間を通過し得るギャ
ップに調整し、流体圧シリンダ38,39により昇降ガイド4
0,41を圧接ロール34に合わせて調整し、ルーパー装置45
のルーパーアーム46を最大起立角度の中途まで起立させ
た状態でルーパーロール47によりホットストリップ３に
多少ループを与え得るよう調整されている。

予め上述のように調整された熱間圧延設備では、粗圧延
機１で粗圧延されたホットストリップ３は、コイルボッ
クス２でD₁方向へ巻取られてコイル状になり、ローラー
テーブル７によりクロップシヤー４の入側まで搬送され
ると共に巻戻しに支障のないよう先端部が下部に位置し
且つ圧延ライン下流側へ向くようセットされてD₂方向へ
巻戻され、先ず先端部が、ホットストリップの送り速度
に同期して回転駆動されるクロップシヤー４の回転ドラ
ム4aに固着した刃物4bにより走間切断される。

クロップシヤー４で走間切断されたホットストリップ３
は第２図の実線の経路に示すように、ローラーテーブル
７で搬送され、チルチングテーブル13のテーブルローラ
ー14を通って上方へ移動し、圧接準備装置15a,15bの上
下チャッキングロール19b,21b、19a,21a間を通り、圧接
装置30の圧接ロール31,34間を通り、チルチングテーブ
ル43のテーブルローラー44を通って下方へ移動し、ピン
チロールスケールブレーカ５でホットストリップ３の表
裏面に生じているスケールを除去され、ルーパーロール
47を通って仕上圧延機６へ導入され、仕上げ圧延が行わ
れる。

先行ホットストリップが全て巻戻されて、その後端部が
クロップシヤー４の部分に来ると、後端クロップがクロ
ップシヤー４により走間切断され、先行ホットストリッ
プは下流側へ送られる。而して先行ホットストリップ後
端が第１図の実線位置に待機している圧接準備装置15a
のガスバーナーノズル26a下部に来ると、圧接準備装置1
5aは先行ホットストリップに同期してホットストリップ
進行方向へ走行を開始すると共にジャッキ装置17aによ
り上チャッキングロール19aが下降し、上下チャッキン
グロール19a,21aにより先行ホットストリップが挾持さ
れる。而して、上下チャッキングロール19a,21aにより
先行ホットストリップ後端を挾持した圧接準備装置15a
が先行ホットストリップと同期してレール11,8上を移動
している間に、ガスバーナーノズル26aを駆動装置によ
りホットストリップの幅に合わせて幅方向位置調整を行
うと共に高さ調整を行ない、ガスバーナーノズル26aに
より先行ホットストリップ後端両側部を第４図（イ）に
示す切欠Ａのように溶断し、溶断後はジャッキ装置17a
によって上チャッキングロール19aを上昇、開放させた
うえ圧接準備装置15aを先行ホットストリップよりも高
速で先行ホットストリップの移動方向へ移動させて上下
チャッキングロール19a,21aから先行ホットストリップ
後端までのホットストリップ突出量が多くなるよう調整
し、突出量が所定の状態に調整されたら、再び圧接準備
装置15aを先行ホットストリップの移動速度に同期させ
ると共にジャッキ装置17aによって上チャッキングロー
ル19aを下降させて先行ホットストリップを上下チャッ
キングロール19a,21aにより挾持させ、圧接準備装置15a
を先行ホットストリップと同期してレール８上を圧接装
置30側へ移動させる。これらの操作の間、上下チャッキ
ングロール19a,21aは回転せずに停止している。

一方、コイルボックス２で先行するコイルが全て巻戻さ
れたら、予め巻き取られているコイルを巻戻し位置まで
移動させ、先行ホットストリップの送り速度よりも高速
度でコイルボックス２により後続ホットストリップの巻
戻しを開始する。

コイルボックス２で巻戻された後続ホットストリップの
先端は、移動しつつ先端クロップをクロップシヤー４に
より走間切断されて下流側へ送給され、後続ホットスト
リップの先端がレール11上に待機している圧接準備装置
15bのガスバーナーノズル26bの下部に来ると、圧接準備
装置15bは後続ホットストリップに同期してホットスト
リップ進行方向へ走行を開始すると共にジャッキ装置17
bにより上チャッキングロール19bが下降し、上下チャッ
キングロール19b,21bにより後続ストリップが挾持され
る。而して、上下チャッキングロール19b,21bにより後
続ストリップ先端を挾持した圧接準備装置15bが後続ホ
ットストリップと同期してレール11,8上を移動して間
に、ガスバーナーノズル26bを駆動装置によりホットス
トリップの幅に合わせて幅方向位置調整を行うと共に高
さ調整を行ない、ガスバーナーノズル26bにより後続ホ
ットストリップ先端両側部を第４図（ロ）に示す切欠き
Ｂのように溶断し、溶断後はジャッキ装置17bによって
上チャッキングロール19bを上昇、開放させたうえ圧接
準備装置15bを後続ホットストリップよりも低速で或い
は一時的に停止させ、上下チャッキングロール19b,21b
から後続ホットストリップ先端までの突出量を多くなる
よう調整し、突出量が所定の状態に調整されたら、再び
圧接準備装置15bを後続ホットストリップの移動速度に
同期させると共にジャッキ装置17bによって上チャッキ
ングロール19bを下降させて後続ホットストリップを上
下チャッキングロール19b,21bにより挾持させ、圧接準
備装置15bを後続ホットストリップと同期してレール８
上を圧接位置30側へ高速で移動させる。これらの操作の
間、上下チャッキングロール19b,21bは回転せずに停止
している。

後続ホットストリップ及び圧接準備装置15bは先行ホッ
トストリップ及び圧接準備装置15aよりも高速で圧接装
置30側へ送られ、後続ホットストリップ先端及び圧接準
備装置15bは、移動している先行ホットストリップ後端
及び圧接準備装置15aに追付き、第５図及び第６図に示
すように先行ホットストリップ後端と後続ホットストリ
ップ先端は相対向する面に多少隙間Ｇがあり且つ平面的
に見ると重なり合った状態になる。なお、圧接準備装置
15aでは圧接準備装置15aが追付く前に、予めジャッキ装
置17a及び流体圧シリンダ22により上下チャッキングロ
ール19a,21aを先行ホットストリップ後端を挾持したま
ま上昇させ先行ホットストリップ後端のレベル調整を行
ない、後続ホットストリップ先端が先行ホットストリッ
プと干渉することなく、円滑に先行ホットストリップ後
端下部に挿入されるようにしておく。

圧接準備装置15bが圧接準備装置15aに追付いて先行ホッ
トストリップ後端と後続ホットストリップ先端が第５図
及び第６図に示すように隙間Ｇのある状態で重なり合っ
たら、圧接準備装置15a,15b及び先行ホットストリップ
と後続ホットストリップの全てを同期して圧接装置30側
へ移動させつつ流体圧シリンダ28によりホットスカーフ
ァー29を隙間Ｇの部分に位置させ、先行ホットストリッ
プ後端と後続ホットストリップ先端の相対向面をホット
スカーフィングする。ホットスカーフィングにより先行
ホットストリップ後端と後続ホットストリップ先端の相
対向面は溶融する。

圧接準備装置15a,15bが第２図の二点鎖線イ，ロに示す
ように、圧接装置30の直前に達したら、圧接準備装置15
a,15bの走行を停止させると共にジャッキ装置17a,17bに
より上チャッキングロール19a,19bを上昇させ、流体圧
シリンダ22により下チャッキングロール21aを下降させ
る。このため、ホットストリップは圧接準備装置15a,15
bの上下チャッキングロール19a,19b,21a,21bから解放さ
れる。

先行ホットストリップと後続ホットストリップはその後
端及び先端が重なり合った状態で圧接装置30へ送られ、
この重なり合った部分が所定位置まで来ると、圧接ロー
ル31,34が駆動されて先行ホットストリップ後端と後続
ホットストリップ先端の重なり部の速度に同期して回転
させられ、圧接ロール31の大径部と圧接ロール34とによ
って走間で前記重なり部が圧接接合される。この圧接接
合時、先行ホットストリップ後端両側部及び後続ホット
ストリップ先端両側部に切欠きA,Bがないと、圧接接合
後、後続部に両外側へ向けて第６図に示すように凸起Ｃ
が生じるが、本発明では、切欠きA,Bがあるため、圧接
後、接続部には凸起Ｃは生じない。

圧接装置30で圧接接合されて連続化されたホットストリ
ップ３は、ピッチロールスケーブレーカ５によってホッ
トストリップ３表裏面に生じたスケールが除去され、ロ
ーラーテーブル７により仕上圧延機６に送られ、連続的
に仕上げ圧延される。又圧接準備装置15a,15bは上下チ
ャッキングロール19a,19b,21a,21bを開いた状態でレー
ル８をクロップシヤー４側へ送られ、元のレール11上へ
戻り、次の作業のために待機する。

上述のように、ホットストリップ３をコイルボックス２
に一旦巻取るようにすると、粗圧延機１と仕上圧延機６
との間にバー状のホットストリップを移送するためのス
ペースが不要となって粗圧延機１と仕上圧延機６間の距
離が短縮され、その結果圧延ラインが短くなる。又、ホ
ットストリップ３を接続して連続的に圧延すると、接続
しない場合に各ホットストリップごとに生じるホットス
トリップ先後端部の仕上圧延機６に対する噛込み、尻抜
けの頻度が減少するから、噛込み不良による弊害が防止
され、又尻抜けによる板の蛇行等が防止できる。更に、
噛込み、尻抜け時には、ホットストリップの送り速度を
低速にしなければならないが、連続化によりホットスト
リップの移送を高速で行うことが可能となり、仕上げ圧
延を効率良く行うことができて生産能率が向上し、又更
に連続的に高速で送りつつ仕上げ圧延を行い得るため加
工熱によりホットストリップの仕上げ圧延時の温度低下
を防止できるため、冶金的に均一な材質となり、製品品
質が向上する。

更に又、ホットストリップ３の接合は、圧接により行っ
ているため、能率の良い接合が可能であるうえ、接合部
に幅方向外方へ突出する凸起Ｃが生じることはないた
め、後工程でのホットストリップ３の搬送、圧延等の処
理を容易に行うことができる。

上記の熱間圧延設備でホットストリップを接続せず、バ
ッチ運転を行う場合には、圧接準備装置15a,15bをフレ
ーム10のレール11上に停止させると共にジャッキ装置９
により、フレーム10、レール11を下降させ、下チャッキ
ングロール21a,21bの高さをローラーテーブル７と同じ
になるように下降させ、チルチングテーブル13,43を下
方へ傾動させて水平にし、ジャッキ装置36によって圧接
ロール34を下降させると共に流体圧シリンダ38,39によ
り昇降ガイド40,41を下降させ、ライン全体のホットス
トリップの流れが水平になるように切換えて圧延を行
う。この場合、上下チャッキングロール19a,19b,21a,21
bでホットストリップ３を挾持させ、上下チャッキング
ロール19a,19b,21a,21bを駆動してホットストリップ３
を送るようにしても良い。

なお、本発明の実施例では、圧接準備装置15aでホット
ストリップの突出量を調整する場合、圧接準備装置15a
を一旦高速にする場合について説明したが、高速にせず
ホットストリップと同期して走行させつつ上下チャッキ
ングロール19a,21aをホットストリップが後方へ引張ら
れる方向へ回転させ、ルーパーアーム46の傾動角を多少
小さくするようにしても良いこと、圧接準備装置15bで
ホットストリップ突出量を調整する場合、圧接準備装置
15bを一旦低速にするか或いは停止させたうえで行う場
合について説明したが低速或いは停止させることなく、
ホットストリップと同期して走行させつつ上下チャッキ
ングロール19b,21bを回転させ、上下チャッキングロー
ル19b,21bによりホットストリップ３をコイルボックス
２から引出すようにしても良いこと、又本実施例に開示
した方式以外の高速圧接方式であっても本発明に類似し
ている場合は本発明に含まれるものであること、その
他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え
得ること、等は勿論である。

［発明の効果］ 本発明の熱間圧延設備によれば、圧延ライン長さの短縮
化が可能となると共にクロップシヤーのカッティング速
度を粗圧延機に左右されずに決められるのでシヤーの能
力の軽減が可能であり、又、ホットストリップの先後端
の仕上圧延機に対する噛込み、尻抜けの頻度が減少する
から、噛込み不良による弊害や尻抜け時の板の蛇行を防
止でき、連続的な高速運転が可能となるから生産能率が
向上し、又加工熱により仕上げ圧延中のホットストリッ
プの温度低下が減少するので、冶金的に均一な材質の製
品が得られ、製品品質が向上し、更に第１、第２の圧接
準備装置により先行ホットストリップと後続ホットスト
リップの後先端両側隅部を溶断、処理して後、重ね合せ
て圧接接合するようにしているため、能率の良い接合が
可能となると共に接合部に幅方向外方へ突出する凸起が
生じず、後工程でのホットストリップの搬送、圧延等の
処理を容易に行うことができる、等種々の優れた効果を
奏し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の熱間圧延設備の一実施例の説明図、第
２図は第１図の熱間圧延設備のラインの一部の詳細図、
第３図は第１図及び第２図の熱間圧延設備の圧接装置の
圧接ロールの説明図、第４図（イ）（ロ）は第１図及び
第２図の熱間圧延設備の圧接準備装置により先行ホット
ストリップ後端と後続ホットストリップ先端を溶断した
状態の説明図、第５図は熱間圧延設備の圧接準備装置で
先行ホットストリップ後端と後続ホットストリップ先端
とをスカーフィングする場合の説明図、第６図は先行ホ
ットストリップ後端と後続ホットストリップ先端を重ね
合わせた状態の説明図である。 図中１は粗圧延機、２はコイルボックス、３はホットス
トリップ、４はクロップシヤー、５はピンチロールスケ
ールブレーカ、６は仕上圧延機、10はフレーム、15a,15
bは圧接準備装置、27a,27bはストリップ処理装置、29は
ホットスカーファー、30は圧接装置、31,34は圧接ロー
ルを示す。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 俊男 神奈川県横浜市磯子区新中原町１番地 石 川島播磨重工業株式会社横浜第二工場内 (56)参考文献 特開 昭58−122109（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−209405（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】粗圧延機と、該粗圧延機で粗圧延されたホ
   ットストリップを巻取り、巻戻すコイルボックスと、コ
   イルボックスから巻戻されたホットストリップ先後端部
   のクロップを切断するクロップシャーと、先行ホットス
   トリップの後端両側隅部を溶断、処理するライン方向へ
   往復移動可能な第１の圧接準備装置と、後続ホットスト
   リップの先端両側隅部を溶断、処理するライン方向へ往
   復移動可能な第２の圧接準備装置と、第１、第２の圧接
   準備装置で後端部及び先端部の前記溶断、処理が行われ
   た先行ホットストリップの後端と後続ホットストリップ
   の先端を重ね合せて圧接接合する圧接装置と、接合して
   連続化したホットストリップを仕上げ圧延する仕上圧延
   機を設けたことを特徴とする熱間圧延設備。