JPH0117382Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案はプレス加工等に用いられる帯板状の金
属素材において、加工中の材料とこれに続く新ら
しい材料とを接合して連続した材料を供給するた
めの材料結合装置に関するものである。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

第１図は一般のプレス加工等に用いられるコイ
ル状の帯板金属材料の斜視図で通常アンコイラと
呼ばれる図示しない材料巻戻し装置に乗せられて
プレスのスピードに合わせて、徐々に帯板金属材
料１が巻戻されながらプレスに供給されてゆく。

第２図は同じく帯板金属材料の端部を示す斜視
図で、帯板金属材料の端部１ａは、すでに材料巻
戻装置に乗せられ、プレスに供給されて加工が進
められているものの最終端部をあらわし、同１ｂ
は次に新しく材料巻戻し装置に乗せ、プレスに供
給しようとしている帯板金属材料１の材料先端部
をあらわす。

第３図は従来用いられている帯板金属材料を接
合する結合装置の正面図で、第４図は第３図の側
面図をあらわす。第３図において、切断装置３は
帯板金属材料１を切断するためのものであり、第
５図にその要部の拡大斜視図を示す。この切断装
置３は帯板金属材料１を接合するときに接合部分
が均一、確実にかつ真直になるように搬送ローラ
４上の帯板金属材料１の端部１ａの最終端を上部
切断刃物３ａと下部切断刃物３ｂにおいて、上部
切断刃物３ａが下降することにより切断でき、端
材１ｃは下方に落下する。同様にして、次の新し
い帯板金属材料１は図面右側より供給されるが、
同じく結合時に接合部分が均一、確実かつ真直に
なるように帯板金属材料１の端部１ｂの最先端を
前記上部切断刃物３ａと下部切断刃物３ｃにより
切断され、端部の面の直線度及び帯板金属材料１
の長手方向に対する直角度が保証される。

次に接合は第３図における中央部分で行なわ
れ、アーク溶接の場合を示す。材料押え装置５お
よび溶接装置６等からなりこの部分の拡大斜視図
を第６図に示す。ここでは前の切断工程により
各々その端部が切断された帯板金属材料１は、そ
の端部１ａ及び１ｂを第６図に示すように溶接装
置６へ送られ、その切断面が溶接装置６の溶接ト
ーチ電極６ａの真下にくるように夫々が材料クラ
ンプ５ａにより固定される。その後溶接装置６が
下降し、溶接トーチ電極６ａと帯板金属材料１の
間に電弧がとびアーク溶接が行なわれ夫々の帯板
金属材料１が接合固着される。アーク溶接が完了
後は材料クランプ５ａが上昇し、帯板金属材料１
が釈放される。この工程のあと帯板金属材料１の
溶接接合部の組織の均一化のため圧延加工を行な
うが、これは圧延装置７により行なわれる。この
圧延装置７の先端には圧延ロール８が設けてあ
る。第７図は圧延ロールの拡大斜視図で、前記の
溶接装置６により接合された左、右の帯板金段材
料１は、その接合部分１ｄを圧延ロール８の直下
になるように設置され、圧延装置７により圧延ロ
ール８が圧下し、帯板金属材料１の接合部分１ｄ
を加圧しながら走行し圧延する。圧延加工が完了
すると圧延装置は圧延ロール８を上昇させて帯板
金属材料１は結合が完了する。帯板金属材料１は
引続きこの図示しないプレス装置へ送られて行
く。しかしながら通常のプレス加工では帯板金属
材料１が間欠送りをされる場合が多く、高速で送
られる場合には帯板金属材料１は上下に波打つた
め材料結合装置２上の上部切断刃物３ａ、材料ク
ランプ５ａ、溶接トーチ電極６ａ、圧延ロール８
等に衝突し、溶接トーチ電極６ａを破損させたり
あるいは上部切断刃物３ａや、圧延ロール８の位
置をくるわせたりする不具合があつた。また帯板
金属材料１にもこの衝突により生じる傷が付き、
プレス加工後の製品の表面に傷となつてあらわ
れ、製品不良を起こしたり、さらに正規の寸法の
送りができない等生産上、品質上の欠点が数多く
あつた。

〔考案の目的〕

本考案は二組の帯板金属材料を傷等の材料欠陥
を発生させることなく安定して結合する材料結合
装置を提供することを目的とするものである。

〔考案の概要〕

２枚の帯板金属材料の端部を搬送ベース上にお
いて切断、接合、圧延する接合装置において、結
合用の搬送ベースに並べて高速搬送用の搬送ベー
スを設けるとともに結合装置を摺動させて帯板金
属材料の搬送コースを切替る材料結合装置。

〔考案の実施例〕

本考案について第８図乃至第１３図の一実施例
により説明する。なお、前記と同一部分には同一
符号を付し詳細な説明を省略する。

第８図は材料結合装置の正面図で、第９図は第
８図の側面図を示す。

第１０図は帯板金属材料接合前の材料結合装置
の要部斜視図で、第１１図は帯板金属接合中の材
料結合装置の要部斜視図、第１２図は接合中の材
料結合装置の平面図で、第１３図は接合完了後の
材料結合装置の平面図である。フレーム９の上に
搬送ローラ４を有する搬送ベース１０ａを設け、
その上部に切断装置３と、溶接装置６と帯板金属
材料１を把持するための材料押え装置５および溶
接接合部分１ｄを圧延するために圧延ローラ８を
圧下させる圧延装置７を配置している。さらに搬
送ベース１０ａに並べて搬送ローラ４ａを有する
高速搬送ベース１０ｂを設ける。一方、フレーム
９はベース１０上のガイドレールに載せられガイ
ドレール１１上を摺動可能で第９図において矢印
１９に示すように左右方向に移動させる駆動装置
としてエアシリンダ１２が設けられている。

次に本考案の作用について説明する。

第９図、第１２図、第１３図において、一点鎖
線１３は材料巻戻装置１５からプレス装置１６ま
での中心線で一点鎖線１４は高速搬送ベース１０
ｂの中心線を示す。プレス加工中の帯板金属材料
１は第１３図で示すように高速搬送ベース１０ｂ
上で搬送される。帯板金属材料１の終端に近くに
なり、その終端部１ａが材料結合装置２にさしか
かると図示しない材料末端検出装置によりプレス
装置１６が停止され、したがつて送りも停止され
る。次いで新しい帯板金属材料１が材料巻戻装置
１５に積載され、巻戻されながらその先端部１ｂ
が材料結合装置２の高速搬送ベース１０ｂ上に供
給され、第１０図の状態となる。

次にベース１０上のエアシリンダ１２を作動さ
せてフレーム９がガイドレール１１に案内されな
がら、第９図において左側へ前進する。前進が完
了した時点では第１１図および第１２図で示すよ
うに帯板金属材料１の中心は中心線１３となる。
したがつて帯板金属材料終端部１ａおよび先端部
１ｂは搬送ベース１０ａ上にあり、ここで終端部
１ａおよび先端部１ｂが切断装置３により切断さ
れ、切断面を各々溶接トーチ電極６ａの直下に材
料クランプ５ａで固定されたのちに溶接される。
溶接が完了すれば接合部分１ｄを圧延ローラ８の
直下に移つして接合部分１ｄを圧延し組織を均一
化し、帯板金属材料１の結合が完了する。次にエ
アシリンダ１２を動作させてフレーム９を第９図
において右側へ後退させる。材料結合装置２の上
部が後退してゆく状態で、すでに接合された帯板
金属材料１は、その両側が材料巻戻装置１５およ
びプレス装置１６にて位置を拘束されているため
材料結合装置２の上部が移動するにもかかわらず
定位置に止まつたままで、材料結合装置２の上部
の後退が完了した時点では第１３図に示すように
帯板金属材料１の中心線は再たび中心線１４とな
り、帯板金属材料１は高速搬送ベース１０ｂの上
に載せられている。ここでプレス装置１６が再稼
動し、帯板金属材料１が高速にかつ波打つて送ら
れても帯板金属材料１の周囲は何ら拘束を受けな
い開放状態であり、したがつて帯板金属材料は傷
つくことなく順調に搬送される。

第１４図と第１５図は本考案の他の実施例を示
す正面図および側面図で、ベース１０とフレーム
９の間にサブベース１７を設けてありサブベース
１７はサブベース案内レール１７ａにより案内さ
れ第１４図において左右方向即ち矢印２０で示す
帯板金属材料１の搬送方向にプツシヤーロツド１
８によつて駆動されるとともに、サブベース１７
を基準としてフレーム９がガイドレール１１に案
内され、エアシリンダ１２により第１５図におい
て矢印１９で示す左右方向即ち、材料結合装置２
が前後方向に摺動されることができる。この帯板
金属材料１の搬送方向に材料結合装置２を移動さ
せることにより、帯板金属材料１を図示しない別
の把持装置にて固定させたまま、帯板金属材料１
の切断、接合、圧延をすることが可能となり、よ
り高精度で高品質、高能率な帯板金属材料１の結
合ができる。

〔考案の効果〕 以上本考案によれば、帯板金属材料補給時の接
合はもちろん、通常のプレス加工時である高速搬
送時においても、一般にプレス装置の特徴である
間欠送り等より発生する帯板金属材料のバタツ
キ、波打ちにもかかわらず高速で安定して搬送す
ることが可能となり、帯板金属材料の表面に傷を
つけることなく、また材料結合装置の調節をくる
わせることもなく運転することができるので高生
産性、高能率のほか不良率の低減、品質の向上の
効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はコイル状の材料結合装置の斜視図、第
２図は材料結合装置の端部の斜視図、第３図は従
来の材料結合装置の材料結合装置の正面図、第４
図は第３図の側面図、第５図は材料結合装置の切
断装置要部斜視図、第６図は材料結合装置の溶接
装置要部斜視図、第７図は材料結合装置の圧延装
置要部斜視図、第８図は本考案の材料結合装置の
正面図、第９図は第８図の側面図、第１０図は帯
板金属材料結合前の材料結合装置要部斜視図、第
１１図は接合中の材料結合装置要部斜視図、第１
２図は接合中の材料結合装置の平面図、第１３図
は接合完了後の材料結合装置の平面図、第１４図
は本考案の他の実施例の正面図、第１５図は第１
４図の側面図である。 １……帯板金属材料、１ａ……帯板金属材料の
終端部、１ｂ……帯板金属材料の先端部、１ｃ…
…切断屑、１ｄ……帯板金属材料の接合部、２…
…材料結合装置、３……切断装置、３ａ……上部
切断刃物、３ｂ，３ｃ……下部切断刃物、４……
搬送ローラ、５……クランプ装置、５ａ……材料
クランプ、６……溶接装置、６ａ……溶接トーチ
電極、７……圧延装置、８……圧延ローラ、９…
…フレーム、１０……ベース、１０ａ……搬送ベ
ース、１０ｂ……高速搬送ベース、１１……ガイ
ドレール、１２……エアシリンダ、１３，１４…
…中心線、１７……サブベース、１７ａ……案内
レール、１８……プツシヤーロツド、１９，２０
……矢印、摺動方向。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ベースと、ベースに設けられて少なくとも搬
   送直角方向に移動するフレームと、フレームに
   設けられて帯板金属材料を搬送方向に搬送する
   搬送ベースと、フレームに設けられて搬送ベー
   スの上方で搬送方向に沿つて位置する切断装置
   と溶接装置と圧延装置と、フレームに設けられ
   て搬送ベースに並列する高速搬送ベースと、か
   ら構成した事を特徴とする材料結合装置。 (2) フレームを、搬送直角方向と搬送方向に移動
   するものにした事を特徴とする実用新案登録請
   求の範囲第(1)項に記載の材料結合装置。