JPH0753272Y2 - 同軸コネクタのレセプタクル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、プラグと協働して同軸コネクタを構成するレ
セプタクルに関し、特に、例えばガラス板の表面に印刷
されたアンテナ回路等の電気回路を電気機器に接続する
ための同軸コネクタのレセプタクルに関する。

［従来の技術］ 移動体通信の飛躍的な進歩発展につれて、移動体通信機
の小形化が要望されている。その要望を満たすため、ア
ンテナを基板上に形成することが一般に行われている。

移動体通信の移動局の一例として自動車が挙げられる。
その場合、自動車の窓ガラスを基板とし、これにアンテ
ナのパターンを印刷してアンテナ回路を形成し、このア
ンテナ回路を高周波電波の受信または受発信に利用する
ことができる。

［考案が解決しようとする課題］ 高周波の伝送に当たっては、雑音、妨害などの見地から
同軸ケーブルを利用することが常識とされている。故
に、前述の窓ガラスに印刷されたアンテナのパターンを
車内の受信機または送受信機に連絡する場合にも、アン
テナと受信機または送受信機とを同軸ケーブルで連絡す
ることが望ましい。

しかしながら、ガラス面上のアンテナ回路パターンの導
体に直接はんだ付けすることのできる同軸コネクタが開
発されていないため、従来は電線の端末に設けた端子を
ガラス面上の回路パターンの導体に単にはんだ付け接続
している。即ち、従来は、アンテナ回路パターンの接続
に同軸コネクタが使用されていなかったので、この部分
において外来ノイズに無防備であり、とくに、高周波数
領域の電波の送受信に問題があった。

それ故に本考案の課題は、例えばガラス面に形成された
アンテナ回路等の電気回路パターンの導体に直接にはん
だ付けをすることができる同軸コネクタのレセプタクル
を提供することにある。

本考案の他の課題は、はんだ付けの際の熱膨張率の違い
により発生する応力を吸収するようにして、はんだ付け
の作業性の向上を可能にした同軸コネクタのレセプタク
ルを提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 本考案によれば、金属製中空筒状のレセプタクル本体
と、前記レセプタクル本体の内部に絶縁体製の支持部材
を介して取り付けたレセプタクルコンタクトとを含む、
同軸コネクタのレセプタクルにおいて、前記レセプタク
ル本体の軸方向一端の互いに異なる位置に結合した複数
の本体接続端子と、前記レセプタクルコンタクトの一端
から延出したコンタクト接続端子とを設け、前記本体接
続端子の各々は、前記レセプタクル本体から径方向外向
きに延出したブリッジ部と、前記ブリッジ部の延出端に
結合され、回路板の第１の導体にはんだ付けされる平面
部とを有し、前記コンタクト接続端子は前記回路板の第
２の導体にはんだ付けされる平坦部を有していることを
特徴とする同軸コネクタのレセプタクルが得られる。

［実施例］ 第１図は本考案の一実施例によるレセプタクル11をプラ
グ12とともに示す。ここでレセプタクル11とプラグ12は
合わせて同軸コネクタを構成する。

第１図に加えて第２図（ａ），（ｂ）及び第３図をも参
照して、レセプタクル11は、金属製のレセプタクル本体
13と、このレセプタクル本体13の内部に絶縁体製の支持
部材14を介して固定した金属製のレセプタクルコンタク
ト16とを含んでいる。レセプタクル本体13は、中空円筒
状の円筒部17と、この円筒部17の軸方向一端に結合した
円錐状の錐体部18とを有している。錐体部18の軸方向一
端、即ち、下端の互いに対向した位置には２つの本体接
続端子19,19が一体に設けられている。各本体接続端子1
9は、錐体部18から径方向外向きにのびかつ途中で下方
に少し折れ曲がったブリッジ部21と、このブリッジ部21
の延出端に一体に結合されている平面部22とを有してい
る。平面部22はレセプタクル本体13の中心軸に直交した
平面内に広がっている。

錐体部18の下端にはさらに、２つの本体接続端子19,19
の相互間に対応して切り込み23が一体設けられている。

レセプタクルコンタクト16は円筒部17の内側ではその中
心軸に実質的に沿ってのびている。レセプタクルコンタ
クト16の上端は円筒部17の内部で終端している。レセプ
タクルコンタクト16はレセプタクル本体13の下部で円筒
部17の中心軸に対し90°曲げられ、レセプタクル本体13
の外部にコンタクト接続端子として延出している。この
コンタクト接続端子の外部端には幅広の平坦部24が形成
されている。

上述したレセプタクル11は回路板としてのガラス基板26
の表面に搭載される。ガラス基板26の表面には印刷等の
手段によって信号用導体部27と信号用導体部28とが形成
されている。レセプタクル11をガラス基板26の表面に搭
載するに際し、平面部22をアース用導体部27にはんだ付
け接続し、かつ、平坦部24を信号用導体部28にはんだ付
け接続する。なおアース用導体部27及び信号用導体部28
は合せてアンテナ回路を構成している。

レセプタクル本体13とガラス基板26とは熱膨脹率に差が
あるため、はんた付けの際に熱膨張の差に基づき歪みが
発生する。しかしこの歪みはブリッジ部21にて吸収され
るので、ガラス基板26の破損を心配することなくはんだ
付け作業を行うことができる。したがってはんだ付けの
作業性の向上が可能である。

第１図に加えて第４図及び第５図をも参照して、プラグ
12は金属製の中空円筒状のプラグ本体31を有している。
プラグ本体31の開口部32はレセプタクル本体13の外側に
密着嵌合するよう径を定められている。プラグ本体31の
内部には絶縁体製の保持部材33が配設してあり、この保
持部材33にはレセプタクルコンタクト16と接続するため
のプラグコンタクト34が固定されている。

プラグコンタクト34は適当な金属薄板を打ち抜いて形成
することができるものであって、例えば二股に分岐した
接触部36と、同軸ケーブル37の芯線38を適当な手段、例
えば、はんだ付けして接続する芯線接続部39とを有して
いる。

またプラグ本体31の開口部32と反対側の端部は、プラグ
コンタクト34に同軸ケーブル37を接続した後に絶縁体の
内蓋41を具備する金属製キャップ42で閉塞する。

［考案の効果］ 以上説明したように、本考案によれば、例えばガラス面
に形成されたアンテナ回路等の電気回路を構成する導体
に直接にはんだ付けをすることができる同軸コネクタの
レセプタクルを提供することができる。

しかもこのレセプタクルによれば、はんだ付けの際の熱
膨張率の違いにより発生する歪みがブリッジ部で吸収さ
れるため、回路板の破損を心配することなくはんだ付け
作業を行うことができ、したがってはんだ付けの作業性
の向上が可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例によるレセプタクルをプラグ
とともに示す斜視図、第２図（ａ）は第１図に示したレ
セプタクルの平面図、第２図（ｂ）はレセプタクルの側
面図、第３図は第２図（ａ）のIII−III線に沿った断面
図、第４図は第１図に示したプラグの同軸ケーブルに沿
った断面図、第５図は第４図のＶ−Ｖ線に沿った断面図
である。 11……レセプタクル、12……プラグ、13……レセプタク
ル本体、16……レセプタクルコンタクト、17……円筒
部、18……錐体部、19……本体接続端子、21……ブリッ
ジ部、22……平面部、23……切り込み、24……平坦部、
26……ガラス基板、27……アース用導体部、28……信号
用導体部、37……同軸ケーブル。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】金属製中空筒状のレセプタクル本体と、前
   記レセプタクル本体の内部に絶縁体製の支持部材を介し
   て取り付けたレセプタクルコンタクトとを含む、同軸コ
   ネクタのレセプタクルにおいて、前記レセプタクル本体
   の軸方向一端の互いに異なる位置に結合した複数の本体
   接続端子と、前記レセプタクルコンタクトの一端から延
   出したコンタクト接続端子とを設け、前記本体接続端子
   の各々は、前記レセプタクル本体から径方向外向きに延
   出したブリッジ部と、前記ブリッジ部の延出端に結合さ
   れ、回路板の第１の導体にはんだ付けされる平面部とを
   有し、前記コンタクト接続端子は前記回路板の第２の導
   体にはんだ付けされる平坦部を有していることを特徴と
   する同軸コネクタのレセプタクル。
2. 【請求項２】前記レセプタクル本体の一端には前記複数
   の本体接続端子の相互間に対応して切り込みを設けてあ
   る請求項１記載の同軸コネクタのレセプタクル。