JP2005513847A - アンテナ、例えば移動無線に対する車両アンテナ - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、請求項1の上位概念の特徴部分に記載されたアンテナ、例えば移動無線に対する車両アンテナに関する。
【0002】
DE19922699A1からアンテナ、例えば移動無線に対する車両アンテナが公知である。このアンテナでは、放射手段として複数の垂直放射器が設けられており、ここでこれらは、アース面に配置されており、またインピーダンス変換線路を介して互いに接続されている。垂直放射器およびインピーダンス変換線路の調整(例えば長さ)によって、所定の周波数領域に対して、例えば0.8〜2.2GHzの移動無線領域において、この公知のアンテナは、所定の長さ方向サイズおよび高さ方向サイズを有する。このアンテナは、車両のリアウインドウの下に組み込まれるため、これは、その幾何学的寸法に起因して大きなスペースを要する。このようなスペースは得られないか、または車両の内部空間によって不所望に縮小されてしまうかのいずれかである。別の欠点は、信号伝送のための同軸ケーブルがアース面に直接はんだ付けされることであり、ここで同軸ケーブルの内部導体は、インピーダンス変換線路に接続される。これにより、煩雑な構造が生じてしまい、この構造は例えば、アンテナを取り付ける前にこのアンテナはケーブル後尾部を有するという欠点を有し、ここでこのケーブル後尾部により、組み立て式のアンテナを扱う際にはその取り付け前に問題が生じてしまうのである。
【0003】
したがって本発明の基礎にある課題は、アンテナ、例えば移動無線に対する車両アンテナを提供して、冒頭に述べた欠点を回避することである。
【0004】
この課題は、請求項1の特徴部分に記載された特徴的構成によって解決される。
【0005】
本発明のアンテナでは、放射手段として、両側で開いておりかつ長手方向にスリットを入れられた導電性の領域が、複数の周波数領域において放射のために励起されるのである。これによって可能になるのは、このアンテナは同じ特性であればより一層コンパクトになり、殊に格段に短く(約半分)また平らになる。したがって車両のリアウィンドウの下ないしはルーフフランジにあるスペースを格段に良好にまた節約して利用することができるのである。周波数領域の広さに応じて、ないしは送受信すべき周波数に依存してアンテナ長は、最低周波数の波長の約3分の1に相応する。
【0006】
本発明の発展形態では、長いスリットを入れられた導電性の領域は、部分領域において2つの折れ曲がり部を有する。例えばほぼ漏斗状である2つの折れ曲がったスリットによって保証されるのは、広い帯域性であり、したがって放射器は取り付け公差に対して頑強になる。
【0007】
本発明の発展形態では、長手方向にスリットが入れられた複数の導電性の領域は一緒に先の尖ったスリットを形成する。したがって平らな構造の垂直放射器が、1つまたは複数の所要の周波数領域に対して簡単に得られるのである。
【0008】
本発明の1発展形態では、上記の先の尖ったスリットから、例えばほぼ中央で分岐する別のスリットが出ており、これは長手方向にスリットが入れられた導電性の領域を互いに分離する。実施に応じて、例えばこの折り曲げ式のスリットの幅および長さに応じて、このアンテナのインピーダンスを別の領域に整合させたり、または付加的な領域にも整合させることができる。ここでは最適にインピーダンス整合を行うため、また最適に面積を利用するためにも、先の尖ったスリットから出発する上記の折り曲げ式のスリットは、これに続くスリット領域よりも短い。
【0009】
本発明の発展形態では、上記領域は、入射が発生してはならない方向に、ケーシング体により、例えば金属薄板によって遮蔽される。金属製のこのケーシング体によって阻止されるのは、車内に入射が行われることである。少なくともボードの領域にわたって延在するが、より大きくても小さくてもよいケーシング体のサイズに応じて、車内への入射が少なくとも格段に低減される。
【0010】
本発明の発展形態では、長手方向にスリットが入れられた導電性の領域は、銅面としてボードに配置される。これにより、一方ではこのアンテナの垂直放射器を作製するためコスト的に有利な材料が得られる。他方ではそれ自体公知の方法(例えばエッチング法)により、上記の銅製の領域をボードに残し、これに対して、相応する銅領域のエッチング除去により,少なくとも1つのスリット、例えば両方のスリットを作製することができる。この方法によって可能になるのは、上記の領域の形状に作用を及ぼし、またスリットの形状にも作用を及ぼして所要の別の面積を設定することである。
【0011】
本発明の発展形態では、分岐形のスリットを実施して、直流的な短絡がアンテナの基部点で発生しないようにする。これに基づいてアンテナをその取り付けの前に機能することまたはエラーの存在を電気的にチェックすることができる。直流的な短絡を回避するによって、簡単な試験用抵抗を給電点に並列接続するだけでよい。慣用のスリット放射器に必要な結合コンデンサを省略することが可能である。これによって構造が簡単になり、またコストが低減される。
【0012】
本発明の発展形態では、ボードのアンテナの基部点においてコンタクトパートナー、例えばプラグが配置される。これにより、アンテナの作製と共にこのコンタクトパートナーをすでにボードに設けることができ、この時点ではケーブルは不要である。アンテナをテストするため、このコンタクトパートナーを介してこのようなケーブルを一時的に接続することが可能である。テスト過程の後、このケーブルを元のように取り外して、最終的な取り付けまでアンテナの搬送およびストックを容易にすることができる。車両へのアンテナの取り付けと同時にはじめて、相応するケーブル接続がこの車両において行われるか、または取り付けの後にこれが行われる。
【0013】
アンテナおよびその取り付けの実施例を以下に示し、図面に基づいて説明する。しかしながら本発明は図示の実施例には制限されない。ここで、
図1は、組み立て式アンテナの立体図を示しており、
図2は、図1のアンテナの取り付け位置における断面図を示している。
【0014】
図1には高周波信号、例えば移動無線領域AMPS,GSM900/18000,PCS,UMTS等における高周波信号を送受信するアンテナ1が示されている。図示のアンテナ1は例えば車両アンテナであり、ここで別の適用領域も考えられ、固定的な使用も考えられ得る。
【0015】
アンテナ1は金属製のケーシング体を有しており、これは複数回折り曲げられた金属薄板2からなる。このように折り曲げられた金属薄板2は、一方では材料コストの点から有利であり、他方では迅速かつ簡単に作製することができる。このことは本発明のアンテナ1の作製にプラスに作用する。金属薄板2を相応に折り曲げることによって、平行かつ離隔された2つの辺が得られ、これらの間にボード3が配置される。ボード3はそれ自体公知のように非導電性の材料からなるベースを有する。ボード3のこのベースに複数の導電性の領域4〜6が配置されており、これらは例えば、後の導電性の領域5〜6を覆い、覆われていない中間の領域をエッチング除去することによって作製することができる。このエッチング除去すべき領域は続いて、少なくとも1つのスリット7を形成し、ここでこのスリットは、一方では領域4の成形によって、また他方では領域5および6の成形によって得られる。さらに第1スリット7から出発してアンテナ1のインピーダンスを整合させるため第2のスリット8が設けられ、これも2つの領域5と6とを互いに分離させる。第2スリット8が省略される場合、2つの領域5および6は、切り目なく続く領域を形成する。第2スリット8は、第1スリット7のほぼ中央から出発して、まず第1スリットからわずかな部分にわたって直角に伸びる。これに対して第2スリット8の長い方の部分は第1スリット7にほぼ平行である。
【0016】
図1に示したアンテナ1の実施形態では、導電性の領域5は、2つの折れ曲がり部9を有する。アンテナ1の基部点10には、コンタクトパートナー、例えばプラグ11が設けられており、これに同軸ケーブルをプラグ接続してアンテナ1を給電することができる。ボード3をケーシング体、例えば折り曲げた金属薄板2に固定できるようにするため、金属薄板3の互いに平行に離隔された辺は、複数の打抜き曲げ領域12を有しており、これを介してボード3がケーシング体に固定される。このような打抜き曲げ領域12は、これが簡単に作製され、ひいてはボード3が迅速にケーシング体2に固定できるという利点を有する。
【0017】
図2には、図1に立体図で示したアンテナ1がその取り付け位置において断面で示されている。さらに図示しない車両のルーフフランジ13の端部領域にリアウィンドウガラス14が続いており、これは接着(接着ビード15)によってルーフフランジ13に固定される。ウィンドウガラス14と内室ライニング16(ルーフヘッドライニング)との間にアンテナ1の取り付け個所がある。これは、本発明によりアンテナ1を形成することにより、殊に平らに維持することができる。
【0018】
したがってまとめると、アンテナ、例えば移動無線に対する車両アンテナが、放射を行う開いた中空共振器として構成され、ここでこれは固有に実施された広帯域スリットを有する。これによって可能な限りにコンパクトな、殊に平らかつ短い構造が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の組み立て式アンテナの立体図である。
【図2】
図1のアンテナの取り付け位置における断面図である。
【符号の説明】
1 アンテナ
2 ケーシング体
3 ボード
4 導電性領域
5 導電性領域
6 導電性領域
7 第1スリット
8 第2スリット
9 2つの折れ曲がり
10 基部点
11 プラグ
12 打抜き曲げ領域
13 ルーフフランジ
14 ウィンドウガラス
15 接着ビード
16 内室ライニング
Claims (9)
- 高周波信号を送受信する放射手段を有するアンテナ(1)、例えば移動無線に対する車両アンテナにおいて、
両側が開いておりかつ長手方向にスリットが入れられた導電性の領域(4〜6)が、放射手段として、複数の周波数領域にて放射のために励起されることを特徴とする、
高周波信号を送受信する放射手段を有するアンテナ。 - 少なくとも1つの領域(5)が2つの折り曲がり部(9)を有する、
請求項1に記載のアンテナ(1)。 - 少なくとも領域(4)と、別の領域(5,6)とによって先の尖ったスリット(7)が形成される、
請求項1または2に記載のアンテナ(1)。 - 前記スリット(7)から、例えば該スリット(7)の中央で分岐する別のスリット(8)が出発しており、
該別のスリット(8)により、前記領域(5,6)が互いに分離される、
請求項1から3までのいずれか1項に記載のアンテナ(1)。 - 前記領域(4〜6)は、放射が行われるべきでない方向に、金属製のケーシング体、例えば折り曲げられた金属薄板(2)からなるケーシング体によって遮蔽される、
請求項1から4までのいずれか1項に記載のアンテナ(1)。 - 前記領域(4〜6)は銅面としてボード(3)に配置されている、
請求項1から5までのいずれか1項に記載のアンテナ(1)。 - 前記の分岐したスリット(8)を実施して、当該アンテナの基部点(10)にて直流的な短絡が生じないようにする、
請求項4から6までのいずれか1項に記載のアンテナ(1)。 - 前記のボード(3)におけるアンテナ(10)の基部点(10)にコンタクトパートナー、例えばプラグ(11)が配置されている、
請求項6または7に記載のアンテナ(1)。 - 前記ボード(3)は、打抜き曲げ領域(12)を介して前記ケーシング体に固定される、
請求項6から8までのいずれか1項に記載にアンテナ(1)。
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