JPH075297B2 - アンモニア分離法 - Google Patents

アンモニア分離法

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JPH075297B2
JPH075297B2 JP63132537A JP13253788A JPH075297B2 JP H075297 B2 JPH075297 B2 JP H075297B2 JP 63132537 A JP63132537 A JP 63132537A JP 13253788 A JP13253788 A JP 13253788A JP H075297 B2 JPH075297 B2 JP H075297B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、アンモニア以外のガス混合物から、あるい
は水流からのアンモニア分離法に関する。詳細には、ア
ンモニアとアンモニア以外の成分との混合物からのアン
モニアの選択透過に有効な半透過膜を使用する方法に関
する。
(従来の技術) NH3以外のガス混合物から、あるいは水流からのNH3分離
に必要な工業プロセスは多数ある。恐らく、最大規模の
分離は、アンモニア合成プラントの再循環ループに存在
する前記ガス混合物からのNH3分離である。一般に、こ
の分離は、液状で除去されるアンモニアを用いる冷却で
達成される。これ以外の作業、たとえば石油精製所やそ
の他関連工業において、アンモニアの蒸気ストリップに
より除去する。種々のガス流および水流からのNH3の選
択除去と回収の有効かつ実用的吸着方式の開発に種々の
試みがなされた。
(発明が解決しようとする課題) アルミナシリケートゼオライトと、高表面積炭素とをア
ンモニア吸着剤として広く使用した。米国特許第4,531,
760号および英国特許出願第2145702−A号の双方が、ア
ンモニアプラントの再循環ループに存在するガス混合物
からのNH3の分離にこのような吸着剤を利用する方法を
開示する。そのうえ、R.D.ライスとJ.V.ブサとが、1984
年10月刊「ケミカル.エンジニアリング.プロセシン
グ」誌の61ページに、アンモニアの選択、可逆吸着剤と
して二酸リン酸アンモニウム溶液の利用を開示する。
多数の有機重合方式が、気体混合物からのアンモニア収
着に示された。S.カマタと、M.タシロとが、「J.Chem.S
oc.Jpn.、Ind.Chem.Soc.、73」1083(1970)において、
陽子と金属イオンの形で陽イオン交換樹脂の使用を開示
する。アンバーリスト(Amberlyst)15陽イオン交換樹
脂のH+、NiII、CuII、CoIIおよびZnII型はNH3に対する
かなりの容量をもつている。同様に、Z、プロコツプ
(Prokop)およびK.セテイネツク(Setinek)が、「J.P
olym.Science、Polym.Chem.Ed.12」(11)、2535−43
(1974)で、アンモニアの吸収にアンモニウム(NH4 +
の形で陽イオン交換樹脂の使用を開示する。アンモニア
吸収によく適合するこれ以外の周知の材料には、酢酸セ
ルロース、エチルセルロース、酢酪酸セルロースおよび
ヒドロキシセルロース類が含まれる。近来、C.H.ロツク
ミユーラー(Lochmuller)ほかが、「アナリテイカル.
レターズ18(A)(4)423(1985)」で、NH3に対する
可逆吸着剤としてCO2+イオン交換ナフイオン(Nafion)
(E.Iデユポン.アンド.カンパニイの前記Na+にあ
る)。M.ステイナー(Stainer)ほかが、「J.Elechtroc
hem Soc.、131」789(1986)に掲載したポリ(エチレン
オキシド)とアンモニウム塩との間に形成された錯体の
導電率についての論文は、錯体の組成物の明記はない
が、それがアンモニアを容易に吸収することを付随的に
報告している。
H.W.フート(Foote)とM.Aハンター(Hunter)とが、
「J.Am.Chem.Soc.、42」19(1920)で、チオシアン酸ア
ンモニウムがアンモニアを吸収することを開示した。硝
酸アンモニウムとチオシアン酸アンモニウムは、アンモ
ニア蒸気の存在において潮解する。ラマン分光学を使用
する最近の研究では、NH3とSCN-イオンの硫黄末端との
間に、その仕組みは完全には理解されていないが、強い
相互作用のあることがわかつた。フートとハンターは、
チオシアン酸アンモニウムを使用して、NH3プラントの
再循環ループからNH3の除去を果たす可能性を開示した
が、大抵の金属に対するアンモニア/NH4SCN溶液の高浸
蝕性のため、その遂行は達成されなかつた。
アンモニア以外のガスからアンモニアを分離する膜ベー
スガス分離技術は多数あるが、論文での開示は制限され
た。これらの多くは、アンモニア通過に不良選択性を示
す高分子物質である。このような高分子膜で起きるこれ
以外の問題は、周囲温度よりも高い温度でのNH3の低絶
対透過性およびNH3に対する重合体の安定性に関連して
いる。
D.W.ブルベーカー(Brubaker)とK.カンメルメイヤー
(Kammermyer)は、「Ind.Eng.Chem.、46」733(1954)
で、アンモニア合成プラントにおいて、N2およびH2から
のNH3分離のポリエチレンフイルム膜の使用を開示し
た。NH3のフイルムの低絶対透過性および、H2とN2とに
対するNH3の不良分離要素とに関連する問題のため、前
記方式は従来冷却法とは競合しないであろうと考えられ
た。
米国特許第3,545,931号は、水流におけるNH3濃度の検知
と測定の方式と共に、NH3分離のポリテトラフルオロエ
チレン膜の使用を開示する。この発明には、実際に分離
データが開示されていないが、NH3に対する前記ポリテ
トラフルオロエチレン膜の透過性は、これ以外のガスに
対すると同様、極めて低い。
コストロフほかが、「Plast.Massy、Vol.5」(1981)18
乃至19ページで述べているように、弗化ビニリデン−テ
トラフルオロエチレン共重合膜が、特に原単独重合体に
関して、意外に高いNH3の選択性/透過性とを示した。
アンモニアのこの高透過性は、NH3ガスに暴露すると黄
色になるアンモニアと共重合体間の不特定反応のためで
あるとされている。アンモニアよりずつと弱い塩基であ
るアニリンと、23℃の温度で、また120℃の温度でのNaO
H水を通して長期間接触させると弗化ポリビニリデンは
減成される。従つて、上記共重合体とそのNH3の反応生
成物は結局処理によつて減成されるので、アンモニア透
過には能力のある材料とはならない。
ソ連特許第SU1063774−A号は、H2からNH3を分離する水
和セルロースに関する未公開ソ連データを引用し、芳香
族ポリスルホンアミド重合体を基材とする改良膜をクレ
ームしている。水和セルロースには、H2からのNH3分離
に適度にNH3透過および選択性能があるが、アンモニア
の温度および圧力に関する有用性の範囲は狭い。前記膜
の減成は、高温においてまた広範に利用した場合に観察
される。R.M.バーラー(Barrer)ほかが、J.Chem.Soc.F
araday Frans.1、69、2166(1973)で、N2とH2からNH3
を分離する高選択性炭素栓の操作につき記述している。
微孔質炭素におけるNH3の濃度と「表面流れ」に依存す
る前記膜を、アンモニアの液化点に近い状態で約250のN
H3/H2選択度を用いて有効に操作するよう示した。さも
なければ、前記NH3/N2の選択性は、他の状態で急速に
減少する。従つて、この炭素膜は、関心のある状態でア
ンモニア合成ループにおける他のガスからのNH3分離に
有用になることはあり得ない。
最近、S.クルプラチパンジヤ(Kulprathipanja)とS.S
クルカルニ(Kulkarni)とが、米国特許第4,608,060号
で、N2とH2からアンモニアを分離できるシリコーンゴム
とポリエチレングリコールから成る多成分系膜の調製を
開示した。この膜は、30×10-5cm3(STP)1cm2・秒・c
mHgにほぼ等しい非常に高いアンモニアのパーミアンス
を示すが、前記NH3/H2分離係数は比較的に低い(80に
ほぼ等しい)。
G.Pペス(Pez)とR.T.カーリン(Carlin)とが、欧州特
許出願番号86102208.5号で、N2とH2とからのNH3の有効
な分離を、多孔質金属またはセラミツク支持体に固定化
した可逆自在アンモニア反応性熔融塩(たとえばZnC
l2)から成る膜を使用し高温(250乃至350℃)で達成で
きることを記述している。
この発明は、アンモニアと少なくとも1つのこれ以外の
成分を含有するガスまたは液体の混合物から、アンモニ
ア含有混合物を、式中各Rは他に関係なくHまたは直鎖
状または分枝アルキル基、又X-は有機または無機イオン
である構造式NR4 +X-を有する塩を含有する膜と接触させ
てアンモニアを分離し、それによつて前記塩が選択自在
にまた可逆自在に前記混合物からアンモニアを吸着させ
る方法である。前記塩を高分子構造に含浸させて物理的
混合物または配合物を形成するか、あるいは、適切な支
持体上またはその支持体内で含浸させた薄いフイルムの
ように、選択性透過膜として機能する液体アンモニアに
おける前記塩の溶液を使用するかのいずれかによつて主
として形成する。
(課題を解決するための手段) この発明は、前記アンモニア含有混合物からアンモニア
を選択自在にまた可逆自在に吸着する一方、広範囲なプ
ロセス条件にも良好な安定性を維持できる塩を用いるこ
とで機能する。加えて、塩が吸着した前記アンモニアは
比較的可動性であるので、そのため配合物をアンモニア
選択性透過膜の調製に使用できる。従つて、塩には、適
切な高分子構造に物理的に含浸でき膜として機能する物
理的配合物を形成するか、あるいは、支持体上かまたは
支持体内に包含されるフイルムとしてアンモニア溶液に
利用できる膜を形成するかの汎用性がある。
(作用) ガス類、液体類あるいは蒸気類の混合物からの成分分離
は、特定成分の選択収着に依存する方法によるか、ある
いは二者択一的に、前記選択成分の通過に選択性のある
選択性透過膜の利用によるかして実施できる。この発明
は、アンモニアと、少なくとも1つのこれ以外の成分を
含有するガス類あるいは液体類の混合物から、アンモニ
アの選択透過に有効な新奇の半透過性膜を用いてアンモ
ニアを分離する方法である。
アンモニアと、少なくとも1つのこれ以外の成分を含有
するガス類または液体類の混合物を、活性成分として次
の構造式を有する塩を含有する膜と接触させる: NR4 +X- 式中各Rは、他と関係なくHまたは、直鎖状あるいはア
ルキル基、またはX-は有機または無機陰イオンである。
上述塩は、単独あるいは付随重合ガスと共に、アンモニ
ア含有混合物からアンモニアを選択自在また可逆自在に
吸着する。
前記類X-は、ニトレート、ハロゲン化物または疑似ハロ
ゲン化物すなわちTeCN-、SeCN-またはSCN-などのような
無機陰イオンであることができる。種々の無機陰イオン
の塩のNH3収着容量に関する有効性の期待順位は次の通
り: TeCN-SeCN-SCN->I->NO3 ->Br->Cl- ここでも類X-は、有機陰イオン、たとえばカルボキシレ
ートすなわちR′COOでその時のR′はHまたは炭化
水素基である。所定陰イオンに対し、種種の陽イオン類
の有効性の期待順位は次の通り: NH4 +>NH3R+>NH2R2 +>NHR3 +>NR4′ 式中、Rは直鎖状または分枝状アルキル基である。
いろいろな方法と構成により膜内に塩を包含させること
ができる。このような構成の1つによれば、前記塩を高
分子構造に含浸させて、H2、N2などに対するNH3の透過
に有効なガス透過性膜として機能する物理的混合物を形
成させる。この種類の構成において、前記塩が、式中少
なくともRの1つがHである構造式を有することが好ま
しく、さらに好ましくは、前記R置換基の少なくとも3
つはHであることである。その中に塩を含浸させる前記
高分子構造は、この適用によく適合したポリビニルアル
コールを基材とした重合体を用いて、塩またはアンモニ
アと逆反応を起さない重合体の適切なものであればなん
でもよい。使用する特定重合体しだいで、塩の含浸に先
立つ重合体前処理が好ましい。たとえば、チオシアン酸
アンモニウムをポリビニルアルコールに含浸させる時、
好ましくは前記ポリビニルアルコールをメタクリル酸に
よって官能基化し、またテトラエチレングリコールジア
クリレートと架橋することである。
アンモニウム収着塩の高分子構造への含浸は、NR4 +とX-
が重合体主鎖の官能基といくらかの相互作用を起こす
が、典型的例として、結果的には前記重合体内に物理的
混合物として存在する塩となる。アンモニアに暴露する
と直ぐ、これら物質は、NH3を吸着膨張して透明ゲルを
形成する。明らかに均質で、溶解塩と膨脹重合体から成
る前記ゲルは、意外にも、他の成分特にN2とH2を上廻る
NH3に対する非常に高い選択性を有するNH3のすぐれた透
過率を示すNH3分離膜として機能する。これらの研究成
果に基づき、ポリビニルアルコールとその誘導体、ポリ
エチレンイミン、ポリ(酸化プロピレン)、ポリアクリ
ルアミドなどのような比較的極性の重合体の備わるたと
えばNH4 +SCN-、NH4NO3 -などのようなアンモニア吸着性
イオン塩の配合物であればなんでも、可逆性NH3吸着剤
として、また以下に述べるようにこの発明による選択NH
3透過膜として非常に類似した方法で機能することが明
白である。
塩を高分子構造に含浸させて物理的配合物を形成する構
成のほかに、種々の構成が利用できる。このような構成
の実例には、液体アンモニア中の塩溶液を多孔質重合体
に膨潤または固定させること、あるいは非多孔質ガス透
過性重合体または重合体配合物質中の塩または液体NH3
溶液を封入することが含まれる。たとえば、好ましい1
実施態様は、塩またはNH3/塩溶液を多孔域に含浸さ
せ、また非多孔質ガス透過性重合体または重合体配合物
で封入させた多孔質重合体(平板、螺線巻き平板、多孔
質壁中空繊維などのいずれか)である。塩だけを利用し
た時、最終加工膜をアンモニアに暴露すると直ぐ、前記
封入塩はガスを吸着して、所望の封入塩/アンモニア溶
液液体膜を作ることになる。このような膜は良好な機械
的性質と分離性能を示す。
アンモニアおよび少くとも1つのこれ以外の成分を含有
するガス類または液体類の混合物からアンモニアを分離
する方法において、前記混合物を、活性素成分として構
造式NR4X-の塩を包含する膜(以下供給材料または上流
側という)の片側を横切らせる。アンモニアは選択自在
に膜を通つて浸透し、透過部すなわち下流側で回収でき
る。透過が起きるために必要なことは、膜の供給材料側
でNH3の高分圧(厳密には、フガシチー)を維持するこ
とである。透過界面でのアンモニアの必要相応低分圧は
も、真空ポンプ、圧縮機または不活性ガススイープを用
いて実現できる。
前記膜は、それをたとえばアンモニアの窒素と水素から
の分離に用いる時、次の機構で機能するものと考えられ
ている。供給材料側において、アンモニアは膜に侵入
し、そこでそれが吸収されて構造式NR4 +X-の塩を有する
溶液か、あるいは構造式NR4 +X-の塩を有するNH3/重合
体ゲルのいずれかを形成する。前記このように吸着させ
たアンモニアは膜内の濃度勾配で、アンモニアを気相に
脱着し回収する透過界面に向つて拡散する。観察される
例外的アンモニアの透過度は、膜物質中のアンモニアの
高濃度と意外に好都合な拡散との組合わせから起きるも
のと考えられている。H2およびN2のようなガス類が多少
大きい拡散のあることが考えられるが、膜へのそれらの
溶解度がNH3のそれよりも遥かに少なく、(いくつかの
大きさの順番で)それによつて、膜を通るそれらの透過
率(透過度)は比較的低くなる。これらの研究が、アン
モニアに観察される高透過度および、アンモニア、窒素
および水素からのアンモニア回収用膜の非常に好都合な
選択性透過特性との説明の助けとなる。
この発明は、アクリロニトリル製造のガス流れから、ま
たCH4、CO、空気およびHCN製造のアンドルソウ(Andrus
ow)法におけるHCNから、さらに特に、アンモニア合成
プラントの再循環ループに存在するNH3、N2、H2、CH4
Ar混合物からのNH3分離のような幅広い範囲の適用に適
している。
代表的アンモニアプラントにおいて、水素の窒素に対す
る約3対1の混合物(いくらかのArとCH4で)を、圧力
約3000psiに圧縮し、触媒転化器を通過させその結果、
約13%がアンモニアになる。生成物流れを続いて主とし
て冷却機で冷却してNH3の大部分を凝縮し、さらに残存N
H3、N2、H2およびAr混合物を再加熱のうえ反応器に再循
環させる。
ある代替方法においては、アンモニアを有効に透過する
が、再循環ループにH2、N2およびArを大部分は使用圧力
で保持する透過選択性膜を再循環ループに挿入してアン
モニアを回収できる。冷却工程を回避するか縮少するか
して、動力や資本の有意の節減を達成できる。望ましく
は、前記膜が、NH3の高透過度と、非常に大きい分離
(∝)係数との両方、すなわち∝(NH3/H2)および∝
(NH3/N2)を有することである。特に望ましいこと
は、前記∝(NH3/H2)選択度が非常に大きく、そのた
め前記再循環ループにある最も豊富で最も高価な成分で
あるH2を大いに保持して反応器に再循環させることであ
る。
(発明の効果) この発明の膜は、先行技術に開示されたどのような膜に
も示されていない周囲温度に近い温度でNH3透過と∝(N
H3/H2)と∝(NH3/N2)分離係数の必須組合わせを規
定する。このすぐれた性能を、たとえば実施例1および
2によつて例証している。
従つて、液体アンモニア、すなわち多孔質ナイロンに固
定された液状膜中のチオシアン酸アンモニウムの性能を
示す下記実施例1において、約8700のアンモニアの窒素
に対する選択度∝(NH3/N2)をもつ非常に高いアンモ
ニア透過度がみられる(200×10-5cm3/cm2・秒・cmH
g)。
下記実施例2は、改質ポリビニルアルコール/チオシア
ン酸アンモニウム重合体/塩配合膜の性能を例証する。
アンモニア透過度は、18×10-5cm3/cm2・秒・cmHg
で、∝(NH3/H2)値は1000乃至3000の範囲にわたつ
た。これら2つの膜の∝(NH3/H2)選択度は1000以上
の非常に高いものになる。
実験 A.膜性能測定 種々の裏付け薄複合フイルムと、この発明の液状膜とを
適当な試験容器に装填し、アンモニアと窒素に対するそ
れらの透過特性の測定をした。
特別構成の膜試験容器を使用してすべての膜実験を実施
した。薄膜の形になつた膜を2枚のステンレス鋼円板の
間に支持させた。1/8直径孔を蜂の巣配置にして前記膜
に到達する供給材料と透過ガス流れを提供した。暴露す
なわち「有効」膜表面は1.3cm2であつた。いくつかの実
験では、ステンレス鋼メツシユ織物(NY州コートランド
のポール.コーポレーシヨン(Pall Corp.))の薄板を
付加機械的支持に用いた。膜試験容器の特定の設計と構
造が不可欠ではなく、このような容器であればどれでも
用いることができ、それは正確な透過測定をさせる。
膜の透過特性を標準形式の透過装置を使用して測定し
た。電子質量流れ調節器を用いて、膜の一面を横切つた
供給ガス混合物を配合した。膜の他面を横切るヘリウム
流れの透過ガス類の濃度をガスクロマトグラフ(GC)で
測定した。前記GCは、計算機制御試料採取装置とデータ
整理システムを備え、それにより全分析が自動化され
た。アンモニア(透過中)の濃度を、60℃の恒温で運転
されるクロモソーブ(ChrOmosOrb)103柱を用い測定
し、透過窒素、水素および少しの外来酸素も分子篩5A柱
を用いると分離された。前記膜試験容器と同様、用いら
れる特定装置は不可欠でなく、適切なシステムであれば
どのようなものでも使用できる。
B.計算とデータ提供 膜を通過する特定ガス流量を、膜の透過側を洗い流すヘ
リウムの制御流れ中の濃度で測定する。膜性能は、膜を
通過するおのおののガスの透過度(φ)で表現する。こ
のφを実験流量J、(cm−1)、膜表面の単位面積
A(cm2)当りおよび、膜の2界面間の特定ガスの単位
差圧Δp(cmHg)として規定する: の単位においてフイク(Fick)法と、ヘンリー(Henr
y)法が適用される通常高分子膜について、透過度は、
膜厚さl(cm)で割つた材料(cm3・cm/cm2・秒・cmHg
で示される)の標準透過度Poの率である。次の実例にお
いては、結果を、POよりもむしろφで表現している。そ
れは、アンモニアの存在においての膨潤のため、膜厚さ
がしばしば不明である(少なくとも常識的正確さをもつ
て)。
∝(NH3/H2)と∝(NH3/N2)として示される膜の選択
度を、2つのガスの同時測定透過値の比率によつて示
す。アンモニアで起こる材料の少なからぬ膨潤のため、
個々の観察したφNH3とφN2との比率で選択度を示すこ
とは意義のあることではない。そのほか、吸着NH3の存
在は膜の性質を少なからず変化させ、そのためNH3およ
びN2に対するように個々に測定した透過値は、全く異な
つた材料のものになる。これらの理由で、膜のガス運搬
特性は常にNH3の存在において測定された。
(実施例) 次の実施例は、この発明を具体的に説明しようとするも
ので、制限しようとするものでない。
実施例1:多孔質ナイロンに吸収膨潤したNH3−NH4SCN
液状膜の性能 多孔質ナイロン層(AMFコーポレーシヨンのゼタポー
ル(Zetapore)、細孔大きさ0.2μ)をNH4SCN-NH3の飽
和溶液中に1時間浸漬させて膜を調製した。前記膜を前
記溶液から取り除き、N2で乾燥できた。支持のためにPt
スクリーンを用いて形材を膜試験容器に取り付けた。ア
ンモニアをN2から分離する試験を0℃と23℃の温度で行
つた。試験結果は下記第1表に示されている。
上記裏付液状膜が、すぐれたNH3/N2分離特性を示して
いるが、前記細孔からの噴出による液体損失の公算があ
るため、それは膜内外の高圧には耐えられない。しか
し、この問題は、NH3透過性(非選択性)重合体内の液
状フイルムまたは、重合体を本質的に封入することによ
つて、加えた圧力傾斜の結果それが流動できなくなるの
で克服できる。これは、たとえば、上記実験用ナイロン
裏付液状膜のおのおのの表面に、ポリ(トリメチルシリ
ルプロピン)またはシリコーンゴム(この両方ともN
H3、N2およびH2に対し高い透過性をもつ)を層状に積重
ねて行うことができ、そのため、活性NH4SCN/NH
3(l)溶液を前記多孔質重合体の気孔内に保持(封
入)される。この着想は、同様に封入されたNH4SCN/NH
3(l)溶液膜を中空繊維の使用による調製に応用でき
る。このような溶液(すなわち、最初は固体NH4SCN)を
多孔質壁中空繊維の細孔に包含することになる。そこ
で、前記中空繊維の内外部両面を上述ガス透過性重合体
のうちの1つの薄いフイルムで塗被し、それによつてNH
4SCN/NH3(l)の各「素成分」を前記中空繊維壁内に
封入し、前記繊維の内外壁間の有効「伝導路」ができ
る。
実施例2:改質ポリビニルアルコール/チオシアン酸アン
モニウムの調製と性能 ポリビニルアルコールを、次の手順で、メタクリル酸と
反応させまた、テトラエチレングリコールジアクリレー
トと架橋させて改質させた。
H2Oで9.5%固形分に膨潤させたポリ(ビニルアルコー
ル)、(PVOH)(30g)、(APCI、VINOL−540、88%加
水分解、Mn=88,000、Mw=150,000)をジヤケツト付反
応釜に装填した。メタクリル酸(MAA−アクリル単量
体)(9g)を前記溶液に添加し、混合を始めた。約30分
後、テトラエチレングリコールジアクリレート(TEGDA
−架橋剤)を0.34gと、過硫酸アンモニウム(触媒)を
0.056gと、30%水性NH3を2.93gおよびH2Oを130g添加し
た。その混合物を約25℃の温度でさらに2乃至3時間攪
拌した。最終溶液は6.5%固形分であつた。前記溶液を
窒素流でほぼ乾燥するまで約25℃の温度で蒸発させて、
80乃至200μm厚さのフイルムを調製した。前記ほぼ乾
燥したフイルムを4乃至5時間65℃の温度に加熱して架
橋反応を起させた。
結晶塩を1対1の塩対重合体固形物の(重量)比で、前
記PVOH−MAA−TEGDA溶液に添加してチオシアン酸アンモ
ニウムを上記重合体の網状構造に含浸させた。
試験膜を次のように調製した。厚さ約200μmの改質PVO
H対NH4SCNが1対1で多孔質テフロン(ゴアテツクス
−Goretex )の間にサンドイツチしたフイルムを、ポ
リプロピレン(CAのダブリン在マイクロフイルトレーシ
ヨン.システムズ社)のグリツドに機械的付価支持とし
て裏付けした。この複合材料を0.3cm2のセル域に封止し
た。先の実施例においてと同様、バツクグラウンド空気
の補正を前記∝(NH3/N2)選択度値に加えた。結果を
下記第2表に示す。
実施例3:窒素からのアンモニア分離用改質ポリビニルア
ルコール膜(添加NH4SCNなし)の(比較)性能 PVOH−MAA−TEODA重合体を実施例2にある通りに調製し
た。溶液を窒素で乾燥し、厚さほぼ0.05cmに等しいフイ
ルムを作つた。26℃ま温度では、アンモニア透過度は21
9バーラーであつたが、N2の透過度は70で、従ってこの
重合体のNH3/N2選択度は、添加NH4SCNなしに約3であ
つた。この実施例では、NH4SCNの添加が有効なアンモニ
ア分離膜の調製には不可欠であることを示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 69/00 500 9153−4D C01C 1/10 Z C02F 1/20 B

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アンモニアおよび、少なくとも1つのそれ
    以外の成分を含有するガス類または液体類の混合物から
    前記アンモニアを分離する方法であって、前記アンモニ
    ア含有混合物を、構造式が、NR4 +X-である塩(但し、R
    の各々は、個別にH、または直鎖状アルキル基、または
    分枝鎖状アルキル基であり、X-は、該アンモニア含有混
    合物からアンモニアを選択的に透過する有機または無機
    の陰イオンである)を含有する半透過性膜と接触させる
    ことを特徴とするアンモニア分離法。
  2. 【請求項2】前記X-は、Cl-、Br-、I-、TeCN-、SeCN-
    NO3 -、SCN-およびカルボキシル化R′CO2 -(但し、R′
    は、H、またはアルキル炭化水素である)からなる群中
    から選択することを特徴とする請求項1によるアンモニ
    ア分離法。
  3. 【請求項3】前記Rの少なくとも一つはHであり、前記
    塩は、重合体な含浸させて半透過膜として機能する物理
    的混合物を形成することを特徴とする請求項1によるア
    ンモニア分離法。
  4. 【請求項4】前記各Rは、全てHであり、前記塩は重合
    体に含浸させて半透過性膜として機能する物理的混合物
    を形成することを特徴とする請求項1によるアンモニア
    分離法。
  5. 【請求項5】前記塩は、チオシアン酸アンモニウムであ
    ることを特徴とする請求項1によるアンモニア分離法。
  6. 【請求項6】前記重合体は、ポリビニルアルコールであ
    ることを特徴とする請求項3によるアンモニア分離法。
  7. 【請求項7】塩を含浸させるに先立って前記ポリビニル
    アルコールをメタクリル酸により官能基化し、且つテト
    ラエチレングリコールジアクリレートと架橋させたこと
    を特徴とする請求項6によるアンモニア分離法。
  8. 【請求項8】液体NH3中の前記塩の溶液を、適当な支持
    体上における薄いフィルムとするか、または薄い多孔質
    支持体中に固定化するかして利用することを特徴とする
    請求項1によるアンモニア分離法。
  9. 【請求項9】前記各Rは、全てHであることを特徴とす
    る請求項8によるアンモニア分離法。
  10. 【請求項10】前記塩からなる前記物理的混合物を、支
    持体上における薄いフィルムとするか、または薄い多孔
    質支持体中に固定化して利用することを特徴とする請求
    項4によるアンモニア分離法。
  11. 【請求項11】前記アンモニアを、NH3、N2、N2CH3およ
    びArからなるアンモニア合成プラント再循環ロープガス
    から分離することを特徴とする請求項1によるアンモニ
    ア分離法。
  12. 【請求項12】前記塩を、非多孔性、ガス透過性重合体
    または重合体配合材料中に封入することを特徴とする請
    求項1によるアンモニア分離法。
  13. 【請求項13】液体NH3中の塩の溶液を、前記薄いフィ
    ルムまたは前記固定化液体として、非多孔性、ガス透過
    性重合体または重合体配合材料中に封入することを特徴
    とする請求項8によるアンモニア分離法。
  14. 【請求項14】前記物理的混合物を、前記薄いフィルム
    または固定化液体として、非多孔性、ガス透過性重合体
    または重合体配合材料に封入することを特徴とする請求
    項10によるアンモニア分離法。
  15. 【請求項15】前記膜を、平板、螺旋巻き板、または中
    空繊維の形態にすることを特徴とする請求項1によるア
    ンモニア分離法。
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