JPH0752894Y2 - 映像観覧施設の客席動揺装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は遊園地等に設けられる映像観覧施設の客席動揺
装置に関するものである。

〔従来の技術〕

従来の、映像観覧施設の客席動揺装置を第７図〜第９図
に示す。第７図は同装置の斜視図、第８図は同装置の側
面図、第９図は第８図のＤ−Ｄ断面図である。第７〜９
図において、19は客席収容施設、20はシリンダー、第８
図の21は客席、第９図の22は観客通路用はね橋、第８図
の２は客席前方の映写用スクリーンである。本装置はス
クリーン２に写し出される映像に合わせて客席21を動揺
させるために、客席収容施設19の下方に６個のシリンダ
ー20を設け、これを作動して客席収容施設19全体を動揺
させるものである。なお客席収容施設19への観客の出入
は、観客通路用はね橋22を介して行い、作動時には観客
通路用はね橋22をはね上げて、施設の動揺に支障の無い
位置に収納するようになつている。

〔考案が解決しようとする課題〕

従来の映像観覧施設においては、映像の動きに同調し
て、客席に様々な動きを行なわせるために、全客席が収
納されている客席収容施設全体をその下部に設けた６本
のシリンダーにより動揺させており、施設内の前方の客
席が下れば、同後方の客席は上がるため、客席位置で異
なる動きとなり、映像に対して、動揺から受ける体感が
客席位置で異なるという問題があつた。

本考案は、上記従来技術の欠点を解消するための単位装
置として、１単位の装置に着席する複数の観客に、同一
の動揺体感を与えることのできる客席動揺装置を提供し
ようとするものである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は前記課題を解決したものであつて、上下移動用
シリンダーによつて駆動され上下方向往復運動を行う上
下移動台、同上下移動台の上で横移動用シリンダーによ
つて駆動され左右方向往復運動を行う横移動台、同横移
動台の駆動部にピンを介して連結され上下移動台および
横移動台と連動して上下左右に動くとともに前記横移動
台に設けてある前後揺れ用シリンダーによつて駆動され
前記ピンの回りに前後方向揺れ運動を行うコモンフレー
ム、および同コモンフレームにそれぞれ横揺れ回動軸に
よつて支えられ同コモンフレームに設けられた横揺れ用
シリンダーによつて駆動されて前記回動軸まわりに左右
方向揺れ運動を行う複数の客席を具備したことを特徴と
する映像観覧施設の客席動揺装置に関するものである。

〔作用〕

本考案においては、上記構成を有する１単位の装置にお
いて、上下移動シリンダー、横移動用シリンダー、前後
揺れ用シリンダー、および横揺れ用シリンダーによつて
コモンフレーム上の複数の客席に、いつせいに、上下方
向往復運動、左右方向往復運動、前後方向揺れ運動、お
よび左右方向揺れ運動を組合わせた運動を行わせる。し
たがつて、シリンダーに、映像に応じた油圧制御を行う
ことによつて、上記１単位の客席群に着席している複数
の観客に同一の動揺体感を与えることができる。

〔実施例〕

本考案の一実施例を第１図〜第６図に示す。第１図は観
客収容施設の平面図、第２図は同施設の側面図、第３図
は横に並ぶ複数個の客席を連ねて単位化された客席群の
平面図、第４図は同客席群およびその下方の装置の正面
図（第３図のＡ−Ａ矢視図）、第５図は１個の客席とそ
の下方の装置の断面図（第４図のＢ−Ｂ断面図）、第６
図は客席とその下方の装置の正面図（第３図のＣ−Ｃ矢
視図）である。

第１図および第２図において、１は観客収容施設、２は
同施設内客席前方の映写用スクリーン、３は映写室、3a
は映写機、４は複数個の客席を横に連ねて単位化された
客席群である。

第３図および第４図において、４は１単位11個の客席か
らなる客席群、4aは個々の客席、10は個々の客席を支え
るコモンフレーム、17はコモンフレーム10に接続されて
いる横移動台、８は横移動台17を駆動する横移動用シリ
ンダー、９は横移動台17を支える上下移動台、５は上下
移動台を駆動する上下移動用シリンダーである。また７
は客席横揺れ用シリンダーで、その詳細については第６
図で説明する。

第５図において、4aは客席、５は上下移動用シリンダ
ー、９は上下移動用シリンダー５によつて駆動される上
下移動台、17は上下移動台９の上に横移動できるように
設けてある横移動台、23は前記の上下移動台９に設けら
れている横移動台ガイド用のフランジ部、24は前記の横
移動台17に設けられ前記フランジ部23に沿って摺動する
摺動部である。８は一端が上下移動台９に他端が横移動
台17に連結されている横移動用シリンダーである。６は
横移動台17に取付けてある前後揺れ用シリンダー、10は
客席を支えるコモンフレーム、18は横移動台に固着され
ている駆動部、11はコモンフレーム10と横移動台17の駆
動部18を接続し、コモンフレームの前後揺れの回動軸と
なるピン、12は前後揺れ用シリンダー６の駆動力をコモ
ンフレーム10に伝えるピン、15は両端が客席4aの前部と
後部に固定されコモンフレーム10を貫通している客席の
横揺れの回動軸、14は客席横揺れ用リンク、16は客席下
方に設けられたシヨツクアブゾーバである。

第６図において、4aは客席、10はコモンフレーム、９は
上下移動台、17は上下移動台９の上に横移動可能に設け
られた横移動台、８は一端が上下移動台に他端が横移動
台に連結されている横移動用シリンダー、18は横移動台
17に固着している駆動部、11はピンである。横移動台17
が横方向に移動した時、駆動部18がコモンフレーム10を
同じ方向へ押して移動させる。また横移動台17がその下
部にある上下移動台９の移動に伴つて上下方向に移動し
た時は、駆動部18とピン11によつてコモンフレーム10を
上下方向に移動させる。６はコモンフレーム10の前後揺
れの駆動を行うために横移動台17に取付けてある前後揺
れ用シリンダー、15はコモンフレーム10を貫通している
客席横揺れ回動軸、14は客席、横揺れ駆動用リンク、13
は客席横揺れ駆動アーム、７はコモンフレーム10に取付
けてある客席横揺れ用シリンダー、16はシヨツクアブソ
ーバである。

以上の装置において、客席は、上下方向往復運動、左右
方向往復運動、前後方向揺れ運動、および左右方向揺れ
運動の４種類の動揺運動を行うことができる。以下に上
記各動揺運動を行う装置の作用を述べる。

（１）上下方向往復運動： 第４図に示すように、客席群４の下方に設けられた一対
の上下運動用シリンダー５によつて、第５図に示すよう
に、上下移動台９、水平移動台17、駆動部18、ピン11な
どの上部構造を介して、コモンフレーム10を上下運動さ
せ、同コモンフレーム10上の客席4aをいつせいに上下方
向に往復運動させる。

（２）左右方向往復運動： 第４図及び第６図に示すように、上下移動台９上に設け
られた横移動台17を、上下移動台９と横移動台17の間に
装着されている横移動用シリンダー８によつて左右方向
往復運動させ、第５図および第６図に示す横移動台の駆
動部18を介してコモンフレーム10およびその上に設けら
れている客席4aを、いつせいに左右方向へ往復運動させ
る。

（３）前後方向揺れ運動： 第５図に示すように、横移動台17上で、駆動部18とピン
11を介して支持されているコモンフレーム10を、横移動
台17上に設けられている前後揺れ用シリンダー６によつ
て、ピン12を介して駆動することにより、コモンフレー
ム10上の客席4aをコモンフレーム10と共に前後方向にい
つせいに揺れ運動させる。

（４）左右方向揺れ運動： 第６図に示すように、横揺れ回動軸15によつてコモンフ
レーム10に支持されている客席4aを、コモンフレーム10
に設けてある横揺れ用シリンダー７によつて、アーム1
3、リンク14を介して、いつせいに駆動し、左右方向揺
れ運動を行わせる。

以上のように本装置では、１単位の客席群の客席は、い
つせいに、４種類の動揺運動を組み合せた運動を行うこ
とができる。シヨツクアブソーバ16はこれらの運動の衝
撃をやわらげるものである。

本装置においては、客席前方のスクリーン２に映写され
た映像の動きに同調して客席収容施設内の客席全部に同
一の運動を行わせるよう、施設内の４種類のシリンダー
の、それぞれ同一種類の複数のシリンダーには同一の油
圧制御を行うならば、全観客に、映像と同調した同一の
動揺体感を与えることができる。

〔考案の効果〕

本考案においては、映像観覧施設内に、上下移動用シリ
ンダー、横移動用シリンダー、前後揺れ用シリンダー、
および横揺れ用シリンダーによつて、コモンフレーム上
の複数の客席に、いつせいに、上下方向往復運動、左右
方向往復運動、前後方向揺れ運動、および左右方向揺れ
運動を組み合わせた運動をさせる装置を備えているの
で、映像に同調して１単位の装置の客席群に着席してい
る観客に同一の動揺体感を与えることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は観客収容施設の平面図、第２図は同施設の側面
図、第３図は横に並ぶ複数個の客席を連ねて単位化され
た客席群の平面図、第４図は同客席群およびその下方の
装置の正面図（第３図のＡ−Ａ矢視図）、第５図は１個
の客席とその下方の装置の断面図（第４図のＢ−Ｂ断面
図）、第６図は客席とその下方の装置の正面図（第３図
のＣ−Ｃ矢視図）、第７図は従来技術の斜視図、第８図
は同従来技術の側面図、第９図は従来技術の断面図（第
８図のＤ−Ｄ断面図）である。 １……観客収容施設、２……スクリーン、３……映写
室、3a……映写機、４……客席群、4a……個々の客席、
５……上下移動用シリンダー、６……前後揺れ用シリン
ダー、７……横揺れ用シリンダー、８……横移動用シリ
ンダー、９……上下移動台、10……コモンフレーム、11
……コモンフレームの前後揺れの回動軸となるピン、12
……前後揺れ駆動力を伝えるピン、13……客席横揺れ駆
動アーム、14……客席横揺れ用リンク、15……客席横揺
れ回動軸、16……ショツクアブゾーバ、17……横移動
台、18……駆動部、19……客席収容施設、20……シリン
ダー、21……客席、22……観客通路用はね橋、23……ガ
イド用フランジ部、24……横移動台の摺動部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上下移動用シリンダーによつて駆動され上
   下方向往復運動を行う上下移動台、同上下移動台の上で
   横移動用シリンダーによつて駆動され左右方向往復運動
   を行う横移動台、同横移動台の駆動部にピンを介して連
   結され上下移動台および横移動台と連動して上下左右に
   動くとともに前記横移動台に設けてある前後揺れ用シリ
   ンダーによつて駆動され前記ピンの回りに前後方向揺れ
   運動を行うコモンフレーム、および同コモンフレームに
   それぞれ横揺れ回動軸によつて支えられ同コモンフレー
   ムに設けられた横揺れ用シリンダーによつて駆動されて
   前記回動軸まわりに左右方向揺れ運動を行う複数の客席
   を具備したことを特徴とする映像観覧施設の客席動揺装
   置。