JPH0752291B2 - 検版装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、印刷用の検版装置に関し、詳しくはマスタ版
と被検査版（例えば多面付された版）をテレビモニタに
異なった色で重ねて表示して比較し、異なった部分があ
るか否かを目視検版する検版装置に関する。

〈従来の技術〉 従来、２つの版をテーブル上に配置し、この２つの版を
２台のテレビカメラで撮影し、得られた信号をテレビモ
ニタ上にそれぞれ別の色で重ねて映出し、それにより２
つの版の比較を容易にし、映出された画像をテレビモニ
タ上で目視検版する検版装置がある。

このような検版装置に関しては、例えば本出願人がすで
に出願した特願昭62-61878号がある。

すなわち、印刷する際に２つの版のパターンを重ねて表
示し、その異なった部分を比較して検版する検版装置で
あって、２つの版を並列に配置し、かつXY方向に移動す
るXYテーブル、このテーブル上面に配置されたそれぞれ
の版を撮影するための２台のTVカメラ、このTVカメラか
らの映像信号を重ねて別の色に表示可能なモニタTV、２
つのTVカメラからの信号を比較する比較器、装置をコン
トロールする操作パネル等を具備する印刷のための検版
装置に於いて、前記テーブルはマトリックス状に移動さ
れ、撮影される部分がそのマトリックスの番地で定義さ
れ、かつその番地を記憶するメモリを有することを特色
とする検版装置である。

〈発明が解決しようとする課題〉 上記出願の検版装置は、２つの版を比較するものである
から、マスタ版と複数の被検査版を比較する場合、被検
査版を一枚づつ検査台に載置、固定して検査しなければ
ならないという問題点がある。

また、これら被検査版が多面付された一枚の版の場合、
検査できないという問題点もある。

本発明は、上記出願の検版装置を改良したものであり、
マスタ版と複数の被検査版を簡単に比較検査できる検版
装置を提供することを目的とする。

〈課題を解決するための手段〉 本発明は上記課題を解決するためになされたもので、被
検査版及びマスタ版をそれぞれ載置、固定するための検
査台とマスタ台とをテーブル本体に並列に配置したXY方
向に移動可能なテーブル、該テーブルの上方に配置され
前記各版を撮影するための２台のテレビカメラ、該テレ
ビカメラからの映像信号を重ねて別の色に表示可能なモ
ニタテレビ、前記２台のテレビカメラからの信号を比較
する比較器を具備する検版装置において、前記検査台は
複数の被検査版が載置、固定可能であり、かつ前記マス
タ台は前記テーブル本体に対して移動可能に取付けらて
いることを特徴とする検版装置である。

〈作用〉 本発明の検版装置のおいては、マスタ台にマスタ版を、
検査台に複数の被検査版を載置、固定する。まず、２台
のテレビカメラの下方にマスタ版及び第１の被検査版を
それぞれ配置する。そしてテーブルをXY方向に移動、具
体的にはマトリックス状に移動させてこれら２つの版を
比較、検査する。その後、テーブルを移動させて一方の
テレビカメラの下方に第２の被検査版を配置し、次にマ
スタ台のみを移動させてマスタ版を他方のテレビカメラ
の下方に配置し、前述同様テーブルを移動させてマスタ
版と第２の被検査版を比較、検査する。

以後同様にして、マスタ版と残りの被検査版を順次比
較、検査する。

〈実施例〉 本発明を実施例を用いて詳細に説明する。

図中（１）は、複数の被検査版、例えば多面付した１枚
の版（50）とマスタ版（51）を載置固定するためのテー
ブルで、該テーブル（１）は、Ｘ方向に設けられたＸレ
ール（図示せず）及びＹ方向に設けられたＹレール
（２）に移動可能に取付られている。

テーブル（１）は、テーブル本体（３）に前記被検査版
（50）を載置固定する検査台（４）とマスタ版（51）を
載置固定するマスタ台（５）を並列に配置した構成で、
該検査台（４）は、被検査版（50）を載せるための例え
ばガラス板のような透明な検査板（６）を有し、その近
傍には、該被検査版（50）を正しい位置に載置固定する
ためのレジスターピン（７）が設けられている。また、
被検査版（50）が後述するテレビカメラ（25）に対しね
じれた位置にあっても検査板（６）を微小回転させて正
しい位置に補正させたり、あるいはテーブルを移動させ
て次の版を検査する際、その移動方向に対するずれを予
め修正するためのツマミ（８）が設けられている。この
ツマミ（８）による微小回転機構は、第４図に示すよう
に、ツマミ（８）の先端に設けられたギア（９）と前記
検査板（６）の一端（6a）の中央部より垂設された伝達
棒（10）の先端に設けられたギア（11）とをほぼ直角に
かみ合せた構成である。なお、この機構はこれに限るも
のではない。前記マスタ台（５）はテーブル本体（３）
に設けられた支持部（12a）（13a）（12b）（13b）で支
持固定される２本の平行なガイドバー（14a）（14b）に
移動可能に取付られており、前記支持部の１つ（12a）
には回転させてマスク台（５）を移動させるためのハン
ドル（15）と、該ハンドル（15）を固定させるためのロ
ックネジ（16）が設けられている。また、マスタ台
（５）はマスタ版（51）を載置するための例えばガラス
板のような透明なマスタ板（16）を有し、その近傍には
マスタ版（51）を正しい位置に載置固定するためのレジ
スターピン（17）が設けられており、さらに、マスタ版
（51）が後述するテレビカメラ（26）に対しねじれた位
置にあっても微小回転させて正しい位置に補正させるた
めのツマミ（18）を有している。

なお、この微小回転機構は、前述した検査台（４）にお
けるその機構を同じなのでここではその説明を省略す
る。

（21）（22）（23）（24）は光源であり、該光源（21）
（22）は、被検査版（50）とマスタ版（51）をそれぞれ
透過で照明するためのものであり、光源（23）（24）は
これら版（50）（51）を反射で照明するためのものであ
る。

従って、これら版が透過型の場合は光源（21）（22）
が、反射型の場合は（23）（24）が点燈してそれぞれ照
明する。

前述テーブル（１）の上方には、被検査版（50）とマス
タ版（51）をそれぞれ撮影するためのテレビカメラ（2
5）（26）が取付けられており、一方のテレビカメラ（2
6）はXY方向に微移動可能に取付けられており、この移
動は、ネジ（27）（28）を回転することにより、Ｘ方
向、Ｙ方向に微移動する。これによりこれらの版（50）
（51）がテレビカメラ（25）（26）に対しＸ方向、Ｙ方
向に少しズレていても補正することができる。前記ネジ
（27）（28）により、これら版（50）（51）はカメラに
対し正しく対応する位置に配置される。

テーブル（１）上に配置されたこれらの版（50）（51）
はテレビカメラ（25）（26）により対応する部分がテー
ブル（１）の移動に従ってマトリックス状に分割して撮
影される。即ち第５図に示す如くこの実施例では18行、
30列で540に分割して撮影され、同図に示す如くそれぞ
れのマス目に１〜540までの番地が割りふられている。
撮影順序はテーブル（１）の移動により１番地、２番
地、３番地・・・540番地の順に分割して撮影される
が、版が小さい場合とか、版の中でも検版すべき部分が
小さい場合（例えば、版の一部にしか文字のない場合）
等に於いては、パネル（29）より２つの番地を指定する
ことにより、後述のCPU（30）による自動制御により、
その２つの番地を対角線とする長方形の部分のみが自動
的に撮影されて、以下に述べる検版がなされるように構
成されている。

２台のテレビカメラ（25）（26）より得たテレビ信号
（アナログ信号）は第６図に示す如く、テレビコントロ
ーラ（31）及び比較器（32）へ送られる。さらにこのテ
レビコントローラ（31）からモニタテレビ（33）へ送ら
れて、版（50）（51）の２つの映像はモニタテレビ（3
3）に別の色で重ねて表示され、目視検版される。比較
器（32）からの出力信号はテレビコントローラ（31）へ
送られ、かつCPU（30）へも送られる。CPU（30）にはメ
モリ（34）、プリンタ（35）が接続されている。さらに
CPU（30）には前記テーブル（１）を移動する移動機構
（36）、操作パネル（29）等にも接続されている。

さて、テレビカメラ（25）（26）で得られた映像信号は
テレビコントローラ（31）へ送られ、さらにモニタテレ
ビ（32）に別の色で重ねて映出される。例えば、一方の
テレビカメラ（25）からの映像をシアンＣ、他のテレビ
カメラ（26）からの映像をマゼンタＭとして重ねて映出
する。

（この色はパネル（29）のスイッチでは任意に選択でき
る。）もし２つの版（50）（51）が全く同一のパターン
であれば、そのパターンはＣとＭの混色たるブルーバイ
オレットＢで表示されるが、もし異なった部分があった
場合、その部分はＣ又はＭで表示されるので、異なった
部分は目視より容易に判断できる。

一方、テレビカメラ（25）（26）からの信号は、比較器
（32）へ入力され、比較され、もし２つの信号が異なっ
ており、そのレベルが一定以上であると、テレビコント
ローラ（31）、CPU（30）へ異常があるという信号を送
る。

このレベルは操作パネル（29）のつまみ（35）により調
整できる。そしてモニタテレビ（33）の画像を必要に応
じてその異なった部分がフラッシング（まばたき）する
ことができるようになっており、単に色が変わって見え
るより、より明確にその位置がわかる。このフラッシン
グさせるか否かはパネル（29）のスイッチで選択でき
る。即ち異なった位置の確認にはフラッシングさせて方
が発見し易いが、その異なった部分が良いか悪いかの目
視判定はフラッシングさせない方が良いので、どちらで
も選択できるようになっている。

比較器（32）より２つの信号が異なっているという異常
出力信号、及び移動機構（35）からの番地の信号によ
り、CPU（30）はメモリ（34）に何番地が版（50）（5
1）の異なった部分があるかを記憶させておくことがで
きる。

メモリ（34）にはパネルからの指示により検版範囲（検
版すべき番地）も記憶しておくことができ、検版時には
テーブル（１）か指定された範囲で順次移動して指示さ
れた範囲の番地に対応する版（50）（51）の範囲が検版
される。

次にこの検版装置の検版作業について説明する。

被検査版（50）とマスタ版（51）をそれぞれ検査台
（４）、マスタ台（５）に載置固定し、テレビカメラ
（25）（26）の下方に被検査版の第１版とマスタ版を配
置し、前述したようにテーブル（１）を移動させて比
較、検査する。

ここで、通常の検版モード（検版モード１）では、次の
如く検版される。予めパネル（29）により検版範囲を指
定しておくと、指定された範囲の番地が順次撮影されて
異常（２つのテレビカメラからの信号に一定以上のレベ
ルの差がある）があるかを比較器（32）で検出し、その
異常のあった番地がメモリ（34）に記憶されている。こ
のようにして検版すべき範囲を全てスキャニングした
後、操作者がパネルのスイッチを入れると、メモリ（3
4）に異常として記憶されている番地の内、最初の番地
がテレビカメラで撮影されるようにテーブル（１）が移
動し、その番地に対応する部分がモニタテレビ（33）に
映出されて、操作者は目視によりその部分が不良である
か否かを判定する。そして良いと判定したらパネル（2
9）のスイッチを押すと、次に記憶されている異常の番
地に自動的に移動され、その部分が映出されて判定をす
る。以下同様に検版を進行させる。

このモード１の検版では、スキャニングの間は操作者は
検版装置に拘束されることはない。

尚、第２の検版モード２ではスキャニング中、異常が検
出された時点でスキャニングがストップし、その番地の
良否の判定を行ない、次に進むように検版することもで
きる。

第３の検版モード３では、パネル（29）のスイッチを押
す毎に１つづつ検版すべき番地が進むモードである。

尚、プリンタ（35）は異常番地等をプリントアウトする
ものである。

このようにして第１版の検査が終わると、テーブル
（１）を移動させて被検査版（50）の第２版をテレビカ
メラ（25）の下方に配置し、次にマスタ台（５）のみを
移動させてテレビカメラ（26）の下方に配置させる。そ
してテーブル（１）を前述同様移動させて比較、検査す
る。

以後、同様にしてマスタ版と残りの被検査版を順次比
較、検査する。

〈発明の効果〉 本発明の検版装置は、検査台が複数の被検査版を載置固
定可能であり、かつマスタ台がテーブル本体に対して移
動可能であるので、複数の被検査版とマスタ版を一度セ
ットするだけで、マスタ版と複数の被検査版を比較、検
査することができ、実用的である。

また、検査台に載せた被検査版を微小回転することがで
きるので、予めテーブルの移動方向に対するずれを修正
でき、検版をより容易に行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示し、第１図は本検版装置の斜
視図、第２図は本検版装置の正面図、第３図はテーブル
の斜視図、第４図はテーブルの検査台の部分説明図、第
５図は検版の際の番地を示す説明図、第６図は本検版装
置のブロック図である。 （１）……テーブル、（２）……レール （３）……テーブル本体、（４）……検査台 （５）……マスタ台、（６）……検査板 （７）……レジスターピン、（８）……ツマミ （９）……ギア、（10）……伝達棒 （11）……ギア、（12）（13）……支持部 （14）……ガイドバー、（15）……ハンドル （16）……マスタ板、（17）……レジスターピン （18）……ツマミ、（21）（22）（23）（24）……光源 （25）（26）……テレビカメラ、（27）（28）……ネジ （29）……パネル、（30）……CPU （31）……テレビコントローラー、（32）……比較器 （33）……モニタテレビ、（34）……メモリ （35）……プリンタ、（36）……移動機構 （50）被検査版、（51）……マスタ版

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】被検査版及びマスタ版をそれぞれ載置、固
   定するための検査台とマスタ台とをテーブル本体に並列
   に配置したXY方向に移動可能なテーブル、該テーブルの
   上方に配置され前記各版を撮影するための２台のテレビ
   カメラ、該テレビカメラからの映像信号を重ねて別の色
   に表示可能なモニタテレビ、前記２台のテレビカメラか
   らの信号を比較する比較器を具備する検版装置におい
   て、前記検査台は複数の被検査版が載置、固定可能であ
   り、かつ前記マスタ台は前記テーブル本体に対して移動
   可能に取付られていることを特徴とする検版装置。
2. 【請求項２】検査台上面がテーブル本体に対して回転可
   能であることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の
   検版装置。