JPH075221A - 送電線故障電流検出装置、故障区間検出方法および装置 - Google Patents

送電線故障電流検出装置、故障区間検出方法および装置

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JPH075221A
JPH075221A JP16743893A JP16743893A JPH075221A JP H075221 A JPH075221 A JP H075221A JP 16743893 A JP16743893 A JP 16743893A JP 16743893 A JP16743893 A JP 16743893A JP H075221 A JPH075221 A JP H075221A
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Kazunori Sugimachi
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
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    • F02B75/02Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke
    • F02B2075/022Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle
    • F02B2075/025Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle two

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】零相電流や短絡電流などの故障電流計測のため
に設けた複数の磁気センサの合成出力を零にできない場
合でも、容易に故障電流のみを取出し、多回線併架鉄塔
においても、正確な故障区間の検出を可能にする方法お
よび装置を提供すること。 【構成】送電線に沿って適宜間隔ごとに配置された故障
電流計測手段100と、前記故障電流計測手段の出力信
号をN/2サイクル(Nは正整数)遅延させる遅延手段
と、前記故障電流計測手段の出力信号とN/2サイクル
遅延された信号とを、前記送電線の正常時の出力信号が
相殺されるように加減算する演算手段32とを具備す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は送電線故障電流検出装
置、故障区間検出方法および装置に関し、特に多回線併
架鉄塔におけるように、送電線に対して所定位置に配置
された複数の磁気センサの出力を合成するだけでは各送
電線負荷電流の影響を完全には相殺できないような場合
にも、各送電線負荷電流の影響を除去して故障電流を確
実に検出するための送電線故障電流検出装置、故障区間
検出方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】送電線の故障区間を検出する方法として
は、送電線の適当な箇所(例えば、鉄塔)に設けた地
絡、短絡電流検出器などで故障電流を監視、計測し、隣
り合う計測地点で得られた故障電流の位相を比較し、故
障電流の位相反転区間を故障区間と判定する方法が広く
知られ、実施されている。例えば本出願人の提案にかか
る特開平1−209387号公報では、故障電流(短絡
電流や、地絡の場合の零相電流)を送電線の適当位置で
計測し、隣り合う計測位置での故障電流の位相反転区間
を故障区間と判定する方法を提案している。
【0003】地絡時の零相電流の計測は、例えば実公平
4−24455号公報に記載されるように、細長い鉄心
にコイルを巻回した1対の磁気センサを、送電線の各相
電力線の位置を結ぶ多角形の外側の上下に、前記鉄心の
長手方向が電力線と直角をなし、かつ水平になるように
配置すると共に、各コイルを差動接続し、その合成出力
電圧が正常時には零または微小値となるように、前記鉄
心の素材、長さ、断面積、コイル巻回数などの磁気セン
サ定数およびその設置位置(各送電線からの距離)を設
定することによって行なうことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の零相電流の計測
と位相比較による故障区間検出方法では、零相電流計測
用の各磁気センサの定数および各送電線からの距離すな
わち設置位置を調整して、正常動作時の合成出力が零に
なるようにする必要があるが、送電線を懸吊する鉄塔の
ア−ム長やア−ム間隔が等しい特定の4回線鉄塔を除い
ては、合成出力を零にすることが極めて難しい。特に多
回線併架鉄塔では、設備する磁気センサの数を増やして
も、合成出力を零にすることは事実上不可能であるた
め、これらの方法によって零相電流を確実に検出判別し
て故障区間を正確に検出するすることは実用上難しいと
いう問題がある。
【0005】また4回線鉄塔であっても、下回線が両端
NGR(中性点抵抗接地)で上回線が片端NTR系統電
力線の場合には、上回線で故障が発生すると、後述する
ように、零相電流計測用磁気センサの検出出力波形の位
相が全て同相になってしまうことがあり、位相比較によ
る故障区間検出ができなくなるという問題がある。
【0006】本発明の目的は、上記の問題を解決するた
めに、零相電流や短絡電流などの故障電流計測のために
設けた複数の磁気センサの合成出力を零にできない場合
でも、波形処理により、残留した負荷電流分を相殺して
容易に故障電流のみを取出し得る故障電流検出装置を提
供し、さらに、このような故障電流検出装置によって検
出された隣合う検出地点における故障電流のピ−ク値お
よび位相の両方を比較し、その少なくとも一方が基準値
以上に変化したことに基づいて、多回線併架鉄塔におい
ても、正確な故障区間の検出を可能にする方法および装
置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の送電線故障電流
検出装置は、送電線に沿って適宜間隔ごとに配置された
故障電流計測手段と、前記故障電流計測手段の出力信号
をN/2サイクル(Nは正整数)遅延させる遅延手段
と、前記故障電流計測手段の出力信号とN/2サイクル
遅延された信号とを、前記送電線の正常時の出力信号が
相殺されるように加減算する演算手段とを有する。
【0008】また送電線故障区間を検出するために、送
電線に沿った予定間隔ごとに設定された計測地点で、故
障電流の位相およびレベルを計測し、隣り合う2計測地
点で得られた故障電流の位相およびレベルの両方をそれ
ぞれ比較し、その一方の差が予め定められた基準値以上
のとき、前記隣り合う2計測地点間を故障区間と判定す
るようにした。このために、送電線に沿って適宜間隔ご
とに設定された計測地点に配置された地絡電流検出手段
および短絡電流検出手段と、前記地絡電流検出手段およ
び短絡電流検出手段の各出力信号をそれぞれN/2サイ
クル(Nは正整数)遅延させる遅延手段と、前記地絡電
流検出手段および短絡電流検出手段の各出力信号とN/
2サイクル遅延された対応の各信号とを、前記送電線の
正常時の各出力信号が相殺されるように加減算して地絡
電流および短絡電流信号を発生する手段と、1つの検出
地点における前記地絡電流および短絡電流信号の位相お
よびピーク値と、これに隣り合う検出地点における前記
地絡電流および短絡電流信号の位相およびピーク値との
差をそれぞれ演算する手段と、前記位相およびピーク値
の差の少なくとも一方が予定の基準値よりも大きいと
き、前記の隣り合う2つの検出地点間を故障区間と判定
する手段とを具備した。
【0009】
【作用】故障電流計測手段の出力信号とN/2サイクル
遅延された信号とを、前記送電線の正常時の出力信号が
相殺されるように加減算するので、送電線の正常時に前
記故障電流計測手段に負荷電流成分が含まれていたとし
ても、その負荷電流成分の影響を除去し、故障電流成分
のみを分別して取出すことが可能になる。
【0010】また故障区間の検出のために、送電線に沿
って設定された1つの検出地点における前記地絡電流お
よび短絡電流信号の位相およびピーク値と、これに隣り
合う検出地点における地絡電流および短絡電流信号の位
相およびピーク値との差をそれぞれ演算し、前記差の少
なくとも一方が予定の基準値を超えたかどうかを判定す
るようにしたので、従来は位相差が発生しないために検
出できなかった故障区間をも確実に検出できるようにな
る。
【0011】
【実施例】以下に図を参照して本発明の実施例を説明す
る。図1は本発明の1実施例のブロック図、図4は本実
施例に用いる各種センサの送電線鉄塔への取付け状態の
1例を示す概略図である。鉄塔8のそれぞれの腕金には
碍子を介して送電線R1 、S1 、T1 、U1 、V1 、W
1 、R2 、S2 、T2 、U2 、V2 、W2 が懸吊され、
その最上部には架空地線38が敷設される。零相電流計
測用の磁気センサ(以下、地絡センサという)11〜1
3はY結線されており、対をなすセンサ11と12、お
よび12と13の各加算出力がA/D変換器(図示せ
ず)およびフィルタ24、25を介してマルチプレクサ
29に供給される。短絡電流検出センサ(以下、短絡セ
ンサという)14、15および位相基準/トリップ監視
用の電圧センサ16もそれぞれ対応のA/D変換器(図
示せず)およびフィルタ26〜28を介してマルチプレ
クサ29に供給される。
【0012】前記フィルタはセンサ出力中のノイズ成分
を除去するのに役立つ。
【0013】これらの各センサは、既知の適当な手法に
したがって、例えば4回線鉄塔の場合には、図4に示す
ように、各地絡センサ11〜13はそれぞれ対応の送電
線を結んでできる多角形の外側に位置するように、また
短絡センサ14、15は、その鉄心の長手軸の方向がV
1 、V2 相またはS1 、S2 相電線に垂直で、その延長
線が前記電線と交わるように配置されることができる
(実公平4−24455号公報参照)。
【0014】マルチプレクサ29で選択されたセンサ出
力はレジスタ31に一時記憶されると共に、演算処理部
32に供給される。演算処理部32では、後述するよう
な方法で、故障電流(地絡時の零相電流や短絡電流)の
波形が演算され、さらにその位相およびピ−ク値が検出
される。故障波形の位相およびピ−ク値は、故障発生時
刻を表わす信号(時計33の出力)と共に、光リンク
(送信機)35に供給され、適当な伝送線例えば架空地
線や光ファイバケブール38を介して親局または総合監
視所40へ伝送される。図1中の鎖線で囲まれた故障電
流計測部100は、図4に示したように、鉄塔8の下部
に設置することができる。他の隣接鉄塔の故障電流計測
部120において検出された故障電流情報も同様にし
て、架空地線などを介して親局40へ伝送される。
【0015】図2は演算処理部32の詳細を示す機能ブ
ロック図である。マルチプレクサ29から出力された地
絡または短絡などの故障電流信号aは遅延回路(シフト
レジスタ)101および演算器103に供給される。一
方、マルチプレクサ29から出力された位相基準用の電
圧信号dは電圧零クロス検知器111に供給される。遅
延回路101の機能は、図1のレジスタ31に一旦蓄積
された信号波形を、予め設定された遅延時間経過後に読
出すか、あるいはシフトレジスタを用いることによって
達成される。演算器103では、前記のように遅延され
た故障電流信号bとマルチプレクサ29から直接供給さ
れた故障電流信号aとが、負荷電流成分が相殺されるよ
うに加減算されて事故電流が検出される。その様子を図
3を参照して説明する。
【0016】図3は、演算処理部32の動作を説明する
ための波形図であり、(a)は、例えば上回線用の地絡
センサ20からA/D変換器24およびマルチプレクサ
29を介して演算器103に直接供給された地絡電流波
形、(b)は前記波形を3サイクル遅延した遅延回路1
01の出力波形である。地絡事故発生時刻t2より前の正
常時においては各送電線には零相電流は流れないので、
地絡センサ20の出力は零になるはずであるが、送電線
の構造、配置やセンサの特性、配置によっては、各相電
線の負荷電流のセンサに対する影響が平衡されないこと
があり、実際には小振幅の負荷電流が検出されることが
多い。図(a)、(b)ではこの状態を表わしている。
【0017】この例では、波形(a)と(b)との間に
は整数サイクルの位相差があるので、両波形の差を演算
すると、時刻t2 以前の負荷電流成分および時刻t2 か
ら3サイクル(遅延時間)経過後の地絡電流成分は相殺
され、地絡事故発生時刻t2から3サイクルの間の地絡
電流成分のみが、図(c)のように検出される。明らか
なように、遅延時間が整数サイクルのときは、上述の波
形(a)と(b)との差演算でよいが、遅延時間が1/
2サイクルの奇数倍であるときは波形(a)と(b)と
を加算しなければならない。要するに、演算器103
は、送電線の正常時に故障電流検出器によって検出され
る小振幅の負荷電流信号を相殺するような演算をするよ
うに設定される。
【0018】波形(c)はピーク値検出器105、レベ
ル比較回路106および電流零クロス検知器107に供
給される。なお、前記ピーク値検出器105および電流
零クロス検知器107は、故障電流の信号波形cのレベ
ルが予定値を超えたことに応答してレベル比較回路10
6が出力を発生するまでは動作しないか、あるいはこれ
らの出力が抑止される。
【0019】電圧零クロス検知器111は位相基準用電
圧センサ16の出力波形dを供給され、零クロスに同期
したパルスを分周器113に供給する。分周器113は
故障電流の位相計測のための位相基準点B1 (図3)を
決定する機能を有する。本実施例では1/4分周器であ
るので、図3(e)の実線で示すように、波形dの4周
期毎にパルスを発生する。第1、第2カウンタ117、
119は、図示しないクロック発振器からのクロックパ
ルスCKを計数する。分周器113の出力パルスは第1
カウンタ117のリセット端子に供給され、位相基準用
電圧の分周数周期(この例では4周期)ごとにこのカウ
ンタ117をリセットする。前記分周器113の出力パ
ルスは同時に、リセット遅延回路115を介して第2カ
ウンタ119のリセット端子に供給されてこれをリセッ
トする。リセット遅延回路115は、第1カウンタ11
7のリセットタイミングの中間(なるべくは中央)で第
2カウンタ119がリセットされるようにするものであ
り、図3(e)の点線で示すようなパルスを発生する。
【0020】図3の時刻t2 で事故が発生し、時刻t3
で、故障電流の信号波形cの振幅が予め設定された基準
レベルを超えると、レベル比較回路106が出力を発生
し、これによって前記ピーク値検出器105および電流
零クロス検知器107が起動(あるいは、出力可能状態
に)される。その後の時刻t4 で、故障電流の零クロス
が検出されると、その検出信号が第1、第2カウンタ1
17、119に加えられる。なお図3の例では、事故発
生直後の故障電流の過渡現象を考慮し、レベル比較回路
106が出力を発生した直後の零クロス信号は採用しな
いこととしているが、前記直後の零クロス信号でカウン
タの読出しをしてもよい。前記両カウンタ117、11
9の時刻t4 における各計数値g、hが高値選択器10
8に供給され、大きい方の計数値が位相角信号Tp とし
て選択され、デ−タバッファ109に転送される。一
方、前記ピーク値検出器105によって故障電流のピー
ク値P1 が検出され、同様にデ−タバッファ109に転
送される。レベル比較回路106の出力は時計33にも
加えられ、事故発生時刻がデ−タバッファ109に転送
される。前記事故発生時刻、故障電流のピーク値、およ
び故障電流位相角はデ−タバッファ109で送信に適す
るように編集され、光リンク35を介して親局40へ伝
送される。親局40では、ある送電線の隣接する2つの
故障電流計測部から伝送された故障電流のピーク値およ
び位相角を比較し、それらの少なくとも一方の差が予定
値以上であるときは、上記2つの故障電流計測部の間に
事故点があると判定し、必要に応じてその表示、記録、
警報をする。
【0021】つぎに本発明による送電線事故区間検出の
原理を、図5および図6を参照して説明する。これらの
図は、片端NGR(中性点抵抗接地)の上回線と両端N
GRの下回線から成る4回線送電線の系統において、上
回線および下回線のいずれかで1線地絡事故を生じた場
合の本発明による検出状態を説明するものである。なお
ここでは、上下回線用の地絡センサ11〜13が図4に
示したように設置されているものと仮定する。
【0022】図5のように上回線の地点X1で地絡事故
が発生すると、上回線では送電端SS1および受電端S
S2から地絡電流I1 、I2 が地絡点X1に流れ込み、
下回線では受電端SS3の中性点抵抗接地NGR2を通
り、送電端SS1に向かって故障電流I3 が流れる。地
絡点X1を挟んで隣り合う2つの検出地点のうち、故障
点よりも送電端SS1側の検出地点F1では、上回線の
U1 、U2 相には前記電流I1 、I2 が同方向に流れ、
下回線のR1 、R2 相には受電端SS3から送電端SS
1に向かって故障電流I2 が流れる。これらの故障電流
によって図5に矢印で示すような方向の磁界が生じ、こ
れによって各地絡センサ11〜13には正方向の電流が
誘起される。
【0023】したがって、地絡センサ11と12、およ
び12と13の各出力電流の和が上および下回線地絡セ
ンサ20、22の出力となる。
【0024】一方、故障点X1よりも受電端SS2、S
S3側の検出地点F2では、上回線のU1 、U2 相には
前記電流I2 が互いに逆方向に流れ、下回線のR1 、R
2 相には受電端SS3から送電端SS1に向かって同方
向に故障電流I3 が流れる。明らかなように、故障電流
I2 の地絡センサ11、12に対する影響は相殺される
ので、主として電流I3 によって、センサ12に矢印で
示すような方向の磁界が生じ、図示方向の電流が誘起さ
れる。前述のように、センサ12の出力はそれぞれセン
サ11および13の出力と同極性に加算されて上回線お
よび下回線地絡センサ20、22の出力となる。
【0025】以上の説明から明らかなように、図5の例
では、事故点を挟んで隣り合う2つの地点F1 、F2 間
での地絡センサ20、22の出力は同位相となるので、
従来の手法では故障検出ができない。しかし本発明で
は、故障電流の位相のみでなく、その大きさ(ピーク
値)をも比較するので、下回線地絡センサ22では差が
ないが、以下に詳述するように、上回線地絡センサ20
の出力電流の大きさは地点F1 側の方が地点F2 の2倍
以上になっていることが判別でき、地点F1 、F2間で
の地絡を検出できる。
【0026】地点X1での事故が完全地絡(地絡抵抗が
0)であると仮定すると、電流T3の値はNGR2の抵
抗値で決まる。NGR1から上回線に流れる電流をI0
とすると、 I1 +I2 =I0 +2I3 となる。またF1点およびF2点における上回線地絡セ
ンサ20の出力レベルV(1) 、V(2) 、および両者の比
は次のように表わされる。 V(1) =α{K1 (I1 +I2 )+K2 ×2I3 } =α{K1 (I0 +2I3 )+K2 ×2I3 } …(1) V(2) =α{K1 (I2 −I2 )+K2 ×2I3 } =αK2 ×2I3 …(2) (1)(2)式より、 V(1) /V(2) =K1 ×I0 /K2 ×2I3 +K1 /K2 +1 …(3) ここで、αは定数、またK1 、K2 は各センサと各相送
電線との距離によって決まる定数である。そして通常
は、図4のように各センサを配置し、Y結線とした場
合、K1 >K2 であるから、(3)式は2より大きくな
る。つぎに図6のように、下回線の地点X2で地絡事故
が発生すると、下回線では地絡電流I4 、I5 が地絡点
X2に流れ込むが、上回線には地絡電流は流れない。こ
れにより、地絡点から送電端側および受電端側の各検出
地点F1、F2における上下回線地絡センサ20、22
の出力は位相が反対になる。したがって、この場合は位
相比較によって地点F1 、F2 間での地絡を検出でき
る。なおこの場合、センサ11、12の出力が逆位相に
なって相殺されるので、上回線地絡センサ20の出力レ
ベル出力は小さくなる。
【0027】図7は、片端電源系4回線送電線に短絡事
故が生じた場合の短絡検知の原理を説明するための概念
図である。送電線の地点X3で上回線のU1 、V1 相間
に短絡が生じたものと仮定すると、容易に理解されるよ
うに、U1 、V1 相間およびU2 、V2 相間にそれぞれ
短絡電流Is1、Is2が図示のように流れる。短絡センサ
14は、前述したように、その鉄心の長手軸の延長線が
電線V1 、V2 と交わり、かつこれらと垂直になるよう
に配置される。このため、電線V1 、V2 に流れる電流
による誘導磁界の方向は短絡センサ14の鉄心と垂直に
なり、これによる誘導電流は発生しない。事故点X3よ
りも送電端SS1側のF1点では、電線U1 、U2 の同
方向電流Is1、Is2によって短絡センサ14に2重矢印
方向の誘導電流が発生する。一方、事故点X3よりも受
電端SS2側のF2点では、電線U1 、U2 の電流は大
きさが等しく、極性が反対になるので、短絡センサ14
にはほとんど誘導電流が発生しない。したがって、事故
点X3を挟む点F1、F2での短絡センサ出力のピーク
値を比較することにより、短絡事故を検出し故障区間を
特定できる。
【0028】以上では、検出信号は架空地線38を介し
て親局40へ伝送するものとしたが、微弱電波を用いる
などの他の適宜の方法で伝送しても良いし、あるいは各
検出地点に異常発生時刻、故障電流の位相角、ピーク値
などを表示、記録しておき、作業員が巡視によって同一
発生時刻の位相角、ピーク値を比較し、それらの差が基
準値以上の区間を事故区間と判定するようにすることも
できる。なお事故発生の判定基準値としては、位相角の
場合は180°程度、電流電圧のピーク値の場合は1、
5〜2倍以上に設定するのが望ましい。位相角測定の基
準点は、分周器113の分周比を適当に選ぶことによっ
て任意に決定でき、異常発生後の電圧零クロス点とする
こともできるが、異常発生時点よりも前の電圧零クロス
点とするのが望ましい。また本発明は、図2に示したよ
うなハード構成によらなくても、1チップマイコンなど
を用いてソフト的に実施することもできることは容易に
理解できるであろう。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、特に多回線併架鉄塔に
おけるように、送電線に対して所定位置に配置された複
数の磁気センサの出力を演算するだけでは各送電線負荷
電流の影響を完全には相殺できないような場合にも、各
送電線負荷電流の影響を除去して故障電流を確実に検出
できるようになる。したがって、地絡および短絡センサ
の設計、これらセンサの鉄塔への設置や調整の余裕度が
改善され、コスト低減にも有用である。また隣り合う検
出地点で得られた故障電流の位相角およびピーク値の両
方を比較し、少なくとも一方の差が基準値を超えている
ときに、この隣り合う検出地点間を故障区間と判定する
ので、従来法では位相差が発生しないために検出できな
かった態様の事故も確実に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例のブロック図である。
【図2】図1の演算処理部の詳細を示す機能ブロック図
である。
【図3】図1の演算処理部の動作を説明するための波形
図である。
【図4】本実施例に用いる各種センサの送電線鉄塔への
取付け状態を示す概略図である。
【図5】本発明による地絡事故の故障区間検出の原理を
説明するための概念図である。
【図6】本発明による地絡事故の故障区間検出の原理を
説明するための概念図である。
【図7】本発明による短絡事故の故障区間検出の原理を
説明するための概念図である。
【符号の説明】
11〜13…地絡センサ 14、15…短絡センサ 1
6…電圧センサ 29…マルチプレクサ 32…演算処
理部 33…時計 35…光リンク 38…伝送線 4
0…親局 100、120…故障電流計測部 101…
遅延回路 103…演算器 105…ピーク値検出器
106…レベル比較器 107…電流零クロス検知器
108…高値選択器 109…デ−タバッファ 111
…電圧零クロス検知器 113…分周器 115…リセ
ット遅延回路 117、119…第1、第2カウンタ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】送電線に流れる故障電流を検出する故障電
    流計測手段と、前記故障電流計測手段の出力信号をN/
    2サイクル(Nは正整数)遅延させる遅延手段と、前記
    故障電流計測手段の出力信号とN/2サイクル遅延され
    た出力信号とを、前記送電線の正常時の出力信号が相殺
    されるように加減算する演算手段とを具備したことを特
    徴とする送電線故障電流検出装置。
  2. 【請求項2】故障電流は短絡電流および地絡電流の少な
    くとも一方である請求項1記載の送電線故障電流検出装
    置。
  3. 【請求項3】送電線に沿った予定間隔ごとに設定された
    計測地点で、故障電流の位相およびレベルを計測し、隣
    り合う2計測地点で得られた故障電流の位相およびレベ
    ルの両方をそれぞれ比較し、その一方の差が予め定めら
    れた基準値以上のとき、前記隣り合う2計測地点間を故
    障区間と判定する送電線故障区間検出方法。
  4. 【請求項4】故障電流の位相は、故障電流の零クロス点
    と電圧波形の零クロス点との間の時間差に基づいて計測
    される請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】電圧波形の前記零クロス点は、事故発生前
    の電圧波形から得られたものである請求項4記載の方
    法。
  6. 【請求項6】送電線に沿って適宜間隔ごとに設定された
    計測地点に配置された故障電流検出手段と、前記故障電
    流検出手段の各出力信号をそれぞれN/2サイクル(N
    は正整数)遅延させる遅延手段と、前記故障電流検出手
    段の各出力信号とN/2サイクル遅延された対応の各信
    号とを、前記送電線の正常時の各出力信号が相殺される
    ように加減算して故障電流信号を発生する手段と、1つ
    の検出地点における前記故障電流信号の位相およびピー
    ク値と、これに隣り合う検出地点における故障電流信号
    の位相およびピーク値との差をそれぞれ演算する手段
    と、前記位相およびピーク値の差の少なくとも一方が予
    定の基準値よりも大きいとき、前記の隣り合う2つの検
    出地点間を故障区間と判定する手段とを具備したことを
    特徴とする送電線故障区間検出装置。
  7. 【請求項7】前記故障電流信号の位相計測手段をさらに
    有し、当該位相計測手段は、計測対象電流信号の零クロ
    ス点を検出する電流零クロス検知器と、電圧信号の零ク
    ロス点を検出する電圧零クロス検知器と、電圧零クロス
    検知器の出力パルスを分周する分周器と、前記分周器の
    各出力によってリセットされる第1カウンタと、前記分
    周器の各出力によって、前記第1カウンタのリセットタ
    イミングの中間でリセットされる第2カウンタと、前記
    第1および第2カウンタにクロックパルスを供給するク
    ロック発振器と、前記電流零クロス検知器の零クロス点
    検出信号に応答して読出される前記第1および第2カウ
    ンタのカウント値の中の大きい方を、計測対象電流の位
    相信号として選択する高値選択器とを具備した請求項6
    記載の装置。
  8. 【請求項8】前記故障電流信号の振幅レベルが予定の基
    準値を超えた時に出力を発生するレベル比較手段をさら
    に有し、当該レベル比較手段が出力を発生するまでは、
    前記零クロス点検出信号に応答する前記第1および第2
    カウンタのカウント値の読出しが禁止される請求項7記
    載の装置。
  9. 【請求項9】故障電流は短絡電流および地絡電流の少な
    くとも一方である請求項7または8記載の装置。
  10. 【請求項10】地絡電流検出手段は、4回線併架鉄塔に
    懸吊された上回線の各相電力線の位置を結ぶ第1の6角
    形の上下、および下回線の各相電力線の位置を結ぶ第2
    の6角形の下側に設置され、互いにY型結線された3個
    の地絡センサよりなり、各地絡センサは細長い鉄心と、
    その上に巻回されたコイルとよりなり、前記鉄心は、そ
    の長手方向が各相電力線と直角をなし、かつ水平になる
    ように配置された請求項9記載の装置。
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