JPH0752083Y2 - 部品収納装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、自動車用エンジン等の製造ラインに採用され
て好適な部品収納装置に関するものである。

（従来の技術） 一例として、自動車用エンジンの製造ラインでは、エン
ジンの機種を示す種々のラベル、オイル等の品質を指示
した注意書きのラベル、排気ガス規制に関連した注意書
きラベル等種々のラベルが、エンジンのロッカカバーそ
の他の部分に取付けられ、これらのラベルは、エンジン
の機種により、また仕向地等によって異るため、少くと
も数十種類に及ぶのが普通である。製造ラインを流れて
くるエンジンは、夫々作業指示表に装着すべきラベルが
指示されてはいるが、類似した外観を有する多種類のラ
ベルを作業指示表に基づいて正しく選別しエンジンに正
しく装着するためには、作業者に対して可成の注意力が
要求される。このため誤ったラベルを装着したり、装着
洩れが発生し易い不都合があった。

（考案が解決しようとする課題） 本考案は、上記事情に鑑み創案されたもので、例えば自
動車用エンジンの製造ラインにおいて各種のラベルをエ
ンジンに装着する場合、個々のエンジンの作業指示表に
装着すべき部品即ちラベルを表示したバーコードを設
け、作業者が通常のバーコード読取器によって上記作業
指示表のバーコードを読取る簡単な動作を行なうことに
よって、正確かつ自動的に当該エンジンの部品即ちラベ
ルを認識することができ、従って誤ったラベルの装着や
装着洩れを確実に防止することができるようにした部品
収納装置を提供することを目的とするものである。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するため、本考案は、種々の部品を収納
する多数の引出しを並設したキャビネット、上記引出し
の夫々に配設されたロック部材、同ロック部材に連結さ
れその作動によって同ロック部材を解錠すると共に上記
引出しを部分的に開放する電磁式アクチュエータ、上記
引出しの夫々に付設された表示灯、及び上記各引出しの
電磁式アクチュエータの付勢回路内に介装され当該引出
し内に収納された部品を表示するバーコード信号を受け
て閉成されるスイッチング装置を具備し、選択された部
品のバーコード信号を受けて当該部品を収納した引出し
の電磁式アクチュエータが作動することにより上記ロッ
ク部材が解錠されると共に表示灯が点灯されるように構
成されたことを特徴とする部品収納装置を提案するもの
である。

（作用） 本考案によれば、夫々異るラベル等の部品を収納した多
数の引出しをキャビネットに並設して夫夫の引出しに、
電磁式アクチュエータによって解錠されるロック部材と
表示灯を設け、選択された部品を示すバーコード信号に
応じ該当する引出しの電磁式アクチュエータが作動して
ロック部材を解錠すると共に表示灯を点灯するようにし
たので、作業者は、作業指示表等に設けられたバーコー
ドを通常のバーコード読取器を使用して読取ることによ
って、迅速容易かつ確実に対応する部品を認識し、取出
すことができる。

（実施例） 以下本考案の実施例を添付図面について具体的に説明す
る。先づ、第１図に概略正面図を示し、また第２図にそ
の平面図を示した部品収納装置10は、第３図にその正面
図を示した薄鋼板製の門型をなすユニットケーシング12
を縦横に多数並設して形成されたキャビネット14を具え
ている。上記ユニットケーシング12は、平面形状が長方
形をなす天板12aと、左右一対の細長い長方形の側板12b
と、側板12bの下側縁から内方に折曲げてＬ字状に形成
した巾が狭い左右一対の底板12cとを具え、上記天板12a
の前方端には、下向きに折り曲げられて中央部分に表示
灯16（第４図参照）用の開口18を穿設した前壁12dが形
成されている。ユニットケーシング12は、上下方向に複
数個積重ねられ、各ケーシングの底板12cを、下方のケ
ーシングの天板12aにスポット溶接等により一体的に固
着されている。また、ユニットケーシング12は、図示の
ように横方向にも複数個並設され、各ケーシングの側板
12bを隣接するケーシングの側板12bにスポット溶接等に
より一体的に固着されている。

上記キャビネット14の各ユニットケーシング12内に、薄
鋼板製の上方が開いた長方形の引出し20が、第１図の紙
面に直角方向に自在に摺動し得るように夫々挿入されて
いる。引出し20は、第４図に詳細に示されているよう
に、例えばアルミ合金薄板又は箔に必要な事項を印刷し
或いは刻設したラベルを剥離台紙上に粘着材を介して添
着したラベル部材を収納するもので、その底板20a上に
多数板のラベル部材を取出し易くするために傾斜した上
げ底20bを装架して形成され、上げ底20bの後方端には、
上記ラベル部材が引出しの後壁20cを越えて後方に落ち
込むことを防止するため前方に折り曲げて形成した折返
し20dが設けられている。また、引出し20の前端には、
作業者が出し入れの操作を容易に行ない得るようにする
ための屈曲した引手20eが形成され、更に上記底板20aの
後端付近には横方向に延在した係止穴20fが穿設されて
いる。なお引出し20の後壁20cの後方に、特に第７図に
明示されているように、後方に延在した近接スイッチ用
のスイッチ片22が突設されている。

また、キャビネット14の後端に、第３図に良く示されて
いるように、ヒンジ24を介して長方形の後方蓋26が装着
され、同後方蓋26は通常時その自由端部をキャビネット
14に対し係止されている。後方蓋26の引出し20とは反対
側の後側面に、各引出し20に夫々１個の電磁式アクチュ
エータ28と、上記スイッチ片22に協働する近接スイッチ
30とが並設されている。第６図に良く示されているよう
に、引出し20の高さと電磁式アクチュエータ28の高さと
の関係から、上下に隣接する引出し20の電磁式アクチュ
エータ28と近接スイッチ30とは、横方向に交互に反対位
置に配置されている。

また、第４図に良く示されているように、上記後方蓋26
の引出し20側の側面即ち前方側面には、各引出し20の後
方に位置するブラケット34が固着され、同ブラケット34
上に夫々Ｌ字状をなすロック部材36が枢支されている。
各ロック部材36の垂直脚36aには、上記電磁式アクチュ
エータ28の可動鉄心38が枢着され、また同ロック部材の
水平脚36bには各引出し20の底板20aに穿設された上記係
止穴20fに進入することによって引出し20を引出せない
ようにロックする係止爪36cが設けられている。

最後に、第８図に示した電気回路図において、符号40は
自体周知のバーコード読取器、42は上記バーコード読取
器40によって読取られたバーコード信号が引出し20内に
収納されているラベル部材のバーコードと一致したとき
に閉成される各引出し毎のスイッチング装置、44は各引
出し20毎の近接スイッチ30によって制御されるリレー装
置であって、リレーコイル44aと、同リレーコイルによ
って開閉される第１スイッチ44b及び第２スイッチ44cと
を含み、第１スイッチ44bは各引出し毎の前記表示灯16
の付勢回路内に介装され、また第２スイッチ44cは各引
出しの電磁式アクチュエータ28の付勢回路内に上記スイ
ッチング装置42に対し直列に介装されている。また、符
号46は電源である。

上記構成の部品収納装置10において、キャビネット14の
多数の引出し20内には、夫々の電磁式アクチュエータ28
のスイッチング装置42に設定されたバーコードに対応す
るラベル部材が収納されている。引出し20は夫々手動で
第４図に上段で示されている解錠位置から下段に示され
ているように格納位置に押しこまれ、このとき電磁式ア
クチュエータ28の可動鉄心38が右動するので、ロック部
材36がブラケット34上の枢軸35の周りを同図において時
計方向に廻動してその水平脚36bの先端に形成された係
止爪36cが引出し20の底板20aの係止穴20fに係合し、引
出し20は格納位置にロックされるので、作業者はこの引
出しを開放して内部のラベル部材を取出すことができな
い。一方、この引出し20の後壁20cから後方に突設され
ているスイッチ片22が、第７図に示されているように、
近接スイッチ30のギャップ内に進入し同スイッチがONし
ているので、リレー装置44のコイル44aが付勢されてい
て、第１スイッチ44bは第８図に示されているように開
路し表示灯16は消灯している。また、上記コイル44aの
付勢により第２スイッチ44cは図示のように閉成されて
いる。

エンジン等の対象製品が送られて来てその作業指示表に
印刷され又は貼付されているバーコードをバーコード読
取器40によって読み取ることによって、当該バーコード
により指定されたラベル部材を収納した引出しのスイッ
チング装置42が閉成されるので、電磁式アクチュエータ
28が付勢され、その可動鉄心38が第４図の上段に図示さ
れているように左動する。可動鉄心38の左動によりロッ
ク部材36が枢軸35の周りを図において反時計方向に廻動
しその係止爪36cが引出し底板20aの係止穴20fから外れ
て解錠位置に変位すると共に、可動鉄心38により引出し
20が押出されてその引手20eがキャビネット14の前面か
ら僅かに突出する。上記引出し20の左動によってその後
壁20cに固着されているスイッチ片22も一緒に左動し、
近接スイッチ30のギャップ外方に変位する。この結果近
接スイッチ30がOFFし、リレー装置44のコイル44aが消勢
され、第１スイッチ44bが閉成されてその引出しの表示
灯16が点灯する。また、これと同時に第２スイッチ44c
が開路されるので電磁式アクチュエータ28が消勢され
る。

従って、作業者は表示灯16が点灯している引出し20を夫
々の引手20eを利用して引出し、収納されているラベル
部材等必要な部品を確実容易に取出すことができる。部
品を取出したのち作業者がその引出し20を再び格納位置
に右動させて押しこむと、前述したように引出し20はロ
ック部材36により再びロックされ、表示灯16が消灯す
る。万一、幾つかの部品の取出しを忘れると、その部品
を収納した引出しの表示灯16が何時までも点灯し続ける
ので、作業者はその事実を確実に認識することができ
る。

以上の結果として、作業者はバーコードによって指示さ
れた部品を適確に取り出して対象製品に装着することが
でき、また部品の装着洩れも確実に防止されることとな
る。

なお、上記実施例では、対象製品をエンジンとし、部品
をラベルとして説明したが、本考案に係る部品収納装置
は、エンジン以外の種々の製品を対象とし、またラベル
以外の任意の部品を対象として、広く利用し得ることは
自明である。また、本考案は、図示した実施例に限定さ
れるものではなく、その登録請求の範囲内で適宜変更、
修正を加え実施し得ることは、明らかである。

（考案の効果） 叙上のように、本考案に係る部品収納装置は、種々の部
品を収納する多数の引出しを並設したキャビネット、上
記引出しの夫々に配設されたロック部材、同ロック部材
に連結されその作動によって同ロック部材を解錠すると
共に上記引出しを部分的に開放する電磁式アクチュエー
タ、上記引出しの夫々に付設された表示灯、及び上記各
引出しの電磁式アクチュエータの付勢回路内に介装され
当該引出し内に収納された部品を表示するバーコード信
号を受けて閉成されるスイッチング装置を具備し、選択
された部品のバーコード信号を受けて当該部品を収納し
た引出しの電磁式アクチュエータが作動することにより
上記ロック部材が解錠されると共に表示灯が点灯される
ように構成されたことを特徴とし、部品の誤装着や装着
洩れを確実に防止することができるので、実用上有益で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る部品収納装置の一実施例を示す装
置全体の概略正面図、第２図は第１図の平面図、第３図
は第１図のキャビネット14を形成するユニットケーシン
グ12の正面図、第４図は第２図のIV-IV線に沿い矢印方
向に視た部分的拡大断面図、第５図は第４図の矢印Ｖ方
向から視た平面図、第６図は第４図の矢印VI方向から視
た正面図、第７図は単一の引出し20及び協働する電磁式
アクチュエータ28並びに近接スイッチ30の関係的配置を
示した平面図、第８図は第７図に示した単一引出し20の
電気回路図である。 10……部品収納装置、12……ユニットケーシング、14…
…キャビネット、16……表示灯、20……引出し、28……
電磁式アクチュエータ、30……近接スイッチ、36……ロ
ック部材、40……バーコード読取器

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】種々の部品を収納する多数の引出しを並設
   したキャビネット、上記引出しの夫々に配設されたロッ
   ク部材、同ロック部材に連結されその作動によって同ロ
   ック部材を解錠すると共に上記引出しを部分的に開放す
   る電磁式アクチュエータ、上記引出しの夫々に付設され
   た表示灯、及び上記各引出しの電磁式アクチュエータの
   付勢回路内に介装され当該引出し内に収納された部品を
   表示するバーコード信号を受けて閉成されるスイッチン
   グ装置を具備し、選択された部品のバーコード信号を受
   けて当該部品を収納した引出しの電磁式アクチュエータ
   が作動することにより上記ロック部材が解錠されると共
   に表示灯が点灯されるように構成されたことを特徴とす
   る部品収納装置