JPH0751964B2 - ねじプラグおよびその製造方法 - Google Patents

ねじプラグおよびその製造方法

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JPH0751964B2
JPH0751964B2 JP3212926A JP21292691A JPH0751964B2 JP H0751964 B2 JPH0751964 B2 JP H0751964B2 JP 3212926 A JP3212926 A JP 3212926A JP 21292691 A JP21292691 A JP 21292691A JP H0751964 B2 JPH0751964 B2 JP H0751964B2
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screw
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Inventor
淳一 桜田
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シミズ精工株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はねじプラグおよびその製
造方法に関するものであり、特に金属板を成形してなる
ねじプラグとその製造方法に関するものである。本発明
のねじプラグは例えば自動車部品等に使用すれば特に有
効である。
【0002】
【従来の技術】従来のねじプラグ2は図8に示すように
冷間鍛造で製造し、また締付け部として六角レンチ係合
用の六角穴4を鍛造で形成し、さらに端面等を旋削加工
されるのが通例であり、製造コストが高く、軽量化が容
易でない等の欠点があったので、その解決策として鋼板
をプレス加工により成形してねじプラグを製造する手段
が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来のプレス加工によるねじプラグは、端面の中央部が
膨らむ傾向があり、ねじ部に対する直角度が悪いので、
その対策として旋削や研削等により端面の直角度を上げ
なければならず、そのため生産コストが高くなり、実用
化が困難である等の問題点があった。また、ねじ部に対
する端面内側の直角度を必要とする場合においても同様
な問題点があった。本発明はこのような事情を背景とし
てなされたものであり、本発明の目的は軽量化を図ると
共にねじ部に対する端面の内外側の直角度を高め得るプ
レス加工で成形したねじプラグを提供しようとするもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るためになされた本発明は下記のように構成される。 A 金属板を絞り加工により成形してなる有底円筒状部
の底部中心にプレス加工による凹部を有すると共に、有
底円筒状部の外周には転造ねじ部を有し、かつ有底円筒
状部の開口端には締付用回転工具に係合し得る切欠部を
有するねじプラグ。 B 金属板を絞り加工により成形してなる有底円筒状部
の底部中心に、六角レンチもしくは六角ボックスレンチ
が嵌り得るレンチ係合部を前記底部の内側もしくは外側
に突出させかつ有底円筒状部の外周に転造ねじ部を設け
たねじプラグ。 C 金属板を成形してなるねじプラグの製造方法であっ
て、金属板にプレス加工で凹部を形成する工程と、前記
凹部を底部の中心として有底円筒状に絞り加工を行う工
程と、前記工程により形成された有底円筒状部の開口端
に締付用回転工具が係合され得る切欠溝を設ける工程
と、前記有底円筒状部の外周に転造によりねじを形成す
る工程とを含むねじプラグの製造方法。 D 金属板を成形してなるねじプラグの製造方法であっ
て、金属板に六角レンチもしくし六角ボックスレンチが
嵌り得るレンチ係合部を突出させて形成する工程と、前
記レンチ係合部を底部中心に位置させて有底円筒状に形
成する絞り加工をレンチ係合部の突出方向と同方向もし
くは逆方向に行う工程と、前記工程により形成された円
筒状部分の外周に転造によりねじを形成する工程とを含
むねじプラグの製造方法。
【0005】
【作用】 有底円筒状をしたねじプラグの底部中心に形
成される凹部は、ねじプラグ製造の際の絞り加工時にお
ける底部の強度を高めるように働く。
【0006】
【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。図1に示すようにねじプラグ10は有底円筒
状をなし、その底部中心にはプレス加工により円形の凹
部12が形成されると共に、円筒状部の外周には転造に
よりねじ部14が設けられ、さらに円筒状部の開口端に
は切欠部16が形成され、締付用回転工具が係合できる
ようにされている。なお、図示したねじプラグは直径3
0〜40mm程度のものであるが、プレス機械の能力に
応じて種々のサイズで製造することが可能である。
【0007】ねじプラグ10は例えば、次のようにして
製造される。まず図2(イ)に示すように所定厚さの鋼
板からブランク抜きを行い、次に同図(ロ)に示すよう
に第1段階の絞りを行うが同時に中心部に円形の凹部1
2を形成する。さらに同図(ハ)に示すように第2段階
の絞りを行い所定形状とし、同図(ニ)のようにトリミ
ングを行ってから、同図(ホ)のように成形し、さらに
同図(へ)のように円筒状部の開口端を切欠き切欠部を
形成する。図示は省略されているが、その後バレル処
理、円筒状部へのねじ転造、メッキ処理が行われる。な
お、第1段階の絞り加工の際、凹部12を形成するよう
にしが、絞り加工前に凹部12を形成してもよい。ねじ
プラグの底部中心に凹部12を設けたことにより、底部
の強度が増すので、絞り加工の際底部端面17が変形し
にくいことから、ねじ部14に対する底部端面17の直
角度が向上する。
【0008】図3に示すねじプラグ20は有底円筒状の
底部中心に、六角レンチが嵌り得るレンチ係合部22を
円筒状部の内側に突設させ、円筒状部の外周部に転造に
よりねじ部24を設けたものであり、例えば図4に示す
ようにして製造される。すなわち、同図(イ)に示すよ
うに所定厚さの鋼板からブランク抜きがされ、次に同図
(ロ)のように絞りによりブランクの中心部に円形断面
の凹部が形成され、さらに同図(ハ)のように凹部の内
側断面が六角形となるよう絞り加工を行なってレンチ係
合部22を形成し、ついで同図(ニ)に示すようにレン
チ係合部22が内側を向き、かつ中心に位置するよう外
径絞りを行ない、その後同図(ホ)のようにトリミング
がされ、ついで同図(ヘ)のように成形され、さらに図
示は省略されているが、外周部にねじ部24が転造さ
れ、次にメッキ処理がされる。なお六角形のレンチ係合
部22は、外径絞り前に形成したが外径絞り後に形成し
てもよい。ねじプラグ20の底部中心にレンチ係合部2
2を設けて凹部を形成し、底部の強度を強くしたので、
前記ねじプラグ10同様に、ねじ部24に対する底部端
面26の直角度が向上する。
【0009】図5に示すねじプラグ40は有底円筒状の
底部中心に、六角ボックスレンチが嵌りうるレンチ係合
部42を円筒状部の外側向きに突設させ、外周部に転造
でねじ部44を設けたものである。レンチ係合部42の
突出方向が逆であることと、レンチ係合部の外側が六角
形である点で図3の前記ねじプラグ20と異なる。ねじ
プラグ40は、例えば図6に示すように製造される。す
なわち、同図(イ)に示すように鋼板のブランク抜きを
行なった後、同図(ロ)のように円筒状部の絞りを行な
うと共に底部の外側に、断面円形の突部を設け、次に同
図(ハ)のように前記突部外面が六角形となるよう絞り
を行ない、ついで同図(ニ)のようにトリミングされ、
しかる後同図(ホ)のように成形される。図示されてい
ないが、さらに、バレル処理、円筒状部へのねじ転造、
メッキ処理等が行なわれる。ねじプラグ40の底部中心
にはレンチ係合部42が突出され底部の強度が大きくさ
れているので、前記ねじプラグ10、20の場合と同様
にねじ部44に対する底部内側端面46の直角度が向上
する。
【0010】以上のように構成された各ねじプラグは、
ねじ部に対する端面の直角度がよいので、使用時押付面
によく当接し、またコイルばねを押圧した状態で使用す
る場合にはばねの端面によく当接し、好適に使用でき
る。図7は、ねじプラグ10の使用状態の一例を示す。
50は鋼板製のナットである。前記各実施例では材料と
して鋼板を使用したが、他の金属板を使用することも可
能である。以上本発明のいくつかの実施例について説明
したが、本発明はこのような実施例に何等限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種
々なる態様で実施し得ることはもちろんである。
【0011】
【発明の効果】本発明は上述の通り構成されているの
で、次に記載する効果を奏する。ねじプラグはプレス機
械により金属板を有底円筒状に成形してつくられるが、
底部中心に凹部を設けることにより底部の強度を大きく
し、円筒状部の絞り加工時に於ける底部の変形が抑えら
れることから、円筒状部の外周部に設けられたねじ部に
対する底部端面の直角度を高めることができる。また、
本発明のねじプラグは金属板をプレス加工により成形し
てつくられるので、鍛造により製造する場合に比し、軽
量化を図ると共に生産能率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(イ)、(ロ)は本発明の一実施例を示す正面
図と断面図である。
【図2】同実施例の製造工程を示す説明図である。
【図3】(イ)、(ロ)は本発明の他の実施例を示す正
面図と断面図である。
【図4】同実施例の製造工程を示す説明図である。
【図5】(イ)、(ロ)は本発明のさらに他の実施例を
示す正面図と一部破断側面図である。
【図6】同実施例の製造工程を示す説明図である。
【図7】(イ)、(ロ)は前記実施例の使用状態の一例
を示す説明図である。
【図8】(イ)、(ロ)は従来例のねじプラグを示す断
面図と正面図である。
【符号の説明】
10 ねじプラグ 12 凹部 14 ねじ部 16 切欠部 20 ねじプラグ 22 レンチ係合部 24 ねじ部 40 ねじプラグ 42 レンチ係合部 44 ねじ部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属板を絞り加工により成形してなる有
    底円筒状部の底部中心にプレス加工による凹部を有する
    と共に、有底円筒状部の外周には転造ねじ部を有し、か
    つ有底円筒状部の開口端には締付用回転工具に係合し得
    る切欠部を有するねじプラグ。
  2. 【請求項2】 金属板を絞り加工により成形してなる有
    底円筒状部の底部中心に、六角レンチもしくは六角ボッ
    クスレンチが嵌り得るレンチ係合部を前記底部の内側も
    しくは外側に突出させ、かつ有底円筒状部の外周に転造
    ねじ部を設けたねじプラグ。
  3. 【請求項3】 金属板を成形してなるねじプラグの製造
    方法であって、金属板にプレス加工で凹部を形成する工
    程と、前記凹部を底部の中心として有底円筒状に絞り加
    工を行う工程と、前記工程により形成された有底円筒状
    部の開口端に締付用回転工具が係合され得る切欠溝を設
    ける工程と、前記有底円筒状部の外周に転造によりねじ
    を形成する工程とを含むねじプラグの製造方法。
  4. 【請求項4】 金属板を成形してなるねじプラグの製造
    方法であって、金属板に六角レンチもしくは六角ボック
    スレンチが嵌り得るレンチ係合部を突出させて形成する
    工程と、前記レンチ係合部を底部中心に位置させて有底
    円筒状に形成する絞り加工をレンチ係合部の突出方向と
    同方向もしくは逆方向に行う工程と、前記工程により形
    成された円筒状部の外周に転造によりねじを形成する工
    程とを含むねじプラグの製造方法。
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