JPH0751893Y2 - 釣糸ガイド - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は釣糸ガイド、詳しくは、釣竿に取付けるガイド
本体に、釣糸を案内するガイド孔をもつ導糸環を取付け
て成る釣糸ガイドに関する。

（従来の技術） 一般に、此種釣糸ガイドにおける導糸環は、そのガイド
孔側の内面を断面半円形に形成して、釣糸との接触抵抗
を小さくできるようにしており、又、この導糸環は、釣
糸との接触による摩耗を防ぐため、耐摩耗性に優れたセ
ラミックスを割型により成形している。

（考案が解決しようとする課題） しかして、従来の釣糸ガイドにおける導糸環のガイド孔
側の内面は、断面半円形になっいるため、前記導糸環
は、第４図の如く前記ガイド孔の中心線方向半分ずつを
成形するための成形突部（Ｂ）（Ｂ）をもった二つの割
型（Ｃ）（Ｃ）を使用するのであるが、それぞれ成形突
部をもった割型で成形すると、前記ガイド孔側の内面の
中心線方向真中に環状の合せ突起（Ｅ）ができることに
なる。所が、この合せ突起（Ｅ）があると、釣糸の緊張
時、該釣糸のガイド孔側内面との接触抵抗が大きくなる
ため、従来は切削して除去しているのであるが、この合
せ突起の除去作業が煩雑で、コスト高となる問題があっ
た。

本考案は以上の如き従来の問題点に鑑み考案したもの
で、目的は、釣糸の緊張時、該釣糸を抵抗少なく円滑に
案内することができながら、導糸環をガイド孔側の内面
に合せ突起ができないように成形することができるよう
にするものである。

（課題を解決するための手段） しかして、本考案は、釣竿の長さ方向に沿って延びる取
付面（11a）をもったガイド本体（１）に保持孔（13）
を設けて、この保持孔（13）に、釣糸を案内するガイド
孔（21）をもつ導糸環（２）を取付けて成る釣糸ガイド
であって、前記ガイド本体（１）における保持孔（13）
の中心線を、前記釣竿の長さ方向に延びる中心線に対
し、前後方向に傾斜させると共に、前記導糸環（２）に
おけるガイド孔（21）側の内面を断面四半円状として、
前記導糸環（２）を、該導糸環（２）の弧状内面が、前
記保持孔（13）の中心線の傾斜方向外方に向かうよう
に、前記保持孔（13）に取付けているものである。

（作用） 導糸環（２）におけるガイド孔（21）側の内面は、断面
四半円状になっているため、前記導糸環（２）を割型で
成形する場合、両方の割型に、前記ガイド孔成形用の成
形突部を設けなくとも、一方の割型に前記成形突部を設
けることにより前記導糸環（２）を、ガイド孔（21）側
の内面に合せ突起ができないように成形できるのであ
り、又、ガイド本体（１）における保持孔（13）の中心
線が、釣竿の長さ方向に延びる中心線に対し前後方向に
傾斜していると共に、導糸環（２）の弧状内面が、前記
保持孔（13）の中心線の傾斜方向外方に向かうように前
記導糸環（２）を保持孔（13）に取付けているため、釣
糸の緊張時、該釣糸を抵抗なく円滑に案内できるのであ
る。

（実施例） 図において、（１）は釣竿（Ａ）の長さ方向に沿って延
びる取付面（11a）をもった取付片（11）と、この取付
片（11）の取付面（11a）と反対方向に向かつて起立す
る立上片（12）とから成るガイド本体であって、このガ
イド本体（１）の立上片（12）に保持孔（13）を設けて
いる。又、（２）は釣糸を前記釣竿（Ａ）の長さ方向に
沿って案内するガイド孔（21）をもち、前記保持孔（1
3）に取付ける導糸環である。

しかして、第１図に示した実施例では、前記ガイド本体
（１）における保持孔（13）の中心線（Ｘ）を、前記釣
竿（Ａ）の長さ方向に延びる中心線（Ｙ）に対し前後方
向に傾斜させると共に、前記導糸環（２）におけるガイ
ド孔（21）側の内面を、円を略４分割した断面四半円状
として前記導糸環（２）を、該導糸環（２）の弧状内面
が前記保持孔（13）の中心線の傾斜方向外方に向かうよ
うに前記保持孔（13）に取付けたのである。

以上の如く前記ガイド孔（21）側の内面を断面四半円状
に形成することにより、二つの割型で導糸環（２）を成
形する場合、第２図の如くガイド孔成形用の成形突部
（Ｂ）を一方の割型（Ｃ）にのみ設けて成形することが
できるので、前記ガイド孔（21）側の内面に、従来の如
く合せ突起ができないのである。従って、この合せ突起
を除去する作業を省略でき、それだけコストを低減でき
るのである。

しかも、前記導糸環（２）の弧状内面は、前記保持孔
（13）の中心線の傾斜方向外方に向っているため、前記
ガイド孔（21）における釣竿側孔縁を、釣竿の長さ方向
に沿って第１図の如く案内する釣糸の緊張状態での移動
軌跡に対し釣竿側に配置させることができるのであり、
従って、前記釣糸が緊張状態で穂先側に引出されたり、
或いは緊張状態で釣用リールに巻取られたりする場合、
この釣糸を、前記ガイド孔（21）における釣竿側の弧状
内面に接触させることができるのである。この結果、釣
糸の緊張時、該釣糸を、ガイド孔（21）の孔縁に接触さ
せることなく円滑に案内できるのである。尚、前記釣糸
が緊張状になっていない場合、この釣糸は、前記ガイド
孔（21）における反釣竿側孔縁と接触することもある
が、釣糸が緊張状になっていないのであるから、釣糸の
前記孔縁との接触抵抗は小さいのであり、抵抗少なく案
内できるのである。

尚、第１図に示した実施例では、前記ガイド本体（１）
を、取付面（11a）をもった１対の取付片（11）（11）
と、これら取付片の取付面と反対方向に向って起立し、
保持孔（13）をもった１対の前側及び後側立上片（12）
（12）とにより形成して、これら立上片（12）（12）の
うち、前側立上片を前記中心線（Ｙ）に対し前後方向後
方に傾斜させて、この前側立上片に設けた保持孔（13）
を、前記中心線（Ｙ）に対し前後方向前方に傾斜させ、
又、後側立上片を前記中心線（Ｙ）に対し前後方向前方
に傾斜させて、この後側立上片に設けた保持孔（13）
を、前記中心線（Ｙ）に対し前後方向後方に傾斜させ、
これら保持孔（13）（13）に、前記導糸環（２）を取付
けていたが、この導糸環（２）は第３図の如く１個であ
ってもよい。この場合、前記ガイド本体（１）を、取付
面（11a）をもった取付片（11）と保持孔（13）をもっ
た立上片（12）とにより大略Ｌ字形に形成し、前記立上
片（12）を前記中心線（Ｙ）に対し前後方向に傾斜させ
ると共に、この立上片（12）の先端に、略Ｖ字形の脚片
（14）を連設し、この脚片（14）の先端に、前記釣糸の
長さ方向に沿って延びる取付面（15a）をもった取付片
（15）を設けるのが好ましい。

又、前記ガイド本体（１）は、金属板を折曲げて形成す
るのであるが、このガイド本体（１）の材料及び形状は
特に制限されるものでない。

又、前記導糸環（２）は、セラミックスで形成するので
あるが、その材料は特に制限されるものでない。

（考案の効果） 以上の如く本考案は、釣竿の長さ方向に沿って延びる取
付面（11a）をもったガイド本体（１）に保持孔（13）
を設けて、この保持孔（13）に、釣糸を案内するガイド
孔（21）をもつ導糸環（２）を取付けて成る釣糸ガイド
であって、前記ガイド本体（１）における保持孔（13）
の中心線を、前記釣竿の長さ方向に延びる中心線に対し
前後方向に傾斜させると共に、前記導糸環（２）におけ
るガイド孔（21）の内面を四半円状として、前記導糸環
（２）を、前記ガイド孔（21）の弧状内面が、前記保持
孔（13）の傾斜方向外方に向かうように、前記保持孔
（13）に取付けているから、釣糸を前記ガイド孔（21）
の孔縁に接触させることなく、接触抵抗少なく円滑に案
内することができながら、しかも、前記導糸環（２）
を、前記ガイド孔（21）の内面に合せ突起ができないよ
うに割型で成形することができるので、合せ突起の除去
作業が必要でなく、それだけ導糸環（２）ひいてはガイ
ド全体のコストを低減でき、安価な釣糸ガイドを形成で
きるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案ガイドの一実施例を示す断面図、第２図
は導糸環のみを成形する場合の説明図、第３図は別の実
施例を示す斜視図、第４図は従来におけるガイドの導糸
環を成形する場合の説明図である。 （１）……ガイド本体 （11a）……取付面 （13）……保持孔 （２）……導糸環 （21）……ガイド孔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】釣竿の長さ方向に沿って延びる取付面（11
   a）をもったガイド本体（１）に保持孔（13）を設け
   て、この保持孔（13）に、釣糸を案内するガイド孔（2
   1）をもつ導糸環（２）を取付けて成る釣糸ガイドであ
   って、前記ガイド本体（１）における保持孔（13）の中
   心線を、前記釣竿の長さ方向に延びる中心線に対し、前
   後方向に傾斜させると共に、前記導糸環（２）における
   ガイド孔（21）側の内面を断面四半円状として、前記導
   糸環（２）を、該導糸環（２）の弧状内面が、前記保持
   孔（13）の中心線の傾斜方向外方に向かうように、前記
   保持孔（13）に取付けていることを特徴とする釣糸ガイ
   ド。