JPH0751880B2 - シールド式トンネル工法における掘進用添加材およびシールド掘削方法 - Google Patents

シールド式トンネル工法における掘進用添加材およびシールド掘削方法

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JPH0751880B2
JPH0751880B2 JP1266796A JP26679689A JPH0751880B2 JP H0751880 B2 JPH0751880 B2 JP H0751880B2 JP 1266796 A JP1266796 A JP 1266796A JP 26679689 A JP26679689 A JP 26679689A JP H0751880 B2 JPH0751880 B2 JP H0751880B2
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重義 三浦
浩 田中
順次 川西
徳重 小倉
一男 笹岡
裕之 原田
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株式会社鴻池組
日澱化学株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、シールド式トンネル工法における掘進用添加
材およびシールド掘削方法、さらに詳しくは、特に、砂
質あるいは砂礫地盤であって、しかも、湧水が多く切羽
が崩壊しやすい場合における泥土圧シールド工法におい
て使用する新規な掘進用添加材、およびそれを用いたシ
ールド掘削方法に関する。
(従来の技術および発明が解決しようとする課題) シールド式トンネル工法、なかでも、泥土圧シールド工
法においては、切羽面またはスリット開口部に、粘土鉱
物を主体とした掘進用添加材を送り出して、切羽におけ
る土圧に対抗して崩壊を防止しながら、掘削し、さらに
掘削土砂の搬出が容易な程度に流動性を与えて掘進する
方法が採られている。
従来の泥土圧シールド工法に用いられる一般的な掘進用
添加材は、水、粘土、ベントナイト、カルボキシメチル
セルロースナトリウム(CMC)等を混合した泥漿であ
り、掘削土砂に添加混合し、掘削時には切羽の崩壊を防
止し、また、掘削土砂の搬出に際しては粘性と流動性を
付与して搬出を容易にするものである。
しかし、このような従来の工法には、つぎのような問題
点がある。
(a)排出される土砂は軟弱性泥土となり、このままで
はダンプカーで工事現場外へ搬出することが出来ない。
(b)そこで工事現場内でセメント系および石灰系の泥
土改良剤を用いて改良する必要がある。この改良には多
大な費用を要するだけでなく、搬出が容易な程度にまで
固形化が進行して軟弱性が改良されるには、一昼夜ほど
の仮置時間をとるための広い場所を必要とするが、市街
地内の工事で広い設備用地を確保することが困難であ
る。
(c)地山中に地下水が多く、地下水圧が高い場合は、
排土用スクリューコンベアの排土口から掘削土砂が圧力
水と共に噴発し、シールド切羽周辺の地山を大きく乱
し、地表面沈下や陥没事故等を生じる要因となる。
最近、土木工事で発生する掘削土砂の処理方法技術が提
案されている(特開昭63−44097号)。
この技術は天然水溶性高分子物質およびその半合成水溶
性高分子物質または凝集性を有する合成水溶性高分子物
質から選ばれた1種または2種以上の高分子物質を、掘
削の際に生ずる掘削土砂に添加混合し、掘削土砂全体を
凝集状態に保ち、その後、この凝集状態にある掘削土
に、周期率表IIa族の水酸化物または水溶性塩類やIIIb
族、IVa族の水溶性塩類を添加すると、これらの水酸化
物または金属イオンが掘削土砂や高分子物質とイオン反
応を起し、掘削土砂全体を完全に凝集固化するというも
のである。
つまり、この技術は最初から高分子の水溶性、増粘性、
保水性、凝集性等を利用し掘削土砂を凝集状態にし、更
に添加する2価以上の水酸化物または陽イオンと反応さ
せ掘削土砂を完全に凝集固化させるというものである。
しかしながら、シールド式トンネル工法では、掘削土に
最初から増粘、保水、凝集作用を与えると、作業性の低
下が著しくなり、むしろ、最初はこのような作用を抑制
する必要があり、かかる技術は採用しがたい。一方、掘
削土砂の搬出に際しては急速に非流動化させる必要があ
るが、従来、最初は掘削土砂の増粘、保水、凝集を抑制
し、かつ、搬出に際しては掘削土砂を急速に非流動化さ
せることのできる技術は見当たらない。
(課題を解決するための手段) 本発明はシールドトンネル工法、特に、泥土圧シールド
工法において、掘削土砂の流動性や掘削時の止水性の改
善に非常に効果のある新規な掘進用添加材およびそれを
用いるシールド掘削方法を提供するものである。
本発明の掘進用添加材の1つの態様は、水溶性高分子物
質および硼素化合物からなる掘削助剤を含有するpH7以
上の泥漿である。また、第2の態様は、水溶性高分子物
質およびアルデヒド基含有化合物からなる掘削助剤を含
有するpH7以下の泥漿である。本発明のシールド掘削方
法は、シールド機の隔壁前方に、これら第1または第2
の態様の掘進用添加材を送り出して、掘削土砂と混合撹
拌しながら切羽面を掘削することにより切羽地盤の掘削
時にロータリカッタが受ける掘削抵抗の低減および/ま
たは土砂に対する流動性を付与し、ついで、掘削土砂を
隔壁後方へ搬出する途中において、アルカリ性または酸
性を呈する掘削土砂に酸性剤またはアルカリ性剤を添加
混合してpHを調整し、流動性の掘削土砂を急速に非流動
化せしめて切羽の崩壊を防止しながら掘削することを特
徴とする。
さらに詳しくは、本発明の1つの態様の工法は、泥土圧
シールド工法において、切羽の掘削土砂に掘進用添加材
を添加し、ついで、排土用スクリューコンベア内に酸性
物質を混合物のpHが7以下、好ましくは4〜6.5に調整
されるよう添加混合することを特徴とするシールド掘削
方法であり、そのとき用いる掘進用添加材は、水溶性高
分子および硼素化合物からなる助剤を混合、分散させた
泥漿で、これに水溶性アルカリを加えてpH7以上、好ま
しくは7.5〜10.5になるように調整した組成物である。
他の態様の工法は、泥土圧シールド工法において、切羽
の掘削土砂に掘進用添加材を添加し、次いで排土用スク
リューコンベア内にアルカリ性物質を混合物のpHが7以
上、好ましくは7.5〜9.5になるように添加混合すること
を特徴とするシールド掘削方法であり、そのとき用いる
掘進用添加材は、水溶性高分子およびアルデヒド基含有
化合物からなる助剤を混合、分散させた泥漿で、これに
水溶性の酸を加えてpH7以下、好ましくは4.5〜6.5にな
るように調整した組成物である。
本発明の掘進用添加材に用いる掘削助剤の水溶性高分子
物質としては、澱粉、アルギン酸塩、ペクチン、グアー
ガム、タラガム、ローカストビーンガム、タマリンド、
サイリュームガム、アラビアガム、トラガントガム、カ
ラヤガム、ガッティーガム、カラギーナン、キサンタン
ガム、デキストラン、セルロースまたはプルラン等の多
糖類、および前記多糖類にカチオン化、カルボキシメチ
ル化、ヒドロキシエチル化、ヒドロキシプロピル化、シ
アノエチル化、リン酸エステル化、酢酸エステル化、架
橋化、カチオン性ポリマーのグラフト化またはアルファ
ー化処理を単独または2種以上組合せて処理した変性多
糖類、ポリビニルアルコール(部分ケン化物が好まし
い)、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、ポ
リエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、スルホ
ン化スチレン等親水基を導入したオレフィン系ポリマー
等合成水溶性ポリマーが挙げられる。
水溶性高分子物質の中で特に好ましいものは変性多糖類
で、置換度0.01〜3.0でかつ、30℃、1%の水溶液のブ
ルックフィールド粘度が1000センチポイズ以上であるヒ
ドロキシプロピルエーテルおよび/またはカチオンエー
テルのグアーガム、あるいは、置換度0.01〜0.5の4級
アンモニウム変性カチオンエーテル化した澱粉またはグ
アーガムを幹ポリマーとし、4級アンモニウム変性した
カチオン性置換基をグラフト側鎖に有し、該グラフト側
鎖の窒素含有量が幹ポリマー100重量部に対して0.01〜
3.0重量部よりなり、30℃、1%の水溶液のブルックフ
ィールド粘度が1000センチポイズ以上である変性された
澱粉またはグアーガムである。
硼素化合物としては、硼酸、硼酸ナトリウム、硼酸カリ
ウム、硼酸アンモニウム、硼酸トリエタノールアミン、
無水硼酸ナトリウム、メタ硼酸ナトリウム、過硼酸ナト
リウム、硼酸トリメチル、硼酸トリエチル、硼酸トリイ
ソプロピル、硼酸トリメチレン等が挙げられる。
掘削助剤における硼素原子イオンの含有量は、水溶性高
分子物質が多糖類または変性多糖類の場合、アンヒドロ
糖単位当り0.01ミリモル〜0.5モルであり、合成水溶性
ポリマーの場合、単位モノマー当り0.1ミリモル〜0.5モ
ルである。
アルデヒド基含有化合物としては、ホルムアルデヒド、
C2〜C6の低級脂肪族アルデヒド、好ましくはグリオキザ
ールが挙げられる。
掘削助剤におけるアルデヒド基含有化合物の含有量は、
水溶性高分子物質が多糖類または変性多糖類の場合、ア
ンヒドロ糖単位当り0.1ミリモル〜0.2モルであり、合成
水溶性ポリマーの場合、単位モノマー当り0.1ミリモル
〜0.2モルである。
本発明の掘進用添加材には、沈降微細シリカ、水和シリ
カゲル、脱水シリカゲル、天然または合成のアルミナ水
和物、天然または合成のゼオライト、フライアッシュ、
ケイ酸ナトリウム、硫酸アルミニウム、アルミン酸ナト
リウム、焼石膏または2水石膏等の無機物を混合するこ
とができる。
さらに、脂肪酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、ア
ルキルベンゼンスルホン酸およびアルキルナフタレンス
ルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、
ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルホスフェート
塩、ポリオキシエチレンサルフェート塩、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテルおよびポリオキシエチレンアル
キルフェノールエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレンアシルエステル、オキシエチレンオキシプ
ロピレンブロックポリマー、脂肪酸モノグリセライド、
アルキルアミン塩および第4級アンモニウム塩から選ば
れる1種以上の界面活性剤を混合することができる。
本発明でpH調整に用いる酸性物質は、一般的には、硫
酸、塩酸、硝酸、炭酸、酢酸、リン酸およびこれらの酸
性塩類など、特に限定するものではなく、水素よりも電
気的に陽性の金属と作用して塩をつくると性質を示すも
の、水溶液では、水素イオン濃度がpH<7と定義される
ものを含む。
アルカリ性物質は、一般的には、炭酸ナトリウム、水酸
化ナイリウム、石灰、アンモニアなど、特に限定するも
のではなく、アルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化
物が用いられ、水溶液では水素イオン濃度がpH>7と定
義されるものを含む。
本発明の掘進用添加材は常法に従い、所望の成分を混
合、分散させることにより製造できる。
掘削助剤の掘進用添加材中に含まれる含有量は掘進用添
加材1m3当たりに0.1〜50kgであり、好ましくは1〜10k
gである。掘進用添加材の土砂に対する添加量は、土砂
1m3当たり100kgないし600kgである。この添加量は一義
的に決めることはできず、土砂の水分含量により変動す
る。すなわち、土砂に含まれる水分が多ければ多いほ
ど、その土砂は、より一層軟弱で流動性をもったものと
なるが、この含水量の多寡の程度以外に土砂の粒度頒布
によっても、軟弱で流動性を示す程度は大きく異なって
くる。それは、土砂の粒度が粗大になればなる程、同じ
含水量であっても、しだいに流動性が強く現われてくる
からである。
本発明の掘削方法は、シールド機の隔壁前方に適宜の方
法で本発明の掘進用添加材を送り出し、掘削土砂と混
合、撹拌しながら切羽面を掘削することにより実施でき
る。
(作用) 本発明の掘進用添加材はシールド式トンネル工法、なか
でも、泥土圧シールド工法において、従来から使用され
ている掘進用添加材には具備していなかった、つぎのよ
うな特徴ある作用効果を発揮する。
一般に、掘進用添加材は、水溶性高分子物を主体とする
ものであるから従来のごとく、これをそのまま、水と粘
土鉱物から成る濃厚な泥水、または必要があればこれに
少量のCMCをその泥水の増粘安定化のために添加した泥
水に加えた場合には、水溶性高分子が泥水中の水分に溶
解して、著しく粘度の高い泥漿となり、以後の掘削作業
にとって好ましくない逆効果を招く結果となる。そこ
で、この掘進用添加材中の水溶性高分子が本来有してい
る増粘作用を大幅に減殺させて泥漿に加える必要があ
り、この目的のために、本発明においては水溶性高分子
に硼素化合物を加え、さらに該添加材のpHを7以上、好
ましくは7.5〜9.5のアルカリ性の範囲に調節して、高濃
度であるにもかかわらず、流動性の良好なものとし、こ
のような掘進用添加材とすることによって、地山を掘削
し、土砂を流動性のあるものとしてスクリューコンベア
への取り込みを容易にすることができる。また、スクリ
ューコンベア内において酸性物質を加えてpHを7以下、
好ましくは4.5〜6.5とすれば、それまで水溶性高分子の
膨潤溶解を抑制していた作用が解消され、急速に水溶性
高分子の溶解が起り、これによって土砂粒子の凝集化が
生じ、さらに硼素化合物が水溶性高分子間の架橋三次元
構造を形成させるための架橋剤として作用するために、
弱いゲル化構造をとる。これによって、それまで流動性
を呈していた掘削土砂は急速に表流動化し、見掛上固形
化物となる。このような固形状土砂となれば、スクリュ
ーコンベアの排出口近くでは、いわゆる止水栓個処が形
成されるので、地山が高水圧の砂礫地盤掘時にしばしば
遭遇するスクリューコンベア排出口からの土砂の噴発を
防止することが出来、したがって、安全円滑に掘削する
ことが可能になる。
一方、掘進用添加材が、水溶性高分子物とアルデヒド基
含有化合物からなる場合には、掘削時使用する該添加材
のpHは7以下、好ましくは4.5〜6.5の範囲に調節し、つ
いで掘削土砂をスクリューコンベアに取り入れた後は、
アルカリ性物質を加えてpHを7以上好ましくは7.5〜9.5
にすることによって、水溶性高分子を溶解させ、これに
よって土砂粒子の凝集を起させ、さらにアルデヒド基含
有化合物が高分子間の架橋剤として作用し、弱いゲル構
造が形成されるので、掘削土砂は急速に非流動化し、固
形化物となって、前記したと同様に土砂の噴発を防止
し、掘進作業を安全円滑に行うに当って顕著な効果を発
揮させることができる。
(実施例) つぎに、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明す
る。
まず、添付の第1図に示すシステム図を用い、本発明掘
削方法の一具体例を説明する。
第1図中、20はシールド発進竪坑であり、3はシールド
機本体、5はそのロータリカッタであり、21はカッタ前
面の切羽である。本発明の掘進用添加材は、地上の掘進
用添加材調製プラント1およびミキサー1bで、水、粘土
鉱物および必要に応じて増粘安定剤としてカルボキシメ
チルセルロースナトリウム塩(CMC)をもって作製した
泥漿に掘削助剤を添加混合して調製される。必要があれ
ば、第1の態様の掘進用添加材の場合にはアルカリ剤を
添加してpHを7.5〜9.5に調整し、また、第2の態様の掘
進用添加材の場合には、要すれば酸を添加してpHを4.5
〜6.5の範囲内に調整する。ついで、ポンプ2で輸送管1
1を通して、ロータリーカッタ5のスリット開口部12か
ら、シールド機3の前面の切羽21に該添加材を送り出
す。掘進用添加材は、切羽21の土圧がシールド機前面に
作用するのに対抗して切羽の崩壊を防ぎながら掘削を進
めるに当って必要なものであり、さらにロータリーカッ
タ5によって掘削された土砂は、該添加材と共にロータ
リーカッタ5の背面のミキシングチャンバー4内に取り
込まれる。ミキシングチャンバー4は隔壁19によって、
シールド機3における隔壁19の後方の作業室と隔離され
ており、ミキシングチャンバー内において、加圧された
ままの状態で、掘削土砂と掘進用添加材が混合され、土
砂は流動性を与えられて、スクリューコンベア6の前半
部9の入口からスクリューコンベア6内に取り込まれ
る。スクリューコンベア6によって掘削土砂がミキシン
グチャンバー4内から隔壁19の後方へ搬出されるために
は、流動性のある土砂であることが必要な性質として要
求される。このような流動性を土砂に付与するために掘
進用添加材が必要であり、特に砂礫地盤を掘削する場合
には掘進用添加材が掘削性に果たす役割は極めて大き
い。スクリューコンベア6への取り込みが容易なために
も、土砂は流動性が必要で、したがって、本発明におけ
る掘進用添加材は、そのpHを適切な範囲内に調節するこ
とによって、水溶性高分子のもつ本来の著るしい増粘作
用を現わさないように、水溶性高分子の溶解膨潤を極度
に抑制した状態を保持させている。つぎにスクリューコ
ンベア6に取り込まれた土砂には、その前半部9の適当
な部分において、酸性物質またはアルカリ性物質貯留タ
ンク14からポンプ7を用い、輸送管15を通してスクリュ
ーコンベア6への入口8から、酸性物質またはアルカリ
性物質が掘削土砂と掘進用添加材との混合物中へ送り込
まれ、スクリューによって混合撹拌されながら、次第に
後半部10へスクリューの作用によって送り出されて行
く。この間に土砂のpHが変化し、すなわち、硼素化合物
を含む掘進用添加材を添加した掘削土砂ではpHが4.5〜
6.5になると、水溶性高分子の膨潤が急速に起って、極
めて短時間で土砂は非流動性となり、またアルデヒド基
含有化合物を含む掘進用添加材を添加した掘削土砂では
pHが7.5〜9.5になると、同様に水溶性高分子の膨潤によ
り土砂は非流動性となる。非流動性になった土砂はスク
リューによる搬送性が著るしく悪くなるので、後半部10
では次第にスクリューコンベア6内の土砂の後方への移
動性が遅くなり、遂にはコンベア6の最終部13に土砂に
よるコンベア6の閉塞部が形成されるようになる。この
ような閉塞部が形成されると、それより前方の部分、す
なわち10、9およびミキシングチャンバー4はそのため
に加圧された状態が保持され、したがって切羽21にも土
圧対抗圧が維持され、切羽の崩壊を防止することができ
るとともに、切羽21が土圧の大きな滞水砂礫地盤の場合
にも、スクリューコンベア6の後部17から掘削土砂が噴
発することなく、安全円滑に掘進することが出来る。16
は掘削土砂を後方へ搬送するベルトコンベアであり、18
は、ずりトロである。
この掘削方法により細砂まじりのシルト質地盤をシール
ド工法で掘削した。発生掘削土砂は、0.2〜0.074mmの細
砂を含んだシルトであった。
掘削条件と結果は、次の通りであった。
1)掘進用添加材配合 掘進用添加材の配合を表−1に示す。
掘削土砂への添加量は、掘削土砂に対して、25wt%とし
た。つまり、助剤が、改良掘削土砂に対しての添加量
(1m3当りの添加量)が表−2の通りとなる様にした。
2)酸性物質、あるいはアルカリ性物質の添加 酸性物質、あるいはアルカリ性物質の添加は、該混合物
のpHが、各々、7以下、好ましくは、4.5〜6.5、あるい
は7以上、好ましくは7.5〜9.5になるように添加混合し
た。
3)結果 硼素化合物含有の掘進用添加材に関する結果を表−3
に、また、アルデヒド基含有の掘進用添加材に関する結
果を表−4に示す。なお、比較のために、掘削助剤とし
て表−5のものを調製し、本発明のシールド掘削方法に
使用したところ、全て、ただちに、増粘・ゲル化を起こ
し、本発明の掘削方法には使用不可であった。
前記表の結果において、スランプ評価は、JIS−A−110
1におけるコンクリートのスランプ試験方法に従って、
コンクリートの代わりに改良処理の終わった土砂を用い
て測定した。測定は、掘進用添加材を添加混合し、さら
にpHを表−3および4に示す値に調整し、10分間経過し
た後、直ちに、スランプコーンに改良処理後の土砂を、
詰め始めてから詰め終わるまでの時間を3分以内となる
ようにして詰め、詰め終わって直ちに、スランプコーン
を静かに鉛直に引き上げて、改良処理土砂の中央部にお
けるさがりを測り、これをスランプとし、スランプの測
定結果でもって改良効果の優劣を比較した。また、ダン
プトラックなどに積載して走行したとき、走行の途中で
振動によって、流動化するかどうか、あるいは、ベルト
コンベアーで搬送中に流動化するかどうかの判定をスラ
ンプから一義的に決定するのは、土砂の粒度分布が異な
れば、大幅に変動することから極めて難しいものではあ
るが、多くの実際の工事における多数の土砂を取り扱っ
てきた経験からすれば、一応の目安としては、スランプ
が7cm以上の大きな値を示すものは、流動化しやすい軟
弱と土砂であるとみなすことができる。
従って、保型性の判定は、スランプが7cm以下のものを
保型性良好とみなすことができ、以下の規準で行った。
◎…優良、○…良好、△…可、×…不適。
(発明の効果) (1)本発明の掘削助剤中の水溶性高分子は粘性付与効
果がありCMCの使用量を減らすことができ経済的効果を
奏する。
(2)掘削助剤中の硼素化合物またはアルデヒド基含有
化合物と酸性物質またはアルカリ性物質は掘削土砂と共
に混合されると、掘削土砂を凝集、脱水し、さらに水溶
性高分子間の架橋三次構造を形成させる効果を生じ、ス
クリューコンベア後部で掘削土が非流動体となる。そう
すると、そのスクリューコンベア後部に充填された掘削
土砂が、地山の土圧に対する止水プラグ機能を果し、シ
ールド切羽周辺の地山の乱れの低減、地表面沈下の低減
という効果を奏する。
(3)排土はダチンプカーでそのまま搬出できるよう凝
集、脱水されているので、掘削土砂の改良設備、その用
地および改良剤を必要としない。そのため狭い工事用地
で経済的な施工が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図はシステム図で、泥土圧シールドの掘進用添加材
調製プラントとその配管、シールド機の一実施例を示
す。 1……掘進用添加材調製プラント(粘土、水、CMC、掘
削助剤の貯留、計量、混合ミキサーへの投入設備) 1b……掘削助剤混合ミキサー 2……掘削助剤組成物加圧注入ポンプ 3……シールド掘削機 4……ミキシングチャンバー 5……回転カッター 6……排土用スクリューコンベア 7……酸性物質またはアルカリ性物質の添加ポンプ 8……酸性物質またはアルカリ性物質の添加孔 9……スクリューコンベア前半部 10……スクリューコンベア後半部 11……掘進用添加材輸送管 12……掘進用添加材吐出口 13……スクリューコンベアの止水プラグ形成部 14……酸性物質またはアルカリ性物質貯留タンク 15……酸性物質またはアルカリ性物質輸送管 16……排土用ベルトコンベア 17……排土用スクリューコンベア排土口 18……排土運搬用ずりトロ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小倉 徳重 兵庫県西宮市塩瀬町青葉台328 (72)発明者 笹岡 一男 兵庫県三田市あかしあ台1―2―2 (72)発明者 原田 裕之 兵庫県明石市大蔵谷字東山西山3781―26 朝霧マンションB―402 (56)参考文献 特開 昭61−216994(JP,A) 特開 平2−289792(JP,A) 特公 昭54−39934(JP,B2)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水溶性高分子物質および硼素化合物からな
    る掘削助剤を泥漿中に混合、分散させたpH7以上のシー
    ルド式トンネル工法における掘進用添加材。
  2. 【請求項2】水溶性高分子物質およびアルデヒド基含有
    化合物からなる掘削助剤を泥漿中に混合、分散させたpH
    7以下のシールド式トンネル工法における掘進用添加
    材。
  3. 【請求項3】シールド式トンネル工法において、シール
    ド機の隔壁前方に、水溶性高分子物質および硼素化合物
    からなる掘削助剤を泥漿中に混合、分散させたpH7以上
    の掘進用添加材を送り出して、掘削土砂と混合撹拌しな
    がら切羽面を掘削し、ついで、掘削土砂を隔壁後方へ搬
    出する途中において、酸性剤を添加混合してpHを調整
    し、流動性の掘削土砂を急速に非流動化せしめることを
    特徴とするシールド掘削方法。
  4. 【請求項4】シールド式トンネル工法において、シール
    ド機の隔壁前方に、水溶性高分子物質およびアルデヒド
    基含有化合物からなる掘削助剤を泥漿中に混合、分散さ
    せたpH7以下の掘進用添加材を送り出して、掘削土砂と
    混合撹拌しながら切羽面を掘削し、ついで、掘削土砂を
    隔壁後方へ搬出する途中において、アルカリ剤を添加混
    合してpHを調整し、流動性の掘削土砂を急速に非流動化
    せしめることを特徴とするシールド掘削方法。
  5. 【請求項5】水溶性高分子物質および硼素化合物からな
    ることを特徴とする掘削助剤。
  6. 【請求項6】水溶性高分子物質およびアルデヒド基含有
    化合物からなることを特徴とする掘削助剤。
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