JPH0751710Y2 - 遮断器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は遮断器、例えば遮断器筐体の前面よりハンド
ル操作して投入バネをチャージしのち、指令を与えるこ
とにより通電部を上記蓄勢力で閉成させ、さらに開放さ
せる気中遮断器に関するものでる。

〔従来の技術〕

従来のこの種の遮断器を、特願平1-341441号（特開平3-
201334号公報）により提案されている遮断器について説
明する。第３図は投入バネが放勢したトリップ状態を示
す側面断面図、第４図はチャージが完了したオフ状態を
示す側面断面図、第５図はオン状態を示す側面断面図、
第６図は第３図の要部のみを示す説明図、第７図は第４
図の要部のみを示す説明図、第８図は第５図の要部のみ
を示す説明図、第９図はカムシャフトの側面図、第10図
はメインシャフトの側面図である。

図において、（１）は筐体で、モールドケース（1a）と
モールドカバー（1b）とで構成されている。（２）は消
弧室、（３）は操作用ハンドル、（４）はカムシャフ
ト、（５）はカムシャフト（４）に設けられたラチェッ
トで、ハンドル（３）により手動操作される。（６）は
カムシャフト（４）に設けられたラチェットで、図示し
ないモータにより駆動される。（７）はカムシャフト
（４）に設けられたチャージ用カム、（８）はカム
（７）に設けたカム側ローラ、（９）はカム（７）の上
方にあって固定軸（10）を支点として回転するチャージ
アーム、（11）はチャージアーム（９）の一端に設けた
アーム側ローラで、カム（７）を転接することによりカ
ム（７）により回転駆動される。（12）はチャージアー
ム（９）の中腹部上面に形成したカム面、（13）は投入
バネ、（14）は投入バネ（13）を保持するガイド板で、
長孔（14a）を有している。（15）はチャージアーム
（９）の他端に設けたバネカケピンで、長孔（14a）に
沿って移動して投入バネ（13）を蓄圧する。（16）は固
定軸（10）に回転可能に装着したクローズラッチで、中
腹部にラッチ側ローラ（17）を有すると共に一端側はカ
ム側ローラ（８）に係合する。（18）は固定軸（19）を
中心に回転するクローズラッチで、下端はラッチ側ロー
ラ（17）に係合すると共に上端側はクローズバー（20）
に係合している。クローズバー（20）は図示しないが手
動あるいはソレノイドなどによりオン操作される。（2
1）はメインシャフトで、筐体（１）に回転可能に支持
されている。（22）はメインシャフト（21）に等間隔で
３個固定したアームで、３極分の絶縁リンク（23）がピ
ン（24）によりそれぞれ連結されている。（25）はアー
ム（22）と同形のアームで、メインシャフト（21）にア
ーム（22）と同角度で固定されている。（26）は２本の
リンクにより構成される投入トグルリンク機構で、一端
側はピン（27）によりアーム（25）に連結される。（2
8）はリンク機構（26）の中心ピン（29）により回転可
能に支持されるリンク側ローラで、チャージアーム
（９）のカム面（12）に当接する位置関係にある。（3
0）は固定軸（31）に回転可能に支持されるリンクレバ
ーで、一端側にピン（32）によりリンク機構（26）の他
端側が連結される。（33）はリンクレバー（30）の中腹
部に回転可能に設けたレバー側ローラ、（34）は固定軸
（19）に回転可能に支持されるトリップラッチで、レバ
ー側ローラ（33）に係合すると共に上端側はトリップバ
ー（35）に係合している。トリップバー（35）は図示し
ないが手動あるいはソレノイドなどによりトリップ操作
される。（36），（37）は通電部の一部を構成する一対
の導体で、三個ずつ並設されている。（38）は一方の導
体（36）にそれぞれ固着された固定接点、（39）は各固
定接点（38）にそれぞれ接離される可動接点、（40）は
各可動接点（39）をそれぞれ固着した可動子、（41）は
各可動子（40）の端部をそれぞれ他方の導体（37）に接
続するための可撓導体、（42）は各可動子（40）を保持
する可動子ホルダで、ピン（43）により絶縁リンク（2
3）に連結されている。（44）は各可動子（40）に一端
がそれぞれ取付けられる接圧ばねで、各他端はそれぞれ
筐体（１）のバネ支持穴（45）により保持されている。

次に動作について説明する。

投入バネ（13）が放勢した第３図のトリップ状態におい
て、ハンドル（３）の手動操作によりラチェット（５）
を、あるいはモータを駆動してラチェット（６）を反時
計方向に回転させてチャージ用カム（７）を反時計方向
に回転させると、チャージアーム（９）が時計方向に回
動するので、投入バネ（13）が蓄圧される。こうして、
第４図に示すチャージ状態となる。

第４図に示すチャージ完了状態では、カム（７）のカム
側ローラ（８）によりクローズラッチ（16）の回動が阻
止され、クローズラッチ（16）のラッチ側ローラ（17）
によりクローズラッチ（18）の回動が阻止され、このク
ローズラッチ（18）はクローズバー（20）によりロック
される。この第４図の状態において、クローズバー（2
0）を時計方向に回動操作すると、クローズラッチ（1
8）が時計方向に回転し、これに伴なってクローズラッ
チ（16）が反時計方向に回転するので、カム（７）のロ
ックが解除されてカム（７）が反時計方向に回転し、ア
ーム側ローラ（11）がカム（７）の凹部に落ち込むと、
投入バネ（13）が放勢してチャージアーム（９）が第５
図に示すように反時計方向に回転、はね上がる。このよ
うにチャージアーム（９）が第５図のようにはね上がる
とき、チャージアーム（９）のカム面（12）にリンク側
ローラ（28）が当接するので、リンク機構（26）がチャ
ージアーム（９）のはね上げ力によって伸長し、第５図
に示すように接点オンとなる。

第５図のオン状態において、トリップバー（35）を反時
計方向に回動操作させると、トリップラッチ（34）が反
時計方向に回動するので、トリップラッチ（34）の凹部
からレバー側ローラ（33）が外れてリンクレバー（30）
が時計方向に回動し、リンク機構（26）が第３図に示す
ように屈曲してオフ状態となる。以下繰り返しとなる。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記のような従来の遮断器では、第４図に示すチャージ
状態において投入指令によりクローズバー（20）が時計
方向に回動操作されるとチャージ用カム（７）が反時計
方向に回転し、アーム側ローラ（11）がカム（７）の凹
部に落ち込んで第５図に示す投入バネ（13）の放勢した
接点オンの状態となるが、この時チャージ用カム（７）
が反時計方向に回転し過ぎることがあると、アーム側ロ
ーラ（11）が凹部からカム面に沿って移動し過ぎて、接
点移動ストロークが不足し、接点投入が不完全になると
いう問題点があった。

この考案はかかる問題点を解消するためになされたもの
で、接点投入時のチャージ用カムのストップ位置を規正
して完全な接点投入が行える信頼性の高い遮断器を得る
ことを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、この考案に係る遮断器は、
チャージ用カムに設けた第１、第２のピンと、この第
１、第２のピンにそれぞれ係合する第１、第２の係合部
を有しかつ一定角度内で往復回転するように設けたカム
ストッパーと、このカムストッパーを前記往復動の一方
停止位置に付勢しておく復帰バネとを備えたものであ
る。

〔作用〕

この考案においては、投入バネの蓄勢力で閉成させると
きのチャージ用カムの回動時に、第１のピンが第１の係
合部に衝突して復帰バネに抗してカムストッパーを回転
させ、このカムストッパーの回動によって第２の係合部
が第２のピンに衝突するので、チャージ用カムのストッ
プ位置が規正される。

〔実施例〕

この考案の一実施例を第１図、第２図について説明す
る。第１図はカムシャフトの側面図、第２図は第１図の
線II−IIの断面図で（イ）はカムストッパーの遊びの状
態を示し（ロ）はカムストッパーによりカムをストップ
させたときの状態を示し（ハ）はカムストッパーがカム
を押し戻した状態を示し（ニ）はカムのチャージ過程を
示すもので、前記従来のものと同一または相当部分には
同一符号を付して説明を省略する。図において、（4
6），（47）はチャージ用カム（７）の側面に突設した
第１、第２のピン、（48）は筐体（１）に軸（49）によ
り回転可能に支持されるカムストッパーで、第１、第２
のピン（46），（47）とそれぞれ係合する第１、第２の
係合部（48a），（48b）を有している。（50）は筐体
（１）に立設したストッパー制御ピンで、カムストッパ
ー（48）の凹所（48c）に係合している。この凹所（48
c）の長さによってカムストッパー（48）の回転角度を
定めている。（51）はカムストッパー（48）の復帰バネ
で、コイル部が軸（49）に装入されかつ一端が筐体穴
（52）に支持され他端がカムストッパー（48）に係止さ
れるひねりばねにより構成されている。

第２図（イ）に示す状態では、チャージ用カム（７）が
第４図に示すようにクローズラッチ（16）によりロック
されて回動しないので、カムストッパー（48）は復帰バ
ネ（51）によりストッパー制御ピン（50）に押しつけら
れ、いわゆる遊びの状態にある。

この第２図（イ）および第４図に示すチャージ状態にお
いて、投入指令によりクローズバー（20）が時計方向に
回動操作されると、チャージ用カム（７）が反時計方向
（矢印53で示す）に回転してアーム側ローラ（11）がカ
ム（７）の凹部に落ち込んで第５図に示す投入バネ（1
3）の放勢した接点オンの状態となる。このとき反時計
方向（矢印54で示す）に急激に回転するチャージ用カム
（７）の第１のピン（46）が第１の係合部（48a）に衝
突して復帰バネ（51）に抗してカムストッパー（48）を
勢いよく時計方向（矢印55で示す）に回転させるので。
第２のピン（47）が第２の係合部（48b）に衝突しカム
ストッパー（48）がストッパー制御ピン（50）により停
止した第２図（ロ）の位置においてチャージ用カム
（７）がカムストッパー（48）によりストップさせられ
る。こうして、チャージ用カム（７）のストップ位置が
規正される。

第２図（ロ）に示すように第２のピン（47）が第２の係
合部（48b）に衝突してチャージ用カム（７）がストッ
プした後は、復帰バネ（51）によってカムストッパー
（48）が反時計方向（矢印56で示す）に回転して元の位
置に戻るが、このとき第１、第２の係合部（48a），（4
8b）で第１、第２のピン（46），（47）を押してチャー
ジ用カム（７）を第２図（ハ）の位置まで戻し、停止す
る。

第２図（ハ）に示す状態は、第５図のオン状態および第
３図のトリップ状態において維持され、そして第３図の
トリップ状態においてチャージ用カム（７）をチャージ
すると、チャージ用カム（７）は第２図（ハ）の状態か
ら反時計方向（矢印57で示す）に一歯ずつ駒送りされて
第２図（ニ）の状態でカムストッパー（48）を通過し、
第２図（イ）に示すチャージ完了状態となる。

〔考案の効果〕

以上のように、この考案によれば接点投入時のチャージ
用カムのストップ位置を規正して完全な接点投入が行え
るという高い信頼性が得られるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示すカムシャフトの側面
図、第２図は第１図の線II−IIの断面図で（イ）はカム
ストッパーの遊びの状態を示し（ロ）はカムストッパー
によりカムをストップさせたときの状態を示し（ハ）は
カムストッパーがカムを押し戻した状態を示し（ニ）は
カムのチャージ過程を示し、第３図は従来のものを示し
かつ投入バネが放勢したトリップ状態を示す側面断面
図、第４図はチャージが完了したオフ状態を示す側面断
面図、第５図はオン状態を示す側面断面図、第６図は第
３図の要部のみを示す説明図、第７図は第４図の要部の
みを示す説明図、第８図は第５図の要部のみを示す説明
図、第９図はカムシャフトの側面図、第10図はメインシ
ャフトの側面図である。 図において、（７）はチャージ用カム、（９）はチャー
ジアーム、（13）は投入バネ、（26）は投入トグルリン
ク機構、（46）は第１のピン、（47）は第２のピン、
（48）はカムストッパー、（48a）は第１の係合部、（4
8b）は第２の係合部、（50）はストッパー制御ピン、
（51）は復帰バネを示す。 なお、各図中同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】回転駆動されるチャージ用カムと、このチ
   ャージ用カムと係合して回転変位するチャージアーム
   と、このチャージアームの回動によってチャージされる
   投入バネと、接点開閉機構を構成する投入トグルリンク
   機構とを備え、前記チャージ用カムを回転駆動して前記
   投入バネをチャージしたのち、指令を与えることにより
   前記接点開閉機構を前記蓄勢力で閉成させ、さらに開放
   させるようにした遮断器において、 前記チャージ用カムに設けた第１、第２のピン、この第
   １、第２のピンにそれぞれ係合する第１、第２の係合部
   を有しかつ一定角度内で往復回転するように設けたカム
   ストッパー、およびこのカムストッパーを前記往復動の
   一方停止位置に付勢しておく復帰バネを備え、 前記投入バネの蓄勢力で閉成させるときの前記チャージ
   用カムの回動時に、前記第１のピンが前記第１の係合部
   に衝突して前記復帰バネに抗して前記カムストッパーを
   回転させ、このカムストッパーの回動によって前記第２
   の係合部が前記第２のピンに衝突して前記チャージ用カ
   ムをストップさせるようにしたことを特徴とする遮断
   器。