JPH0751520A - 血液検査用フィルターの製造方法 - Google Patents

血液検査用フィルターの製造方法

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JPH0751520A
JPH0751520A JP20417493A JP20417493A JPH0751520A JP H0751520 A JPH0751520 A JP H0751520A JP 20417493 A JP20417493 A JP 20417493A JP 20417493 A JP20417493 A JP 20417493A JP H0751520 A JPH0751520 A JP H0751520A
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filter
substrate
resist
electrodeposition
blood test
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JP20417493A
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Osamu Nagasaki
崎 修 長
Fumio Sekiguchi
口 文 夫 関
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 効率的かつ定量的な血球変形能の測定が可能
であって、反復使用が可能な高性能の血液検査用フィル
ターを製造するための方法を提供することを目的とす
る。 【構成】 全体が電着によって形成された金属薄板に微
小孔がほぼ均一に分布して形成された血液検査用フィル
ターの製造方法であって、基板上に、微小孔を形成する
ためのレジストパターンを形成した後、レジスト部以外
の基板上に電着によって金属層を形成し、さらにこのよ
うにして形成された電着金属層を前記基板上から剥離す
ることを特徴とする血液検査用フィルターの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血液中の赤血球や白血
球などの血球の性状、特に血球変形能を検査するための
フィルターの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】赤血
球は、血液構成成分の約40〜50%を占め、その内部
に含まれるヘモグロビンの作用によって全身に酸素を供
給する、生命の維持に必要不可欠な細胞である。例え
ば、脳細胞の酸素要求性は極めて高く、脳循環障害等に
より赤血球からの酸素供給が絶たれると、わずか数分に
して細胞破壊、いわゆる「脳死」に致る。古くは、循環
動態を規定する因子として、血管収縮・拡張性、血小板
凝集能、血液凝固因子などが問題とされていたが、最近
では、これらに加えて、赤血球の「変形能」が注目され
ている。即ち、正常成熟赤血球は、直径7〜8μm、厚
さ2〜3μmで、両面が窪んだ円盤状を呈しているが、
外力を受けると多様に変形する能力(変形能)を有して
おり、自己の直径よりも小さい毛細血管中をも容易に通
過することができ、これにより全身に酸素を供給する。
従って、赤血球が正常な変形能を有しないとき、あるい
は変形能が低下しているときには、人体に致命的な障害
が生ずる。先天性溶血性貧血(鎌状赤血球病など)はも
とより、糖尿病など数多くの疾患において、赤血球の変
形能の低下が問題となっている。
【0003】以上のような状況を反映して、近年、赤血
球の変形能に関する数多くの研究がなされているが、赤
血球の変形能には物理量としての明確な定義はない。従
って、その評価は測定法に依存しているのが現状であ
る。変形能の測定法として、もっとも広く頻用され、ま
た、微小循環系のモデルとしても妥当な方法として、
「ニュークリポアフィルター(米国ニュークリポア社の
商品)」を用いたフィルトレーション法がある。このフ
ィルターは、ポリカーボネート薄膜に原子炉中で荷電粒
子を照射し、形成された飛跡にアルカリエッチを加えて
飛跡を拡張して作成されたもので、その孔は、分布が不
均一で、融合、分岐も多く、その辺縁は粗である。ま
た、その材質(ポリカーボネート)の故に、実際上、再
使用は不可能である。従って、ニュークリポア・フィル
トレーション法にはその再現性定量性に問題があり、と
りわけ、複雑多用な系である臨床医学上の診断あるいは
判定法としては、必ずしも十分有効なものとはいえな
い。
【0004】通常の、遠心器による赤血球洗浄では、赤
血球試料への白血球の混入を防止することはできない。
また、上述したニュークリポアフィルターを用いたフィ
ルトレーション法においては、血球が、ニュークリポア
フィルターの粗な辺縁や孔の分岐による機械的な刺激に
よって、容易に活性化し、目詰りが起こり易くなる。従
って、このフィルターを用いた赤血球浮遊液のフィルト
レーションでは、赤血球の変形能をみているのか、白血
球の目詰りの影響をみているのか、識別できない状態が
生じ得る。しかも、これは、原理的に、予測すること
も、両者の作用を分離して解析することも不可能であ
る。この対策として、白血球除去フィルターを用いる方
法が併用されているが、白血球除去フィルターには、変
形能が低下した赤血球も補足される。従って、正常の分
布(変形能の低下した赤血球も含まれる)を有する全赤
血球の変形能を評価し得えず、とりわけ、臨床医学上は
問題である。また、孔の融合は、赤血球の直径よりも大
きな孔を生じさせ、本来目的とした変形能を有効に検出
し得ず、検出感度の低下をもたらす。更に、上記従来の
フィルターが再使用不可能であることは、その幾何学的
不均一性のゆえに、その定量性、再現性の欠陥を増幅す
ることは自明である。
【0005】さらに、白血球や血液中の他の血小板、フ
ィブリノーゲンなどの凝固因子の検査においても上記と
同様の問題がある。
【0006】すなわち、従来の方法によって得られたフ
ィルターにおいては、異常な血球を有効かつ定量的に検
出し得ず、検出感度において満足のいくものではない。
【0007】たとえば、従来のフィルターの製造方法と
しては、ニッケルやステンレスなどの10〜30μm厚
の薄板に通常のフォトリソ技術により両面または片面よ
りフォトレジストによる所望のパターンを形成し、さら
にエッチングを行うことによって微細孔を形成すること
が行われている。
【0008】しかしながら、このようなフォトエッチン
グ法によって得られたフィルターは、上述した従来技術
における問題を解消する上では必ずしも十分満足のいく
ものではない。
【0009】本発明者の知見によれば、このようなフォ
トエッチング技術による微細孔の形成においては、たと
えば両面に製版する場合、表面と裏面のパターンの孔径
に差をつけることによって漏斗状の穴を得ることは必ず
しも不可能ではないが、両面のパターンの合せ精度を±
1μとすることは極めて困難であり、歩留りや生産コス
トの点で著しく不利である。また、片面にレジスト製版
し、この面からエッチングを行う場合には、穴の最狭部
の寸法精度を、±2μm以上にすることが困難である点
で問題がある。
【0010】また、従来のエッチング方法では、図1の
断面図に示すよう、孔の辺縁部aが不可避的にシャープ
になってしまってなだらかな形状にすることができず、
したがって、血球の変形能を検査するためのフィルター
としては不適格なものしかできなかった。
【0011】本発明は上述した従来技術の問題点に鑑み
てなされたものであって、効率的かつ定量的な血球変形
能の測定が可能であって、反復使用が可能な高性能の血
液検査用フィルターを製造するための方法を提供するこ
とを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明による血液検査用
フィルターの製造方法は、全体が電着によって形成され
た金属薄板に微小孔がほぼ均一に分布して形成された血
液検査用フィルターの製造方法であって、基板上に、微
小孔を形成するためのレジストパターンを形成した後、
レジスト部以外の基板上に電着によって金属層を形成
し、さらにこのようにして形成された電着金属層を前記
基板上から剥離することを特徴とするものである。
【0013】さらに本発明においては、電着金属層を基
板上から剥離したのち、その剥離物の表裏両面および微
小孔の内壁面に電着によって金属被覆層を形成すること
によって、断面糸巻状の微小孔が形成されたフィルター
とすることができる。
【0014】以下、添付図面を参照しながら本発明を詳
細に説明する。図2ないし図4は、本発明の方法によっ
て得られる血液検査用フィルターの断面図である。図2
に示す態様においては、電着可能な金属、たとえばニッ
ケル、銀、金、銅などの金属材料の電着によって形成さ
れた薄板10に断面糸巻状の微小孔11がほぼ均一に分
布形成されてなる。この例では断面形状が糸巻状である
ので、フィルターとして機能させるに際しての表裏の区
別はない。
【0015】図3は、微小孔11の断面形状が漏斗状の
場合の例である。
【0016】図4は、金属薄板10の表裏両面および微
小孔11の内壁面にさらに金属被覆層12を電着によっ
て形成した場合の例である。このような金属被覆層の形
成は、微小孔の断面形状を糸巻状にする上で有利であ
り、また、微小孔の内壁ないし周縁部の状態を滑らかに
してフィルター性能を向上させる上で有利である。
【0017】本発明においては、各孔11の最狭部に対
して血球の入口側の開口部の直径が1倍より大きく10
倍までの面積となるような微小孔がほぼ均一に分布して
形成されていることが好ましい。また、微小孔は薄板に
ほぼ均一に分布形成されていることが検査の定量性を向
上させる上において肝要である。なお、ひとつのフィル
ターにおける微小孔の平面方向における断面図の総和と
しては、最狭部の面積として計算して0.1mm〜4
mmの範囲であることが特に好ましい。また、微小孔
の形成密度としては、100〜40000個/mm
度が好ましい。
【0018】以下、本発明による製造方法を図面に示す
工程断面図を参照して説明する。図5(a)に示すよう
に、基板21上に、レジストをスピンナー法、ロールコ
ート法、浸漬引上げ法などの通常の塗布方法にて均一に
塗布し、加熱乾燥を施し、レジスト層22を形成する。
この場合の乾燥温度はレジストの種類によるが、通常4
0〜100℃で約30分間行う。またはアクリル系レジ
ストフィルムを熱ロールにてラミネートしてレジスト層
を形成することもできる。
【0019】基板21としては、ステンレス板、ニッケ
ル板、銅板、リン青銅板、黄銅板などの金属板や平面性
の良好な石英板やガラス板上にステンレス、ニッケル
銅、酸化スズ、酸化インジウムなどのめっき可能な薄膜
を蒸着法やスパッタ法などの方法で形成したものが使用
できる。基板の厚みは0.1mm〜3mm程度が望まし
い。レジスト材としては、ゴム系レジスト、PVA系レ
ジスト、ケイ皮酸系レジスト、カゼイン系レジスト、ア
クリル系レジストなどのネガレジストやノボラック系の
ポジレジストを使用することができる。
【0020】次に、図5(b)に示すように、レジスト
を塗布した基板に、所望のパターン23を形成したマス
ク24を密着または一定間隔をあけ重ね合せ、電離放射
線25を照射する。この場合、当然のことであるが、ネ
ガレジストを使用する場合のマスクは、所望の孔部は電
離放射線が通過するようパターンを形成し、ポジレジス
トを使用する場合はこの孔部は電離放射線を遮蔽するよ
うなポジパターンを形成したものを使用する。
【0021】続いて所定の現像液で現像し、所定のリン
ス液でリンスし、乾燥し、更にレジスト膜を硬化するポ
ストベークを行う。ポストベーク温度は、レジストの種
類によるが、120℃〜250℃程度である。このよう
にして、図5(c)に示すようなレジストパターンが形
成されたメッキ用基板を得る。
【0022】次に、同図(d)に示すように、電着手
段、たとえば電気メッキにより、たとえばニッケルの電
着を所望の厚みまで行い、電着による薄板層(ニッケル
メッキ箔)26を形成する。この場合、メッキ層がレジ
ストパターンよりも盛り上がるように電着させることに
よって、一方の開口部がなだらかな漏斗状の微細孔を形
成することができる。
【0023】最後に、このニッケルめっき箔26を基板
より剥離し、図5(e)に示すように所望の孔27を有
するフィルターを得る。
【0024】このようにして得られるフィルターの断面
は、図6の拡大断面図に示すように、微細孔の断面が漏
斗状のものである。
【0025】図7は、表裏の区別のない、断面糸巻状の
微細孔を得る態様の断面工程図である。図7(a)〜
(c)までのめっき用基板を得るまで工程は、図6の場
合と同様であるが、この方法では、図7(d)に示すよ
うに、めっき用基板21上にレジスト層22よりも薄い
厚さ(たとえば4〜10μmの厚さ)まで電着を行い、
これを基板より剥離し図7(e)を得る。これを所定の
固定枠(図示せず)に接着材または粘着テープにより固
定し、再度両面より電着を行い、所望の厚さの金属被覆
層28を形成する。この場合のメッキは上記と同様のニ
ッケルメッキでもよく、電気めっきでも無電解めっきで
もよい。所望の厚みを得たら乾燥して枠よりはずし、図
7(f)に示すような断面糸巻状の孔を有するフィルタ
ーを得る。この第2の方法によるフィルターの孔部の断
面は、図8に示すよう糸巻状をしており、表裏の区別の
ない良好なものである。
【0026】ところで、上記第1および第2の方法に使
用するマスクの孔部分のパターンの径は、フィルターに
おける所望の孔径より8〜30μm大きくすることが望
ましい。これは第1の方法では、メッキ厚みを厚くする
とレジスト膜上にもめっきがかぶさるよう成長するた
め、孔径が小さくなるためであり、第2の方法において
は、メッキ膜を基板から剥離後めっきを行うため、孔内
部にもめっきが成長し孔径が小さくなるためである。
【0027】また、この説明においてレジストへの描画
方法として、マスクを介して電離放射線を照射する方法
について説明したが、この方法に限定するものではな
い、例えば、適当なレジストを塗布し、これにフォトプ
ロッターや電子線描画装置を用い、直接パターンを描画
することも当然可能である。
【0028】本発明の方法によって得られるフィルター
は、厚さは薄く一定で、フィルターの孔の分布、形状と
も極めて整で、かつ孔径が一定であり、孔の融合や分岐
などの問題がない。また、電着によって形成するので、
孔の入口部を漏斗状に形成することができ、辺縁も極め
てなめらかである。このようにして得られた本発明によ
るフィルターは、血液検査に使用したのち、数秒間の超
音波洗浄で最低100回の再使用が可能である。
【0029】
【実施例】実施例1 厚さ0.1mm、一辺121mmのステンレス(SUS
304材)上に富士薬品のカゼイン系ネガ型レジストF
RNo. 15を浸漬引上げ法により塗布し、45℃で30
分乾燥して均一なレジスト膜を得た。次に、このレジス
ト膜にマスクを重ね合せ、プリンターにてパターン描画
を行った。この際、3kWの水銀灯で、波長365nm
の紫外線を2〜3分間露光した。
【0030】続いて、露光されたレジスト膜を40〜5
0℃の温湯で現像した後、水でリンスしてスピン乾燥さ
せ、厚さ3μm、孔径15μmのレジストパターンを形
成した。
【0031】次に、これを200〜250℃で数分間ベ
ークし、スルファミン酸ニッケル浴に浸漬し、電気めっ
き法によりレジストパターンを形成した面にニッケルを
厚さ15μmになるようめっきした。このスルファミン
酸ニッケル浴の組成とめっき条件を次に示す。 スルファミン酸ニッケル 400g/l ほう酸 30g/l pH 4.0 浴温 50℃ 電流密度 2A/dm2 時間 15分 続いて、80℃で5分間乾燥した後、めっきしたニッケ
ルを剥離して、厚さ15μm、孔径5μmのフィルター
を得た。
【0032】このフィルターによって血液検査は十分有
効に行なうことができた。実施例2 厚さ0.1mm、一辺121mmのステンレス(SUS
304材)上に富士薬品のカゼイン系ネガ型レジストF
RNo. 15を浸漬引上げ法により塗布し、45℃で30
分乾燥して、均一なレジスト膜を得た。
【0033】次に、このレジスト膜にマスクを重ね合
せ、プリンターにてパターン描画を行った。この際、3
kWの水銀灯で、波長365nmの紫外線を2〜3分間
露光した。
【0034】続いて、露光されたレジスト膜を40〜5
0℃の温湯で現像した後、水でリンスして、スピン乾燥
させ、厚さ3μm、孔径15μmのレジストパターンを
形成した。
【0035】次に、これを200〜250℃で数分間ベ
ークし、スルファミン酸ニッケル浴に浸漬し、電気めっ
き法により片面にニッケルを厚さ10μmになるようめ
っきした。このスルファミン酸ニッケル浴の組成とめっ
き条件を次に示す。 スルファミン酸ニッケル 400g/l ほう酸 30g/l pH 4.0 浴温 50℃ 電流密度 2A/dm2 時間 10分 続いて、80℃で5分間加熱乾燥処理を施した後、めっ
きしたニッケルを剥離すると、厚さ10μm、孔径8μ
mとなった。
【0036】続いて、加熱乾燥処理を行った後、これに
両面からニッケルをめっきし、厚さ14μm、孔径5μ
mのニッケルフィルターを完成した。この時のスルファ
ミン酸ニッケル浴の組成とめっき条件は次のとおりであ
る。 スルファミン酸ニッケル 400g/l ほう酸 30g/l pH 4.0 浴温 50℃ 電流密度 4A/dm2 時間 2〜3分実施例3 厚さ0.1mm、121mm角のステンレス(SUS3
04材)上に東京応化製アクリル系レジストPMER−
Nを浸漬引上げ方法により塗布し、70℃で30分乾燥
加熱処理し、厚さ15μmt の均一なレジスト膜を得
た。
【0037】次に、このレジストを形成した基板にマス
クを重ね合せパターン描画を行った。この際、3kWの
水銀灯による平行光プリンターで365nmの紫外線
を、250mJ/cm2 の露光量で露光した。
【0038】続いて、露光されたレジスト膜を所定の現
像液にて現像し、更にリンスを行って厚さ15μm、孔
径15μmのレジストパターンを形成し、めっき用基板
を作製した。
【0039】このレジストパターンは、エッジがシャー
プで基板に対しほぼ垂直であった。
【0040】次に、このめっき用基板をスルファミン酸
浴に浸漬し電気めっき法によりニッケル厚さが10μm
になるようめっきした。
【0041】スルファミン酸ニッケル浴の組成とめっき
条件を次に示す。 スルファミン酸ニッケル 400g/l ほう酸 30g/l pH 4.0 浴温 50℃ 電流密度 2A/dm2 時間 10分 続いて、80℃で5分間乾燥を施した後、めっきしたニ
ッケルを剥離すると、厚さ10μm、孔径7μmであっ
た。
【0042】このニッケル箔を枠に固定し、再度ニッケ
ルめっきを行ったこの時のニッケルめっき浴組成は上記
と同様であるが、めっき条件は下記のようである。 電流密度 4A/dm2 時間 2〜3分 このようにして得られたフィルターの厚さは15μm、
孔径は3μmであった。
【0043】また、実施例2にくらべ実施例3はレジス
トパターンのエッジがシャープであったため、完成した
フィルターの孔部の断面形状はほぼ完全な糸巻状とする
ことができた。
【0044】次に、上述した実施例において製作したフ
ィルターの平面形態について説明する。図9は、基板上
に一辺8個で合計64個のフィルターを同時に製造する
場合の例の平面図であり、一辺121mmのステンレスか
らなる基板80上にレジストパターン81で囲ったフィ
ルターが示されている。
【0045】図10は一個のフィルターを構成する部分
の拡大図であり、レジストパターン81で囲まれた部分
がフィルターを構成し、円形中央の斜線部分にメッシュ
部82が構成され、その周囲にフィルターを固定するた
めの枠部83が形成される。支持部84は電着後に多面
付けしたフィルターを一枚のフィルムとして基板から剥
離するのを容易にするために設けられている。なお、個
々のフィルターを使用するに際しては、この支持部84
を切り離して使用する。
【0046】図11はメッシュ部82に形成されている
微小孔11の配置関係を示す拡大平面図であり、この実
施例においては、3個の微小孔が3角形の頂点をなすよ
うな位置関係で配列されている。この場合の微小孔間の
距離は30μmである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のエッチング法によって得られる血液検査
用フィルターの断面図。
【図2】本発明によって得られる血液検査用フィルター
の断面図。
【図3】本発明によって得られる血液検査用フィルター
の断面図。
【図4】本発明によって得られる血液検査用フィルター
の断面図。
【図5】本発明の製造方法を説明する工程断面図。
【図6】本発明によって得られる血液検査用フィルター
の断面図。
【図7】本発明の製造方法を説明する工程断面図。
【図8】本発明によって得られる血液検査用フィルター
の断面図。
【図9】本発明の実施例において製作したフィルターの
平面形態を示す平面図。
【図10】図9において、一個のフィルターを構成する
部分の拡大図。
【図11】本発明の実施例において製作したフィルター
の微小孔の配置関係を示す拡大平面図。
【符号の説明】
10 金属薄板 11 微小孔 12 金属被覆層 21 基板 22 レジスト層 27 微小孔 28 金属被覆層 80 基板 81 レジストパターン 82 メッシュ部 83 枠部 84 支持部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】全体が電着によって形成された金属薄板に
    微小孔がほぼ均一に分布して形成された血液検査用フィ
    ルターの製造方法であって、基板上に、微小孔を形成す
    るためのレジストパターンを形成した後、レジスト部以
    外の基板上に電着によって金属層を形成し、さらにこの
    ようにして形成された電着金属層を前記基板上から剥離
    することを特徴とする、血液検査用フィルターの製造方
    法。
  2. 【請求項2】基板上にレジスト膜を形成し、レジスト膜
    に電離放射線にてパターン描画を行い、パターン描画後
    のレジスト膜を現像することによって前記レジストパタ
    ーンの形成を行う、請求項1に記載の血液検査用フィル
    ターの製造方法。
  3. 【請求項3】前記電着が電気メッキである、請求項1に
    記載の方法。
  4. 【請求項4】前記電着金属がニッケルである、請求項1
    に記載の方法。
  5. 【請求項5】前記微小孔の形状が、断面漏斗状になるよ
    うに形成する、請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】前記微小孔の孔径が3〜20μmになるよ
    うに前記レジストパターンを形成する、請求項1に記載
    の方法。
  7. 【請求項7】前記血液検査用フィルターの厚さが5〜3
    0μmになるように電着を行う、請求項1に記載の方
    法。
  8. 【請求項8】電着金属層を基板上から剥離したのち、そ
    の剥離物の表裏両面および微小孔の内壁面に電着によっ
    て金属被覆層を形成することによって、断面糸巻状の微
    小孔が形成されたフィルターを得る、請求項1に記載の
    方法。
  9. 【請求項9】前記剥離物を一旦固定枠に固定して電気メ
    ッキによって金属被覆層の形成を行う、請求項8に記載
    の方法。
  10. 【請求項10】前記電着金属がニッケルである、請求項
    8に記載の方法。
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