JPH0751291A - 骨破片の固着のための接骨装置およびボーン・スパイク・ドリル - Google Patents

骨破片の固着のための接骨装置およびボーン・スパイク・ドリル

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JPH0751291A
JPH0751291A JP6177454A JP17745494A JPH0751291A JP H0751291 A JPH0751291 A JP H0751291A JP 6177454 A JP6177454 A JP 6177454A JP 17745494 A JP17745494 A JP 17745494A JP H0751291 A JPH0751291 A JP H0751291A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 接骨手段の可撓性を向上させると共に,該可
撓性に起因する不具合を解消して,効果的な骨破片の固
着を実現する。 【構成】 治療される位置の局部の骨に巻き付けられる
平面布形状を有する保持ヒモ10と,骨に巻き付けられ
た締付状態で,保持ヒモ10の端部11に設けられ,他
方の端部13を通り抜けさせ,保持ヒモ10をその箇所
にて押さえつけるようにした状態で固着することのでき
る受け部材12を具備する骨破片の固着のための接骨装
置において,受け部材12が,保持ヒモ10に据え付け
られており,保持ヒモ10の平らな表面とほぼ直角に軸
を中心として回転できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,骨断片の固着のための
装置およびボーン・スパイク・ドリルに関し,特に,骨
折の固定ための装置と,それらとともに用いられる外科
用機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】骨折の治療の本来の目的は,骨折に起因
する調子の悪い外肢の機能を回復させることである。石
膏成形物あるいはそれと同様のものによる細長い外部固
定部材を不必要とし,損傷した骨の積極行動療法がすぐ
に開始できる程度に,しっかりした骨合成によって折れ
た骨を安定化させるのが望ましい。同様に,骨組みの手
術においては,その重要性は確かな骨化と早期の活発機
能治療に置かれている。それに加えて,さらに重要な考
慮として,やや短めの入院期間と,できるだけ早い骨の
重量耐性能力の回復と,加えて,特に,手術に必要な時
間の縮小が上げられる。これは,発明者により出願され
た,ドイツの明細書DE4200757A1にて説明さ
れている装置により,これらの目的は果たされており,
また,実際に首尾よく用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,従来に
おける石膏成形物等を用いた接骨手段にあっては,骨と
の適合が悪いという問題点があった。保持ヒモがさらに
しなやかであれば,さらに良い結果が得られるというこ
とが経験上明白である。その方が保持ヒモと骨の表面の
間にさらに適合するので,保持ヒモの全面が巻き包む接
合部の部分全てが骨と接触することになる。
【0004】この発明は,上記に鑑みてなされたもので
あって,接骨手段の可撓性を向上させると共に,該可撓
性に起因する不具合を解消して,効果的な骨破片の固着
が実現する接骨装置およびボーン・スパイク・ドリルを
得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに,請求項1に係る装置は,治療される位置の局部の
骨に巻き付けられる平面布形状を有する保持ヒモと,骨
に巻き付けられた締付状態で,前記保持ヒモの端部に設
けられ,他方の端部を通り抜けさせ,前記保持ヒモをそ
の箇所にて押さえつけるようにした状態で固着すること
のできる受け部材を具備する骨破片の固着のための接骨
装置において,前記受け部材が,前記保持ヒモに据え付
けられており,前記保持ヒモの平らな表面とほぼ直角に
軸を中心として回転できるものである。
【0006】また,請求項2に係る装置は,前記保持ヒ
モの骨の方向に向く表面で,その端部に骨を貫通可能な
少なくとも1つのスパイクを備えたものである。
【0007】また,請求項3に係る装置は,前記受け部
材は,前記保持ヒモの他の端部が一定の間隔をもってス
リーブ内を通り抜けることができるように,前記保持ヒ
モの断面積に対応した断面積を有するほぼ長方形の穴部
を形成している前記スリーブに挿入するように折り曲げ
られた平面ヒモにより形成されている。
【0008】また,請求項4に係る装置は,骨の方向に
向いた前記保持ヒモの表面から突き出るスパイク形状の
自在軸受けピンにより,前記受け部材が前記保持ヒモに
据え付けられているものである。
【0009】また,請求項5に係る装置は,前記軸の中
心に置かれた星型の放射状のギザギザ歯が,前記保持ヒ
モの方向に向く回転可能に据え付けられた前記受け部材
側に設けられているものである。
【0010】また,請求項6に係る装置は,前記軸の中
心に置かれた星型の放射状のギザギザ歯が,前記受け部
材の方向に向く前記保持ヒモの表面上に設けられている
ものである。
【0011】また,請求項7に係る装置は,前記受け部
材が,保持ヒモの前記端部,あるいは,その反対方向に
対して漏斗形状に形成されているものである。
【0012】また,請求項8に係る装置は,前記受け部
材は,前記保持ヒモに対する据え付けにおいて,あらか
じめ決められた限定の範囲内で,全ての方向に傾き可能
である。
【0013】また,請求項9に係る装置は,前記受け部
材が,5°から25°の範囲で傾き可能である。
【0014】また,請求項10に係る装置は,前記受け
部材が,自由に曲げられる構造の自在軸受けピンによっ
て,前記保持ヒモに据え付けられているものである。
【0015】また,請求項11に係る装置は,前記受け
部材が,あらかじめ決められた限定の範囲内で,全ての
方向に自由に傾けられる自在軸受けピンによって,前記
保持ヒモに据え付けられているものである。
【0016】また,請求項12に係る装置は,前記保持
ヒモに沿って移動できるスパイクが設けられているもの
である。
【0017】また,請求項13に係る装置は,前記移動
できるスパイクは,前記保持ヒモに沿って滑走可能なス
リーブの骨の方向に向いた表面上に配置されているもの
である。
【0018】また,請求項14に係る装置は,前記滑走
可能なスリーブは,前記保持ヒモ沿いに移動できるほぼ
U形状に構成されているものである。
【0019】また,請求項15に係る装置は,前記保持
ヒモに沿って移動できるスパイクと,前記スパイクと共
に用いられるピンセットにおいて,2つのあご部のうち
の1つは略半円形であり,開いた端部は骨の回りを移動
することができ,治療部側の反対側は裏側に配置される
あご部と前記保持ヒモが骨を巻き込むときに,前記保持
ヒモに沿って前記スパイクを移動させることが可能な前
記開いた端部に配置される保持部を具備するものであ
る。
【0020】また,請求項16に係る装置は,前記ピン
セットにおいて,前記ピンセットのあご部が閉められた
ときの圧力が,前記スパイクと,前記保持手段上のスパ
イクを据え付けるために設けられたあらゆる手段と,前
記保持ヒモの連結された部分のみにかかるように,前記
あご部の開いた端部が,前記スパイクが据え付けられる
突出部から離れるように設けられているものである。
【0021】また,請求項17に係るボーン・スパイク
・ドリルは,シャフトと,前記シャフトの一端に設けら
れたかんぬきと,他端についている尖った円錐形の錐刃
とから構成されている。
【0022】
【作用】本発明に係る骨破片の固着のための装置は,治
療すべき位置の局部の骨を巻き包む平面を有する布の形
状をした保持ヒモと,骨を巻き包む締付状態で,保持ヒ
モの反対側を通し,保持ヒモをその場で押さえつけるよ
うにした状態で固定することのできる端部に設けられた
受け部材を備えた接骨のための装置であり,受け部材が
保持ヒモに据え付けられていることより,平らな表面に
対して,ほぼ直角に軸を中心として回転することができ
るという改良点を備えている。
【0023】受け部材が保持ヒモの平らな表面と軸に対
して,ほぼ直角に回転することができるので,骨を巻き
包む接触部が全て,具体的に言えば,保持ヒモの全表面
積が骨と接触しているような状態であり,骨の円錐形接
合部により保持ヒモが適合する。このように保持ヒモは
環のように,治療対象の骨に,あるいは骨折部分に直接
巻き付くものである。この配置は,直線的なあるいは接
線的な接触を避け,保持ヒモと一致した自由に曲げられ
る忍耐強い骨の上にかかる動作である。
【0024】骨を貫通するスパイクは,少なくとも1つ
は,骨の方向に向くはずの端部の正面上の保持ヒモにお
ける端部に設けられていることが望ましい。
【0025】また,スパイクは,保持ヒモが骨を巻き包
み,埋められたときに保持ヒモが滑るのを防止する。
【0026】また,保持ヒモのもう一方の端部のスリー
ブを間隔を持って通り抜けることができるように,保持
ヒモの断面積に対応した断面積を有するほぼ長方形の穴
部を形成しているスリーブ内に挿入するように折り曲げ
られた平形ヒモを備えることが望ましい。
【0027】また,骨の方向に向く保持ヒモの表面から
突き出るスパイクの形をした自在軸受けピンによって,
受け部材がヒモに据え付けられていることが望ましい。
このように受け部材の自在軸ピンは2つの機能がある。
【0028】受け部材の軸の中心に置かれた星型の放射
状のギザギザ歯は,受け部材の方向に向くはずの保持ヒ
モの表面上,および(あるいは),保持ヒモの方向に向
くはずの回転可能な据え付け受け部材の横に設けられて
いることが望ましい。それにより,組み合わさる保持ヒ
モの端部の部分がしっかり閉められ固着された後,受け
部材と組み合わされる保持ヒモの端部の部分の間におけ
る回転時の安定性が向上する。
【0029】また,受け部材の保持ヒモの端部および
(あるいは)反対方向への漏斗形開き口を明らかに示し
ている。この実施例では,保持ヒモの組み合わさる端部
の部分上における受け部材に据え付いている自在軸は不
必要である。しかしながら,この実施例では,上記他の
実施例と合わせることもでき,その結果,保持ヒモの骨
の表面により適合される。この実施例でも受け部材が平
らなスリーブとして形成されている。
【0030】受け部材は,保持ヒモの据え付け方に対し
て,あらかじめ決められた範囲内で,例えば,5°から
25°などの幅で,全ての方向に傾き可能であることも
望まれる。これは自由に曲げることの可能な構造である
自在軸受けピン,あるいは,あらかじめ決められた範囲
内において全ての方向に間隔を持って傾き可能な構造を
持つ自在軸受けピンにより受け部材を保持ヒモに据えつ
けることにより可能にされる。このような配置の仕方は
屈曲性をさらに高めることになる。
【0031】スパイクは,保持ヒモに沿って移動される
ことが条件としてあることが望ましい。1つの実施例で
は,保持ヒモに沿って移動可能な,特に,ほぼU形状
で,滑走可能なスリーブの骨の方向に向いた表面上に移
動スパイクが配置されている。これは,不安定な骨破片
を固着するときに特に便利であり,保持ヒモが骨を巻き
包み,閉めたときに,好ましくない保持ヒモのすべりを
防止することができる。
【0032】また,この発明に係る骨破片の固着のため
の装置は,骨破片の接骨のための装置が,上記装置に加
えて使われるように,ピンセットが供給され,2つのあ
ご部のうち一つは大体半円形なので,開いた端部は骨の
回りを動くことができ,治療対象側の反対側は裏側に配
置されるあご部と,保持ヒモが骨を巻き包むときに保持
ヒモに沿ってスパイクを移動することが可能な開いた端
部に配置される保持部が備わっている。
【0033】さらに,この発明に係るボーン・スパイク
・ドリルは,スパイクのための穴部を形成するために,
シャフトと,シャフトの一方の端部にかんぬきと,他方
の端部に尖った円錐形の錐刃が備わっている。
【0034】
【実施例】以下,本発明に係る骨破片の固着のための接
骨装置およびボーン・スパイク・ドリルの実施例を図面
に基づいて説明する。本発明に係る骨破片の接骨,特
に,骨折固着用の装置は,図1から図4に示すように,
治療すべき位置の局部における骨を巻き包む保持手段を
備えている。この保持手段は,平らなリボン状の形をし
た保持ヒモ10により構成されている。骨の横に配置さ
れた保持ヒモ10の端部,すなわち,端部11には受け
部材12が配置されており,保持ヒモ10の骨から離れ
たもう一つの端部,すなわち端部13は,上記受け部材
12を通される。保持ヒモ10が骨の回りを締め付けた
後,端部11と13がその調整された位置で止まるよう
に,受け部材12を通り抜けた部分の端部13は上に曲
げられ,そして元に戻される。こうすることによって,
保持ヒモ10の端部13は受け部材12に固着される。
この固着については図示されていない。
【0035】図2と図3に示されるように,受け部材1
2は,自在軸受けピン14(特に,図2を参照)により
保持ヒモ10の平らな表面に垂直な軸の回りを回転する
ように配置されている。この配置は保持ヒモが骨の表面
に,特に,円錐形のようにして骨の表面に,より適合で
きるようにするものである。
【0036】骨の方向に向く端部11の表面上に保持ヒ
モ10の端部11を固着させるために,骨を貫通可能
な,少なくとも1つのスパイクあるいは針15が配置さ
れる。図3に示すように,受け部材12と接合された保
持ヒモ10の端部11の骨の方向に向いた表面に,受け
部材12の自在軸受けピン14は突き出し,この突き出
た部分がスパイクあるいは針15を形成している。すな
わち,自在軸受けピン14は2つの機能があるというこ
とになる。自在軸受けピンは受け部材12が回転すると
きの手段としても役立つ。このように保持ヒモ10は骨
を巻き包み,しっかり締めながら,その滑り落ちを防止
している。
【0037】図1に示されるように,骨の方向に向く保
持ヒモ10の表面上に,さらに加えられたスパイクある
いは針16が配置されている。それは受け部材12に近
い方(の半分)の保持ヒモ10内に配置されている。
【0038】この実施例に示された受け部材12は,骨
から離れた保持ヒモ10のもう一方の端部13が間隔を
もって通り抜けられるように,平らな保持ヒモ10の断
面積と一致するスリーブ17のように曲げられた受け部
材12から形成される。この実施例は,特に,製造が簡
単である。特に,この実施例では,自在軸受けピン14
が簡単に固着することができる。平らなスリーブ17の
上部は縦の溝部18によって分けられており,自在軸受
けピン14を固着するために,上部の分けられた平らな
スリーブの2つの部分は外側に少し曲げられている。自
在軸受けピン14が固着された後,平らなスリーブ17
の分けられた2つの部分は,元に曲げ戻され,平らなス
リーブは,図1,図2および図3に示されるように形成
される。自在軸受けピン14は,骨の方向に向いた尖っ
た円錐形の前記スパイクあるいは針15の形をした鋲に
より形成されている。また,保持ヒモ10の端部11に
対する平らなスリーブ17の回転能力は,図3に二重矢
印18’により示されている。この動作に関しては,図
2も参照することができる。
【0039】図4に示されるように,回転可能な受け部
材12の表面上,保持ヒモ10あるいは端部11上面に
対して星形の放射状のギザギザ歯20が,自在軸受けピ
ン14あるいは自在軸受けピン14を受け取る穴部19
を中心とした位置に配置されている。同様に,補足的な
放射状のギザギザ歯も保持ヒモ10の表面上か,受け部
材12の方向に向く端部11上に設けられている。この
手段により,保持ヒモ10の固着後,受け部材12と接
合した保持ヒモ10の端部11との間における回転時の
安定性が保証される。
【0040】保持ヒモ10と受け部材12は,人間の組
織と適合するチタニウム合金により作られることが望ま
しい。
【0041】図5に示される他の実施例では,受け部材
12が平らなスリーブ17の形状ではあるが,関連した
保持ヒモ10の端部11の方向に向かって広がっている
漏斗形である。この実施例では,図1から図3を用いて
説明された実施例とは異なり,受け部材12が回転可能
に配置されるということが絶対的には必要とされない。
しかし,そのように配置された場合には,保持ヒモ10
の屈曲性がさらに高まり,治療される種々な骨の形状と
うまく適合することができる。平らなスリーブ17は,
漏斗形でも,反対を向いた漏斗形でもよい。両方の端を
開いた二重漏斗形も考慮することができる。
【0042】装置の屈曲性をさらに高めるために,限定
の幅の中で,自在軸受けピン14に対して,受け部材1
2を傾き可能とすることができる。それは,自在軸受け
ピンの据え付けを自在継手として機能させるということ
である。傾きは自在軸受けピン14に対して全ての方向
に約ぼ5°〜25°である。これを成し遂げるために自
在軸受けピン14を自由に曲げることができるようにす
るか,あるいは,受け部材12を自在軸受けピン14に
据え付け,他の場合より幾分幅を広げ,間隔をもって通
せるようにする。
【0043】図6と図7は,2つの異なる種類のスパイ
クあるいは針15が示されている。図6では,スパイク
15はとがった円錐形であるが,図7ではさらに縦方向
に圧縮された円錐形である。後者の実施例は,骨の貫通
を促進すめるために,V−形状の切断端部により特徴付
けられる。
【0044】図1に示されるように,U形状のスライド
22′の据え付けられたスパイクあるいは針21は保持
ヒモ10に沿ってその位置を調整する。この調整能力は
矢印33により図1に示されている。スライド22′は
保持ヒモ10に,その2つの端部により,保持ヒモ10
の長い端部を囲むように連続的に直角に曲げられてい
る。
【0045】また,図1に示されたU形状のスライド2
2′の代わりに,図8に示される保持ヒモ10に沿って
滑走可能な,平らなスリーブ22でもよい。保持ヒモ1
0沿いに移動できるスパイク21は,それぞれの必要性
に伴い,配置することができる。特に,不安定な骨破片
は滑走可能なスパイク21により固着することができ
る。さらに,適当に配置されたスパイク21は保持ヒモ
10が骨を巻き包み,しっかり締められたときに,骨に
沿った保持ヒモ10のすべりを防止する。このために図
9に示されたように,滑走可能なスパイク21は筋肉切
開部分の位置の反対側の骨の上に配置されることが望ま
しい。
【0046】滑走スリーブ22とスライド22′は保持
ヒモ10の一部,および,どのような状況にあっても同
じ物質できていることが望ましい。
【0047】切開部分の位置となる骨の上には,スパイ
ク15,16または21を受け入れるために,穴をあら
かじめ開けておくことが望ましい。図10に示されるボ
ーン・スパイク・ドリルはこのために用いられる。これ
はシャフト30と,該シャフト30の一方の端部にかん
ぬき31と,他方の端部に尖った円錐形の錐刃32とか
ら構成されている。この錐刃32の形状は木錐のそれと
似ている。かんぬき31は錐作業のためのトルクを伝え
るためのハンドルとして用いられる。
【0048】筋肉切開部分の位置の反対側の骨の上に滑
走可能なスパイク21を配置するために,図9に示され
た特別なピンセットを用いることが望ましい。このピン
セット23は,あご部24と25からできた水道管ペン
チのような形をしており,あご部24は,開いた端部2
6が筋肉切開部分の反対側の位置まで,骨の周囲を回っ
ていけるように,ほぼ円形形状をしている。この開いた
端部26は,骨を巻き包む保持ヒモ10に沿って滑走可
能なスパイク21をかみ合わせるための保持部28が設
けられている。ハンドル27を用いて,あご部24と2
5とがお互いに押しつけられたときに,圧力がスパイク
21,あるいは骨の方向を向いたスライド22′,ある
いは滑走スリーブ22と,それと連結された保持ヒモ1
0のみにかかるように,滑走可能なスパイク21,ある
いはスライド22′あるいは滑走スリーブ22が保持部
28の上に,フック29があご部24の開いた端部26
から離れた方向,すなわち,内側に延びるように構成さ
れていることが望ましい。この方法にあっては,ピンセ
ット23は滑走スリーブ22あるいはスライド22′を
圧縮しないですむ。
【0049】
【発明の効果】以上説明した通り,この発明に係る骨破
片の固着のための接骨装置およびボーン・スパイク・ド
リルにあっては,治療すべき位置の局部の骨を巻き包む
平面を有する布の形状をした保持ヒモと,骨を巻き包む
締付状態で,保持ヒモの反対側を通し,保持ヒモをその
場で押さえつけるようにした状態で固定することのでき
る端部に設けられた受け部材を備えた接骨のための装置
であり,受け部材が保持ヒモに据え付けられていること
より,平らな表面に対して,ほぼ直角に軸を中心として
回転することができるという改良点を備えているため,
接骨手段の可撓性を向上させると共に,該可撓性に起因
する不具合を解消して,効果的な骨破片の固着が実現す
る。
【0050】また,受け部材が保持ヒモの平らな表面と
軸に対して,ほぼ直角に回転することができるので,骨
を巻き包む接触部が全て,具体的に言えば,保持ヒモの
全表面積が骨と接触しているような状態であり,骨の円
錐形接合部により保持ヒモが適合する。このように保持
ヒモは環のように,治療対象の骨に,あるいは骨折部分
に直接巻き付くものである。この配置は,直線的なある
いは接線的な接触を避け,保持ヒモと一致した自由に曲
げられる忍耐強い骨の上にかかるので,効果的な骨破片
の固着が実現する。
【0051】また,スパイクは,保持ヒモが骨を巻き包
み,埋められたときに保持ヒモが滑るのを防止する。
【0052】また,組み合わさる保持ヒモの端部の部分
がしっかり閉められ固着された後,受け部材と組み合わ
される保持ヒモの端部の部分の間における回転時の安定
性が向上する。
【0053】また,受け部材の保持ヒモの端部および
(あるいは)反対方向への漏斗形開き口を明らかに示し
ている。この実施例では,保持ヒモの組み合わさる端部
の部分上における受け部材に据え付いている自在軸は不
必要となり部品点数が減る。
【0054】また,受け部材は,保持ヒモの据え付け方
に対して,あらかじめ決められた範囲内で,例えば,5
°から25°などの幅で,全ての方向に傾き可能であ
り,これは自由に曲げることの可能な構造である自在軸
受けピン,あるいは,あらかじめ決められた範囲内にお
いて全ての方向に間隔を持って傾き可能な構造を持つ自
在軸受けピンにより受け部材を保持ヒモに据えつけるこ
とにより可能にされる。このような配置の仕方は屈曲性
をさらに高めることができる。
【0055】また,スパイクは,保持ヒモに沿って移動
され,保持ヒモに沿って移動可能な,特に,ほぼU形状
で,滑走可能なスリーブの骨の方向に向いた表面上に移
動スパイクが配置されているので,不安定な骨破片を固
着するときに特に便利であり,保持ヒモが骨を巻き包
み,閉めたときに,好ましくない保持ヒモのすべりを防
止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る骨破片の固着のための接骨装置の
保持ヒモを示す透視図である。
【図2】図1に示した保持ヒモの受け部材の部分が回転
された状態を示す説明図である。
【図3】矢印IIIの方向から見た受け部材の構成を示
す説明図である。
【図4】受け部材を下から見た説明図である。
【図5】受け部材の他の実施例を示す説明図である。
【図6】本発明に係る骨破片の固着のための接骨装置の
スパイクの形状を示す透視図である。
【図7】本発明に係る骨破片の固着のための接骨装置の
スパイクの形状を示す透視図である。
【図8】保持ヒモに沿って移動可能なスパイクを横から
見た状態を示す説明図である。
【図9】移動可能なスパイクを配置し,それを骨に対し
て使用するときのピンセットの構成および状態を示す説
明図である。
【図10】本発明に係るボーン・スパイク・ドリルの構
成を示す説明図である。
【符号の説明】
10 保持ヒモ 11 端部 12 受け部材 13 端部 14 自在軸受けピン 15 スパイクあるいは針 16 スパイクあるいは針 17 スリーブ 18 溝部 19 穴部 20 ギザギザ歯 21 スパイクあるいは針 22 滑走スリーブ 22′ スライド 23 ピンセット 24 あご部 25 あご部 26 端部 27 ハンドル 28 保持部 29 フック 30 シャフト 31 かんぬき 32 錐刃

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 治療される位置の局部の骨に巻き付けら
    れる平面布形状を有する保持ヒモと,骨に巻き付けられ
    た締付状態で,前記保持ヒモの端部に設けられ,他方の
    端部を通り抜けさせ,前記保持ヒモをその箇所にて押さ
    えつけるようにした状態で固着することのできる受け部
    材を具備する骨破片の固着のための接骨装置において,
    前記受け部材が,前記保持ヒモに据え付けられており,
    前記保持ヒモの平らな表面とほぼ直角に軸を中心として
    回転できることを特徴とする骨破片の固着のための接骨
    装置。
  2. 【請求項2】 前記保持ヒモの骨の方向に向く表面で,
    その端部に骨を貫通可能な少なくとも1つのスパイクを
    備えたことを特徴とする請求項1記載の骨破片の固着の
    ための接骨装置。
  3. 【請求項3】 前記受け部材は,前記保持ヒモの他の端
    部が一定の間隔をもってスリーブ内を通り抜けることが
    できるように,前記保持ヒモの断面積に対応した断面積
    を有するほぼ長方形の穴部を形成している前記スリーブ
    に挿入するように折り曲げられた平面ヒモにより形成さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の骨破片の固着
    のための接骨装置。
  4. 【請求項4】 骨の方向に向いた保持ヒモの表面から突
    き出るスパイク形状の自在軸受けピンにより,前記受け
    部材が前記保持ヒモに据え付けられていることを特徴と
    する請求項1記載の骨破片の固着のための接骨装置。
  5. 【請求項5】 前記軸の中心に置かれた星型の放射状の
    ギザギザ歯が,前記保持ヒモの方向に向く回転可能に据
    え付けられた前記受け部材側に設けられていることを特
    徴とする請求項1記載の骨破片の固着のための接骨装
    置。
  6. 【請求項6】 前記軸の中心に置かれた星型の放射状の
    ギザギザ歯が,前記受け部材の方向に向く前記保持ヒモ
    の表面上に設けられていることを特徴とする請求項1記
    載の骨破片の固着のための接骨装置。
  7. 【請求項7】 前記受け部材が,保持ヒモの前記端部,
    あるいは,その反対方向に対して漏斗形状に形成されて
    いることを特徴とする請求項1記載の骨破片の固着のた
    めの接骨装置。
  8. 【請求項8】 前記受け部材は,前記保持ヒモに対する
    据え付けにおいて,あらかじめ決められた限定の範囲内
    で,全ての方向に傾き可能であることを特徴とする請求
    項1記載の骨破片の固着のための接骨装置。
  9. 【請求項9】 前記受け部材が,5°から25°の範囲
    で傾き可能であることを特徴とする請求項8記載の骨破
    片の固着のための接骨装置。
  10. 【請求項10】 前記受け部材が,自由に曲げられる構
    造の自在軸受けピンによって,前記保持ヒモに据え付け
    られていることを特徴とす請求項8記載の骨破片の固着
    のための接骨装置。
  11. 【請求項11】 前記受け部材が,あらかじめ決められ
    た限定の範囲内で,全ての方向に自由に傾けられる自在
    軸受けピンによって,前記保持ヒモに据え付けられてい
    ることを特徴とする請求項8記載の骨破片の固着のため
    の接骨装置。
  12. 【請求項12】 前記保持ヒモに沿って移動できるスパ
    イクが設けられていることを特徴とする請求項1記載の
    骨破片の固着のための接骨装置。
  13. 【請求項13】 前記移動できるスパイクは,前記保持
    ヒモに沿って滑走可能なスリーブの骨の方向に向いた表
    面上に配置されたことを特徴とする請求項12記載の骨
    破片の固着のための接骨装置。
  14. 【請求項14】 前記滑走可能なスリーブは,前記保持
    ヒモ沿いに移動できるほぼU形状に構成されていること
    を特徴とする請求項13記載の骨破片の固着のための接
    骨装置。
  15. 【請求項15】 保持ヒモに沿って移動できるスパイク
    と,スパイクと共に用いられるピンセットにおいて,2
    つのあご部のうちの1つは略半円形であり,開いた端部
    は骨の回りを移動することができ,治療部側の反対側は
    裏側に配置されるあご部と前記保持ヒモが骨を巻き込む
    ときに,前記保持ヒモに沿って前記スパイクを移動させ
    ることが可能な前記開いた端部に配置される保持部を具
    備することを特徴とする骨破片の固着のための接骨装
    置。
  16. 【請求項16】 前記ピンセットにおいて,前記ピンセ
    ットのあご部が閉められたときの圧力が,前記スパイク
    と,前記保持手段上のスパイクを据え付けるために設け
    られたあらゆる手段と,前記保持ヒモが連結された部分
    のみにかかるように,前記あご部の開いた端部が,前記
    スパイクが据え付けられる突出部から離れるように設け
    られていることを特徴とする請求項15記載の骨破片の
    固着のための接骨装置。
  17. 【請求項17】 シャフトと,前記シャフトの一端に設
    けられたかんぬきと,他端についている尖った円錐形の
    錐刃とから構成されていることを特徴とするスパイクの
    ためのボーン・スパイク・ドリル。
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