JPH0751104Y2 - 多重構造錠装置並びにシリンダ錠 - Google Patents

多重構造錠装置並びにシリンダ錠

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JPH0751104Y2
JPH0751104Y2 JP7546490U JP7546490U JPH0751104Y2 JP H0751104 Y2 JPH0751104 Y2 JP H0751104Y2 JP 7546490 U JP7546490 U JP 7546490U JP 7546490 U JP7546490 U JP 7546490U JP H0751104 Y2 JPH0751104 Y2 JP H0751104Y2
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克彦 波平
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克彦 波平
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Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この考案はパチンコ機の施錠装置に係り詳しくはシリン
ダ錠の取付構造を改良した多重構造錠装置並びにシリン
ダ錠に関する。
〈従来の技術〉 従来、パチンコ機の前面には、パチンコ機の機枠に対し
開閉可能な表枠と、その表枠に対し開閉可能なガラス扉
枠とが設けられている。これらの枠は、表枠内側に装備
された施錠装置により常には施錠されて閉じられてお
り、シリンダ錠の解錠操作により、表枠,ガラス扉枠が
各々個別に開放できるようになつている。
このような施錠装置は、表枠内側に取付けられた基枠体
にねじ止めされたシリンダ錠と、シリンダ錠の錠軸に固
着されたカム板と、カム板に係合して各々個別に作動す
る表枠開閉用連結杆およびガラス扉枠開閉用昇降杆を備
えた施錠機構とを具備しており、上記連結杆は、カム板
の後方においてカム板と係合する被係合部を備えて形成
されている。
一般に、パチンコ機の表枠およびガラス扉枠は、点検調
節や球詰り等により開閉が頻繁に行われ、そのため施錠
装置においては、他の部品に比べて耐久性の小さいシリ
ンダ錠の損耗による交換の必要性が生ずる。また、キー
の紛失等による防犯上の理由により、新しいシリンダ錠
と交換を行う場合がある。
しかし、上述のような施錠装置では、シリンダ錠の交換
に際して連結杆が邪魔になり、連結杆を取外す等の面倒
な作業を必要としていた。そのため、長い連結杆を、主
体部分とそれに枢着されて外方へ回動可能に設けられた
回動部分とに分割して形成し、シリンダ錠交換時に、そ
の回動部分の掛止を外して外方へ回動させ、カム板後方
を開放するようにした装置が提案されていた(例えば実
開昭62-4386号公報参照)。
一方、パチンコ遊技場には、複数のメーカーで製造され
た多数台のパチンコ機が設備されており、遊技者はそれ
らのパチンコ機を選択して遊技できるようになつてい
る。
しかし、施錠装置のシリンダ錠およびその解錠用キー
は、各メーカーごとに専用のものが用いられており、従
つて、係員は常時複数個のキーを携帯する必要があつ
た。また、そのため表枠やガラス扉枠を開放するとき
に、該当するキーを捜すのに手間どり、解錠が迅速に行
えないという問題があつた。これに対処して、各パチン
コ機の施錠装置のシリンダ錠を作動させる専用キーを備
え、その専用キーと異なる共通キーにより作動する付加
錠を表枠の前面に取付けて、1個の共通キーで複数のメ
ーカーのパチンコ機を解錠することのできる付加錠装置
が提案されていた(例えば特開昭62-236573号公報参
照)。
〈考案が解決しようとする課題〉 しかし、上述のような従来構成の施錠装置においては、
例えば前者の構成の装置では、シリンダ錠交換時に、連
結杆に回動部分と主体部分との掛止を取外して、カム板
後方を開放する手間が必要であつた。そのため、交換作
業に比較的大きな工数を必要とし、交換数が多い場合に
は、交換のための工数が大きな負担になるという問題が
あつた。
また、後者の装置にあつては、シリンダ錠が施錠装置と
付加錠装置との二重になるので、総体のコストが高くな
るという問題があつた。
この考案は上記にかんがみなされたものであり、シリン
ダ錠の交換を容易に、かつ迅速に行うことができるとと
もに、パチンコ遊技場単位に複数のメーカーのパチンコ
機のシリンダ錠を経済的に統一して1個の共通キーで解
錠することのできる多重構造錠装置並びにシリンダ錠の
提供を目的としたものである。
〈課題を解決するための手段〉 この考案は上記目的を達成するためになされたものであ
り、 第1の考案の多重構造錠装置は、シリンダ錠と、そのシ
リンダ錠に回動されるカム板と、上記カム板の回動によ
り各々個別に作動可能に設けられた表枠開閉用連結杆お
よびガラス扉枠開閉用昇降杆を備えた施錠機構と、を具
備したパチンコ機の施錠装置において、上記シリンダ錠
は、錠ホルダを介して装着されるとともにパチンコ機表
枠の前面側よりその錠ホルダに装脱可能に構成されたこ
とを特徴とする多重構造錠装置である。
第2の考案のシリンダ錠は、パチンコ機の表枠の前面側
に開口した錠ホルダと、上記錠ホルダの後方側に回動可
能に支持されたカム板と、上記カム板の回動により表枠
開閉用連結杆およびガラス扉枠開閉用昇降杆を各々個別
に作動可能な施錠機構と、を備えたパチンコ機の施錠装
置用シリンダ錠であつて、錠軸の端部に、カム板への回
転を伝達する係合部を有するとともに、上記錠ホルダに
その開口部より装脱可能に構成されてなることを特徴と
するシリンダ錠である。
第3の考案において、上記シリンダ錠は、その軸線に平
行して移動可能に設けられるとともに一端部が該シリン
ダ錠後端面より突出するように付勢されたストツパーピ
ンと、該シリンダ錠外周部に突設された係合爪と、錠軸
の回転をカム板へ伝達する係合部とを備え、上記錠ホル
ダは、前端側が開口するとともに後端側に有底状の基板
部を有する筒状部と、上記基板部に設けられて上記シリ
ンダ錠のストツパーピンが嵌入可能なピン係合孔と、上
記筒状部の内面側に設けられて上記シリンダ錠の係合爪
と係合可能な係合突起と、上記シリンダ錠の係合部と係
合可能な被係合部を有するカム板を回動可能に支持する
カム軸受部と、を備えていて、上記シリンダ錠の錠ホル
ダへの挿入と該シリンダ錠全体の回動により、上記係合
爪が上記係合突起に係合し、かつ上記ストツパーピンが
ピン係合孔に嵌入されて上記シリンダ錠が錠ホルダに固
定可能に構成されてなることを特徴とする多重構造錠装
置である。
第4の考案において、上記シリンダ錠は、その軸線に平
行して移動可能に設けられるとともに一端部が該シリン
ダ錠後端面より突出するように付勢されたストツパーピ
ンと、該シリンダ錠外周部に突設された係合爪と、を備
えたことを特徴とするシリンダ錠である。
〈作用〉 この考案は、上記のように構成されたものであり、シリ
ンダ錠は、パチンコ機の表枠の前面側より錠ホルダに装
着されて取付けられる。
また、シリンダ錠は錠ホルダから分離されて、表枠の前
面側へ引出され取外される。
また、ストツパーピンと係合爪とを備えたシリンダ錠に
あつては、ピン係合孔と係合突起とを備えた錠ホルダへ
の挿入と、シリンダ錠全体の回動によりシリンダ錠が錠
ホルダに固定される。
〈実施例〉 以下、この考案の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図ないし第6図はこの考案の第1の実施例を示す。
図において1はパチンコ機の機枠であり、この機枠1の
前面に表枠2が開閉自在に設けられており、表枠2の前
面にはガラス扉枠6が開閉自在に設けられている。
表枠2の開放端部裏面には、錠ホルダ20およびカム板3
0,ならびに施錠機構40等からなる施錠装置が取付けられ
ている。そして、錠ホルダ20に装着されるシリンダ錠11
と、錠ホルダ20と、カム板30とを主体として多重構造錠
装置10が構成されている。
シリンダ錠11は、実施例では略円柱状に形成され、その
前端部外周にフランジ状に張出した前端部12を有してい
る。また、外周部には軸線に平行して1対の位置決め溝
13が形成されており、後端部の所定位置には固定用切欠
14が設けられている。シリンダ錠11の後端部には錠軸15
が突出しており、錠軸15にはカム板30の被係合部31と係
合する十字溝状の係合部16が形成されている。
錠ホルダ20は、シリンダ錠11が嵌入可能な筒状に形成さ
れており、外周の所定位置に、側方に突出されるととも
に取付孔21aを有する1対の取付用脚部21が設けられて
いる。また錠ホルダ20の内壁には、その軸線に平行して
位置決め溝13に嵌入可能な1対の突条22が形成されてお
り、後端部にシリンダ錠11を固定する固定用ねじ24のね
じ孔23が設けられている。
カム板30は、所定位置に連結杆用係合部30aおよび昇降
杆用係合部30bを備えて形成されている。カム板30の一
側には、その軸線を共通する軸孔31aを有し、かつシリ
ンダ錠11の係合部16と係合可能な十字突条状の被係合部
31が形成されている。このカム板30は、上記軸孔31aを
コ字状に形成されたカム板支持部材33に設けられた取付
軸34に外嵌し、止め輪36により回動可能に支持されてい
る。
施錠機構40は、実施例では表枠2開閉用の連結杆44とガ
ラス扉枠6開閉用の昇降杆46とを主体として構成され、
それらは断面L字状に形成された基枠体41に添つて各々
上下に摺動可能に設けられている。
連結杆44には、カム板30の連結杆用係合部30aと係合可
能な被係合部44aが形成されており、連結杆44の上下両
端部は、基枠体41に軸着された鉤片45,45の一端部に枢
着されている。
鉤片45,45は、表枠2が閉じられたとき、機枠1に設け
られた係合金具4,4にそれぞれ係合して施錠状態を保持
し、連結杆44の作動により鉤片45,45が揺動して解錠す
るように構成されている。
昇降杆46は、カム板30の昇降杆用係合部30bに係合可能
な被係合部46aと、ガラス扉枠6を開閉作動させる爪部
材47を備えて形成されている。
この連結杆44および昇降杆46は、それぞれコイルばね4
8,49により鉤片45および爪部材47を閉錠する方向に付勢
されている。
一方、基枠体41の前面部に相当する基板部41aには、所
定位置に錠ホルダ20およびカム板支持部材33を取付ける
ための錠ホルダ孔42,およびねじ孔43,43が形成されてい
る。そして錠ホルダ20の取付孔21a、およびカム板30を
枢着したカム板支持部材33の取付孔33aが重ね合わせら
れて、錠ホルダ孔42に錠ホルダ20が嵌入させるととも
に、取付けねじ37,37によりねじ孔43,43に緊締して基板
部41aに固定される。
これにより、多重構造錠装置10の錠ホルダ20,カム板30
と、施錠機構40とが一体的に構成される。そして、カム
板30の連結杆用係合部30aおよび昇降杆用係合部30bは、
連結杆44の被係合部44aおよび昇降杆46の被係合部46aと
各々係合可能な相対位置に配置されて閉錠状態にある。
カム板30の回動による解錠操作時には、連結杆用係合部
30aと被係合部44aとが係合して連結杆44が作動し、また
は、昇降杆用係合部30bと被係合部46aとが係合して昇降
杆46を作動させ、それぞれを解錠状態とする。また、カ
ム板30の原位置への復帰による解錠操作終了時には、連
結杆44,昇降杆46はコイルばね48,49の付勢力により、各
々原位置へ自動的に復帰するように構成されている。
上記錠ホルダ20およびカム板30を取付けた施錠機構40
は、表枠2の所定位置に穿設された貫通孔3と錠ホルダ
20の両軸線を共通にして、表枠2の裏面側にねじ止めし
て取付けられる。
このように構成された施錠装置の多重構造錠装置10に、
シリンダ錠11が表枠2の前面側より装着される。即ち、
錠ホルダ20の前面開口より、その突条22,22にシリンダ
錠11の位置決め溝13,13を合わせて嵌入する。シリンダ
錠11が最も深く嵌入されたとき、その前端部12が錠ホル
ダ20の前端に当接し、係合部16とカム板30の被係合部31
とが係合状態となる。そして固定用ねじ24の緊締により
シリンダ錠11は錠ホルダ20に固定される。
解錠操作は、シリンダ錠11の鍵孔17にキー8を挿入して
行われる。このキー8の回動に伴つて錠軸15が回動し、
その回動は係合部16,被係合部31を介してカム板30へ伝
達される。そして、カム板30の時計方向または反時計方
向への回動により、連結杆用係合部30aと連結杆44の被
係合部44a,または昇降杆用係合部30bと昇降杆46の被係
合部46aとが係合する。これにより連結杆44または昇降
杆46が摺動し、鉤片45または爪部材47を作動させ、表枠
2またはガラス扉枠6が解錠される。
一方、損耗等のためシリンダ錠11を取換える場合は、シ
リンダ錠11を固定している固定用ねじ24を緩め、シリン
ダ錠11を表枠2の前方側へ引出す。このとき、シリンダ
錠11の係合部16とカム板30の被係合部31との係合は自動
的に解除され、シリンダ錠11は錠ホルダ20から取外され
る。
次いで、新しいシリンダ錠11を、上記装着手順と同様に
錠ホルダ20に装着することにより取換えが完了する。
次に、シリンダ錠の他の実施例を、第7図ないし第10図
を参照して説明する。
この第2の実施例におけるシリンダ錠111は、略円筒状
の錠基体112と、錠基体112の後部に固着された固定部材
113と、固定部材113の前部に軸支された回動部材117等
を備えている。錠基体112の後端部外周は一段と縮径さ
れた後端部112aが形成されている。固定部材113には所
定位置に軸線に平行して軸受部115,および固定用ねじ孔
116が設けられており、その外周には位置決め突条114が
突設されている。回動部材117は軸受部115に軸支される
錠軸118を有し、錠軸118の後端部には角柱状の係合部11
9が設けられている。そして、回動部材117を軸支した固
定部材113は、その位置決め突条114を錠基体112の切欠
部112bに係合の上、錠基体112に一体的に固定され、こ
のとき錠軸118の係合部119後端部は軸受部115内に位置
している。
次に、シリンダ錠111を装着可能な錠ホルダ120並びにカ
ム板130を説明する。
錠ホルダ120は、第10図に示すように、前端部が開口
し、後端部に有底状部を有する少なくとも内面が円筒状
に形成されており、その有底状部がカム板支持部121と
して構成されている。
カム板支持部121には、その中央部にカム軸131を軸支す
るカム軸受部122,およびシリンダ錠111固定用の錠固定
孔123が穿設されている。また、錠ホルダ120の外周の所
定位置には、側方に突出し、かつ取付孔を有する1対の
取付用脚部125が設けられており、筒状部の所定位置に
は、その軸線に平行して位置決め突条114が嵌入可能な
位置決め溝126が形成されている。
カム板130は、所定位置に連結杆用係合部130aおよび昇
降杆用係合部130bを備え、カム板軸心には、カム軸131
取付けのための軸係合孔130cが穿設されている。カム軸
131は、上記軸係合孔130cに係合する係合部131aを有
し、カム軸131の先端部には、シリンダ錠111の係合部11
9と係合可能な角穴状の被係合部132が形成されている。
このカム板130およびカム軸131は、カム軸受部122に回
動可能に支持されている。
このカム軸受部122にカム軸131を嵌入し、その後方側へ
突出したカム軸131の係合部131aに、カム板130の軸係合
孔130cが係合される。そして係合部131aのかしめによ
り、カム板130がカム軸131に固着されるとともに、カム
板130が錠ホルダ120に軸着される。このとき、被係合部
132は錠ホルダ120内に位置し、また、錠固定孔123軸線
の後方には他部材がなく開放状態となつている。
このカム板130を回動可能に支持した錠ホルダ120は、施
錠機構40の基枠体41に取付けられる。
このとき、カム板130の連結杆用係合部130aおよび昇降
杆用係合部130bは、連結杆44の被係合部および昇降杆46
の被係合部と各々係合可能な相対位置に配置される。
そして、シリンダ錠111は、表枠2の前面側より錠ホル
ダ120に装着される。即ち、錠ホルダ120の前面開口よ
り、その位置決め溝126にシリンダ錠111の位置決め突条
114を合わせて嵌入する。シリンダ錠111が最も深く嵌入
されたとき、その後端部112aの段部が錠ホルダ120の前
端に当接し、係合部119とカム板130の被係合部132とが
係合して連結状態となる。そして錠ホルダ120の錠固定
孔123よりシリンダ錠111の固定用ねじ孔116への錠固定
ねじ127の緊締によつて、シリンダ錠111が錠ホルダ120
に固定される。
第11図ないし第17図はこの考案の第3の実施例を示し、
シリンダ錠の装脱に特定の工具を必要としない点に特徴
を有する。
この第3実施例におけるシリンダ錠211は、その後端面
より突出するように付勢されたストツパーピン218と、
外周部に突設された一対の係合爪221と、錠軸228の回転
を伝達する係合部229等を備えて構成されている。
また、シリンダ錠211に対応する錠ホルダ230は、前端側
が開口するとともに基板部232を有する筒状部231と、ス
トツパーピン218が嵌入可能なピン係合孔234と、一対の
係合爪221に各々係合可能な一対の係合突起236と、カム
板240を回動可能に支持するカム軸受部233等を備えて構
成されている。
シリンダ錠211は、略円筒状の錠基体212と、錠基体212
の後部内側に固着された固定部材215と、固定部材215の
前部に軸支された回動部材227等を備えている。錠基体2
12の後端部外周は一段と縮径された後端部213が形成さ
れており、後端部213には一対の切欠213aと、中央部迄
延びた切欠部212aとが形成されている。
固定部材215の所定位置には、錠基体212外周と同径の突
起部216が形成されている。突起部216内には、シリンダ
錠212の軸線方向に延びるピン用穴(図符号省略)が穿
設されており、そのピン用穴には、ばね220より後方へ
付勢されたストツパーピン218が内装されている。スト
ツパーピン218は、その頭部をスプリングピン219により
規定されており、常には後方端がシリンダ錠211の後端
面より突出するように形成されている。
また固定部材215の外周部の所定位置には、後端部213の
外径と同径となるような一対の係合爪221が突設されて
いる。回動部材227は固定部材215に軸支された錠軸228
を有し、錠軸228の後端部には角柱状の係合部229が設け
られている。
そして、回動部材227を軸支した固定部材215は、錠基体
212内に内装されて固着される。固定部材215が固着され
たとき、一対の係合爪221と一対の切欠213aとの嵌合に
より、一対のL字状溝222を形成し、突起部216と切欠部
212aとの嵌合により、固定部材215の錠基体212に対する
位置決めが行われている。
錠ホルダ230は、第14図,第15図に示すようにシリンダ
錠211の後端部213が嵌入可能な略筒状に形成された筒状
部231を備えている。
筒状部231の前端部は開口し、後端部は有底状に形成さ
れるとともに取付用脚部を形成する基板部232が設けら
れている。基板部232の所定位置には、ストツパーピン2
18が嵌入可能なピン係合孔234が穿設され、中央部には
カム軸受部233が設けられている。
また筒状部231には、シリンダ錠211の突起部216が嵌入
される切欠部235が設けられており、更に、筒錠部231内
面側の所定位置には、L字状溝222と嵌合して係合爪221
に係合可能な一対の係合突起236が突設されている。
カム軸受部233には、カム板240のカム軸241が軸支され
ている。カム板240は、連結杆用係合部240aおよび昇降
杆用係合部240bを備え、カム板軸心にはカム軸241が固
着されている。カム軸241の先端は、筒状部231内側にお
いてシリンダ錠211の係合部229と係合可能な角穴状の被
係合部242が形成されている。なお、ピン係合孔234軸線
の後方には他部材がなく開放状態となつている。
このように構成された錠ホルダ230は、第16図に示すよ
うに表枠2に取付けられた基枠体の基板部41aに固定さ
れる。
そして、シリンダ錠211は、表枠2の前面側より錠ホル
ダ230へ装着される。即ち、第17図に示すように、筒状
部231の前端側開口よりシリンダ錠211の後端部213を挿
入する。このとき、シリンダ錠211の突起部216,L字状溝
222,222は、各々、筒状部231の切欠部235,係合突起236,
236と嵌合して前進する。
そして、ストツパーピン218が基板部232に当接すると、
上記挿入力によりストツパーピン218はばね220を圧縮
し、その後方端はついにはシリンダ錠211の後端面と面
一になる。
このとき、係合突起236はL字状溝222の屈曲部に相対し
て位置しており、係合部229と被係合部242とは係合状態
にある。
次いで、シリンダ錠211全体を所定方向に回動させる
と、ストツパーピン218はピン係合孔234上に到達し、ス
トツパーピン218はばね220の付勢力によりピン係合孔23
4内へ突出して係合する。
また、係合突起236はL字状溝222の屈曲部より円周方向
に移動して、係合突起236と係合爪221とはシリンダ錠21
1の軸線方向に係合する。この両係合により、シリンダ
錠211は回転方向および軸線方向の位置決めが行われ
て、錠ホルダ230に固定される。
一方、シリンダ錠211を取換える場合は、基板部232の後
方よりピン係合孔234内へ細い線状部材(またはドライ
バーの先端等)を挿入し、ストツパーピン218後方端を
押圧する。
そして、その後方端がピン係合孔234を外れたとき、シ
リンダ錠211全体を挿入時の逆方向に回動させる。この
回動により、ストツパーピン218はピン係合孔234上より
外れ基板部232上を摺動し、係合突起236と係合爪221と
の係合は解除される。
そして、シリンダ錠211を錠ホルダ230の前方側へ引出
す。このとき、係合部229と被係合部242との係合は自動
的に解除される。
なお、この考案は上述の説明および図例に制限されるこ
となく、この考案の技術的思想から逸脱しない範囲にお
いて、その実施態様を変更することができる。例えば、
シリンダ錠は、シリンダ錠の外周部に止め輪またはU字
状ばねにより挟持して、錠ホルダへ固定するようにして
もよい。
また、カム板はカム板支持部材の後方側に配設し、その
被係合部がカム板支持部材の前方側でシリンダ錠の係合
部と係合するようにしてもよい。
また、この多重構造錠装置は、表枠の裏面側に直接また
は台板を介して取付け、そのカム板を施錠機構と係合さ
せるように構成したものであつても同様の作用効果を奏
する。
〈考案の効果〉 この考案による多重構造錠装置は以上のような構成より
なるものであり、シリンダ錠は表枠の前面側より錠ホル
ダに嵌入することにより装着でき、また、前面側へ引出
すことにより取出すことができる。
従つて、従来例のように、シリンダ錠交換の都度連結杆
の回動部分と主体部分との掛止めを外し、更に外方へ回
動させてカム板後方を開放する手間を省くことができ
る。そのため、シリンダ錠の交換を容易に、かつ迅速に
行うことができ、交換のための工数を低減して経済的効
果をあげることができる。
また、ストツパーピンと係合爪とを備えたシリンダ錠に
あつては、シリンダ錠の交換作業を、特定の工具を用い
ることなく極めて迅速,容易に行うことができる。
更に、この多重構造錠装置並びにシリンダ錠によれば、
容易に同一規格のシリンダ錠を装備することができ、各
社のパチンコ機のシリンダ錠を、パチンコ遊技場単位で
容易に、かつ経済的に統一することができる。従つて1
個の共通キーにより異なつたメーカーの多数台のパチン
コ機を解錠して、解錠作業を迅速,容易に行うことがで
きる。
このように、本考案の多重構造錠装置並びにシリンダ錠
によれば、シリンダ錠交換の容易性とともに遊技場単位
でのシリンダ錠の統一を容易に実現して、経済性,サー
ビス性の向上、および紛失キーを用いた不正行為を防止
することができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案の実施例の多重構造錠装置の側断面
図、 第2図は同じくシリンダ錠の装着状態を示す側断面図、 第3図は多重構造錠装置を分解して示す斜視図、 第4図は多重構造錠装置と施錠機構との関係を説明する
斜視図、 第5図は多重構造錠装置が取付けられた施錠機構を示す
斜視図、 第6図はパチンコ機の表枠を開いて裏面側から見た斜視
図、 第7図はシリンダ錠の第2の実施例の側断面図、 第8図は同じく背面図、 第9図は同じく正面図、 第10図は同じくシリンダ錠,錠ホルダ,カム板を分解し
て示す斜視図、 第11図ないし第17図はこの考案の第3の実施例を示し、 第11図はシリンダ錠の側面図、 第12図は同じく側断面図、 第13図は同じく背面図、 第14図は錠ホルダの側断面図、 第15図は同じく正面図、 第16図はシリンダ錠の装着状態を示す側断面図、 第17図は錠ホルダへのシリンダの装着を示す説明斜視図
である。 2……表枠、10……多重構造錠装置、11,111,211……シ
リンダ錠、15,118,228……錠軸、16,119,229……係合
部、20,120,230……錠ホルダ、30,130,240……カム板、
40……施錠機構、218……ストツパーピン、221……係合
爪、231……筒状部、233……カム軸受部、234……ピン
係合部、236……係合突起、242……被係合部。

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダ錠と、 そのシリンダ錠に回動されるカム板と、 前記カム板の回動により各々個別に作動可能に設けられ
    た表枠開閉用連結杆およびガラス扉枠開閉用昇降杆を備
    えた施錠機構と、を具備したパチンコ機の施錠装置にお
    いて、 前記シリンダ錠は、錠ホルダを介して装着されるととも
    にパチンコ機表枠の前面側よりその錠ホルダに装脱可能
    に構成されたことを特徴とする多重構造錠装置。
  2. 【請求項2】パチンコ機の表枠の前面側に開口した錠ホ
    ルダと、 前記錠ホルダの後方側に回動可能に支持されたカム板
    と、 前記カム板の回動により表枠開閉用連結杆およびガラス
    扉枠開閉用昇降杆を各々個別に作動可能な施錠機構と、
    を備えたパチンコ機の施錠装置用シリンダ錠であつて、 錠軸の端部に、カム板への回転を伝達する係合部を有す
    るとともに、 前記錠ホルダにその開口部より装脱可能に構成されてな
    ることを特徴とするシリンダ錠。
  3. 【請求項3】前記シリンダ錠は、その軸線に平行して移
    動可能に設けられるとともに一端部が該シリンダ錠後端
    面より突出するように付勢されたストツパーピンと、 該シリンダ錠外周部に突設された係合爪と、 錠軸の回転をカム板へ伝達する係合部とを備え、 前記錠ホルダは、前端側が開口するとともに後端側に有
    底状の基板部を有する筒状部と、 前記基板部に設けられて前記シリンダ錠のストツパーピ
    ンが嵌入可能なピン係合孔と、 前記筒状部の内面側に設けられて前記シリンダ錠の係合
    爪と係合可能な係合突起と、 前記シリンダ錠の係合部と係合可能な被係合部を有する
    カム板を回動可能に支持するカム軸受部と、を備えてい
    て、 前記シリンダ錠の錠ホルダへの挿入と該シリンダ錠全体
    の回動により、前記係合爪が前記係合突起に係合し、か
    つ前記ストツパーピンがピン係合孔に嵌入されて前記シ
    リンダ錠が錠ホルダに固定可能に構成されてなることを
    特徴とする請求項1記載の多重構造錠装置。
  4. 【請求項4】前記シリンダ錠は、その軸線に平行して移
    動可能に設けられるとともに一端部が該シリンダ錠後端
    面より突出するように付勢されたストツパーピンと、 該シリンダ錠外周部に突設された係合爪と、 を備えたことを特徴とする請求項2記載のシリンダ錠。
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