JPH0750997A - 動物の成長促進物質及び飼料 - Google Patents

動物の成長促進物質及び飼料

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JPH0750997A
JPH0750997A JP5217091A JP21709193A JPH0750997A JP H0750997 A JPH0750997 A JP H0750997A JP 5217091 A JP5217091 A JP 5217091A JP 21709193 A JP21709193 A JP 21709193A JP H0750997 A JPH0750997 A JP H0750997A
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JP
Japan
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glucosamine
feed
animal
substance
growth
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JP5217091A
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Inventor
Yoshiharu Matahira
芳春 又平
Mitsuaki Kawaguchi
光朗 川口
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Yaizu Suisan Kagaku Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Yaizu Suisan Kagaku Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安全性が高く、安価で、しかも効果的な動物
の新規成長促進物質及びそれを配合した飼料を提供す
る。 【構成】 キチン又はキトサンを完全加水分解して得ら
れる、D−グルコサミン及び/又はその塩を、単独又は
2種類以上混合して、動物や鳥類に直接投与するか、あ
るいは飼料に配合して投与する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は補乳類、鳥類などの動物
の成長を促進する成長促進物質及びそれを配合した飼料
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、豚、牛、馬、鳥等の、経済動
物や家禽類に対する成長促進効果が期待される飼料添加
剤として、各種ビタミンあるいは総合ビタミン剤や、肝
臓末、胆汁末等の臓器製剤、リパーゼ、プロテアーゼ、
ジアスターゼ等の消化酵素製剤、及び各種ホルモン剤な
どが知られている。また、最近では、強肝作用、健胃作
用、ビタミン補強作用、食味改善作用等を有すると言わ
れる植物、海藻成分や、抗菌性があると考えられている
植物、菌体成分など、多用な添加剤が製品化され、市販
されている。
【0003】上記のうち、ビタミン類では、パントテン
酸と、ビタミンCが、特に効果が明らかなものである。
パントテン酸は、食欲と成長に関与し、抗ストレス作用
を有するといわれるビタミンであり、ビタミンCは酸化
防止、抗病性増強に効果があるといわれている。しかし
ながら、パントテン酸及びビタミンCは、いずれも熱に
対して不安定であり、加熱工程を有するペレット型飼料
に添加すると、添加量中かなりの部分が分解されてしま
う。また、ビタミンCは自身還元性であるため、酸化に
より効力を失ってしまう。
【0004】また、消化酵素製剤も、ビタミン類と同様
に熱により失活するため使用が制限される他、高価であ
るという欠点がある。
【0005】臓器製剤で代表的なものは胆汁末であり、
適当量の添加により、動物の食欲が増し成長が良くな
る。しかしながら、投与量が多すぎたり、長期投与にな
ると、痩せすぎたりする試験例もあり、投与量や投与時
期に慎重さが要求される。
【0006】植物、海藻成分としては、ニンニク、タマ
ネギ、甘草、コンブ等の粉末又は抽出物があり、また、
これらに近いものとして、酵母や細菌の菌体や、その加
工物がある。しかしながら、これらはいずれも組成成分
が明確でなく、また、おおむね高分子物質であるため、
動物体内で消化吸収されにくい。更に、その作用機作も
不明瞭であり、効果が疑問視されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、安
全性が高く、安価で、しかも効果的な動物の新規成長促
進物質及びそれを配合した飼料を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため、鋭意研究した結果、D−グルコサミン
及びその塩に、動物の成長促進効果があることを見出
し、本発明を完成させるに至った。
【0009】すなわち、本発明の一つは、D−グルコサ
ミン及びその塩から選ばれた少なくとも1種からなる動
物の成長促進物質を提供するものである。
【0010】また、本発明のもう一つは、D−グルコサ
ミン及びその塩から選ばれた少なくとも1種が配合され
ている飼料を提供するものである。
【0011】以下、本発明について、好ましい態様を挙
げて更に詳細に説明する。
【0012】本発明による動物の成長促進物質は、D−
グルコサミン及びその塩から選ばれた少なくとも1種か
らなる。ここで、D−グルコサミンは、下記化1で示さ
れる化合物である。
【0013】
【化1】
【0014】また、D−グルコサミンの塩としては、塩
酸塩、硫酸塩等の無機酸塩や、酢酸塩、乳酸塩、ギ酸塩
等の有機酸塩などが挙げられる。
【0015】D−グルコサミンはカニ、エビ等の甲殻類
の殻を脱灰、除蛋白して得られる多糖類キチン、あるい
はその脱アセチル化誘導体であるキトサンを、完全加水
分解することにより得ることができる。
【0016】キチンは上述のカニ、エビの他、コオロ
ギ、カブトムシ等の甲虫類、菌体細胞壁構成成分として
も存在しており、その生物生産量は年間1,000億ト
ンとも推定される豊富なバイオマス資源である。また、
キトサンはキチンを濃アルカリ中で加熱処理することに
より脱アセチル化して得られ、現在、主として排水中の
活性汚泥凝集剤として国内で年間約500トン生産され
ている。
【0017】D−グルコサミンは、上記キチン又はキト
サンを塩酸、酢酸、ギ酸等の酸とともに加熱して完全加
水分解し、次いで酸を除去するか、又は中和、脱塩した
のち、結晶化、更には乾燥粉末化して得ることができ
る。また、キトサンを希酸に溶解後、キトサナ−ゼ、D
−グルコサミニダ−ゼ等のキトサン分解酵素により完全
加水分解する方法によって得ることもできる。
【0018】こうして得られたD−グルコサミン及び/
又はその塩を、単独又は2種類以上混合して、動物や鳥
類に直接投与するか、あるいは飼料に添加して投与する
ことにより、投与しない場合と比較して、体重が増加す
るなどの成長促進効果が認められる。D−グルコサミン
及び/又はその塩を投与する動物としては、豚、牛、
馬、鶏などの家畜類、鳥、犬、猫などのペット類など挙
げられる。更に、本発明の成長促進物質は、人間に対し
ても効果が期待でき、本発明における動物とは、人間を
も含めた意味である。
【0019】また、投与量は動物や鳥の種類、投与時
期、飼料の種類等により異なるが、体重1kg当たり、
D−グルコサミンとして10mg〜10gが好ましく、
飼料添加量としては0.01%〜10%程度が好まし
い。
【0020】飼料への添加方法に制限はなく、粉末のま
ま添加する方法、水溶液として添加する方法など、いず
れを用いてもよい。また、ベースとなる飼料は、特に制
限はないが、例えばトウモロコシ粉、小麦粉、大豆粉、
ふすま、脱脂粉乳、粉末油脂などの有機栄養源の他、炭
酸カルシウム、リン酸二石灰などの無機栄養源、塩酸L
リジン、DL−メチオニンなどのアミノ酸類、ビタミン
ADEプレミックス、ビタミンB群プレミックスなどの
ビタミン類などを含むものが使用される。
【0021】
【作用】本発明の動物の成長促進物質であるD−グルコ
サミン及びその塩は、天然に豊富に存在する多糖類を原
料とし、比較的簡単な工程で製造できるので、製造コス
トが安価であるという利点がある。
【0022】また、D−グルコサミンは厚生省生活衛生
局食品化学課出版の「化学的合成品以外の食品添加物リ
スト」に増粘剤として収載されており、安全性の高い物
質といえる。このため、豚、牛、馬、鶏などの家畜類、
鳥、犬、猫などのペット類、更には人間などの各種の動
物に適用することができる。
【0023】更に、D−グルコサミン及びその塩は、容
易に水に溶解するため、経口、静注、筋注等の各種の投
与方法を採用することができ、また、飼料への添加、配
合も容易である。
【0024】更にまた、D−グルコサミン及びその塩
は、熱にも比較的安定であるので、加熱工程を要するよ
うな飼料にも適用することができる。
【0025】
【実施例】
実施例1(D−グルコサミンの製造方法(1)) カニ甲殻を起源とするキチン100gに対し、濃塩酸
(12N)400mlを加え、沸騰湯浴中にて3時間撹
拌したのち、水400mlを加えて反応を終了させ、フ
ィルタ−ろ過により不溶物を除去した。次に、活性炭1
0gを添加して1時間撹拌することで脱色し、フィルタ
−ろ過により活性炭を除去して、分解脱色液720ml
を得た。この脱色液を、塩酸を溜去させながら減圧濃縮
し、粗結晶を析出させた。次いで、粗結晶をフィルタ−
ろ過により回収し、少量の水で洗浄後500mlの温水
に溶解して再度濃縮し、再結晶化した。こうして得られ
た結晶を、フィルタ−ろ過により回収し、水洗後、真空
乾燥して、D−グルコサミン塩酸塩(純度99%)62
gを得た。
【0026】実施例2(D−グルコサミンの製造方法
(2)) べにずわいがにの甲殻300gを1.5N塩酸2000
mlに浸し、沸騰湯浴中で1時間加熱した後、水洗、乾
燥して、脱灰カニ殻115gを得た。この脱灰カニ殻に
対し、濃塩酸400mlを加え、沸騰湯浴中にて3時間
撹拌したのち、水400mlを加えて反応を終了させ、
フィルタ−ろ過により不溶物を除去した。次に、活性炭
10gを添加して1時間撹拌することで脱色し、フィル
タ−ろ過により活性炭を除去して、分解脱色液760m
lを得た。この脱色液を、電気透析機(徳山曹達株式会
社製、「TS−2−10」型)により脱塩し、脱塩液5
90mlを得た。この脱塩液に、デキストリン250g
及び水2000mlを加え、噴霧乾燥して、グルコサミ
ン塩酸塩粉末(D−グルコサミン含量18.6%)31
5gを得た。
【0027】実施例3(ラットの飼育試験) ラット飼育用基礎飼料(「CE−2」、粉餌、日本クレ
ア株式会社製)に対し、実施例1で得たD−グルコサミ
ン塩酸塩を5水準(0.025%、0.05% 、0.1%、0.2%、0.4
%)添加した試験区と、D−グルコサミン無添加の対照
区との計6区画を設定し、各区に体重が近似した供用ラ
ット(株式会社日本医化学動物資材研究所生産の3週齢
のWistar系雄ラット)6頭ずつを配して、4週間飼育し
た。飼料は自由摂取させて、その間の増体重、飼料摂取
量を調査した。その結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】表1に示されるように、対照区に比べて各
試験区は、増体重、飼料摂取量ともに大きくなってお
り、特に、0.05% 〜0.1%添加区で顕著であった。
【0030】実施例4(子豚用配合飼料の調製) 子豚用飼料として、下記表2に示した配合にて、D−グ
ルコサミン含有配合飼料を調製した。
【0031】
【表2】
【0032】実施例5(鶏用配合飼料の調製) 鶏用飼料として、下記表3に示した配合にて、D−グル
コサミン含有配合飼料を調製した。
【0033】
【表3】
【0034】実施例6(牛用配合飼料の調製) 牛用飼料として、下記表4に示した配合にて、D−グル
コサミン含有配合飼料を調製した。
【0035】
【表4】
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
D−グルコサミン及び/又はその塩を用いることによ
り、補乳類、鳥類などの動物の成長を促進する効果を有
する物質を提供することができる。この物質は、安全性
が高く、安価で、しかも優れた成長促進効果を有するこ
とから、豚、牛、馬、鶏などの家畜類、鳥、犬、猫など
のペット類、更には人間などの各種の動物の成長促進物
質として用いることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 D−グルコサミン及びその塩から選ばれ
    た少なくとも1種からなることを特徴とする動物の成長
    促進物質。
  2. 【請求項2】 D−グルコサミン及びその塩から選ばれ
    た少なくとも1種が配合されていることを特徴とする飼
    料。
JP5217091A 1993-08-09 1993-08-09 動物の成長促進物質及び飼料 Pending JPH0750997A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012100673A (ja) * 2003-07-03 2012-05-31 Hill's Pet Nutrition Inc コンパニオン動物における精神活動の加齢劣化を減少させる組成物及び方法
CN104642735A (zh) * 2013-11-15 2015-05-27 中国科学院过程工程研究所 一种饲料用复合糖制剂及含其饲料和应用
CN107410708A (zh) * 2017-05-27 2017-12-01 北京市农林科学院 氨基葡萄糖在用以提高家畜的生产性能中的应用
KR20210111045A (ko) * 2020-03-02 2021-09-10 주식회사 아이비알 반려동물 맞춤형 식수 자동 공급 시스템

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