JP4056099B2 - 水生動物の寄生生物性疾患の予防および治療剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、水生動物の寄生生物性疾患の予防および治療剤に関するものである。さらに詳しくは、この発明は、養殖魚介類、観賞用魚類等の水生動物に寄生する生物によってそれらの水生生物に発生する各種疾病を予防および治療する薬剤に関するものである。
【0002】
なお、以下の説明において、抗菌活性とは、細菌、ウイルス等の微生物を静菌または殺菌する作用のことであり、寄生生物とは、細菌、ウイルス等の微生物以外の水生動物に寄生する生物のことである。
【0003】
【従来の技術】
水生動物は、本来広い水域に生息しているが、観賞魚類、養殖魚類、養殖甲殻類等は、その経済性の観点から、狭い範囲の水域において高密度で飼育されている。このような環境下では、いったん伝染性の寄生生物が発生した場合、寄生生物による感染症が飼育群全体に蔓延し、成長の遅延による収量の低下および歩留りの低下をきたし、飼育動物が全滅するほどの致命的な被害を招来する場合もある。
【0004】
さらに、近年普及してきた飼育水の循環方式を採用している飼育池においては、被害が全ての池に蔓延し、その根絶が極めて困難な状態となっている。特に、稚魚は感染に対する防御力が脆弱なため、その飼育環境における伝染性の寄生生物の発生には細心の注意が必要とされている。
従来、病原性細菌による水生動物の感染症に対しては、種々の抗生物質が使用されているが、抗生物質は、食品衛生法の規定によりその使用が制限され、魚体内の残留が許可されないので、出荷前に一定の休薬期間を設ける等の処置を採用せざるを得ない。
【0005】
これに対して、原虫、寄生虫等の寄生による水生動物の感染症の治療には、従来より、次のような技術が知られている。
(1)淡水浴法および濃塩水浴法(引用文献1)
(2)ホルマリン、氷酢酸等による薬浴法(引用文献2)
(3)過酸化水素による浴治療法(引用文献3)
(4)塩過酸化物による浴治療法(引用文献4および5)
(5)トリフェニルメタンの誘導体、アクリジンの誘導体等の殺生物性または防腐性の活性染料による浴治療法(引用文献6の「従来の技術」欄に開示)
(6)サルファ剤(引用文献7)
(7)ニトロフラゾン製剤(引用文献7)
(8)有機リン製剤(引用文献7)
(9)キノリン誘導体、第4級アンモニウム塩、銀の塩、銅の塩、金属コロイド、ニトロフラゾン類、ニトロチアゾール類等の抗寄生生物活性物質による浴治療法(引用文献6の「従来の技術」欄に開示)
一方、哺乳動物の乳汁に含有されているラクトフェリンには、抗菌活性があり、各種微生物に対して静菌作用、殺菌作用を呈することが公知であって、飲食品、医薬品、化粧品、飼料等に利用されており(引用文献8〜16)、養殖水生動物の病原菌感染予防および治療にも使用されている(引用文献17)。
【0006】
また、各種の生理的効果を有するペプチドが知られており、微生物に対する抗菌作用を有するペプチドも多数報告されている(引用文献18〜35)。
この発明の発明者等も、ラクトフェリンを蛋白分解酵素で加水分解した分解物、この分解物から単離したペプチド、およびこれらのペプチドと同一のアミノ酸配列を有する合成されたペプチドが、各種微生物に対する抗菌活性を有することを見出し、既に特許出願している(引用文献36〜40)。特に、引用文献38は、抗菌性ペプチドを極微量[0.000042%(重量)]含有する養鰻用飼料を開示している(引用文献38の実施例13)。ただし、このような飼料の場合にも、その有効性は細菌、ウイルス等の微生物に限られたものであった。
【0007】
このような現状において、この発明の発明者等は、ラクトフェリン、その加水分解物、その加水分解物から分離されたペプチド、それらのペプチドと同一のアミノ酸配列を有する合成ペプチド、またはそれらの2以上の混合物が、寄生生物による水生動物の感染症に有効であることを見出し、既に特許出願している(引用文献41:以下、先願発明と記載する。)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
水生動物への寄生生物の寄生による感染症を効果的に予防すること、または水生動物に寄生した寄生生物による感染症を有効に治療することは、ペット業界および特に収量・歩留りがその生産性に多大な影響を及ぼす水産業界にとって極めて重要である。しかしながら、前記従来技術には、原虫、寄生虫等の寄生による水生動物感染症の治療という観点からは次のような問題があった。
a)前記(1)について
処理水の塩濃度が飼育している水と異なり、魚の生態に望ましくない影響がある。
b)前記(2)について
持続時間が短く、薬剤使用量の許容範囲が狭く、かつ使用する薬剤に毒性がある。
c)前記(3)および(4)について
飼育水がアルカリ性を呈し、海水に難溶性であり、使用時危険である。
d)前記(5)について
皮膚中および内部の寄生虫に無効であり、多量の物質が必要であり、水が着色する。
e)前記(6)および(7)について
観賞魚類にのみ適用できるが、大規模な養殖には適用できない。
f)前記(8)について
劇薬であり、他の物質との併用を避ける必要がある。
g)前記(9)について
皮膚中および内部の寄生虫に無効であり、多量の物質が必要である。
【0009】
一方、先願発明は、前記a)〜g)の問題点を解消し、寄生生物による水生動物の感染症を安全かつ有効に予防および治療することのできる薬剤を提供した。
この発明は、従って、この発明の発明者等による先願発明をさらに発展応用させ、寄生生物による水生動物の感染症に対して一層安全、かつ有効な予防剤および治療剤を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明の発明者等は、先願発明を発展応用するために、水生動物の寄生生物性疾患予防および治療剤について鋭意研究を行っていたが、ラクトフェリン類、ラクトフェリン類の加水分解物、この加水分解物から分離されたペプチド、これらのペプチドと同一のアミノ酸配列を有する合成されたペプチド、およびこれらの2種以上の混合物からなる群より選択された化合物と、他の感染防御物質とを組合わせて投与することにより、それぞれを単独に投与した場合に比較して、寄生生物による水生動物の感染症の予防および治療に極めて高い効果があることを見い出し、この発明を完成した。
【0011】
すなわち、この発明は、上記の課題を解決するものとして、 以下の(A)〜(C)において、(A)及び(B)、または(A)、(B)、及び(C)からなる有効成分を含有する水生動物の寄生生物性疾患の予防および治療剤を提供する。
(A)ラクトフェリン
(B)リゾチーム、キチン、及びカードランからなる群より選択された感染防御物質
(C)ラクトパーオキシダーゼ
【0013】
【発明の実施の形態】
次にこの発明について詳しく説明する。なお、以下の説明において、百分率は特に断りのない限り重量による値である。
この発明の予防および治療剤を適用することのできる水生動物は、たとえばウナギ、フナ、ブリ(ハマチ)、マダイ、クロダイ、ヒラメ、ギンザケ、ニジマス、コイ、アユ、マアジ、シマアジ、フグ、カンパチ、ティラピア、スズキ、アマゴ、ヤマメ、イワナ、ドジョウ、カワハギ等の養殖魚類、エビ、カニ等の甲殻類、錦鯉、金魚、熱帯魚等の観賞魚類等である。
【0014】
また、この発明の予防および治療剤が有効に作用する寄生生物は、たとえばコスティア、クリプトリア、トリコディナ等の鞭毛虫類、キロドネラ、エピスティルス、白点等の繊毛虫類、エクソボルス、グルギア等の胞子虫類、ギロダクチルス、ダクチロギルス、ベネデニア、ヘテラキシネ、ビバギナ等の吸虫類等である。
【0015】
なお、この発明の予防および治療剤は、水生動物用の薬品であってもよく、または水生動物用の飼料に添加したものであってもよい。
また、この発明の予防および治療剤の投与方法は特に制限されないが、水生動物用飼料に添加配合するなどして、餌とともに摂取させるのが、経済的にも望ましい。
【0016】
この発明に使用するラクトフェリン類は、市販のラクトフェリン、哺乳動物(例えば、ヒト、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ウマ等)の初乳、移行乳、常乳、末期乳等、またはこれらの乳の処理物である脱脂乳、ホエー等から常法(例えば、イオン交換クロマトグラフィー等)により分離したラクトフェリン、遺伝子組換法により製造されるラクトフェリン、それらを塩酸、クエン酸等により脱鉄したアポラクトフェリン、それらを鉄、銅、亜鉛、マンガン等の金属でキレートさせた金属飽和ラクトフェリン、各種飽和度で金属を飽和したラクトフェリンまたはそれらの2種以上の任意の混合物(以下、これらをまとめて「ラクトフェリン類」と記載することがある)のいずれであってもよいが、牛乳から分離された市販のラクトフェリンが、最も安価に得られるので好適である。
【0017】
この発明に使用するラクトフェリン類の加水分解物は、前記ラクトフェリン類を常法により酸または蛋白分解酵素により加水分解して得られるペプチド混合物であり、製造の態様を例示すれば、次のとおりである。
酸による加水分解は、ラクトフェリン類を0.1〜20%、望ましくは5〜15%の濃度で水、精製水等に溶解し、得られた溶液に塩酸、リン酸等の無機酸、またはクエン酸等の有機酸を添加し、溶液のpHを1〜4、望ましくは2〜3に調整する。次いで、このようにして得られた溶液を、調整されたpHに応じて適当な温度で所定時間加熱して加水分解する。例えば、pHが1〜2に調整された場合には80〜130℃、望ましくは90〜120℃で、pH2〜4に調整された場合には100〜130℃、望ましくは100〜120℃で、それぞれ1〜120分間、望ましくは5〜60分間加熱する。
【0018】
酵素により加水分解する場合には、ラクトフェリン類を0.5〜20%、望ましくは5〜15%の濃度で水、精製水等に溶解し、得られた溶液を使用酵素の至適pHに調整して加水分解する。使用する酵素には特に制限がなく、市販の酵素、例えば、モルシンF(商標。盛進製薬社製。至適pH2.5〜3.0)、豚ペプシン(和光純薬社製。至適pH2〜3)スミチームAP(商標。新日本化学社製。至適pH3.0)、アマノM(商標。アマノ製薬社製。至適pH3.0)、アマノA(商標。アマノ製薬社製。至適pH7.0)、トリプシン(ノボ社製。至適pH8.0)等を単用または任意に併用するが、特に豚ペプシン、スミチームAPが望ましい。前記の酵素の他に、例えば、市販のエキソペプチダーゼを含有する醤油酵素(田辺製薬社製)を組み合わせて使用することもできる。使用する酵素の量は、基質に対して0.1〜5.0%の範囲、特に、0.5〜3.0%が望ましい。
【0019】
この酵素による加水分解は、具体的には、ラクトフェリン類の溶液のpHを調整し、上記の酵素を適量添加した後、得られた溶液の温度を15〜55℃、望ましくは30〜50℃で30〜600分間、望ましくは60〜300分間保持してラクトフェリン類を加水分解する。次いで溶液をそのまま、または中和し、のち酵素を常法により加熱失活する。
【0020】
これらの酸または酵素を用いる方法によって得られた反応液を、常法により冷却し、必要に応じて中和、脱塩、脱色し、得られた溶液をそのまま、濃縮して液状の濃縮製品、または濃縮後乾燥して粉末製品とすることができる。
なお、以上の加水分解条件は厳密なものではなく、製造コスト、例えば、温度、時間、酸または酵素の種類および量、反応装置(加圧の有無)等を考慮して適宜設定できる。
【0021】
以上の方法によって得られたラクトフェリン類の加水分解物は、種々の分子量を有するペプチドの混合物であり、加水分解の分解率は、ホルモール滴定法により測定した分解度が6〜20%、特に7〜15%の範囲が望ましい。
この発明に使用するラクトフェリン類の加水分解物から分離されたペプチド、およびそれらのペプチドと同一のアミノ酸配列を有する合成されたペプチド(以下これらをまとめてペプチド類と記載することがある)は、前記引用文献36〜40と同一の方法により製造することができる。その一例を示せば、次のとおりであり、同様の方法により配列表記載の各ペプチドを分離または合成することができる。
1)ラクトフェリン類加水分解物からの分離(以下、「分離例」と記載することがある)
市販の牛ラクトフェリン(シグマ社製)50mgを精製水0.9mlに溶解し、0.1規定の塩酸でpHを2.5に調整し、のち市販の豚ペプシン(シグマ社製)1mgを添加し、37℃で6時間加水分解した。次いで0.1規定の水酸化ナトリウムでpHを7.0に調整し、80℃で10分間加熱して酵素を失活させ、室温に冷却し、15,000rpmで30分間遠心分離し、透明な上清を得た。この上清100μlをTSKゲルODS−120T(東ソー社製)を用いた高速液体クロマトグラフィーにかけ、0.8ml/分の流速で試料注入後10分間0.05%TFA(トリフルオロ酢酸)を含む20%アセトニトリルで溶出し、のち30分間0.05%TFAを含む20〜60%のアセトニトリルのグラジエントで溶出し、24〜25分の間に溶出する画分を集め、真空乾燥した。この乾燥物を2%(W/V)の濃度で精製水に溶解し、再度TSKゲルODS−120T(東ソー社製)を用いた高速液体クロマトグラフィーにかけ、0.8ml/分の流速で試料注入後10分間0.05%TFAを含む24%アセトニトリルで溶出し、のち30分間0.05%TFAを含む24〜32%のアセトニトリルのグラジエントで溶出し、33.5〜35.5分の間に溶出する画分を集めた。上記の操作を25回反復し、真空乾燥し、ペプチド約1.5mgを得た。
【0022】
前記のペプチドを6N塩酸で加水分解し、アミノ酸分析計を用いて常法によりアミノ酸組成を分析した。同一の試料を気相シークェンサー(アプライド・バイオシステムズ社製)を用いて25回のエドマン分解を行ない、25個のアミノ酸残基の配列を決定した。またDTNB(5,5−ジチオービス(2−ニトロベンゾイック・アシド))を用いたジスルフィド結合分析法(引用文献42)によりジスルフィド結合が存在することを確認した。
【0023】
その結果、このペプチドは、25個のアミノ酸残基からなり、3番目と20番目のシステイン残基がジスルフィド結合し、3番目のシステイン残基からN−末端側に2個のアミノ酸残基が、20番目のシステイン残基からC−末端側に5個のアミノ酸が、それぞれ結合した、配列番号26のアミノ酸配列を有していることが確認された。
【0024】
なお、前記の分離方法において、採取する画分を変更することにより種々のペプチドを取得することができる。
2)ペプチド類の化学的合成(以下、「合成例」と記載することがある)
ペプチド自動合成装置(ファルマシアLKBバイオテクノロジー社製。LKBBiolynx4170)を用い、シェパード等(引用文献43)による固相ペプチド合成法に基づいてペプチドを次のようにして合成した。
【0025】
アミン官能基を9−フルオレニルメトキシカルボニル基で保護したアミノ酸に、N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミドを添加して所望のアミノ酸の無水物を生成させ、このFmoc−アミノ酸無水物を合成に用いた。ペプチド鎖を製造するためにC−末端のアスパラギン残基に相当するFmoc−アスパラギン無水物を、そのカルボキシル基を介し、ジメチルアミノピリジンを触媒としてウルトロシンA樹脂(ファルマシアLKBバイオテクノロジー社製)に固定する。次いでこの樹脂をピペリジンを含むジメチルホルムアミドで洗浄し、C−末端アミノ酸のアミン官能基の保護基を除去する。のちアミノ酸配列のC−末端から2番目に相当するFmoc−アルギニン無水物を前記C−末端アミノ酸残基を介して樹脂に固定されたアルギニンの脱保護アミン官能基にカップリングさせた。以下同様にして順次グルタミン、トリプトファン、グルタミン、およびフェニルアラニンを固定した。全部のアミノ酸のカップリングが終了し、所望のアミノ酸配列のペプチド鎖が形成された後、94%TFA、5%フェノール、および1%エタンジオールからなる溶媒でアセトアミドメチル以外の保護基の除去およびペプチドの脱離を行ない、高速液体クロマトグラフイーによりペプチドを精製し、この溶液を濃縮し、乾燥し、ペプチド粉末を得た。
【0026】
前記のペプチドについてアミノ酸分析計を用いて常法によりアミノ酸組成を分析し、配列番号10のアミノ酸配列を有することを確認した。
なお、前記の合成方法において、アミノ酸の種類および結合させるアミノ酸の数を変更することにより、種々のペプチドを化学的に合成することができる。
また、合成方法として遺伝子組換法を用いることもできる。
【0027】
以上のようにして得られたラクトフェリン類の加水分解物およびペプチド類は、加水分解されていないラクトフェリンに比して、熱およびpHの変化に対して極めて安定であり、そのまま、賦形剤または他の薬剤と混合して使用することができる。
この発明においては、前記のラクトフェリン類、ラクトフェリン類の加水分解物、ペプチド類またはこれらの2種以上を任意に混合して使用することもでき、これらを0.001〜5.0%、望ましくは0.01〜3.0%の濃度で、他の感染防御物質とともに含有させ、水生動物の寄生生物性疾患予防および治療用薬剤として、またはこの薬剤を飼料に添加し、水生動物の寄生生物性疾患予防および治療用飼料として使用することができる。
【0028】
この発明に使用する感染防御物質は、生体に侵入した病原体に対して、殺病原体作用等により直接的に、または免疫賦活作用等により間接的に、その感染の防御作用を有する物質であって、かつ食品衛生法の規定等により出荷前に一定の休薬期間を設ける等の処置を必要とする抗生物質およびノボビオシン、サルファ剤、キノロン系合成抗菌剤、フラン系合成抗菌剤等の合成抗菌剤を除く物質である。この発明に使用する感染防御物質は、例えばキチン、キトサン、グルカン類、細菌細胞壁成分、グリチルリチン、ラクトパーオキシダーゼ、リゾチーム、ポリフェノール類、ビタミン類を例示することができる。これらの感染防御物質は、市販品または公知の方法により調製したものを使用することができる。
【0029】
具体的には、グルカン類は、β−1,3−グルコシド結合からなる主鎖を持つグルカン、またはグルカンを生産する菌体であって、シゾフィラン、スクレログルカン、カードラン、シイタケ菌体、キクラゲ菌体を例示することができる。また、細菌細胞壁成分としては、免疫賦活活性を有する細菌菌体の細胞壁成分であって、バシラス属、ブレビバクテリウム属、ラクトバシラス属、ストレプトコッカス属、ビフィドバクテリウム属等に属する細菌菌体の殺菌処理物、破砕処理物、酵素分解処理物を例示することができる。また、グリチルリチンは、その解毒作用により肝臓障害の予防または治療に用いられるものであって、グリチルリチンを含有するものとして甘草水抽出物を例示することができる。また、リゾチームとしては、細菌細胞壁に存在するN−アセチルムラミン酸とN−アセチルグルコサミンとの間の結合を加水分解する酵素であり、卵白等から公知の方法により得られるリゾチーム粉末、卵白そのもの等を例示することもできる。さらに、ポリフェノール類としては、多価フェノールであって、カテキン、タンニン、緑茶ポリフェノールを例示することができる。加えて、ビタミン類としては、免疫賦活活性を有するビタミンであって、ビタミンA、ビタミンB2 、ビタミンB6 、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンE、葉酸、パントテン酸、ビオチンを例示することができる。これらのビタミン類を、前記のラクトフェリン類、ラクトフェリン類の加水分解物、またはペプチド類とともに使用する場合には、望ましくは5.0%を越える濃度で含有させ、水生動物の寄生生物性疾患の予防および治療用薬剤として、またはこの薬剤を飼料に添加し、水生動物の寄生生物性疾患の予防および治療用飼料として使用することができる。
【0030】
ラクトフェリン類、ラクトフェリン類の加水分解物、この加水分解物から分離されたペプチド、これらのペプチドと同一のアミノ酸配列を有する合成されたペプチド、またはこれらの2種以上の混合物のいずれと、前記感染防御物質のいずれとを組合わせるかは、使用目的によって適宜選択することができる。また、それらの混合割合は、各々の成分の種類または使用目的によって適宜選択することができる。それらの成分を液状または粉末状で混合することができる。
【0031】
この発明の水生動物の寄生生物性疾患予防および治療剤は、充填剤および増量剤(例えば、糖、でんぷん、デキストリン等)、結合剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン等)、含湿剤(例えば、グリセロール等)、膨化剤(例えば、寒天、炭酸カルシウム等)、溶解遅延剤(例えば、パラフィン等)、吸収促進剤(例えば、4級アンモニウム化合物等)、表面活性剤(例えば、グリセロールモノステアレート、アセチルアルコール等)、吸着剤(例えば、カオリン等)、潤滑剤(例えば、ステアリン酸カルシウム等)等の薬学的組成物に通常使用される希釈剤または賦形剤とともに、ラクトフェリン類、その加水分解物および/またはペプチド類と前記感染防御物質との混合物を公知の方法によりゲル剤、ペースト剤、乳剤、シロップ剤、粒剤、粉剤等に製剤化することにより製造され、他の薬効のある公知の薬剤と併用することも可能である。
【0032】
この発明の水生動物の寄生生物性疾患予防および治療のために使用される飼料は、ラクトフェリン類、その加水分解物および/またはペプチド類と前記感染防御物質との混合物を、通常水生動物の飼料として用いられる各種成分、および必要に応じてビタミン、ミネラル、酵素類、生薬、ワクチン等の飼料の強化用として一般的に利用されている各種添加剤とともに、ペレット飼料、顆粒飼料、粉末飼料、錠剤化飼料、粉砕飼料、押出飼料、膨脹飼料、ペースト状飼料、懸濁液状飼料、ゲル状飼料、フィルム状飼料、微粒子飼料、フロック飼料、アスピック飼料等の各種の形態に、常法により加工される。なお、ラクトフェリン類は、加熱により変性するので、加熱工程後に混合するが、ラクトフェリン類の加水分解物およびペプチド類は、加熱変性がないので、いずれの工程でも使用することができる。
【0033】
次に試験例を示してこの発明をさらに詳しく説明する。
試験例1
この試験は、金魚(Carassius carassius )の白点病に対するラクトフェリンおよび各種感染防御物質による予防および治療効果を調べるために行った。
1)試験対象
白点虫の感染がないことを確認した体重約10gの市販の金魚1000尾を用いた。
2)試験方法
金魚を100尾ずつ10群に分け、各群にそれぞれマーカーを付した白点病感染魚10尾を加えて白点病に感染させるとともに、各群の供試魚に対して、次の飼料を、乾燥重量でそれぞれ1日当たり魚体重の2.0%の割合で給餌し、水温約18℃で30日間飼育し、その間の各群の白点虫による斃死尾数を計数して試験した。
第1群(対照群):市販飼料(中部飼料社製。以下同じ)
第2群:市販飼料に0.01%の割合でラクトフェリン(森永乳業社製)を添加
第3群:市販飼料に0.01%の割合でラクトパーオキシダーゼ(シグマ社製)を添加
第4群:市販飼料に0.01%の割合でリゾチーム(生化学工業社製)を添加
第5群:市販飼料に0.01%の割合でキチン(生化学工業社製)を添加
第6群:市販飼料に0.01%の割合でカードラン(和光純薬工業社製)を添加
第7群:市販飼料にそれぞれ0.005%の割合でラクトフェリンとラクトパーオキシダーゼを添加
第8群:市販飼料にそれぞれ0.005%の割合でラクトフェリンとリゾチームを添加
第9群:市販飼料にそれぞれ0.005%の割合でラクトフェリンとキチンを添加
第10群:市販飼料にそれぞれ0.005%の割合でラクトフェリンとカードランを添加
3)試験結果
この試験の結果は、表1に示すとおりである。表1には、投与30日後の各群の斃死尾数(累計)を示した。表1から明らかなように、金魚に発生する白点病による斃死尾数が、ラクトフェリン単独よりも、ラクトパーオキシダーゼ、リゾチーム、キチン、カ−ドランを混合することにより極めて減少した。
【0034】
この結果から、ラクトフェリンと、他の感染防御物質を混合した飼料が、金魚の白点病の予防および治療に有効であることが明らかになった。
なお、ラクトフェリンを、他のラクトフェリン類、ラクトフェリン類の加水分解物、この加水分解物から分離されたペプチド、これらのペプチドと同一のアミノ酸配列を有する合成されたペプチド、またはこれらの2種以上の混合物に変更して試験したが、ほぼ同様の結果が得られた。また、感染防御物質についても変更して試験したが、ほぼ同様の結果が得られた。
【0035】
【表1】
【0036】
試験例2
この試験は、ハマチ(Seriola quinqueradiata)の外部寄生虫に対するラクトフェリンおよび各種感染防御物質による予防および治療効果を調べるために行った。
1)試験対象
予め淡水浴を行い、外部寄生虫であるはだむし(ベネデニア)、えらむし(ヘテラキシネ、ビバギナ)等の寄生がないことを確認した体重約50gのハマチ1000尾を用いた。
2)試験方法
ハマチを100尾ずつ10群に分け、各群の供試魚に対して、次の飼料を、乾燥重量でそれぞれ1日当たり魚体重の5.0%の割合で給餌し、水温約20℃で2か月間飼育し、試験開始から2か月に各群から任意に50尾を取出し、各群毎に平均体重を測定し、肉眼で体表に認められる寄生虫数を計数して試験した。
第1群(対照群):市販飼料
第2群:市販飼料に0.01%の割合でラクトフェリン(森永乳業社製)を添加
第3群:市販飼料に0.01%の割合でラクトパーオキシダーゼ(シグマ社製)を添加
第4群:市販飼料に0.01%の割合でリゾチーム(生化学工業社製)を添加
第5群:市販飼料に0.01%の割合でキチン(生化学工業社製)を添加
第6群:市販飼料に0.01%の割合でカードラン(和光純薬工業社製)を添加
第7群:市販飼料にそれぞれ0.005%の割合でラクトフェリンとラクトパーオキシダーゼを添加
第8群:市販飼料にそれぞれ0.005%の割合でラクトフェリンとリゾチームを添加
第9群:市販飼料にそれぞれ0.005%の割合でラクトフェリンとキチンを添加
第10群:市販飼料にそれぞれ0.005%の割合でラクトフェリンとカードランを添加
3)試験結果
この試験の結果は、表2に示すとおりである。表2には、各群の平均体重の測定結果および各群の寄生虫数を示した。表2から明らかなように、第1群および第3〜6群のハマチに対して第7〜10群のハマチは、平均体重が高く、また、第1〜6群のハマチに対して第7〜10群のハマチは、寄生虫数が激減していた。
【0037】
この結果から、ラクトフェリンと、他の感染防御物質を混合した飼料が、ラクトフェリン単独配合に比較して、ハマチの外部寄生虫の寄生の予防および治療に有効であること、およびラクトフェリン単独配合に比較して、同等またはそれ以上に魚体重増加効果があることが明らかになった。
なお、ラクトフェリンを、他のラクトフェリン類、ラクトフェリン類の加水分解物、この加水分解物から分離されたペプチド、これらのペプチドと同一のアミノ酸配列を有する合成されたペプチド、またはこれらの2種以上の混合物に変更して試験したが、ほぼ同様の結果が得られた。また、感染防御物質についても変更して試験したが、ほぼ同様の結果が得られた。
【0038】
【表2】
【0039】
次に実施例を示してこの発明をさらに詳細かつ具体的に説明するが、この発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0040】
【実施例】
実施例1
オキアミ粉末(日本水産社製)30kg、イカミール(日本水産社製)30kg、魚粉(日本水産社製)15kg、小麦グルテン(日清製粉社製)15kg、ミネラル混合物(和光純薬工業社製)5kg、ビタミン混合物(理研ビタミン社製)4kg、ラクトフェリン(森永乳業社製)400g、およびラクトパーオキシダーゼ(シグマ社製)200gを添加混合し、少量の水を添加して混練し、エクストルーダーにより直径3mm、長さ5〜10mmのペレットに成形し、ラクトフェリンを約4g/kg、およびラクトパーオキシダーゼを約2g/kg含有する水生動物用配合飼料ペレットを約95kgを得た。
実施例2
市販の金魚用飼料(中部飼料社製)1000gに、ラクトフェリン(森永乳業社製)を0.2%、およびリゾチーム(生化学工業社製)を0.2%含有する水溶液50mlを均一に噴霧し、十分乾燥して、ラクトフェリン、およびリゾチームをそれぞれ約0.1g/kg含有する金魚用飼料約960gを得た。
実施例3
マイワシ生餌200kgに対し、ラクトフェリン(森永乳業社製)400g、ラクトパーオキシダーゼ(シグマ社製)200g、およびキチン(生化学工業社製)200gを均一に混合し、ラクトフェリンを約2g/kg含有し、ラクトパーオキシダーゼ、キチンをそれぞれ約1g/kg含有する水生動物用生餌約195kgを得た。
実施例4
ラクトフェリン(森永乳業社製)1kg、およびカードラン粉末(和光純薬工業社製)1kgとデキストリン(昭和産業社製)98kgをよく分散混合し、水生動物用の寄生生物性感染症治療剤粉末約98kgを得た。
【0041】
【発明の効果】
以上詳しく説明したとおり、この発明によって提供される薬剤は、以下のとおりの効果をもたらす。
1)寄生生物による水生動物の感染症を効果的に予防および治療することができる。
2)長期間給与しても水生動物およびその棲息環境に悪影響を与えない。
3)特別な設備、繁雑な操作を必要とせず、通常の飼料と同様に給与できる。
4)水生動物を飼育する人およびその水生動物を消費する人に無害である。
5)休薬期間を設ける必要がなく、何時でも任意に給与できる。
6)水生動物の死亡率を低下させ、体重の増加効果があり、水産養殖業において収量・歩留りを向上させ、生産性を改善できる。
【0042】
【配列表】
<引 用 文 献>
1)江草周三著、「魚の感染症」、第468ページおよび第472ページ、恒星社厚生閣、昭和59年
2)小華和忠ら編、「動物用医薬品・飼料添加物・新飼料の有用性評価法」、第60ページ、フジ・テクノシステム、昭和52年
3)特開平1−317346号公報
4)小華和忠ら編、「動物用医薬品・飼料添加物・新飼料の有用性評価法」、第59ページ、フジ・テクノシステム、昭和52年
5)魚病研究、第1巻、第2号、第48ページ〜53、1967年
6)特開平4−235912号公報
7)沢田実ら編、「1991年版 動物用医薬品用具要覧」、社団法人日本動物薬事協会、1991年
8)特開平3−330130号公報
9)特開昭61−83131号公報
10)ジャパンフードサイエンス、第27巻、第1号、第25ページ〜第34ページ、1988年
11)サイエンス(Science) 、第197巻、第263ページ〜第265ページ、1977年
12)エー・エフ・ウイリアムス及びジェー・ディー・バウム(A. F. Williams & J. D. Baum) 編、ヒューマンミルク・バンキング」(Human Milk Banking)、ネッスル・ニュートリション・ワークショップ・シリーズ、第5巻 (Nestl Nutrition Workshop Series Volume 5)、第133ページ〜第143ページ、
レーベン・プレス・ブックス社(Reven Press Books Ltd.)、1984年
13)デイリー・サイエンス・アブストラクツ(Dairy Science Abstracts) 、第30巻、第9号、第500ページ[3210]、1968年
14)日本小児科学会雑誌、第88巻、第7号、第1581ページ〜第1582ページ、「A−43」、1984年
15)ザ・ジャーナル・オブ・インフェクシャス・ディージス(The Journal of Infectious Diseases)、第153巻、第2号、第232ページ〜第237ページ、1986年
16)フランス国特許第2,596,986号明細書、1987年
17)特開平5−92927号公報
18)特開昭57−106689号公報
19)特開昭58−13594号公報
20)特開昭58−213744号公報
21)特開昭59−51247号公報
22)特開昭60−130599号公報
23)特開昭60−172998号公報
24)特開昭61−251699号公報
25)特開昭63−44598号公報
26)特開昭62−22798号公報
27)特開昭62−51697号公報
28)特開昭63−17897号公報
29)特開平2−53799号公報
30)特表平2−500084号公報
31)特開平3−261717号公報
32)プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナルアカデミー・オブ・ザ・サイエンス・オブ・ユナイテッド・ステーツ・オブ・アメリカ(Proceedings of the National Academy of the Science of United States of America)、第84巻、第5449ページ〜第5453ページ、1987年
33)フィミヤ・プリロードヌフ・ソエジェニェーニ(Khimiya Prirodnykh Soed inenij) 、第1号、第130ページ〜第133ページ、1978年
34)特開平2−53799号公報
35)特開平2−234684号公報
36)特開平5−92994号公報
37)特開平5−78392号公報
38)特開平5−148295号公報
39)特開平5−148296号公報
40)特開平5−148297号公報
41)特開平7−145069号公報
42)アナリティカル・バイオケミストリー(Analytical Biochemistry)第67巻、第493ページ、1975年
43)ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイエティ・パーキンI(Journal of Chemical Society Parkin I)、第538ページ、1981年
Claims (1)
- 以下の(A)〜(C)において、(A)及び(B)、または(A)、(B)、及び(C)からなる有効成分を含有する水生動物の寄生生物性疾患の予防および治療剤。
(A)ラクトフェリン
(B)リゾチーム、キチン、及びカードランからなる群より選択された感染防御物質
(C)ラクトパーオキシダーゼ
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