JPH0750998A - 魚類の成長促進物質及び飼料 - Google Patents

魚類の成長促進物質及び飼料

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JPH0750998A
JPH0750998A JP5217092A JP21709293A JPH0750998A JP H0750998 A JPH0750998 A JP H0750998A JP 5217092 A JP5217092 A JP 5217092A JP 21709293 A JP21709293 A JP 21709293A JP H0750998 A JPH0750998 A JP H0750998A
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JP
Japan
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glucosamine
feed
fish
fishes
growth promoting
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Pending
Application number
JP5217092A
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English (en)
Inventor
Michiko Kono
迪子 河野
Yoshiharu Matahira
芳春 又平
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yaizu Suisan Kagaku Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Yaizu Suisan Kagaku Kogyo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安全性が高く、安価で、しかも効果的な魚類
の新規成長促進物質及びそれを配合した魚類の餌料を提
供する。 【構成】 キチン又はキトサンを完全加水分解して得ら
れる、D−グルコサミン及び/又はその塩を、単独又は
2種類以上混合して、魚類に直接投与するか、あるいは
餌料に配合して投与する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は魚類の成長を促進する成
長促進物質及びそれを配合した魚類の飼料に関する。
【0002】
【従来の技術】捕る漁業からつくる漁業への転換に伴
い、年々我が国の養魚事業は拡大してきている。我が国
の養魚は生餌やモイストペレット給餌の海面養殖が量的
には主体であり、そこで使用される生餌やモイストペレ
ットには、様々な作用を持つ飼料添加剤が使用されてい
る。これらの中でも、魚類の成長促進効果が期待できる
飼料添加剤としては、各種ビタミン、あるいは総合ビタ
ミン剤や、肝臓末、胆汁末等の臓器製剤、リパーゼ、プ
ロテアーゼ、ジアスターゼ等の消化酵素製剤、及び各種
ホルモン剤などが知られている。また、最近では、強肝
作用、健胃作用、ビタミン補強作用、食味改善作用等を
有すると言われる植物、海藻成分や、抗菌性があると考
えられている植物、菌体成分など、多用な添加剤が製品
化され、市販されている。
【0003】上記のうち、ビタミン類では、パントテン
酸と、ビタミンCが、特に効果が明らかなものである。
パントテン酸は、食欲と成長に関与し、抗ストレス作用
を有するといわれるビタミンであり、ビタミンCは酸化
防止、抗病性増強に効果があるといわれている。しかし
ながら、パントテン酸及びビタミンCは、いずれも熱に
対して不安定であり、加熱工程を有するペレット型飼料
に添加すると、添加量中かなりの部分が分解されてしま
う。また、ビタミンCは自身還元性であるため、酸化に
より効力を失ってしまう。
【0004】また、消化酵素製剤も、ビタミン類と同様
に熱により失活するため使用が制限される他、高価であ
るという欠点がある。
【0005】臓器製剤で代表的なものは胆汁末であり、
適当量の添加により、動物の食欲が増し成長が良くな
る。しかしながら、投与量が多すぎたり、長期投与にな
ると、痩せすぎたりする試験例もあり、投与量や投与時
期に慎重さが要求される。
【0006】植物、海藻成分としては、ニンニク、タマ
ネギ、甘草、コンブ等の粉末又は抽出物があり、また、
これらに近いものとして、酵母や細菌の菌体や、その加
工物がある。しかしながら、これらはいずれも組成成分
が明確でなく、また、おおむね高分子物質であるため、
魚類の体内で消化吸収されにくい。更に、その作用機作
も不明瞭であり、効果が疑問視されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、安
全性が高く、安価で、しかも効果的な魚類の新規成長促
進物質及びそれを配合した飼料を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため、鋭意研究した結果、D−グルコサミン
及びその塩に、魚類の成長促進効果があることを見出
し、本発明を完成させるに至った。
【0009】すなわち、本発明の一つは、D−グルコサ
ミン及びその塩から選ばれた少なくとも1種からなる魚
類の成長促進物質を提供するものである。
【0010】また、本発明のもう一つは、D−グルコサ
ミン及びその塩から選ばれた少なくとも1種が配合され
ている魚類の飼料を提供するものである。
【0011】以下、本発明について、好ましい態様を挙
げて更に詳細に説明する。
【0012】本発明による魚類の成長促進物質は、D−
グルコサミン及びその塩から選ばれた少なくとも1種か
らなる。ここで、D−グルコサミンは、下記化1で示さ
れる化合物である。
【0013】
【化1】
【0014】また、D−グルコサミンの塩としては、塩
酸塩、硫酸塩等の無機酸塩や、酢酸塩、乳酸塩、ギ酸塩
等の有機酸塩などが挙げられる。
【0015】D−グルコサミンはカニ、エビ等の甲殻類
の殻を脱灰、除蛋白して得られる多糖類キチン、あるい
はその脱アセチル化誘導体であるキトサンを、完全加水
分解することにより得ることができる。
【0016】キチンは上述のカニ、エビの他、コオロ
ギ、カブトムシ等の甲虫類、菌体細胞壁構成成分として
も存在しており、その生物生産量は年間1,000億ト
ンとも推定される豊富なバイオマス資源である。また、
キトサンはキチンを濃アルカリ中で加熱処理することに
より脱アセチル化して得られ、現在、主として排水中の
活性汚泥凝集剤として国内で年間約500トン生産され
ている。
【0017】D−グルコサミンは、上記キチン又はキト
サンを塩酸、酢酸、ギ酸等の強酸とともに加熱して完全
加水分解し、次いで酸を除去するか、又は中和、脱塩し
たのち、結晶化、更には乾燥粉末化して得ることができ
る。また、キトサンを希酸に溶解後、キトサナ−ゼ、D
−グルコサミニダ−ゼ等のキトサン分解酵素により完全
加水分解する方法によって得ることもできる。
【0018】こうして得られたD−グルコサミン及び/
又はその塩を、単独又は2種類以上混合して、魚類に直
接投与するか、あるいは飼料に添加して投与することに
より、投与しない場合と比較して、体重が増加するなど
の成長促進効果が認められる。D−グルコサミン及び/
又はその塩を投与する魚の種類に制限はなく、一般に養
殖されているマス、コイ、アユ、ウナギ、タイ、ブリ、
ヒラメ、フグ、金魚など、淡水魚、海産魚を問わず適用
することができる。
【0019】また、投与量は魚の種類、投与時期、飼料
の種類等により異なるが、体重1kg当たり、1日の接
種量は、D−グルコサミンとして1mg〜10g程度が
好ましく、飼料添加量としては0.01%〜10%程度
が好ましい。
【0020】飼料への添加方法に制限はなく、粉末のま
ま添加する方法、水溶液として添加する方法など、いず
れを用いてもよい。また、ベースとなる飼料は、特に制
限はないが、例えば魚粉、デンプン、飼育用酵母、小麦
グルテン、植物性ガムなどの有機栄養源や、食塩、リン
酸カルシウム、炭酸カルシウムなどの無機栄養源を配合
したものが用いられる。
【0021】
【作用】本発明の魚類の成長促進物質であるD−グルコ
サミン及びその塩は、天然に豊富に存在する多糖類を原
料とし、比較的簡単な工程で製造できるので、製造コス
トが安価であるという利点がある。
【0022】また、D−グルコサミンは厚生省生活衛生
局食品化学課出版の「化学的合成品以外の食品添加物リ
スト」に増粘剤として収載されており、安全性の高い物
質といえる。
【0023】更に、D−グルコサミン及びその塩は、容
易に水に溶解するため、経口、静注、筋注等の各種の投
与方法を採用することができ、また、飼料への添加、配
合も容易である。
【0024】更にまた、D−グルコサミン及びその塩
は、熱にも比較的安定であるので、加熱工程を要するよ
うな飼料にも適用することができる。
【0025】
【実施例】
実施例1(D−グルコサミンの製造方法(1)) カニ甲殻を起源とするキチン100gに対し、濃塩酸
(12N)400mlを加え、沸騰湯浴中にて3時間撹
拌したのち、水400mlを加えて反応を終了させ、フ
ィルタ−ろ過により不溶物を除去した。次に、活性炭1
0gを添加して1時間撹拌することで脱色し、フィルタ
−ろ過により活性炭を除去して、分解脱色液720ml
を得た。この脱色液を、塩酸を溜去させながら減圧濃縮
し、粗結晶を析出させた。次いで、粗結晶をフィルタ−
ろ過により回収し、少量の水で洗浄後500mlの温水
に溶解して再度濃縮し、再結晶化した。こうして得られ
た結晶を、フィルタ−ろ過により回収し、水洗後、真空
乾燥して、D−グルコサミン塩酸塩(純度99%)62
gを得た。
【0026】実施例2(D−グルコサミンの製造方法
(2)) べにずわいがにの甲殻300gを1.5N塩酸2000
mlに浸し、沸騰湯浴中で1時間加熱した後、水洗、乾
燥して、脱灰カニ殻115gを得た。この脱灰カニ殻に
対し、濃塩酸400mlを加え、沸騰湯浴中にて3時間
撹拌したのち、水400mlを加えて反応を終了させ、
フィルタ−ろ過により不溶物を除去した。次に、活性炭
10gを添加して1時間撹拌することで脱色し、フィル
タ−ろ過により活性炭を除去して、分解脱色液760m
lを得た。この脱色液を、電気透析機(徳山曹達株式会
社製、「TS−2−10」型)により脱塩し、脱塩液5
90mlを得た。この脱塩液に、デキストリン250g
及び水2000mlを加え、噴霧乾燥して、グルコサミ
ン塩酸塩粉末(D−グルコサミン含量18.6%)31
5gを得た。
【0027】実施例3(ウナギの飼育試験) 魚粉74%、α−デンプン23%、その他(食塩、リン
酸カルシウム、炭酸カルシウム、飼育用酵母、小麦グル
テン、植物性ガム)3%からなる基礎飼料に対し、実施
例1で得たD−グルコサミン塩酸塩を3水準(0.01
%、0.1%、1.0%)で添加した試験区と、D−グ
ルコサミン無添加の対照区との計4区画を設定し、ウナ
ギ稚魚を各区85尾ずつ放養した(平均体重4.18〜
4.73g)。給餌は毎日行い、飼育30日後(飼育期
間、平成5年4月18日〜5月17日)の増体重を測定
した。その結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】表1に示されるように、対照区に比べて各
試験区は、増体重、飼料効率ともに大きくなっていた。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
D−グルコサミン及び/又はその塩を用いることによ
り、魚類の成長を促進する効果を有する物質を提供する
ことができる。この物質を直接あるいは飼料に配合して
魚類に投与することにより、魚類の成長を促進させ、ま
た、飼料効率を高めることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 D−グルコサミン及びその塩から選ばれ
    た少なくとも1種からなることを特徴とする魚類の成長
    促進物質。
  2. 【請求項2】 D−グルコサミン及びその塩から選ばれ
    た少なくとも1種が配合されていることを特徴とする魚
    類の飼料。
JP5217092A 1993-08-09 1993-08-09 魚類の成長促進物質及び飼料 Pending JPH0750998A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008169168A (ja) * 2007-01-15 2008-07-24 Masahiro Wada 骨密度向上剤
KR20210028817A (ko) * 2019-09-05 2021-03-15 속초붉은대게산업 협동조합 게 껍질 함유 사료를 이용한 뱀장어 치어의 양성방법

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