JPH0750875Y2 - インバータ空気調和機の表示装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案はインバータ空気調和機の表示装置に関するも
のである。

［従来の技術］ 第２図は、例えば特開昭60−91154号公報に示された従
来の表示装置を示す回路ブロック図であり、図において
（１）は商用電源、（２）はインバータ装置、（３）は
コンプレッサモータ、（４）は動作モード表示器であ
る。

次に、動作について説明する。

以上のように、インバータ装置（２）は商用電源（１）
からの電力をうけて、コンプレッサモータ（３）を駆動
するものであるが、主に主回路部と制御回路部（共に図
示せず）からなっている。

制御回路部はマイクロコンピュータ等のプログラム処理
商品部から成っており、この時刻プログラム処理素子の
処理内容に応じて動作モードを表示装置（４）に表示す
る。

［考案が解決しようとする課題］ 従来のインバータ空気調和機の表示装置は以上のように
構成されているので、インバータ装置のうちの制御回路
系の故障診断には有用であるが、一般的に市場での故障
率の高い主回路部品、特に、パワートランジスタとの故
障診断分離ができないという問題点があった。

この点は市場のサービスマンにとって非常に重要なポイ
ントである。というのは、短時間で修理するためには、
まず電気系統（インバータ装置）の故障か、冷媒回路系
統（コンプレッサなど）の故障かを見極め、それによっ
て修理手順、工具等が大きく異なるからである。

この考案は上記のような問題点を解消するためになされ
たもので、サービスマンが市場の現場で簡単にインバー
タ装置とコンプレッサモータとの故障診断分離ができる
表示装置を得ることを目的としている。

［課題を解決するための手段］ この考案に係るインバータ空気調和機の表示装置は、コ
ンバータ部と制御部と３相ブリッジのパワートランジス
タモジュールとから成るインバータ装置であって、各相
ごとに設けられる表示装置は互いに逆方向に並列接続し
た１対のLEDと電流制限抵抗との直列回路をシャント抵
抗に並列接続することにより構成し、一方をインバータ
装置の各相の出力端子に接続するとともに、他方をコン
プレッサモータに直列に接続して設けたものである。

［作用］ この考案におけるインバータ空気調和機の表示装置は、
インバータ装置が異常の時は、パワートランジスタモジ
ュール内のトランジスタのいくつかが、オープン状態と
なり、LEDが全灯点灯することがない。

［実施例］ 以下、この考案の一実施例を図について説明する。従来
と同一箇所は同一符号を付しているが、（１）は商用電
源、（２）はインバータ装置で、コンバータ部（2a）、
制御回路部（2b）及び、６個のトランジスタ（21），
（22），（23），（24），（25），（26）の３相ブリッ
ジから成るパワートランジスタモジュール（2c）より構
成されている。（４）は、表示装置で、インバータ装置
（２）の各相ごとに設けられ、互いに逆方向に並列接続
した１対のLED（41L）、（42L）と電流制限抵抗（41R）
との直列回路をシャント抵抗（41S）に並列接続するこ
とにより構成して１組と成し、３組の各組の一方をイン
バータ装置（２）の各相の出力端子（27）、（28）、
（29）に接続するとともに、他方をコンプレッサモータ
（３）に直列に接続している。

次に、動作について説明する。以上のように構成された
インバータ空気調和機の表示装置では、まず、インバー
タ装置（２）もコンプレッサモータ（３）も正常に動作
時はパワートランジスタモジュール（2c）内の６個のト
ランジスタ（21）と（24）がONしている時で説明する。
この時は出力端子（27），（28）間に電圧が出力され、
これと順方向に取り付けられているLED（41L），（44
L）が点灯する。

また、同様にトランジスタ（21）と（26）がONしている
時を考えると、この時出力端子（27），（29）間の出力
電圧により、これと順方向に取り付けられているLED（4
1L），（46L）が点灯する。

従って正常動作時はLED（41L），（42L），（43L），
（44L），（45L），（46L）が６個共点灯する。

しかし、パワートランジスタモジュール（2c）内のトラ
ンジスタ（21），（22），（23），（24），（25），
（26）のうちの１個でもオープン状態であるならばそれ
に対応する電流閉ループが形成されないため、それによ
りシャント抵抗にも電圧が発生せずLEDも消灯したまま
になる。

また、トランジスタ（21），（22），（23），（24），
（25），（26）のうちの１個でもショート状態にする
と、あるタイミングでトランジスタ（21）がONした時に
パワートランジスタモジュール（2c）内だけの短絡モー
ドとなり、トランジスタ（21）もしくはトランジスタ
（22）は過電流でオープン状態になってしまい、これに
より対応するLEDは消灯することになる。

そして、パワートランジスタモジュール（2c）はインバ
ータ装置（２）の中での最終出力段であるため、インバ
ータ装置（２）に故障が発生すると表示装置（４）のLE
D（41L），（42L），（43L），（44L），（45L），（46
L）のうちのいくつかが消灯し、簡単に故障を検出でき
る。

［考案の効果］ 以上のように、この考案の空気調和機の表示装置によれ
ば、コンバータ部と制御部と３相ブリッジのパワートラ
ンジスタモジュールとから成るインバータ装置であっ
て、各相ごとに設けられる表示装置は互いに逆方向に並
列接続した１対のLEDと電流制限抵抗との直列回路をシ
ャント抵抗に並列接続することにより構成し、一方をイ
ンバータ装置の各相の出力端子に接続するとともに、他
方をコンプレッサモータに直列に接続して構成したの
で、装置が安価にできると共に、信頼性の高いものが得
られ、かつ、装置着脱の作業性が向上して作業良否の目
視が確実にできる効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例によるインバータ空気調和
機の表示装置を示す制御回路ブロック図、第２図は従来
のインバータ空気調和機の表示装置を示す制御回路ブロ
ック図である。 図中、（２）はインバータ装置、（４）は表示装置、
（41L），（42L），（43L），（44L），（45L），（46
L）はLED、（41R）、（42R）、（43R）は電流制限抵
抗、（41S）、（42S）、（43S）はシャント抵抗であ
る。 図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】コンバータ部と制御部と３相ブリッジのパ
   ワートランジスタモジュールとから成るインバータ装置
   であって、各相ごとに設けられる表示装置は互いに逆方
   向に並列接続した１対のLEDと電流制限抵抗との直列回
   路をシャント抵抗に並列接続することにより構成し、一
   方を上記インバータ装置の各相の出力端子に接続すると
   ともに、他方をコンプレッサモータに直列に接続したこ
   とを特徴とするインバータ空気調和機の表示装置。