JPH0750566B2 - コイル巻線用耐熱耐酸化性導体 - Google Patents
コイル巻線用耐熱耐酸化性導体Info
- Publication number
- JPH0750566B2 JPH0750566B2 JP18736287A JP18736287A JPH0750566B2 JP H0750566 B2 JPH0750566 B2 JP H0750566B2 JP 18736287 A JP18736287 A JP 18736287A JP 18736287 A JP18736287 A JP 18736287A JP H0750566 B2 JPH0750566 B2 JP H0750566B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resistant
- copper
- conductor
- heat
- coil winding
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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Landscapes
- Chemical Treatment Of Metals (AREA)
- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
- Non-Insulated Conductors (AREA)
- Insulated Conductors (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、高温酸化雰囲気中で使用するコイル巻線用耐
熱耐酸化性導体に関するもので、コイルの小型と高温で
の連続使用を可能にするものである。
熱耐酸化性導体に関するもので、コイルの小型と高温で
の連続使用を可能にするものである。
エンジンルームや焼鈍加熱炉又はAlやZnの溶湯搬送用電
磁ポンプ等の高温状態で使用されるコイル巻線には、耐
熱耐酸化性に優れたNiメッキ銅線を導体とし、その周囲
にガラス繊維等の無機絶縁物を被覆した耐熱巻線が使用
されてきたが、近年巻線の使用許容温度を一層高めるた
めに、導体の周囲に無機ポリマーを被覆し、これをコイ
ル巻きしたのち高温で焼成して上記無機ポリマーをセラ
ミックス化したセラミックス絶縁耐熱巻線が開発されて
いる。
磁ポンプ等の高温状態で使用されるコイル巻線には、耐
熱耐酸化性に優れたNiメッキ銅線を導体とし、その周囲
にガラス繊維等の無機絶縁物を被覆した耐熱巻線が使用
されてきたが、近年巻線の使用許容温度を一層高めるた
めに、導体の周囲に無機ポリマーを被覆し、これをコイ
ル巻きしたのち高温で焼成して上記無機ポリマーをセラ
ミックス化したセラミックス絶縁耐熱巻線が開発されて
いる。
このように巻線の使用許容温度の向上に伴い、従来のNi
メッキ銅線を導体に使用した巻線では、使用中にCuとNi
とが相互に熱拡散をおこして、導体の電気抵抗が経時的
に変化したり、更には、CuがNiメッキ層を透過してセラ
ミックス等の絶縁層内に侵入して酸化銅を形成し、絶縁
耐圧を低下させるなどの問題をおこしている。これに対
しコイルを水冷しながら使用する方法が提案されている
がコイルが大型化するという別の問題が生じている。
メッキ銅線を導体に使用した巻線では、使用中にCuとNi
とが相互に熱拡散をおこして、導体の電気抵抗が経時的
に変化したり、更には、CuがNiメッキ層を透過してセラ
ミックス等の絶縁層内に侵入して酸化銅を形成し、絶縁
耐圧を低下させるなどの問題をおこしている。これに対
しコイルを水冷しながら使用する方法が提案されている
がコイルが大型化するという別の問題が生じている。
〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、かかる状況に鑑みなされたもので、その目的
とするところは、冷却を必要とせず高温での連続使用が
可能なコイル巻線用耐熱耐酸化性導体を提供することに
ある。
とするところは、冷却を必要とせず高温での連続使用が
可能なコイル巻線用耐熱耐酸化性導体を提供することに
ある。
即ち、本発明は、銅又は銅合金線の周囲に酸化物を0.1
〜10μｍの厚さに形成し、更にこの周囲にFe基又はNi基
の耐熱合金を0.05〜0.5mmの厚さに被覆したことを特徴
とするものである。
〜10μｍの厚さに形成し、更にこの周囲にFe基又はNi基
の耐熱合金を0.05〜0.5mmの厚さに被覆したことを特徴
とするものである。
本発明において銅又は銅合金線には、タフピッチ銅、無
酸素銅、りん脱酸銅等の純銅又はCu−Ag、Cu−Sn、Cu−
Fe等の導電用銅合金が使用される。又上記銅又は銅合金
線の周囲に形成される酸化物層には、Cu2O、CuO、Al
2O3、SiO2、MgO、Cr2O3、ZnO、ZrO2、SnO2、NiO、酸化
鉄等の酸化物の何れか１種又は２種以上の混合酸化物が
用いられる。また雲母や酸化物以外のセラミックス等の
無機物も適用することができる。
酸素銅、りん脱酸銅等の純銅又はCu−Ag、Cu−Sn、Cu−
Fe等の導電用銅合金が使用される。又上記銅又は銅合金
線の周囲に形成される酸化物層には、Cu2O、CuO、Al
2O3、SiO2、MgO、Cr2O3、ZnO、ZrO2、SnO2、NiO、酸化
鉄等の酸化物の何れか１種又は２種以上の混合酸化物が
用いられる。また雲母や酸化物以外のセラミックス等の
無機物も適用することができる。
更に上記酸化物層の周囲に被覆されるFe基又はNi基の耐
熱合金には、固溶体化熱処理を施したJIS G 4307規定の
SUS 304やSUS 316等のオーステナイト系ステンレス鋼、
JIS 4902規定のFe基又はNi基の耐食耐熱性超合金等が用
途に応じて使いわけて用いられる。
熱合金には、固溶体化熱処理を施したJIS G 4307規定の
SUS 304やSUS 316等のオーステナイト系ステンレス鋼、
JIS 4902規定のFe基又はNi基の耐食耐熱性超合金等が用
途に応じて使いわけて用いられる。
本発明導体において、外表面にFe基又はNi基の耐熱合金
を被覆するのは、導体の酸化を抑制し、また銅の絶縁体
への侵入を防止するためであり、その被覆厚さを0.05〜
0.5mmに限定したのは、0.05mm未満では、コイル巻きの
際導体の曲げ内側面に圧縮応力が働きシワが発生するた
めであり、0.5mmを超えると導体の剛性が大きくなりコ
イル巻き性に劣り、またいたずらに導電率を低下させた
るためである。
を被覆するのは、導体の酸化を抑制し、また銅の絶縁体
への侵入を防止するためであり、その被覆厚さを0.05〜
0.5mmに限定したのは、0.05mm未満では、コイル巻きの
際導体の曲げ内側面に圧縮応力が働きシワが発生するた
めであり、0.5mmを超えると導体の剛性が大きくなりコ
イル巻き性に劣り、またいたずらに導電率を低下させた
るためである。
銅又は銅合金線と上記被覆層の間に酸化物層を形成させ
るのは、銅又は銅合金線と上記被覆層との間の熱拡散を
防止するためで、その厚さを0.1〜10μｍに限定した理
由は、0.1μｍ未満では拡散防止の効果が十分でなく、1
0μｍを超えるとコイル巻きの際、被覆層の曲げ内側面
にシワが発生するためである。
るのは、銅又は銅合金線と上記被覆層との間の熱拡散を
防止するためで、その厚さを0.1〜10μｍに限定した理
由は、0.1μｍ未満では拡散防止の効果が十分でなく、1
0μｍを超えるとコイル巻きの際、被覆層の曲げ内側面
にシワが発生するためである。
3.5mmφの0.1％Ag入銅線を水酸化カリウムと過硫酸カリ
ウムの混合水溶液をに浸漬して上記銅線の周囲に種々厚
さの酸化銅を生成させた。これらの酸化銅層の厚さを還
元電位法により測定したのち、この酸化銅層の周囲に種
々厚さのSUS 316及びNCF 600を被覆した。被覆方法は、
上記の表面を酸化させた銅線をSUS 316又はNCF 600のテ
ープでロール成形により包み込み、上記テープの突き合
わせ端部をTIG溶接したあと、ダイスを通して圧縮加工
を施した。
ウムの混合水溶液をに浸漬して上記銅線の周囲に種々厚
さの酸化銅を生成させた。これらの酸化銅層の厚さを還
元電位法により測定したのち、この酸化銅層の周囲に種
々厚さのSUS 316及びNCF 600を被覆した。被覆方法は、
上記の表面を酸化させた銅線をSUS 316又はNCF 600のテ
ープでロール成形により包み込み、上記テープの突き合
わせ端部をTIG溶接したあと、ダイスを通して圧縮加工
を施した。
比較のため従来の外表面に３μｍのNiメッキした3.5mm
φの0.1％Ag入銅線を用意した。
φの0.1％Ag入銅線を用意した。
上記の各種試料について、巻き付け性および加熱による
電気抵抗増加率を測定した。結果は導体の構成を併記し
て第１表に示した。
電気抵抗増加率を測定した。結果は導体の構成を併記し
て第１表に示した。
第１表より明らかなように、本発明品（１〜８）は、何
れも巻付け性が良好で電気抵抗の増加もほとんど認めら
れない。これに対し従来品（13）は巻付け性は問題ない
が電気抵抗の増加が大きく、また表面は酸化銅の析出に
よって黒く変色した。
れも巻付け性が良好で電気抵抗の増加もほとんど認めら
れない。これに対し従来品（13）は巻付け性は問題ない
が電気抵抗の増加が大きく、また表面は酸化銅の析出に
よって黒く変色した。
比較品（９〜12）のうち、被覆層の薄いもの（９）は、
巻付け時に曲げの内側面にシワが発生した。また被覆層
の厚いもの（10）は、曲げ加工性が悪く、巻付け後のス
プリングバックも大きく巻線用としては不向きであっ
た。酸化銅層の薄いもの（11）は、拡散防止効果が十分
に得られないために抵抗増加が大きく、また酸化銅層の
厚いもの（12）は、巻付けにより曲げの内側面にシワが
生じた。これは、酸化物層が厚いため曲げにより酸化物
層に割れが生じたことに起因するものと考えられる。
巻付け時に曲げの内側面にシワが発生した。また被覆層
の厚いもの（10）は、曲げ加工性が悪く、巻付け後のス
プリングバックも大きく巻線用としては不向きであっ
た。酸化銅層の薄いもの（11）は、拡散防止効果が十分
に得られないために抵抗増加が大きく、また酸化銅層の
厚いもの（12）は、巻付けにより曲げの内側面にシワが
生じた。これは、酸化物層が厚いため曲げにより酸化物
層に割れが生じたことに起因するものと考えられる。
以上述べたように、本発明の導体は、高温酸化雰囲気中
での連続長時間使用に耐え、また冷却が不要なためコイ
ルが小型化される等の利点を有し、工業上顕著な効果を
奏するものである。
での連続長時間使用に耐え、また冷却が不要なためコイ
ルが小型化される等の利点を有し、工業上顕著な効果を
奏するものである。
Claims (1)
- 【請求項１】銅又は銅合金線の周囲に酸化物を0.1〜10
μｍの厚さに形成し、更にこの周囲にFe基又はNi基の耐
熱合金を0.05〜0.5mmの厚さに被覆したことを特徴とす
るコイル巻線用耐熱耐酸化性導体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18736287A JPH0750566B2 (ja) | 1987-07-27 | 1987-07-27 | コイル巻線用耐熱耐酸化性導体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18736287A JPH0750566B2 (ja) | 1987-07-27 | 1987-07-27 | コイル巻線用耐熱耐酸化性導体 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6431307A JPS6431307A (en) | 1989-02-01 |
| JPH0750566B2 true JPH0750566B2 (ja) | 1995-05-31 |
Family
ID=16204666
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP18736287A Expired - Lifetime JPH0750566B2 (ja) | 1987-07-27 | 1987-07-27 | コイル巻線用耐熱耐酸化性導体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0750566B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH02236911A (ja) * | 1989-03-08 | 1990-09-19 | Sumitomo Electric Ind Ltd | セラミクスコーティング部材 |
| CN1236109C (zh) * | 1999-09-29 | 2006-01-11 | 欧罗巴金属公开有限公司 | 一种铜材料表面形成无机覆盖层的电化学方法 |
-
1987
- 1987-07-27 JP JP18736287A patent/JPH0750566B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6431307A (en) | 1989-02-01 |
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