JPH0750242B2 - 屈折率分布型メニスカスレンズ及びレンズ系 - Google Patents

屈折率分布型メニスカスレンズ及びレンズ系

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JPH0750242B2
JPH0750242B2 JP60017059A JP1705985A JPH0750242B2 JP H0750242 B2 JPH0750242 B2 JP H0750242B2 JP 60017059 A JP60017059 A JP 60017059A JP 1705985 A JP1705985 A JP 1705985A JP H0750242 B2 JPH0750242 B2 JP H0750242B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (1)技術分野 本発明は、光軸方向に屈折率分布を持つメニスカスレン
ズに関する。
(2)従来技術 近年、各種レンズ系に於いて、構成枚数を削減して収差
補正を行なうために、レンズを構成する媒質中に屈折率
分布を持ちレンズ内部に転送パワーを有する屈折率分布
型レンズの使用が考えられている。屈折率分布型レンズ
を大きく分けると、光軸から半径方向に屈折率分布を有
するラジアルタイプのレンズと光軸方向に屈折率分布を
有するアキシアルタイプのレンズがある。前記アキシア
ルタイプのレンズは非球面と同等の効果が有り、その収
差係数の寄与は非球面の寄与に置き換える事ができると
言われているが、ラジアルタイプに比べて製作が容易に
もかかわらずアキシアルタイプが持つ収差補正効果はラ
ジアルタイプより小さく、特にペツツバール像面彎曲に
対する効果はないと言われていた。
(3)発明の概要 本発明の目的は、従来の欠点を除去し、諸収差特にペツ
ツバール像面彎曲を良好に補正し得る屈折率分布型メニ
スカスレンズを提供する事にある。本発明の更なる目的
は、前記屈折率分布型メニスカスレンズを備え、諸収差
を良好に補正し得るレンズ系を提供する事にある。
上記目的を達成する為に、本発明に係る屈折率分布型メ
ニスカスレンズは、メニスカスレンズに於いて、該メニ
スカスレンズは接合面が無く、該メニスカスレンズの光
軸に沿つて凸面から凹面へ屈折率が減少する屈折率分布
を有し、前記凸面と前記凹面の光軸上に於ける屈折率差
ΔNが、ΔN0.15を満足する事を特徴としている。
又、更なる目的を達成する為に、本発明に係るレンズ系
は、複数のレンズより成り、互いに凹面が相対する形で
配置された2個のメニスカスレンズを有し、該メニスカ
スレンズの少なくとも一方は前記屈折率分布型メニスカ
スレンズから成る事を特徴としている。
本発明に係る屈折率分布型メニスカスレンズの屈折率分
布は、前述の如く光軸に沿つて凸面から凹面へ屈折率が
減少する屈折率分布であるが、必ずしも漸次減少する分
布とは限らない。要は凸面と凹面に於ける屈率差ΔN
が、ΔN0.15を満足する事であり、前記屈折率分布の
形状は本屈折率分布型メニスカスレンズの仕様や製作の
容易性等により決定されるものである。尚、ΔNの値が
大きい程像面彎曲の補正効果が大きくなる。以下、第1
図を用いて本屈折率分布型メニスカスレンズのペツツバ
ール像面彎曲補正効果に関して説明する。
第1図は本屈折率分布型メニスカスレンズのペツツバー
ル像面彎曲補正効果の説明図である。ここで、1は入射
光線、2は曲率半径RPの凸面、3は曲率半径RNの凹面、
i,Niは凸面2のパワーと屈折率、k,Nkは凹面3のパ
ワーと屈折率を示す。尚、第1図に示すメニスカスレン
ズの屈折率分布は以下の式で表わす事ができる。
N(x)=N0+N01X+N02X2+…… ここでxは凸面2からの光軸に沿つた距離を示す。
本屈折率分布型メニスカスレンズのペツツバール係数和
Psumは一般に以下の式で表わす事ができる。
Psum=i/Ni+k/Nk 本発明に於いては、|Ni−Nk|0.15を満足する事が必要
であり、この時、上式の右辺第2項に於いてペツツバー
ル係数の負の発生を増大させる為、正のペツツバール係
数を有する右辺第1項と良好にペツツバール係数を打ち
消し合う事になる。従つてペツツバール係数和は非常に
小さくなり、恰も高屈折率の凸レンズと低屈折率の凹レ
ンズを貼り合わせた接合レンズと同等の効果を有する。
但し、一般の接合レンズでは、接合面の曲率が大きくな
り接合面に於ける屈折率差も大きい為に高次収差の発生
を伴なうが、本屈折率分布型メニスカスレンズではレン
ズ内部に屈折率分布を有し且つ接合面が無い為に、高次
収差の発生を抑えて良好にペツツバール像面彎曲を補正
できる。又、所定の屈折率分布を与える事により、入射
光線1は光軸から離れるに従つて低屈折率の部分に入射
する事になり球面収差の発生を減少できる。尚、本発明
では物体側に凸面2を向けているが、像側に凸面2を向
けても同様の効果を得る。
以上説明したように本屈折率分布型メニスカスレンズは
良好にペツツバール像面彎曲を補正し、且つ球面収差の
補正も同時に行なえる。但し、凹面3の曲率半径RNが次
の(1)式を満足することにより、更に効果を得る事が
できる。
0.2f<RN<f ……(1) ここでfは本屈折率分布型メニスカスレンズの焦点距離
を表わす。曲率半径RNが(1)式の上限を越えるとペツ
ツバール像面彎曲の補正効果が小さくなり、下限を越え
ると諸収差の補正が困難となる。又、凸面2と凹面3の
曲率半径の比RP/RNが次の(2)式の下限を越えるとペ
ツツバール像面彎曲の補正効果が失なわれ、上限を越え
ると球面収差の補正が困難となる。
0.80<RP/RN<2.5 ……(2) 又、複数のレンズから成るレンズ系中に於いて、互いに
凹面が相対する形で2個のメニスカスレンズを配し、該
メニスカスレンズの少なくとも一方を本屈折率分布型メ
ニスカスレンズとする場合、上述したペツツバール像面
彎曲、球面収差のみならず、コマ収差、歪曲収差等の非
対称収差も同時に補正できる。従つて、本発明に係る屈
折率分布型メニスカスレンズ及びレンズ系を各種レンズ
系に用いる事により該レンズ系の構成枚数を減少させ、
コンパクトなレンズ系を達成し得る。
(4)実施例 第2図は本発明に係る屈折率分布型メニスカスレンズの
一例を示し、R1は凸面の曲率半径、R2は凹面の曲率半
径、D1はR1面とR2面との間の軸上肉厚を示す。本実施例
に於ける個折率分布は次の式で示される。但し、D1=0.
1である。
N(x)=1.75−2x 従つて、R1面とR2面との屈折率差ΔNは0.20となり、球
面収差、ペツツバール像面彎曲共以下の表に示す如く良
好に補正できる。尚、屈折率1.75の均質メニスカスレン
ズの場合、球面収差の3次収差係数及びペツツバール係
数和は各々21.18,0.26程度であり、本屈折率分布型メニ
スカスレンズの効果が大きいことが解る。従つて、小数
の枚数でレンズ系を構成する事ができる。以下、本実施
例のレンズデータ及び球面収差係数とペツツバール係数
和を示す。尚、レンズデータの数値は焦点距離を1とし
て規格化したものである。
第3図及び第4図は本発明に係るレンズの実施例を示す
断面図と収差図である。第3図において、R1〜R4は各面
の曲率半径、D1〜D3はR1〜R4を有する面の軸上空気間隔
又は軸上肉厚を示す。又、第4図は本実施例の球面収
差、非点収差、歪曲収差を示し、焦点距離35mmFナンバ
ー2.8、画角43.6゜である。本実施例は物体側から順に
曲率半径R1及びR2の面から成るメニスカスレンズと該メ
ニスカスレンズと対称に配置されたR3及びR4の面から成
るメニスカスレンズから構成され、両メニスカスレンズ
共凸面から凹面へ光軸に沿つて屈折率が減少する屈折率
分布を有する。この様な構成にする事によりペツツバー
ル像面彎曲を良好に補正し、その上球面収差、コマ収
差、歪曲収差を小さくおさえる事ができる。
尚、実施例文末に本実施例及び以下の実施例のレンズデ
ータと屈折率分布を表1〜表3として記す。表中Rn(n
=1,2,3……)は物体側から見てn番目の面の曲率半
径、Dn(n=1,2,3……)は第n面と第n+1面の間の
軸上空気厚又は軸上肉厚、N1,N2,N3は各々物体側から見
て1番目、2番目、3番目のレンズの屈折率を示す。
第5図及び第6図は別の実施例を示す断面図と収差図
で、物体側から順に曲率半径R1,R2の面から成る屈折率
分布型メニスカスレンズ、曲率半径R3,R4の面から成る
屈折率分布型メニスカスレンズ、曲率半径R5,R6の面か
ら成る均質媒質の正レンズから構成されている。本実施
例では両メニスカスレンズの凹面の曲率半径を更に小さ
くし、一対のメニスカスレンズの後段に正レンズを設け
る事によりペツツバール像面彎曲の補正効果を更に強め
ている。この様に本発明のレンズを他のレンズと組み合
わせたり種々のレンズ系の一部として使用する事により
諸収差を良好に補正できる。本実施例のレンズデータと
屈折率分布は表2に示す。
第7図及び第8図は更に別の実施例を示す断面図と収差
図であり、物体側から順に曲率半径R1,R2の面から成る
屈折率分布型メニスカスレンズ、曲率半径R3,R4の面か
ら成る屈折率分布型メニスカスレンズより構成され、前
記実施例に比べて画角が64゜と大きい場合の実施例であ
る。尚、効果は前記実施例同様であり、本実施例のレン
ズデータ及び屈折率分布は表3に示す。
(5)発明の効果 以上説明した様に、本発明に係る屈折率分布型メニスカ
スレンズは、ペツツバール像面彎曲を良好に補正し、且
つ球面収差の発生を抑える事ができるレンズである。更
に本屈折率分布型メニスカスレンズを対称に配置した一
対のメニスカスレンズの少なくとも一方に用いる事で、
像面彎曲、球面収差のみならずコマ収差、歪曲収差等の
非対称収差をも補正する事が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本屈折率分布型メニスカスレンズの収差補正効
果の説明図。 第2図は本屈折率分布型メニスカスレンズの実施例を示
す断面図。 第3図及び第4図は本発明に係るレンズ系の実施例断面
図及び収差図。 第5図及び第6図は本レンズ系の別の実施例を示す断面
図及び収差図。 第7図及び第8図は本レンズ系の別の実施例を示す断面
図及び収差図。 1……入射光線 2……凸面 3……凹面

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】接合面が無いメニスカスレンズにおいて、
    該メニスカスレンズの光軸に沿って凸面から凹面へ屈折
    率が減少する屈折率分布を有し、前記凸面と前記凹面の
    光軸上における屈折率の差をΔN、前記凸面の曲率半径
    をRP、前記凹面の曲率半径をRN、前記メニスカスレンズ
    の焦点距離をfとする時、 ΔN0.15 0.2f<RN<f 0.80<RP/RN<2.5 を満足することを特徴とする屈折率分布型メニスカスレ
    ンズ。
  2. 【請求項2】複数のレンズより成り、互いに凹面が相対
    する形で配置された2個のメニスカスレンズを有し、該
    メニスカスレンズの少なくとも一方は、接合面が無いレ
    ンズであり且つ光軸に沿って凸面から凹面へ屈折率が減
    少する屈折率分布を有し、前記凸面と前記凹面の光軸上
    における屈折率の差をΔN、前記凸面の曲率半径をRP
    前記凹面の曲率半径をRN、前記メニスカスレンズの焦点
    距離をfとする時、 ΔN>0.15 0.2f<RN<f 0.80<RP/RN<2.5 を満足することを特徴とするレンズ系。
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