JPH0750210A - 希土類磁石 - Google Patents

希土類磁石

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JPH0750210A
JPH0750210A JP18965394A JP18965394A JPH0750210A JP H0750210 A JPH0750210 A JP H0750210A JP 18965394 A JP18965394 A JP 18965394A JP 18965394 A JP18965394 A JP 18965394A JP H0750210 A JPH0750210 A JP H0750210A
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Itaru Okonogi
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Yukihiko Shiobara
幸彦 塩原
Mitsuru Sakurai
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Abstract

(57)【要約】 【目的】耐食性、対抗性の優れた希土類磁石を提供する
ことを目的とする。 【構成】希土類金属間化合物からなる希土類磁石におい
て、該磁石体の表面を撥水性機能を有し、フッ素樹脂を
含む有機物系樹脂でコーティングすることを特徴とする
希土類磁石。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、希土類磁石の表面を有
機物系樹脂でコーティングした耐酸化性に優れた高強度
の希土類磁石に関するものである。
【0002】
【従来の技術】永久磁石は、大きく分けてフェライト磁
石、アルニコ磁石、希土類磁石の3つに分類されるが、
近年のOA機器、FA機器の小型化、高効率化に伴い、
小でも希土類磁石の需要は人き〈伸びてきた。
【0003】希土類金属間化合物からなる永久磁石は製
造法により、(1)焼結型,(2)ボンド型,(3)鋳
造型の3種類に分数されることか知られている。
【0004】また希土類磁石は、その組成から希土類金
属(Rと称す)−コバルト系磁石と希土類−鉄系磁石に
太別される。
【0005】希土類−鉄系磁石は、GM社(ゼネラルモ
ータ社)と住友特殊金属(株)が、1983年に発表し
た磁石である。
【0006】これらは共に、Nd,Fe,Bを主成分と
しているが、GM社は、超急冷法を採用(特開昭59−
64739号公報)したのに対し、住友特殊金属(株)
は、焼結法を採用している。(特公昭61−34242
号公報)超急冷法の場合、厚み20μm位のリボンが得
られ、その一つ一つの中は、単磁区粒子の臨界半径より
も、微細なサブミクロンオーダ−(0.1μm〜0.5
μm)の結晶粒より構成されている。
【0007】従って、粒度177μm以下のバルク状粉
末に粉砕しても、保磁力が出る状態に保持されているの
で、樹脂結合型磁石の原料として利用出来る。
【0008】さらに希土類磁石は、保磁力機構から見れ
ば、希土類金属Rとコバルトからなる1一5系磁石例え
ば、SmCo5,CeCo5・Sm0.5Ce0.5Co5,Y
Co5,PrCo5,Sm(CoCu)5等、或いは基本
組成が希土類金属・鉄,ボロンからなる希土類金属間化
合物磁石のR−Fe−B系磁石のような、核磁区(ニュ
ークリエーション)モデルで説明されるもの、また希土
類金属Rと遷移金属からなるいわゆる2−17系磁石と
呼ばれる希土類金属間化合物磁石例えば、Sm(Co
ba1Cu0.05Fe0.02Zr0.028.0,Sm(Coba1
0.06Fe0.2 2Ti0.0167.6,Sm0.80.2(Co
ba1 Cu0.06Fe0.2Nb0.0187.8,Sm0.7Ce0.3
(Coba1Cu0.06Fe0.24Zr0.027.4,Sm0.5
0.5(Coba1Fe0.3Cu0.07Zr0.027.6等の2相
分離型(析出硬化型)のような磁壁のピンニングモデル
の2つがある。
【0009】これら希土類金属間化合物は、その組成が
希土類金属と遷移金属及び半金属或は半導体元素からな
る。このような希土類金属間化合物磁石は、湿度環境、
或いは酸化雰囲気下では、磁石表面から酸化反応を生じ
易い。特に鉄を主体にした希土類金属・鉄,ボロンから
なるR−Fe−B系磁石は問題が多い。
【0010】そのため、モータ、リレー等にR−Fe−
B系磁石を組込んだ場合、その酸化物が脱落してトラブ
ルの原因となることから殆ど実用化されていなかった。
【0011】例えば、特開昭59−46008号には、
焼結法によるR−Fe−B系永久磁石が開示されている
が、前記の酸化、錆等の問題に関しては何等言及されて
いない。
【0012】その他従来防錆対策として、マンガン−ビ
スマス磁石の表面に、金属メッキ(特公昭42−111
34号公報,特公昭43−8338号公報)或いは耐酸
化性メッキを施す(特公昭57−73296号公報)こ
とや、希土類磁石の表面に、エポキシ樹脂等のコーティ
ングを施すこと(特開昭51−21842号公報)が知
られているか、これらメッキ被膜やコーティング被膜に
は微少なピンホールが、必ず発生することかよく知ら
れ、これを防止することは出来なかった。
【0013】そのためこのピンホールから水分が侵入し
錆が発生するという問題があった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなピンホー
ル発生の原因としては、 (1)下他となる磁石の表面が完全な平面または鏡面で
はなく微細な凹凸或いは粉末間に生ずる隙間等のために
その上に形成された被膜にピンホールが発生する。
【0015】(2)メッキ液、コーティング液に使われ
ている溶媒が被膜中に残留し、乾燥させた時に揮発する
ため、その跡がピンホールとして残る。
【0016】(3)技術的に完全な膜を形成することは
実質的に不可能であるため、欠陥としてピンホールが発
生する。
【0017】従来のSm−Co(鉄を少量含んでいる)
等の磁石の場合は、上記のピンホールが、鉄の含有量が
少ないため実用上大きな問題とはならなかったが、希土
類−鉄系磁石の場合には、鉄の量が可なり多いため、他
の磁石に比べ遥かに鎖びやすいという性質があり、この
ため回転機であるモ一夕、VCM、或いはスピーカー、
リレー等に磁石を組込んで磁気回路を構成した場合、発
錆のために機能低下を生ずる。
【0018】本発明は、上記のような問題点を解決する
耐食性、耐候性の優れた希土類磁石を提供することを目
的とするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の第1は、希土類
金属間化合物からなる希土類磁石において、該磁石体の
表面を撥水性機能を有する有機物系樹脂でコーティング
することを特徴とする希土類磁石である。
【0020】また本発明の第2は、希土類属間化合物か
らなる磁石粉末と結合材からなる微粉末結合型磁石にお
いて、該磁石体内部に熱硬化性樹脂を含浸させ、さらに
表面を撥水性機能を有する有機物系樹脂でコーティング
することを特徴とする希土類磁石である。
【0021】そして有機物系樹脂が、エポキシ樹脂、フ
ェノール樹脂またはポリエステル樹脂に、重量比で2〜
70%のフッ素樹脂を混合したものであり、更に、この
有機物系樹脂を1μm〜50μmの厚さにコーティング
するものである。
【0022】あるいは前記有機物系樹脂としてフッ素樹
脂単独を1μm〜50μmの厚さにコーティングした希
土類磁石である。
【0023】そして上記発明第1及び第2における、フ
ッ素樹脂が四フッ化エチレン樹脂(PTFE),四フッ
化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹
脂(PFA),四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン
共重合樹脂(FEP)・四フッ化エチレン・六フッ化プ
ロピレン・パーフルオロアルコキシエチレン重合樹脂
(EPE),四フッ化エチレン・エチレン共重合樹脂
(ETFE),三フッ化塩化エチレンル共重合樹脂(P
CTFE),三フッ化塩化エチレン・エチレン共重合樹
脂(ECTFE),フッ化ビニリデン樹脂(PVD
F),フッ化ビニル樹脂(PVE)から選ばれた1種で
あることを特徴とするものである。
【0024】
【作用】本発明の第1は、撥水性機能を有する有機物系
樹脂で磁石体の表面をコーティングすることにより前述
のピンホールから侵入しようとする水分をはじ〈ことが
出来るため内部への侵入を防止することが出来るもので
ある。
【0025】同様に本発明の第2は、磁石体の内部に熱
硬化性樹脂を含侵させ、、さらに表面をフッ素系樹脂で
1μm〜50μmの厚さにコーティングすることにより
向上の作用を行うものである。
【0026】本発明の希土類磁石は、 (1)希土類金属とコバルトからなる所謂RCo5系希
土類金属間化合物磁石、例えばSmCo5,CeCo5
Sm0.5,Ce0.5,Co5,YCo5,PrCo5,Sm
(CoCu)5等の一般的に1−5系と呼ばれる群の希
土類コバルト磁石。
【0027】(2)希土類金属と遷移金属からなる所謂
2−17系と呼ばれる希土類金属間化合物磁石、例え
ば、Sm(Coba1Cu0.05Fe0.02Zr0.028.0,S
m(Coba1Cu0.06Fe0.22Ti0.0167.6,Sm0.8
0.2(Coba1Cu0.06Fe0.20Nb0.0187.8,Sm
0.7Ce0.3(Coba1Cu0.06Fe0.26Zr0.027.4
Sm0.5Pr0.5(Coba1Fe0.3Cu0.07Zr0.02
7.6,等の組成式で示される磁石材料であり、希土類金
属は重量比20〜30%と戦記1−5系に比べ省資源型
の磁石。
【0028】(3)基本組成が希土類金属Rと鉄Fe及
びボロンBからなる希土類金属間化合物磁石で、飽和磁
化(4πIs大きく、かつ異方性磁場(Ha)も大きい
ことから現存磁石の中では最高性能を示す磁石である。
【0029】原子比組成式で示せば、Nd15Fe
778,Nd15Fe73Co48,Pr15Fe778,P
15Fe805等の希土類金属間化合物であり、その組
成範囲は、希土類金属は8〜18%、遷移金属73〜8
8%,As,Sb,Bi,B,C,Si,P,Seなど
の半金属,半導体元素を4〜9%含有しているものであ
る。
【0030】本発明は、このような(1)〜(3)の希
土類磁石表面に物理的、または化学的方法により有機物
樹脂を被覆するものである。
【0031】ここで有機物樹脂は、撥水機能を有する樹
脂でなければならない。撥水機能とは湿度環境下で水分
をはじく作用をいうものである。
【0032】詳しく述べると、磁石が錆びるのは、磁石
中の鉄と水分中に含まれるH−OHが、置換反応を起こ
し、錆である水酸化第2鉄[Fe(OH)3]を形成す
るためである。
【0033】従って、この置換反応を防止するため、磁
石表面に水分をはじく撥水性有機物コーティング膜を形
成させる。
【0034】この物質は有機仏樹脂で、膜厚みは1μm
以上であれば良い。
【0035】ここで本発明の第1及び第2に用入られる
フッ素樹脂は、 四フッ化エチレン樹脂(PTFE) (−CF2−CF2n 四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共
重合樹脂(PFA) 四フッ化エチレン・6フッ化プロピレン共重合樹脂(F
EP) 四フッ化エチレン・6フッ化プロピレンパーフルオロア
ルコキシエチレン共合樹脂(EPE) 四フッ化エチレン・エチレン共重合樹脂(ETFE) (一CF2−CF2m(−CH2−CH2n 三フッ化塩化エチレン樹脂(PCTFE) (一CF2−CFCl)n 三フッ化塩化エチレン・エチレン共重合樹脂(ECTF
E) (−CF2−CFCl)m(−CH2−CH2n フッ化ビニリデン樹脂 (PVDF) (−CF2−CH2n フッ化ビニル樹脂 (PVE) (−CHF−CH2n である。
【0036】そしてエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂ま
たはフェノール樹脂ヘのフッ素樹脂の混合量は、重量比
で2%未満では、耐候性が小さく、70%を越えると均
一に混合出来ないため彼覆ムラや被覆強度を落とすため
適当でないので2〜70%の範囲とした。
【0037】また被覆厚さは、1μm未満では不均一層
の発生による信頼性確保が困難であるため1μm以上と
した。一方、50μmを越えると作業時間が長くなり高
いコストになるので好ましくない。
【0038】本発明は、フッ素樹脂を単独で用いても所
望の効果は得られるが、更に撥水性のないエポキシ,ア
クリル等の樹脂と混合することにより効果か得られるも
のである。
【0039】フッ素樹脂は、他の樹脂に比べて金属(磁
石は金属剛化へ物)との密着性が良くない。
【0040】通常金属にフッ素樹脂をコーティングする
場合には、数百℃に加熱して焼き付けることにより、強
固な密着性を得ているが、磁石の場合には加熱すると、
磁気特性が劣化して実用に耐えられなくなるので、焼き
付けコーティングか出来ない。
【0041】従って、他の樹脂と混合することにより、
撥水性を保持しながら、なおかつ密着性を向上させるこ
とか出来被膜の耐久性が向上する。
【0042】次に本発明の実施例について述べる。
【0043】
【実施例】
実施例一1 原子比か、Nd14Fe8O6である超急冷法により得ら
れた粉末を、177μm以下に粉砕した後、エポキシ樹
脂を加え圧縮成形した。
【0044】これを155℃において1時間保持して熱
硬化させ磁石を得た。
【0045】この磁石に表1に示す条件でコーティング
した。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】磁力の性能は、(BH)maX=7.6
(MGOe),Br=5.9(KG),iHC=15.4(KOe)
bHc=5.3(KOe), 密度=6.3(g/cm3)で
あった。
【0049】ここで、試料No1〜11を温度6O℃、
湿度95%以上の恒温恒湿環境下に15OO時間さらし
た後の磁気性能及び外観変化の結果を表2に示す。
【0050】比較例として、コーティングを施さなかっ
た磁石についても示した。
【0051】表2に示すようにNo1及びNo11は夫
々エポキシ樹脂またはフェノール樹脂にフッ素樹脂を2
%以下、及び70%以上混合したため耐蝕性が低下して
いる。
【0052】実施例−2 急冷薄膜法で作った、Nd0.14(Fe0.940.080.86
合金の薄膜をボールミルで微粉砕し粒径177μm以下
の磁性粉を得た。
【0053】この磁性粉にエポキシ樹脂1〜3重量%加
え十分に混練した後、所定の形に圧縮成形し、15O℃
で1時間キュア−処理をしてエポキシ樹脂を硬化させ
た。
【0054】得られた磁石はトリクレンで洗浄した後、
PTEFを吹付け15O℃で1時間焼付け表面に約5μ
mの被覆を形成した。
【0055】次に再度PTEFを吹付け合計10μmの
被覆を打った。表3に本発明による磁石と、比較例とし
て被覆をしていない磁石を夫々湿度95%,温度6O℃
の中へ人れた時の目視判定による錆の発生状況を示す。
【0056】
【表3】
【0057】以下、○:発生なし、 Δ:一郎発生、
×:全体的に発生を示す。
【0058】表3から明らかなように、いずれもフッ素
樹脂で被覆することによって耐蝕性が飛躍的に改善され
ることが判った。
【0059】実施例−3 実施例−1と同様に樹脂結合型磁石を作り、フッ素樹脂
として、PHP、PCTFE、PVDFを用い、夫々約
10μmの被覆を行った。その後湿度95%温度6O℃
の中へ人れ耐蝕性の試験を行った。その結果を表4に示
す。
【0060】
【表4】
【0061】表4から明らかなように、フッ素系樹脂を
被覆することによって耐蝕性が飛躍的に改善されること
か判る。
【0062】実施例−4 実施例−1と同様に樹脂結合型磁石を作り、フッ素樹脂
を重ね塗りすることにより膜厚約0.5μm、1μm、
11μm、30μm、50μm、70μmの磁石を作っ
た。これらを湿度95%,温度60℃の小へ人れ前例と
何様に試験を行った。その結果を表5に示す。
【0063】
【表5】
【0064】表5から、膜厚が1μm以下では実用的に
十分な耐触性が得られないことが判る。また、5Oμm
以上では凧独性か変わっていない。
【0065】実施例−5 濃度の異なるフッ素樹脂溶液を作り1回の被覆作業で1
0μmの被覆した磁石と3回の被覆作業で1Oμmの被
覆した磁石を作り実施例3と同様な試験を行った。その
結果を第6表に示す。
【0066】
【表6】
【0067】表6から同じ被覆の膜厚でも薄い膜を各層
にした方が耐蝕性か優れることが判る。これは被覆を乾
燥させるときに中に含まれている溶媒が蒸発し、それが
膜にピンホールを作るが、1層ではその穴が埋められな
いからである。
【0068】実施例−6 各種の希土類磁石を製造し、次にエポキシ樹脂、PTF
E及びPFAの混合物をコーティングし、耐錆試験(4
0℃×95%湿度×500時間)を行った。その結果を
表7に示す。
【0069】
【表7】
【0070】実施例−7 原子比がNd13Fe77Co46である超急冷法により得
られた粉末を100μm以下に粉砕した後、エポキシ樹
脂を加え圧縮成形した。これを125℃において1時間
保持して熱硬化させ磁石を得た。この磁力に表8に示す
条件でコーティングした。
【0071】
【表8】
【0072】磁石の性能は、(BH)max=11.0
(MGOe),Br=7.2(KG),iHc=9.8(KOe),b
Hc=5.0(KOe),密度=6.4(g/cm3)であっ
た。
【0073】ここで、試料 NO.21〜31を温度60
℃、湿度95%以上の恒温恒湿環境下に1500時間さ
らした後の磁気性能及び外側変化の結果を表9に示す。
【0074】比較例として、コーティングを施さなかっ
た磁石についても示した。
【0075】表9に示すように No.21及びNO.31は
夫々エポキシ樹脂またはフェノール樹脂にフッ素樹脂を
2%以下、及び70%以上混合したため耐蝕性が低下し
ている。
【0076】
【表9】
【0077】実施例−8 急冷薄膜法で作ったNd0.14(Fe0.89Co
0.050.060.86合金の薄膜をボールミルで微粉砕し粒
径90μm以下の磁性粉を得た。この磁性粉にエポキシ
樹脂1〜3重量%加え十分に混練した後、所定の形に圧
縮成形し、15O℃で1時間キュア−処理をしてエポキ
シ樹脂を硬化させた。
【0078】得られた磁石はトリクレンで洗浄した後、
PTBFを吹付け15O℃で1時間焼き付け表面に約5
μmの被覆を形成した。
【0079】次に再度PTEFを吹付け合計10μmの
被覆を行った。表10に本発明による磁石と、比較例と
して被覆をしていない磁石を夫々湿度95%,温度60
℃の中へ入れた時の目視判定による錆の発生状況を示
す。
【0080】
【表10】
【0081】表10から明らかなように、いずれもフッ
素樹脂で被覆することによって耐蝕性が飛躍的に改善さ
れることが判った。
【0082】実施例−9 実施例−7と同機に樹脂結合型磁石を作り、フッ素樹脂
として、PEP,PCTFE,PVDFを用い、夫々約
1Oμmの被覆を行った。その後湿度95%,温度60
℃の中へ入れ耐蝕性の試験を行った。その結果を表11
に示す。
【0083】
【表11】
【0084】表11から明らかなように、フッ素系樹脂
を被覆することによって耐蝕性が飛躍的に改善されるこ
とが判る。
【0085】実施例−10 実施例−7と同様に樹脂結合型磁石を作り、フッ素樹脂
を重ね塗りすることにより膜厚約0.5μm、1μm、
1Oμm、3Oμm、50μm、7Oμmの磁石を作っ
た。これらを湿度95%,温度60℃の中へ入れ前例と
同様に試験を行った。その結果を表12に示す。
【0086】
【表12】
【0087】表12から、膜厚が1μm以下では実用的
に十分な耐蝕性が得られないことが判る。また、50μ
m以上では耐蝕性が変わっていない。
【0088】実施例−11 原子比が、Nd13Fe74Co76である超急冷法により
得られた粉末を、12Oμm以下に粉砕した後、エポキ
シ樹脂を加え圧縮成形した。これを160℃において1
時間保持して熱硬化させ磁石を得た。この磁石に表13
に示す条件でコーティングした。
【0089】
【表13】
【0090】磁石の性能は、(BH)max=11.5
(MGOe), Br=7.4(KG),iHc=9.4(KOe)
bHc=4.8(KOe), 密度=6.6(g/cm3)で
あった。
【0091】ここで、試料No.41〜51を温度8O
℃、湿度95%以上の恒温恒湿環境下に15OO時間さ
らした後の磁気性能及び外観変化の結果を表14に示
す。
【0092】比較例として、コーティングを施さなかっ
た磁石についても示した。
【0093】表14に示すようにNo.41及びNO.51は
夫々エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂またはフェノール
樹脂にフッ素樹脂を2%以下、及び70%以上混合した
ため耐蝕性が低下している。
【0094】
【表14】
【0095】本実施例は、焼結希土類磁石及び各種組成
の磁石について調べたものである。
【0096】磁石表面にコーティングすることによっ
て、優れた防錆効果が得られた。磁石表面をこのような
有機物樹脂でコーティングすれば、大変優れた機能を得
ることが出来た。
【0097】
【発明の効果】以上に述べたように希土類磁石表面を、
撥水性有機物樹脂でコーティングすることにより実用に
満足する耐蝕性、耐候性を有する新しい磁石を得られ
た。
【0098】本発明を実施した時の具体的な効果は、 (1)スピーカー、モーター、メータなどに応用した場
合、長期信頼性、安定性を確保出来る。
【0099】(2)高精度磁気回路、高能率化の達成。
【0100】(3)高温・腐蝕性雰囲気条件で実用出来
る用途拡大に結びつけられる。
【0101】(4)磁粉発生防止。
【0102】(5)割れ欠けかない。
【0103】(6)磁石の熱的安定性、耐熱性が高めら
れ (7)機械強度向上。
【0104】等の効果を奏するものである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希土類金属間化合物からなる希土類磁石
    において、該磁石体の表面を撥水性機能を有し、フッ素
    樹脂を含む有機物系樹脂でコーティングすることを特徴
    とする希土類磁石。
  2. 【請求項2】 希土類金属間化合物からなる磁石粉末と
    結合材からなる微粉末結合型磁石において、該磁石体内
    部に熱硬化性樹脂を含浸させ、さらに表面を撥水性機能
    を有しフッ素樹脂を含む有機物系樹脂でコーティングす
    ることを特徴とする希土類磁石。
  3. 【請求項3】 前記フッ素樹脂を含む有機物系樹脂がエ
    ポキシ樹脂、フェノール樹脂またはポリエステル樹脂に
    重量比で2〜70%のフッ素樹脂を混合したものである
    ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の希土類
    磁石。
  4. 【請求項4】 前記フッ素樹脂を含む有機物系樹脂を1
    μm〜50μmの厚さにコーティングしたことを特徴と
    する請求項3記載の希土類磁石。
  5. 【請求項5】 フッ素樹脂を1μm〜50μmの厚さに
    コーティングしたことを特徴とする請求項1または請求
    2記載の希土類磁石。
  6. 【請求項6】 前記フッ素樹脂が四フッ化エチレン樹脂
    (PTFE),四フッ化エチレン・パーフルオロアルコ
    キシエチレン共重合樹脂(PFA),四フッ化エチレン
    ・六フッ化プロピレン共重合樹脂(FEP),四フッ化
    エチレン・六フッ化プロピレン・パーフルオロアルコキ
    シエチレン共重合樹脂(EPE)・四フッ化エチレン・
    エチレン共重合樹脂(ETFE),三フッ化塩化エチレ
    ン共重合樹脂(PCTFE),三フッ化塩化エチレン・
    エチレン共重合樹脂(ECTFE),フッ化ビニリデン
    樹脂(PVDF),フッ化ビニル樹脂(PVE)から選
    ばれた1種であることを特徴とする請求項3〜請求項5
    いずれかに記載の希土類磁石。
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