JP3145473B2 - 弗素樹脂磁性材複合材料 - Google Patents
弗素樹脂磁性材複合材料Info
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Description
を用いた、耐食性、耐薬品性に優れた磁性材樹脂複合材
料に関する。
に優れており、複雑形状や一体成形が可能で、割れ欠け
に強く、寸法精度が良好なことから、近年特に注目さ
れ、工業的な利用範囲が広がっている。
の希土類系磁性材料を用いた高磁気特性ボンド磁石の市
場が急成長している。
外に希土類−鉄−窒素系磁性材料が発明されている。
(例えば特開平2−57663)この材料は、Sm−C
o系やNd−Fe−B系材料と違って特に10μm以下
の微粉でも、高い磁気特性を有している。粒度の小さい
この材料を用いれば、表面平滑性や機械的強度に優れ
た、高い磁気特性の磁性材樹脂複合材料やその磁石が期
待できる。
酸化され易く、酸やアルカリに対する活性が高い。従っ
てこの材料とエポキシや12ナイロンといつた通常の樹
脂との組み合わせでは充分な耐食性、耐薬品性が発揮さ
れない。従って、高い磁気特性と耐酸化性を持ち、表面
平滑性や機械的強度、寸法安定性に優れたボンド磁石を
得るために、希土類−鉄−窒素系を含有し、高密度で、
しかも磁場配向の優れた磁性材樹脂複合材料の出現が強
く望まれている。
い磁気特性を有する希土類−鉄−窒素系磁性材料を用い
て、各種薬品に対する安定性が良好で、耐食性に優れた
磁性材樹脂複合材料を提供しようとするものである。
磁気特性を有する希土類−鉄−窒素系磁性材料を用い
て、各種薬品に対する安定性に優れ、耐酸化性に優れた
磁性材樹脂複合材料を得るために、鋭意検討を行った結
果、各種薬品に対する安定性と耐食性に優れた組成物を
発見し、本発明を成すに至った。
粉体70〜99.5重量%と、熱硬化性弗素樹脂0.5
〜30重量%からなることを特徴とする圧縮成形用磁性
材樹脂複合材料である。この磁性材樹脂複合材料を用い
て、圧縮成形で、ボンド磁石を作製する事が可能であ
る。
e−N)系磁性材料について説明する。
Pr、Nb、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、H
o、Er、Tm、YbおよびLuのうち少なくとも一種
を含めば良く、従って、ミッシュメタルやジジム等の二
種以上の希土類元素の混合物を用いても良いが、好まし
い希土類としては、Y、Nd、Ce、Pr、Sm、G
d、Dy、Erである。さらに好ましくはY、Nd、C
e、Pr、Smである。鉄(Fe)は、強磁性を担う本
磁性材の基本組成であるが、Feの0.01〜49原子
%をCo、Ni、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、
Cr、Mo、W、Mn、Pd、Zn、B、Al、Ga、
C、Si、Ge、Snの元素(M)の一種または二種以
上に置き換えることができる。このうち、Ti、Zr、
Hf、V、Mo、Mn、B、Al、C、Si、Geのう
ち一種あるいは二種以上が好ましい。さらに好ましく
は、Zr、V、Cr、Mo、B、Cのうち一種または二
種以上である。以降、鉄もしくは鉄成分と記述した場
合、Feの一部を他のMにより置換した場合も含むこと
とする。
る鉄の置換量については、好ましくは0.01〜34原
子%、更に好ましくは0.1〜20原子%である。
なくとも希土類、鉄、窒素を含みかつ強磁性を示す組成
範囲にあることが重要である。本発明の中でも、高い磁
気特性を得るためには、Rが5〜20原子%、鉄成分が
40〜90原子%、窒素(N)が1〜25原子%の組成
範囲にあることが好ましく、窒素の組成範囲に関して、
さらに好ましくは2〜25原子%、最も好ましくは3〜
20原子%である。
−窒素系磁性材料には、水素(H)が0.01〜5原子
%、さらに酸素(O)が0.01〜10原子%含まれる
場合もある。
ては、R2Fe17Nx型やR2Fe17CYNx型などの六方
晶系並びに菱面体晶系、R2Fe14BNx型、R2Fe14
CNx型やR(Fe1-zMz)12 N x 型などの正方晶系のう
ち一種もしくは二種以上をとる。なお好ましいYの値と
しては、0.00022〜3、この時の鉄に対するMの
原子比は0.001原子%〜13.6原子%、好ましい
zの値としては0.000012〜0.33、この時の
鉄に対するMの原子比は、0.001原子%〜33.3
原子%である。
K、Mg、Ca、Sr、Ba、Ti、Zr、Hf、V、
Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Pd、Cu、A
g、Zn、B、Al、Ga、In、C、Si、Ge、S
n、Pb、Biの元素、及びこれらの元素やRの酸化
物、フッ化物、炭化物、窒化物、水素化物、炭酸塩、硫
酸塩、ケイ酸塩、塩化物、硝酸塩のうち少なくとも一種
を希土類−鉄−窒素系磁性材料に対して0.001〜4
9重量%含む事も可能である。
類−鉄−窒素系磁性材料の含有量については、70〜9
9.5重量%である事が必要である。70重量%より含
有量が少ない場合は残留磁束密度が低く、永久磁石用途
としての実用性は小さいうえに本発明における樹脂の磁
場配向性に対する効果が小さくなる。また99.5重量
%を越えると、単位体積あたりの磁性粉量が多くなる反
面、磁場配向性に劣り、樹脂成分の減少に伴う残留磁束
密度の向上が見られない上に、樹脂量が少なく磁性粉の
表面を被覆できないので、耐酸化性に劣る。希土類−鉄
−窒素系磁性粉体の平均粒径は0.1〜80μmの範囲
にあることが望ましい。
耐食性、耐薬品性に加えて寸法安定性、表面平滑性に特
に優れた材料を作製する場合、平均粒径が1〜10μm
であることが好ましい。さらに密度向上のため、粒度に
適当な分布を持たせる事は有効である。
5〜30重量%の範囲にある事が必要である。0.5重
量%より樹脂量が少ないと磁性粉の表面を被覆できない
ので、耐薬品性、耐酸化性に劣り、30重量%より多い
と磁化が低く、永久磁石用途としての実用性は低い。樹
脂量として好ましくは0.5重量%〜10重量%であ
り、さらに好ましくは0.5〜5重量%である。
エポキシ樹脂、含弗素ポリイミド、トリアジン系弗素樹
脂を挙げることができる。
脂磁石の製造方法に従って製造することができる。即
ち、磁性粉、弗素樹脂及びその他の添加剤の混合物をバ
ッチ式ニーダー、バンバリーミキサー、ヘンシェルミキ
サー、ヘリカルロータ、ロール、1軸押し出し機、2軸
押し出し機などを用いて−50〜300℃の温度領域
で、混練することができる。
分粘度が低下する領域で選び、熱硬化性ならば硬化が進
まない領域で選ぶ。混合物に溶剤を添加している場合
は、混練と同時に溶剤回収を行う方法が有効である。
に磁性粉体に、あらかじめ滑剤、カップリング剤を処理
することが可能である。さらに、あらかじめ樹脂に滑
剤、カップリング剤を添加しておくことも可能である。
レイン酸、バルミチン酸、リノール酸、ラウリン酸、
1,2−オキシステアリン酸、リシノール酸などの脂肪
酸類、オレイルアミン、ステアリルアミン、ラウリルア
ミン等のアミン類、グリシン、アラニン、アスパラギン
酸、アルギニン、ヒスチジン等のアミノ酸類、ステアリ
ン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリ
ウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネ
シウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、リシ
ノール酸亜鉛、リシノール酸カルシウム、2−エチルヘ
キソイン酸亜鉛等の脂肪酸塩類、ステアリン酸アミド、
ヒドロキシステアリン酸アミド、パルミチン酸アミドな
どの脂肪族アミド類、Si3N4、SiC、MgO、Al
2O3、TiC、Sb2O3等の無機化合物粉体、シリコー
ン油、シコーングリース、シリコーン樹脂、ポリシラン
系カップリング剤等のポリシロキサン類、ステアリン酸
ブチル等の脂肪酸エステル、エチレングリコール、ステ
アリルアルコール等のアルコール類、パラフィンワック
ス、流動パラフィン、ポリエチレンワックス、ポリピレ
ンワックス、エステルワックス、カルナウバ、マイクロ
ワックス等のワックス類などが挙げられるが、これらは
本発明を限定するものではない。通常、滑剤はこれらの
一種または二種以上が用いられる。
リイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリ(N
−アミノエチル−アミノエチル)チターネート、イソプ
ロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネ
ート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイ
ト)チタネート、テトライソプロピルチタネート、テト
ラブチルチタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシ
ルホスファイト)チタネート、イソプロピルトリオクタ
ノイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼン
スルホニルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチル
ホスフェート)チタネート、ビス(ジオクチルパイロホ
スフェート)エチレンチタネート、イソプロピルジメタ
クリルイソステアロイルチタネート、テトラ(2、2−
ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシ
ルホスファイト)チタネート、イソプロピルトリクミル
フェニルチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェ
ート)オキシアセテートチタネート、イソプロピルイソ
ステアロイルジアクリルチタネート等のチタン系カップ
リング剤、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N
−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメト
キシシラン、γ−グリシドキシ−プロピルトリメトキシ
シラン、β−(3、4−エポキシ−シクロキシル)エチ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビ
ニル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−メ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミ
ノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
N−(3−トリエトキシシリルプロピル)ウレア、メチ
ルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラ
ン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピル
トリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、γ−ア
ニリノプロピルトリメトキシシラン、オクタデシルジメ
チル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニ
ウムクロライド、γ−クロロプロピルメチルジメトキシ
シラン、メチルトリクロロシラン、ポリアルキレンオキ
サイドシラン類、パーフルオロアルキルトリメトキシシ
ラン類等のシリコンを含有するカップリング剤のほか、
アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレートのよ
うなアルミニウム系、ジルコニウム系、クロム系、鉄
系、錫系等のカップリング剤が挙げられるが、これらは
本発明を限定するものではない。さらにカップリング反
応の触媒として、水、アミン類等をカップリング剤に合
わせて添加しても良い。
には、必要に応じて封止剤、紫外線吸収剤、帯電防止
剤、着色剤、充填剤などの添加剤、或いはシリカ、ウイ
スカー等のフィラ、フェライト、SmCoやNd−Fe
−B等の磁石粉体を添加する事が出来る。
ド磁石を製造する場合には、さらに成形処理を施す。
る方法としては、磁場をかけながら圧縮成形を行う方法
が挙げられる。圧縮成形法では、表面平滑性及び磁気特
性に優れたボンド磁石が得られる。
ンド磁石が得られる。
料を仕込んでから、滑剤や溶媒を添加する方法は有効で
ある。
を発揮する。弗素樹脂が熱硬化性の場合は、通常熱を加
えて硬化させるが、成形中に熱を加えるホットプレス法
や、成形品を金型から抜いてキュア処理を行う方法が用
いられる。
場合、キュア処理を行わなくても良い。
再度圧縮成形の材料として用いる方法は、成形時の流れ
性や磁場配向性を良好にし有効である。
磁石としての性能を高める。着磁は通常用いられる方
法、例えば静磁場を発生する電磁石、パルス磁場を発生
するコンデンサー着磁器などによって行われる。充分着
磁を行なわしめるための磁場強度は、好ましくは15k
Oe以上、さらに好ましくは30kOe以上である。
る。
状に成形するか、もしくは、大型成形品より切り出し
て、これを室温中60kOeでプレス着磁したのち、振
動試料型磁力計(VSM)を用いて測定した。測定した
磁気特性は、外部磁場を15kOe印加した時の飽和磁
化4πIs(kG)、残留磁束密度Br(kG)、角形
比Br/4πIs(%)、保磁力(固有保磁力)iHc
(kOe)、最大エネルギー積(BH)max(MGO
e)である。
90%の恒温恒湿槽内に96時間放置した、外観を以下
の3段階で評価した。
あり、 ×;錆の発生あり (3)耐酸化性試験 150℃のオーブン内に(1)で用いた板状ボンド磁石
を入れ、20時間後の磁気特性を(1)と同時にして測
定し、(1)の結果と比較した。
素水溶液、[B]硫酸ナトリウム飽和水溶液を試験液と
し、20℃の試験液に2時間含浸したときの磁気特性を
(1)と同様に測定し、最大エネルギー積の変化を次の
3段階で評価した。
15%以上 実施例1 平均粒径2.3μmのSm8.4Fe71.0N14.2H1.4O
5.0磁性粉体500gと、ジメチルスルホキシドに溶解
した含弗素エポキシ樹脂主剤10gと硬化剤0.2gを
バッチ式ニーダーに入れ、減圧にしながら40℃で1時
間混練し、溶剤を蒸発させた。次いでこの磁性粉体を1
5kOeの磁界中で14ton/cm2の圧力で圧縮成
形した。その後成形体を減圧下で120℃で60分間加
熱する事により圧縮成形型ボンド磁石を作製した。磁気
特性の評価結果を表1に示す。さらにこのボンド磁石を
150℃の空気中に20時間放置したときの磁気特性を
表2に示した。また80℃で90%相対湿度中に96時
間放置した結果、錆の発生は見られなかった。
と同様にして圧縮成形ボンド磁石を作製した。磁気特性
の評価結果を表1に示す。さらにこのボンド磁石を15
0℃の空気中に20時間放置したときの磁気特性を表2
に示した。また80℃で90%相対湿度中に96時間放
置した結果、錆が発生した。耐薬品性テストの結果は良
好ではなかった。
o7.1N7.1に変更した以外は、実施例1と同様にして圧
縮成型ボンド磁石を作製した。磁気特性の評価結果を表
1に示す。さらにこのボンド磁石を150℃の空気中に
20時間放置したときの磁気特性を表2に示した。また
80℃で90%相対湿度中に96時間放置した結果、錆
の発生は見られなかった。耐薬品性テストの結果は良好
であった。
粒度が小さく高い磁気特性を有する希土類−鉄−窒素材
料を含有し、しかも良好な耐薬品性と耐食性を合わせ持
つ磁性材樹脂複合材料を得ることができ、更に、これら
の材料を用いて、表面平滑性、機械特性、寸法安定性に
優れた高磁気特性のボンド磁石を作製することができ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 希土類−鉄−窒素系磁性粉体70〜9
9.5重量%と、熱硬化性フッ素樹脂0.5〜30重量
%からなることを特徴とする圧縮成形用磁性材樹脂複合
材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11049092A JP3145473B2 (ja) | 1992-04-28 | 1992-04-28 | 弗素樹脂磁性材複合材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11049092A JP3145473B2 (ja) | 1992-04-28 | 1992-04-28 | 弗素樹脂磁性材複合材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05304010A JPH05304010A (ja) | 1993-11-16 |
JP3145473B2 true JP3145473B2 (ja) | 2001-03-12 |
Family
ID=14537071
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11049092A Expired - Lifetime JP3145473B2 (ja) | 1992-04-28 | 1992-04-28 | 弗素樹脂磁性材複合材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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Families Citing this family (3)
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---|---|---|---|---|
JP2000036403A (ja) | 1998-07-21 | 2000-02-02 | Seiko Epson Corp | 希土類ボンド磁石用組成物、希土類ボンド磁石および希土類ボンド磁石の製造方法 |
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JP4301221B2 (ja) * | 2005-08-12 | 2009-07-22 | セイコーエプソン株式会社 | 希土類ボンド磁石の製造方法および希土類ボンド磁石 |
-
1992
- 1992-04-28 JP JP11049092A patent/JP3145473B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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