JP3139826B2 - 磁性材樹脂複合材料 - Google Patents

磁性材樹脂複合材料

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JP3139826B2
JP3139826B2 JP04112706A JP11270692A JP3139826B2 JP 3139826 B2 JP3139826 B2 JP 3139826B2 JP 04112706 A JP04112706 A JP 04112706A JP 11270692 A JP11270692 A JP 11270692A JP 3139826 B2 JP3139826 B2 JP 3139826B2
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康志 小倉
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    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
    • H01F1/032Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials
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    • H01F1/053Alloys characterised by their composition containing rare earth metals
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    • H01F1/059Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5 and Va elements, e.g. Sm2Fe17N2

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は希土類−鉄−窒素系材料
を用いた、磁気特性及び耐酸化性に優れた樹脂複合材料
に関する。
【0002】
【従来の技術】ボンド磁石は焼結磁石に比べ成形加工性
に優れており、複雑形状や一体成形が可能で、割れ欠け
に強く、寸法精度が良好なことから、近年特に注目さ
れ、工業的な利用範囲が広がっている。
【0003】中でも、Sm−Co系やNd−Fe−B系
の希土類系磁性材料を用いた高磁気特性ボンド磁石の市
場が急成長している。
【0004】同じ希土類系磁性材料としては、これらの
外に希土類−鉄−窒素系磁性材料が発明されている(例
えば特開平2−57663)。この材料はSm−Co系
やNd−Fe−B系材料と違って、特に10μm以下の
でも、高い磁気特性を有している。粒の小さいこ
の材料を用いれば、表面平滑性や機械的強度に優れた、
高い磁気特性の磁性材樹脂複合材料やその磁石が期待で
きる。
【0005】しかし、この材料は粒度が小さい故に、工
程処理中に酸化され易く、磁気特性の劣化が大きい。ま
た、一般にボンド磁石に含まれる樹脂は主として、空気
中の酸素や熱等により酸化劣化を受け、これに伴い磁性
体の酸化劣化が起こる。したがって、高い磁気特性と耐
酸化性を併せ持ち、機械的強度に優れたボンド磁石を得
るために、希土類−鉄−窒素系を含有した磁性材樹脂複
合材料の出現が強く望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は微粒子で高い
磁気特性を有する希土類−鉄−窒素系磁性材料を用い
て、高い磁気特性と耐酸化性を併せ持ち、機械的強度に
優れた磁性材樹脂複合材料を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】一次粒子が微粒子であ
り、かつ高い磁気特性を有する希土類−鉄−窒素系磁性
材料を用いて、耐酸化性に優れた磁性材樹脂複合材料を
得るために、磁性粉体と酸化防止剤及び/または熱安定
剤と樹脂の処理方法、酸化防止剤及び/または熱安定剤
と樹脂との相溶性、混練方法、成形方法及びそれらの組
み合わせについて鋭意検討を行った結果、耐酸化性に優
れた組成物を得ることができ、本発明に至った。
【0008】本発明は平均粒径が1〜10μmである
土類−鉄−窒素系磁性粉体84〜99.5重量%と、酸
化防止剤及び/または熱安定剤0.01〜5重量%と、
熱硬化性樹脂0.2〜15重量%からなり、上記酸化防
止剤及び/または熱安定剤が、フェノール系化合物、ア
ミン系化合物、芳香族第二アミン系化合物、有機硫黄系
化合物、ヒドラジン系化合物、有機燐系化合物、ベンゾ
トリアゾール系化合物のうち一種以上を含む磁性材樹脂
複合材料である。
【0009】
【0010】更に上記熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂、
エポキシ変性フェノール樹脂、フェノール樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂のうちから一種または二種以上を含む
樹脂である磁性材樹脂複合材料である。
【0011】この磁性材樹脂複合材料を用いて、圧縮成
形、押し出し成形または射出成形法等で、ボンド磁石を
作製する事が可能である。
【0012】以下、本発明について詳細に説明する。
【0013】本発明で用いる希土類−鉄−窒素(R−F
e−N)系磁性材料について説明する。
【0014】希土類(R)としては、Y,La,Ce,
Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,H
o,Er,Tm,YbおよびLuのうち少なくとも一種
を含めば良く、従ってミッシュメタルやジジム等の二種
以上の希土類元素の混合物を用いても良いが、好ましい
希土類としては、Y,Nd,Ce,Pr,Sm,Gd,
Dy,Erである。さらに好ましくはY,Nd,Ce,
Pr,Smである。
【0015】鉄(Fe)は強磁性を担う本磁性材の基本
組成であるが、Feの0.01〜49原子%をCo,N
i,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,
W,Mn,Pd,Zn,B,Al,Ga,C,Si,G
e,Snの元素(M)の一種または二種以上に置き換え
ることができる。このうち、Ti,Zr,Hf,V,M
o,Mn,B,Al,C,Si,Geのうち一種あるい
は二種以上が好ましい。更に好ましくは、Zr,V,C
r,Mo,B,Cのうち一種または二種以上である。以
降、鉄もしくは鉄成分と記述した場合、Feの一部をM
により置換した場合も含むこととする。
【0016】Co一種のみで置換した場合を除くMによ
る鉄の置換量については、好ましくは0.01〜34原
子%、さらに好ましくは0.01〜20%原子である。
【0017】希土類−鉄−窒素系磁性材料の組成は、少
なくとも希土類、鉄、窒素を含みかつ強磁性を示す組成
範囲にあることが重要である。本発明の中でも、高い磁
気特性を得るためには、Rが5〜20原子%、鉄成分が
40〜90原子%、窒素(N)が1〜25原子%の組成
範囲にあることが好ましく、窒素の組成範囲に関して、
さらに好ましくは2〜25原子%、最も好ましくは3〜
20原子%である。
【0018】窒素のほかに、本発明に用いる希土類−鉄
−窒素系磁性材料には、水素(H)が0.01〜5原子
%、さらに酸素(O)が0.01〜10原子%含まれる
場合もある。
【0019】希土類−鉄−窒素磁性材料の結晶構造とし
ては、R2Fe17X型やR2Fe17YX型などの六方
晶系並びに菱面体晶系、R2Fe14BNX型、R2Fe14
CNX型やR(Fe1-ZZ12 X 型などの正方晶系のう
ち一種もしくは二種以上をとる。なお好ましいYの値と
しては、0.00022〜3、この時の鉄に対するMの
原子比は0.001原子%〜13.6原子%、好ましい
Zの値としては0.000012〜0.33、この時の
鉄に対するMの原子比は、0.001原子%〜33.3
原子%である。
【0020】さらに、M成分とは別に、Li,Na,
K,Mg,Ca,Sr,Ba,Ti,Zr,Hf,V,
Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Pd,Cu,A
g,Zn,B,Al,Ga,In,C,Si,Ge,S
n,Pb,Biの元素、及びこれらの元素やRの酸化
物、フッ化物、炭化物、窒化物、水素化物、炭酸塩、硫
酸塩、ケイ酸塩、塩化物、硝酸塩のうち少なくとも一種
を希土類−鉄−窒素系磁性材料に対して0.001〜4
9重量%含む事も可能である。
【0021】本発明の磁性材樹脂複合材料における希土
類−鉄−窒素系磁性材料の含有量については、84〜9
9.5重量%である事が必要である。84重量%より含
有量が少ない場合は残留磁束密度が低く、永久磁石用途
としての実用性は小さいうえに本発明における樹脂の磁
場配向性に対する効果が小さくなる。また99.5重量
%を越えると、単位体積あたりの磁性粉量が多くなる反
面、磁場配向性に劣り、樹脂成分の減少に伴う残留磁束
密度の向上が見られない上に、樹脂量が少なく磁性粉の
表面を被覆できないので、耐酸化性に劣る。希土類−鉄
−窒素系磁性粉体の平均粒径は0.1〜80μmの範囲
にあることが望ましい。
【0022】本発明の複合磁性材料の特徴である熱安定
性に加えて、寸法安定性、表面平滑性にも特に優れた材
料を作製する場合、平均粒径が1〜10μmであること
が好ましい。さらに密度向上のため、粒度に適当な分布
を持たせる事は有効である。本発明における酸化防止剤
及び/または熱安定剤としては、トリエチレングリコー
ル−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキ
サンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−
ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−
3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリ
アジン、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート]、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−
(3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、
2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノ
ール)、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロキシンナマミ
ド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベン
ジルフォスフォネート−ジエチルエステル、1,3,5
−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
−イソシアヌレート、N,N’−ビス[3−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニ
ル]ヒドラジン、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェ
ニル)フォスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−
メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−
t−ブチルフェノール)、2−t−ブチル−6−(3’
−t−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジ
ル)−4−メチルフェニルアクリレート、4,4’−ブ
チリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチ
ルフェノール)、1,3,5−トリス(4−t−ブチル
−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシ
アヌレート、テトラキス[メチレン−3−(3,5’−
ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート]メタン、3,9−ビス{2−[3−(3−t−
ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピ
オニロキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,
8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、
N,N’−ジアリル−p−フェニレンジアミン、ジアウ
リル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル
−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−
3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトー
ル−テトラキス(β−ラウリルチオプロピオネート)、
ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネート、2−
メルカプトベンジイミダゾール、チオフェニルフォスフ
ァイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フ
ォスファイト等が挙げられる。特に、本発明の磁性材樹
脂複合材料には2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフ
ェノール、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート]、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
−ベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、オク
タデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネートが良い効果を示す。
【0023】これらの酸化防止剤及び熱安定剤は、用途
に応じて一種もしくは二種以上で用いられるが、一般に
一次酸化防止剤と二次酸化防止剤の併用によって、高い
相乗効果が得られる。この際、蒸散速度の異なる酸化防
止剤及び/または熱安定剤を少なくとも一種以上組み合
わせることによって、工程中の耐酸化性と製品後の耐酸
化性に効果が得られる。
【0024】酸化防止剤及び/または熱安定剤の含有量
は磁性粉の粒度、比表面積により決定されるが、希土類
−鉄−窒素系材料は数μm程度の粉体を主に含有するた
め、5重量%を越えると、含有量の増加にともない磁性
粉の分散性が向上しなくなるうえに、滑り性、磁気特
性、機械的強度が低下するので望ましくない。また含有
量が0.01重量%より少ない場合は、耐酸化性にほと
んど効果が見られない。本発明の効果は、酸化され易い
希土類−鉄−窒素系粉体の表面を酸化防止剤及び/また
は熱安定剤で処理することによって、工程中の酸化劣化
を低減せしめ、さらに複合材料中の樹脂及び磁性体の経
時的な耐酸化性に大きく寄与することである。これによ
り固有保力、角形比、残留磁束密度、最大エネルギー
積等の磁気特性の低下を低減することが可能である。
【0025】本発明における熱硬化性樹脂としては、エ
ポキシ樹脂、フェノール樹脂、エポキシ変性フェノール
樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、キシレン樹脂、ユリア
樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、アルキド樹脂、
フラン樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、熱硬化フッ素樹脂
等が挙げられる。特に機械的強度、耐薬品性、弾性等の
物性のバランスの良いエポキシ樹脂及び不飽和ポリエス
テル樹脂は好適な成分である。これら樹脂の種類は機械
的強度、弾性、寸法安定性、耐油性、耐水性、耐薬品
性、耐候性等の製品の要求性能によって適宜選択でき
る。
【0026】また、磁性粉の配向性及び機械的強度を向
上させるために、本発明の磁性材樹脂複合材料にカップ
リング剤、滑剤等の表面処理剤を混練の段階あるいは熱
硬化性樹脂成分にあらかじめ添加することができる。
【0027】上記表面処理剤としては、カップリング剤
として、例えばγ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルト
リエトキシシラン、β−(3,4−エポキシ−シクロヘ
キシル)エチルトリメトキシシラン等のシリコン系化合
物が挙げられる。滑剤としては、例えばステアリン酸、
オレイン酸、パルチミン酸、リノール酸等の脂肪酸類、
オレイルアミン、ステアリルアミン等のアミン類、脂肪
酸塩類、ワックス類、アミノ酸類が挙げられる。本発明
における磁性材樹脂複合材料は、例えば以下のような方
法により製造されるが、これらの方法に限定されるもの
ではない。
【0028】(1)混練工程 希土類−鉄−窒素系磁性粉体、酸化防止剤及び/または
熱安定剤、熱硬化性樹脂及びその他の添加剤をインテグ
ラル配合し、その混合物をバッチ式ニーダー、バンバリ
ーミキサー、ヘンシェルミキサー、ヘリカルロータ、ロ
ール、一軸押し出し機、二軸押し出し機、自動乳鉢等を
用いて−50〜300℃の温度領域で混練する工程であ
る。
【0029】混練温度は熱硬化性樹脂の硬化が進まない
領域で選択する。混合物に溶剤を添加している場合は、
混練と同時に溶剤回収を行う方法が有効である。
【0030】(2)成形工程 本発明で得た磁性材樹脂複合材料からボンド磁石を製造
する場合には、さらに成形処理を施す。磁気特性の高い
ボンド磁石を製造する方法としては、磁場をかけながら
圧縮成形、押し出し成形、射出成形のいずれかを行う方
法が挙げられる。特に圧縮成形法では、表面平滑性及び
磁気特性に優れたボンド磁石が得られる。磁場を印加せ
ずに成形する場合、等方性のボンド磁石が得られる。
又、この成形工程で、金型に磁性材樹脂複合材料を仕込
んでから、酸化防止剤及び/または熱安定剤を添加する
こともできる。
【0031】成形体は通常、さらに着磁を行って、永久
磁石としての性能を高める。着磁は通常用いられる方
法、例えば静磁場を発生する電磁石、パルス磁場を発生
するコンデンサー着磁機等によって行われる。このとき
の磁場強度は、好ましくは15kOe以上、さらに好ま
しくは30kOe以上である。
【0032】
【実施例】実施例に先立ち、本発明の磁性材樹脂複合材
料の評価方法について説明する。 (1)磁気特性 磁性材樹脂複合材料を磁場中で約5×10×2mmの板
状に成形し、これを室温中60kOeでパルス着磁した
のち、振動試料型磁力計(VSM)を用いて測定した。
測定した磁気特性は、外部磁場を15kOe印加した時
の飽和磁化4πIs(kG)、残留磁束密度Br(k
G)、角形比Br/πIs(%)、保力(固有保
力)iHc(kOe)、最大エネルギー積(BH)max
(MGOe)である。
【0033】(2)曲げ破断強度 長さ10mm、幅5mm、厚さ1mmの板状試料を、試
験片の寸法以外は、JIS K 7203に準じて測定
した。
【0034】(3)耐食性試験 (1)で用いた板状のボンド磁石を、60℃、相対湿度
90%の恒温恒湿槽内に96時間放置した後、外観を以
下の基準にて評価した。
【0035】○;錆の発生なし、 △;僅かに錆の発生
あり、 ×;錆の発生あり (4)耐酸化性試験 150℃のオーブン内に(1)で用いた板状のボンド磁
石を入れ、20時間後の磁気特性を(1)と同様にして
測定し、(1)の結果と比較した。
【0036】実施例1 平均粒径2.4μmのSm8.2Fe71.813.91.6
4.5磁性粉体5kgと、2,6−ジ−t−ブチル−4−
メチル−フェノール0.2gとペンタエリスリトール−
テトラキス−(β−ラウリルチオプロピオネート)0.
8gをシクロヘキサンに溶解した溶液と、固形エポキシ
樹脂150gを、混練機にて大気中室温で30分間混練
し、次いで3Torrの減圧下で30分間混練しながら
シクロヘキサンを回収した。
【0037】次にこの磁性材樹脂複合材料を、15kO
e、14ton/cm2の条件で圧縮成形し、さらに金
型から取り出した成形体を、減圧下、120℃にて1時
間加熱することにより、圧縮成形ボンド磁石を得た。
【0038】これを、室温中60kOeでパルス着磁し
た後、磁気特性、曲げ破断強度試験及び耐食性試験の結
果を表1に、耐酸化性試験の結果を表2に示す。
【0039】実施例2 実施例1にて用いたSm8.2Fe71.813.91.64.5
磁性粉体1kgと、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチ
ル−フェノール10gとペンタエリスリトール−テトラ
キス−(β−ラウリルチオプロピオネート)40gをシ
クロヘキサンに溶解した溶液と、固形エポキシ樹脂10
0gを、実施例1と同様にして圧縮成形ボンド磁石を作
製した。磁気特性、曲げ破断強度試験及び耐食性試験の
結果を表1に示した。
【0040】実施例3 酸化防止剤をペンタエリスリチル−テトラキス[3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]2gと、2,6−ジ−t−ブチル−4
−メチル−フェノール2gと、ペンタエリスリトール−
テトラキス−(β−ラウリルチオプロピオネート)6g
に変更する以外は、実施例2と同様にして圧縮成形ボン
ド磁石を作製した。磁気特性、曲げ破断強度試験及び耐
食性試験の結果を表1に、耐酸化性試験の結果を表2に
示した。
【0041】実施例4 実施例1にて用いたSm8.2Fe71.813.91.64.5
磁性粉体1kgと、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチ
ル−フェノール10gとペンタエリスリトール−テトラ
キス−(β−ラウリルチオプロピオネート)40gをシ
クロヘキサンに溶解した溶液と、固形エポキシ樹脂12
0gを、実施例1と同様にして圧縮成形ボンド磁石を作
製した。磁気特性、曲げ破断強度試験及び耐食性試験の
結果を表1に示した。
【0042】実施例5 平均粒径2.2μmのNd7.7Fe69.9Mo14.07.7
性粉体1kgと、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチル
−フェノール10gとペンタエリスリトール−テトラキ
ス−(β−ラウリルチオプロピオネート)40gをシク
ロヘキサンに溶解した溶液と、固形エポキシ樹脂30g
を、実施例1と同様にして圧縮成形ボンド磁石を作製し
た。磁気特性、曲げ破断強度試験及び耐食性試験の結果
を表1に示した。
【0043】比較例1 実施例1にて用いたSm8.2Fe71.813.91.64.5
磁性粉体1kgと、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチ
ル−フェノール0.002gとペンタエリスリトール−
テトラキス−(β−ラウリルチオプロピオネート)0.
008gをシクロヘキサンに溶解した溶液と、固形エポ
キシ樹脂30gを、実施例1と同様にして圧縮成形ボン
ド磁石を作製した。磁気特性、曲げ破断強度試験及び耐
食性試験の結果を表1に、耐酸化性試験の結果を表2に
示した。
【0044】比較例2 2,6−ジ−t−ブチル−4−メチル−フェノール18
gと、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウ
リルチオプロピオネート)57gに変更する以外は、実
施例2と同様にして圧縮成形ボンド磁石を作製した。磁
気特性、曲げ破断強度試験及び耐食性試験の結果を表1
に示した。
【0045】比較例3 2,6−ジ−t−ブチル−4−メチル−フェノール18
gと、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウ
リルチオプロピオネート)57gと固形エポキシ1.5
gに変更する以外は、実施例2と同様にして圧縮成形ボ
ンド磁石を作製した。磁気特性、曲げ破断強度試験及び
耐食性試験の結果を表1に示した。
【0046】比較例4 2,6−ジ−t−ブチル−4−メチル−フェノール10
gと、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウ
リルチオプロピオネート)40gと、固形エポキシ20
0gに変更する以外は、実施例2と同様にして圧縮成形
ボンド磁石を作製した。磁気特性、曲げ破断強度試験及
び耐食性試験の結果を表1に示した。
【0047】比較例5 平均粒径2.2μmのNd7.7Fe69.9Mo14.07.7
性粉体1kgと、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチル
−フェノール0.01gとペンタエリスリトール−テト
ラキス−(β−ラウリルチオプロピオネート)0.04
gをシクロヘキサンに溶解した溶液と、固形エポキシ樹
脂30gを、実施例1と同様にして圧縮成形ボンド磁石
を作製した。磁気特性、曲げ破断強度試験及び耐食性試
験の結果を表1に示した。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】以上、実施例が示すように、希土類−鉄
−窒素系磁性粉体84〜99.5重量%と、酸化防止剤
及び/または熱安定剤0.01〜5重量%と、熱硬化性
樹脂0.2〜15重量%からなることを特徴とする磁性
材樹脂複合材料は、高い磁気特性と耐酸化性を併せ持
ち、機械的強度に優れ、従来のボンド磁石の大きな欠点
を大幅に改良した斬新的なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−41201(JP,A) 特開 平3−160705(JP,A) 特開 昭53−135497(JP,A) 特開 昭63−147302(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 1/08 C22C 38/00 H01F 1/053

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径が1〜10μmである希土類−
    鉄−窒素系磁性粉体84〜99.5重量%と、酸化防止
    剤及び/または熱安定剤0.01〜5重量%と、熱硬化
    性樹脂0.2〜15重量%からなり、上記酸化防止剤及
    び/または熱安定剤が、フェノール系化合物、アミン系
    化合物、芳香族第二アミン系化合物、有機硫黄系化合
    物、ヒドラジン系化合物、有機燐系化合物、ベンゾトリ
    アゾール系化合物のうちの一種以上であることを特徴と
    する磁性材樹脂複合材料。
  2. 【請求項2】 熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂、エポキシ
    変性フェノール樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエス
    テル樹脂のうち一種以上を含有することを特徴とする請
    求項1記載の磁性材樹脂複合材料。
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