JPH0749982Y2

JPH0749982Y2 - パチンコ機

Info

Publication number: JPH0749982Y2
Application number: JP4784291U
Authority: JP
Inventors: 禎美坂本; 鉄郎亀井
Original assignee: 奥村遊機株式會社
Priority date: 1991-05-28
Filing date: 1991-05-28
Publication date: 1995-11-15
Anticipated expiration: 2005-11-15
Also published as: JPH04131290U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、パチンコ機本体の裏面
に機構盤を宛がうように取付けるようにしたパチンコ機
に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、パチンコ機は、パチンコ機本体
の裏面に機構盤を取付けて構成されている。前記パチン
コ機本体は、矩形開口部を有する前面板の下部に、前面
側に設けられた操作ハンドルや球供給ユニット、及び、
裏面側に設けられたモータや打球槌等からなる遊技球発
射機構が組付けられている。そして、その上部には、前
記矩形開口部に連続する取付枠部に嵌込まれて遊技盤が
取付けられると共に、遊技盤前面を覆うガラス扉が設け
られている。

【０００３】一方、前記機構盤は、パチンコ機本体の裏
面に前記遊技盤から遊技球発射機構部分にまで渡って宛
がわれるように取付けられ、前記遊技盤の入賞装置に入
賞があったときに、賞球を前記球供給ユニットの球皿あ
るいは前面板の下部中央に設けられた球受皿に排出する
賞球排出機構を組込んで構成されている。

【０００４】而して、前記遊技盤には、一般に、「チュ
ーリップ式役物」と称される入賞装置が盤面の下部に位
置して設けられている。周知のように、このチューリッ
プ式役物は、盤面に２枚の羽根を開閉可能に設けると共
に、それら羽根の根元部分に遊技盤を前後に貫通するよ
うに延びる揺動体を揺動変位可能に設け、１個の遊技球
の入賞がある度に該入賞球により前記揺動体が上下に揺
動変位することにより、前記羽根を開閉させるように構
成されている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】ところで、パチンコホ
ールにやって来る遊技客の中には、不正に賞球を取得し
ようとする業界でいわゆる「ゴト師」と称される者がい
る。この「ゴト師」の行う不正のなかに、「セル」と称
される比較的腰の強い細帯状のプラスチックフィルムを
使用して、外側からチューリップ式役物を操作するもの
がある。

【０００６】この不正の手口は、先端部を鉤状に折曲げ
ておいた前記「セル」を、球受皿から奥方へ順次押込ん
で行くことにより、本体と機構盤との間を這わせるよう
に通してその先端部を遊技盤の裏面まで上昇させ、遊技
盤の裏面部に位置されるチューリップ式役物の揺動体の
後端部に引掛けるものである。これにて、その「セル」
をパチンコ機の前面側から引張り操作することにより、
揺動体が遊技球の入賞によることなく揺動変位して羽根
が開放するようになり、入賞により羽根が閉じると再度
「セル」を引張って羽根を開放させることを繰返し、以
て多量の賞球を得ることができるのである。

【０００７】このような「セル」を用いた不正は、パチ
ンコホール側にとっては発見しにくいものであり、パチ
ンコ機の構造の改良によりかかる不正を未然に防止する
ことが望まれるのである。

【０００８】従って、本考案の目的は、いわゆる「セ
ル」を用いた不正を未然に防止することができるパチン
コ機を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本考案のパチンコ機は、
下部に球受皿及び遊技球発射機構を有すると共に、その
上部に遊技盤を有してなるパチンコ機本体の裏面に、賞
球排出機構を有する機構盤を宛がうように取付けてなる
ものであって、パチンコ機本体の裏面部及び機構盤の前
面部のうちの一方側に、球受皿と遊技盤との間に位置し
て、他方側に突出し横方向に延びる突条部を設けると共
に、パチンコ機本体の裏面部及び機構盤の前面部のうち
の他方側に、前記突条部が嵌合する凹溝部を設けたとこ
ろに特徴を有する。

【００１０】

【作用】パチンコ機本体の裏面部と機構盤の前面部との
間には、球受皿に連通していわゆる「セル」のような薄
帯状の部材が侵入することが可能な隙間がどうしても形
成されてしまう事情があるが、パチンコ機本体の裏面部
及び機構盤の前面部のうちの一方側に、他方側に突出し
横方向に延びる突条部を設けると共に、パチンコ機本体
の裏面部及び機構盤の前面部のうちの他方側に、前記突
条部が嵌合する凹溝部を設けるようにすれば、前記隙間
は、上下方向に真直ぐに延びることなく、球受皿と遊技
盤との間に位置して、前記突条部により上下に分断され
た如き状態とされる。

【００１１】従って、たとえ「セル」を球受皿からパチ
ンコ機本体の裏面部と機構盤の前面部との間に侵入させ
たとしても、先端部がその突条部に当接したところでそ
れ以上の上昇が阻止され、以て「セル」の先端部を遊技
盤の裏面部まで到達させることが不可能となる。

【００１２】また、突条部と凹溝部との嵌合により、機
構盤は位置ずれを生ずることなくパチンコ機本体の裏面
に取付けられるようになる。

【００１３】

【実施例】以下本考案の一実施例について、図面を参照
して説明する。図１は本実施例に係るパチンコ機を外枠
を取除いて裏面側から示しており、ここで、パチンコ機
は、パチンコ機本体１の裏面に機構盤２を取付けて構成
されている。

【００１４】このうち、まず、パチンコ機本体１は、例
えばプラスチック製の矩形板状をなす前面板３に、以下
のような各機構を組込んで構成されている。即ち、前面
板３には、下部寄り部位から上部にかけて矩形に開口す
る開口部（図示せず）が設けられ、この開口部の左右の
縁部および上縁部に連続して取付枠４が一体に形成され
ている。そして、この取付枠４内の下部に取付基板５が
取付けられ、その上部に遊技盤６が嵌込み固定されてい
る。尚、図示はしないが、前面板３の前面には前記開口
部を塞ぐように、ガラス扉及び球供給ユニットが上下二
段に設けられている。

【００１５】前記遊技盤６は、詳しく図示はしないが、
盤面に、レール，釘，風車，入賞装置，電飾ランプ等を
配設して構成されている。前記入賞装置は遊技盤６に複
数種類が設けられ、一部のみ図示するように、遊技盤６
の中央部にいわゆる特別入賞装置７が設けられ、また左
右の下部寄り部位に夫々いわゆるチューリップ式入賞装
置８が設けられている。周知のように、チューリップ式
入賞装置８は、盤面に２枚の羽根を開閉可能に設けると
共に、それら羽根の根元部分に遊技盤６を前後に貫通す
るように延びる揺動体８ａを揺動変位可能に設け、１個
の遊技球の入賞ごとに該入賞球により前記揺動体８ａが
上下に揺動変位することにより、前記羽根を開閉させる
ように構成されている。

【００１６】そして、前面板３の下部には遊技球発射機
構９が設けられている。これも詳しく図示はしないが、
この遊技球発射装置９は、前記取付基板５の前面に設け
られ前記遊技盤６のレールに連続する発射レール、前記
球供給ユニットに設けられ球皿内の遊技球を前記発射レ
ール基端の打球位置に１個づつ供給する遊技球供給装
置、前面板３の下部裏面に設けられたモータ１０により
駆動され前記打球位置にある遊技球を遊技盤６の盤面に
向けて打つ打球槌、前面板３の右側下部前面に設けられ
前記モータ１０の通断電及び前記打球槌の打球の強さ調
整を行うための操作ハンドル１１などから構成されてい
る。

【００１７】また、前面板３の前面下部の中央には、前
記球供給ユニットの球皿が一杯になったときにあふれた
遊技球（賞球）を受けるための球受皿（図示せず）が設
けられ、裏面部分にその球受皿に連通する賞球通路を構
成する樋部材１２が設けられている。尚、遊技盤６の左
下縁部（背面から見て右側）には、前記球供給ユニット
の球皿に連通する賞球口１３が設けられている。

【００１８】一方、前記機構盤２についてこれも簡単に
述べる。機構盤２は、透明なプラスチックを主体として
なり、全体として前記遊技盤６と取付基板５との両方に
跨がる大きさのほぼ矩形状に形成されている。そして、
この機構盤２は、その左辺部にて前記前面板３の取付枠
４にヒンジ２ａを介して回動可能に取付けられると共
に、その上辺部及び右辺部にて前記取付枠４に図示しな
い係止部材を介して係止されるようになっている。これ
にて、機構盤２は、通常時（遊技可能時）には、前記遊
技盤６及び取付基板５の裏面に宛がわれるように取付け
られ、また、球詰まり等のトラブル発生時には、係止部
材の係止を解くことにより図１に示すように回動させる
ことができるようになっている。

【００１９】この機構盤２の前面には、前記遊技盤６の
裏面に対応して凹部１４が形成されている。この凹部１
４は、遊技盤６の入賞装置７，８等に入賞があったとき
に、その入賞球を下辺の樋部１４ａにより集めて図示し
ない入賞検出部に送るようになっている。また、この機
構盤２には、上部に球タンク１５が設けられると共に、
前記入賞検出部に１個の入賞球がある毎に球タンク１５
からの球を例えば１３個づつ賞球として排出する賞球排
出機構が設けられている。この賞球排出機構は、賞球を
排出口１６から前記賞球口１３を通して球供給ユニット
の球皿に排出するようになっており、また、この球皿が
一杯になったときには、あふれた賞球が下部に設けられ
た下部排出口１７から前記樋部材１２を通って球受皿に
排出されるようになっている。

【００２０】さて、前記パチンコ機本体１の裏面部に
は、機構盤２側に突出する突条部１８が形成されてい
る。この突条部１８は、前記球受皿と遊技盤６との間で
あるところの前記取付基板５の裏面に位置して、前記取
付枠４を横断するように横方向に延びて設けられてい
る。

【００２１】そして、前記機構盤２の前面部には、凹溝
部１９が形成されている。この凹溝部１９は、前記突条
部１８に対応位置して該機構盤２を横断するように設け
られている。これにより、機構盤２がパチンコ機本体１
の裏面に宛がわれた状態に取付けられると、図２にも示
すように、突条部１８が凹溝部１９に嵌合するようにな
っている。

【００２２】上記構成において、遊技を行うには、球供
給ユニットの球皿に遊技球を入れて操作ハンドル１１を
操作する。すると、モータ１０が起動され、遊技球発射
機構９により遊技球が１個づつ連続的に遊技盤６の盤面
に向けて打出される。遊技盤６に打出された遊技球は、
釘等により盤面を無秩序に転動しつつ落下し、入賞口に
入賞するかあるいは盤面下部のアウト口に取込まれる。
アウト口に取込まれた遊技球は、取付基板５に設けられ
た図示しないアウト球導出路を通って機外に排出されて
回収される。

【００２３】一方、遊技球が入賞口（入賞装置７，８
等）に入賞すると、その入賞球は遊技盤６の裏面から機
構盤２の凹部１４内に導出され樋部１４ａを通って入賞
検出部に送られる。そして、この入賞検出部が入賞を検
出すると、賞球排出機構により球タンク１５の球が賞球
としてパチンコ機本体１前面の球皿あるいは球受皿に排
出されるのである。

【００２４】このとき、チューリップ式入賞装置８は、
盤面の２枚の羽根が閉じた状態では、入賞口が狭くなっ
て入賞することが比較的困難であるが、この状態で入賞
があると、揺動体８ａが揺動変位されて羽根が開放す
る。この羽根が開いた状態では、入賞口が広くなって容
易に入賞するようになる。従って、遊技者は、このチュ
ーリップ式入賞装置８において数多く羽根が開いた状態
とさせることにより、有利に遊技を行うことができ、数
多くの賞球を獲得することができるのである。

【００２５】而して、遊技客の中には、「セル」と称さ
れる比較的腰の強い細帯状のプラスチックフィルムを使
用して、不正に賞球を得ようとするものがいる。この不
正の手口は、前記「セル」を球受皿から奥方へ順次押込
んで行くことにより、パチンコ機本体１と機構盤２との
間を這わせるように通してその先端部を遊技盤６の裏面
まで上昇させ、チューリップ式入賞装置８の揺動体８ａ
に引掛けて外側から自在に羽根を開放させようとするも
のであった。

【００２６】この場合、パチンコ機本体１の裏面部と機
構盤２の前面部との間には、球受皿（樋部材１２）に連
通して「セル」のような極く薄いフィルムが侵入可能な
隙間はどうしても生じてしまう事情がある。ところが、
本実施例では、球受皿と遊技盤６との間に位置して、取
付基板５の裏面部に突条部１８を設けると共に、機構盤
２の前面部に前記突条部１８が嵌合する凹溝部１９を設
けているので、図２に示すように、前記隙間は、上下方
向に真直ぐに延びることなく、突条部１８により上下に
分断された如き状態とされる。

【００２７】この結果、たとえ「セル」を球受皿からパ
チンコ機本体１の裏面部と機構盤２の前面部との間に侵
入させたとしても、その先端部が突条部１８に当接した
ところでそれ以上の上昇が阻止され、以て「セル」の先
端部を遊技盤６の裏面部まで到達させることが不可能と
なる。

【００２８】従って、本実施例によれば、従来のパチン
コ機では可能であった「セル」を使った不正を行うこと
が不可能となり、パチンコホール側にとって発見しにく
い「セル」を用いた不正を未然に防止することができる
のである。また、これと同時に、突条部１８と凹溝部１
９との嵌合により、機構盤２を位置ずれを生ずることな
くパチンコ機本体１の裏面に取付けることができるとい
った利点も得ることができるものである。

【００２９】尚、本考案は上記した実施例に限定される
ものではなく、例えば突条部を機構盤側に設け凹溝部を
パチンコ機本体側に設けるようにしても良いなど、要旨
を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。

【００３０】

【考案の効果】以上の説明にて明らかなように、本考案
のパチンコ機によれば、パチンコ機本体の裏面部及び機
構盤の前面部のうちの一方側に、球受皿と遊技盤との間
に位置して、他方側に突出し横方向に延びる突条部を設
けると共に、パチンコ機本体の裏面部及び機構盤の前面
部のうちの他方側に、前記突条部が嵌合する凹溝部を設
けたので、いわゆる「セル」を用いた不正を未然に防止
することができ、また機構盤を位置ずれを生ずることな
くパチンコ機本体の裏面に取付けることができるという
優れた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示すもので、機構盤を開放
させた状態のパチンコ機全体のの背面側からの斜視図

【図２】要部の側面図

【符号の説明】

図面中、１はパチンコ機本体、２は機構盤、３は前面
板、４は取付枠、５は取付基板、６は遊技盤、８はチュ
ーリップ式入賞装置、９は遊技球発射機構、１２は樋部
材、１８は突条部、１９は凹溝部を示す。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】下部に球受皿及び遊技球発射機構を有す
ると共に、その上部に遊技盤を有してなるパチンコ機本
体の裏面に、賞球排出機構を有する機構盤を宛がうよう
に取付けてなるものにおいて、前記パチンコ機本体の裏
面部及び機構盤の前面部のうちの一方側に、前記球受皿
と遊技盤との間に位置して、他方側に突出し横方向に延
びる突条部を設けると共に、前記パチンコ機本体の裏面
部及び機構盤の前面部のうちの他方側に、前記突条部が
嵌合する凹溝部を設けたことを特徴とするパチンコ機。