JPH074964B2 - ノンコートタイプインクジェット記録用紙及びその製造法 - Google Patents

ノンコートタイプインクジェット記録用紙及びその製造法

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JPH074964B2
JPH074964B2 JP1165574A JP16557489A JPH074964B2 JP H074964 B2 JPH074964 B2 JP H074964B2 JP 1165574 A JP1165574 A JP 1165574A JP 16557489 A JP16557489 A JP 16557489A JP H074964 B2 JPH074964 B2 JP H074964B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ノンコートタイプインクジェット記録用紙及
びその製造法に関する。
更に詳細には、水性インクを用いるインクジェット記録
方式において、インク吸収速度及び耐水性に優れ、用紙
上に形成されるドットの形状が円形で且つ光学濃度が高
い、高解像度の画像を高速度で記録することのできるノ
ンコートタイプインクジェット記録用紙およびその製造
法に関するものである。
(従来の技術) インクジェット記録方式は、インクを微小な液滴として
被記録面上に衝突、吸収、定着させることによってドッ
トを形成させ、文字、記号、図柄と言った情報を記録さ
せるため、従来のインパクトタイプの情報記録方式に比
べて音から静かであり、オフィス内の騒音発生防止に役
立つほか、感熱記録方式のように特別な熱源あるいは感
熱発色層や熱転写フィルムといった情報記録媒体を必要
としないこと、更に本記録方式においては、フルカラー
化が容易であることや高速であること、電子写真方式な
どと異なり記録ヘッドが小型で大面積の情報記録ができ
るなどの特徴を有するため、近年特に注目されている。
上記インクジェット記録方式に用いられる被記録用紙
は、用紙の表面即ち、被記録面に顔料、バインダーから
なるコート層を有するコートタイプと、特に顔料とバイ
ンダーからなる塗液を用紙表面に塗工してはいないノン
コートタイプに大別される。
これらいずれのタイプのインクジェット記録用紙におい
ても以下の基本的特性が要求される。
すなわち、用紙上に記録されたインクドットの形状が飛
翔して来る液滴の形態を良く再現していることが必要で
ある。このドットの再現性の良否は真円度(真円性)に
よって言い現わすことができる。
さらに、また最近は、ハードウェアーの面からの改良工
夫も行なわれ、高速かつ高精細な画像情報の記録用とし
て液滴の小さな各種のプリンターが開発されている。し
かし、この液滴が小さくても、用紙表面に衝突後、吸
収、定着される過程で、液滴がにじみ、拡がってしまう
と、前述のように、高い解像力を必要とする情報の記録
には適さないことになる。そこで、形成されたドットの
大きさ(ドット径)と液適径との比で表わす、いわゆる
にじみ率が小さいことが重要な特性として要求される。
更に、ドットの径が小さい場合、ユールニールセンの式
からも導き出されるように、ベタ印字部に於いては光学
濃度が低下してしまい、モノクロの場合には明度が上
り、人の眼には漆黒の部分においても灰色として写るこ
とになる。また、漢字などは、ドットで形成される点や
画線部の光学濃度が低下するため、非画像部との濃度差
が小さくなり、易読性が損われたり、誤読されるため、
ドットの光学濃度が高いことも要求される。
また、印字されてから用紙表面あるいは用紙中に水性イ
ンクが吸収あるいは拡散、吸着されるまでの間にこすら
れると、形成したドットの形状がくずれたり、非画像部
に汚れを生じるため、これら液体の速い吸収性(吸収速
度)が要求される。
又、記録用紙に一旦付着したインクドットが水によって
洗い流されない、いわゆる耐水性も要求される。
さらに、多様な階調表現を行ったり、多色の情報を記録
する場合には、同一個所に2乃至4個の液滴を受理する
ため、大きな吸収容量も必要とされる。
以上の様な各種の要求特性を満たすべく、コートタイ
プ、ノンコートタイプいずれのタイプにおいても、改
良、工夫がなされてきた。
特にコートタイプにおいては、用紙表面に顔料を塗布し
てドットの形成を行わせしめる層を設けることができる
ため多くの検討がなされているが、上記各種の要求特性
が充分には満たされていない。
一方、ノンコートタイプにおいても、前述の全ての要求
特性をすべて充分に満たすものは、いまだ存在しない。
その理由の一つとしては、一般にパルプ繊維と填料を主
体として用紙が構成されるため、前述のように小さなド
ットを形成させるためには、均一三次元空隙構造を形成
することが好ましいが、用紙の製造公定の問題あるいは
構成する繊維の形状が、約20μmφ×約数mmであり、ミ
クロ的にも均一な三次元構造を有する用紙を抄造するこ
とは極めて困難であることが挙げられる。
しかし、個々の特性を満たすためには、各種の工夫が試
みられている。例えば、特開昭63-1584号には、空隙率5
0%以下、填料含有率が灰分として10%以上、ステキヒ
トサイズ度が6秒以下であることを特徴とする水性イン
クによって記録するためのノンコートタイプの被記録材
が開示されている。また、特開昭62-206100号には、坪
量が40〜85g/m2の非塗工紙で、直径0.295〜5.90μmの
累積細孔容量が少なくとも0.60ml/g存在し、且つ、直径
0.295〜2.22μmの累積細孔容量が0.25ml/g以上であ
り、また、紙層への水の動的浸透速度が一定の範囲にあ
ることを特徴とするインクジェットおよび感熱転写に好
適な被記録材が開示されている。上記2出願は、速やか
なインク吸収性を得るため、ステキヒトサイズ度が低い
方に限定されている。
一方、特開昭61-16885号には、ステキヒトサイズ度が10
秒以上であり、かつベック平滑度が100秒以上600秒以下
であることを特徴とするインクジェット記録方式が開示
されている。
ステキヒトサイズ度があまり低いと、ドット径をある程
度以下にすることが困難になるという問題があり、その
ため紙のサイズ性を高めると、サイズ材が揆水効果を示
し、液体の拡散浸透を妨げる機能が現われ、インクのに
じみを押え、ドット径を小さくすることができる。しか
しサイズ剤が紙層中に不均一に分布しているとドットの
形状の不定形化などを生ずるおそれがあり、その防止の
ため、高密度、高平滑にする方法をとっても、紙層構造
の如何によってはかえってドットの真円度が低下するこ
とがあると考えられる。
さらに又、クレー等の比表面積が小さい填料が内添され
ている上質紙の場合、ドットの光学濃度、ドットの形
状、真円性は維持されても、インクの吸収性は悪く、印
字後に押さえのロールあるいはプラスチック製の板で擦
られたり、指で触ると印字が乱れて解読できなくなった
り、非印字部分が汚れてしまうものがある。
いずれの場合も、前述のすべての要求特性を同時に充分
に満足することはできない。
(発明が解決しようとする課題) 本願発明は、インク吸収速度および耐水性に優れ、さら
に従来の発明で十分果たし得なかったドットのにじみ率
が小さく、ドット径が小さいが、光学濃度が高く且つ真
円度も高い、高速高精細のプリンターに適合するノンコ
ートタイプインクジェット記録用紙およびその製造方法
を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明者は、上記の目的のため、全ての要求特性を同時
に満足するノンコートタイプのインクジェット記録用紙
につき鋭意検討の結果、(イ)パルプ及び填料としてBE
T比表面積が6m2/g以上、好ましくは6〜30m2/g、粒径が
0.1〜40μm、及び平均粒径が1〜25μm、好ましくは
1〜3μmの軽質炭酸カルシウムをパルプに対して10〜
16重量%、好ましくは12〜16重量%、の割合で含有し、
且つサイズ剤を内添したシートに更に外添サイジングを
施こしたか又は(ロ)パルプ及び填料としてBET比表面
積が100m2/g以上、好ましくは100〜300m2/g、粒径が0.2
〜25μm、好ましくは0.4〜17μm、及び平均粒径が1.5
〜5μm、好ましくは2〜4μmの合成シリカをパルプ
に対して5〜15重量%、好ましくは7〜12重量%、の割
合で含有し、且つサイズ剤を内添したシートに更に外添
サイジングを施こした、下記特性値を併有することを特
徴とするノンコートタイプインクジェット記録用紙によ
れば前記目的が達成されることを見出し、本発明を完成
した。
(a)ステキヒトサイズ度が10秒以上、好ましくは10〜
50秒、 (b)平滑度が10〜80秒/10ml、 (c)インク吸収速度が1秒未満、 (d)耐水性70%以上、 (e)ドット真円度が0.50以上、 (f)ドット円相当径が110μm以下、好ましくは50〜1
00μm、 (g)ドットのにじみ率が220%以下、好ましくは100〜
200%、そして (h)ドット光学濃度が0.78以上。
因みに、上記軽質炭酸カルシウムとしては、 (i)カルサイト型で角状の一次粒子径が0.13〜0.20μ
mで、二次粒子径が2.0〜3.0μmのもの、 (ii)アラゴナイト型で柱状の一次粒子の長径が20〜30
μm、短径が0.6〜1.0μmのものとカルサイト型で角状
の一次粒子径が0.25μmのもの(特開昭53-43097に記載
のもの)とを1:1の割合で混合したもの、 (iii)アラゴナイト型で柱状の一次粒子の長径が20〜3
0μm、短径が0.6〜1.0μmのものとアラゴナイト型で
柱状の一次粒子の長径が0.6〜1.0μm、短径が0.08〜0.
12μmのもの(特開昭51-51852に記載のもの)とを1:1
の割合で混合したもの、 (iv)カルサイト型で角状の一次粒子径が3〜4μmの
もの(特開昭51-10199に記載のもの)とアラゴナイト型
で柱状の一次粒子の長径が0.6〜1.0μm、短径が0.08〜
0.12μmのもの(特開昭51-51852に記載のもの)とを1:
1の割合で混合したもの、 (v)(i)の軽質炭酸カルシウムとカルサイト型で角
状の一次粒子径が0.25μmのものとを1:1の割合で混合
したもの、及び (vi)(i)の軽質炭酸カルシウムとアラゴナイト型で
柱状の一次粒子の長径が20〜30μm、短径が0.6〜1.0μ
mのものとを1:1の割合で混合したもの、 の6種から選択された少なくとも1種の軽質炭酸カルシ
ウムであることが好ましい。なお、軽質炭酸カルシウム
が一次粒子が集合した二次粒子の形態をとっている場合
は、BET比表面積、粒径、平均粒径は、いずれも、二次
粒子のそれらを云う。
本発明のノンコートタイプインクジェット記録用紙に関
して、填料の比表面積は窒素ガスを用いてBET法で測定
する。
ステキヒトサイズ度は、JIS P8122に定める測定法によ
る。すなわち、5cm角の試験片の四周を折り、2%ロダ
ンアンモニウム溶液(20±10℃)に浮べ、同時に1%塩
化第二鉄溶液1滴を落す。その瞬間から3個の赤色はん
点が現われるまでの時間(秒)を測定し、サイズ度とす
る。測定は試験片の両面について各5回行なう。結果は
秒数を、1秒以下を四捨五入して表示する。
平滑度は、JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法No.5,m−74に
よる。
インク吸収速度は、キャノン社製インクジェットプリン
ターBJ−130Aでテストパターンを印字後、1秒間隔で指
でこすって指が汚れるか否かを調べて判定する。
耐水性は、インク吸収速度の判定に使用したと同じプリ
ンターで印字後一晩放置した後、5分間流水中に浸漬、
処理前の光学濃度で処理後の光学濃度を除して比をもと
める。
ドット真円度は、定量的には、形状係数の逆数と定義さ
れる。そして形状係数は{(ドットの周囲長)2/(ドッ
トの実面積)}×(1/4π)と定義される。具体的に
は、例えば、ドットを光学顕微鏡で30倍に拡大して画像
処理装置を用いてドットの実面積及び周囲長を測定して
求めることができる。このように定義される真円度は、
円に対する形状の近似度を示すもので、値が1に近いほ
どドットの形状が円に近いことを意味する。
ドット円相当径(d)は、個々のドットの面積(A)を
π/4で除した値の平方根、すなわち、d=(4A/π)1/2
と定義される。
ドットのにじみ率は、上記円相当径と飛翔してくるイン
ク液滴球の直径との比と定義される。
ドットの光学濃度は、ドットを各々10点サクラマイクロ
デンシトメーターを用いて測定し、平均した反射O.D.で
表わす。
本発明のインクジェット記録方式は、次のようにして製
造することができる。
すなわち、主原料は、木材パルプ等の繊維状物質(パル
プ)と填料とサイズ剤とであり、用紙自体は、特定の填
料を使用し、内外添両サイジングを施こす以外は、公知
の方法で製造され得る。
ここでいう繊維状物質とは、広葉樹材から調製した漂白
クラフトパルプの外、針葉樹漂白クラフトパルプ、木材
以外の天然植物繊維、合成パルプ、合成繊維、無機繊維
等を単独もしくは配合したものをいう。
繊維状物質のろ水度(CSF)が低いと、紙層中の細孔容
量が減少して緻密な構造となり、外細孔径分布も小さい
方へシフトする。すなわち、シートの表面域は表層に存
在する窪み或は細孔の径は小さくなる。このためインク
液滴の浸透は各方向ともほぼ同じ速度で進行するため、
ドット形状が良くなるが、浸透速度は遅くなり、いわゆ
るインクの吸収速度は低下する。反対に、を水度(CS
F)が高いとシート中の細孔容量の増大と平均径の増加
が認められ、インクの吸収速度は速くなるもののインク
は細孔を通じてシート内を浸透して行くため浸透速度の
差が大きくなりドットの形状は真円から遠のく。よっ
て、ドットの形状とインクの吸収性の両者のバランスか
らろ水度(CSF)は600〜200mlとすべきである。望まし
くは450〜250mlである。
本発明のノンコートタイプインクジェット記録用紙にお
いては、填料が重要であって、填料としては、特に所定
の特性値を有する軽質炭酸カルシウム又は合成シリカが
使用される。例えば、重質炭酸カルシウムとタルクとの
混合物などを使用したのでは、本発明の特性値を有する
ノンコートタイプのインクジェット記録用紙は得られな
かった。
填料の比表面積は、前記のように、窒素ガスを用いてBE
T法で測定される場合、軽質炭酸カルシウムのそれは6m2
/g以上、好ましくは6〜30m2/gであり、合成シリカのそ
れは100m2/g以上、好ましくは100〜300m2/gである。比
表面積が大き過ぎるとドットの耐候性が低下し、小さ過
ぎると吸液特性に劣る。因みに、填料の比表面積が大き
い程インクの紙層中域は紙表面での浸透が各方向で均一
化するため、ドットの形状が真円に近くなる。
填料固体表面のエネルギーが大きく、水との接触角が小
さくかつ填料粒子内域は粒子間に水を吸着できる空隙或
は表面積を多く有するものである場合、填料の充填率は
高い方がインクの吸収速度が高く、ドットのにじみ率も
小さくなるものの、紙質としては紙力の低下を誘引す
る。このため一般には用紙の白色度、不透明度といった
光学特性と紙力とのバランスを考慮して填料の充填率は
ある量以下にコントロールされる。一方、充填率が低く
なるとインクの吸収速度が低くなったり、ドット径が大
きくなったりしてインクジェット用紙適性を低下させる
が、紙力低下の影響は減少する。よってこれらの性質と
紙質、印字特性とのバランスを考慮すると前記填料の充
填率は、軽質炭酸カルシウムの場合は、パルプに対して
10〜16重量%、好ましくは12〜16重量%であり、合成シ
リカの場合は、パルプに対して5〜15重量%、好ましく
は7〜12重量%である。
本発明のインクジェット記録用紙を製造するには、上記
のパルプ及び填料に内添サイズ剤を加えてまず紙料を調
製し、次に常法により抄造して、好ましくはステキヒト
サイズ度が0.5〜10秒のシートを得たのち、さらに外添
サイズ剤によってサイズ剤の均一な分布をはかるととも
に製品のステキヒトサイズ度が10秒以上、好ましくは10
〜50秒になるようにする。
内添サイズ剤とは、一般に中性サイズ剤と呼ばれるアル
キルケテンダイマー系サイズ剤、アルケニル無水コハク
酸系サイズ剤及びカチオン化石油樹脂系サイズ剤をい
い、パルプに対して0.1〜1.5重量%加えることが適当で
ある。
外添サイズ剤とは、スチレン−アクリル酸コポリマー、
スチレン−マレイン酸コポリマー、アルキルケテンダイ
マー、石油樹脂及びポリアクリルアミドをいい、外添サ
イズ剤には必要に応じて製膜剤として各種でんぷん、ポ
リビニルアルコール及びCMCのいずれか1種又はこれら
の混合物を加えることができる。また、記録された文字
画像の耐水性、耐光性を高めるためにカチオン性のエポ
キシ樹脂、ポリアリルアミン、ポリアミンスルフォン、
染料定着剤、ポリアミドエピクロルヒドリン、ポリアミ
ン、アルキルアミン、ポリアリルアミン塩酸塩、アルカ
リ金属の塩化物などをシート1m2当り1g以下付着するよ
うに併用する。なお、外添サイズ剤にカチオン性のもの
を使用することにより、インクの耐水性を付与すること
も可能である。この他に、本発明の目的を阻害しない限
度で界面活性剤、粘度調節剤、耐水化剤、消泡剤、分散
剤、着色用染顔料を配合してもよく、このような場合も
本発明の範囲内である。
外添サイズ剤の付着量は、填料として軽質炭酸カルシウ
ムを用いる場合は0.2×10-2〜3×10-2g/m2程度、ま
た、填料として合成シリカを用いる場合は0.2〜3g/m2
度が適当である。
以上のようにしてサイジングの施こされた用紙のステキ
ヒトサイズ度は10秒以上、特に10〜50秒となり、受理し
たインクのにじみを押え、ドット径を小さくすることが
でき、また、サイズ剤が均一に分布されているので、ド
ットの形状、寸法も安定する。
かくして得られる本発明のノンコートタイプインクジェ
ット記録用紙の厚さは、紙料濃度等を調節するなどの常
法により加減することができるが、カレンダーロールに
より平滑度を適度に調整するために加減することもあ
る。しかし、平滑度をあまり高くすると、前記のとお
り、ドット形状に好ましくない影響を与えるおそれがあ
る。
本発明はノンコートタイプインクジェット記録用紙の提
供を目的としており、平滑度は10秒〜80秒/mlに調整す
る。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1〜6(軽質炭酸カルシウム) 市販製紙用広葉樹晒クラフトパルプをろ水度(CSF)270
mlまで叩解度、第1表に記載の特性値を有する填料軽質
炭酸カルシウムを同じく同表に記載の重量比率でパルプ
に添加し、更に同表記載の内添サイズ剤を記載量添加し
て紙料を調製した。次に、この紙料を長網多筒型抄紙機
により抄紙し、得られたシートに外添サイズ剤をサイズ
プレス方式により塗工した。
このようにして得られたノンコートタイプインクジェッ
ト記録用紙の特性値及び前記インクジェットプリンター
を用いて印字したときの印字特性値を第2表に示す。
比較例1〜6(軽質炭酸カルシウム) 比較のために、実施例1〜6と同様にして、ただし特性
値の異なる原料を使用するなど実施例1〜6とは異なる
製造条件で、ノンコートタイプインクジェット記録用紙
を製造した。
製造条件並びに得られたノンコートタイプインクジェッ
ト記録用紙の特性値及び印字特性値を、それぞれ、第3
表及び第4表に示す。
第1表及び第3表中の填料の種類はつぎのとおりであ
る。
A……カルサイト型角状一次粒子径0.13〜0.20μm、二
次粒子径2.0〜3.0μm、 A′…カルサイト型角状一次粒子径0.13〜0.20μm、二
次粒子径1.2〜2.0μm、 B……カルサイト型角状一次粒子径0.06〜0.12μm、二
次粒子径0.6〜1.0μm、 C……カルサイト型角状一次粒子径0.25μm(特開昭53
-43097に記載のもの)、 D……カルサイト型角状一次粒子径3〜4μm(特開昭
51-10199に記載のもの)、 E……アラゴナイト型柱状一次粒子長径20〜30μm、短
径0.6〜1.0μm、 F……アラゴナイト型柱状一次粒子長径0.6〜1.0μm、
短径0.08〜0.12μm(特開昭55-51825に記載のもの)、 G……カルサイト型紡錘型二次粒子径3.2μm。
実施例7〜9(合成シリカ) 填料として軽質炭酸カルシウムの代りに合成シリカLP−
105C(水沢化学工業(株)製)を使用した以外は、実施
例1〜6と同様の製造条件でノンコートインクジェット
記録用紙を製造した。
製造条件並びに得られたノンコートタイプインクジェッ
ト記録用紙の特性値及び印字特性値を、それぞれ、第5
表及び第6表に示す。
比較例7〜9(合成シリカ) 比較のために、実施例7〜9と同様にして、ただし特性
値の異なる原料を使用するなど実施例7〜9とは異なる
製造条件で、ノンコートタイプインクジェット記録用紙
を製造した。
製造条件並びに得られたノンコートタイプインクジェッ
ト記録用紙の特性値及び印字特性値を、それぞれ、第7
表及び第8表に示す。
上記実施例及び比較例より理解されるように、本発明の
ノンコートタイプインクジェット記録用紙の諸特性値
は、例えば本発明のその製造法によって製造されるとき
に、その全てが同時に充足されることに留意すべきであ
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パルプ及び填料としてBET比表面積が6m2/g
    以上、粒径が0.1〜40μm及び平均粒径が1〜25μmの
    軽質炭酸カルシウムをパルプに対して10〜16重量%の割
    合で含有し、且つサイズ剤を内添したシートに更に外添
    サイジングを施こした、次の特性値を有することを特徴
    とするノンコートタイプインクジェット記録用紙。 (a)ステキヒトサイズ度が10秒以上、 (b)平滑度が10〜80秒/10ml、 (c)インク吸収速度が1秒未満、 (d)耐水性70%以上、 (e)ドット真円度が0.50以上、 (f)ドット円相当径が110μm以下、 (g)ドットのにじみ率が220%以下、そして (h)ドット光学濃度が0.78以上。
  2. 【請求項2】該軽質炭酸カルシウムが、 (i)カルサイト型で角状の一次粒子径が0.13〜0.20μ
    mで、二次粒子径が2.0〜3.0μmのもの、 (ii)アラゴナイト型で柱状の一次粒子の長径が20〜30
    μm、短径が0.6〜1.0μmのものとカルサイト型で角状
    の一次粒子径が0.25μmのものとを1:1の割合で混合し
    たもの、 (iii)アラゴナイト型で柱状の一次粒子の長径が20〜3
    0μm、短径が0.6〜1.0μmのものとアラゴナイト型で
    柱状の一次粒子の長径が0.6〜1.0μm、短径が0.08〜0.
    12μmのものとを1:1の割合で混合したもの、 (iv)カルサイト型で角状の一次粒子径が3〜4μmの
    ものとアラゴナイト型で柱状の一次粒子の長径が0.6〜
    1.0μm、短径が0.08〜0.12μmのものとを1:1の割合で
    混合したもの、 (v)(i)の軽質炭酸カルシウムとカルサイト型で角
    状の一次粒子径が0.25μmのものとを1:1の割合で混合
    したもの、及び (vi)(i)の軽質炭酸カルシウムとアラゴナイト型で
    柱状の一次粒子の長径が20〜30μm、短径が0.6〜1.0μ
    mのものとを1:1の割合で混合したもの、 の6種から選択された少くとも1種の軽質炭酸カルシウ
    ムであることを特徴とする請求項1に記載のノンコート
    タイプインクジェット記録用紙。
  3. 【請求項3】パルプ及び填料としてBET比表面積が100m2
    /g以上、粒径が0.2〜25μm及び平均粒径が1.5〜5μm
    の合成シリカをパルプに対して5〜15重量%の割合で含
    有し、且つサイズ剤を内添したシートに更に外添サイジ
    ングを施こした、次の特性値を有することを特徴とする
    ノンコートタイプインクジェット記録用紙。 (a)ステキヒトサイズ度が10秒以上、 (b)平滑度が10〜80秒/10ml、 (c)インク吸収速度が1秒未満、 (d)耐水性70%以上、 (e)ドット真円度が0.50以上、 (f)ドットのにじみ率が220%以下、 (g)ドット円相当径が110μm以下、そして (h)ドット光学濃度が0.78以上。
  4. 【請求項4】該合成シリカが、BET比表面積100〜300m2/
    g、粒径が0.4〜17μmで平均粒径が2〜4μmの合成シ
    リカであることを特徴とする請求項3に記載のノンコー
    トタイプインクジェット記録用紙。
  5. 【請求項5】パルプ及び填料としてBET比表面積が6m2/g
    以上、粒径が0.1〜40μm及び平均粒径が1〜25μmの
    軽質炭酸カルシウムをパルプに対して10〜16重量%の割
    合で含有し、且つアルキルケテンダイマー系サイズ剤、
    アルケニル無水コハク酸系サイズ剤及びカチオン化石油
    樹脂系サイズ剤から選択される少くとも1種のサイズ剤
    を内添した紙料を抄造し、次いで得られたシートにスチ
    レン−アクリル酸コポリマー、スチレン−マレイン酸ポ
    リマー、アルキルケテンダイマー、石油樹脂及びポリア
    クリルアミドから選択される少くとも1種の表面サイズ
    剤を付着させて外添サイジングを施こすことを特徴とす
    る請求項1又は2に記載のノンコートタイプインクジェ
    ット記録用紙の製造法。
  6. 【請求項6】パルプ及び填料としてBET比表面積が100m2
    /g以上、粒径が0.2〜25μm及び平均粒径が1.5〜5μm
    の合成シリカをパルプに対して5〜15重量%の割合で含
    有し、且つアルキルケテンダイマー系サイズ剤、アルケ
    ニル無水コハク酸系サイズ剤及びカチオン化石油樹脂系
    サイズ剤から選択される少くとも1種のサイズ剤を内添
    した紙料を抄造し、次いで得られたシートにスチレン−
    アクリル酸コポリマー、スチレン−マレイン酸ポリマ
    ー、アルキルケテンダイマー、石油樹脂及びポリアクリ
    ルアミドから選択される少くとも1種の表面サイズ剤を
    付着させて外添サイジングを施こすことを特徴とする請
    求項3又は4に記載のノンコートタイプインクジェット
    記録用紙の製造法。
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