JPH0749240B2 - ちぎり絵の製作法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明は、透明、半透明の色紙に、簡単にちぎり絵を形
成することができるちぎり絵の製作法に関する。

＜従来の技術＞ 従来一般に行われているちぎり絵の製作法においては、
基板となる不透明の色紙、化粧ボール紙等の表面に、
花、人物、景色等のちぎり絵を形成して製作するもので
あるが、その場合、先ず、色紙等の表面に転写紙を置
き、更にその表面に前記ちぎり絵の下絵を置き、該下絵
の輪郭線をボールペン、鉛筆等でなぞり、しかる後、前
記下絵と転写紙を色紙等の表面から取り去れば、前記下
絵の輪郭線が色紙等の表面に描き出される。

次に、色彩を有するか、無色の和紙の表面にも、前記同
様に、転写紙を置き、更にその表面に前記ちぎり絵の下
絵において、該下絵の輪郭線をボールペン、鉛筆等でな
ぞり、しかる後、前記下絵と転写紙を和紙の表面から取
り去れば、前記下絵の輪郭線が和紙の表面に描き出され
る。

続いて、前記色彩を有するか、無色の和紙を下絵の輪郭
線に沿ってちぎり、更にちぎった該和紙の裏側に糊を付
け、或いは細い図柄等の場合には色紙等の表面の所定の
個所に糊を付けて、前記和紙を順次貼着し、色紙等の表
面に、花、人物、景色等のちぎり絵を形成し製作してい
たものである。

しかし乍ら、この製作法では、和紙の表面に描き出され
た下絵の輪郭線に沿って一枚の該和紙をちぎることは、
一般の人にはきわめて難しい作業であり、即ち、細く表
現された下絵の輪郭線に沿って和紙をちぎる場合とか、
特に比較的に細く表現された下絵の輪郭線に沿って和紙
をちぎる場合、下絵も一緒にちぎってしまうような欠点
がある。もう一つには転写紙によって描き出された図柄
の輪郭線が、ちぎった和紙によって完全に隠れれば、奇
麗なちぎり絵ができるが、それには、高度の技術がない
と該輪郭線を隠すことができず、したがって、若し輪郭
線が表面から見えるときには、消しゴム等で、その輪郭
線を消すので、色紙等の表面を汚してしまい、したがっ
て、奇麗なちぎり絵を形成し製作することができなかっ
た欠点を有するものである。

＜発明が解決しようとする課題＞ 本発明は上記実情に鑑みなされたものであって、その目
的とするところは透明、または半透明色紙等の表面に、
奇麗なちぎり絵を、技術を要することなくきわめて簡単
に形成することができるちぎり絵の製作法を提供するも
のである。

＜課題を解決するための手段＞ 本発明は、透明、または半透明の色紙等の裏側に、花、
人物、景色等の図柄を表面に施した下絵を置き、表面，
裏面剥離紙を有する両面接着テープからなる図柄部品シ
ートの前記表面剥離紙の表面に、前記下絵と同じ図柄部
品の図柄を施し、該図柄部品の図柄を切取ってから、そ
れらの表面剥離紙を剥離し、この剥離した両面接着テー
プを紙類からなる和紙等の裏面に貼着し、図柄部品の図
柄の外郭に沿って紙類からなる和紙等をちぎり、その裏
面剥離紙を剥離し、この剥離した両面接着テープを色紙
等の裏側の下絵の図柄に合わせて、該色紙等の表面に貼
着し、色紙等の表面にちぎり絵本体を形成し、該色紙等
の裏側より下絵を取り去るようにした製作法である。

＜作 用＞ 本発明においては、基板となる色紙等は透明、半透明か
らなるので、その裏側を置いた下絵の図柄は表面から透
してよく見えるので、表面，裏面剥離紙からなる図柄部
品シートの前記表面剥離紙の表面に施した下絵と同じ図
柄部品の図柄を切取り、その剥離した表面剥離紙の両面
接着テープを紙類からなる和紙等の裏面に貼着し、その
図柄の外郭に沿い紙類からなる和紙等をちぎってから、
その裏面剥離紙を剥離し、その部分の両面接着テープを
色紙等の裏側の下絵の図柄に合わせて、該色紙等の表面
に貼着してちぎり絵本体を形成し、該色紙等の裏側より
下絵を取り去り、ちぎり絵を製作する。

＜実施例＞ 以下、本発明の製作法を実施例の図面に基づいて記述す
れば、次の通りである。

１は、第１図に示すように透明、または半透明で塩化ビ
ニール等の合成樹脂よりなる色紙等で、その周囲には図
示するように縁取り1aを施してもよく、また施さなくて
もよい。２は第２図に示すように花、人物、景色等の図
柄３を表面に印刷したり、画いて施した下絵であって、
該下絵２は色紙等１の裏側に動かないように一例として
図示はしてないが、その四つの角の部分にセロハンテー
プを斜めに貼着し、該セロハンテープの両端は、色紙等
１の外縁部で表面に折曲げで、該色紙等１の表面に若干
の長さ部分を貼着する。

４は第３図及び第４図に示すように、表面、裏面にそれ
ぞれ表面剥離紙５、裏面剥離紙６を有する両面接着テー
プ７からなる図柄部品シートで、前記表面剥離紙５の表
面には前記下絵２と同じ図柄部品の図柄８を印刷した
り、画いて施してある。

該図柄部品の図柄８は第５図に示すように切取り、次に
同図に示すようにそれらの表面剥離紙５を矢印方向に剥
離し、この剥離した両面接着テープ７を第６図に示すよ
うな色彩を有するか、無色の紙類からなる和紙等９の裏
面9aに第７図に示すように貼着し、続いて前記図柄部品
の図柄８の外郭8aに沿って紙類からなる和紙等９を第８
図のようにちぎり、必要に応じて該紙類からなる和紙等
９の周囲の毛羽を整える。

しかる後、第９図に示すようにそれらの裏面剥離紙６を
矢印方向に剥離し、今度は該紙類からなる和紙等９を表
に返して、紙類からなる和紙等９の表面9bを表側とし、
前記剥離した両面接着テープ７を色紙等１の裏側の下絵
２の図柄３に合わせて、第10図に示すように該色紙等１
の表面に貼着し、第11図に示すように色紙等１の表面に
ちぎり絵本体10を形成するものである。

最後に、前述したセロハンテープを下絵２と、色紙等１
から剥離し、第11図に示すようにその矢印方向に下絵２
を取り去れば、ちぎり絵本体10を表面に形成した第12図
に示すような本発明品のちぎり絵ができる。

第13図は本発明品のちぎり絵を一例として額縁11に取付
けた状態を示す。第14図は透明、または半透明の色紙等
１の裏側に、種々の色彩を有する紙等12を置いた場合の
斜視図である。

上述のようにして本発明品を製作するものであるが、図
柄シート４の図柄部品の図柄８を、色紙等１の表面に、
下絵２の図柄３に合わせて所定の位置に貼着し易くする
ために、下絵２の図柄３と、図柄部品の図柄８にそれぞ
れ適合する同一番号、記号等を予め印刷、画いて施して
おけば、作業工程が速やかに行なうことができるし、ま
た図柄シート４の図柄部品の図柄８が花の茎等の如く比
較的に細い場合には、第７図から第８図に示すように、
紙類からなる和紙等９を前記図柄８の外郭8aに沿ってち
ぎるのが困難な時には、前記図柄８の外郭8aに沿って、
目打ち等で紙類からなる和紙等９をなぞれば、ちぎるこ
とが円滑にできる。

＜発明の効果＞ 上述したように本発明は、透明、または半透明の色紙等
１の裏側に、花、人物、景色等の図柄３を表面に施した
下絵２を置き、表面，裏面剥離紙5,6を有する両面接着
テープ７からなる図柄部品シート４の前記表面剥離紙５
の表面に、前記下絵２の図柄３と同じ図柄部品の図柄８
を施し、該図柄部品の図柄８を切取ってから、それらの
表面剥離紙５を剥離し、この剥離した両面接着テープ７
を紙類からなる和紙等９の裏面9aに貼着し、図柄部品の
図柄８の外郭8aに沿って紙類からなる和紙等９をちぎ
り、その裏面剥離紙６を剥離し、この剥離した両面接着
テープ７を色紙等１の裏側の下絵２の図柄３に合わせ
て、該色紙等１の表面に貼着し、色紙等１の表面にちぎ
り絵本体10を形成し、該色紙等１の裏側より下絵２を取
り去ったことを特徴とするちぎり絵の製作法であるた
め、製作に際して用意するものは透明、または半透明の
色紙等１と、図柄３を施した下絵２と、表面，裏面剥離
紙5,6を有する両面接着テープ７からなり、かつ、下絵
２の図柄３と同じ図柄部品の図柄８を施した図柄部品シ
ート４と、紙類からなる和紙等９だけであり、しかも、
その製作法はきわめて簡単である。

更に、従来の如く転写紙を用いて色紙等及び紙類からな
る和紙等９の表面にいちいち下絵の輪郭線を描くような
ことはないから簡単であり、更に紙類からなる和紙等９
をちぎる場合、裏面剥離紙６の両面接着テープ７に貼着
した該紙類からなる和紙等９を、図柄部品の図柄８の外
郭8aに沿ってちぎるため、従来単に下絵の輪郭線に沿っ
て一枚の和紙をちぎる場合に比べ、容易に、かつ、奇麗
にちぎることができる。即ち、図柄部品の図柄８の外郭
8aに沿って、紙類からなる和紙等９をちぎる場合に、該
紙類からなる和紙等９は、表面剥離紙５を剥離した両面
接着テープ７に接着しているから、裏面剥離紙６を有す
る両面接着テープ７が型紙の役目をなし、かつ、刃物の
ような役目を果すことにより、一枚の和紙をちぎる場合
に比べ、細く表現された図柄部品の図柄８とか、比較的
に細く表現された図柄部品の図柄８を奇麗にちぎること
ができるし、さらに、その際、図柄８を一緒にちぎるよ
うな虞はない。また、従来の欠点であったちぎり絵から
はみ出て見える輪郭線を消して色紙等を汚すことなく、
よって、奇麗なちぎり絵を製作出来るし、なお、ちぎり
絵本体10に合わせて、透明、または半透明の色紙等１の
裏側に種々の色彩を有する紙12等を置くことにより、そ
の色が表面から透けて見えるから、趣のあるちぎり絵が
できる特長がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施の一例を示すもので、第１図は透
明、または半透明の縁取りした色紙等の斜視図、第２図
は下絵の斜視図、第３図は図柄部品シートの斜視図、第
４図は図柄部品シートの拡大正面図、第５図は図柄部品
シートから切取った図柄と、その表面剥離紙を剥離した
場合の拡大正面図、第６図は紙類からなる和紙等の斜視
図、第７図は紙類からなる和紙等の裏面に貼着した図柄
の拡大正面図、第８図は紙類からなる和紙等をちぎった
場合の図柄の拡大正面図、第９図はその裏面剥離紙を剥
離した場合の図柄の拡大正面図、第10図は色紙等の表面
に紙類からなる和紙等９を貼着した場合の拡大正面図、
第11図は色紙等から下絵を取去った場合の斜視図、第12
図は本発明の製作法によって製作されたちぎり絵の平面
図、第13図は本発明品を額縁に取付けた場合の平面図、
第14図は透明、または半透明の色紙等の裏側に、種々の
色彩を有する紙等を置いた場合の斜視図である。 １……透明、または半透明の色紙等、1a……縁取り、２
……花、人物、景色等の図柄３を表面に施した下絵、４
……図柄部品シート、５……表面剥離紙、６……裏面剥
離紙、７……両面接着テープ、８……下絵２の図柄３と
同じ図柄部品の図柄、8a……図柄部品の図柄８の外郭、
９……紙類からなる和紙等、9a……紙類からなる和紙等
９の裏面、9b……紙類からなる和紙等９の表面、10……
ちぎり絵本体、11……額縁。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】透明、または半透明の色紙等の裏側に、
   花、人物、景色等の図柄を表面に施した下絵を置き、表
   面，裏面剥離紙を有する両面接着テープからなる図柄部
   品シートの前記表面剥離紙の表面に、前記下絵の図柄と
   同じ図柄部分の図柄を施し、該図柄部品の図柄を切取っ
   てから、それらの表面剥離紙を剥離し、この剥離した両
   面接着テープを紙類からなる和紙等の裏面に貼着し、図
   柄部品の図柄の外郭に沿って紙類からなる和紙等をちぎ
   り、その裏面剥離紙を剥離し、この剥離した両面接着テ
   ープを色紙等の裏側の下絵の図柄に合わせて、該色紙等
   の表面に貼着し、色紙等の表面にちぎり絵本体を形成
   し、該色紙等の裏側より下絵を取り去ったことを特徴と
   するちぎり絵の製作法。